JPH10162813A - 水素吸蔵合金電極及びその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極及びその製造方法

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JPH10162813A
JPH10162813A JP8318422A JP31842296A JPH10162813A JP H10162813 A JPH10162813 A JP H10162813A JP 8318422 A JP8318422 A JP 8318422A JP 31842296 A JP31842296 A JP 31842296A JP H10162813 A JPH10162813 A JP H10162813A
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storage alloy
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輝彦 井本
Kikuko Katou
菊子 加藤
Yasushi Kuroda
黒田  靖
Nobuyuki Higashiyama
信幸 東山
Mamoru Kimoto
衛 木本
Shin Fujitani
伸 藤谷
Koji Nishio
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくともニッケル、コバルト、アルミニウ
ム、マンガンを含有する水素吸蔵合金を含む水素吸蔵合
金電極において、電池に使用した初期における活性度を
十分に向上させ、水素ガスが十分に吸収され、初期より
十分な電池容量が得られると共に、その内圧が上昇する
ということも少なく、さらに低温下で使用した場合にお
いても、十分な放電特性が得られるようにする。 【構成】 少なくともニッケル、コバルト、アルミニウ
ム、マンガンを含有する水素吸蔵合金を含む水素吸蔵合
金電極において、水素吸蔵合金の表面から30Åの深さ
までの部分におけるコバルト、アルミニウム、マンガン
の各原子の存在比率の和をa、水素吸蔵合金の内部のバ
ルク領域におけるコバルト、アルミニウム、マンガンの
各原子の存在比率の和をbとした場合に、a/b≧1.
20の条件を満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケル−水素
二次電池等のアルカリ二次電池において、その負極に使
用される水素吸蔵合金電極及びその製造方法に関するも
のであり、この水素吸蔵合金電極に使用する水素吸蔵合
金を改質し、初期における水素吸蔵合金電極の活性度や
低温特性を向上させた点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルカリ二次電池の1つとし
て、ニッケル−水素二次電池が知られており、このニッ
ケル−水素二次電池においては、一般にその負極に水素
吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極が使用されていた。
【0003】ここで、この負極に使用する水素吸蔵合金
としては、希土類元素の混合物であるミッシュメタル
(Mm)を用いたMm系の水素吸蔵合金や、ラーベス
(Laves)系の水素吸蔵合金が使用されていた。
【0004】しかし、これらの水素吸蔵合金は、一般に
自然酸化等によってその表面に酸化物等の被膜が形成さ
れており、このような水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合
金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をニッケル−水
素二次電池における負極に使用した場合には、その初期
における水素吸蔵合金の活性度が低くて、水素ガスの吸
収が十分に行なわれず、初期における電池容量が低くな
ったり、電池内における圧力が増加する等の問題があっ
た。
【0005】このため、近年においては、特開平5−2
25975号公報等に示されるように、水素吸蔵合金を
塩酸等の酸性溶液中に浸漬させて、水素吸蔵合金の表面
における酸化被膜を除去するようにしたものが提案され
た。
【0006】ここで、このように水素吸蔵合金を酸性溶
液中に浸漬させて、この水素吸蔵合金の表面における酸
化被膜等を除去した場合、水素吸蔵合金の表面に活性な
部位がある程度出現するが、この表面における活性な部
位が再度酸化されたりして、水素吸蔵合金における初期
の活性度が十分に向上されず、依然として初期において
水素ガスの吸収が十分に行なわれず、電池容量が低くな
ったり、電池内における圧力が高くなる等の問題が存在
した。
【0007】さらに、従来の水素吸蔵合金電極において
は、低温下における電子伝導性が十分ではなく、低温下
で使用した場合における放電特性が悪いという問題も存
在した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ニッケル
−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用する
水素吸蔵合金電極における上記のような様々な問題を解
決することを課題とするものであり、少なくともニッケ
ル、コバルト、アルミニウム、マンガンを含有する水素
吸蔵合金を含む水素吸蔵合金電極において、電池に使用
した初期における活性度を十分に向上させて水素ガスが
十分に吸収され、初期より十分な電池容量が得られると
共に、その内圧が上昇するということも少なく、さらに
低温下で使用した場合においても、十分な放電特性が得
られるようにすることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける水素吸蔵合金電極においては、上記のような課題を
解決するため、少なくともニッケル、コバルト、アルミ
ニウム、マンガンを含有する水素吸蔵合金を含む水素吸
蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金の表面から3
0Åの深さまでの部分におけるコバルト、アルミニウ
ム、マンガンの各原子の存在比率の和をa、水素吸蔵合
金の内部のバルク領域におけるコバルト、アルミニウ
ム、マンガンの各原子の存在比率の和をbとした場合
に、a/b≧1.20の条件を満たすようにしたのであ
る。
【0010】また、この発明の請求項2における水素吸
蔵合金電極の製造方法においては、上記のような水素吸
蔵合金電極を製造するにあたり、少なくともニッケル、
コバルト、アルミニウム、マンガンを含有する水素吸蔵
合金の重量に対して、アルミニウム化合物を1〜5重量
%添加させた酸性溶液中において上記の水素吸蔵合金の
表面処理を行なうようにしたのである。
【0011】ここで、酸性溶液中に加えるアルミニウム
化合物の量を水素吸蔵合金の重量に対して1〜5重量%
にしたのは、アルミニウム化合物の量が少ないと、水素
吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの部分におけるコ
バルト、アルミニウム、マンガンの量が少なくなり、ま
たアルミニウム化合物の量が多くなり過ぎても、コバル
ト、アルミニウム、マンガンの各原子がうまく水素吸蔵
合金の表面に残留されなくなり、何れの場合においても
水素吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの部分におけ
るコバルト、アルミニウム、マンガンの各原子の存在比
率の和aが小さくなって、a/b≧1.20の条件を満
たさなくなるためである。
【0012】そして、上記の請求項1における水素吸蔵
合金電極のように、水素吸蔵合金の表面から30Åの深
さまでの部分におけるコバルト、アルミニウム、マンガ
ンの各原子の存在比率の和aと、水素吸蔵合金内部のバ
ルク領域におけるコバルト、アルミニウム、マンガンの
各原子の存在比率の和bとの関係がa/b≧1.20の
条件を満たすと、コバルト、アルミニウム、マンガンの
原子が水素吸蔵合金内部におけるバルク領域よりも表面
において多く存在し、これらの原子の触媒的作用によ
り、この水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極におけ
る活性度が初期より向上されると共に、低温下における
電子伝導性が向上される。
【0013】そして、このような水素吸蔵合金電極をニ
ッケル−水素二次電池等に使用した場合には、初期にお
けるガスの発生が抑制されて、初期における電池容量が
増大すると共に、電池内における圧力の上昇も抑制さ
れ、さらに低温下において使用した場合にも、その放電
特性が向上される。
【0014】また、上記の請求項2における水素吸蔵合
金電極の製造方法において、酸性溶液に添加するアルミ
ニウム化合物としては、酸性溶液中で溶解できるアルミ
ニウム化合物であればどのようなものであっても良く、
例えば、塩化アルミニウムや水酸化アルミニウム等を使
用することができる。
【0015】また、上記のように水素吸蔵合金をアルミ
ニウム化合物を添加させた酸性溶液中で処理するにあた
り、この酸性溶液のpHが高すぎると、水素吸蔵合金の
表面における酸化物等の被膜を十分に除去できなくなる
一方、この酸性溶液のpHが低すぎると、水素吸蔵合金
における活性な金属も溶解されて、水素吸蔵合金の表面
における活性な部分も低下するため、好ましくは、初期
のpHが0.7〜2.0の酸性溶液を用いて水素吸蔵合
金の表面処理を行なうようにする。
【0016】また、上記の酸性溶液の温度が高すぎる
と、水素吸蔵合金における活性な金属も溶解されて、水
素吸蔵合金の表面における活性な部分も低下する一方、
酸性溶液の温度が低すぎると、水素吸蔵合金の表面にお
ける酸化物等の被膜を十分に除去できなくなるため、こ
の酸性溶液の温度を20℃〜70℃の範囲にして水素吸
蔵合金の処理を行うことが好ましい。
【0017】さらに、上記のように水素吸蔵合金をアル
ミニウム化合物を添加させた酸性溶液中で処理するにあ
たり、この酸性溶液中にアントラヒドロキノン等のキノ
ン類を適当量添加させると、酸性溶液中における溶存酸
素が除去される等により、水素吸蔵合金の表面に再度酸
化物の被膜が形成されるのが抑制され、水素吸蔵合金に
おける初期の活性度がより向上されるようになり、好ま
しくは、酸性溶液中にキノン類を5ppm〜100pp
m添加させるようにする。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る水素吸蔵合金
電極及びその製造方法について具体的に説明すると共
に、比較例を挙げ、この発明の実施例の水素吸蔵合金電
極を電池に使用した場合に、初期における電池の内圧の
上昇が抑制されると共に、低温下での放電特性が向上さ
れることを明らかにする。なお、この発明における水素
吸蔵合金電極及びその製造方法は、特に、下記の実施例
に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変
更しない範囲において適宜変更して実施できるものであ
る。
【0019】(実施例1〜3及び比較例1〜3)これら
の実施例及び比較例においては、希土類元素の混合物で
あるミッシュメタル(Mm)とNiとCoとAlとMn
とを、MmNi3.1 Co0.8 Al0.4 Mn0.7 の組成比
になるように秤量して混合し、これを溶融させて合金化
した後、これを機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末を得
た。
【0020】次に、このようにして得た水素吸蔵合金粉
末の表面を塩酸を用いた酸性溶液中で処理するようにし
た。
【0021】ここで、このように水素吸蔵合金粉末の表
面を酸性溶液中で処理するにあたっては、下記の表1に
示すように、酸性溶液の初期pHを1、液温を25℃に
すると共に、実施例1〜3及び比較例1においては、上
記の酸性溶液中にアルミニウム化合物として塩化アルミ
ニウムAlCl3 を同表に示すだけ加えると共にアント
ラキノンを50ppm加えるようにし、比較例2におい
ては、アントラキノンだけを50ppm加えるように
し、比較例3においては、塩化アルミニウムとアントラ
キノンの何れをも加えないようにした。
【0022】そして、上記のように調整した各酸性溶液
中にそれぞれ水素吸蔵合金をpHが7程度になるまで浸
漬させて、各水素吸蔵合金の表面を処理した。
【0023】次に、上記のようにして表面処理された各
水素吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの各原子の存
在比率を測定した。各原子の存在比率の測定は、走査型
透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析計を用い
て測定した。ここで、各原子の存在比率とは、測定した
部分において、走査型透過型電子顕微鏡とエネルギー分
散型X線分析計により検出された全金属原子の総数に対
する各原子の存在数の比を求めたものである。そして、
この方法により、各水素吸蔵合金の表面から30Åの深
さまでの部分におけるCo、Al、Mn原子の存在比率
の和aを求めると共に、同様にして各水素吸蔵合金の内
部のバルク領域におけるCo、Al、Mn原子の存在比
率の和bを求めて、a/bを算出し、その結果を表1に
合わせて示した。
【0024】
【表1】
【0025】この結果、上記実施例1〜3の水素吸蔵合
金は、a/bの値が1.20以上になっており、この発
明の条件を満たしていたが、酸性溶液中にAlCl3
5重量%より多い7重量%加えた酸性溶液を用いて処理
した比較例1の水素吸蔵合金や、AlCl3 を加えてい
ない酸性溶液を用いて処理した比較例2,3の各水素吸
蔵合金においては、そのa/bの値が1.20より低く
なっていた。
【0026】次に、上記の実施例1〜3及び比較例1,
2に示すようにして表面処理された各水素吸蔵合金10
0重量部に対して、それぞれ結着剤であるポリエチレン
オキサイドの5重量%水溶液を20重量部加えて混合さ
せ、各ペーストを調整し、このペーストをそれぞれニッ
ケルメッキしたパンチングメタルからなる芯体の両面に
塗着させて室温で乾燥させた後、所定の寸法に切断し
て、実施例1〜3及び比較例1,2の各水素吸蔵合金電
極を作製した。
【0027】そして、このように作製した各水素吸蔵合
金電極を負極に使用する一方、正極としては、従来より
一般に使用されている焼結式ニッケル極を使用し、また
セパレータとしては耐アルカリ性の不織布を用い、図1
に示すように、上記の正極1と各負極2との間にそれぞ
れセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻
いて電池缶4内に収容させた後、この電池缶4内にアル
カリ電解液として30重量%の水酸化カリウム水溶液を
注液して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋
6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して
電池缶4に接続させ、電池缶4と正極蓋6とを絶縁パッ
キン8により電気的に分離させるようにした。
【0028】また、正極蓋6と正極外部端子9との間に
コイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇
した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて
電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
【0029】そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池に対し、室温(常温)下において、
それぞれ充電電流0.2Cで6時間充電した後、0℃の
低温下において放電電流0.2Cで放電を行ない、これ
らの各ニッケル−水素二次電池における初期放電容量を
求め、その結果を下記の表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】この結果から明らかなように、上記のa/
bの値が1.20以上になった水素吸蔵合金を使用した
実施例1〜3の水素吸蔵合金電極を負極に使用したニッ
ケル−水素二次電池は、上記のa/bの値が1.20よ
り低い水素吸蔵合金を使用した比較例1〜3の水素吸蔵
合金電極を負極に使用したニッケル−水素二次電池に比
べて、0℃の低温下における初期放電容量が高くなって
おり、低温下での放電特性が向上していた。
【0032】(実施例4〜6及び比較例4〜6)これら
の実施例4〜6及び比較例4〜6においては、上記の実
施例1〜3及び比較例1〜3の場合と同様に粉砕して得
られた水素吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理する
にあたり、酸性溶液の液温を25℃にすると共に、この
酸性溶液中に添加するAlCl3 やアントラキノンの量
を、下記の表3に示すように、実施例4では実施例1
と、実施例5では実施例2と、実施例6では実施例3
と、比較例4では比較例1と、比較例5では比較例2
と、比較例6では比較例3と同じにする一方、上記の酸
性溶液における初期のpH値を同表に示すように変化さ
せて、それぞれ水素吸蔵合金の表面処理を行なった。
【0033】ここで、上記のように酸性溶液における初
期のpH値を変更させた場合においても、前記のa/b
の値は殆ど変化せず、実施例4のものは実施例1のもの
と、実施例5のものは実施例2のものと、実施例6のも
のは実施例3のものと、比較例4のものは比較例1のも
のと、比較例5のものは比較例2のものと、比較例6の
ものは比較例3のものとほぼ同じa/bの値を示した。
【0034】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、上記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製した。
【0035】そして、このようにして作製した各ニッケ
ル−水素二次電池に対し、それぞれ電池の内圧を測定し
ながら常温下において1000mA(1C)で充電を行
ない、電池の内圧が10kgf/cm2 に達するまでの
充電時間を測定し、これを各ニッケル−水素二次電池に
おける初期の内圧特性として下記の表3に示した。な
お、この内圧特性を定めるにあたっては、それぞれ4個
のニッケル−水素二次電池について試験を行ない、その
平均値を示した。
【0036】
【表3】
【0037】この結果から明らかなように、酸性溶液の
初期pHを変化させた場合においても、前記の実施例1
〜3と同様にa/bの値が1.20以上になった実施例
4〜6のものは、比較例1〜3と同様にa/bの値が
1.20より低くなった比較例4〜6のものに比べて、
電池の内圧特性を示す充電時間が長くなっており、初期
におけるガスの発生が抑制され、初期より十分な放電容
量が得られた。
【0038】また、上記のように水素吸蔵合金を酸性溶
液中において表面処理するにあたって、初期のpHが
0.7〜2.0の範囲になった酸性溶液で処理した場合
に、各ニッケル−水素二次電池における内圧特性が向上
された。
【0039】(実施例7〜9及び比較例7〜9)これら
の実施例7〜9及び比較例7〜9においては、上記の実
施例1〜3及び比較例1〜3の場合と同様に粉砕して得
られた水素吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理する
にあたり、酸性溶液の初期pHを1にすると共に、この
酸性溶液中に添加するAlCl3 やアントラキノンの量
を、下記の表4に示すように、実施例7では実施例1
と、実施例8では実施例2と、実施例9では実施例3
と、比較例7では比較例1と、比較例8では比較例2
と、比較例9では比較例3と同じにする一方、上記の酸
性溶液における液温を同表に示すように変化させて、そ
れぞれ水素吸蔵合金の表面処理を行なった。
【0040】ここで、上記のように酸性溶液における液
温を変更させた場合においても、前記のa/bの値は殆
ど変化せず、実施例7のものは実施例1のものと、実施
例8のものは実施例2のものと、実施例9のものは実施
例3のものと、比較例7のものは比較例1のものと、比
較例8のものは比較例2と、比較例9のものは比較例3
のものとほぼ同じa/bの値を示した。
【0041】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、上記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製し、各ニッケル−水素二次電池にお
ける初期の内圧特性を上記の場合と同様にして測定し、
その結果を下記の表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】この結果から明らかなように、酸性溶液の
液温を25.0℃〜70.0℃の範囲にした場合、前記
のようにa/bの値が1.20以上になった実施例7〜
9のものは、a/bの値が1.20より低い比較例7〜
9のものに比べて、電池の内圧特性を示す充電時間が長
くなっており、初期におけるガスの発生が抑制され、初
期より十分な放電容量が得られた。
【0044】(実施例10〜12及び比較例10,1
1)これらの実施例10〜12及び比較例10,11に
おいては、上記の実施例1〜3及び比較例1〜3の場合
と同様に粉砕して得られた水素吸蔵合金を酸性溶液中に
おいて表面処理するにあたり、酸性溶液の初期pHを
1、酸性溶液の液温を25℃にすると共に、この酸性溶
液中に添加するAlCl3 の量を、下記の表5に示すよ
うに、実施例10では実施例1と、実施例11では実施
例2と、実施例12では実施例3と、比較例10では比
較例1と、比較例11では比較例2と同じにする一方、
上記の酸性溶液に添加させるアントラキノンの量を同表
に示すように変化させて、それぞれ水素吸蔵合金の表面
処理を行なった。
【0045】ここで、上記のように酸性溶液に添加させ
るアントラキノンの量を変更させた場合においても、前
記のa/bの値は殆ど変化せず、実施例10のものは実
施例1のものと、実施例11のものは実施例2のもの
と、実施例12のものは実施例3のものと、比較例10
のものは比較例1のものと、比較例11のものは比較例
2のものとほぼ同じa/bの値を示した。
【0046】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、上記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製し、各ニッケル−水素二次電池にお
ける初期の内圧特性を上記の場合と同様にして測定し
て、その結果を下記の表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】この結果から明らかなように、酸性溶液中
にアントラキノンを5.0ppm〜100.0ppmの
範囲で添加した場合、前記のようにa/bの値が1.2
0以上になった実施例10〜12のものは、a/bの値
が1.20より低い比較例10,11のものに比べて、
電池の内圧特性を示す充電時間が長くなっており、初期
におけるガスの発生が抑制され、初期より十分な放電容
量が得られた。
【0049】(実施例13〜15及び比較例12)これ
らの実施例13〜15及び比較例12においては、上記
の実施例1〜3及び比較例1〜3の場合と同様に粉砕し
て得られた水素吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理
するにあたり、上記の実施例1〜3及び比較例1〜3の
場合と同様に、酸性溶液の初期pHを1、液温を25℃
にすると共に、アントラキノンを50ppm加える一
方、下記の表6に示すように、上記の酸性溶液中にアル
ミニウム化合物として水酸化アルミニウムAl(OH)
3 を同表に示すだけ加えるようにした。
【0050】次に、上記のようにして表面処理した各水
素吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの各原子の存在
比率を測定した。各原子の存在比率の測定は、走査型透
過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析計を用いて
測定した。ここで、各原子の存在比率とは、測定した部
分において、走査型透過型電子顕微鏡とエネルギー分散
型X線分析計により検出された全金属原子の総数に対す
る各原子の存在数の比を求めたものである。そして、こ
の方法により、各水素吸蔵合金の表面から30Åの深さ
までの部分におけるCo、Al、Mn原子の存在比率の
和aを求めると共に、同様にして各水素吸蔵合金の内部
のバルク領域におけるCo、Al、Mn原子の存在比率
の和bを求めて、a/bを算出し、その結果を表6に合
わせて示した。
【0051】
【表6】
【0052】この結果、実施例13〜15の水素吸蔵合
金は、a/bの値が1.20以上になっており、この発
明の条件を満たしていたが、酸性溶液中にAl(OH)
3 を5重量%より多い7重量%加えた酸性溶液を用いて
処理した比較例12の水素吸蔵合金においては、そのa
/bの値が1.20より低くなっていた。
【0053】(実施例16〜18及び比較例13)これ
らの実施例16〜18及び比較例13においては、水素
吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理するにあたり、
上記の実施例13〜15及び比較例12の場合と同様
に、酸性溶液の液温を25℃にし、アントラキノンを5
0ppm加えると共に、下記の表7に示すように、上記
の酸性溶液中に添加する水酸化アルミニウムAl(O
H)3 の量を、実施例16では実施例13と、実施例1
7では実施例14と、実施例18では実施例15と、比
較例13では比較例12と同じにする一方、上記の酸性
溶液における初期のpH値を同表に示すように変化させ
て、それぞれ水素吸蔵合金の表面処理を行なった。
【0054】ここで、上記のように酸性溶液における初
期のpH値を変更させた場合においても、前記のa/b
の値は殆ど変化せず、実施例16のものは実施例13の
ものと、実施例17のものは実施例14のものと、実施
例18のものは実施例15のものと、比較例13のもの
は比較例12のものとほぼ同じa/bの値を示した。
【0055】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、前記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製し、このように作製した各ニッケル
−水素二次電池における初期の内圧特性を上記の各場合
と同様にして測定し、その結果を表7に合わせて示し
た。
【0056】
【表7】
【0057】この結果から明らかなように、酸性溶液の
初期pHを変化させた場合においても、a/bの値が
1.20以上になった実施例16〜18のものは、a/
bの値が1.20より低くなった比較例13のものに比
べて、電池の内圧特性を示す充電時間が長くなってお
り、初期におけるガスの発生が抑制され、初期より十分
な放電容量が得られた。
【0058】また、上記のように水素吸蔵合金を酸性溶
液中において表面処理するにあたって、初期のpHが
0.7〜2.0の範囲になった酸性溶液で処理した場合
には、各ニッケル−水素二次電池における内圧特性が向
上された。
【0059】(実施例19〜21及び比較例14)これ
らの実施例19〜21及び比較例14においては、水素
吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理するにあたり、
上記の実施例13〜15及び比較例12の場合と同様
に、酸性溶液の初期pHを1にし、酸性溶液にアントラ
キノンを50ppm加えると共に、下記の表8に示すよ
うに、上記の酸性溶液中に添加する水酸化アルミニウム
Al(OH)3 の量を、実施例19では実施例13と、
実施例20では実施例14と、実施例21では実施例1
5と、比較例14では比較例12と同じにする一方、上
記の酸性溶液の液温を同表に示すように変化させて、そ
れぞれ水素吸蔵合金の表面処理を行なった。
【0060】ここで、上記のように酸性溶液における液
温を変更させた場合においても、前記のa/bの値は殆
ど変化せず、実施例19のものは実施例13のものと、
実施例20のものは実施例14のものと、実施例21の
ものは実施例15のものと、比較例14のものは比較例
12のものとほぼ同じa/bの値を示した。
【0061】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、前記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製し、このように作製した各ニッケル
−水素二次電池における初期の内圧特性を上記の各場合
と同様にして測定し、その結果を表8に合わせて示し
た。
【0062】
【表8】
【0063】この結果から明らかなように、酸性溶液の
液温を25.0℃〜70.0℃の範囲にした場合、前記
のようにa/bの値が1.20以上になった実施例19
〜21のものは、a/bの値が1.20より低い比較例
14のものに比べて、電池の内圧特性を示す充電時間が
長くなっており、初期におけるガスの発生が抑制され、
初期より十分な放電容量が得られた。
【0064】(実施例22〜24及び比較例15)これ
らの実施例22〜24及び比較例15においては、水素
吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理するにあたり、
上記の実施例13〜15及び比較例12の場合と同様
に、酸性溶液の初期pHを1、その液温を25℃にする
と共に、下記の表9に示すように、上記の酸性溶液中に
添加する水酸化アルミニウムAl(OH)3 の量を、実
施例22では実施例13と、実施例23では実施例14
と、実施例24では実施例15と、比較例15では比較
例12と同じにする一方、上記の酸性溶液に添加させる
アントラキノンの量を同表に示すように変化させて、そ
れぞれ水素吸蔵合金の表面処理を行なった。
【0065】ここで、上記のように酸性溶液に添加させ
るアントラキノンの量を変更させた場合においても、前
記のa/bの値は殆ど変化せず、実施例22のものは実
施例13のものと、実施例23のものは実施例14のも
のと、実施例24のものは実施例15のものと、比較例
15のものは比較例12のものとほぼ同じa/bの値を
示した。
【0066】次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、前記の実施例1〜3及び比較例1,2の場合
と同様にして、各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、
この各水素吸蔵合金電極を負極に使用して各ニッケル−
水素二次電池を作製し、このように作製した各ニッケル
−水素二次電池における初期の内圧特性を上記の各場合
と同様にして測定し、その結果を表9に合わせて示し
た。
【0067】
【表9】
【0068】この結果から明らかなように、酸性溶液中
にアントラキノンを5ppm〜100ppmの範囲で添
加した場合、前記のようにa/bの値が1.20以上に
なった実施例12〜24のものは、a/bの値が1.2
0より低い比較例15のものに比べて、電池の内圧特性
を示す充電時間が長くなっており、初期におけるガスの
発生が抑制され、初期より十分な放電容量が得られた。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の請求項
1に記載した水素吸蔵合金電極のように、水素吸蔵合金
の表面から30Åの深さまでの部分におけるコバルト、
アルミニウム、マンガンの各原子の存在比率の和aと、
水素吸蔵合金の内部のバルク領域におけるコバルト、ア
ルミニウム、マンガンの各原子の存在比率の和bとの関
係がa/b≧1.2の条件を満たすと、水素吸蔵合金の
表面におけるコバルト、アルミニウム、マンガンの各原
子の割合が多くなり、これらの原子触媒的作用により、
この水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極における活
性度が初期より向上されると共に、低温下における電子
伝導性が向上された。
【0070】この結果、この発明の請求項1に記載した
水素吸蔵合金電極をニッケル−水素二次電池等に使用し
た場合には、初期におけるガスの発生が抑制されて、初
期における電池容量が増大すると共に、電池内における
圧力の上昇も抑制され、さらに低温下において使用した
場合にもその放電特性が向上された。
【0071】また、この発明の請求項2における水素吸
蔵合金電極の製造方法により水素吸蔵合金電極を製造す
ると、上記の請求項1に記載した水素吸蔵合金電極が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製した
ニッケル−水素二次電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極(水素吸蔵合金電極)
フロントページの続き (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともニッケル、コバルト、アルミ
    ニウム、マンガンを含有する水素吸蔵合金を含む水素吸
    蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金の表面から3
    0Åの深さまでの部分におけるコバルト、アルミニウ
    ム、マンガンの各原子の存在比率の和をa、水素吸蔵合
    金の内部のバルク領域におけるコバルト、アルミニウ
    ム、マンガンの各原子の存在比率の和をbとした場合
    に、a/b≧1.20の条件を満たすことを特徴とする
    水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した水素吸蔵合金電極を
    製造するにあたり、少なくともニッケル、コバルト、ア
    ルミニウム、マンガンを含有する水素吸蔵合金の重量に
    対してアルミニウム化合物を1〜5重量%添加させた酸
    性溶液中において上記の水素吸蔵合金の表面処理を行な
    うことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
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EP97120881A EP0845823B1 (en) 1996-11-29 1997-11-27 Hydrogen absorbing alloy electrode, method of fabricating hydrogen absorbing alloy electrode, and alkali secondary battery
DE69711556T DE69711556T2 (de) 1996-11-29 1997-11-27 Elektrode aus Wasserstoffspeicherlegierung, Verfahren zur Herstellung und alkalische Sekundärbatterie
CNB971226253A CN1174508C (zh) 1996-11-29 1997-11-28 吸氢合金电极、吸氢合金电极的制造方法及碱性二次电池
US09/374,998 US6358647B1 (en) 1996-11-29 1999-08-16 Hydrogen absorbing alloy electrode, method of fabricating hydrogen absorbing alloy electrode, and alkali secondary battery

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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