JPH10168325A - 熱可塑性樹脂組成物、それを用いた塗装材及びこれを表面層に有する構造体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、それを用いた塗装材及びこれを表面層に有する構造体

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JPH10168325A
JPH10168325A JP32835896A JP32835896A JPH10168325A JP H10168325 A JPH10168325 A JP H10168325A JP 32835896 A JP32835896 A JP 32835896A JP 32835896 A JP32835896 A JP 32835896A JP H10168325 A JPH10168325 A JP H10168325A
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JP
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resin
thermoplastic resin
titanium oxide
coating material
resin composition
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JP32835896A
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Manabu Kawa
学 加和
Masahiro Nukii
正博 抜井
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可視光照射での光触媒機能を有する熱可塑性樹
脂組成物、それを用いた塗装材及びこれを表面層に有す
る構造体を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂40〜99.9重量%、及び
d軌道電子を有する金属イオンを注入した酸化チタン6
0〜0.1重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物、これを含んでなる塗装材、及び、この熱可塑
性樹脂組成物を表面層に有する構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光照射での光
触媒機能を有する熱可塑性樹脂組成物、それを用いた塗
装材及びこれを表面層に有する構造体を提供する。本発
明の組成物は、UV光の乏しい環境、例えば室内におい
ても、脱臭、あるいは抗菌作用を発揮する建築部材等に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは、熱可塑性樹脂に機械的強
度、白色性、あるいは紫外線吸収効果を付与する添加剤
として、従来広範に使用されてきた。一方、酸化チタン
は、3.2eVのバンドギャップを有する半導体である
ので、該バンドギャップ以上のエネルギーを有する光、
即ち388nm以下の波長を有する光(紫外線)の照射
により価電子帯から伝導帯へ電子が励起し、正孔と励起
電子を生ずる。かかる正孔及び励起電子は、それぞれ活
性な酸化能及び還元能を有しているため、酸化窒素等の
有害物質や悪臭化学物質等の分解や殺菌作用等、種々の
触媒作用を有することが知られている。こうした作用を
利用すべく、酸化チタンと共存させると光触媒作用を向
上させることが知られているゼオライト等の無機材料
を、熱可塑性樹脂や酸化チタンと共に混合してなる組成
物が、例えば特開平7−316342号公報等に開示さ
れている。
【0003】しかし、太陽光を利用した光触媒作用を考
えた場合に、上記の技術は、地上に降り注ぐ太陽光のエ
ネルギーの数%を占めるにすぎない紫外光を利用するの
で、光触媒効率の向上のために太陽光エネルギーの多く
の部分を占める可視光の利用が望まれていた。更に、住
居の内部等、紫外光の少ない環境でも光触媒作用を有
し、しかも成形加工性の優れた材料の開発が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術では達成されなかった、可視光での光触媒作用と
熱可塑性や溶液塗布性等の優れた成形加工性・塗装適性
とを兼備した材料、或いはこれを表面層に有する構造体
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の酸化チ
タンを配合した樹脂組成物が該目的を達成することを見
出して完成されたものである。
【0006】すなわち本発明の一つは、熱可塑性樹脂4
0〜99.9重量%、及びd軌道電子を有する金属イオ
ンを注入した酸化チタン60〜0.1重量%からなるこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】また、本発明のもう一つは、この熱可塑性
樹脂組成物を含んでなる溶液であることを特徴とする塗
装材である。
【0008】本発明のさらにもう一つは、この熱可塑性
樹脂組成物を表面に有することを特徴とする構造体であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔熱可塑性樹脂組成物〕本発明において使用する熱可塑
性樹脂とは、加熱による軟化により賦形可能な性質すな
わち熱可塑性を有する高分子材料であり、その化学構造
に特に制限はない。また、熱可塑性を有する限りにおい
て該高分子材料は、直鎖状分子、分岐構造を有する分
子、あるいは架橋構造を有する分子のいずれか、又はこ
れら3種の構造から任意に選択される組み合わせの混合
物のいずれでも構わない。本発明において熱可塑性樹脂
は、d軌道電子を有する金属イオンを注入した酸化チタ
ンを分散させるマトリックスとしての機能を果たす。
【0010】好ましい効果が特に期待される熱可塑性樹
脂としては、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、
芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、芳香族
ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアルキレンエーテルグリコール樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルエーテル、フッ素樹
脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。
【0011】これらのうち好ましいものとしては、具体
的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−イソブ
チレン共重合体、ポリブタジエン等のポリオレフィン系
樹脂、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香
族ビニル化合物の重合生成物を基本骨格とし、該芳香族
ビニル化合物を重合させる際にゴム成分を共存させるこ
ともできるスチレン系樹脂(例えば一般用ポリスチレン
(PS樹脂)、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS
樹脂)、アクリロニトリ−アクリル系ゴム−スチレン共
重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリ−EPDM−ス
チレン共重合体(AES樹脂)アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体等)、テレフタル酸及び/またはイソフタ
ル酸とエチレングリコールとから得られるポリエステ
ル、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸と1、4ー
ブタンジオールとから得られるポリエステル、テレフタ
ル酸及び/またはイソフタル酸とシクロヘキサンジメタ
ノールとから得られるポリエステル、テレフタル酸及び
/またはイソフタル酸とシクロヘキサンジオールとから
得られるポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート等のナフタレン環を有するポリ
エステル、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族モノマーを必須成分とする液晶性を有するポリエステ
ル等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカプロラクタム
(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン
46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリウンデカノラクタム(ナイロン11)、ポリ
ドデカノラクタム(ナイロン12)、テレフタル酸及び
/またはイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから
得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジア
ミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸及び/ま
たはイソフタル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジアミ
ンとから得られるポリアミド、テレフタル酸及び/また
はイソフタル酸とメタキシリレンジアミンとから得られ
るポリアミド、共重合成分として1,3−フェニレンオ
キシジ酢酸を含む共重合ポリアミド、共重合成分として
二量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミド等のポリアミド
系樹脂、ビスフェノールAポリカーボネート、ビスフェ
ノールPポリカーボネート、ビスフェノールCポリカー
ボネート、ビスフェノールAとビスフェノールPとから
得られるポリカーボネート、ビスフェノールAとビスフ
ェノールCとから得られるポリカーボネート、ビスフェ
ノールCとビスフェノールPとから得られるポリカーボ
ネート等の芳香族ポリカーボネート系樹脂、一般式−
(−O−CHR−)n −、[式中、Rは水素原子、また
は炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは自然数であ
る。]で示されるオキシアルキレン構造の繰り返し単位
を主体とする重合体であるポリアセタール系樹脂、フェ
ノール、あるいはo−クレゾール、2,6−キシレノー
ル、2,5−キシレノール、2,3,6−トリメチルフ
ェノール等のメチルフェノール類等の酸化カップリング
重合により製造されるベンゼン環残基がエーテル結合を
介して結ばれた重合体であるポリフェニレンエーテル樹
脂、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリエーテルグリコ
ールのモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和
モノマー、およびそれらのモノマーへのε−カプロラク
トンまたはβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリロニトリ
ル、アクリルアマイド、酢酸ビニル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ア
クリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸誘導体の単独重
合体または共重合体であるアクリル系樹脂、p−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−もしくは2,6−トリ
レンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,
ω’−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン、キシリ
レンジイソシアネート等のジイソシアネート類と、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレ
ングリコール等のグリコール類やポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキ
シエチレン−プロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール、ポリオキシヘキサメチレンエー
テルグリコール、ポリオキシオクタメチレンエーテルグ
リコール等のポリエーテルジオール類等、あるいはジカ
ルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)と上記のよ
うなグリコール類やポリエーテルジオール類等からなる
ポリエステルジオール類等のジオールを主成分とするポ
リウレタン樹脂、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−プ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール、ポリオキシヘキサメチレンエーテルグリコー
ル、ポリオキシオクタメチレンエーテルグリコール等の
ポリアルキレンエーテルグリコール樹脂等が挙げられ
る。これらの熱可塑性樹脂は、複数種類を同時に使用し
ても構わない。
【0012】本発明で用いられる酸化チタンに注入され
るd軌道電子を有する金属イオンとは、周期律表におい
て第4、5、6、及び第7周期に属し、かつ1A、2
A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、
3B、4Bのいずれかの族に属する元素、及びSb、B
i、Poからなる群から任意に選ばれる元素の陽イオン
である。該金属イオンは陽イオンである限りにおいて、
その価数には制限はない。該金属イオンは、酸化チタン
に注入され、可視光による光触媒作用をもたらす働きが
ある。かかる効果は、特に遷移金属、中でもV、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の第4周期元
素、あるいはPd、Pt、Au等の元素の陽イオンにお
いて著しく、これらは本発明で特に好適に用いられる。
【0013】上記の金属イオンは、通常、電界により加
速されたビームとして酸化チタン粒子の表層から注入さ
れる。該イオンの好適な注入量は、一般に1×1016
50×1016N/c〓、中でも好ましくは2×1016
35×1016N/c〓、更に好ましくは3×1016〜2
5×1016N/c〓、最も好ましくは5×1016〜20
×1016N/c〓とする。この注入量が少な過ぎると可
視光による光触媒効果が不十分となる傾向があり、逆に
多過ぎても該光触媒効果の改善効果が頭打ちとなって不
経済となる場合がある。
【0014】ここで、加速電圧は、通常10〜200k
eV、好ましくは30〜150keV、更に好ましくは
50〜130keV、最も好ましくは70〜120ke
Vとし、該イオンの注入深度は、表層から好ましくは5
00Å以上、より好ましくは1000Å以上、更に好ま
しくは1500Å以上、最も好ましくは2000Å以上
とする。この加速電圧が低過ぎると該注入深度が不十分
となる傾向があり、逆に固過ぎると該注入深度が大きく
なり過ぎる傾向があり、いずれの場合も光触媒効果の低
下をもたらす場合がある。なお、金属イオンを注入した
後、結晶構造を安定化するために、該酸化チタン粒子を
400℃以上800℃以下程度の温度で焼成しても良
い。
【0015】本発明に用いられる酸化チタンとしては、
従来の汎用の酸化チタン、含水酸化チタン、水和酸化チ
タン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンと
総称されるチタン(水)酸化物等が挙げられる。かかる
酸化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩化チ
タン、有機チタン化合物等の加水分解、硫酸チタニル、
塩化チタン、有機チタン化合物等にアルカリを添加して
中和する方法、塩化チタン、有機チタン化合物等を気相
酸化する方法、上記の加水分解法や中和法による生成物
を焼成する方法等が挙げられる。
【0016】本発明の目的とする光触媒反応は、反応物
質と該酸化チタンとの接触により進行するので、該接触
面積を大きくするために、酸化チタン粒子の比表面積は
大きければ大きいほど良い。BET表面積測定による比
表面積は、好ましくは40m2 /g以上、更に好ましく
は60m2 /g以上、最も好ましくは100m2 /g以
上である。但し、通常の酸化チタンは多孔質ではないの
で、好ましい粒径で表現すれば、600Å以下、更に好
ましくは400Å以下、最も好ましくは300Å以下で
ある。例えば、硫酸チタニル溶液を熱加水分解し、次い
でアルカリ洗浄と塩酸等の強酸による解膠工程を行って
得られる含水酸化チタンは、これを中和後400℃以下
程度の低温で乾燥すると200m2 /g以上の比表面積
を有するものとなり、本発明に非常に好ましいものであ
る。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂40〜99.9重量%、及びd軌道電子を有する金
属イオンを注入した酸化チタン60〜0.1重量%から
なる。熱可塑性樹脂の配合割合が低過ぎると、該酸化チ
タンの分散性が極度に悪化し、逆に高過ぎると該酸化チ
タンの量が少なくなり過ぎ光触媒機能が低下するのでい
ずれの場合も好ましくない。かかる理由により、熱可塑
性樹脂は、該酸化チタンとの合計量に対し好ましくは4
5〜95重量%、更に好ましくは50〜90重量%、最
も好ましくは60〜90重量%とする。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造に当た
り、原料の熱可塑性樹脂と該金属イオンを注入した酸化
チタンの混合方法には特に制限はなく、溶融混合や溶液
混合等、公知の任意の方法が使用可能であるが、一般に
は混合効率や経済性の点で押出機等による溶融混合が好
ましく、中でも二軸押出機のように強いせん断下の混合
がより好ましい。しかし、熱可塑性樹脂が溶剤可溶性で
本発明の組成物の溶液状態での塗布を行う場合には、溶
液混合が望ましい場合もあり得る。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、金
属イオンを注入した酸化チタンの分散性や樹脂との界面
の接着性を改善する目的で、公知のシランカップリング
剤や有機チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で
該酸化チタンの表面処理をあらかじめ行ったり、該表面
処理剤を熱可塑性樹脂マトリックスとの混合時に添加し
ても良い。更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必
要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型
剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材等を本発明の趣旨
を損なわない限りにおいて添加しても良い。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物を任意の方法
で構造体の表層面に固定することにより、該構造体に可
視光照射による光触媒機能を付与することができる。該
組成物の好ましい固定方法として、該組成物の溶液を任
意の表面に塗布し次いで溶媒を除去して製膜する溶液キ
ャスト法、該組成物を他種の熱可塑性材料とともに溶融
共押出して多層フィルムとする多層共押出成形等が挙げ
られる。このうち、前者の溶液キャスト法はより汎用性
の広い方法であり、これにより任意の基材表面に本発明
の組成物を固定することができる。
【0021】〔塗装材〕次に、上記の溶液キャスト法に
用いられる本発明の組成物を含んでなる溶液である塗装
材は、特に有用な使用形態と言える。塗装材として本発
明の組成物を使用する場合に好ましい熱可塑性樹脂とし
ては、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアルキ
レンエーテルグリコール樹脂、芳香族ポリカーボネート
樹脂、スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルエーテル
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、クマロンインデン
樹脂等の溶剤溶解性を有するものが挙げられる。この中
でも、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリ
カーボネート樹脂が特に好ましい。
【0022】塗装材とする場合の各樹脂の好ましい分子
量範囲は、例えば、テトラヒドロフランを流動相とし単
分子量分散ポリスチレンを対照としたゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィによる測定で、ポリウレタン樹脂
の場合、重量平均分子量は50000〜300000、
更に好ましくは80000〜200000、最も好まし
くは100000〜160000で、重量平均分子量が
50000以下では塗膜強度や耐溶剤性等が低下し、3
00000以上では樹脂溶液粘度が高まり分散性や作業
性等が低下するので好ましくなく、アクリル系樹脂の場
合、数平均分子量で1000〜500000、更に好ま
しくは5000〜300000,最も好ましくは100
00〜200000である。数平均分子量が1000以
下では塗膜の耐久性が劣り、数平均分子量が50000
0以上では粘度が高まり分散性や作業性を損うので好ま
しくなく、芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、重量平
均分子量は10000〜80000、更に好ましくは1
3000〜50000、最も好ましくは15000〜3
0000で、重量平均分子量が10000以下では塗膜
強度が低下し、80000以上では樹脂溶液粘度が高ま
り分散性や作業性等が低下するので好ましくない。
【0023】かかる塗装材における該組成物の濃度には
特に制限はないが、塗装性や乾燥性等の面から、通常1
〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、更に好まし
くは10〜60重量%、最も好ましくは15〜50重量
%とする。かかる塗装材には、本発明の趣旨を損なわな
い限りにおいて、必要に応じて分散安定剤、紫外線吸収
剤、顔料、無機充填剤、帯電防止剤、難燃剤等の任意の
添加剤を加えても構わない。
【0024】〔構造体〕さらに、本発明の熱可塑性樹脂
組成物を表面層に有する構造体は、例えば、建造物や各
種車輌、航空機等の内装材、高速道路等の防音壁、トン
ネル内壁等の各種部材のように、表面の自浄能力の付与
が望ましい用途における構造体において非常に有用であ
る。これら構造体の表面層に該熱可塑性樹脂組成物を付
与するには、上記の溶液キャスト法や、構造体を構成す
るための樹脂と該熱可塑性樹脂組成物を多層共押出成形
する方法等が好適に採用される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0026】原料 1)熱可塑性樹脂: a)三菱化学製芳香族ポリカーボネート樹脂(商標名ノ
バレックス、グレード名7022A、テトラヒドロフラ
ンを流動相とし単分子量分散ポリスチレンを対照とした
ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる重量平均
分子量が約20000、以下PCと略)。 b)4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)/
分子量約2000のポリブチレンアジペート/1,4−
ブタンジオール(2/1/1モル比)からなるポリウレ
タン樹脂(上記のゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィによる重量平均分子量が約50000、以下PUと
略)。
【0027】c)ポリメチルメタクリレート樹脂(上記
のゲルパーミエーションクロマトグラフィによる数平均
分子量が約50000、以下PMMAと略)。 d)ジカルボン酸成分がテレフタル酸90モル%、イソ
フタル酸10モル%からなりジオール成分がエチレング
リコール98モル%、ジエチレングリコール2モル%か
らなる共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(極限粘
度0.72dL/g、以下PETと略)。 e)接着性
ポリオレフィン樹脂として、1−ブテン20モル%共重
合ポリエチレンを0.40モル%の無水マレイン酸でグ
ラフト変性したもの(メルトフローレート2.0g/1
0分、以下MPO1と略)、及び1−ブテン20モル%
共重合ポリエチレンを0.10モル%の無水マレイン酸
でグラフト変性したもの(メルトフローレート6.0g
/10分、以下MPO2と略)の2種。 f)低密度ポリエチレン(メルトインデックス1.8g
/10分、以下LDPEと略)。
【0028】2)酸化チタン:触媒学会参照物質(組
成:アナータス80%及びルテル20%、粒径:約30
0Å)。金属イオンの注入 日新電機製200keVイオン注入装置を使用し、室温
でCrイオンを酸化チタンに注入した後、450℃で焼
成した。Crイオンの注入量は12×1016(N/cm
2 )とした。
【0029】組成物の製造 PC、又はPET/MPO1(93/7重量比)混合系
のペレットとCrイオンを注入した酸化チタン(以下M
TOと略)とをそれぞれ所定の配合比率でドライブレン
ドし、東芝機械製TEM35B二軸押出機(ニーディン
グディスク入りスクリュを使用)によりスクリュ回転1
50rpmの条件で混練した。バレル温度設定は、PC
の場合300℃、PET/MPO1混合系の場合260
℃とした。得られたストランドは水冷後、それぞれスト
ランドカッターでペレット化し、120℃で一昼夜真空
乾燥した。PUについては、PUのシクロヘキサノン溶
液(25重量%)にMTOを加えて混合し、そのまま直
ちに溶液キャストに用いた。混合条件は、ペイントシェ
ーカー中(ガラスビーズを撹拌用に加えた)で40℃、
8時間とした。PMMAについては、PMMAのクロロ
ベンゼン溶液(25重量%)にMTOを加えて混合し、
そのまま直ちに溶液キャストに用いた。混合条件は、上
記のPU系と同じとした。
【0030】溶液キャスト法によるフィルム成形 PC系組成物については、撹拌しながらクロロベンゼン
の25重量%溶液とした後、直ちにガラス板上に流延
し、室温窒素気流下溶剤を除去してフィルムを得た。フ
ィルムの厚さは約30μmであった。PU系組成物につ
いては、上記の溶液混合物をPC系同様に操作した。
【0031】多層共押出成形によるフィルム成形 表面層樹脂として上記のPET/MPO1混合系の組成
物、接着層樹脂としてMPO2、及び基材層樹脂として
LDPEを、それぞれ40mmφ一軸押出機に供給し、
キャストシート成形機にて共押出して、表面層30μ
m、接着層20μm、及び基材層30μmのそれぞれの
厚みを有する多層フィルムを得た。なお、表面層は樹脂
温度265℃、接着層及び基材層は樹脂温度220℃で
それぞれ押し出し、キャスティングロールの表面温度は
40℃とした。
【0032】評価 酸化窒素(NO)ガスとアルゴン(Ar)ガスを混合密
閉できるガラス反応系に上記のフィルムサンプルを30
cm×30cmの面積に切断したものを入れ、NO/A
r=1/4(体積比)、1気圧の混合ガスを密閉した。
450nm以下の波長の光をフィルターにより除去した
120Wの電灯(サンライト)の白色光を該フィルムに
48時間照射し、反応系に接続したNOxメーターによ
りNOガスの消費の状況を調べた。
【0033】実施例1、2 PUとMTOとを表1の組成で溶液混合したものを、上
記の溶液キャスト法によりフィルムを得た。このフィル
ムの可視光触媒能の有無を上記の方法で評価した。
【0034】実施例3、4 PMMAとMTOとを表1の組成で溶液混合したもの
を、上記の溶液キャスト法によりフィルムを得た。この
フィルムの可視光触媒能の有無を同様に評価した。
【0035】実施例5、6 PCとMTOとを表1の組成で溶融混合して組成物と
し、上記の溶液キャスト法によりフィルムを得た。この
フィルムの可視光触媒能の有無を同様に評価した。
【0036】実施例7、8 PETとMTOとを表1の組成で溶融混合して組成物と
し、上記の多層共押出成形によりPET樹脂単体との2
層フィルムを得た。このフィルムの可視光触媒能の有無
を同様に評価した。
【0037】比較例1 実施例1において、MTOの代わりに、Crイオン注入
をしていない酸化チタンを使用して同様の試験を行っ
た。
【0038】比較例2 実施例4において、MTOの代わりに、Crイオン注入
をしていない酸化チタンを使用して同様の試験を行っ
た。評価結果は、表1に一覧した。なお、溶液キャスト
法によるPC及びPU系では、実施例1のように50重
量%のMTOを含有するフィルムを良好に製作すること
ができたが、共押出による成形では、50重量%のMT
Oを含有せしめると良好なフィルム成形は難しかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、幅広い
組成において良好な成形性を有し、特に溶液キャスト法
により任意の基材の表面層として使用できる。そして、
可視光の照射による光触媒能を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 169/00 C09D 169/00 175/04 175/04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂40〜99.9重量%、
    及びd軌道電子を有する金属イオンを注入した酸化チタ
    ン60〜0.1重量%からなることを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 金属イオンが、V、Cr、Mn、F
    e、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Pt、及びAuか
    らなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属のイオン
    である、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 酸化チタンが、d軌道電子を有する金
    属イオンの加速されたビームを注入した酸化チタンであ
    る、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物を含んでなる溶液であることを特
    徴とする塗装材。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂が、ポリウレタン樹脂、
    アクリル系樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂からな
    る群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂である、請求
    項4に記載の塗装材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかの項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物を表層面に有することを特徴とす
    る構造体。
  7. 【請求項7】 請求項4又は請求項5に記載の塗装材
    が塗布された表面層を有する、請求項6に記載の構造
    体。
  8. 【請求項8】 構造体を構成するための樹脂及び請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を多層共押出成形して
    なることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の構
    造体。
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