JPH10168504A - 水素吸蔵合金電極及びその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極及びその製造方法

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JPH10168504A
JPH10168504A JP8330033A JP33003396A JPH10168504A JP H10168504 A JPH10168504 A JP H10168504A JP 8330033 A JP8330033 A JP 8330033A JP 33003396 A JP33003396 A JP 33003396A JP H10168504 A JPH10168504 A JP H10168504A
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electrode
storage alloy
nickel
alloy
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JP8330033A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Imoto
輝彦 井本
Yoshinori Matsuura
義典 松浦
Nobuyuki Higashiyama
信幸 東山
Mamoru Kimoto
衛 木本
Mitsuzo Nogami
光造 野上
Ikuro Yonezu
育郎 米津
Koji Nishio
晃治 西尾
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵合金の表面にニッケルリッチ層が形
成されて、該ニッケルリッチ層の表面を露出させた状態
で電池に組み込むことが可能な水素吸蔵合金電極の製造
方法を提供する。 【解決手段】 ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末
を作製する工程P1と、これによって得られた水素吸蔵
合金粉末を200℃〜500℃のアンモニア雰囲気中に
保持して、粒子表面に高温アンモニア処理を施す工程P
2と、これによって得られた水素吸蔵合金粉末を導電性
基体に充填して電極形状に成形する工程P3とを有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばニッケル−
水素二次電池の電極(負極)の材料として用いる水素吸蔵
合金粉末、及び該粉末を用いて作製される水素吸蔵合金
電極、並びにそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−水素二次電池の負極となる水
素吸蔵合金電極は、水素吸蔵合金塊を粉砕して得られる
水素吸蔵合金粉末に結着剤を加え、これを電極形状に成
形することによって作製される。水素吸蔵合金として
は、AB5型やAB2型の希土類系の水素吸蔵合金、例え
ばMm−Ni系合金や、Laを含むZr−Ni系合金が開発
されている。
【0003】ところで、水素吸蔵合金電極を負極に用い
たニッケル−水素二次電池においては、水素吸蔵合金の
表面がアルカリ電解液と接触することにより、合金表面
では気相反応と電気化学的反応が同時に進行する。即
ち、水素圧力及び温度の関係では、水素が水素吸蔵合金
に吸蔵され、或いは水素吸蔵合金から水素が放出される
(気相反応)。一方、電圧及び電流の関係では、電圧の印
加(充電)によって、水の電気分解で生じた水素が水素吸
蔵合金に吸蔵され、電流の取り出し(放電)によって、水
素が酸化されて水となる(電気化学的反応)。従って、ニ
ッケル−水素二次電池の性能を改善する上で、合金表面
の性質が重要となる。
【0004】そこで、ニッケル−水素二次電池において
は、水素吸蔵合金の活性向上を図るため、水素吸蔵合金
粉末を酸性の水溶液やアリカリ性の水溶液に所定時間浸
漬する表面処理が施される。この表面処理によって、合
金粒子の表面に形成されている酸化被膜等が除去される
と共に、希土類元素(La等)が溶出して、粒子表層部に
ニッケルリッチ層が形成され、これによって、電気化学
的な触媒活性が向上するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表面処理においては、水素吸蔵合金の表面にニッケルリ
ッチ層が形成されたとしても、電池封口までの過程で、
空気や水分との接触によって、ニッケルリッチ層の表面
に、酸化ニッケルや水酸化ニッケルの層が形成され、こ
の表面層が活性向上の阻害要因となる問題があった。
又、酸性或いはアルカリ性の水溶液を用いた湿式の表面
処理では、表面処理の後、水洗、乾燥が必要であり、工
程が複雑となる。
【0006】本発明の第1の目的は、水素吸蔵合金の表
面にニッケルリッチ層が形成されて、該ニッケルリッチ
層の表面を露出させた状態で電池に組み込むことが可能
な水素吸蔵合金粉末、及び該粉末を用いた電極、並びに
それらの製造方法を提供することである。本発明の第2
の目的は、合金粒子の表面処理後に水洗や乾燥の不要な
水素吸蔵合金電極の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る水素吸蔵合金
粉末は、ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末であっ
て、合金粒子(1)の表層部には、ニッケルリッチ層(4)
が形成されると共に、該ニッケルリッチ層(4)を覆っ
て、アンモニアが付着してなる保護層(5)が形成されて
いる。
【0008】上記水素吸蔵合金粉末においては、合金粒
子(1)の表層部に形成されたニッケルリッチ層(4)が保
護層(5)によって覆われたまま、これらの合金粉末を電
極形成に成形し、水素吸蔵合金電極を作製する。そし
て、該水素吸蔵合金電極を負極として、ニッケル−水素
二次電池を組み立てる。これによって、水素吸蔵合金電
極は、その表面が電解液と接触し、合金粒子(1)の表面
に形成されている保護層(5)が電解液中に溶解して、ニ
ッケルリッチ層(4)が表面に露出することになる。この
結果、水素吸蔵合金電極は、ニッケルリッチ層の表面を
露出させた状態で電池に組み込まれこととなり、電気化
学的な触媒活性が向上する。
【0009】本発明に係る水素吸蔵合金粉末の製造方法
は、ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末を200℃
〜500℃のアンモニア雰囲気中に保持して、粒子表面
にアンモニアの保護層を形成する。
【0010】上記製造方法によれば、水素吸蔵合金粉末
を作製した段階で合金粒子(1)の表面に形成された酸化
ニッケルや水酸化ニッケルの表面層が、200℃〜50
0℃のアンモニア雰囲気による加熱及び還元作用(高温
アンモニア処理)を受けて、ニッケルリッチ層(4)に変
化すると共に、該ニッケルリッチ層(4)の表面には、ア
ンモニアが吸着されて、アンモニアの保護層(5)が形成
されることになる。
【0011】又、本発明に係る水素吸蔵合金電極の製造
方法は、第1工程にて、ニッケルを含有する水素吸蔵合
金の粉末を作製した後、上記高温アンモニア処理からな
る第2工程を実施し、第3工程では、高温アンモニア処
理の施された水素吸蔵合金粉末を導電性基体に充填して
電極形状に成形する。
【0012】上記製造方法によって作製された水素吸蔵
合金電極は、負極として、ニッケル−水素二次電池に組
み込まれる。これによって、水素吸蔵合金電極は、その
表面が電解液と接触し、合金粒子(1)の表面に形成され
ている保護層(5)が電解液中に溶解して、ニッケルリッ
チ層(4)が表面に露出することになる。この結果、水素
吸蔵合金電極の電気化学的な触媒活性が向上する。
【0013】第1工程では、水素吸蔵合金粉末を作製し
た後、該水素吸蔵合金粉末を酸性或いはアルカリ性の水
溶液中に浸漬することが可能である。これによって、合
金粒子(1)の表層部にはニッケルリッチ層(2)が形成さ
れる。その後、ニッケルリッチ層(2)の表面が空気や水
分に触れると、ニッケルリッチ層(2)の表層部には、酸
化ニッケルや水酸化ニッケルからなる表面層(3)が形成
されるが、該表面層(3)は、第2工程の高温アンモニア
処理によって還元され、ニッケルリッチ層(4)に変化す
る。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、水素吸蔵合金粒子の表
面に形成されたニッケルリッチ層を露出させた状態で、
水素吸蔵合金電極をニッケル−水素二次電池に組み込む
ことが出来、これによって高い活性が得られる。又、高
温アンモニア処理によってニッケルリッチ層の形成が可
能であるので、従来の酸やアリカリによる湿式処理は省
略可能であり、これによって表面処理後の水洗や乾燥が
不要となり、工程が簡略化される。
【0015】
【発明の実施の形態】図2は、本発明を実施すべきAA
サイズの正極支配型のニッケル−水素二次電池(例えば
電池容量1000mAh)の構造を表わしており、正極
(11)、負極(12)、セパレータ(13)、正極リード(14)、負
極リード(15)、正極外部端子(16)、負極缶(17)、封口蓋
(18)等から密閉構造のアルカリ蓄電池が構成されてい
る。正極(11)及び負極(12)は、セパレータ(13)を介して
渦巻き状に巻かれた状態で、負極缶(17)内に収容されて
おり、正極(11)は正極リード(14)を介して封口蓋(18)
に、又負極(12)は負極リード(15)を介して負極缶(17)に
接続されている。負極缶(17)と封口蓋(18)との接合部に
は、絶縁性のパッキング(20)が装着されて電池の密閉化
が施されている。正極外部端子(16)と封口蓋(18)との間
にはコイルスプリング(19)が設けられ、電池内圧が異常
に上昇した時に該コイルスプリング(19)が圧縮されて、
電池内部のガスが大気中に放出される様になっている。
【0016】上記負極(12)として用いる水素吸蔵合金電
極は、図1に示す工程によって製造される。先ず、所定
成分、所定粒度の水素吸蔵合金粉末を作製する(工程P
1)。例えば、Mm、Ni、Co、Al及びMnをモル
比1.0:3.1:1.0:0.3:0.6の割合で混合
し、これをアルゴン雰囲気のアーク溶解炉で溶解させた
後、自然冷却して、組成式MmNi3.1CoAl0.3Mn
0.6で表わされる水素吸蔵合金のインゴットを作製す
る。そして、該インゴットを空気中で機械的に粉砕し、
平均粒径80μmの水素吸蔵合金粉末を得る。
【0017】次に、水素吸蔵合金粉末を、ステンレス鋼
製の耐熱・耐圧容器に充填し、真空排気した後、200
℃〜500℃に加熱した上で、1.2atmのアンモニアガ
スを導入し、30分間保持する。これによって、合金粒
子に表面処理(高温アンモニア処理)を施す(工程P2)。
【0018】その後、高温アンモニア処理の施された水
素吸蔵合金粉末と、PEO(ポリエチレンオキサイド)な
どの結着剤の5重量%の水溶液とを、100:20の重
量比で混合して、ペーストを調整し、該ペーストをニッ
ケル鍍金の施されたパンチングメタルからなる基体の両
面に塗布し、室温で乾燥を施した後、所定寸法に切断し
て、水素吸蔵合金電極を作製する(工程P3)。
【0019】これによって得られた水素吸蔵合金電極
は、負極として、図2に示すニッケル−水素電池に組み
込まれる。尚、正極としては焼結式ニッケル極を、セパ
レータとしては耐アルカリ性の不織布を、又電解液とし
ては30重量%水酸化カリウム水溶液を用いることが出
来る。
【0020】図1に示す水素吸蔵合金電極の製造方法に
おいては、工程P1によって水素吸蔵合金粉末が作製さ
れた段階で、合金粒子の表面が空気や空気中の水分と接
触して、図3(a)に示す如く、合金粒子(1)の表面に
は、酸化ニッケルや水酸化ニッケルの表面層(3)が形成
されることになる。しかし、その後の工程P2によっ
て、前記表面層(3)は、高温アンモニアによる加熱及び
還元作用を受けて、図3(b)に示す如くニッケルリッチ
層(4)に変化すると共に、該ニッケルリッチ層(4)の表
面を覆って、アンモニアが付着してなる保護層(5)が形
成されることになる。従って、ニッケルリッチ層(4)の
表面が酸化する虞れはない。
【0021】その後、工程P3を経て作製された水素吸
蔵合金電極が、負極として、アルカリ蓄電池に組み込ま
れることによって、電極表面が電解液と接触し、合金粒
子(1)の表面に形成されている保護層(5)が電解液中に
溶解して、ニッケルリッチ層(4)が電極表面に露出する
ことになる。この結果、水素吸蔵合金電極の電気化学的
な触媒活性が向上するのである。
【0022】尚、工程P1では、水素吸蔵合金粉末を作
製した後、該水素吸蔵合金粉末を酸性或いはアルカリ性
の水溶液中に浸漬して、従来と同様の表面処理を施すこ
とが可能である。これによって、図4(a)に示す如く、
合金粒子(1)の表層部にはニッケルリッチ層(2)が形成
される。その後、ニッケルリッチ層(2)の表面が空気や
水分に触れると、ニッケルリッチ層(2)の表層部には、
酸化ニッケルや水酸化ニッケルからなる表面層(3)が形
成されるが、該表面層(3)は、工程P2における高温ア
ンモニア処理によって還元され、同図(b)の如くニッケ
ルリッチ層(4)に変化する。これによって、大きな膜厚
のニッケルリッチ層(4)が得られ、触媒活性が更に向上
することになる。
【0023】図7及び図8は、本発明に係る表面処理方
法の効果を確認するために行なった試験の結果を表わし
ている。以下、試験装置の作製、試験方法、及び試験結
果について説明する。
【0024】(1) 水素吸蔵合金粉末の作製 Mm(希土類元素の混合物)、Ni、Co、Al、及びM
n(純度99.9%の金属単体)を、モル比1.0:3.
1:1.0:0.3:0.6の割合で混合し、これをアル
ゴン雰囲気のアーク炉で溶解させた後、自然冷却して、
組成式MmNi3.1CoAl0.3Mn0.6で表わされる水
素吸蔵合金のインゴットを作製する。そして、該インゴ
ットを空気中で機械的に粉砕し、平均粒径80μmに調
整した水素吸蔵合金粉末(未処理合金粉末1)を得た。
又、ガスアトマイズ法によって、同様の組成、平均粒径
に調整された水素吸蔵合金粉末(未処理合金粉末2)を作
製した。
【0025】(2) 酸処理合金粉末の作製 未処理合金粉末1及び2を、規定度0.5Nの塩酸溶液
(室温)中に2時間浸漬して、吸引濾過の後、水洗及び乾
燥を施し、酸処理合金粉末を得た。
【0026】(3) アルカリ処理合金粉末の作製 未処理合金粉末1及び2を、電解液として使用している
30重量%水酸化カリウム水溶液(80℃)中に2時間浸
漬して、吸引濾過の後、乾燥を施し、アルカリ処理合金
粉末を得た。
【0027】(4) 高温アンモニア処理合金粉末の作製 未処理合金粉末1及び2、酸処理合金粉末、アルカリ処
理合金粉末を夫々、ステンレス鋼製の耐熱・耐圧容器に
充填し、真空排気した後、100℃〜600℃の異なる
温度に加熱した上で、1.2atmのアンモニアガスを導入
し、30分間保持し、高温アンモニア処理合金粉末を得
た。
【0028】(5) 合金電極の作製 この様にして得られた各種の水素吸蔵合金粉末0.5g
とPTFE0.1gとを混合して、発泡ニッケル多孔体
に充填し、これを1200Kgf/cm2で加圧成形して、直
径20mmの円板状の水素吸蔵合金電極を作製した。
【0029】(6) 試験セルの組立 この様にして得られた各種の水素吸蔵合金電極を試験電
極(負極)として、図5に示す如き試験セルを組み立て
た。該試験セルは図示の如く、ポリプロピレン製の絶縁
性密閉容器(21)内に、測定対象の水素吸蔵合金電極であ
る試験電極(22)、該試験電極(22)よりも充分に大きな電
気化学容量を有する円筒状の焼結式ニッケル極(23)、及
び板状の焼結式ニッケル参照極(24)を配置している。焼
結式ニッケル極(23)は、密閉容器(21)の上面(25)に連結
した正極リード(26)の下端部に支持されている。又、試
験電極(22)は、密閉容器(21)の上面(25)に連結した負極
リード(27)の下端部に垂直に支持されて、焼結式ニッケ
ル極(23)の内部中央に収容されている。正極リード(26)
及び負極リード(27)は、密閉容器(21)の上面(25)を貫通
して外部に臨出し、夫々正極端子(28)及び負極端子(29)
に接続されている。試験電極(22)及び焼結式ニッケル極
(23)は、密閉容器(21)内に注入されているアルカリ電解
液(30重量%水酸化カリウム水溶液)中に浸漬されてい
る。又、密閉容器(21)の内部には、該アルカリ電解液の
上方空間に、窒素ガスが充填されており、試験電極(22)
に所定の圧力(7atm)をかけている。更に、密閉容器
(21)の上面(25)中央部には、密閉容器(21)の内圧が所定
値以上に上昇することを防止するべく、圧力計(30)及び
リリーフ弁(31)を装備したリリーフ管(32)が接続されて
いる。
【0030】(7) アルカリ蓄電池の組立 各水素吸蔵合金粉末とPEO(ポリエチレンオキサイド)
5重量%の水溶液とを、100:20の重量比で混合し
て、ペーストを調整し、該ペーストをニッケル鍍金の施
されたパンチングメタルの両面に塗布し、室温で乾燥を
施した後、所定寸法に切断して、水素吸蔵合金電極を作
製した。そして、該電極を負極として、図2に示すAA
サイズの正極支配型のアルカリ蓄電池(電池容量100
0mAh)を組み立てた。尚、正極としては焼結式ニッ
ケル極を、セパレータとしては耐アルカリ性の不織布
を、又電解液としては30重量%水酸化カリウム水溶液
を用いた。
【0031】(8) 充放電サイクル試験 各試験セルについて、常温下、50mA/gで8時間の
充電を施した後、1時間休止し、続いて50mA/gで
放電休止電圧0.9Vまで放電した後、1時間休止する
工程を1サイクルとして、充放電を繰り返し、各充放電
サイクルで放電容量(mAh/g)を測定した。各アルカ
リ蓄電池については、常温下、電流0.2Cで6時間の
充電を施した後、電流0.2Cで1.0Vまで放電を施し
て、初期放電容量(第1サイクルの放電容量)を求めた。 (9) 電気抵抗値の測定 各水素吸蔵合金粉末を対象として、平均粒径35μm、
加圧力350Kgf/cm2、試験治具の内径12mm、粉末重
量5gの条件で、粉末の電気抵抗値を測定した。
【0032】(10) 試験結果 図6及び図7は、上記試験の結果をまとめたものであ
る。図6は、各試験セルの初期放電容量(放電容量1)と
アルカリ蓄電池の初期放電容量(放電容量2)を示してい
る。ここで、合金電極A1〜A6は、500℃での高温
アンモニア処理を施した水素吸蔵合金電極であり、合金
電極B1〜B6は、高温アンモニア処理の施されていな
い水素吸蔵合金電極である。高温アンモニア処理の施さ
れた電極A1〜A6では、放電容量1が286mAh/
g〜294mAh/g、放電容量2が815mAh〜8
55mAhであるのに対し、高温アンモニア処理の施さ
れていない電極B1〜B6では、放電容量1が170m
Ah/g〜246mAh/g、放電容量2が580mA
h〜675mAhであり、何れの放電容量においても、
高温アンモニア処理の施されている電極の方が大きな値
を示しており、初期活性化に優れていることがわかる。
【0033】又、合金粉末の作製において、アルゴンア
ーク炉を用いて作製したインゴットを機械的に粉砕する
方法を採った合金電極A1〜A3、B1〜B3、ガスア
トマイズ法を採った合金電極A4〜A6、B4〜B6に
ついて、放電容量1、2を高温アンモニア処理の前後で
比較すると、高温アンモニア処理の前においては、合金
電極B1〜B3の放電容量1が222mAh/g〜24
6mAh/g、放電容量2が620mAh〜675mA
hであるのに対し、合金電極B4〜B6の放電容量1が
170mAh/g〜221mAh/g、放電容量2が5
80mAh〜620mAhであり、何れの放電容量にお
いても、アルゴンアーク炉を用いて作製した合金電極B
1〜B3の方が大きな値を示している。
【0034】一方、高温アンモニア処理の後において
は、合金電極A1〜A3の放電容量1が286mAh/
g〜288mAh/g、放電容量2が815mAh〜8
35mAhであるに対し、合金電極A4〜A6の放電容
量1が290mAh/g〜294mAh/g、放電容量
2が840mAh〜855mAhであり、何れの放電容
量においても、アトマイズ法を用いて作製した合金電極
B4〜B6の方が大きな値を示している。従って、高温
アンモニア処理を施す場合には、アトマイズ法を用いて
合金粉末を作製することが、初期活性化の点で有利であ
ると言える。
【0035】又、高温アンモニア処理を施した電極A1
〜A6において、酸処理或いはアルカリ処理を施したも
のと、何れの処理も施さないものを比較すると、放電容
量1、2ともに、酸処理或いはアルカリ処理を施した合
金電極の方が大きな値を示している。従って、高温アン
モニア処理のみによっても充分に大きな放電容量が得ら
れるが、酸処理或いはアルカリ処理と高温アンモニア処
理の併用によって、更に高い効果が得られると言える。
【0036】更に又、粒径35μm、加圧力350Kgf
/cm2、測定治具の内径12mm、粉末重量5gの条件に
おける粉末抵抗値は、高温アンモニア処理を施した合金
電極では、高温アンモニア処理の施されていない合金電
極よりも低い値を示しており、合金粒子の表層部にニッ
ケルリッチ層が形成されていることが裏付けられる。
尚、合金粉末の段階では、ニッケルリッチ層はアンモニ
アの保護層によって覆われているが、加圧状態では、保
護層が導電性を阻害することない。
【0037】図7は、アルゴンアーク炉を用いて作製し
た合金粉末と、ガスアトマイズ法によって作製した合金
粉末に対し、100℃〜600℃の異なる温度での高温
アンモニア処理を施して作製した複数の合金電極につい
て、夫々の放電容量1、2を測定した結果を表わしてい
る。図7から明らかな様に、何れの合金粉末を用いた場
合も、高温アンモニア処理の温度が200℃〜500℃
の範囲で大きな放電容量1、2が得られており、本発明
における高温アンモニア処理の温度は、この温度範囲に
設定することが適切であると言える。
【0038】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
あることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素吸蔵合金電極の製造方法を表
わす工程図である。
【図2】アルカリ蓄電池の断面図である。
【図3】本発明の高温アンモニア処理の作用を説明する
図である。
【図4】酸処理或いはアルカリ処理を併用する場合の同
上の説明図である。
【図5】試験セルの構成を表わす一部破断斜視図であ
る。
【図6】本発明の効果を確認するために行なった試験の
結果を表わす図表である。
【図7】同上の試験の結果を表わす他の図表である。
【符号の説明】
(1) 合金粒子 (2) ニッケルリッチ層 (3) 表面層 (4) ニッケルリッチ層 (5) 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 野上 光造 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末
    であって、合金粒子(1)の表層部には、ニッケルリッチ
    層(4)が形成されると共に、該ニッケルリッチ層(4)の
    表面を覆って、アンモニアが付着してなる保護層(5)が
    形成されていることを特徴とする水素吸蔵合金粉末。
  2. 【請求項2】 ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末
    を200℃〜500℃のアンモニア雰囲気中に保持し
    て、粒子表面にアンモニアの保護層を形成することを特
    徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 ニッケルを含有する水素吸蔵合金の粉末
    を作製する第1工程と、これによって得られた水素吸蔵
    合金粉末を200℃〜500℃のアンモニア雰囲気中に
    保持する第2工程と、これによって得られた水素吸蔵合
    金粉末を導電性基体に充填して電極形状に成形する第3
    工程とを有する水素吸蔵合金電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1工程では、水素吸蔵合金粉末を作製
    した後、該水素吸蔵合金粉末を酸性水溶液中に浸漬する
    請求項3に記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1工程では、水素吸蔵合金粉末を作製
    した後、該水素吸蔵合金粉末をアルカリ性水溶液中に浸
    漬する請求項3に記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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