JPH10170161A - 脱脂焼結方法 - Google Patents
脱脂焼結方法Info
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- JPH10170161A JPH10170161A JP32733396A JP32733396A JPH10170161A JP H10170161 A JPH10170161 A JP H10170161A JP 32733396 A JP32733396 A JP 32733396A JP 32733396 A JP32733396 A JP 32733396A JP H10170161 A JPH10170161 A JP H10170161A
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- degreasing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】炉内汚染や爆発等の危険性を伴うことなく、脱
脂焼結処理の性能を有効に向上させる。 【解決手段】脱脂雰囲気を炉1内に配置した内箱2内の
処理空間S1に制限し、この処理空間S1に空気Yを直
接導入しかつその空気Yを炉1外へ直接排気しながら減
圧酸素雰囲気下で被処理物に対する脱脂を行うととも
に、継続して炉1内を昇温して焼結工程に移行するよう
にしたので、バインダによる炉内汚染を招かずに脱脂焼
結を一貫工程の下に行うことが可能となり、空気Yによ
る酸化分解作用や減圧雰囲気設定も手伝って脱脂を効率
良く進行させることが可能となる。
脂焼結処理の性能を有効に向上させる。 【解決手段】脱脂雰囲気を炉1内に配置した内箱2内の
処理空間S1に制限し、この処理空間S1に空気Yを直
接導入しかつその空気Yを炉1外へ直接排気しながら減
圧酸素雰囲気下で被処理物に対する脱脂を行うととも
に、継続して炉1内を昇温して焼結工程に移行するよう
にしたので、バインダによる炉内汚染を招かずに脱脂焼
結を一貫工程の下に行うことが可能となり、空気Yによ
る酸化分解作用や減圧雰囲気設定も手伝って脱脂を効率
良く進行させることが可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属射出成形プロ
セスに好適に適用される脱脂焼結方法に関するものであ
る。
セスに好適に適用される脱脂焼結方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属射出成形品の脱脂焼結を行う
手法として、専用の脱脂炉内に大気を導入し、攪拌しな
がら、炉内に配置した被処理物に対して脱脂処理を施す
ことが行われている。大気導入を行えば、大気中に含ま
れる酸素成分がバインダを酸化分解するので、バインダ
の除去を効率良く進行させることができる。そして、脱
脂完了後、炉から被処理物を取り出して、焼結炉に移し
替え、焼結工程に移行するようにしている。
手法として、専用の脱脂炉内に大気を導入し、攪拌しな
がら、炉内に配置した被処理物に対して脱脂処理を施す
ことが行われている。大気導入を行えば、大気中に含ま
れる酸素成分がバインダを酸化分解するので、バインダ
の除去を効率良く進行させることができる。そして、脱
脂完了後、炉から被処理物を取り出して、焼結炉に移し
替え、焼結工程に移行するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
手法では、脱脂工程と焼結工程の間で被処理物が外気に
接触するため、被処理物に水分その他の不純物が混入し
易く、純度の高い製品を得ることが難しいばかりか、全
体の処理効率の低下も招くという問題がある。これに対
して、脱脂から焼結までを単一炉内で一貫して行うこと
で炉の移し替えに伴う不具合を解消する事が有効な手段
として考えられている。しかしながら、従来の焼結炉で
このような連続工程を採用すると、導入した大気が炉内
のヒータや断熱材などを酸化により焼損させるだけでな
く、ヒータ近くに存在するバインダ蒸気が酸素雰囲気の
下にヒータの放電により引火した場合には、炉内全体の
爆発につながる恐れもある。また、炉内でガスを攪拌す
ると、上記の不具合を助長することになるが、攪拌機を
設けることなく被処理物に対して均質な脱脂を進行させ
ることが難しくなる。
手法では、脱脂工程と焼結工程の間で被処理物が外気に
接触するため、被処理物に水分その他の不純物が混入し
易く、純度の高い製品を得ることが難しいばかりか、全
体の処理効率の低下も招くという問題がある。これに対
して、脱脂から焼結までを単一炉内で一貫して行うこと
で炉の移し替えに伴う不具合を解消する事が有効な手段
として考えられている。しかしながら、従来の焼結炉で
このような連続工程を採用すると、導入した大気が炉内
のヒータや断熱材などを酸化により焼損させるだけでな
く、ヒータ近くに存在するバインダ蒸気が酸素雰囲気の
下にヒータの放電により引火した場合には、炉内全体の
爆発につながる恐れもある。また、炉内でガスを攪拌す
ると、上記の不具合を助長することになるが、攪拌機を
設けることなく被処理物に対して均質な脱脂を進行させ
ることが難しくなる。
【0004】本発明は、以上のような課題に着目してな
されたものであって、炉内の焼損や爆発等の危険性を伴
うことなく、脱脂焼結処理の性能を有効に向上させるこ
とができるようにした脱脂焼結方法を提供することを目
的としている。
されたものであって、炉内の焼損や爆発等の危険性を伴
うことなく、脱脂焼結処理の性能を有効に向上させるこ
とができるようにした脱脂焼結方法を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の脱脂焼結方法は、炉内のヒータによ
って加熱され得る位置に排気口と導入口を有した内箱を
内設し、この内箱に被処理物を収容して、内箱の中に酸
素又は酸素混合ガスを炉外より直接導入し、かつそのガ
スを炉外へ直接排気しながら減圧酸素雰囲気下で被処理
物に対する脱脂を行い、継続して炉内を昇温して被処理
物に対する焼結を行うことを特徴とする。
達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の脱脂焼結方法は、炉内のヒータによ
って加熱され得る位置に排気口と導入口を有した内箱を
内設し、この内箱に被処理物を収容して、内箱の中に酸
素又は酸素混合ガスを炉外より直接導入し、かつそのガ
スを炉外へ直接排気しながら減圧酸素雰囲気下で被処理
物に対する脱脂を行い、継続して炉内を昇温して被処理
物に対する焼結を行うことを特徴とする。
【0006】具体的な実施の態様としては、内箱内を炉
内空間よりも若干減圧とし、炉内空間に不活性ガスを導
入しそのガスを定常的に内箱内の処理空間内へ差圧フロ
ーさせることでバインダの逆流が生じないようにする手
法や、内箱の気密性を向上する手法等が挙げられる。こ
のような方法により、脱脂雰囲気をこの内箱内の処理空
間に制限し、炉内空間にガスが漏出することがないよう
にして脱脂処理を進行させれば、炉内構成部材の酸化に
よる焼損の問題が有効に回避され、同時に、脱脂時にバ
インダ蒸気がヒータ周辺に漏出することがないため、バ
インダ蒸気がヒータの放電により引火して爆発すること
が無く、被処理物に対するバインダの酸化分解を安全に
進めることが可能となる。その上、減圧雰囲気下で脱脂
を行うことで、大気圧下で脱脂を行う場合に比べてより
低い蒸気圧でバインダ若しくは分解した成分が蒸発する
ため、脱脂を効率良く進行させることができ、攪拌機を
用いなくても均一な脱脂が可能になる。
内空間よりも若干減圧とし、炉内空間に不活性ガスを導
入しそのガスを定常的に内箱内の処理空間内へ差圧フロ
ーさせることでバインダの逆流が生じないようにする手
法や、内箱の気密性を向上する手法等が挙げられる。こ
のような方法により、脱脂雰囲気をこの内箱内の処理空
間に制限し、炉内空間にガスが漏出することがないよう
にして脱脂処理を進行させれば、炉内構成部材の酸化に
よる焼損の問題が有効に回避され、同時に、脱脂時にバ
インダ蒸気がヒータ周辺に漏出することがないため、バ
インダ蒸気がヒータの放電により引火して爆発すること
が無く、被処理物に対するバインダの酸化分解を安全に
進めることが可能となる。その上、減圧雰囲気下で脱脂
を行うことで、大気圧下で脱脂を行う場合に比べてより
低い蒸気圧でバインダ若しくは分解した成分が蒸発する
ため、脱脂を効率良く進行させることができ、攪拌機を
用いなくても均一な脱脂が可能になる。
【0007】一方、多数の被処理物を同時に脱脂するよ
うな場合に、上記の方法に加えて、ヒータによる伝熱の
方向に流れの方向が一致するようにガスを被処理物を並
べた棚の中央部から排気しつつ被処理物に対する脱脂を
行うようにすることも有効である。このようにすれば、
ヒータに最も近い位置にある被処理物から順次脱脂が進
行し、被処理物から蒸発したバインダは下流側に位置す
る排気口を経て排出されるので、一旦脱脂が進行した被
処理物が脱脂中の被処理物から出るバインダ蒸気に再び
晒されることがなく、脱脂処理の性能や効率、最終製品
の品質を更に有効に高めることができる。
うな場合に、上記の方法に加えて、ヒータによる伝熱の
方向に流れの方向が一致するようにガスを被処理物を並
べた棚の中央部から排気しつつ被処理物に対する脱脂を
行うようにすることも有効である。このようにすれば、
ヒータに最も近い位置にある被処理物から順次脱脂が進
行し、被処理物から蒸発したバインダは下流側に位置す
る排気口を経て排出されるので、一旦脱脂が進行した被
処理物が脱脂中の被処理物から出るバインダ蒸気に再び
晒されることがなく、脱脂処理の性能や効率、最終製品
の品質を更に有効に高めることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図4を参
照して説明する。図1は、この実施例の脱脂焼結方法を
実施する際に用いられる熱処理炉を示している。この熱
処理炉は、炉1内のヒータ14によって加熱され得る位
置に配置されて内側に処理空間S1を閉成する内箱2
と、前記処理空間S1を直接炉1外に排気する内排気系
3と、この内箱2の外側に位置する炉内空間S2に炉1
外から外入ガスXを導入する外導入系4と、前記処理空
間S1に炉1外から直接酸素混合ガスである空気Yを導
入する内導入系5とを具備してなる。
照して説明する。図1は、この実施例の脱脂焼結方法を
実施する際に用いられる熱処理炉を示している。この熱
処理炉は、炉1内のヒータ14によって加熱され得る位
置に配置されて内側に処理空間S1を閉成する内箱2
と、前記処理空間S1を直接炉1外に排気する内排気系
3と、この内箱2の外側に位置する炉内空間S2に炉1
外から外入ガスXを導入する外導入系4と、前記処理空
間S1に炉1外から直接酸素混合ガスである空気Yを導
入する内導入系5とを具備してなる。
【0009】詳述すると、炉1は、炉胴11の内部にグ
ラファイトフェルト製の断熱材12によって包囲される
加熱室13を有し、この加熱室13にグラファイト製の
ヒータ14を内箱2を取り囲むように内設してなるもの
で、炉胴11の一部を構成する蓋11aを断熱材12の
一部を構成する蓋12aと共に開閉することによって処
理物Wの出し入れを可能にしている。この炉1には、処
理物Wを収容した後に蓋11a、12aを閉めて炉内空
間S2を真空排気するために、一端が炉胴11を貫通し
て炉内空間S2に接続され他端がバルブ61を介して真
空ポンプPに接続された外排気系6が設けてある。
ラファイトフェルト製の断熱材12によって包囲される
加熱室13を有し、この加熱室13にグラファイト製の
ヒータ14を内箱2を取り囲むように内設してなるもの
で、炉胴11の一部を構成する蓋11aを断熱材12の
一部を構成する蓋12aと共に開閉することによって処
理物Wの出し入れを可能にしている。この炉1には、処
理物Wを収容した後に蓋11a、12aを閉めて炉内空
間S2を真空排気するために、一端が炉胴11を貫通し
て炉内空間S2に接続され他端がバルブ61を介して真
空ポンプPに接続された外排気系6が設けてある。
【0010】内箱2は、前記加熱室13におけるヒータ
14の中心部に配置され、ヒータ14により加熱される
グラファイト製のもので、箱本体21と、この箱本体2
1の両端開口部を閉止する位置に配設される蓋22とを
具備してなる。この内箱2は、グラファイトという素材
の持つ性質により、また箱本体21が蓋22により開閉
可能とされている構造により、完全なる気密性を呈し得
るものではなく、箱本体21と蓋22との当接隙間等を
通じてある程度のガスの流通を許容し得るものである。
また、この内箱2の内部の処理空間S1は図1〜図3に
示すように多段棚構造をなしており、各段の棚床2aの
中央に開口2eが設けられ、これらの開口2eは底壁部
に設けた排気口2cを介して内排気系3に連通している
とともに、端部と蓋22の間に隙間2fが設けられ、こ
れらの隙間2fは頂壁部に設けた導入口2bを介して内
導入系5に連通されている。そして、内導入系5から導
入口2bを介して内箱2内に導入されるガスは、隙間2
fを介して各段の棚床2aに導入され、そこを流れた
後、開口2eを経て排気口2cより内排気系3に流出す
るようになっている。内箱2には導入口2bの入口に予
熱空間53が設けてあり、この予熱空間53においてガ
スを処理空間S1の温度にまで予熱した後、処理物Wの
周囲に流通させるようにしている。
14の中心部に配置され、ヒータ14により加熱される
グラファイト製のもので、箱本体21と、この箱本体2
1の両端開口部を閉止する位置に配設される蓋22とを
具備してなる。この内箱2は、グラファイトという素材
の持つ性質により、また箱本体21が蓋22により開閉
可能とされている構造により、完全なる気密性を呈し得
るものではなく、箱本体21と蓋22との当接隙間等を
通じてある程度のガスの流通を許容し得るものである。
また、この内箱2の内部の処理空間S1は図1〜図3に
示すように多段棚構造をなしており、各段の棚床2aの
中央に開口2eが設けられ、これらの開口2eは底壁部
に設けた排気口2cを介して内排気系3に連通している
とともに、端部と蓋22の間に隙間2fが設けられ、こ
れらの隙間2fは頂壁部に設けた導入口2bを介して内
導入系5に連通されている。そして、内導入系5から導
入口2bを介して内箱2内に導入されるガスは、隙間2
fを介して各段の棚床2aに導入され、そこを流れた
後、開口2eを経て排気口2cより内排気系3に流出す
るようになっている。内箱2には導入口2bの入口に予
熱空間53が設けてあり、この予熱空間53においてガ
スを処理空間S1の温度にまで予熱した後、処理物Wの
周囲に流通させるようにしている。
【0011】内排気系3は、一端を炉胴11及び断熱材
12を貫通して内箱2に接続され、他端を前記外排気系
6を構成する真空ポンプPの吸込側にトラップ31及び
バルブ32を介して接続されている。外導入系4は、一
端を前記炉胴11を貫通して内側の炉内空間S2に接続
され、他端をガス供給源41にバルブ42を介して接続
されたもので、このガス供給源41にはN2やAr等の
不活性ガスXが充填されている。
12を貫通して内箱2に接続され、他端を前記外排気系
6を構成する真空ポンプPの吸込側にトラップ31及び
バルブ32を介して接続されている。外導入系4は、一
端を前記炉胴11を貫通して内側の炉内空間S2に接続
され、他端をガス供給源41にバルブ42を介して接続
されたもので、このガス供給源41にはN2やAr等の
不活性ガスXが充填されている。
【0012】内導入系5は、一端を炉胴11及び断熱材
12を貫通して内箱2に接続され、他端をガス供給源5
1にバルブ52を介して接続されたもので、このガス供
給源51は空気Yを供給し得るボンベや圧空ポンプ等で
構成されている。次に、この熱処理炉を用いた本実施例
の脱脂焼結方法を説明する。先ず、処理物Wを内箱2内
にセットする。次に、外排気系6及び内排気系3を作動
させ、炉内空間S2及び処理空間S1がある程度の真空
度になったら、外排気系6のバルブ61を閉じ、少なく
とも内排気系3を作動させたままの状態で、今度は外導
入系4のバルブ42を開いて炉内空間S2にガスXを導
入する。このとき同時に、ヒータ14に通電して被処理
物Wに対する脱脂処理を開始する。これにより、炉1内
には、炉内空間S2に導入されたガスXが図中矢印で示
すように内箱本体21と蓋22との当接隙間等を通って
処理空間S1に達し、更に内排気系3を通って炉1外に
排出されるというガスの流れが形成される。また、内導
入系5のバルブ52も開き、内箱2に炉1外から直接空
気Yを導入する。これにより、導入された空気Yは処理
物Wの周囲を流通する際に処理物Wに接触し、バインダ
の酸化分解を促進する触媒的な作用を営む。つまり、酸
素がバインダに接触することでこれを酸化分解してCO
2やH2Oにするので、脱脂を促進する効果を発揮する。
しかして、これらの分解したガスは、バインダ蒸気や空
気Y等と共に炉内空間S2へ漏出することなく、ガスX
と共に内箱2の排気口2cを経て内排気系3に排出され
た後、トラップ31において有害分を捕獲され、真空ポ
ンプPを介して排気される。なお、図4は以上をより子
細に示す工程説明図であって、脱脂工程の前半は内箱2
内が例えば700〜600Torr程度の弱減圧となる
ように調整して脱脂を進行し、脱脂の後半は300To
rr程度の減圧状態と上記弱減圧状態とを間欠的に切換
えながら脱脂を進行させる。このような制御を行うこと
で、脱脂前半は主に低分子系のバインダを除去し、脱脂
後半は主に脱脂の難しい高分子系のバインダを、被処理
物Wに割れやダレ(形崩れ)を生じることなく除去す
る。また、脱脂工程時、内箱2の温度は360°C程度
であり、グラファイトの酸化が始まる温度(380°
C)以下である。この時、ヒータ14の温度は約500
°Cになるが、不活性ガスにより保護される。
12を貫通して内箱2に接続され、他端をガス供給源5
1にバルブ52を介して接続されたもので、このガス供
給源51は空気Yを供給し得るボンベや圧空ポンプ等で
構成されている。次に、この熱処理炉を用いた本実施例
の脱脂焼結方法を説明する。先ず、処理物Wを内箱2内
にセットする。次に、外排気系6及び内排気系3を作動
させ、炉内空間S2及び処理空間S1がある程度の真空
度になったら、外排気系6のバルブ61を閉じ、少なく
とも内排気系3を作動させたままの状態で、今度は外導
入系4のバルブ42を開いて炉内空間S2にガスXを導
入する。このとき同時に、ヒータ14に通電して被処理
物Wに対する脱脂処理を開始する。これにより、炉1内
には、炉内空間S2に導入されたガスXが図中矢印で示
すように内箱本体21と蓋22との当接隙間等を通って
処理空間S1に達し、更に内排気系3を通って炉1外に
排出されるというガスの流れが形成される。また、内導
入系5のバルブ52も開き、内箱2に炉1外から直接空
気Yを導入する。これにより、導入された空気Yは処理
物Wの周囲を流通する際に処理物Wに接触し、バインダ
の酸化分解を促進する触媒的な作用を営む。つまり、酸
素がバインダに接触することでこれを酸化分解してCO
2やH2Oにするので、脱脂を促進する効果を発揮する。
しかして、これらの分解したガスは、バインダ蒸気や空
気Y等と共に炉内空間S2へ漏出することなく、ガスX
と共に内箱2の排気口2cを経て内排気系3に排出され
た後、トラップ31において有害分を捕獲され、真空ポ
ンプPを介して排気される。なお、図4は以上をより子
細に示す工程説明図であって、脱脂工程の前半は内箱2
内が例えば700〜600Torr程度の弱減圧となる
ように調整して脱脂を進行し、脱脂の後半は300To
rr程度の減圧状態と上記弱減圧状態とを間欠的に切換
えながら脱脂を進行させる。このような制御を行うこと
で、脱脂前半は主に低分子系のバインダを除去し、脱脂
後半は主に脱脂の難しい高分子系のバインダを、被処理
物Wに割れやダレ(形崩れ)を生じることなく除去す
る。また、脱脂工程時、内箱2の温度は360°C程度
であり、グラファイトの酸化が始まる温度(380°
C)以下である。この時、ヒータ14の温度は約500
°Cになるが、不活性ガスにより保護される。
【0013】そして、以上の脱脂工程が完了したなら、
内導入系5を通じた空気Yの導入を止め、内箱2内を最
終的に1400°C程度となるまで昇温させて、図4に
示すように脱ガス工程、焼結工程を実施する。そして、
最後に炉1内に設けた図示しない冷却機構を働かせ、冷
却工程を経て全工程を終えた最終製品を取り出す。以上
のようにして、本実施例の脱脂焼結方法は、炉1内のヒ
ータ14によって加熱され得る位置に排気口2cと導入
口2bを有する内箱2を内設し、この内箱2に被処理物
Wを収容して、内箱2の中に空気Yを炉1外より直接流
し込みかつそのガスを炉1外へ直接排気しながら減圧酸
素雰囲気下で被処理物Wに対する脱脂を進行させ、更に
引き続いて内箱2内を真空雰囲気に置換し、被処理物W
に対する焼結を行うようにしたものである。
内導入系5を通じた空気Yの導入を止め、内箱2内を最
終的に1400°C程度となるまで昇温させて、図4に
示すように脱ガス工程、焼結工程を実施する。そして、
最後に炉1内に設けた図示しない冷却機構を働かせ、冷
却工程を経て全工程を終えた最終製品を取り出す。以上
のようにして、本実施例の脱脂焼結方法は、炉1内のヒ
ータ14によって加熱され得る位置に排気口2cと導入
口2bを有する内箱2を内設し、この内箱2に被処理物
Wを収容して、内箱2の中に空気Yを炉1外より直接流
し込みかつそのガスを炉1外へ直接排気しながら減圧酸
素雰囲気下で被処理物Wに対する脱脂を進行させ、更に
引き続いて内箱2内を真空雰囲気に置換し、被処理物W
に対する焼結を行うようにしたものである。
【0014】このように、脱脂雰囲気を内箱2内の処理
空間S1に制限し、この処理空間S1から炉内空間S2
にガスが漏出することがないようにして脱脂処理を進行
させるものであるため、ヒータ14や断熱材12を始め
とする各種の炉内構成部材の汚染や酸化による焼損の問
題を有効に回避することができると同時に、脱脂時にバ
インダ蒸気がヒータ14の周辺に漏出することがないた
め、バインダ蒸気がヒータ14の放電等により引火して
爆発するようなことが無く、被処理物Wに対するバイン
ダの酸化分解を安全に進めることが可能となる。その
上、減圧雰囲気下で脱脂を行うことで、大気圧下で脱脂
を行う場合に比べてより低い蒸気圧でバインダ若しくは
分解した成分を蒸発させることができるため、脱脂を効
率良く進行させることが可能となる。さらに、脱脂と焼
結を連続して行うため、脱脂後の被処理物Wの変質等が
無く、安定した処理を効率的に実施することができる。
空間S1に制限し、この処理空間S1から炉内空間S2
にガスが漏出することがないようにして脱脂処理を進行
させるものであるため、ヒータ14や断熱材12を始め
とする各種の炉内構成部材の汚染や酸化による焼損の問
題を有効に回避することができると同時に、脱脂時にバ
インダ蒸気がヒータ14の周辺に漏出することがないた
め、バインダ蒸気がヒータ14の放電等により引火して
爆発するようなことが無く、被処理物Wに対するバイン
ダの酸化分解を安全に進めることが可能となる。その
上、減圧雰囲気下で脱脂を行うことで、大気圧下で脱脂
を行う場合に比べてより低い蒸気圧でバインダ若しくは
分解した成分を蒸発させることができるため、脱脂を効
率良く進行させることが可能となる。さらに、脱脂と焼
結を連続して行うため、脱脂後の被処理物Wの変質等が
無く、安定した処理を効率的に実施することができる。
【0015】以上に加え、本実施例は、ヒータ14によ
る伝熱の方向が内箱2の周囲から中心部に向き、空気Y
の流れの方向も内箱2の周囲から中心部を向き、両方向
は略一致したものになるため、ヒータ14に最も近い位
置にある被処理物Wから順次脱脂が進行し、被処理物W
から蒸発したバインダは図中矢印で示すように下流側に
位置する排気口2cを経て排出されるので、一旦脱脂が
進行した上流側の被処理物Wが脱脂進行中である下流側
の被処理物Wから出るバインダ蒸気に再び晒されるとい
う不具合を生じることがなく、また、周囲からのガスの
流れにより昇温しにくい内箱2の中央部が加熱されると
いう均熱効果も加わり、脱脂処理の性能や効率を更に有
効に高めることが可能となる。
る伝熱の方向が内箱2の周囲から中心部に向き、空気Y
の流れの方向も内箱2の周囲から中心部を向き、両方向
は略一致したものになるため、ヒータ14に最も近い位
置にある被処理物Wから順次脱脂が進行し、被処理物W
から蒸発したバインダは図中矢印で示すように下流側に
位置する排気口2cを経て排出されるので、一旦脱脂が
進行した上流側の被処理物Wが脱脂進行中である下流側
の被処理物Wから出るバインダ蒸気に再び晒されるとい
う不具合を生じることがなく、また、周囲からのガスの
流れにより昇温しにくい内箱2の中央部が加熱されると
いう均熱効果も加わり、脱脂処理の性能や効率を更に有
効に高めることが可能となる。
【0016】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形が可能である。例えば、内箱には図
5及び図6に示すように中央に排気孔26aのあるガイ
ド管26を内排気系3に連通させて設けたものや、図7
及び図8に示すように2枚の棚の間に隙間27を設けた
り、中央に中空体状の仕切り板28を内排気系3に連通
させて設けたもの等を用いることができる。内箱の材質
はMo等の金属を用いてもよい。また、上記実施例では
酸素混合ガスとして空気を用いたが、他の酸素混合ガス
乃至純粋な酸素を用いることもできる。さらに、上記実
施例では、内導入系5は空気のみ流しているが、工程の
途中でN2等の不活性ガスに切換えてもよい。また、T
i等の酸化の影響を受け易い材質の場合には脱脂完了後
この内導入系5を通じて内箱2内の処理空間S1に水素
を導入し、被処理物Wを還元した後に継続して焼結する
ようにしてもよい。
施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形が可能である。例えば、内箱には図
5及び図6に示すように中央に排気孔26aのあるガイ
ド管26を内排気系3に連通させて設けたものや、図7
及び図8に示すように2枚の棚の間に隙間27を設けた
り、中央に中空体状の仕切り板28を内排気系3に連通
させて設けたもの等を用いることができる。内箱の材質
はMo等の金属を用いてもよい。また、上記実施例では
酸素混合ガスとして空気を用いたが、他の酸素混合ガス
乃至純粋な酸素を用いることもできる。さらに、上記実
施例では、内導入系5は空気のみ流しているが、工程の
途中でN2等の不活性ガスに切換えてもよい。また、T
i等の酸化の影響を受け易い材質の場合には脱脂完了後
この内導入系5を通じて内箱2内の処理空間S1に水素
を導入し、被処理物Wを還元した後に継続して焼結する
ようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。すなわ
ち、本発明の脱脂焼結方法は、炉内に被処理物を収容す
る内箱を内設して内箱内の処理空間に酸素又は酸素混合
ガスを炉外より直接流し込みかつそのガスを炉外へ直接
排気しながら減圧酸素雰囲気下で被処理物に対する脱脂
を行い、継続して炉内を昇温して焼結を行うようにした
ものである。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。すなわ
ち、本発明の脱脂焼結方法は、炉内に被処理物を収容す
る内箱を内設して内箱内の処理空間に酸素又は酸素混合
ガスを炉外より直接流し込みかつそのガスを炉外へ直接
排気しながら減圧酸素雰囲気下で被処理物に対する脱脂
を行い、継続して炉内を昇温して焼結を行うようにした
ものである。
【0018】このため、炉内構成部材の汚染や酸化によ
る焼損、或いはヒータ付近でバインダ蒸気に引火するこ
とによる炉の爆発事故等を惹起することなく脱脂処理を
酸化分解を利用して行うことができ、引き続き焼結工程
を一貫して実施することとも相まって、製品の品質や脱
脂焼結工程全体の処理効率、安全性等を従来に比べて有
効に向上させることが可能となる。その上、本発明は脱
脂雰囲気を減圧酸素雰囲気とすることでバインダの蒸発
を効率良く進行させ、その均質化も向上させることが可
能となる。
る焼損、或いはヒータ付近でバインダ蒸気に引火するこ
とによる炉の爆発事故等を惹起することなく脱脂処理を
酸化分解を利用して行うことができ、引き続き焼結工程
を一貫して実施することとも相まって、製品の品質や脱
脂焼結工程全体の処理効率、安全性等を従来に比べて有
効に向上させることが可能となる。その上、本発明は脱
脂雰囲気を減圧酸素雰囲気とすることでバインダの蒸発
を効率良く進行させ、その均質化も向上させることが可
能となる。
【図1】本発明の一実施例を示す概略的な縦断面図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】図2の平断面図。
【図4】同実施例の工程説明図。
【図5】本発明の他の実施例を示す図2に対応した断面
図。
図。
【図6】図5の平断面図。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す図3に対応した
図。
図。
【図8】本発明の更に他の実施例を示す図3に対応した
図。
図。
1…炉 2c…排気口 2b…導入口 14…ヒータ W…被処理物 Y…空気
Claims (1)
- 【請求項1】炉内のヒータによって加熱され得る位置に
排気口と導入口を有した内箱を内設し、この内箱に被処
理物を収容して、内箱の中に酸素又は酸素混合ガスを炉
外より直接導入し、かつそのガスを炉外へ直接排気しな
がら減圧酸素雰囲気下で被処理物に対する脱脂を行い、
継続して炉内を昇温して被処理物に対する焼結を行うこ
とを特徴とする脱脂焼結方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32733396A JPH10170161A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 脱脂焼結方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32733396A JPH10170161A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 脱脂焼結方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10170161A true JPH10170161A (ja) | 1998-06-26 |
Family
ID=18197974
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32733396A Withdrawn JPH10170161A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 脱脂焼結方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10170161A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103264163A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-08-28 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 金属粉末注射成型真空脱脂烧结炉定向气流装置 |
| CN103341628A (zh) * | 2013-06-27 | 2013-10-09 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 金属粉末注射成形真空脱脂烧结炉料箱夹层宽幅进气装置 |
| CN107941009A (zh) * | 2017-10-27 | 2018-04-20 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 一种真空脱脂烧结炉及方法 |
| CN114264146A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-01 | 江西开源自动化设备有限公司 | 一种单体真空烧结炉 |
| CN121199102A (zh) * | 2025-11-27 | 2025-12-26 | 宁波萨科森工业科技有限公司 | 脱脂烧结炉及其气体控制方法 |
-
1996
- 1996-12-06 JP JP32733396A patent/JPH10170161A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103264163A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-08-28 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 金属粉末注射成型真空脱脂烧结炉定向气流装置 |
| CN103264163B (zh) * | 2013-05-06 | 2016-08-17 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 金属粉末注射成型真空脱脂烧结炉定向气流装置 |
| CN103341628A (zh) * | 2013-06-27 | 2013-10-09 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 金属粉末注射成形真空脱脂烧结炉料箱夹层宽幅进气装置 |
| CN107941009A (zh) * | 2017-10-27 | 2018-04-20 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 一种真空脱脂烧结炉及方法 |
| CN107941009B (zh) * | 2017-10-27 | 2023-08-18 | 宁波恒普技术股份有限公司 | 一种真空脱脂烧结炉及方法 |
| CN114264146A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-01 | 江西开源自动化设备有限公司 | 一种单体真空烧结炉 |
| CN114264146B (zh) * | 2021-12-30 | 2023-11-03 | 江西开源自动化设备有限公司 | 一种单体真空烧结炉 |
| CN121199102A (zh) * | 2025-11-27 | 2025-12-26 | 宁波萨科森工业科技有限公司 | 脱脂烧结炉及其气体控制方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |