JPH101722A - 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法Info
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- JPH101722A JPH101722A JP8172794A JP17279496A JPH101722A JP H101722 A JPH101722 A JP H101722A JP 8172794 A JP8172794 A JP 8172794A JP 17279496 A JP17279496 A JP 17279496A JP H101722 A JPH101722 A JP H101722A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 方向性けい素鋼板の製造方法において、これ
まで最適成分範囲として開示されてきた酸可溶性Al、N
の範囲内では得られなかったような高磁束密度、低鉄損
の製品を製造する。 【解決手段】 酸可溶性Al:0.013 〜0.05wt%及びN:
0.004 〜0.012 wt%を含み、このスラブの酸可溶性Al量
及びN量につき、酸可溶性Al(wt%)≧3.35×N(wt
%)とする方向性けい素鋼板用スラブを用いる。かつ、
焼鈍分離剤として、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl
換算で0.2 〜10重量部添加した焼鈍分離剤を用いる。
まで最適成分範囲として開示されてきた酸可溶性Al、N
の範囲内では得られなかったような高磁束密度、低鉄損
の製品を製造する。 【解決手段】 酸可溶性Al:0.013 〜0.05wt%及びN:
0.004 〜0.012 wt%を含み、このスラブの酸可溶性Al量
及びN量につき、酸可溶性Al(wt%)≧3.35×N(wt
%)とする方向性けい素鋼板用スラブを用いる。かつ、
焼鈍分離剤として、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl
換算で0.2 〜10重量部添加した焼鈍分離剤を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、方向性けい素鋼
板の製造方法に関し、特に素材成分及び焼鈍分離剤組成
を工夫することによって磁気特性を大幅に改善しようと
するものである。
板の製造方法に関し、特に素材成分及び焼鈍分離剤組成
を工夫することによって磁気特性を大幅に改善しようと
するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板は、主として変圧器又
は回転機器等の鉄心材料として使用され、磁気特性とし
て磁束密度が高く、鉄損が小さいことが要求される。
は回転機器等の鉄心材料として使用され、磁気特性とし
て磁束密度が高く、鉄損が小さいことが要求される。
【0003】磁気特性に優れた方向性けい素鋼板を得る
には、{110}〈001〉方位、いわゆるゴス方位に
高度に集積した二次再結晶組織を得ることが必要であ
る。そのため、かかる方向性けい素鋼板の製造方法にお
いては、二次再結晶に必要なインヒビター、例えばMnS
、MnSe、AlN 等を含む方向性けい素鋼スラブを加熱し
て熱間圧延を行った後、必要に応じて焼鈍を行い、1回
又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板
厚とし、次いで脱炭焼鈍を行った後、鋼板にMgO を主成
分とする焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍を行う
ことが一般的となっている。
には、{110}〈001〉方位、いわゆるゴス方位に
高度に集積した二次再結晶組織を得ることが必要であ
る。そのため、かかる方向性けい素鋼板の製造方法にお
いては、二次再結晶に必要なインヒビター、例えばMnS
、MnSe、AlN 等を含む方向性けい素鋼スラブを加熱し
て熱間圧延を行った後、必要に応じて焼鈍を行い、1回
又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板
厚とし、次いで脱炭焼鈍を行った後、鋼板にMgO を主成
分とする焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍を行う
ことが一般的となっている。
【0004】上記のインヒビター成分としてAlN を含む
方向性けい素鋼板においては、酸可溶性AlとNとの量が
二次再結晶に大きく影響して、得られる鋼板の磁気特性
を左右することが知られている。そのために、例えば特
開平1−316421号公報、特開平2−8328号公
報、特開平2−209426号公報、特開平2−209
427号公報及び特開平2−243721号公報では、
酸可溶性Alの量(%)を{ (27/14)×N(%) +0.0035}
〜{ (27/14)×N(%) +0.0100}にすることが提案され
ている。また、特開平2−77524号公報、特開平2
−209428号公報、特開平2−213419号公
報、特開平2−243720号公報では、酸可溶性Alの
量(%)を{ (27/14)×N(%) +0.0030}〜{ (27/14)
×N(%) +0.0150}にすることが提案されている。
方向性けい素鋼板においては、酸可溶性AlとNとの量が
二次再結晶に大きく影響して、得られる鋼板の磁気特性
を左右することが知られている。そのために、例えば特
開平1−316421号公報、特開平2−8328号公
報、特開平2−209426号公報、特開平2−209
427号公報及び特開平2−243721号公報では、
酸可溶性Alの量(%)を{ (27/14)×N(%) +0.0035}
〜{ (27/14)×N(%) +0.0100}にすることが提案され
ている。また、特開平2−77524号公報、特開平2
−209428号公報、特開平2−213419号公
報、特開平2−243720号公報では、酸可溶性Alの
量(%)を{ (27/14)×N(%) +0.0030}〜{ (27/14)
×N(%) +0.0150}にすることが提案されている。
【0005】かかる提案された方法では、いずれの場合
も酸可溶性Alの量が提案された式より多いと二次再結晶
が不完全になって細粒が発生し、磁気特性が劣化すると
されていて、また、酸可溶性Alの量が提案された式より
も少ないと、二次再結晶は安定であるが、方向性が劣
り、良好な鉄損値が得られにくいとされている。だから
こそ、これらの方法では酸可溶性Alの量をN量との関係
で所定の範囲に限定しているのであるが、酸可溶性Al量
(%)が{ (27/14)×N(%) +0.0100}付近という、N
に対し相対的に多い量で含有しているときには、たとえ
スラブ段階での分析値ではAl量が限定した範囲内であっ
ても、分析採取位置によるAl、N量の若干の変動、ある
いは中間焼鈍温度や脱炭焼鈍温度など他の途中工程によ
るAl、N量の若干の変動によって、部分的に二次再結晶
不良となり、磁性劣化が生じる場合があり、良好な磁気
特性が得られる範囲は実質的に、より狭いものであっ
た。
も酸可溶性Alの量が提案された式より多いと二次再結晶
が不完全になって細粒が発生し、磁気特性が劣化すると
されていて、また、酸可溶性Alの量が提案された式より
も少ないと、二次再結晶は安定であるが、方向性が劣
り、良好な鉄損値が得られにくいとされている。だから
こそ、これらの方法では酸可溶性Alの量をN量との関係
で所定の範囲に限定しているのであるが、酸可溶性Al量
(%)が{ (27/14)×N(%) +0.0100}付近という、N
に対し相対的に多い量で含有しているときには、たとえ
スラブ段階での分析値ではAl量が限定した範囲内であっ
ても、分析採取位置によるAl、N量の若干の変動、ある
いは中間焼鈍温度や脱炭焼鈍温度など他の途中工程によ
るAl、N量の若干の変動によって、部分的に二次再結晶
不良となり、磁性劣化が生じる場合があり、良好な磁気
特性が得られる範囲は実質的に、より狭いものであっ
た。
【0006】一方、方向性けい素鋼板の表面には、特殊
な場合を除いてフォルステライト(Mg2SiO4)質絶縁被膜
が形成されている。かかるフォルステライト質被膜の性
状は製品の磁気特性に影響を及ぼすことから、良好なフ
ォルステライト質被膜を生成させることが重要である。
な場合を除いてフォルステライト(Mg2SiO4)質絶縁被膜
が形成されている。かかるフォルステライト質被膜の性
状は製品の磁気特性に影響を及ぼすことから、良好なフ
ォルステライト質被膜を生成させることが重要である。
【0007】ここに、方向性電磁鋼板の製造工程中、一
次再結晶焼鈍に先立って鋼板表面に塗布される焼鈍分離
剤は、その組成が被膜形成及び二次再結晶過程に大きく
影響し、鋼板の磁気特性を左右することから多くの研究
が行われ、その改善が図られてきている。
次再結晶焼鈍に先立って鋼板表面に塗布される焼鈍分離
剤は、その組成が被膜形成及び二次再結晶過程に大きく
影響し、鋼板の磁気特性を左右することから多くの研究
が行われ、その改善が図られてきている。
【0008】例えば、磁気特性の向上を目的に焼鈍分離
剤中に配合されるMgO 以外の添加物として、特公昭54
−14567号公報に開示されているように、Cu、Sn、
Ni、Coあるいはそれらを含む化合物を0.01〜15重量部
(金属元素として)添加する方法、特開昭60−243
282号公報に開示されているようにTiO2又はTiO を0.
5 〜10重量部とSrS 、SnS 、CuS を0.1 〜5.0 重量部、
又はそれに加えて硝酸アンチモンを0.05〜2.0 重量部添
加する方法、特開昭61−79780号公報に示されて
いるように、コロイド状のSb又はSbを含む化合物または
コロイド状のSnもしくはSnを含む化合物を添加する方法
が知られいてる。
剤中に配合されるMgO 以外の添加物として、特公昭54
−14567号公報に開示されているように、Cu、Sn、
Ni、Coあるいはそれらを含む化合物を0.01〜15重量部
(金属元素として)添加する方法、特開昭60−243
282号公報に開示されているようにTiO2又はTiO を0.
5 〜10重量部とSrS 、SnS 、CuS を0.1 〜5.0 重量部、
又はそれに加えて硝酸アンチモンを0.05〜2.0 重量部添
加する方法、特開昭61−79780号公報に示されて
いるように、コロイド状のSb又はSbを含む化合物または
コロイド状のSnもしくはSnを含む化合物を添加する方法
が知られいてる。
【0009】更に、被膜特性の改善に関しては焼鈍分離
剤中に主成分であるMgO に加えてTiO2等のTi化合物を含
有させる技術が数多く開示されている。例えば特公昭5
1−12451号公報では、Mg化合物100 重量部に対し
Ti化合物が2〜40重量部となるように配合することによ
り、また、特公昭49−29049号公報では、重質低
活性MgO :100 重量部に対して2〜20重量部のTiO2を混
合することより、いずもフォルステライト被膜の均一性
と密着性が向上することが開示されている。更に、特公
昭56−15466号公報では焼鈍分離剤に用いるTiO2
を微細粒とすることにより、Ti化合物からなる黒点状付
着物を消滅させる技術が開示されている。更に、特公昭
57−32716号公報では、フォルステライト質絶縁
被膜を密着性が良くかつ優れた均一性をもって形成され
る方法として、Sr化合物をSr換算で0.1 〜10重量部配合
することが提案されている。
剤中に主成分であるMgO に加えてTiO2等のTi化合物を含
有させる技術が数多く開示されている。例えば特公昭5
1−12451号公報では、Mg化合物100 重量部に対し
Ti化合物が2〜40重量部となるように配合することによ
り、また、特公昭49−29049号公報では、重質低
活性MgO :100 重量部に対して2〜20重量部のTiO2を混
合することより、いずもフォルステライト被膜の均一性
と密着性が向上することが開示されている。更に、特公
昭56−15466号公報では焼鈍分離剤に用いるTiO2
を微細粒とすることにより、Ti化合物からなる黒点状付
着物を消滅させる技術が開示されている。更に、特公昭
57−32716号公報では、フォルステライト質絶縁
被膜を密着性が良くかつ優れた均一性をもって形成され
る方法として、Sr化合物をSr換算で0.1 〜10重量部配合
することが提案されている。
【0010】しかしながら上記の分離剤添加物を適用し
た素材成分は、AlN 系インヒビターを用いる鋼板の場
合、前記のように従来から知られている、二次再結晶が
良好に生じる範囲の酸可溶性Al、Nを含む範囲に納まっ
ていた。そして被膜特性、磁気特性の改善は認められる
ものの、止むことのない被膜特性改善、磁気特性改善の
要求に対して十分に満足できるとはいえなかった。
た素材成分は、AlN 系インヒビターを用いる鋼板の場
合、前記のように従来から知られている、二次再結晶が
良好に生じる範囲の酸可溶性Al、Nを含む範囲に納まっ
ていた。そして被膜特性、磁気特性の改善は認められる
ものの、止むことのない被膜特性改善、磁気特性改善の
要求に対して十分に満足できるとはいえなかった。
【0011】また、特開平7−188938号公報で
は、板幅方向に伸長した磁束密度の高い巨大結晶粒を得
る目的で、MgO を主体とする焼鈍分離剤中にTl化合物を
配合する技術が開示されている。しかし、二次粒が大き
いため、得られる磁束密度に対して鉄損がやや劣ってい
た。
は、板幅方向に伸長した磁束密度の高い巨大結晶粒を得
る目的で、MgO を主体とする焼鈍分離剤中にTl化合物を
配合する技術が開示されている。しかし、二次粒が大き
いため、得られる磁束密度に対して鉄損がやや劣ってい
た。
【0012】他方、製品の磁気特性を向上させる方法と
して、鋼板表面を鏡面化して低鉄損を得る方法がある。
この鋼板表面を鏡面化する方法では、方向性けい素鋼板
の表面に通常形成されているフォルステライト質絶縁被
膜を除去する必要がある。その除去方法としては酸洗等
の技術が古くからあり、またその後に表面平滑化する方
法としては特開昭64−83620号公報に開示されて
いる化学研磨、電解研磨等がある。しかし、一度生成し
た酸化被膜を除去して更に平滑化することは、酸化膜
(フォルステライト被膜)が除去し難い、生産性が悪い
等の問題点があった。
して、鋼板表面を鏡面化して低鉄損を得る方法がある。
この鋼板表面を鏡面化する方法では、方向性けい素鋼板
の表面に通常形成されているフォルステライト質絶縁被
膜を除去する必要がある。その除去方法としては酸洗等
の技術が古くからあり、またその後に表面平滑化する方
法としては特開昭64−83620号公報に開示されて
いる化学研磨、電解研磨等がある。しかし、一度生成し
た酸化被膜を除去して更に平滑化することは、酸化膜
(フォルステライト被膜)が除去し難い、生産性が悪い
等の問題点があった。
【0013】一方、一度生成された酸化被膜を除去する
のではなく、仕上焼鈍時に酸化被膜を生成させない方法
として、米国特許第3785882号明細書に開示され
ているAl2O3 、また、特公昭56−3414号公報に開
示されている含水珪酸塩鉱物粉末等、SiO2と反応しない
焼鈍分離剤を用いる方法がある。この方法は、前述した
生成した酸化被膜を酸洗除去する方法よりは優れてい
る。しかし、この方法では脱炭焼鈍時に生成したSiO2等
の酸化物が残存するため、表面を平滑にするには化学研
磨、機械研磨等の処理が必要であった。
のではなく、仕上焼鈍時に酸化被膜を生成させない方法
として、米国特許第3785882号明細書に開示され
ているAl2O3 、また、特公昭56−3414号公報に開
示されている含水珪酸塩鉱物粉末等、SiO2と反応しない
焼鈍分離剤を用いる方法がある。この方法は、前述した
生成した酸化被膜を酸洗除去する方法よりは優れてい
る。しかし、この方法では脱炭焼鈍時に生成したSiO2等
の酸化物が残存するため、表面を平滑にするには化学研
磨、機械研磨等の処理が必要であった。
【0014】更に、特開昭64−62417号公報、特
開平2−228481号公報に開示される、塩化物を焼
鈍分離剤中に添加し、仕上焼鈍時にMgO とSiO2との反応
を抑制する方法がある。この方法は、それ以前の技術よ
り優れているが、薄い酸化膜が残存する点、得られる表
面粗度が化学研磨を用いた場合よりも粗い点が鉄損低減
の妨げとなっていた。それを改善するために、特開平6
−346247号公報では、Biの塩化物を添加する技術
が開示され、これにより表面の平滑度が従来より良くな
り、鉄損特性が向上したと報告されている。
開平2−228481号公報に開示される、塩化物を焼
鈍分離剤中に添加し、仕上焼鈍時にMgO とSiO2との反応
を抑制する方法がある。この方法は、それ以前の技術よ
り優れているが、薄い酸化膜が残存する点、得られる表
面粗度が化学研磨を用いた場合よりも粗い点が鉄損低減
の妨げとなっていた。それを改善するために、特開平6
−346247号公報では、Biの塩化物を添加する技術
が開示され、これにより表面の平滑度が従来より良くな
り、鉄損特性が向上したと報告されている。
【0015】しかし、上記の鏡面化技術を適用した素材
成分は、AlN 系インヒビターの場合、やはり従来から知
られている、二次再結晶が良好に生じる範囲の酸可溶性
Al、窒素を含む範囲であった。
成分は、AlN 系インヒビターの場合、やはり従来から知
られている、二次再結晶が良好に生じる範囲の酸可溶性
Al、窒素を含む範囲であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来、二
次再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、又はほと
んど二次再結晶不良となるような範囲の酸可溶性Al量、
N量の素材を用いても、良好に二次再結晶をさせること
ができるばかりか、これまで最適成分範囲として開示さ
れてきた酸可溶性Al、Nの範囲内では得られなかったよ
うな高磁束密度、低鉄損の製品を製造することのできる
方法を提案することを目的とする。
次再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、又はほと
んど二次再結晶不良となるような範囲の酸可溶性Al量、
N量の素材を用いても、良好に二次再結晶をさせること
ができるばかりか、これまで最適成分範囲として開示さ
れてきた酸可溶性Al、Nの範囲内では得られなかったよ
うな高磁束密度、低鉄損の製品を製造することのできる
方法を提案することを目的とする。
【0017】また、この発明の他の目的は、従来、二次
再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、又はほとん
ど二次再結晶不良となるような範囲の酸可溶性Al量、N
量の素材を用いても、仕上焼鈍時に鋼板表面の酸化膜を
除去でき、かつ鋼板表面を平滑化して良好に二次再結晶
をさせ、更なる低鉄損の製品を製造することのできる方
法を提案することにある。
再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、又はほとん
ど二次再結晶不良となるような範囲の酸可溶性Al量、N
量の素材を用いても、仕上焼鈍時に鋼板表面の酸化膜を
除去でき、かつ鋼板表面を平滑化して良好に二次再結晶
をさせ、更なる低鉄損の製品を製造することのできる方
法を提案することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】方向性けい素鋼板の製造
にあたり、焼鈍分離剤は、仕上焼鈍時における鋼板間の
融着防止効果を有し、仕上焼鈍中に磁気特性の向上に関
与する地鉄表層部近傍のインヒビター成分の挙動の制御
やコイル層間の雰囲気の制御に重要な役割を果たすとと
もに、この仕上焼鈍により鋼板表面上にフォルステライ
ト被膜が形成される。
にあたり、焼鈍分離剤は、仕上焼鈍時における鋼板間の
融着防止効果を有し、仕上焼鈍中に磁気特性の向上に関
与する地鉄表層部近傍のインヒビター成分の挙動の制御
やコイル層間の雰囲気の制御に重要な役割を果たすとと
もに、この仕上焼鈍により鋼板表面上にフォルステライ
ト被膜が形成される。
【0019】発明者らは、このような焼鈍分離剤の特性
を考慮して、素材成分の酸可溶性Al、Nの値を、二次再
結晶が完全で良好な磁気特性が得られると従来から報告
されている範囲に限定せずに、MgO を主成分としてこれ
に種々の副成分を添加配合して実験を重ねた結果、従来
は二次再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、ある
いはほとんど完全に二次再結晶不良となる範囲の酸可溶
性Al、N量である素材を用い、かつ焼鈍分離剤中へTl化
合物を低下した場合、極めて磁気特性が向上することを
見出した。
を考慮して、素材成分の酸可溶性Al、Nの値を、二次再
結晶が完全で良好な磁気特性が得られると従来から報告
されている範囲に限定せずに、MgO を主成分としてこれ
に種々の副成分を添加配合して実験を重ねた結果、従来
は二次再結晶が不安定になって細粒が発生し易い、ある
いはほとんど完全に二次再結晶不良となる範囲の酸可溶
性Al、N量である素材を用い、かつ焼鈍分離剤中へTl化
合物を低下した場合、極めて磁気特性が向上することを
見出した。
【0020】また、焼鈍分離剤中にBi化合物を併存させ
ることで、一層磁気特性が向上することも見出した。
ることで、一層磁気特性が向上することも見出した。
【0021】更に、焼鈍分離剤中にTl化合物と塩化物を
併存させることで、仕上焼鈍後の鋼板表面が単に塩化物
を添加する以上に鏡面のように平滑化され、非常に磁気
特性が向上することを見出した。
併存させることで、仕上焼鈍後の鋼板表面が単に塩化物
を添加する以上に鏡面のように平滑化され、非常に磁気
特性が向上することを見出した。
【0022】すなわち、この発明の要旨構成は、次のと
おりである。 (1) 酸可溶性Al:0.013 〜0.05wt%及びN:0.004 〜0.
012 wt%を含む方向性けい素鋼板用スラブを熱間圧延し
た後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施
し、次いで脱炭焼鈍を施した後、MgO を主体とする焼鈍
分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施す一連の工程
からなる方向性けい素鋼板の製造方法において、上記ス
ラブの酸可溶性Al量及びN量につき、酸可溶性Al(wt
%)≧3.35×N(wt%)とし、かつ上記焼鈍分離剤とし
て、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10
重量部添加した焼鈍分離剤を塗布することを特徴とする
磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法(第1発
明)
おりである。 (1) 酸可溶性Al:0.013 〜0.05wt%及びN:0.004 〜0.
012 wt%を含む方向性けい素鋼板用スラブを熱間圧延し
た後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施
し、次いで脱炭焼鈍を施した後、MgO を主体とする焼鈍
分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施す一連の工程
からなる方向性けい素鋼板の製造方法において、上記ス
ラブの酸可溶性Al量及びN量につき、酸可溶性Al(wt
%)≧3.35×N(wt%)とし、かつ上記焼鈍分離剤とし
て、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10
重量部添加した焼鈍分離剤を塗布することを特徴とする
磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法(第1発
明)
【0023】(2) 第1発明において、焼鈍分離剤が、Mg
O 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量
部、塩化物を0.2 〜15重量部、それぞれ添加したもので
ある磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法(第
2発明)。
O 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量
部、塩化物を0.2 〜15重量部、それぞれ添加したもので
ある磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法(第
2発明)。
【0024】(3) 第1発明又は第2発明において、焼鈍
分離剤が、更にBi化合物を、MgO 100重量部に対しBi換
算で0.2 〜10重量部添加したものである磁気特性に優れ
た方向性けい素鋼板の製造方法(第3発明)。
分離剤が、更にBi化合物を、MgO 100重量部に対しBi換
算で0.2 〜10重量部添加したものである磁気特性に優れ
た方向性けい素鋼板の製造方法(第3発明)。
【0025】
【発明の実施の形態】以下にこの発明に至った経緯を実
験結果に基づいて説明する。 (実験1) C:0.073 wt%、Si:3.30wt%、sol.Al:
0.032 wt%、N:0.0080wt%、(sol.Al/N=4.0 )、
Mn:0.069 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.025 wt%を含
有し、残部は実質的にFeの組成からなる方向性けい素鋼
スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最終板厚を0.
23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気にて840 ℃で12
0 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、表1に示すMgO に
TiO2を6%配合した焼鈍分離剤(条件No. 1)、Tl化合
物を添加したMgO 主体の焼鈍分離剤(条件No. 2〜6)
及びTl化合物とBi化合物とを添加したMgO 主体の焼鈍分
離剤(条件No. 7〜10)をスラリーとして塗布して乾燥
させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃で20時間、窒素雰囲
気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、窒素25 vol%
の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する
二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気で5
時間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウム
とコロイダルシリカを主成分とするコーティングを施し
た。
験結果に基づいて説明する。 (実験1) C:0.073 wt%、Si:3.30wt%、sol.Al:
0.032 wt%、N:0.0080wt%、(sol.Al/N=4.0 )、
Mn:0.069 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.025 wt%を含
有し、残部は実質的にFeの組成からなる方向性けい素鋼
スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最終板厚を0.
23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気にて840 ℃で12
0 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、表1に示すMgO に
TiO2を6%配合した焼鈍分離剤(条件No. 1)、Tl化合
物を添加したMgO 主体の焼鈍分離剤(条件No. 2〜6)
及びTl化合物とBi化合物とを添加したMgO 主体の焼鈍分
離剤(条件No. 7〜10)をスラリーとして塗布して乾燥
させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃で20時間、窒素雰囲
気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、窒素25 vol%
の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する
二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気で5
時間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウム
とコロイダルシリカを主成分とするコーティングを施し
た。
【0026】このようにして得られた製品の磁界800 A/
m における磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける
鉄損(W17/50値)を測定した。これらの測定結果も表1
に併せて示した。
m における磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける
鉄損(W17/50値)を測定した。これらの測定結果も表1
に併せて示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1において条件No. 2〜10はこの発明の
適合例としてTl化合物又はTl化合物とBi化合物とを適量
添加したMgO 系の焼鈍分離剤を用いたものであり、極め
て高磁束密度で低鉄損の特性が得られていることがわか
る。また、Tl化合物単独よりTl化合物とBi化合物とを併
せて用いた方が良好な磁気特性が得られることが分か
る。一方、条件No. 1はTl化合物無添加の比較例である
が、二次再結晶不良であった。
適合例としてTl化合物又はTl化合物とBi化合物とを適量
添加したMgO 系の焼鈍分離剤を用いたものであり、極め
て高磁束密度で低鉄損の特性が得られていることがわか
る。また、Tl化合物単独よりTl化合物とBi化合物とを併
せて用いた方が良好な磁気特性が得られることが分か
る。一方、条件No. 1はTl化合物無添加の比較例である
が、二次再結晶不良であった。
【0029】図1に条件No. 1、また図2に条件No. 2
を適用した、二次再結晶処理後の鋼板の金属組織写真を
それぞれ示す。これらの図面から分かるように、条件N
o. 1ではほとんど二次再結晶していないのに対して、
条件2では二次再結晶が生じていて、しかも二次再結晶
粒は比較的小さく、過度に粗大化していない。
を適用した、二次再結晶処理後の鋼板の金属組織写真を
それぞれ示す。これらの図面から分かるように、条件N
o. 1ではほとんど二次再結晶していないのに対して、
条件2では二次再結晶が生じていて、しかも二次再結晶
粒は比較的小さく、過度に粗大化していない。
【0030】(実験2) C:0.073 wt%、Si:3.30wt
%、sol.Al:0.025 wt%、N:0.0085wt%、(sol.Al/
N=2.94)、Mn:0.069 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.
025 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる方
向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して
最終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中に
て840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、表2
に示するMgO にTiO2を6%配合した焼鈍分離剤(条件N
o. 1)、Tl化合物を添加したMgO 主体の焼鈍分離剤(N
o. 2〜6)及びTl化合物とBi化合物とを添加したMgO
主体の焼鈍分離剤(条件No. 7〜10)をスラリーとして
塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃、20時
間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、窒
素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃ま
で昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて、1200℃の水
素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸
マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とするコーテ
ィングを施した。このようにして得られた製品の磁界80
0 A/m における磁束密度(B8 値)、1.7 T,50Hzにお
ける鉄損(W17/50値)を測定した。これらの測定結果も
表2に併せて示した。
%、sol.Al:0.025 wt%、N:0.0085wt%、(sol.Al/
N=2.94)、Mn:0.069 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.
025 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる方
向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して
最終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中に
て840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、表2
に示するMgO にTiO2を6%配合した焼鈍分離剤(条件N
o. 1)、Tl化合物を添加したMgO 主体の焼鈍分離剤(N
o. 2〜6)及びTl化合物とBi化合物とを添加したMgO
主体の焼鈍分離剤(条件No. 7〜10)をスラリーとして
塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃、20時
間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、窒
素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃ま
で昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて、1200℃の水
素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸
マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とするコーテ
ィングを施した。このようにして得られた製品の磁界80
0 A/m における磁束密度(B8 値)、1.7 T,50Hzにお
ける鉄損(W17/50値)を測定した。これらの測定結果も
表2に併せて示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2において条件No. 2〜10はTl化合物又
はTl化合物とBi化合物とを適量添加したMgO 系の焼鈍分
離剤を用いたものであるが、条件1と比べて磁束密度は
向上するものの、鉄損は増大する場合があるのがわか
る。図3に条件No. 1、また図4に条件No. 2を適用し
た、二次再結晶処理後の鋼板の金属組織写真をそれぞれ
示す。これらの図面から分かるように、条件No. 1は、
ほぼ通常得られる二次再結晶粒の形態であるのに対し
て、条件No. 2では非常に粗大な二次再結晶粒となって
いる。そのために条件No. 2〜10では磁束密度の向上に
比して鉄損が低下しない場合があったと考えられる。
はTl化合物とBi化合物とを適量添加したMgO 系の焼鈍分
離剤を用いたものであるが、条件1と比べて磁束密度は
向上するものの、鉄損は増大する場合があるのがわか
る。図3に条件No. 1、また図4に条件No. 2を適用し
た、二次再結晶処理後の鋼板の金属組織写真をそれぞれ
示す。これらの図面から分かるように、条件No. 1は、
ほぼ通常得られる二次再結晶粒の形態であるのに対し
て、条件No. 2では非常に粗大な二次再結晶粒となって
いる。そのために条件No. 2〜10では磁束密度の向上に
比して鉄損が低下しない場合があったと考えられる。
【0033】(実験3) C:0.065 wt%、Si:3.35wt
%、Mn:0.072 wt%、Se:0.018 wt%、Sb:0.026 wt
%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.004 〜0.012 wt%
を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる多数の方向
性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最
終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中にて
840 ℃で120 秒の脱炭焼鈍を施した。その後、MgO にTi
O2を6%、Tl2SO4を3重量部配合した焼鈍分離剤をスラ
リーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は85
0 ℃、20時間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75
vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度
で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて12
00℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。この
後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分と
するコーティングを施してから、得られた製品の磁束密
度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
%、Mn:0.072 wt%、Se:0.018 wt%、Sb:0.026 wt
%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.004 〜0.012 wt%
を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる多数の方向
性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最
終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中にて
840 ℃で120 秒の脱炭焼鈍を施した。その後、MgO にTi
O2を6%、Tl2SO4を3重量部配合した焼鈍分離剤をスラ
リーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は85
0 ℃、20時間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75
vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度
で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて12
00℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。この
後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分と
するコーティングを施してから、得られた製品の磁束密
度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
【0034】スラブの酸可溶性Al、N含有量と、B
8 値:W17/50値との関係を図5に示す。直線ab(sol.
Al/N=3.35)よりもsol.Al(%)/N(%)比が高い
側で高磁束密度、低鉄損が得られているのが分かる。
8 値:W17/50値との関係を図5に示す。直線ab(sol.
Al/N=3.35)よりもsol.Al(%)/N(%)比が高い
側で高磁束密度、低鉄損が得られているのが分かる。
【0035】(実験4) C:0.071 wt%、Si:3.34wt
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.025 wt
%、Cu:0.10wt%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.00
4 〜0.012 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成から
なる多数の方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
冷間圧延により最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施し
た。その後、MgO にTiO2を6%、Tl2SO4を3重量部、Bi
2O3 を3重量部配合した焼鈍分離剤をスラリーとして塗
布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃で20時
間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、
窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃
まで焼鈍する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水
素雰囲気で5時間の純化焼鈍行った。この後、りん酸マ
グネシウムとコロイダルシリカを主成分とするコーティ
ングを施してから、得られた製品の磁束密度(B8 値)
及び鉄損(W17/50値)を測定した。
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.025 wt
%、Cu:0.10wt%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.00
4 〜0.012 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成から
なる多数の方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
冷間圧延により最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施し
た。その後、MgO にTiO2を6%、Tl2SO4を3重量部、Bi
2O3 を3重量部配合した焼鈍分離剤をスラリーとして塗
布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は850 ℃で20時
間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素75 vol%、
窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃
まで焼鈍する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水
素雰囲気で5時間の純化焼鈍行った。この後、りん酸マ
グネシウムとコロイダルシリカを主成分とするコーティ
ングを施してから、得られた製品の磁束密度(B8 値)
及び鉄損(W17/50値)を測定した。
【0036】スラブの酸可溶性Al、N含有量と、B8 値
及びW17/50値との関係を図6に示す。同図から、直線a
b(sol.Al(%)/N(%)=3.35)よりもsol.Al
(%)/N(%)比が高い側で高磁束密度、低鉄損が得
られていることが分かる。
及びW17/50値との関係を図6に示す。同図から、直線a
b(sol.Al(%)/N(%)=3.35)よりもsol.Al
(%)/N(%)比が高い側で高磁束密度、低鉄損が得
られていることが分かる。
【0037】以上の実験から、酸可溶性Al(sol.Al)を
0.013 〜0.05wt%、Nを0.004 〜0.012 wt%を含む方向
性けい素鋼板用スラブを熱間圧延した後、1回又は中間
焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施
した後、MgO を主体をとする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性けい
素鋼板の製造方法において、スラブの含有するNと酸可
溶性Alについて酸可溶性Al(wt%)≧3.35×N(wt%)
とし、かつ上記焼鈍分離剤を塗布する工程において、Mg
O 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量
部、より望ましくは更にBi化合物をBi換算で0.2 〜10重
量部を添加して塗布することで、従来より極めて高磁束
密度かつ低鉄損の、フォルステライト被膜を有する方向
性けい素鋼板が製造できることがわかった。
0.013 〜0.05wt%、Nを0.004 〜0.012 wt%を含む方向
性けい素鋼板用スラブを熱間圧延した後、1回又は中間
焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施
した後、MgO を主体をとする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性けい
素鋼板の製造方法において、スラブの含有するNと酸可
溶性Alについて酸可溶性Al(wt%)≧3.35×N(wt%)
とし、かつ上記焼鈍分離剤を塗布する工程において、Mg
O 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量
部、より望ましくは更にBi化合物をBi換算で0.2 〜10重
量部を添加して塗布することで、従来より極めて高磁束
密度かつ低鉄損の、フォルステライト被膜を有する方向
性けい素鋼板が製造できることがわかった。
【0038】次に、焼鈍分離剤中に塩化物を添加する実
験を行った。 (実験5) C:0.068 wt%、Si:3.25wt%、sol.Al:
0.035 wt%、N:0.0090wt%、(sol.Al/N=3.89)、
Mn:0.072 wt%、Se:0.016 wt%、Sb:0.025 wt%及び
Cu:0.10wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成からな
る方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延
して最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲
気にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、
表3に示すMgO 単体の焼鈍分離剤(条件No. 1)、MgO
に塩化物を添加した焼鈍分離剤(条件No. 2〜5)及び
MgO にTl化合物と塩化物とを添加した焼鈍分離剤(条件
No.6〜10)、MgO にTl化合物と塩化物とBi化合物と添
加した焼鈍分離剤(条件No.11〜15)をスラリーとして
塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は25%のN2を含
有するH2気流中で15℃/hr の昇温速度で1200℃まで昇温
し、H2雰囲気中で1200℃、5時間行った。この後、鋼板
表面を水洗し、表面状態を観察した。その結果を表3に
併記した。
験を行った。 (実験5) C:0.068 wt%、Si:3.25wt%、sol.Al:
0.035 wt%、N:0.0090wt%、(sol.Al/N=3.89)、
Mn:0.072 wt%、Se:0.016 wt%、Sb:0.025 wt%及び
Cu:0.10wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成からな
る方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延
して最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲
気にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施した。その後、
表3に示すMgO 単体の焼鈍分離剤(条件No. 1)、MgO
に塩化物を添加した焼鈍分離剤(条件No. 2〜5)及び
MgO にTl化合物と塩化物とを添加した焼鈍分離剤(条件
No.6〜10)、MgO にTl化合物と塩化物とBi化合物と添
加した焼鈍分離剤(条件No.11〜15)をスラリーとして
塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は25%のN2を含
有するH2気流中で15℃/hr の昇温速度で1200℃まで昇温
し、H2雰囲気中で1200℃、5時間行った。この後、鋼板
表面を水洗し、表面状態を観察した。その結果を表3に
併記した。
【0039】
【表3】
【0040】表3において条件No. 1では通常の酸化膜
(フォルステライト被膜)が生成した。また、No. 2〜
5では焼鈍分離剤中に塩化物を添加しても薄い酸化膜が
残存した。これに対して、塩化物とTl化合物又はTl化合
物及びBi化合物とを併存させた焼鈍分離剤を用いた条件
No. 6〜15では、鋼板表面が鏡面化していた。かかる条
件No. 6〜15の試料を歪取り焼鈍後に磁気特性の測定を
した結果を表3に併記したように、極めて高磁束密度で
低鉄損の値が得られていることが分かる。なお、条件N
o. 1〜5は全て二次再結晶不良であったので、値を記
さなかった。
(フォルステライト被膜)が生成した。また、No. 2〜
5では焼鈍分離剤中に塩化物を添加しても薄い酸化膜が
残存した。これに対して、塩化物とTl化合物又はTl化合
物及びBi化合物とを併存させた焼鈍分離剤を用いた条件
No. 6〜15では、鋼板表面が鏡面化していた。かかる条
件No. 6〜15の試料を歪取り焼鈍後に磁気特性の測定を
した結果を表3に併記したように、極めて高磁束密度で
低鉄損の値が得られていることが分かる。なお、条件N
o. 1〜5は全て二次再結晶不良であったので、値を記
さなかった。
【0041】(実験6) C:0.070 wt%、Si:3.37wt
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.026 wt
%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.004 〜0.012 wt%
を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる多数の方向
性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最
終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中にて
840 ℃で120 秒の脱炭焼鈍を施した。その後、MgO にTl
2O3 を3重量部、CaCl2 を2重量部配合した焼鈍分離剤
をスラリーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼
鈍は850 ℃、20時間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて
水素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr の昇
温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続
いて1200℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。
この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とするコーティングを施してから、得られた製品の磁
束密度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.026 wt
%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.004 〜0.012 wt%
を含有し、残部は実質的にFeの組成からなる多数の方向
性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで冷間圧延して最
終板厚0.23mmとした冷延板に、H2-H2O-N2 雰囲気中にて
840 ℃で120 秒の脱炭焼鈍を施した。その後、MgO にTl
2O3 を3重量部、CaCl2 を2重量部配合した焼鈍分離剤
をスラリーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼
鈍は850 ℃、20時間窒素雰囲気中で保定し、引き続いて
水素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr の昇
温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続
いて1200℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍を行った。
この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とするコーティングを施してから、得られた製品の磁
束密度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
【0042】スラブの酸可溶性Al、N含有量と、B
8 値:W17/50値との関係を図7に示す。直線ab(sol.
Al/N=3.35)よりもsol.Al(%)/N(%)比が高い
側で高磁束密度、低鉄損が得られているのが分かる。
8 値:W17/50値との関係を図7に示す。直線ab(sol.
Al/N=3.35)よりもsol.Al(%)/N(%)比が高い
側で高磁束密度、低鉄損が得られているのが分かる。
【0043】(実験7) C:0.071 wt%、Si:3.34wt
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.025 wt
%、Cu:0.10wt%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.00
4 〜0.012 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成から
なる多数の方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
冷間圧延により最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施し
た。その後、MgO にTl2SO4を3重量部、Bi2O3 を3重量
部、MgCl2 を3重量、それぞれ配合した焼鈍分離剤をス
ラリーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は
850 ℃で20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水
素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温
速度で1150℃まで焼鈍する二次再結晶焼鈍を行い、続い
て1200℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍行った。この
後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分と
するコーティングを施してから、得られた製品の磁束密
度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
%、Mn:0.069 wt%、Se:0.019 wt%、Sb:0.025 wt
%、Cu:0.10wt%、sol.Al:0.01〜0.05wt%、N:0.00
4 〜0.012 wt%を含有し、残部は実質的にFeの組成から
なる多数の方向性けい素鋼スラブを熱間圧延し、次いで
冷間圧延により最終板厚を0.23mmとした冷延板に、H2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を施し
た。その後、MgO にTl2SO4を3重量部、Bi2O3 を3重量
部、MgCl2 を3重量、それぞれ配合した焼鈍分離剤をス
ラリーとして塗布して乾燥させてから、最終仕上焼鈍は
850 ℃で20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水
素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温
速度で1150℃まで焼鈍する二次再結晶焼鈍を行い、続い
て1200℃の水素雰囲気で5時間の純化焼鈍行った。この
後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分と
するコーティングを施してから、得られた製品の磁束密
度(B8 値)及び鉄損(W17/50値)を測定した。
【0044】スラブの酸可溶性Al、N含有量と、B8 値
及びW17/50値との関係を図8に示す。同図から、直線a
b(sol.Al(%)/N(%)=3.35)よりもsol.Al
(%)/N(%)比が高い側で高磁束密度、低鉄損が得
られていることが分かる。
及びW17/50値との関係を図8に示す。同図から、直線a
b(sol.Al(%)/N(%)=3.35)よりもsol.Al
(%)/N(%)比が高い側で高磁束密度、低鉄損が得
られていることが分かる。
【0045】以上の実験から、酸可溶性Al(sol.Al)を
0.013 〜0.05wt%、窒素を0.004 〜0.012 wt%を含む方
向性けい素鋼板用スラブを熱間圧延した後、1回又は中
間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼
鈍を施したのち、MgO を主体とする焼鈍分離剤を塗布し
てから、最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性
けい素鋼板の製造方法において、酸可溶性Al(%)≧3.
35×窒素(%)とし、かつ上記焼鈍分離剤の塗布工程に
て、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10
重量部及び塩化物を0.2 〜15重量部、更に必要に応じて
Bi化合物をBi換算で0.2 〜10重量部をそれぞれ添加して
焼鈍分離剤を塗布することで、仕上焼鈍後の鋼板表面が
鏡面のように平滑化された、従来より極めて高磁束密度
かつ低鉄損の方向性けい素鋼板が製造できることが分か
った。
0.013 〜0.05wt%、窒素を0.004 〜0.012 wt%を含む方
向性けい素鋼板用スラブを熱間圧延した後、1回又は中
間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼
鈍を施したのち、MgO を主体とする焼鈍分離剤を塗布し
てから、最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性
けい素鋼板の製造方法において、酸可溶性Al(%)≧3.
35×窒素(%)とし、かつ上記焼鈍分離剤の塗布工程に
て、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10
重量部及び塩化物を0.2 〜15重量部、更に必要に応じて
Bi化合物をBi換算で0.2 〜10重量部をそれぞれ添加して
焼鈍分離剤を塗布することで、仕上焼鈍後の鋼板表面が
鏡面のように平滑化された、従来より極めて高磁束密度
かつ低鉄損の方向性けい素鋼板が製造できることが分か
った。
【0046】この発明の対象とするけい素鋼素材の成分
組成については、酸可溶性Al(sol.Al)を0.013 〜0.05
wt%、Nを0.004 〜0.012 wt%含んでその比(sol.Al
(%)/N(%))を3.35以上とする。
組成については、酸可溶性Al(sol.Al)を0.013 〜0.05
wt%、Nを0.004 〜0.012 wt%含んでその比(sol.Al
(%)/N(%))を3.35以上とする。
【0047】酸可溶性Al(sol.Al)及びNは、AlN イン
ヒビターを形成させるために必要である。Al量はN量に
応じて決定され、本発明においては「Sol.Al (%) /N
(%) 」を3.35以上とする。Nは少なすぎるとAlN イン
ヒビター量が不足し、多すぎるとブリスターと呼ばれる
表面欠陥が製品に多発するため、0.004 〜0.012 wt%の
範囲とした。
ヒビターを形成させるために必要である。Al量はN量に
応じて決定され、本発明においては「Sol.Al (%) /N
(%) 」を3.35以上とする。Nは少なすぎるとAlN イン
ヒビター量が不足し、多すぎるとブリスターと呼ばれる
表面欠陥が製品に多発するため、0.004 〜0.012 wt%の
範囲とした。
【0048】上記したAl量及びN量の他は、方向性けい
素鋼板として通常用いられている範囲のものを用いるこ
とができ、例えば、C:0.02〜0.10wt%、Si:2.0 〜4.
5 wt%、Mn:0.02〜0.20wt%を含み、かつS及びSeのう
ち少なくとも一方を単独又と合計量で0.010 〜0.040 wt
%を含む組成が好ましい。その他、必要に応じてSb0.01
〜0.20wt%、Cu:0.02〜0.20wt%、Mo:0.01〜0.05wt
%、Sn:0.02〜0.30wt%、Ge:0.02〜0.30wt%、Ni:0.
01〜0.20wt%を含むことができる。
素鋼板として通常用いられている範囲のものを用いるこ
とができ、例えば、C:0.02〜0.10wt%、Si:2.0 〜4.
5 wt%、Mn:0.02〜0.20wt%を含み、かつS及びSeのう
ち少なくとも一方を単独又と合計量で0.010 〜0.040 wt
%を含む組成が好ましい。その他、必要に応じてSb0.01
〜0.20wt%、Cu:0.02〜0.20wt%、Mo:0.01〜0.05wt
%、Sn:0.02〜0.30wt%、Ge:0.02〜0.30wt%、Ni:0.
01〜0.20wt%を含むことができる。
【0049】Cは、熱間圧延時のα−γ変態を利用して
結晶組織の改善を行うために必要な成分であり、0.02wt
%に満たないと良好な一次再結晶組織が得られず、一方
0.10wt%を超えると脱炭が難しくなって脱炭不良となり
磁気特性が劣化するので、0.02〜0.10wt%程度が好まし
い。
結晶組織の改善を行うために必要な成分であり、0.02wt
%に満たないと良好な一次再結晶組織が得られず、一方
0.10wt%を超えると脱炭が難しくなって脱炭不良となり
磁気特性が劣化するので、0.02〜0.10wt%程度が好まし
い。
【0050】Siは、製品の電気抵抗を高め、渦電流損を
低減させる上で必要な成分であり、2.0 wt%に満たない
と最終仕上焼鈍中にα−γ変態によって結晶方位が損な
われ、4.5 wt%を超えると冷延性に問題があるために、
2.0 〜4.5 wt%の程度が好ましい。
低減させる上で必要な成分であり、2.0 wt%に満たない
と最終仕上焼鈍中にα−γ変態によって結晶方位が損な
われ、4.5 wt%を超えると冷延性に問題があるために、
2.0 〜4.5 wt%の程度が好ましい。
【0051】MnとSe及び/又はSとは、インヒビターと
して機能するもので、Mn量が0.02%未満又はS,Seの単
独あるいは合計量がト0.010 wt%未満であると、インヒ
ビター機能が不十分であり、一方、Mn量が0.20wt%を超
え又はS,Seの単独あるいは合計量が0.040 wt%を超え
るとスラブ加熱に要する温度が高くなり過ぎて実用的で
はないので、Mnは0.02〜0.20wt%、S又はSeは単独又は
合計量めとして0.010〜0.040 wt%とすることが好まし
い。
して機能するもので、Mn量が0.02%未満又はS,Seの単
独あるいは合計量がト0.010 wt%未満であると、インヒ
ビター機能が不十分であり、一方、Mn量が0.20wt%を超
え又はS,Seの単独あるいは合計量が0.040 wt%を超え
るとスラブ加熱に要する温度が高くなり過ぎて実用的で
はないので、Mnは0.02〜0.20wt%、S又はSeは単独又は
合計量めとして0.010〜0.040 wt%とすることが好まし
い。
【0052】更に、磁束密度を向上させるために、Sb、
Cu、Ge、Niを添加することが可能である。Sbは、0.20%
を超えると脱炭性か悪くなり、0.01wt%に満たないと効
果がないので0.01〜0.20%が好ましい。Cuは0.20wt%を
超えると酸洗性が悪化し、0.01wt%に満たないと効果が
ないので0.01〜0.20wt%が好ましい。Sn,ゲルマニウム
は0.30wt%を超えると良好な一次再結晶組織が得られ
ず、0.02wt%未満では効果がないので0.02〜0.30%が好
ましい。Niは0.20wt%を超えると熱間強度が低下し、0.
01wt%未満では効果がないので0.01〜0.20wt%が好まし
い。
Cu、Ge、Niを添加することが可能である。Sbは、0.20%
を超えると脱炭性か悪くなり、0.01wt%に満たないと効
果がないので0.01〜0.20%が好ましい。Cuは0.20wt%を
超えると酸洗性が悪化し、0.01wt%に満たないと効果が
ないので0.01〜0.20wt%が好ましい。Sn,ゲルマニウム
は0.30wt%を超えると良好な一次再結晶組織が得られ
ず、0.02wt%未満では効果がないので0.02〜0.30%が好
ましい。Niは0.20wt%を超えると熱間強度が低下し、0.
01wt%未満では効果がないので0.01〜0.20wt%が好まし
い。
【0053】表面性状を改善するためにMoを添加でき
る。Mo量が0.05wt%を超えると脱炭性が悪くなり、一方
0.01wt%に満たないと効果がないので0.01〜0.05wt%が
好ましい。
る。Mo量が0.05wt%を超えると脱炭性が悪くなり、一方
0.01wt%に満たないと効果がないので0.01〜0.05wt%が
好ましい。
【0054】この発明の対象としている方向性けい素鋼
板の製造工程においては、従来から用いられている製鋼
法で得られた溶鋼を連続鋳造法あるいは造塊法で鋳造
し、必要に応じて分塊圧延工程を挟んでスラブを得、続
いて熱間圧延をし、必要に応じて熱延板焼鈍を行った
後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により
最終板厚の冷延板を得る。
板の製造工程においては、従来から用いられている製鋼
法で得られた溶鋼を連続鋳造法あるいは造塊法で鋳造
し、必要に応じて分塊圧延工程を挟んでスラブを得、続
いて熱間圧延をし、必要に応じて熱延板焼鈍を行った
後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により
最終板厚の冷延板を得る。
【0055】次いで、脱炭焼鈍及び焼鈍分離剤の塗布を
施すわけであるが、後者は既に述べたこの発明に従う条
件により、Tl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部添加した
焼鈍分離剤を用いる。また、この焼鈍分離剤は、MgO 10
0 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部、塩
化物を0.2 〜15重量部、それぞれ添加した焼鈍分離剤で
あっても良く、更に、MgO 100 重量部に対しTl化合物を
Tl換算で0.2 〜10重量部、Bi化合物をBi換算で0.2 〜10
重量部、それぞれ添加した焼鈍分離剤や、MgO100 重量
部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部、塩化物を
0.2 〜15重量部及びBi化合物をBi換算で0.2 〜10重量
部、それぞれ添加した焼鈍分離剤であっても良い。
施すわけであるが、後者は既に述べたこの発明に従う条
件により、Tl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部添加した
焼鈍分離剤を用いる。また、この焼鈍分離剤は、MgO 10
0 重量部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部、塩
化物を0.2 〜15重量部、それぞれ添加した焼鈍分離剤で
あっても良く、更に、MgO 100 重量部に対しTl化合物を
Tl換算で0.2 〜10重量部、Bi化合物をBi換算で0.2 〜10
重量部、それぞれ添加した焼鈍分離剤や、MgO100 重量
部に対しTl化合物をTl換算で0.2 〜10重量部、塩化物を
0.2 〜15重量部及びBi化合物をBi換算で0.2 〜10重量
部、それぞれ添加した焼鈍分離剤であっても良い。
【0056】Tl化合物はTl換算でMgO 100 重量部に対し
0.2 重量部に満たないと磁性改善効果がなく、一方10重
量部を超えると、それ以上添加量をましても磁性向上効
果は得られないので、上記の範囲に限定した。塩化物は
MgO 100 重量部に対し0.2 重量部に満たないとTl化合物
との併用で鋼板を鏡面化させる効果にとぼしく、一方15
重量部を超えると仕上焼鈍後の鋼板表面粗度がかえって
粗くなるので、上記の範囲限定した。Bi化合物はBi換算
でMgO 重量部に対し0.2 重量部に満たないと磁性改善効
果が少なく、一方10重量部を超えるとそれ以上添加量を
増しても磁性向上効果は得られないので上記の範囲に限
定した。
0.2 重量部に満たないと磁性改善効果がなく、一方10重
量部を超えると、それ以上添加量をましても磁性向上効
果は得られないので、上記の範囲に限定した。塩化物は
MgO 100 重量部に対し0.2 重量部に満たないとTl化合物
との併用で鋼板を鏡面化させる効果にとぼしく、一方15
重量部を超えると仕上焼鈍後の鋼板表面粗度がかえって
粗くなるので、上記の範囲限定した。Bi化合物はBi換算
でMgO 重量部に対し0.2 重量部に満たないと磁性改善効
果が少なく、一方10重量部を超えるとそれ以上添加量を
増しても磁性向上効果は得られないので上記の範囲に限
定した。
【0057】この発明におけるTl化合物としては、例え
ばTl2SO4,Tl2O3,TlNO3等が、また、Bi化合物としては、
Bi2O3,Bi2S3,Bi2(NO3)3,Bi2(SO4)3 等が、塩化物として
はMgCl2, CaCl2, KCl 等が使用可能である。
ばTl2SO4,Tl2O3,TlNO3等が、また、Bi化合物としては、
Bi2O3,Bi2S3,Bi2(NO3)3,Bi2(SO4)3 等が、塩化物として
はMgCl2, CaCl2, KCl 等が使用可能である。
【0058】なお、焼鈍分離剤の主成分であるMgO は通
常品で良く、更に磁気特性、被膜特性を改善するために
他のTiO2やSr化合物等を添加しても良い。
常品で良く、更に磁気特性、被膜特性を改善するために
他のTiO2やSr化合物等を添加しても良い。
【0059】その後、1000〜1200℃で3〜50時間程度の
二次再結晶焼鈍及び純化焼鈍を行って製品板とする。そ
の後、更にりん酸塩系の絶縁コーティング、好ましくは
張力を付与する絶縁コーティングを施すことは有利であ
る。また、最終冷延後、最終仕上焼鈍後、又は絶縁コー
ティング後に既知の磁区細分化処理を行うことは、更な
る鉄損の低減に有効である。
二次再結晶焼鈍及び純化焼鈍を行って製品板とする。そ
の後、更にりん酸塩系の絶縁コーティング、好ましくは
張力を付与する絶縁コーティングを施すことは有利であ
る。また、最終冷延後、最終仕上焼鈍後、又は絶縁コー
ティング後に既知の磁区細分化処理を行うことは、更な
る鉄損の低減に有効である。
【0060】
(実施例1)C:0.075 wt%、Si:3.41wt%、Mn:0.06
7 wt%、Se:0.019 wt%、sol.Al:0.035 wt%、N:0.
095 wt%、(sol.Al/N=3.68)、Sb:0.027 wt%を含
み、残部は実質的にFeの組成からなるけい素鋼スラブ
を、1430℃で30分間加熱後、熱間圧延を施して板厚2.2
mmの熱延板とした。次いで1000℃、1分間の熱延板焼鈍
を施した後、冷間圧延にて板厚1.5 mmとし、更に1100
℃、2分間の中間焼鈍を行った後、冷間圧延を施して最
終板厚0.23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中に
て840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表4
に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、85
0 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素
75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr の昇温速
度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて
1200℃の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。こ
の後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分
とするコーティングを施した。
7 wt%、Se:0.019 wt%、sol.Al:0.035 wt%、N:0.
095 wt%、(sol.Al/N=3.68)、Sb:0.027 wt%を含
み、残部は実質的にFeの組成からなるけい素鋼スラブ
を、1430℃で30分間加熱後、熱間圧延を施して板厚2.2
mmの熱延板とした。次いで1000℃、1分間の熱延板焼鈍
を施した後、冷間圧延にて板厚1.5 mmとし、更に1100
℃、2分間の中間焼鈍を行った後、冷間圧延を施して最
終板厚0.23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中に
て840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表4
に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、85
0 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素
75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr の昇温速
度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて
1200℃の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。こ
の後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分
とするコーティングを施した。
【0061】こうして得られた製品の磁界800 A/m にお
ける磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける鉄損
(W17/50値)を調査した。これらの結果を表4に併記す
る。この発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得ら
れていることが分かる。
ける磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける鉄損
(W17/50値)を調査した。これらの結果を表4に併記す
る。この発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得ら
れていることが分かる。
【0062】
【表4】
【0063】(実施例2)C:0.066 wt%、Si:3.27wt
%、Mn:0.068 wt%、Se:0.021 wt%、sol.Al:0.026
wt%、N:0.075 wt%、(sol.Al/N=3.47)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.10 wt %を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し次いで冷間圧延を施して最終板厚0.
23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840
℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表5に示す
組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、850 ℃、
20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素65 vol
%、窒素35 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で11
50℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃
の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。この後、
りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とする
コーティングを施した。
%、Mn:0.068 wt%、Se:0.021 wt%、sol.Al:0.026
wt%、N:0.075 wt%、(sol.Al/N=3.47)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.10 wt %を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し次いで冷間圧延を施して最終板厚0.
23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840
℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表5に示す
組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、850 ℃、
20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素65 vol
%、窒素35 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で11
50℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃
の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。この後、
りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とする
コーティングを施した。
【0064】こうして得られた製品について実施例1と
同様の調査を行った。その結果を表5に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
同様の調査を行った。その結果を表5に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
【0065】
【表5】
【0066】(実施例3)C:0.076 wt%、Si:3.39wt
%、Mn:0.071 wt%、Se:0.020 wt%、sol.Al:0.023
wt%、N:0.065 wt%、(sol.Al/N=3.54)、Sb:0.
025 wt%及びCu:0.10wt%を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し、次いで冷間圧延を施して最終板厚
0.23mmに仕上げた。その後、公知のエッチング法で鋼板
板厚方向に幅150 μm 、深さ20μm の溝を、鋼板の長手
方向に3mm間隔で導入し、磁区細分化処理を行った。次
いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼
鈍を行った。その後、表6に示す組成の焼鈍分離剤を鋼
板表面に塗布してから、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中
で保定し、引き続いて水素80 vol%、窒素20 vol%の雰
囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する二次
再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時
間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウムと
コロイダルシリカを主成分とするコーティングを施し
た。
%、Mn:0.071 wt%、Se:0.020 wt%、sol.Al:0.023
wt%、N:0.065 wt%、(sol.Al/N=3.54)、Sb:0.
025 wt%及びCu:0.10wt%を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し、次いで冷間圧延を施して最終板厚
0.23mmに仕上げた。その後、公知のエッチング法で鋼板
板厚方向に幅150 μm 、深さ20μm の溝を、鋼板の長手
方向に3mm間隔で導入し、磁区細分化処理を行った。次
いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼
鈍を行った。その後、表6に示す組成の焼鈍分離剤を鋼
板表面に塗布してから、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中
で保定し、引き続いて水素80 vol%、窒素20 vol%の雰
囲気中で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する二次
再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時
間の純化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウムと
コロイダルシリカを主成分とするコーティングを施し
た。
【0067】こうして得られた製品について実施例1と
同様の調査を行った。その結果を表6に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
同様の調査を行った。その結果を表6に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
【0068】
【表6】
【0069】(実施例4)C:0.075 wt%、Si:3.41wt
%、Mn:0.067 wt%、Se:0.019 wt%、sol.Al:0.035
wt%、N:0.095 wt%、(sol.Al/N=3.68)、Sb:0.
027 wt%を含み、残部は実質的にFeの組成からなるけい
素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱後、熱間圧延を施し
て板厚2.2 mmの熱延板とした。次いで1000℃、1分間の
熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延にて板厚1.5 mmとし、
更に1100℃、2分間の中間焼鈍を行った後、冷間圧延を
施して最終板厚0.23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰
囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その
後、表7に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布して
から、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続
いて水素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr
の昇温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行
い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を
行った。この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリ
カを主成分とするコーティングを施した。
%、Mn:0.067 wt%、Se:0.019 wt%、sol.Al:0.035
wt%、N:0.095 wt%、(sol.Al/N=3.68)、Sb:0.
027 wt%を含み、残部は実質的にFeの組成からなるけい
素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱後、熱間圧延を施し
て板厚2.2 mmの熱延板とした。次いで1000℃、1分間の
熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延にて板厚1.5 mmとし、
更に1100℃、2分間の中間焼鈍を行った後、冷間圧延を
施して最終板厚0.23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰
囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その
後、表7に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布して
から、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続
いて水素75 vol%、窒素25 vol%の雰囲気中で20℃/hr
の昇温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行
い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を
行った。この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリ
カを主成分とするコーティングを施した。
【0070】こうして得られた製品の磁界800 A/m にお
ける磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける鉄損
(W17/50値)を調査した。これらの結果を表7に併記す
る。この発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得ら
れていることが分かる。
ける磁束密度(B8 値)、1.7 T、50Hzにおける鉄損
(W17/50値)を調査した。これらの結果を表7に併記す
る。この発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得ら
れていることが分かる。
【0071】
【表7】
【0072】(実施例5)C:0.066 wt%、Si:3.27wt
%、Mn:0.068 wt%、Se:0.021 wt%、sol.Al:0.026
wt%、N:0.075 wt%、(sol.Al/N=3.47)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.10 wt %を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し次いで冷間圧延を施して最終板厚0.
23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840
℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表8に示す
組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、850 ℃、
20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素65 vol
%、窒素35 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で11
50℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃
の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。この後、
りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とする
コーティングを施した。
%、Mn:0.068 wt%、Se:0.021 wt%、sol.Al:0.026
wt%、N:0.075 wt%、(sol.Al/N=3.47)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.10 wt %を含み、残部は実質的にFeの
組成からなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱
後、熱間圧延を施し次いで冷間圧延を施して最終板厚0.
23mmに仕上げた。次いでH2-H2O-N2 雰囲気中にて840
℃、・2分間の脱炭焼鈍を行った。その後、表8に示す
組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布してから、850 ℃、
20時間、窒素雰囲気中で保定し、引き続いて水素65 vol
%、窒素35 vol%の雰囲気中で15℃/hr の昇温速度で11
50℃まで昇温する二次再結晶焼鈍を行い、続いて1200℃
の水素雰囲気中で5時間の純化焼鈍を行った。この後、
りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とする
コーティングを施した。
【0073】こうして得られた製品について実施例4と
同様の調査を行った。その結果を表8に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
同様の調査を行った。その結果を表8に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
【0074】
【表8】
【0075】(実施例6)C:0.076 wt%、Si:3.39wt
%、Mn:0.071 wt%、Se:0.020 wt%、sol.Al:0.023
wt%、N:0.065 wt%、(sol.Al/N=3.54)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.1 を含み、残部は実質的にFeの組成か
らなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱後、熱間
圧延を施し、次いで冷間圧延を施して最終板厚0.23mmに
仕上げた。その後、公知のエッチング法で鋼板板厚方向
に幅150 μm 、深さ20μm の溝を、鋼板の長手方向に3
mm間隔で導入し、磁区細分化処理を行った。次いでH2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行っ
た。その後、表9に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に
塗布してから、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定
し、引き続いて水素80 vol%、窒素20 vol%の雰囲気中
で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶
焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時間の純
化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウムとコロイ
ダルシリカを主成分とするコーティングを施した。
%、Mn:0.071 wt%、Se:0.020 wt%、sol.Al:0.023
wt%、N:0.065 wt%、(sol.Al/N=3.54)、Sb:0.
025 wt%、Cu:0.1 を含み、残部は実質的にFeの組成か
らなるけい素鋼スラブを、1430℃で30分間加熱後、熱間
圧延を施し、次いで冷間圧延を施して最終板厚0.23mmに
仕上げた。その後、公知のエッチング法で鋼板板厚方向
に幅150 μm 、深さ20μm の溝を、鋼板の長手方向に3
mm間隔で導入し、磁区細分化処理を行った。次いでH2-H
2O-N2 雰囲気中にて840 ℃、・2分間の脱炭焼鈍を行っ
た。その後、表9に示す組成の焼鈍分離剤を鋼板表面に
塗布してから、850 ℃、20時間、窒素雰囲気中で保定
し、引き続いて水素80 vol%、窒素20 vol%の雰囲気中
で15℃/hr の昇温速度で1150℃まで昇温する二次再結晶
焼鈍を行い、続いて1200℃の水素雰囲気中で5時間の純
化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウムとコロイ
ダルシリカを主成分とするコーティングを施した。
【0076】こうして得られた製品について実施例4と
同様の調査を行った。その結果を表9に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
同様の調査を行った。その結果を表9に併記する。この
発明に従う条件で良好な磁気特性の製品が得られている
ことが分かる。
【0077】
【表9】
【0078】
【発明の効果】この発明によれば、従来は二次再結晶不
良となっていた如き成分の素材を用いて、磁気特性が極
めて優れた方向性けい素鋼板を安定して生産することが
できる。また、塩化物を添加した焼鈍分離剤を使用する
場合にあっては、仕上焼鈍後の鋼板表面が鏡面のように
平滑化された従来より極めて高磁束密度かつ低鉄損の方
向性けい素鋼板が容易に製造できる。
良となっていた如き成分の素材を用いて、磁気特性が極
めて優れた方向性けい素鋼板を安定して生産することが
できる。また、塩化物を添加した焼鈍分離剤を使用する
場合にあっては、仕上焼鈍後の鋼板表面が鏡面のように
平滑化された従来より極めて高磁束密度かつ低鉄損の方
向性けい素鋼板が容易に製造できる。
【図1】Tl化合物を無添加の焼鈍分離剤を用いた場合の
仕上焼鈍後の金属組織写真である。
仕上焼鈍後の金属組織写真である。
【図2】Tl2SO4を3重量部添加した焼鈍分離剤を用いた
場合の仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真で
ある。
場合の仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真で
ある。
【図3】Tl化合物を無添加の焼鈍分離剤を用いた場合の
仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真である。
仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真である。
【図4】Tl2O3 を3重量部添加した焼鈍分離剤を用いた
場合の仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真で
ある。
場合の仕上焼鈍後の二次再結晶粒を示す金属組織写真で
ある。
【図5】Tl化合物を焼鈍分離剤中に添加した場合のスラ
ブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品の磁気特性
との関係を示すグラフである。
ブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品の磁気特性
との関係を示すグラフである。
【図6】Tl化合物とBi化合物を焼鈍分離剤中に添加した
場合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品
の磁気特性との関係を示すグラフである。
場合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品
の磁気特性との関係を示すグラフである。
【図7】Tl化合物と塩化物を焼鈍分離剤中に添加した場
合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品の
磁気特性との関係を示すグラフである。
合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含有量と製品の
磁気特性との関係を示すグラフである。
【図8】Tl化合物とBi化合物と塩化物とを焼鈍分離剤中
に添加した場合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含
有量と製品の磁気特性との関係を示すグラフである。
に添加した場合のスラブに窒素含有量及び酸可溶性Al含
有量と製品の磁気特性との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸可溶性Al:0.013 〜0.05wt%及びN:
0.004 〜0.012 wt%を含む方向性けい素鋼板用スラブを
熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷
間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施した後、MgO を主体
とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施す
一連の工程からなる方向性けい素鋼板の製造方法におい
て、 上記スラブの酸可溶性Al量及びN量につき、 酸可溶性Al(wt%)≧3.35×N(wt%)とし、かつ上記
焼鈍分離剤として、MgO 100 重量部に対しTl化合物をTl
換算で0.2 〜10重量部添加した焼鈍分離剤を塗布するこ
とを特徴とする磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製
造方法。 - 【請求項2】 焼鈍分離剤が、MgO 100 重量部に対しTl
化合物をTl換算で0.2 〜10重量部、塩化物を0.2 〜15重
量部、それぞれ添加したものである請求項1記載の磁気
特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 焼鈍分離剤が、更にBi化合物を、MgO 10
0 重量部に対しBi換算で0.2 〜10重量部添加したもので
ある請求項1又は2記載の磁気特性に優れた方向性けい
素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8172794A JPH101722A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8172794A JPH101722A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH101722A true JPH101722A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15948491
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8172794A Withdrawn JPH101722A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH101722A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107796383A (zh) * | 2017-10-17 | 2018-03-13 | 西北工业大学 | 芯片级旋转调制式mems硅微机械陀螺 |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP8172794A patent/JPH101722A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107796383A (zh) * | 2017-10-17 | 2018-03-13 | 西北工业大学 | 芯片级旋转调制式mems硅微机械陀螺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20050304 |