JPH1017594A - 癌関連糖鎖抗原に対する抗体産生を誘導するペプチド抗 原 - Google Patents

癌関連糖鎖抗原に対する抗体産生を誘導するペプチド抗 原

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JPH1017594A
JPH1017594A JP17648096A JP17648096A JPH1017594A JP H1017594 A JPH1017594 A JP H1017594A JP 17648096 A JP17648096 A JP 17648096A JP 17648096 A JP17648096 A JP 17648096A JP H1017594 A JPH1017594 A JP H1017594A
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cancer
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JP17648096A
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Masao Maruyama
正雄 丸山
Michihiro Ootsubo
路弘 大坪
Nobuyoshi Fujii
伸芳 藤井
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、癌関連糖鎖抗原に対する抗体産生を
誘導するペプチド抗原を提供することを課題とする。 【解決手段】(1)ペプチド顕示ファ−ジを用いたペプ
チドライブラリ−を作製し、(2)癌関連糖鎖抗原であ
るTn抗原に選択的に結合するレクチンをビオチン化
し、(3)該レクチンを用いて、該レクチンに特異的に
結合するペプチド顕示ファ−ジをペプチドライブラリ−
より選択し、(4)選択したペプチドを作製し、(5)
作製したペプチドの免疫原性の有無を確認し、(6)抗
ペプチド血清の癌細胞障害活性の有無を確認することに
より、癌関連糖鎖抗原に対する抗体産生を誘導するペプ
チド抗原を得て課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌治療に有用な癌
関連糖鎖Tn抗原に対する抗体(以下Tn抗体という)
の産生を誘導する活性を有するペプチドに関する。
【0002】Tn抗原はSpringer等によって発
見された癌関連糖鎖抗原の一種で、蛋白質中のSer又
はThrの水酸基にN−アセチル−α−D−ガラクトサ
ミン(以下GalNAcという)が結合した構造をして
おり、多くの癌細胞上に発現される癌関連糖鎖抗原の一
つである(クリチカル レビユ− イン オンコジェネ
シス、第6巻、第1号、57頁、1995年)。したが
って、Tn抗原は癌細胞特有のマ−カ−と考えられ、こ
れに対するTn抗体のうちIgGクラスの抗体は、補体
および抗体依存性細胞介在細胞障害(以下ADCCとい
う)を惹起する抗体として、癌治療に有用である。本発
明のペプチドは、このようなTn抗体のうちIgGクラ
スの抗体の産生を誘導する免疫原性を有するために、癌
治療に有用である。
【従来の技術】
【0003】一般に糖鎖に対しては補体による細胞障害
を媒介するIgM抗体のみが誘導され、ADCCを惹起
するIgG抗体は誘導されない。しかし、Tn抗原を多
量に発現しているアシアロ羊顎下腺ムチン(以下aOS
Mという)またはアシアロ牛顎下腺ムチン(以下aBS
Mという)をマウスにワクチネ−ションすることにより
抗TnIgG、IgM抗体の産生が誘導され、Tn高発
現癌細胞に対する免疫が成立したという報告があった
(キャンサ− リサ−チ 第51巻 1406頁 19
91年)。
【0004】それに基づいて、aOSM抗原を用いる、
大腸癌患者に対する癌免疫治療が行われたが、Tn抗原
の類縁抗原であるシアリルTn抗原に対しては抗シアリ
ルTnIgG、IgM両クラスの抗体の産生が誘導され
たにもかかわらず、Tn抗原に対しては抗TnIgM抗
体のタイタ−の上昇が見られたものの抗TnIgGの産
生は誘導されなかった(キャンサ− リサ−チ 第52
巻 5663頁 1992年)。
【0005】このことは癌患者においてTn抗原が十分
な免疫反応を惹起し得ていないことを示している。更に
これらの免疫原は高分子量の蛋白質と糖鎖および脂質な
どを含む極めて複雑な複合体であり、まだ構造の明確で
ない成分も含んでいることから、そのワクチンとしての
効果以外にも副作用を惹起する可能性がある。従って、
ワクチンとしては成分の構成が明らかである免疫原が好
ましい。しかしながら、純粋なTn抗原を大量に得るこ
とは、精製の点で困難であり、そのため全合成したTn
抗原ワクチンの開発が試みられている(バイオオルガニ
ック アンド メディシナル ケミストリ− 第2巻、
1119頁、1994年)が、Tn抗原そのものの癌患
者における免疫原性の弱さの問題が残っていることは、
前記の癌免疫治療試験の結果からも明らかである。
【0006】癌関連糖鎖抗原の免疫原性が弱い問題を解
決する方法としては、例えばシアリルLex糖鎖やスフ
ィンゴ糖脂質を構造的に模倣する抗体(抗イディオタイ
プ抗体)のワクチンとしての開発も試みられている(臨
床免疫、第24巻、1300頁、1992年および公表
公報特開平5−500600号公報参照)。また、Al
exander等はヒト サイトケラチン14由来の1
0アミノ酸よりなるペプチドとキャリア蛋白とのコンジ
ュゲ−トをマウスに免疫したところ抗N−アセチル−β
−D−グルコサミン(以下GlcNACという)抗体が
誘導されたことを報告している(ジャ−ナル オブ イ
ミュノロジ−、第153巻、5593頁、1994
年)。しかしながら、これらの試みはTn抗原を対象と
してはなされていない。
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記の
公知の研究における問題点を改良すべく、鋭意検討した
結果、容易に大量に得ることのできる、癌治療に有用な
Tn抗体の産生を誘導する活性を有する構造を持つペプ
チドに、ADCCを惹起させる抗TnIgG抗体を効果
的に誘導させる免疫原性を有することを見出して本発明
を完成させた。
【0007】従って、本発明は、ADCCを惹起させる
抗TnIgG抗体を効果的に誘導させる免疫原性を有す
るペプチドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、Tn抗原結合
レクチンに結合するペプチドに関する。
【0009】上記本発明の好ましい様態は以下のとおり
である。 1)癌関連糖鎖Tn抗原に対する抗体産生を誘導させる
免疫原性を有する上記ペプチド。 2)該抗原結合レクチンがVicia villos
a、Helix pomatia又はSalvia s
clarea由来である癌関連糖鎖抗原結合レクチンに
結合する上記ペプチド。 3)配列
【0010】
【化11】
【0011】(式中、X1およびX6は、同一または異
なって、Arg、His、LysまたはAlaを示し、
X2およびX3はSerまたはThrを示し、X4およ
びX5は、同一または異なって、芳香族アミノ酸又は脂
肪族アミノ酸を示し、X7はGln、Asn、Serま
たはThrを示す)で表わされるアミノ酸配列を有する
上記ペプチド。
【0012】4)配列
【0013】
【化12】
【0014】(式中、Y1およびY4は、同一または異
なって、Arg、Gln、LysまたはAsnを示し、
Y2およびY3は、同一または異なって、芳香族アミノ
酸、脂肪族アミノ酸又はMetを示す)で表わされるア
ミノ酸配列を有する上記ペプチド。 5)配列
【0015】
【化13】
【0016】(式中、Z1はArg、Lys又はHis
を示し、Z2はSer、Thr、Asn、Glnまたは
Lysを示す)で表されるアミノ酸配列を有する上記ペ
プチド。 6)配列
【0017】
【化14】
【0018】を有する上記ペプチド。 7)配列
【0019】
【化15】
【0020】を有する上記ペプチド。 8)配列
【0021】
【化16】
【0022】を有する上記ペプチド。 9)配列
【0023】
【化17】
【0024】を有する上記ペプチド。 10)配列
【0025】
【化18】
【0026】を有する上記ペプチド。 11)配列
【0027】
【化19】
【0028】を有する上記ペプチド。 12)配列10
【0029】
【化20】
【0030】を有する上記ペプチド。
【0031】
【発明の実施の形態】
【0032】本発明の配列で表わされるペプチドのX
1およびX6としては、同一または異なって、例えばA
rg、His、Lys、Alaを挙げることができ、好
ましくはX1がArgであり、X6がLysである。X
2およびX3としては、同一または異なって、側鎖に水
酸基を有する脂肪族アミノ酸であり、例えばSerおよ
びThrを挙げることができ、好ましくはX2およびX
3がThrである。
【0033】X4およびX5としては、同一または異な
って、芳香族アミノ酸又は脂肪族アミノ酸である。芳香
族アミノ酸としては、例えばTrp、Tyr、Pheを
挙げることができ、好ましくはTyrである。脂肪族ア
ミノ酸としては、例えばVal、LeuおよびIleを
挙げることができ、好ましくはLeuである。X7とし
ては、例えばGln、Asn、Ser、Thrを挙げる
ことができ、好ましくはAsnである。
【0034】配列を有するペプチドのより好ましい具
体例としては、配列を有するペプチドである。
【0035】本発明の配列を有するペプチドのY1お
よびY4としては、同一または異なって、例えばAr
g、Gln、LysまたはAsnを挙げることができ、
好ましくはArgである。Y2およびY3は、同一また
は異なって、芳香族アミノ酸、脂肪族アミノ酸又はMe
tである。芳香族アミノ酸としては、例えばTrp、T
yr、Pheを挙げることができる。脂肪族アミノ酸と
しては、例えばVal、LeuおよびIleを挙げるこ
とができ、好ましくはValである。配列を有するペ
プチドのより好ましい具体例としては、配列を有する
ペプチドである。
【0036】本発明の配列で表わされるペプチドのZ
1としては、例えばArg、Lys又はHisを挙げる
ことができ、好ましくはLysである。Z2としては、
例えばSer、Thr、Asn、Gln、Lysを挙げ
ることができ、好ましくはThrである。配列を有す
るペプチドのより好ましい具体例としては、配列10
有するペプチドである。
【0037】本発明のペプチドのより好ましい具体例と
しては、配列10を有するペ
プチドである。
【0038】本発明のペプチドは、例えば以下に示すよ
うな方法によって得ることができる。 レクチン結合活性を有するペプチドのランダムスクリ
−ニングの対象となるペプチドライブラリ−の作製 レクチン結合ペプチド顕示ファ−ジのみを選択的に回
収するためのビオチン化レクチンの作製 Tn抗原を構造的に模倣するペプチドを選択するため
のTn抗原特異的レクチンによるペプチドライブラリ−
のスクリ−ニング スク−ニングによって選ばれたペプチドの作製 (1)化学合成法 (2)遺伝子組換え法 作製されたペプチドの、免疫原性の有無の確認。 抗ペプチド血清の癌細胞障害活性の有無の確認。
【0039】本発明のペプチドを得る方法を以下に詳細
に説明する。 1)ペプチドライブラリ−の作製 ペプチドライブラリ−は、J.Devlin等の方法
(サイエンス 第249巻、404頁、1990年)に
準じて,M13ファ−ジ(ニッポンジ−ン社製)を使用
して作製することができる。
【0040】例えば、図1に示すように、ペプチドライ
ブラリ−は、M13mp8ファ−ジ(ニッポンジ−ン社
製)のマイナ−コ−トタンパク質のシグナル配列をコ−
ドする塩基配列直下に、ランダムな10個のアミノ酸配
列をコ−ドする塩基配列の合成DNAを挿入し、組換え
ファ−ジDNAを大腸菌DH10株(ベセスダ リサ−
チ ラボラトリ−社製、以下BRL社という)へ導入
し、個々のファ−ジに固有のアミノ酸配列を有するペプ
チドを顕示する組換えファ−ジ粒子を大量に産生するこ
とにより作製できる。
【0041】2)ビオチン化レクチンの製造法 ビオチン化レクチンは、Tn抗原を認識するVicia
villosaレクチン(以下VVAという)、He
lix pomatiaレクチン(以下HPAという)
又はSalvia sclareaレクチン(以下SS
Aという)を、ECLタンパクビオチン化システム(ア
マ−シャム社製)を使用して、得ることができる。即
ち、1mgのレクチンを、キット中に含まれるバイカ−
ボネ−トバッファ−1ミリリットルに溶解し、キット中
に含まれる40マイクロリットルのビオチン化溶液を添
加し、室温(20℃)・1時間でインキュベ−トし、キ
ットに含まれるセファデックスG−25カラムで精製す
る。なお、ビオチン化した上記レクチンの市販品(例え
ばコスモバイオ社製)を使用してもよい。
【0042】3)Tn抗原特異的レクチンによるペプチ
ドライブラリ−のスクリ−ニング Smith等の方法(ジ−ン 第73巻、305頁 1
988年)およびOldenburg等の方法(プロシ
−ディングス オブ ザ ナショナル アカデミ− オ
ブ サイエンシス USA 第89巻 5393頁 1
992年)とに記載の方法に準じて行うことができる。
即ち、上記ペプチドライブラリ−とビオチン化レクチン
とを混合した後、ペプチドを顕示するファ−ジ溶液に添
加して混合液を作製し、1晩混合する。該混合液をスト
レプトアビジンをコ−トしたポリスチレン製プレ−トに
添加する。非吸着ファ−ジを洗浄して除去した後、例え
ば0.1M塩酸−グリシン(pH2.2)のような酸性
バッファ−を用いて、レクチンを介してプレ−トに吸着
しているファ−ジを溶出させる。該溶出ファ−ジを大腸
菌に感染させて増殖させ、得られたファ−ジ溶液を、再
度レクチンとの結合反応およ非吸着ファ−ジの除去を行
う。これを4〜5回繰り返して、最終的に選択したファ
−ジを増殖させ、ファ−ジの顕示するペプチドのアミノ
酸配列をコ−ドするDNA塩基配列を、例えばシ−ケネ
スバ−ジョン2〔ユナイテッド ステイツス バイオケ
ミカル社(以下USB社という)製〕、を使用して決定
する。決定した配列に従って合成ペプチドを作製し、前
記レクチンとの結合がGalNAcによって阻害される
ペプチドを、目的とするペプチドとして選択できる。
【0043】4)スク−ニングによって選ばれたペプチ
ドの作製 このようにして選択されたペプチドは、化学合成法で作
製することもできるし、遺伝子組換え法で作製すること
もできる。
【0044】前記の選択されたペプチドは、化学合成法
によって得ることができる。例えば、マルチピンペプ
チド合成キット(カイロン社製)を使用する固層合成法
により合成することができる。また、多価抗原ペプチド
(以下MAPという)合成用レジン(カルビオケム−ノ
バジャパン社製)を使用して、ペプチド合成装置モデル
430A〔アプライド バイオシステムズ社(以下AB
社という)製〕を使用する自動合成により合成すること
もできる。
【0045】前記の選択されたペプチドは、遺伝子組換
え法によっても得ることができる。遺伝子組換え法を使
用した場合、免疫原性の高い蛋白質との融合蛋白として
も製造することが可能である。例えば、P.Marti
neau等の方法(ジ−ン 第113巻、35頁 19
92年)に準じて得ることができる。即ち、pMAL−
p2プラスミドDNA〔ニュ−イングランド バイオ
ラボ社(以下NEB社という)製〕に含まれるマルト−
ス結合タンパク質(以下MBPという)構造遺伝子内部
の133番アミノ酸から142番アミノ酸までをコ−ド
する塩基配列を、上記の選択されたペプチドのアミノ酸
配列をコ−ドする塩基配列で置換し、組換えプラスミド
DNAを得る。得られた組換えプラスミドDNAを、例
えばエレクトロポ−レ−タ−(BRL社製:セルポレ−
タ− エレクトロポ−レ−ションシステム III)を
使用するエレクトロポ−レション法により、大腸菌(例
えば大腸菌DH10株)に導入して、形質導入大腸菌を
得る。得られた形質導入大腸菌を、蛋白融合−精製シス
テムマニュアル(NEB社製)に準じて、イソプロピル
−β−D−チオガラクトピラノシド(以下IPTGとい
う)により、Tacプロモ−タ−を使用して、MBP−
ペプチド融合タンパク質の産生誘導を行うことにより、
前記の選択されたペプチドを得ることができる。
【0046】また、ワクチンとしての使用を考える場
合、遺伝子組換え法を用いると、1蛋白質当たりのエピ
ト−プ数を正確に決定できる点において、キャリア蛋白
質とエピト−プとを化学反応によりコンジュゲ−トさせ
る方法(キャンサ− リサ−チ、第49巻、7045
頁、1989年)より優れている。以上のことにより、
目的とするペプチドを作製する方法としては、遺伝子組
換え法を使用するほうが好ましい。
【0047】5)作製されたペプチドの、免疫原性の有
無の確認。 a)抗血清の作製 例えば、(村松 繁等編 実験生物学講座14 免疫生
物学 昭和60年1月、丸善株式会社発行)に記載の方
法に従って、作製することができる。即ち、4〜6匹の
BALB/cマウス(雌、8週令)に対して、ペプチド
抗原500μgを溶解した生理食塩水1.5ミリリット
ルとフロイント完全アジュバント(Freund’s
complete adjuvant)1.5ミリリッ
トルとを混合して作製したエマルジョンを、腹腔内投与
する。その後、ペプチド抗原500μgを溶解した生理
食塩水1.5ミリリットルとフロイント不完全アジュバ
ント(Freund’s incomplete ad
juvant)1.5ミリリットルとを混合して作製し
たエマルジョンを、2〜3週間間隔で腹腔内投与する。
4次感作終了後1週間目に、マウス心臓より全血採血
し、抗血清を得る。
【0048】b)抗血清の抗原特異性の確認 例えば、Hariow等〔Hariow等、Antib
odies:A Laboratory Manual
(1988),Cold Spring Harbor
Laboratory〕の方法に準じて、enzym
e−linked immunosorbent as
say(以下ELISA法という)によって確認するこ
とができる。即ち、aBSMを1μg/ウエルの濃度で
固相化した96ウエルマイクロタイタ−プレ−トとハイ
ブリド−マ スクリ−ニングシステム(ファ−ミンジェ
ン社製)、2次抗体としてビオチン標識抗マウスIgG
抗体(ザイメッド社製)およびアルカリフォスフォタ−
ゼ標識ストレプトアビジン(ベ−リンガ−マンハイム社
製)を使用して、ハイブリド−マ スクリ−ニングシス
テム マニュアル(ファ−ミンジェン社製)に記載の方
法に従って、抗血清中に抗TnIgG抗体が誘導された
か否かを確認する。
【0049】6)抗ペプチド血清の癌細胞障害活性の有
無の確認。 例えば、Kawashima等〔ジャ−ナル オブ バ
イオケミストリ−、第108巻、109頁、1990
年)の方法に準じて行うことができる。即ち、ヒト末梢
血20ミリリットルから、リンホプレップ(第1化学社
製)を使用して、単核球を分離する。得られた単核球
を、インタ−ロイキン3、単核コロニ−刺激因子、10
%ウシ胎児血清を含むIMDM培地(ギブコ社製)で3
日間培養することによりエフェクタ−細胞とする。一
方、Tn抗原を発現しているLS180大腸癌由来細胞
(大日本製薬社より購入)を、10%ウシ胎児血清を含
むDMEM培地(ギブコ社製)で培養して、標的癌細胞
とする。1(X)105 個/ウエルの標的癌細胞に対し
て、,1(X)106 個/ウエルのエフェクタ−細胞
+終濃度が100倍希釈となるように10%ウシ胎児血
清を含むDMEM培地で調製された抗ペプチド血清、
,1(X)106 個/ウエルのエフェクタ−細胞+終
濃度が100倍希釈となるように10%ウシ胎児血清を
含むDMEM培地で調製された抗aBSM抗体、又は
、1(X)106 個/ウエルのエフェクタ−細胞+1
0%ウシ胎児血清を含むDMEM培地のみ、を添加す
る。添加後、24時間インキュベ−トした培養液中の障
害細胞の割合を、Cytox 96キット(生化学工業
社製)を用いて解析する。
【0050】
【実施例】これらのペプチドあるいは融合蛋白質を使用
すれば、癌細胞を殺傷する抗Tn抗体の産生を誘導する
ので、癌免疫療法に応用できる。以下に、本発明のペプ
チド抗原の製造方法を実施例により詳細に説明する。
【0051】DNA操作にあたり、〔Maniatis
等、Molecular Cloning:A Lab
oratory Manual(1989) Cold
Spring Harbor Laborator
y〕に記載の標準方法に準じて各操作を行った。
【0052】実施例1:ペプチドライブラリ−の作製 M13ファ−ジマイナ−コ−ト蛋白シグナル配列をコ−
ドするDNA塩基配列中に、制限酵素Eco52Iおよ
びKpnIの切断部位を導入する目的で、突然変異を誘
起するための配列11
【0053】
【化21】
【0054】で表わされる合成DNAを、DNA合成装
置モデル381A(AB社製)で合成し、合成DNAを
リン酸化するために、合成DNA200ngを、リン酸
化バッファ−(組成:10mM トリス塩酸、10mM
MgCl2 、5mM DTT)20マイクロリットル
に溶解し、60℃・5分間加熱した後、0℃に急冷し、
T4 ポリヌクレオチドキナ−ゼ(宝酒造社製)4Uおよ
び10mM ATP2マイクロリットルを添加し、37
℃・1時間インキュベ−トした。
【0055】得られたリン酸化合成DNAとM13mp
8一本鎖DNA(ニッポンジ−ン社製)とをアニ−リン
グさせ、T7 −GENインビトロ突然変異導入キット
(UBS社製)を用いて、該使用マニュアルの記載の方
法に準じて、マイナ−コ−ト蛋白シグナル配列コ−ド領
域に制限酵素KpnIおよびEco52I切断部位を持
つ突然変異ファ−ジを作製した。さらにEcoRI切断
末端を有するカナマイシン耐性遺伝子(ファルマシア社
製)を該ファ−ジ二本鎖DNAのEcoRI切断部位に
lacプロモ−タ−に対して順方向に組み込みペプチド
顕示ファ−ジベクタ−を作製した。
【0056】次に、ランダムなアミノ酸配列のペプチド
をコ−ドするDNA断片を作製するため、配列12
【0057】
【化22】
【0058】(配列中、NはG、T、AまたはCを示
し、KはGまたはTを示す)で表わされる合成DNA
(1)および 配列13
【0059】
【化23】
【0060】(配列中、Nは前記と同じ意味を示し、S
はA又はCを示す)で表わされる合成DNA(2)をD
NA合成装置モデル381Aで合成した。
【0061】上記合成DNA(1)2nmolおよび合
成DNA(2)2nmolを、T4ポリヌクレオチドキ
ナ−ゼ反応液〔組成:10mM トリス塩酸(pH7.
5)、10mM MgCl2 、5mM ジチオスレイト
−ル、T4 ポリヌクレオチドキナ−ゼ 60U、5mM
ATP〕50マイクロリットル中で、37℃・1時間
インキュベ−トして、リン酸化した後、アニ−リングバ
ッファ−〔組成:20mM トリス塩酸(pH7.
5)、2mM MgCl2 、50mM NaCl〕50
0マイクロリットルを添加した後、95℃で5分間加熱
後、65℃に冷却し、更に2時間かけて徐々に室温にも
どした。二本鎖を形成したリン酸化合成DNA(1)お
よび(2)とを、エタノ−ル沈殿法で回収した。該DN
Aを、制限酵素Eco52I(宝酒造社製)およびKp
nI(宝酒造社製)で切断・脱リン酸化処理したペプチ
ド顕示ファ−ジベクタ−二本鎖DNA60μgと、ライ
ゲ−ションキット(宝酒造社製)を使用して結合させて
ランダムペプチド掲示組換えファ−ジDNAを得た。
【0062】得られたペプチド顕示組換えファ−ジDN
Aをエタノ−ル沈殿法で回収し、水100マイクロリッ
トルに溶解した後、エレクトロポレ−タ−(BRL社
製)を使用して、大腸菌DH10株(BRL社製)に導
入した。得られた形質転換菌の一部を採取し、カナマイ
シン耐性菌の出現頻度からライブラリ−の大きさを測定
すると、2(X)107 個の独立したクロ−ンからなっ
ていることがわかった。
【0063】残部の形質転換菌は、L培地500ミリリ
ットルで37℃・2時間でインキュベ−トした後、終濃
度が20マイクログラムになるようにカナマイシンを添
加して1晩培養し、培養液を得た。得られた培養液を遠
心分離〔5000g(X)10分間〕して得られた培養
上清に、溶液1(組成:20%ポリエチレングリコ−
ル、3.5M 酢酸アンモニア)125ミリリットルを
加えた後、4℃・30分間インキュベ−トを行い,遠心
分離〔5000g(X)10分間〕してファ−ジを回収
し、ペプチドライブラリ−として以下の試験に供した。
【0064】実施例2:VVAによるペプチドライブラ
リ−のスクリ−ニング 実施例1で得られたファ−ジ1010〜1011個のファ−
ジとビオチン化VVA(フナコシ社製)、ビオチン化H
PA(コスモバイオ社製)およびビオチン化SSA(コ
スモバイオ社製)各々1μgとを、0.05%Twee
n20(商標)を含むTBS溶液(組成:50mM ト
リス塩酸 pH7.5、150mM NaCl)20マ
イクロリットルに溶解し、4℃で一晩インキュベ−トし
て、ペプチド発現ファ−ジ・レクチン複合体を得た。
【0065】ペプチド顕示ファ−ジ・レクチン複合体吸
着用の固相として、1ミリリットルのストレプトアビジ
ン溶液〔組成:0.1M炭酸水素ナトリウム(pH8.
6)、1mg/ミリリットル ストレプトアビジン〕
を、ポリスチレン製シャ−レ(内径60mm)に加えて
密封し、4℃で一晩インキュベ−トした後、0.5%T
ween20(商標)を含むTBS溶液6ミリリットル
で3回洗浄して、ストレプトアビジン処理シャ−レを作
製した。
【0066】上記ペプチド顕示ファ−ジ・レクチン複合
体を含む溶液を、TBS溶液200マイクロリットルを
添加した後、上記のストレプトアビジン処理シャ−レ内
に加えた。室温・15分間インキュベ−トした後、ペプ
チド発現ファ−ジ・レクチン複合体を含む溶液を除去
し、シャ−レを氷冷した0.5%Tween20(商
標)を含むTBS溶液6ミリリットルで洗浄した。洗浄
を7回繰り返して非特異的吸着ファ−ジを除いた。該シ
ャ−レに溶液2〔組成:0.1Mグリシン塩酸(pH
2.2)、1mg/ミリリットル濃度のウシ血清アルブ
ミン(以下BSAという)〕400マイクロリットルと
を加えて、室温・15分間インキュベ−トし、シャ−レ
に吸着したファ−ジを溶出した。得られたファ−ジ溶出
溶液に2M トリス塩酸溶液24マイクロリットルを加
えて中和した。中和後のファ−ジ溶出溶液は、セントリ
コン100(グレ−スジャパン社製)を用いて、滅菌水
1ミリリットルで洗浄した後、70マイクロリットルま
で濃縮し、レクチン結合ファ−ジ溶液とした。
【0067】回収したファ−ジを増幅するためのファ−
ジ増幅用大腸菌液は以下のように調製した。大腸菌JM
109株(宝酒造社製)の37℃・一晩培養液2ミリリ
ットルを、L培地100ミリリットルに加えて、37℃
で振盪培養し、菌液のOD550 が0.7を示した時点で
培養を停止し、遠心分離〔3000g(X)5分間〕し
て菌体を得た。得られた菌体を80mM 塩化ナトリウ
ム水溶液100ミリリットルに懸濁し、37℃・45分
間緩やかに振盪した後、菌懸濁液を遠心分離〔3000
g(X)5分間〕して菌体を得た。該菌体を溶液3〔組
成:80mMNaCl、50mM リン酸アンモニウム
(pH7.0)〕5ミリリットルに懸濁した。該菌液に
80%グリセロ−ル溶液0.8ミリリットルを加えて−
80℃にストックした。
【0068】上記レクチン結合ファ−ジ液70マイクロ
リットルと上記ファ−ジ増幅用大腸菌液100マイクロ
リットルとを混合してファ−ジ・大腸菌混合液を得た。
得られたファ−ジ・大腸菌混合液に、5倍L培地45マ
イクロリットル、100mMIPTG2.5マイクロリ
ットルと100mg/ミリリットル チアミン溶液2.
5マイクロリットルとを添加して、室温・30分間で培
養した。培養後のファ−ジ・大腸菌混合液を12.5m
g/ミリリットルのカナマイシンを含むL寒天培地にま
き、37℃・一晩培養した。寒天培地上に形成された大
腸菌とファ−ジを3ミリリットルのL培地に回収し、遠
心分離〔5000g(X)10分間〕して菌体を除き、
上清に含まれるファ−ジを回収した。遠心分離は4回行
った。ファ−ジを含む上清に、溶液1(組成:20%ポ
リエチレングリコ−ル、3.5M 酢酸アンモニア)
0.75ミリリットルを加えて、4℃・30分間インキ
ュベ−トした後、遠心分離〔5000g(X)5分間〕
してファ−ジを回収した。回収したファ−ジを滅菌水2
0マイクロリットルに溶解し、ファ−ジ溶解液を得て、
その5マイクロリットルをファ−ジ力価測定に使用し
た。
【0069】ファ−ジ溶解液を、再度VVAを使用し
て、前記のスクリ−ニングを行った。選択されたファ−
ジが顕示しているペプチドのアミノ酸配列分析を同定す
るために、ファ−ジ1本鎖DNAを抽出し、シ−クエン
スプライマ−として、配列14
【0070】
【化24】
【0071】で表わされるDNAを、DNA合成装置モ
デル381Aを使用して合成し、シ−ケナ−ゼバ−ジョ
ン2(USB社製)を用いて塩基配列分析を行った。そ
の結果、配列(以下ペプチド−1という)および配列
で表わされる、VVAに特異的に吸着するペプチドの
アミノ酸配列がわかった。その結果を表1
【0072】
【表1】
【0073】に示す。 実施例3:HPAによるペプチドライブラリ−のスクリ
−ニング ビオチン化VVAの代わりにビオチン化HPA(コスモ
バイオ社製)を使用した他は、実施例2と同様にして、
配列で表わされる、HPAに特異的に吸着するペプチ
ドのアミノ酸配列がわかった。その結果を表1に示す。
【0074】実施例4:SSAによるペプチドライブラ
リ−のスクリ−ニング ビオチン化VVAの代わりにビオチン化SSA(コスモ
バイオ社製)を使用した他は、実施例2と同様にして、
配列、配列、配列、または配列10で表わされ
る、SSAに特異的に吸着するペプチドのアミノ酸配列
がわかった。その結果を表1に示す。
【0075】実施例5:マルチピンペプチド合成 上記で得られたペプチド−1と同様のアミノ酸配列を持
つペプチドをマルチピンペプチド合成法で合成した。マ
ルチピンペプチド合成は、マルチピンペプチド合成シス
テム用マニュアル(カイロン社製)に記載の方法に準じ
てマルチピンペプチド合成システムを使用して行った。
【0076】合成ペプチドとレクチンとの結合反応は、
岡崎等〔実験医学、第10巻、88頁、(1992)〕
に記載の方法に従って、ELISA法によって解析し
た。ペプチド−1合成の終了したピンペプチドをPBS
T溶液〔組成:0.15M塩化ナトリウム、0.1%T
ween20(商標)、0.01Mリン酸ナトリウム緩
衝液〕で洗浄し、ブロッキング溶液(組成:1%BSA
を含むPBS溶液)に浸して、室温で1時間ブロッキン
グした。各ウエルにビオチン化VVA(1μg/ミリリ
ットル)溶液150マイクロリットルを入れた96ウエ
ルマイクロタイタ−プレ−トに、アルカリホスホタ−ゼ
標識ストレプトアビジン溶液(ベ−リンガ−マンハイム
社製)150マイクロリットル加えた後に、ピンブロッ
クを乗せ、室温で15分間反応させた。取り出したピン
ブロックをPBST溶液に浸して洗浄した後、各ウエル
に基質溶液(マウスハイブリド−マスクリ−ニングシス
テム、ファ−ミンゲン社製)150マイクロリットルを
加えた新しい96ウエルマイクロタイタ−プレ−トに洗
浄済ピンブロックを乗せ、37℃・15分間インキュベ
−トした後、溶液のOD405 を測定して、ペプチド−1
のレクチン結合活性を確認した。ピン上に合成したペプ
チドに対して、VVAは用量依存的に結合した。その結
果を図2に示す。また、上記ビオチン化VVA溶液に2
50mmolガラクト−ス(以下Galという)又は2
50mmol GalNAcを添加すると、VVAとペ
プチドとの結合は、GalNAcによってのみ強く阻害
された。その結果を図3に示す。
【0077】マウス免疫実験に用いる多価ペプチド化ペ
プチド(以下MAPという)は、AB社ペプチド合成装
置モデル430Aを使用し、合成用レジン(カルビオム
−ノバジャパン社製)1.2mmolを用いて合成し
た。得られた合成ペプチド−レジン混合物0.2〜0.
4gに、切り出し溶液〔組成;トリフルオロ酢酸:チオ
アニソ−ル:1,2−エタンジオ−ル:アニソ−ル(重
量比)=90:6:3:1〕10ミリリットルを加え
て、丸底フラスコ内で室温(20℃)・2時間攪拌した
後濾過した。レジンをトリフルオロ酢酸5ミリリットル
で3回洗浄した。洗浄液を合わせた後、得られた洗浄液
15ミリリットルを約2ミリリットルに濃縮し、濾過溶
液中のペプチドは冷メチルブチルエ−テル40ミリリッ
トルを加えて沈殿させた。得られた沈殿をジエチルエ−
テル10ミリリットルで、3回洗浄し、乾燥後、10%
酢酸に溶解した後に凍結乾燥してMAP化ペプチドを得
た。
【0078】MAP化ペプチド−1 1μgを含む0.
1mol NaHCO3 水溶液100マイクロリットル
を96ウエルマイクロタイタ−プレ−トの各ウエルに加
え、4℃・一晩吸着させ、上記ブロッキング溶液でブロ
ッキングした後、ビオチン化レクチン溶液(1μg/1
ミリリットル)10マイクロリットル加えて室温(20
℃)・1時間インキュベ−トした。上記PBST溶液で
3回洗浄した各ウエルに、アルカリホスホタ−ゼ標識ス
トレプトアビジン溶液を100マイクロリットル添加
し、室温・15分間反応させた後、PBST溶液で3回
洗浄した。洗浄済各ウエルに基質溶液100マイクロリ
ットルを添加し、37℃・15分間インキュベ−トした
後、溶液のOD405 を測定した。
【0079】MAP化ペプチド−1の各種レクチンとの
結合反応を図4および図5に示す。MAP化ペプチド−
1は、VVAの他HPA、SSAと結合し、そのSSA
との結合はGalNAcによって特異的に阻害された
が、GlcNAcの認識レクチンであるDatura
stramonium由来のレクチン(以下DSAとい
う)とは弱い結合しか示さないことがわかった。
【0080】実施例6:MAP化ペプチド−1によるマ
ウスの免疫と抗Tn抗体の産生誘導 MAP化したペプチド−1の500μgを溶解した生理
食塩水溶液1.5ミリリットルと、フロイント完全アジ
ュバント(Freund’s complete ad
juvant)1.5ミリリットルとを混合して作製し
た抗原+完全アジュバンド混合物を、均等に6匹のBA
LB/cマウス(雌、8週齢)に、腹腔内投与した(初
回投与)。更に、MAP化したペプチド−1の500μ
gを溶解した生理食塩水溶液1.5ミリリットルと、フ
ロイント不完全アジュバント(Freund’s in
complete adjuvant)1.5ミリリッ
トルとを混合して作製した抗原+不完全アジュバント混
合物を、初回投与後14日目、28日目および42日目
(最終投与)の計4回腹腔内投与して免疫させた。最終
投与後7日目に、血清を採取した。得られた血清をPB
ST溶液で50倍希釈して希釈血清を作製した。得られ
た希釈血清を、Tn抗原高発現蛋白であるaBSM、T
n抗原低発現蛋白であるウシ顎下腺ムチン(以下BSM
という)、複合糖鎖発現蛋白である卵白アルブミン(以
下OVAという)および糖鎖のない蛋白であるBSA1
μgをコ−トした96ウエルプレ−トに加え、2次抗体
としてのビオチン化抗マウスIgG兎抗体とアルカリホ
スホタ−ゼ標識ストレプトアビジンとを用いたELIS
A法によって抗TnIgGの力価を測定した。
【0081】その結果、図6〔図中、BSMはTn陽
性、aBSMはTn強陽性、OVAはTn陰性、BSA
はTn陰性であり、MAP化ペプチド−1免疫マウス抗
血清の使用濃度は50倍希釈であり、無処理(norm
al)マウス血清の使用濃度は50倍希釈であり、使用
したGalNAc濃度は100mMであった。〕に示す
ように上記希釈血清は、VVAと同様にBSMおよびa
BSMに特異的に結合した。結合反応はTn抗原構成糖
であるGalNAc(100mM)により阻害されたこ
とから、MAP化されたペプチド−1免疫による抗Tn
抗体の産生誘導が確認された。
【0082】実施例7:大腸菌マルト−ス結合蛋白質
(以下MBPという)−ペプチド融合蛋白発現プラスミ
ドの作製 P.Martineau等の報告(ジ−ン、第113
巻、35頁 1992年)に記載の方法に準じて行っ
た。概略は、図7および図8(図中、malEはMBP
構造遺伝子を示す)に示したとおりである。pMAL−
p2ベクタ−DNA(ニュ− イングランド バイオラ
ブ社製)を、制限酵素HpaIおよびEcoRIで切断
して、MBP構造遺伝子を含む約1.8kbのDNA断
片をアガロ−ス電気泳動法で精製し、制限酵素SmaI
およびEcoRIで切断したM13mp8二本鎖DNA
(ニッポンジ−ン社製)に組み込み、大腸菌JM109
株に導入し、増殖させたM13ファ−ジ粒子より、一本
鎖DNAを調製した。
【0083】DNA合成装置モデル381Aを使用し
て、配列15
【0084】
【化25】
【0085】で表わされる合成DNA(3)を作成し
た。得られた合成DNA(3)を、実施例1と同様にリ
ン酸化した後、T7 −GENインビトロ突然変異導入キ
ットを用いて、上記一本鎖DNAにアニ−リングさせ、
MBP構造遺伝子内に目的の制限酵素BamHI切断部
位を導入した。変異MBP構造遺伝子を有するファ−ジ
2本鎖DNAを制限酵素EcoRIおよびBgl II
で切断して、約800bpのDNAを分離し、アガロ−
ス電気泳動法で精製した後、制限酵素EcoRIおよび
Bgl IIで切断することにより、約800bpDN
A断片を除去したpMAL−p2ベクタ−DNAに組み
込み、目的とするペプチド発現用ベクタ−を作製した。
【0086】ペプチド−1のアミノ酸配列の2回繰り返
しを含む配列16
【0087】
【化26】
【0088】で表わされるペプチドをコ−ドする配列
【0089】
【化27】
【0090】および配列18
【0091】
【化28】
【0092】を合成し、各々の2μgをアニ−リングさ
せた後、DNAポリメラ−ゼIクレノウ断片(宝酒造社
製)2Uと0.5mM dNTPとを使用して、二本鎖
DNAに変換した。該二本鎖DNAをBamHIで切断
した後、同酵素で切断したペプチド発現用ベクタ−DN
Aに組み込んだ(図8参照)。ペプチド発現用プラスミ
ドDNAを大腸菌DH10株(BRL社製)に導入して
形質変換菌を得た。
【0093】ペプチド−1をコ−ドするDNA断片がマ
ルト−ス発現遺伝子に対して順方向(+)又は逆方向
(−)に組み込まれたクロ−ンを選択し、組換え蛋白の
発現試験をニュ− イングランド バイオラブ社実験マ
ニュアルの記載に従って行った。菌体をサンプルバッフ
ァ−〔組成:50mM トリス塩酸(pH6.8)、1
00mM MDTT、2%SDS、0.1% ブロムフ
ェノ−ルブル−、10%グリセロ−ル〕0.2ミリリッ
トルに懸濁し、100℃・5分間加熱処理することによ
り可溶化した後、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動した後、抗VVAペプチドマウス血清及び抗MBP兎
血清(ニュ− イングランド バイオラブ社製)を使用
するウェスタンブロッティングを行った。
【0094】その結果、図9(図中、+はTacプロモ
−タ−転写方向に対して順方向に融合蛋白遺伝子配列が
組込まれたプラスミドを示し、−はTacプロモ−タ−
転写方向に対して逆方向に融合蛋白遺伝子配列が組込ま
れたプラスミドを示す。)に示すように順方向(+)に
ペプチド−1をコ−ドしたDNAが挿入されたベクタ−
の保持菌のみに、予想された分子量約40kbの蛋白が
大量に発現していることがわかった。また、該蛋白は抗
MBP兎血清及び抗ペプチド−1マウス血清と反応した
ことにより、MBP−ペプチド−1融合蛋白の発現が確
認された。
【0095】実施例8:免疫マウス抗血清およびヒト末
梢血単核球による癌細胞障害活性 MAP化したペプチド−1の500μg又はaBSMの
160μgを溶解した生理食塩水1ミリリットルと、フ
ロイント完全アジュバント1ミリリットルとを混合して
作製した抗原+完全アジュバント混合物を、均等に4匹
のBALB/cマウス(雌、8週齢)に、腹腔内投与し
た(初回投与)。更に、MAP化したペプチド−1の5
00μg又はaBSMの160μgを溶解した生理食塩
水1ミリリットルと、フロイント不完全アジュバント1
ミリリットルとを混合して作製した抗原+不完全アジュ
バント混合物を、初回投与後2週間目、4週間目および
6週間目(最終投与)の計4回腹腔内投与して免疫させ
た。最終投与後7日目に、血清を採取した。得られた血
清をPBST溶液で1000倍希釈して希釈血清を作製
した。得られた希釈血清を、aBSM、BSMおよびO
VA1μgを、それぞれコ−トした96ウエルプレ−ト
に加え、2次抗体としてのビオチン化抗マウスIgG兎
抗体(ザイメッド社製)とアルカリホスホタ−ゼ標識ス
トレプトアビジン(ベ−リンガ−マンハイム社製)とを
使用したELISA法によって、抗TnIgGの力価を
測定した。
【0096】その結果を、図10(図中、MAP化ペプ
チド−1免疫マウス抗血清の濃度は1000倍希釈であ
る。)に示す。最も抗体価の高かったマウス1の血清を
使用して、試験管内の癌細胞障害試験を行った。IMD
M培地(ギブコ社製)で2倍に希釈したヒト末梢血20
ミリリットルを、リンホプレップ(第一化学社製)15
ミリリットル上に静かに重層し、遠心分離〔800g
(X)20分間〕してヒト単核球を分離した。該ヒト単
核球を〔インタ−ロイキン−3(以下IL−3という)
10ng/ミリリットル、単球コロニ−刺激因子(以下
M−CSFという)50ng/ミリリットルを含むIM
DM+10%FCS(ウシ胎児血清)培地で3日間培養
しエフェクタ−細胞とした。Tn抗原を高発現している
ヒト大腸癌細胞株LS180(バイオケミ バイオリサ
−チ コミュニケ−ション 第170巻、981頁、1
990年)(大日本製薬社より購入)を使用した。ヒト
大腸癌細胞株LS180をDMEM(ギブコ社製)+1
0%FCS培地を使用して、24ウエルディッシュ(フ
ァルコン社製)中で1(X)105 /ウエルの細胞濃度
になるまで培養した後、DMEM+10%FCS培地で
2回洗浄した。
【0097】該ヒト大腸癌細胞株LS180の付着して
いるウエルに、IMDM+5%FCS培地で2回洗浄し
た後、1(X)106 /495マイクロリットルの細胞
濃度に調製したエフェクタ−細胞を加え、さらに抗aB
SMマウス血清又は抗ペプチド−1マウス血清を5マイ
クロリットル加えた。なお、抗血清の代わりにIMDM
+5%FCS培地5マイクロリットルを加えたコントロ
−ルを設けた。炭酸ガス培養器(ヤマト科学社製、37
℃、CO2 濃度5%)中で24時間培養した後、ウエル
より培地を回収して96ウエルプレ−トに移して、Cy
tox96キット(生化学工業社製)を使用して、障害
を受けたタ−ゲット細胞の割合を求めた。その結果を、
図11〔図中、タ−ゲット細胞はLS180。エフェク
タ−細胞は、ヒト末梢血単核球。抗血清はaBSM免疫
マウス血清(100倍希釈)および実施例7のマウス1
の血清(100倍希釈)を使用した。〕に示す。その結
果、抗ペプチド血清にエフェクタ−細胞を介する細胞障
害活性が認められた。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】ファ−ジを用いたペプチドライブラリ−の作製
法の概略を表す。
【図2】ペプチド−1とVVAとの用量依存的結合を表
す。
【図3】ペプチド−1とVVAとの結合反応のGalN
Acによる阻害を表す。
【図4】MAP化ペプチド−1とVVA、HPA、SS
AまたはDSAとの結合反応と該結合反応のGalNA
cによる阻害を表す。
【図5】MAP化ペプチド−1とSSAとの結合反応と
該結合反応のGalNAcによる阻害を表す。
【図6】MAP化ペプチド−1免疫マウス抗血清、無処
理(normal)マウス血清およびVVAの糖蛋白と
の反応性をELISAにより分析した結果を表す。
【図7】MBP−ペプチド融合蛋白発現ベクタ−の作製
方法を表す。
【図8】MBP−ペプチド融合蛋白発現プラスミドの作
製方法を表す。
【図9】大腸菌に発現させたペプチド−1の2量体+大
腸菌MBP融合蛋白質の電気泳動による分子量測定並び
に該蛋白質と抗MBP血清又は抗ポリペプチド−1血清
との反応を表す。
【図10】抗血清依存細胞障害試験に用いたMAP化ペ
プチド−1免疫マウス抗血清の糖蛋白との反応性をEL
ISA法で分析した結果を表す。
【図11】抗血清依存細胞障害試験結果。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌関連糖鎖Tn抗原結合レクチンに結合
    するペプチド。
  2. 【請求項2】 癌関連糖鎖Tn抗原に対する抗体産生を
    誘導する免疫原性を有する請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 該抗原結合レクチンがVicia vi
    llosa、Helix pomatia又はSalv
    ia sclarea由来である請求項1記載のペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 配列 【化1】 (式中、X1およびX6は、同一または異なって、Ar
    g、His、LysまたはAlaを示し、X2およびX
    3はSerまたはThrを示し、X4およびX5は、同
    一または異なって、芳香族アミノ酸又は脂肪族アミノ酸
    を示し、X7はGln、Asn、SerまたはThrを
    示す)で表わされるアミノ酸配列を有する請求項1記載
    のペプチド。
  5. 【請求項5】 配列 【化2】 (式中、Y1およびY4は、同一または異なって、Ar
    g、Gln、LysまたはAsnを示し、Y2およびY
    3は、同一または異なって、芳香族アミノ酸、脂肪族ア
    ミノ酸又はMetを示す)で表わされるアミノ酸配列を
    有する請求項1記載のペプチド。
  6. 【請求項6】 配列 【化3】 (式中、Z1はArg、Lys又はHisを示し、Z2
    はSer、Thr、Asn、GlnまたはLysを示
    す)で表されるアミノ酸配列を有する請求項1記載のペ
    プチド。
  7. 【請求項7】 配列 【化4】 を有する請求項1記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 配列 【化5】 を有する請求項1記載のペプチド。
  9. 【請求項9】 配列 【化6】 を有する請求項1記載のペプチド。
  10. 【請求項10】 配列 【化7】 を有する請求項1記載のペプチド。
  11. 【請求項11】 配列 【化8】 を有する請求項1記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 配列 【化9】 を有する請求項1記載のペプチド。
  13. 【請求項13】 配列10 【化10】 を有する請求項1記載のペプチド。
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