JPH10176214A - 電気アーク炉溶銑の取鍋攪拌方法 - Google Patents

電気アーク炉溶銑の取鍋攪拌方法

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JPH10176214A
JPH10176214A JP8335887A JP33588796A JPH10176214A JP H10176214 A JPH10176214 A JP H10176214A JP 8335887 A JP8335887 A JP 8335887A JP 33588796 A JP33588796 A JP 33588796A JP H10176214 A JPH10176214 A JP H10176214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気ア−ク炉ステンレス鋼用溶銑を取鍋攪拌
により脱硫する。 【構成】 電気ア−ク炉で[Cr]=10〜35%、
[Si]=0.1〜1.2%、[C]=2.0〜5.0
%を含むステンレス溶銑を溶解し、造滓剤を添加してス
ラグを生成させた後、溶銑およびスラグを取鍋に移し、
取鍋内の雰囲気酸素濃度(体積%O2 )≦10%で、下
式の攪拌動力(E)で非酸化性ガスによる攪拌を行い、
脱硫およびスラグ中の易還元性酸化物を還元する。 140+9.23× (体積%O2)≦E≦585−15.
38× (体積%O2) ここで、E:単位重量溶銑当たりの攪拌エネルギ−(ワ
ット/トン)である。 【効果】 原料コスト、製造コストの低減、製品品質の
向上が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気ア−ク炉で溶製し
たステンレス鋼用溶銑の取鍋攪拌技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電気ア−ク炉によるステンレス鋼の製造
においては、原料となる各種合金鉄やスクラップあるい
は酸化物などを溶解し、粗鋼(溶銑)を製造した後、真
空脱ガス炉やAOD炉による仕上げ精錬工程、鋳造工程
を経て中間製品が製造される。電気ア−ク炉の操業で
は、チャ−ジ毎に目標となる成分・組成に応じた配合計
画を立て、それにしたがって、炉内に順次スクラップ、
合金鉄等の主原料と、場合により製鋼工場内で発生する
ダスト、スケ−ル、スラグや造滓剤等の副原料を装入
し、通電して溶解する。その際、主原料として溶融金属
をホットチャ−ジしたり、クロム鉱石やニッケル鉱石等
の酸化物原料をコ−クスなどの還元剤とともに供給する
ことも行われている。原料が溶解し、スラグが形成され
るが、その組成を調整することがその精錬作用ひいては
操業上重要な要件となる。脱硫能を適正に保つ上からは
スラグの塩基度等の調整が必要であるが、通常、必要と
するCaOやCaF2 の量を経験的に求めて溶解前や溶
解中に供給することによって適切な範囲に調整してい
る。溶解後は、ある程度の精錬期を設けて、必要に応じ
て成分チェックの後、取鍋に出銑する。このような精錬
過程においては、スラグは速やかに溶解して溶銑と共に
攪拌され、その精錬能を最大に発揮することが望まれ
る。このため、電気炉に底吹き羽口を設置し、窒素など
のガスを吹き込み、バブリングによる攪拌を行って、造
滓剤などの溶解や精錬反応を促進させる方法などがとら
れているが、底吹き方式による攪拌力には限界があり、
電気炉のようなシャロ−バスの炉など構造上の制約のあ
る場合や溶落後の精錬期を十分にとれない場合には有効
ではない。また、特開昭64−25938号公報には、
ア−ク加熱時に中空電極から造滓剤を吹き込んで溶解、
精錬する方法が示されているが、吹き込みが可能な中空
電極はコストが高く、操業上の制約も多い。
【0003】また、最近では、原料コストの低減や工場
で発生する廃材などの有効利用のため、ダスト、スケ−
ルやスラグなどのほか各種の様々な形態の原料が用いら
れるようになっている。特に酸化物原料を還元してメタ
ル原料として利用できれば、原料コストの面で非常に有
利である。このため、これらの多種、多様な原料を加え
て溶解することとなるが、このような電気炉の操業にお
いては、これらの原料に起因する粉化ロス、未滓化など
があり、炉内におけるスラグの溶解や調整を一律に行う
ことが困難である。このような事情に対処するため、実
際の操業においては、安全度を見込んで過剰な量の造滓
剤を装入するなどしているが、その結果、最終的に生成
するスラグ量は増加する傾向にあり、100kg/トン
−メタル以上にもなることもある。このことは、本来の
金属の溶解以外のスラグ溶解のために消費される電力が
大きくなることとなり、電力コストの上昇が問題とな
る。このような問題を解決すべく、本発明者は先にステ
ンレス鋼用電気ア−ク炉溶銑の脱硫方法を発明した(特
願平8−079445号)。その特徴は、スラグの塩基
度を1.3〜2.2とし、取鍋内雰囲気の酸素濃度を1
0%以下に保持することによって、スラグの脱硫などの
精錬作用を最大限に発揮させることにある。しかしなが
ら、攪拌の条件によっては温度低下の問題や、攪拌の長
時間化による前後工程とのタイミングのずれが生じるな
どの問題が起こることもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消すべく案出されたものであり、操業への支障
を最小限に止めるために、最適な攪拌条件を提供し、先
行出願の技術をさらに効果的なものとし、ア−ク炉操業
における造滓剤、消費電力、原料コストを低減しようと
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するために、電気ア−ク炉で[Cr]=10〜35
%、[Si]=0.1〜1.2%、[C]=2.0〜
5.0%を含むステンレス鋼用溶銑を溶解し、造滓剤を
添加してスラグを生成させた後、溶銑およびスラグを取
鍋に移し、取鍋内の雰囲気酸素濃度(体積%O2 )≦1
0%で、非酸化性ガスによる攪拌を行い、スラグ中の易
還元性酸化物の還元および脱硫を行う方法において、攪
拌動力(E)を下式の範囲内で行う。 140+9.23× (体積%O2)≦E≦585−15.
38× (体積%O2) ここで、E:単位重量溶銑当たりの攪拌エネルギ−(ワ
ット/トン)である。
【0006】
【作用】本発明においては、溶銑とスラグを攪拌するこ
とによって、脱硫反応が進行するが、この反応はスラグ
中の酸化クロムを主とする易還元性酸化物成分の還元反
応と関連して脱硫が進行する。特に、スラグ中の酸化ク
ロムを還元し、その濃度を低下させることは脱硫反応上
重要である。ここで、脱硫反応は、 CaO(スラグ中)+S(メタル中)=CaO(スラグ
中)+O(メタル中) で示されるように、反応系の酸素ポテンシャルを低下さ
せることが重要であるが、本発明者らの研究では、酸素
ポテンシャルを支配するのは、スラグ中の酸化クロム濃
度であることが明らかになっている。すなわち、酸素ポ
テンシャルを低下するにはスラグ中の酸化クロム濃度を
低下する必要がある。このように、非酸化性雰囲気下の
酸化クロムの還元反応は、脱硫の面から必要であると同
時に、ステンレス鋼の主成分であるCrのコスト低減に
おいても重要である。この場合、還元反応の還元剤とし
ては、スラグおよびメタル中の炭素なども寄与すると考
えられるが、主としてメタル中のSiが利用される。し
たがって、効率的な脱硫を行うためにはメタル中のSi
を有効に作用させる必要がある。メタル中のSiを酸化
クロムの還元に効率よく作用させるためには、非酸化性
雰囲気とすることが重要である。これは、大気中ではS
iは酸化消費され、酸化クロムの還元に利用されないこ
とによる。本発明においては、図1に示すように、攪拌
中の雰囲気酸素濃度は10%以下にすることが必要であ
る。
【0007】ここで、図1は取鍋内雰囲気の酸素濃度
が、攪拌後の[S]及びSi効率に及ぼす影響を示した
一例である。特に、雰囲気酸素濃度が10%を越える
と、脱硫は急激に悪化し、太い点線で傾向を示すように
攪拌後の[S]は急激に上昇している。ここで、Si効
率とは、消費したSi量の内、酸化クロムを主とする易
還元性酸化物の還元に使用された割合を意味している
が、雰囲気酸素濃度が上昇するほどSiが雰囲気中の酸
素に消費され、Si効率は低下してくる。したがって、
Si効率が低下すれば、スラグ中の酸化クロムを十分に
還元できなくなり、脱硫は促進されない(Si添加量を
増加することで対応は可能であるが、コストアップにな
る)。図1は目標[S]が100ppm以下の場合であ
るが、目標を達成するには、Si効率は25%以上が必
要であることが分かっている。そのためには、雰囲気酸
素濃度を10%以下にして、Siの無効消費を抑制する
必要がある。なお、例えば目標[Si]を70ppm以
下にする場合は、Si添加量を多くするか、あるいは攪
拌処理時間を長くすることで[S]の傾向は、全体的に
下がってくることも分かっている。
【0008】攪拌は、非酸化性ガスを吹き込んで行う。
非酸化性ガスは、不活性ガス、例えば窒素、アルゴン等
が使用できる。経済性の面では窒素を使用するが、鋼種
によって窒素ピックアップが有害である場合はアルゴン
を使用することが望ましい。また、不活性ガスにH2 、
CO等の還元性ガスを混合してもよい。不活性ガスの吹
き込みにはポーラスプラグや浸漬ランスが用いられる
が、浸漬ランスによる方法が望ましい。吹き込み流量、
浸漬深さによって攪拌動力を自由に設定できるためであ
る。例えば、溶銑量50〜100T規模の取鍋に対する
好適な条件として、ランスから吹き込むガス流量として
は200〜1500NL/分、ランスの浸漬深さとして
は50〜200cmで調整できる。また、スラグ量(厚
み)、溶銑量、目標[S]等、そして特に雰囲気酸素濃
度によって最適な条件を設定する。
【0009】一方、取鍋に出銑した溶銑は、静止状態で
放置しておくだけでも温度は低下するが、常温のガスを
吹き込んで攪拌することによってさらに温度は低下す
る。したがって、攪拌動力はスラグ/メタルの混合を促
進するためにはある程度高くする必要があるが、極度に
攪拌動力を高くすると、吹き込みガスにより、温度低下
が大きくなる。その結果、その間の温度低下が起こり、
次工程へ支障をきたす場合も生じる。このように、攪拌
動力は、最適な強さとする必要があるが、本発明者の調
査の結果、攪拌動力は雰囲気の酸素濃度によって決定す
ることが最も重要であることを明らかにした。図2はそ
の結果を最適条件で示したものである。攪拌動力は、攪
拌ガスの吹き込み位置(浸漬深さZ)と、ガス流量
(Q)から、文献等に示されるように、次式で求められ
る。 E=0.0285QT/W・log(1+Z/148) ここで、T:絶対温度、W:メタル重量、である。
【0010】図2は、雰囲気酸素濃度と攪拌動力を変え
た操業で得られた脱硫速度を層別してプロットした図で
ある。雰囲気酸素濃度の上昇によって、最適な攪拌動力
の範囲が小さくなることが注目される。すなわち、雰囲
気酸素濃度が低い場合には広範囲の攪拌動力の値をとる
ことができるが、雰囲気酸素濃度が高い場合には、攪拌
動力の値は制限されることになる。攪拌を短時間で、す
なわち温度低下を最小限に止めて、目標の脱硫を達成す
るためには、高い脱硫速度が必要とされる。目標[S]
を70ppm以下として、種々の実験条件を変化させて
検討した結果、本発明が対象とする電気ア−ク炉溶銑の
取鍋攪拌において、操業に支障の無い時間(約10分〜
20分間)内で必要とされる脱硫速度(ks)は、15
×10-4(g/cm2 ・s・%)以上である。図2か
ら、適合する攪拌動力(E)のための条件は以下の式で
示されることとなる。 140+9.23× (体積%O2)≦E≦585−15.
38× (体積%O2) ここで、E:単位重量溶銑当たりの攪拌エネルギ−(ワ
ット/トン)である。
【0011】この条件が必要となる理由は、前述したよ
うに、脱硫反応は、スラグ中の酸化クロムの還元反応と
密接な関係にあるので、攪拌による酸化クロムの還元を
考慮することにもとづく。そこで、上記条件が意味する
ことは以下のように解釈される。つまり、攪拌動力の下
限の線は、酸化クロムの還元を促進するために、還元剤
となるメタル中Siとスラグ中酸化クロムとの接触機会
を増すために必要な攪拌力を示しており、一方、攪拌動
力の上限の線は、雰囲気酸素濃度が上昇するにしたがっ
て、逆に攪拌によってSiが雰囲気中の酸素によって消
費されることを防止するための、または場合によっては
雰囲気中の酸素により露出したメタル中のCrが酸化す
るのを防止するための、限界の攪拌力を示している。雰
囲気の酸素濃度が高ければ、過剰の攪拌動力は、かえっ
てCr還元にとって逆効果となることを意味している。
このようにして、本発明では、雰囲気条件によって攪拌
動力を最適化することによって、Crを酸化することな
く、脱硫も十分であるという、効果的な攪拌を行うこと
ができる。
【0012】本発明では、ランス形状、ノズル径、ノズ
ル数を変更することによって、最適なスラグ/メタル混
合状態を得ることができる。
【0013】本発明の溶銑のCr、C等の成分には、特
に制限はなく、電気炉溶解による、通常のステンレス鋼
用溶銑の組成である[Cr]=10〜30%、[C]=
2.0〜5.0%の範囲でよい。
【0014】[Si]については、0.1%未満では、
前記の脱硫作用を規定する酸化クロムの還元に不十分で
あり、精錬工程における熱源としても不足である。ま
た、1.2%を越えると転炉吹錬の際、熱量過大となっ
て過昇温となる。同時に、塩基度低下により耐火物の溶
損を招いたりして好ましくない。
【0015】本発明では、攪拌中の雰囲気酸素濃度を低
くすることが重要であるが、不活性ガスの吹き込み開始
時には、あらかじめシールガスとして不活性ガスを取鍋
内に供給して、取鍋内雰囲気の酸素濃度を目標値に低下
させた上で攪拌用のガスの吹き込みを開始するのがよ
い。吹き込み開始後は、攪拌用ガスとシ−ルガスの供給
により目標雰囲気を維持することができる。このとき、
低めの雰囲気酸素濃度を得るためには、取鍋専用の蓋を
設置することが望ましい。こうすることによって、シ−
ルガス供給量も低減することができる。また、雰囲気酸
素濃度は、操業条件や鍋の蓋の使用回数、スプラッシュ
の付着状況、さらには装置の整備状況によって、その度
に変動するのが現状である。したがって、操業の経験的
に求められる雰囲気酸素濃度に対して攪拌動力を決定し
てもよいし、実際に、雰囲気の酸素濃度を測定して、そ
の測定値により攪拌動力を調整しても良い。
【0016】
【実施例】
(実施例1)40トン電気ア−ク炉において、各種スク
ラップおよび酸化物原料を溶解して、目標成分がCr:
18% 、C:3.5%、Si:0.4%のステンレス
鋼用溶銑を3チャ−ジ(チャ−ジNo.1〜3)溶製し
た。この際、溶解中および原料溶落後に脱硫剤としてC
aOを炉内に断続供給して塩基度を適正値に調整した。
メタル成分調整後、出銑直前にメタルを採取して分析し
た。次に、取鍋に出銑/出滓し、浸漬ランスからArガ
スを流量455〜1450リットル/分、浸漬深さ15
0cmの吹き込みで、ガス攪拌を10分間継続した。こ
のとき、専用の蓋を設置し、攪拌ガスとは別途、N2 ガ
スを取鍋内に導入して、攪拌中の取鍋内の酸素濃度雰囲
気を2〜3%にした。そして、この時の攪拌動力は17
0〜540ワット/トンの範囲内であった。攪拌終了
後、溶銑サンプルを採取、分析、確認後、次工程の脱炭
工程へと取鍋を移送した。表1に、操業結果を示す。ガ
ス攪拌後のメタル中の[S]は20〜60ppmとな
り、目標値(≦70ppm)を達成できた。
【0017】(比較例1)実施例1と同様に、40トン
電気ア−ク炉において、各種スクラップおよび酸化物原
料を溶解して、目標成分がCr:18%、C:3.5
%、Si:0.4%のステンレス鋼用溶銑を3チャ−ジ
(チャ−ジNo.4〜5)溶製し、スラグ調整後取鍋に
出銑/出滓し、蓋を設けて取鍋内の酸素濃度2.5%の
雰囲気下で、浸漬ランスからアルゴンガスを流量375
リットル/分および1580リットル/分、浸漬深さ1
50cmの吹き込みで、ガス攪拌を15分間継続した。
ただし、このときの攪拌動力は590ワット/トンおよ
び140ワット/トンであった。溶銑サンプルを採取、
分析したところ、表1に示すように、ガス攪拌後のメタ
ル中の[S]は78ppmおよび96ppmとなり、い
ずれも目標値(≦70ppm)を達成できなかった。
【0018】(実施例2)実施例1と同様に、40トン
電気ア−ク炉において、各種スクラップおよび酸化物原
料を溶解して、目標成分がCr:18%、C:3.5
%、Si:0.4%のステンレス鋼用溶銑を2チャ−ジ
(チャ−ジNo.6〜8)溶製した。この際、溶解中お
よび原料溶落後に脱硫剤としてCaOを炉内に断続供給
して塩基度を適正値に調整した。メタル成分調整後、出
銑直前にメタルを採取して分析した。次に、取鍋に出銑
/出滓し、浸漬ランスからアルゴンガスを流量620〜
1100リットル/分、浸漬深さ150cmの吹き込み
で、ガス攪拌を15分間継続した。このとき、専用の蓋
を設置し、攪拌ガスとは別途、N2 ガスを取鍋内に導入
して、取鍋内の酸素濃度雰囲気を8〜9%にした。攪拌
動力は230〜410ワット/トンの範囲内であった。
攪拌終了後、溶銑サンプルを採取、分析、確認後、次工
程の脱炭工程へと取鍋を移送した。表1に、操業結果を
示すように、ガス攪拌後のメタル中の[S]は35〜5
5ppmとなり、目標値(≦70ppm)を達成でき
た。
【0019】(比較例2)実施例2と同様に、40トン
電気ア−ク炉において、各種スクラップおよび酸化物原
料を溶解して、目標成分がCr:18%、C:3.5
%、Si:0.4%のステンレス鋼用溶銑を2チャ−ジ
(チャ−ジNo.9〜10)溶製し、スラグ調整後、取
鍋に出銑/出滓し、蓋を設けて取鍋内の酸素濃度8.5
%の雰囲気下で、浸漬ランスからアルゴンガスを流量7
30リットル/分および1750リットル/分、浸漬深
さ100cmの吹き込みで、ガス攪拌を15分間継続し
た。ただし、このときの攪拌動力は480ワット/トン
および200ワット/トンであった。溶銑サンプルを採
取、分析したところ、表1に示すように、ガス攪拌後の
メタル中の[S]は83ppmおよび98ppmとな
り、いずれも目標値(≦70ppm)を達成できなかっ
た。
【0020】(比較例3)実施例1と同様に、40トン
電気ア−ク炉において、各種スクラップおよび酸化物原
料を溶解して、目標成分がCr:18%、C:3.5
%、Si:0.4%のステンレス鋼用溶銑を2チャ−ジ
(チャ−ジNo.11〜12)溶製し、スラグ調整後、
取鍋に出銑/出滓し、蓋を設けて、浸漬ランスからアル
ゴンガスを流量730リットル/分および1510リッ
トル/分、浸漬深さ100cmの吹き込みで、ガス攪拌
を15分間継続した。ただし、このときの取鍋内の酸素
濃度雰囲気は11%および11.5%にし、攪拌動力は
200ワット/トンおよび415ワット/トンであっ
た。溶銑サンプルを採取、分析したところ、表1に示す
ように、ガス攪拌後のメタル中の[S]は85ppmお
よび96ppmとなり、いずれも目標値(≦70pp
m)を達成できなかった。表1に実施例、比較例の操業
結果を示すが、攪拌後のスラグ中Cr2 O3 濃度(%)
を示した。比較例ではいずれも3%以上の高い値を示し
ており、雰囲気に応じた攪拌強度が適切でなかったた
め、還元効率が悪く、その結果、脱硫速度を高めること
ができず、決められた時間内で、攪拌後の[S]からも
分かるように、目標値以下に脱硫することができなかっ
たものと考えられる。
【0021】
【0022】
【発明の効果】本発明方法によると、以上に説明したよ
うに、攪拌時の攪拌動力を、取鍋内雰囲気に応じて適正
化することにより、溶銑中Siによる還元効率を高め
て、脱硫速度を速くすることができ、その結果、過剰の
温度低下を引き起こすことなく短時間で、脱硫およびク
ロム還元を達成することができる。このため長時間の攪
拌時間を必要とせず、その間の温度低下も最小限に抑え
ることができる。したがって、出銑後の攪拌の導入によ
り、操業に支障無く、本来スラグが持つ精錬能を十分に
発揮させることができる。このため、石灰原単位を低減
できると同時に、スラグ量を低減でき、電力原単位も低
減できる。さらに、スラグ中のCrの回収メリットも得
られる。このように、本発明は、電気炉によるステンレ
ス鋼の製造方法におけるコスト低減方法を提供すること
によって、利用価値の高い酸化物原料を有効に使用する
ことが可能となり、資源の有効利用、環境保護の立場か
らも産業発展に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 取鍋内雰囲気の酸素濃度が攪拌後の[S]、
Si効率に及ぼす影響
【図2】 脱硫速度に及ぼす雰囲気酸素濃度および攪拌
動力の影響

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気ア−ク炉で[Cr]=10〜35
    %、[Si]=0.1〜1.2%、[C]=2.0〜
    5.0%を含むステンレス鋼用溶銑を溶解し、造滓剤を
    添加してスラグを生成させた後、溶銑およびスラグを取
    鍋に移し、取鍋内の雰囲気酸素濃度(体積%O2 )≦1
    0%で、非酸化性ガスによる攪拌を行い、スラグ中の易
    還元性酸化物の還元および脱硫を行う方法において、 攪拌動力(E)を下式の条件で行うことを特徴とする電
    気アーク炉溶銑の取鍋攪拌方法。 140+9.23× (体積%O2)≦E≦585−15.
    38× (体積%O2) ここで、E:単位重量溶銑当たりの攪拌エネルギ−(ワ
    ット/トン)
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