JPH10176744A - 遊星ローラ式増減速装置 - Google Patents

遊星ローラ式増減速装置

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JPH10176744A
JPH10176744A JP8335482A JP33548296A JPH10176744A JP H10176744 A JPH10176744 A JP H10176744A JP 8335482 A JP8335482 A JP 8335482A JP 33548296 A JP33548296 A JP 33548296A JP H10176744 A JPH10176744 A JP H10176744A
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JP
Japan
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roller
planetary
carrier plate
sun roller
planetary roller
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JP8335482A
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English (en)
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Yasuyoshi Touzaki
康嘉 東▲崎▼
Yoshimi Kagimoto
良実 鍵本
Akihiko Matsui
昭彦 松井
Masaharu Yasuda
正治 安田
Yoshihiro Nagashima
義弘 永島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊星ローラ式増減速装置において、太陽ロー
ラおよび遊星ローラの軸方向移動をキャリアプレートに
よって規制しながら焼付きの発生を確実に防止できるよ
うにして、精度および信頼性の向上をはかる。 【解決手段】 キャリアプレート6Aの表面に、焼付き
防止用コーティング層6aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入出力の回転数を
増減する遊星ローラ式増減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遊星ローラ式の増減速装置のうち、減速
装置について図11および図12により説明する。ここ
で、図11はその縦断面図、図12は図11のXII−X
II線に沿う断面図である。これらの図11および図12
に示すように、遊星ローラ式の減速装置では、ハウジン
グ10内にはリングローラ3が嵌装され、このリングロ
ーラ3に内接し且つ太陽ローラ1に外接する複数(図1
1に示す例では4個)の遊星ローラ2がそなえられてい
る。これらのローラ1,2,3間では摩擦により駆動力
が伝達されるようになっている。
【0003】各遊星ローラ2は、ブッシュ5を介して遊
星ピン4周りに回転可能にそなえられるとともに、この
遊星ピン4により、太陽ローラ1と同軸的に配置された
出力軸7に対して軸支されている。この出力軸7は、ハ
ウジング10内に嵌装された出力軸受9によりハウジン
グ10に対して軸支されている。また、太陽ローラ1に
は、この太陽ローラ1と同軸的に且つ一体的に入力軸1
aが形成されており、この入力軸1aの部分を、ハウジ
ング10内に嵌装された入力軸受8により支持すること
で、太陽ローラ1は、ハウジング10に対して軸支され
ている。
【0004】さらに、複数の遊星ローラ2の両側にはそ
れぞれキャリアプレート6,6が配設され、一方(図1
1中の左側)のキャリアプレート6の両面は、それぞ
れ、太陽ローラ1の段部端面1bおよび各遊星ローラ2
の端面(図11中の左側端面)2aに当接しうるととも
に、他方(図11中の右側)のキャリアプレート6の両
面は、それぞれ、各遊星ローラ2の端面(図11中の右
側端面)2aおよび出力軸7の端面7aに当接しうるよ
うになっている。
【0005】上述の構成により、回転入力は入力軸1a
から太陽ローラ1に伝達される。太陽ローラ1に回転が
伝達されると、この太陽ローラ1に外接する各遊星ロー
ラ2も回転する。そして、各遊星ローラ2は、リングロ
ーラ3の内周を自転しながら公転する。このような遊星
ローラ2の公転が遊星ピン4によって出力軸7に伝達さ
れ、回転入力が減速されて出力軸7から出力されること
になる。
【0006】このとき、太陽ローラ1および遊星ローラ
2は、製作上および組立上の誤差で斜めに当たることは
避けられないため、軸方向に移動してしまう。この軸方
向への移動がキャリアプレート6,6によって規制され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11を参
照しながら上述したように、太陽ローラ1および遊星ロ
ーラ2の軸方向移動をキャリアプレート6によって規制
しているため、減速動作中、このキャリアプレート6が
スラスト力を受け、太陽ローラ1の段部端面1bや各遊
星ローラ2の端面2aとキャリアプレート6とが接触し
て摺動する。このため、その摺動面で凝着・焼付きが発
生して摩擦係数が増加し、駆動源よりも大きなトルクと
なって、太陽ローラ1を回転駆動できなくなり、出力軸
7に動力を伝達することができなくなるという重大な問
題が発生する。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、太陽ローラおよび遊星ローラの軸方向移動を
キャリアプレートによって規制しながら焼付きの発生を
確実に防止できるようにして、高精度で信頼性の高い遊
星ローラ式増減速装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の遊星ローラ式増減速装置(請求項1)は、太陽
ローラと、この太陽ローラに外接する複数の遊星ローラ
と、この複数の遊星ローラに外接するリングローラとを
そなえるとともに、太陽ローラおよび複数の遊星ローラ
の軸方向移動を規制すべく太陽ローラおよび複数の遊星
ローラの端面と当接するキャリアプレートをそなえてな
るものにおいて、キャリアプレートの表面に、焼付き防
止用コーティング層を形成したことを特徴としている。
【0010】この場合、コーティング層を、硬質薄膜に
より形成してもよいし(請求項2)、固体潤滑剤により
形成してもよいし(請求項3)、硬質薄膜と固体潤滑剤
とを積層して形成してもよい(請求項4)。上述のごと
く構成された本発明の遊星ローラ式増減速装置では、キ
ャリアプレートの表面に形成された焼付き防止用コーテ
ィング層により、太陽ローラや遊星ローラとキャリアプ
レートとが焼き付く(凝着する)ことなく摺動すること
になる。
【0011】また、本発明の遊星ローラ式増減装置(請
求項5)は、上述と同様の太陽ローラ,複数の遊星ロー
ラ,リングローラおよびキャリアプレートをそなえてな
るものにおいて、キャリアプレートに当接する太陽ロー
ラおよび複数の遊星ローラの端面を、キャリアプレート
側へ凸の曲面として形成したことを特徴としている。上
述のごとく構成された本発明の遊星ローラ式増減速装置
では、太陽ローラや複数の遊星ローラの端面(キャリア
プレートとの当接面)が、キャリアプレート側へ凸の曲
面であるため、太陽ローラや遊星ローラとキャリアプレ
ートとの接触面圧が低減し、太陽ローラや遊星ローラと
キャリアプレートとの摺動面の損傷(焼付き)を防止す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 〔a〕第1実施形態の説明 図2は本発明の第1実施形態の遊星ローラ式増減速装置
を示す縦断面図であり、この図2に示すように、第1実
施形態の装置も、基本的には、図11および図12によ
り前述したものと同様に構成されている。
【0013】つまり、ハウジング10内にはリングロー
ラ3が嵌装され、このリングローラ3に内接し且つ太陽
ローラ1に外接する複数(例えば4個)の遊星ローラ2
がそなえられている。これらのローラ1,2,3間では
摩擦により駆動力が伝達されるようになっている。各遊
星ローラ2は、ブッシュ5を介して遊星ピン4周りに回
転可能にそなえられるとともに、この遊星ピン4によ
り、太陽ローラ1と同軸的に配置された出力軸7に対し
て軸支されている。この出力軸7は、ハウジング10内
に嵌装された出力軸受9によりハウジング10に対して
軸支されている。また、太陽ローラ1には、この太陽ロ
ーラ1と同軸的に且つ一体的に入力軸1aが形成されて
おり、この入力軸1aの部分を、ハウジング10内に嵌
装された入力軸受8により支持することで、太陽ローラ
1は、ハウジング10に対して軸支されている。
【0014】そして、複数の遊星ローラ2の両側にはそ
れぞれキャリアプレート6A,6Aが配設され、一方
(図2中の左側)のキャリアプレート6Aの両面は、そ
れぞれ、太陽ローラ1の段部端面1bおよび各遊星ロー
ラ2の端面(図2中の左側端面)2aに当接しうるとと
もに、他方(図2中の右側)のキャリアプレート6Aの
両面は、それぞれ、各遊星ローラ2の端面(図2中の右
側端面)2aおよび出力軸7の端面7aに当接しうるよ
うになっている。
【0015】上述の構成により、本実施形態の遊星ロー
ラ式増減速装置でも、回転入力は入力軸1aから太陽ロ
ーラ1に伝達され、この太陽ローラ1に外接する各遊星
ローラ2も回転する。そして、各遊星ローラ2は、リン
グローラ3の内周を自転しながら公転する。このような
遊星ローラ2の公転が遊星ピン4によって出力軸7に伝
達され、回転入力が減速されて出力軸7から出力される
ことになる。
【0016】このとき、太陽ローラ1および遊星ローラ
2は、製作上および組立上の誤差で斜めに当たることは
避けられないため、軸方向に移動してしまう。この軸方
向への移動がキャリアプレート6A,6Aによって規制
されている。ところで、各キャリアプレート6Aは遊星
ピン4を介して遊星ローラ2の伝達力を支持するもの
で、前述した通り、太陽ローラ1や各遊星ローラ2との
摺動面の焼付きを防止する必要がある。そこで、本発明
の第1実施形態では、図1(キャリアプレート6Aを示
す縦断面図)に示すように、キャリアプレート6A両側
の表面(当接面)に、焼付き防止用コーティング層6a
を表面処理により形成している。この表面処理には、
特殊な作動環境中で要求される回数以上低摩擦で焼き付
かずに摺動すること、部品の強度低下や変形を起こさ
ないことが要求され、さらに、表面処理後の加工が不
要なことが望ましい。
【0017】以下に、本発明の第1実施形態におけるキ
ャリアプレート6Aの表面に形成される焼付き防止用コ
ーティング層6aの具体的な例について、図3〜図9を
参照しながら説明する。 (a−1)硬質薄膜 キャリアプレート6Aの表面に、気相メッキ法の一つで
ある反応性イオンプレーティング法により窒化チタン
(TiN)の硬質薄膜をコーティングし、焼付き防止用
コーティング層6aを形成する。
【0018】実際にこの表面処理により凝着なく摺動す
ることを確かめるために、太陽ローラ1および遊星ロー
ラ2の端部に見立てた曲率半径3mmのピンと表面に窒化
チタンをコーティングしたディスクとを摺動させるピン
/ディスク型摩擦試験を実施した。この摩擦試験中の摩
擦係数の経時変化を図3に示す。比較のために実施した
表面処理を施していないディスクの場合、摩擦係数は
1.2程度と大きい。これに対し、窒化チタンをコーテ
ィングしたディスクの摩擦係数は約0.7まで低減して
いることが分かる。
【0019】また、103 回摩擦した後のピン先端およ
びディスク表面のプロフィールを、表面処理を施してい
ない場合と窒化チタンをコーティングした場合とについ
て、それぞれ図4(a),(b)および図5(a),
(b)に示す。表面処理を施していないディスクには、
図4(b)に示すように凝着部Aが認められるが、図5
(b)に示す窒化チタンをコーティングしたディスクで
は凝着が発生していないし磨耗もしていない。
【0020】なお、窒化チタンによるコーティング層6
aの厚さは、薄すぎると効果が少なく、厚すぎると密着
性が低下するため、1〜3μm程度が望ましい。表面処
理を施していない母材の硬さは約400であるのに対
し、約2μm膜厚の窒化チタンをコーティングすると、
その表面は約850まで硬化する。表面処理を施してい
ない母材どうしの摺動では凝着が発生し摩擦係数が高く
なるが、硬質薄膜をコーティングすることにより凝着の
発生を防止でき摩擦係数を低減することができる。コー
ティング後の表面硬さがビッカース硬さ500以上あれ
ばその効果は明らかに認められ、窒化チタンのほかに窒
化クロムや窒化ホウ素によっても同様の効果を得ること
ができる。
【0021】(a−2)固体潤滑剤 キャリアプレート6Aの表面に、気相メッキ法の一つで
あるスパッタリング法により固体潤滑剤である二硫化モ
リブデン(MoS2 )の薄膜をコーティングし、焼付き
防止用コーティング層6aを形成する。実際にこの表面
処理により凝着がなく摺動することを確かめるために、
前述と同様、太陽ローラ1および遊星ローラ2の端部に
見立てた曲率半径3mmのピンと表面に二硫化モリブデン
をコーティングしたディスクとを摺動させるピン/ディ
スク型摩擦試験を実施した。
【0022】この摩擦試験中の摩擦係数の経時変化を図
6に示す。比較のために実施した表面処理を施していな
いディスクの場合、摩擦係数は1.2程度と大きい。こ
れに対し、二硫化モリブデンをコーティングしたディス
クの摩擦係数は約0.04と非常に小さく安定して摺動
していることが分かる。また、104 回摩擦した後のピ
ン先端およびディスク表面のプロフィールを、図7
(a),(b)に示す。表面処理を施していないディス
クには、図4(b)に示すように凝着部Aが認められる
が、図7(b)に示す二硫化モリブデンをコーティング
したディスクでは凝着が発生していないし磨耗もしてい
ない。さらに、ピンの磨耗も全くない。
【0023】なお、二硫化モリブデンによるコーティン
グ層6aの厚さは、厚すぎると密着性が低下し、磨耗粉
が摩擦抵抗となる場合があるので、0.1〜2μm程度
が望ましい。また、固体潤滑剤であるフッ素樹脂(例え
ばフッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレン)も、摩擦特
性に優れていることから、上述した二硫化モリブデンと
同様に適用することができる。
【0024】このように二硫化モリブデンを表面にコー
ティングした場合、その二硫化モリブデン薄膜の固体潤
滑作用により低摩擦で面の損傷もなく摺動するほか、前
述した窒化チタン等の硬質薄膜に比べて大幅に低摩擦と
なり、摺動する相手材も磨耗しないという効果がある。 (a−3)硬質薄膜と固体潤滑材とを積層したもの キャリアプレート6Aの表面に、気相メッキ法の一つで
ある反応性イオンプレーティング法により窒化チタン
(TiN)の硬質薄膜をコーティングし、さらにその上
に、気相メッキ法の一つであるスパッタリング法により
固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS2 )の薄膜
をコーティングして、焼付き防止用コーティング層6a
を積層・形成する。
【0025】実際にこの表面処理により凝着がなく摺動
することを確かめるために、前述と同様、太陽ローラ1
および遊星ローラ2の端部に見立てた曲率半径3mmのピ
ンと表面に窒化チタンをコーティングした後に二硫化モ
リブデンをコーティングしたディスクとを摺動させるピ
ン/ディスク型摩擦試験を実施した。この摩擦試験中の
摩擦係数の経時変化を図8に示す。二硫化モリブデンの
みをコーティングしたディスクの場合、二硫化モリブデ
ンのコーティングによりディスクの摩擦係数は約0.0
4と非常に小さく安定して摺動しているが、その効果は
有限寿命である。これに対し、二硫化モリブデンをコー
ティングする前に窒化チタンをコーティングしたディス
クでは、その寿命が3倍以上長くなる。
【0026】基板材料や硬質薄膜の厚さを変えて二硫化
モリブデンの磨耗寿命を調べた結果を図9に示す。下地
の硬さが固い程、磨耗寿命は長く、ビッカース硬さが5
00以上あれば硬質薄膜をコーティングする効果が認め
られる。なお、窒化チタンのほかに窒化クロムや窒化ホ
ウ素によっても同様の効果を得ることができる。このよ
うに窒化チタンと二硫化モリブデンとを表面に積層・形
成した場合、表面にコーティングした二硫化モリブデン
薄膜の固体潤滑作用により低摩擦で面の損傷もなく摺動
するほか、二硫化モリブデンの前にコーティングした窒
化チタンにより、二硫化モリブデン薄膜の荷重方向の変
形が小さくなり磨耗寿命が大幅に長くなる。また、二硫
化モリブデン薄膜が磨滅したとしても、凝着に至るのを
硬質薄膜である窒化チタンによって防止することができ
る。
【0027】(a−4)その他 キャリアプレート6Aの表面に、硬質薄膜に代えて、N
i−P無電解メッキによりニッケル−リン合金メッキ膜
をコーティングし、そのメッキ上にフッ素樹脂(例えば
フッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレン)の薄膜をコー
ティングして、コーティング層6aを形成してもよい。
この場合も、前述した各例と同様、凝着を防止でき摩擦
係数を低減することができる。
【0028】上述したように、本発明の第1実施形態と
しての遊星ローラ式増減速装置によれば、処理中の熱変
形がなく膜厚制御性が高く処理後の加工が不要な気相メ
ッキ法(スパッタリング法やイオンプレーティング法)
により、固体潤滑剤(二硫化モリブデン,フッ素樹脂
等)や硬質薄膜(窒化チタン,窒化クロム,窒化ホウ素
等)やNi−P無電解メッキの薄膜をコーティングした
キャリアプレート6Aを使用することにより、太陽ロー
ラ1や遊星ローラ2とキャリアプレート6Aとが焼き付
く(凝着する)ことなく、太陽ローラ1および遊星ロー
ラ2が円滑に摺動し、太陽ローラ1および遊星ローラ2
の軸方向移動をキャリアプレート6Aによって規制しな
がら焼付きの発生を確実に防止できるので、高精度で信
頼性の高い増減速装置としての機能を実現できる。
【0029】〔b〕第2実施形態の説明 図10は本発明の第2実施形態としての遊星ローラ式増
減速装置の要部を示す縦断面図である。キャリアプレー
ト6(図11に示した従来のものと同じもの)と太陽ロ
ーラ1や各遊星ローラ2との摺動で強く損傷を受ける部
分は、それぞれの端部と摺動する部分(キャリアプレー
ト6の表面)である。そこで、本発明の第2実施形態で
は、その端部にR加工(球面を含む曲面に加工するこ
と)を施すことにより、片当たり等があった場合の、摺
動面の損傷を軽減し凝着を防いでいる。
【0030】つまり、図10に示すように、第2実施形
態の遊星ローラ式増減速装置では、キャリアプレート6
に当接する太陽ローラ1の段部端面1cおよび各遊星ロ
ーラ2の端面2bに対してR加工を施し、これらの端面
(当接面)1cや2bを、キャリアプレート6側へ凸の
曲面(球面を含む曲面)として形成している。上述の構
成により、図11に示すようにR加工しないフラット面
の場合、太陽ローラ1の段部端面1bや遊星ローラ2の
端面2aのコーナ部分が当たるので高面圧となるが、R
加工することによりそれが緩和され、太陽ローラ1や各
遊星ローラ2とキャリアプレート6との接触面圧が低減
し、摺動面の損傷(焼付き)を確実に防止することがで
きる。従って、この第2実施形態によっても、第1実施
形態と同様、高精度で信頼性の高い増減速装置としての
機能を実現できる。
【0031】〔c〕その他 なお、上述した実施形態では、遊星ローラ式増減速装置
が減速装置として機能する場合について説明したが、本
発明の遊星ローラ式増減速装置は、これに限定されるも
のではなく、当然、増速装置としても機能し、その場合
も上述と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】また、第1実施形態として説明した表面処
理(コーティング層6aをもつキャリアプレート6A)
と、第2実施形態として説明したR加工を施した構造と
を併用することにより、二硫化モリブデン等の固体潤滑
膜の磨耗寿命をさらに延ばすことができ、より高精度で
信頼性の高い遊星ローラ式増減速装置としての機能を実
現することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の遊星ロー
ラ式増減速装置(請求項1〜4)によれば、キャリアプ
レートの表面に焼付き防止用コーティング層を形成する
という極めて簡素な構成により、太陽ローラおよび遊星
ローラとキャリアプレートとが焼き付く(凝着する)こ
となく、太陽ローラおよび遊星ローラが円滑に摺動し、
太陽ローラおよび遊星ローラの軸方向移動をキャリアプ
レートによって規制しながら焼付きの発生を確実に防止
できるので、高精度で信頼性の高い増減速装置としての
機能を実現できる効果がある。
【0034】また、本発明の遊星ローラ式増減装置(請
求項5)によれば、太陽ローラおよび複数の遊星ローラ
の端面(キャリアプレートとの当接面)をキャリアプレ
ート側へ凸の曲面として形成するという極めて簡素な構
成により、太陽ローラおよび遊星ローラとキャリアプレ
ートとの接触面圧が低減し、太陽ローラおよび遊星ロー
ラとキャリアプレートとの摺動面の損傷(焼付き)を確
実に防止できるので、高精度で信頼性の高い増減速装置
としての機能を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての遊星ローラ式増
減速装置におけるキャリアプレートを示す縦断面図であ
る。
【図2】第1実施形態の遊星ローラ式増減速装置を示す
縦断面図である。
【図3】窒化チタンをコーティングした場合について、
ピン/ディスク型摩擦試験中の摩擦係数の経時変化を示
すグラフである。
【図4】(a),(b)は、それぞれ、ディスクに表面
処理を施していない場合について、ピン/ディスク型摩
擦試験後のピンおよびディスクの表面粗さを示すグラフ
である。
【図5】(a),(b)は、それぞれ、ディスクに窒化
チタンをコーティングした場合について、ピン/ディス
ク型摩擦試験後のピンおよびディスクの表面粗さを示す
グラフである。
【図6】二硫化モリブデンをコーティングした場合につ
いて、ピン/ディスク型摩擦試験中の摩擦係数の経時変
化を示すグラフである。
【図7】(a),(b)は、それぞれ、ディスクに二硫
化モリブデンをコーティングした場合について、ピン/
ディスク型摩擦試験後のピンおよびディスクの表面粗さ
を示すグラフである。
【図8】窒化チタンと二硫化モリブデンとをコーティン
グした場合について、ピン/ディスク型摩擦試験中の摩
擦係数の経時変化を示すグラフである。
【図9】二硫化モリブデンの磨耗寿命を調べた結果を示
すグラフである。
【図10】本発明の第2実施形態としての遊星ローラ式
増減速装置の要部を示す縦断面図である。
【図11】一般的な遊星ローラ式増減速装置(減速装
置)を示す縦断面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 太陽ローラ 1a 入力軸 1b 段部端面 1c 段部端面(当接面;球面を含む曲面) 2 遊星ローラ 2a 端面 2b 端面(当接面;球面を含む曲面) 3 リングローラ 4 遊星ピン 5 ブッシュ 6,6A キャリアプレート 6a 焼付き防止用コーティング層 7 出力軸 7a 端面 8 入力軸受 9 出力軸受 10 ハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 正治 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内 (72)発明者 永島 義弘 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽ローラと、該太陽ローラに外接する
    複数の遊星ローラと、該複数の遊星ローラに外接するリ
    ングローラとをそなえるとともに、該太陽ローラおよび
    該複数の遊星ローラの軸方向移動を規制すべく該太陽ロ
    ーラおよび該複数の遊星ローラの端面と当接するキャリ
    アプレートをそなえてなる遊星ローラ式増減速装置にお
    いて、 該キャリアプレートの表面に、焼付き防止用コーティン
    グ層が形成されていることを特徴とする、遊星ローラ式
    増減速装置。
  2. 【請求項2】 該コーティング層が、硬質薄膜により形
    成されていることを特徴とする、請求項1記載の遊星ロ
    ーラ式増減速装置。
  3. 【請求項3】 該コーティング層が、固体潤滑剤により
    形成されていることを特徴とする、請求項1記載の遊星
    ローラ式増減速装置。
  4. 【請求項4】 該コーティング層が、硬質薄膜と固体潤
    滑剤とを積層して形成されていることを特徴とする、請
    求項1記載の遊星ローラ式増減速装置。
  5. 【請求項5】 太陽ローラと、該太陽ローラに外接する
    複数の遊星ローラと、該複数の遊星ローラに外接するリ
    ングローラとをそなえるとともに、該太陽ローラおよび
    該複数の遊星ローラの軸方向移動を規制すべく該太陽ロ
    ーラおよび該複数の遊星ローラの端面と当接するキャリ
    アプレートをそなえてなる遊星ローラ式増減速装置にお
    いて、 該キャリアプレートに当接する該太陽ローラおよび該複
    数の遊星ローラの端面が、該キャリアプレート側へ凸の
    曲面として形成されていることを特徴とする、遊星ロー
    ラ式増減速装置。
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Cited By (2)

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