JPH10180814A - 部分表皮材貼り成形用金型装置 - Google Patents

部分表皮材貼り成形用金型装置

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JPH10180814A
JPH10180814A JP34820096A JP34820096A JPH10180814A JP H10180814 A JPH10180814 A JP H10180814A JP 34820096 A JP34820096 A JP 34820096A JP 34820096 A JP34820096 A JP 34820096A JP H10180814 A JPH10180814 A JP H10180814A
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fixed mold
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮材の周縁部を成形品の表面に露出させず
表皮材の境界を画然とさせ、高品質の部分表皮材貼り成
形品を簡素な構造で且つ安価に製造する。 【解決手段】 表皮材15の周縁部を固定金型1側へ折
り曲げた状態で表皮材15の全周を囲い且つ可動金型2
と固定金型1との間で出入自在な仕切り板6と、この仕
切り板6を出入駆動するアクチュエータ2cとを可動金
型2にそなえ、固定金型1において仕切り板6と対向す
る位置には、仕切り板6の先端幅よりも広い幅を有し且
つ型締め時に仕切り板6の先端が嵌合しうる溝1dを形
成するとともに、溶融樹脂を仕切り板6の内側のキャビ
ティ16aおよび外側のキャビティ16bにそれぞれに
注入する溶融樹脂通路1b,1cを固定金型1に形成
し、これらの溶融樹脂通路1b,1cをそれぞれ開閉す
る開閉機構4,5を固定金型1にそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機等の成
形機の型締め装置に取り付ける金型により、成形品の表
面の一部に、実用上あるいは装飾用に布,皮革等の表皮
材を貼り付けて、部分表皮材貼り成形品を成形するため
の部分表皮材貼り成形用金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等の内装品には樹脂成形による部品
が多用されているが、肌触りを良くするために、布,皮
革等の表皮材を表面の一部に貼り付けられた部分表皮材
貼り成形品も用いられている。このような部分表皮材貼
り成形品は、通常、成形後の成形品に、接着剤を用いて
表皮材を貼り付けて作成されている。しかし、接着剤の
使用を無くし作業能率を向上させるべく、成形工程にお
いて、金型の所定面に予め表皮材を取り付けておき、こ
の表皮材の裏面側に溶融樹脂を射出,充填して、表皮材
の貼り付けと成形とを同時に行ない、部分表皮材貼り成
形品を成形することが要望され、従来、幾つかの手法が
提案されている。
【0003】例えば特開昭60−212312号公報で
は、表皮材を部分的に取り付けて一体成形する手法とし
て、金型を2組設け、第1の金型において表皮材を取り
付け溶融樹脂を射出して中間成形品を作成し、この中間
成形品を第2の金型に移載して、再度、溶融樹脂を射出
して最終成形品を成形する技術が開示されている。しか
し、このような技術では、2組の金型が必要で、中間成
形品を他の金型に移載する必要もあるため、部分表皮材
貼り成形品の成形工程が煩雑になる。
【0004】そこで、特開平7−195431号公報で
は、可動金型を分割して、中型に表皮を取り付け、ここ
に部分的に射出成形を行ない、その後、中型を少しだけ
開いて2次射出を行なって、基本的に1組の金型により
成形品を成形する技術が開示されている。この技術の概
略について、図10を参照しながら説明する。図10に
おいて、30は可動型盤に取り付けられた可動金型、2
0はこの可動金型30に内蔵された加圧手段により金型
30に対して相対的に移動可能な中子金型である。ま
た、10は固定金型で、この固定金型10には、複数の
溶融樹脂ゲート11a−1,11a−2が形成されてい
る。
【0005】これらの金型10,20,30を用いて成
形品を表皮材Hと一体成形する際には、まず、表皮材H
を取り付けた中子金型20を所定位置まで移動して固定
金型10に近づけ、固定金型10の中子金型20用のゲ
ート11a−1から、中子金型20と固定金型10との
間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を充填して成形
を行なう。
【0006】次に、中子金型20の位置を維持したま
ま、可動金型30を閉じ、この可動金型30と固定金型
10との間に形成されたキャビティ内に、可動金型30
用のゲート11a−2から溶融樹脂を注入して成形を行
なう。可動金型30用のゲート11a−2は、中子金型
20用のゲート11a−1よりもタイミングを遅らせて
開くようにし、中子金型20に充填された樹脂が、溝1
2と中子金型20の凸部21との間に形成される隙間に
おいて未固化の状態で止まっている時に、可動金型30
用のゲート11a−2から注入された溶融樹脂が金型キ
ャビティ内を満たし、先に中子金型20側に注入された
樹脂と接触し接合して一体となる。
【0007】なお、図11は、図10により前述した金
型10,20により部分表皮材貼り成形を行なったとき
の表皮材Hの周縁部の状態を示す部分断面図である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の表皮材一体成形技術(特開平7−195431
号)では、溶融樹脂を金型キャビティ内に注入した時
に、図11に示すように表皮材Hの周縁部が溶融樹脂に
押されて不必要な部分の表面に露出してしまい、表皮材
と非表皮貼り部との境界が画然とせず、形状端部のバラ
ツキを生じて、高品質の成形品を得ることができない。
また、可動金型が2つの部分(図10の符号20,30
参照)に分割されているため、金型装置が複雑な構造で
高コストのものになるなどの課題もある。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、表皮材の周縁部を成形品の表面に露出させず
表皮材の境界を画然とさせ、高品質の部分表皮材貼り成
形品を簡素な構造で且つ安価に製造できるようにした、
部分表皮材貼り成形用金型装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の部分表皮材貼り成形用金型装置(請求項
1)は、固定金型と、この固定金型に対向して設置され
固定金型に対して型締め移動する可動金型とから構成さ
れ、可動金型側における固定金型との対向面に表皮材を
取り付けた状態で固定金型と可動金型との型締めを行な
って、表皮材を表面の一部に貼り付けられた部分表皮材
貼り成形品を成形するものであって、可動金型に取り付
けられた表皮材の周縁部を固定金型側へ折り曲げた状態
で表皮材の全周を囲い且つ可動金型と固定金型との間で
出入自在な仕切り板と、この仕切り板を出入駆動するア
クチュエータとを可動金型にそなえ、固定金型において
仕切り板と対向する位置には、仕切り板の先端幅よりも
広い幅を有し且つ型締め時に仕切り板の先端が嵌合しう
る溝を形成するとともに、溶融樹脂を仕切り板内側のキ
ャビティ内に注入する第1の溶融樹脂通路と溶融樹脂を
仕切り板外側のキャビティ内に注入する第2の溶融樹脂
通路とを固定金型に形成し、これらの第1の溶融樹脂通
路および第2の溶融樹脂通路をそれぞれ開閉する第1お
よび第2の開閉機構を固定金型にそなえたことを特徴と
している。
【0011】上述した請求項1記載の部分表皮材貼り成
形用金型装置において、型締め時にアクチュエータに
より仕切り板を固定金型側へ突出させ仕切り板の先端を
溝の底に当接させることにより表皮材を貼り付ける表皮
材貼り形状部分のキャビティを区画し、第1の開閉機
構により第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り板内
側のキャビティ内に溶融樹脂を注入して表皮材貼り形状
部分を成形してから、アクチュエータにより仕切り板
を所定量だけ可動金型側へ引き込み、第2の開閉機構
により第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り板外側
のキャビティ内に溶融樹脂を注入し、仕切り板外側の部
分を表皮材貼り形状部分と一体的に成形してもよい(請
求項2)。
【0012】また、上述した請求項1記載の部分表皮材
貼り成形用金型装置において、可動金型を固定金型に
対して型全閉位置よりも寸開した状態で、アクチュエー
タにより仕切り板を固定金型側へ突出させ仕切り板の先
端を溝の底に当接させることにより表皮材を貼り付ける
表皮材貼り部分のキャビティを区画し、第1の開閉機
構により第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り板内
側のキャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入し、可動
金型を固定金型側へ移動させて型締めを行ない表皮材貼
り部分のみを圧縮成形してから、アクチュエータによ
り仕切り板を所定量だけ可動金型側へ引き込み、第2
の開閉機構により第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕
切り板外側のキャビティ内に溶融樹脂を注入し、仕切り
板外側の部分を表皮材貼り形状部分と一体的に成形して
もよい(請求項3)。
【0013】さらに、上述した請求項1記載の部分表皮
材貼り成形用金型装置において、可動金型を固定金型
に対して型全閉位置よりも寸開した状態で、アクチュエ
ータにより仕切り板を固定金型側へ突出させ仕切り板の
先端を溝の底に当接させることにより表皮材を貼り付け
る表皮材貼り部分のキャビティを区画し、第1の開閉
機構により第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り板
内側のキャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入し、可
動金型を固定金型側へ移動させて型締めを行ない表皮材
貼り部分のみを圧縮成形してから、アクチュエータに
より仕切り板を所定量だけ可動金型側へ引き込むととも
に、再度、可動金型を固定金型に対して寸開し、第2
の開閉機構により第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕
切り板外側のキャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入
し、再度、可動金型を固定金型側へ移動させて型締め
を行ない、仕切り板外側の部分を表皮材貼り形状部分と
一体的に圧縮成形してもよい(請求項4)。
【0014】上述の構成により、本発明の部分表皮材貼
り成形用金型装置(請求項1〜4)では、仕切り板に囲
まれた部分に取り付けられた表皮材の周縁部は仕切り板
により支持されて固定金型側へ折り曲げられており、型
締めして初回の溶融樹脂の注入により成形を行なった後
に仕切り板を可動金型側に引き込むことで、表皮材の周
縁部は、2回目の溶融樹脂の注入により成形品肉厚の中
に巻き込まれることになり、成形品の表面に露出せず、
表皮材と非表皮貼り部との境界が画然としたものにな
る。
【0015】一方、本発明の部分表皮材貼り成形用金型
装置(請求項5)は、固定金型と、この固定金型に対向
して設置され固定金型に対して型締め移動する可動金型
とから構成され、可動金型側における固定金型との対向
面に表皮材を取り付けた状態で固定金型と可動金型との
型締めを行なって、表皮材を表面の一部に貼り付けられ
た部分表皮材貼り成形品を成形するものであって、可動
金型に取り付けられた表皮材の周縁部を固定金型側へ折
り曲げた状態で表皮材の全周を囲う仕切り凸部を可動金
型に形成し、固定金型において仕切り凸部と対向する位
置には、仕切り凸部の先端幅よりも広い幅を有し且つ型
締め時に仕切り凸部の先端と当接しうる摺動部材を、可
動金型の移動方向へ摺動可能にそなえるとともに、この
摺動部材を摺動駆動するアクチュエータを固定金型側に
そなえ、溶融樹脂を仕切り凸部内側のキャビティ内に注
入する第1の溶融樹脂通路と溶融樹脂を仕切り凸部外側
のキャビティ内に注入する第2の溶融樹脂通路とを固定
金型に形成し、これらの第1の溶融樹脂通路および第2
の溶融樹脂通路をそれぞれ開閉する第1および第2の開
閉機構をそなえたことを特徴としてる。
【0016】上述した請求項5記載の部分表皮材貼り成
形用金型装置において、型締め時にアクチュエータに
より摺動部材を可動金型側へ摺動させ仕切り凸部の先端
と当接させることにより表皮材を貼り付ける表皮材貼り
形状部分のキャビティを区画し、第1の開閉機構によ
り第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り凸部内側の
キャビティ内に溶融樹脂を注入して表皮材貼り形状部分
を成形してから、アクチュエータにより摺動部材を所
定量だけ固定金型側へ引き込み、第2の開閉機構によ
り第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り凸部外側の
キャビティ内に溶融樹脂を注入し、仕切り凸部外側の部
分を表皮材貼り形状部分と一体的に成形してもよい(請
求項6)。
【0017】また、上述した請求項5記載の部分表皮材
貼り成形用金型装置において、可動金型を固定金型に
対して型全閉位置よりも寸開した状態で、アクチュエー
タにより摺動部材を可動金型側へ摺動させ仕切り凸部の
先端と当接させることにより表皮材を貼り付ける表皮材
貼り部分のキャビティを区画し、第1の開閉機構によ
り第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り凸部内側の
キャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入し、可動金型
を固定金型側へ移動させて型締めを行ない表皮材貼り部
分のみを圧縮成形してから、アクチュエータにより摺
動部材を所定量だけ固定金型側へ引き込み、第2の開
閉機構により第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り
凸部外側のキャビティ内に溶融樹脂を注入し、仕切り凸
部外側の部分を表皮材貼り形状部分と一体的に成形して
もよい(請求項7)。
【0018】さらに、上述した請求項5記載の部分表皮
材貼り成形用金型装置において、可動金型を固定金型
に対して型全閉位置よりも寸開した状態で、アクチュエ
ータにより摺動部材を可動金型側へ摺動させ仕切り凸部
の先端と当接させることにより表皮材を貼り付ける表皮
材貼り部分のキャビティを区画し、第1の開閉機構に
より第1の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り凸部内側
のキャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入し、可動金
型を固定金型側へ移動させて型締めを行ない表皮材貼り
部分のみを圧縮成形してから、アクチュエータにより
摺動部材を所定量だけ固定金型側へ引き込むとともに、
再度、可動金型を固定金型に対して寸開し、第2の開
閉機構により第2の溶融樹脂通路のみを開放して仕切り
凸部外側のキャビティ内に所定量の溶融樹脂を注入し、
再度、可動金型を固定金型側へ移動させて型締めを行
ない、仕切り凸部外側の部分を表皮材貼り形状部分と一
体的に圧縮成形してもよい(請求項8)。
【0019】上述の構成により、本発明の部分表皮材貼
り成形用金型装置(請求項5〜8)では、仕切り凸部に
囲まれた部分に取り付けられた表皮材の周縁部は仕切り
凸部により支持されて固定金型側へ折り曲げられてお
り、型締めして初回の溶融樹脂の注入により成形を行な
った後に摺動部材を固定金型側に引き込むことで、表皮
材の周縁部は、2回目の溶融樹脂の注入により成形品肉
厚の中に巻き込まれることになり、成形品の表面に露出
せず、表皮材と非表皮貼り部との境界が画然としたもの
になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本発明の実施形態における金型装
置は、射出成形機等の成形機の型締め装置に取り付ける
金型により、成形品の表面の一部に、実用上あるいは装
飾用に表皮材を貼り付けて、部分表皮材貼り成形品を製
造するためのもので、金型キャビティ面に表皮材を取り
付ける作業以降については、金型に設けられた後述の各
種機構と型締め装置(図示省略)が有する機能とにより
全て自動的に行なうものである。
【0021】(a)第1実施形態の説明 図1〜図3は本発明の第1実施形態としての部分表皮材
貼り成形用金型装置を示すもので、図1はその縦断面
図、図2はその可動金型のキャビティ面を示す正面図
(図1のA矢視図)、図3はその固定金型のキャビティ
面を示す正面図(図1のB矢視図)である。また、図4
(A)〜(H)はいずれも第1実施形態の金型装置を用
いて行なわれる部分表皮材貼り成形品の成形工程を説明
するための模式的な縦断面図、図5は第1実施形態の金
型装置により成形された部分表皮材貼り成形品の表皮材
周縁部の状態を示す部分断面図(図11に対応する断面
図)である。
【0022】図1に示すように、第1実施形態の金型装
置は、固定金型1と、この固定金型1に対向して設置さ
れ固定金型1に対して型締め移動する可動金型2とから
構成されており、可動金型2側における固定金型1との
対向面(キャビティ面2A)に表皮材15を取り付けた
状態で固定金型1と可動金型2との型締めを行なって、
表皮材15を表面の一部に貼り付けられた部分表皮材貼
り成形品を成形するものである。
【0023】そして、図1および図2に示すように、可
動金型2には、キャビティ面2A側で開口する一定幅の
スリット状溝2aが、可動金型2に取り付けられる表皮
材15の周縁部の形状に沿って無端状に切り込まれて形
成されるとともに、このスリット状溝2aに連通する8
個の円筒状穴2bが、キャビティ面2Aとは反対側に開
口するように且つスリット状溝2aに沿って略等間隔で
形成されている。これらの円筒状穴2bは、後述する仕
切り板6を成す8枚の部分6a〜6hにそれぞれ対応し
て形成されている。
【0024】スリット状溝2aには、図2に示すよう
に、8枚に分割された仕切り板6(6a〜6h)が、可
動金型2に取り付けられた表皮材15の周縁部を固定金
型1側へ折り曲げた状態で表皮材15の全周を囲うよう
に、且つ、可動金型2と固定金型1との間で出入自在に
挿嵌されている。これらの8枚の仕切り板6a〜6h
は、それぞれ、円筒状穴2bに嵌合する支持棒9の一端
側に対し、ピン17によりピン止めされるとともに、各
支持棒9の他端側は、キャビティ面2Aとは反対側に配
置された仕切り板支持部材7に対して固定されている。
【0025】このとき、前述のごとく、仕切り板6を8
枚の部分6a〜6hに分割し、各部分6a〜6hを、仕
切り板支持部材7に固設された各支持棒9にピン止めす
ることにより、仕切り板6(6a〜6h)をスリット状
溝2aに挿嵌した時に、仕切り板6が厚さ方向と幅方向
との位置の融通が効くように保持され、加工誤差や熱歪
みに起因する、可動金型2のスリット溝2aと仕切り板
6との間の拗れの発生を防止できるようになっている。
【0026】また、可動金型2内には、仕切り板6(6
a〜6h)を出入駆動するための油圧シリンダ(アクチ
ュエータ)2cが形成され、仕切り板支持部材7が、油
圧シリンダ2c内を摺動するピストン2dに、ロッド8
を介して連結されている。従って、ピストン2d前後の
油室に圧油を供給することにより、仕切り板6(6a〜
6h)が、ロッド8,仕切り板支持部材7および各支持
棒9を介し、スリット状溝2aに案内されながら、前後
方向(図1の左右方向)へ即ち金型1,2間のキャビテ
ィ内へ出入駆動されるようになっている。仕切り板6
は、油圧シリンダ2cへの圧油供給の調整を行なうこと
により、随時、適当な位置に停止することができる。
【0027】一方、図1および図3に示すように、固定
金型1のキャビティ面1Aにおいて仕切り板6と対向す
る位置には、一定の深さの溝1dが、成形品に張りつけ
るべき部分表皮材15の外形状に合わせて無端状に形成
されている。この溝1dは、仕切り板6の先端幅よりも
広い幅を有し、且つ、型締め時に可動金型2のキャビテ
ィ面2Aから突出した仕切り板6の先端が嵌合しその底
面に当接するようになっている。
【0028】また、固定金型1の内部には、溶融樹脂通
路1a,1b,1cが形成されている。溶融樹脂通路1
aは、固定金型1のキャビティ面1Aとは反対側の面に
形成された溶融樹脂入口1eに連通するもので、2つに
分岐して、第1の溶融樹脂通路1bおよび第2の溶融樹
脂通路1cにそれぞれゲート弁(第1および第2の開閉
機構)4および5を介して連通接続される。
【0029】第1の溶融樹脂通路1bは、溶融樹脂を仕
切り板6内側のキャビティ16a内に注入するものであ
り、第2の溶融樹脂通路1cは、溶融樹脂を仕切り板6
外側のキャビティ16b内に注入するものである。そし
て、これらの第1の溶融樹脂通路1bおよび第2の溶融
樹脂通路1cは、それぞれ、ゲート弁4および5により
溶融樹脂通路1aに対して接/断されることにより開閉
状態を切り換えられるようになっている。ゲート弁4,
5は、それぞれ、図示省略の駆動機構により開閉駆動さ
れる。
【0030】なお、固定金型1の溶融樹脂入口1eに
は、稼働時に、溶融樹脂を射出する射出ノズル3(図1
の二点鎖線参照)を圧接される。また、図1において
は、固定金型1と可動金型2との型締め時に、仕切り板
6を固定金型1側へ突出させて仕切り板6の先端を溝1
dの底に当接させることにより表皮材15を貼り付ける
表皮材貼り形状部分のキャビティ16aを区画し、この
キャビティ16a内に溶融樹脂を射出した状態〔図4
(B)に対応する状態〕が図示されている。
【0031】次に、上述のごとく構成された本発明の第
1実施形態としての部分表皮材貼り成形用金型装置を用
いて行なわれる部分表皮材貼り成形品の成形工程につい
て、図4(A)〜(H)を参照しながら説明する。ここ
では、本実施形態の金型装置を用いた3通りの成形手法
について説明する。第1の手法について、図4(A)〜
(D)を順に参照しながら説明する。
【0032】まず、図4(A)に示すように、可動金型
2の仕切り板6をキャビティ面2Aから突出させ、仕切
り板6に囲まれた金型キャビティ面2Aに表皮材15を
取り付ける。このときの取付手法としては、真空吸着,
刺しピン,開閉テープ,面ファスナ等による一時的な取
付手法が用いられる。ついで、図4(B)に示すよう
に、可動金型2を固定金型1側へ移動して型締めを行な
い、油圧シリンダ2cにより仕切り板6を固定金型1側
へ突出させ仕切り板6の先端を溝1dの底に当接させる
ことにより表皮材15を貼り付ける表皮材貼り形状部分
のキャビティ16aを区画する。そして、ゲート弁5は
閉じたままゲート弁4のみを開いて溶融樹脂通路1aと
第1の溶融樹脂通路1bとを連通し、仕切り板6内側の
キャビティ16a内に溶融樹脂を注入して表皮材貼り形
状部分を射出成形する。
【0033】この後、図4(C)に示すように、キャビ
ティ16a内の樹脂が固化する前のタイミングで、ゲー
ト弁4を閉じ、油圧シリンダ2cにより仕切り板6を所
定量だけ可動金型2側へ引き込み、仕切り板6の先端と
固定金型1の溝1dとの間に空間を設けてから、ゲート
弁5のみを開いて溶融樹脂通路1aと第2の溶融樹脂通
路1cとを連通し、仕切り板6外側のキャビティ16b
内に溶融樹脂を注入して射出成形を行なう。この工程に
おいて、後から射出された溶融樹脂は、仕切り板6を後
退させた空間を満たし、前に射出した固化前の樹脂と接
し同化する。この後、ゲート弁5を閉じ、溶融樹脂を冷
却・固化し、成形品を離型すると、図4(D)に示すよ
うな、部分表皮材15と一体成形された部分表皮材貼り
成形品が得られることになる。
【0034】第2の手法について、図4(A),
(E),(F),(C),(D)を順に参照しながら説
明する。まず、図4(A)に示すように、前述と同様、
可動金型2の仕切り板6をキャビティ面2Aから突出さ
せ、仕切り板6に囲まれた金型キャビティ面2Aに表皮
材15を取り付ける。
【0035】ついで、図4(E)に示すように、可動金
型2を、固定金型1に対して型全閉位置よりも寸開した
状態にする、つまり小寸度eだけ開いた位置で停止し、
その状態を保ったままで、油圧シリンダ2cにより仕切
り板6を固定金型2側へ突出させ仕切り板6の先端を溝
1dの底に当接させることにより、表皮材15を貼り付
ける表皮材貼り部分のキャビティ16aを区画する。こ
の状態で、ゲート弁5は閉じたままゲート弁4のみを開
いて溶融樹脂通路1aと第1の溶融樹脂通路1bとを連
通し、仕切り板6内側のキャビティ16a内に所定量の
溶融樹脂を注入する。
【0036】そして、図4(F)に示すように、ゲート
弁4を閉じ溶融樹脂通路1bを閉じてから、可動金型2
を矢印で示す方向(型締め方向,図中右方向)に移動し
て、表皮材15を取り付けてあるキャビティ16a内の
溶融樹脂を圧縮成形し、同時に表皮材15の貼り付けを
達成する。この後、図4(C)に示す工程に移行し、前
述と同様、キャビティ16a内の樹脂が固化する前のタ
イミングで、油圧シリンダ2cにより仕切り板6を所定
量だけ可動金型2側へ引き込み、仕切り板6の先端と固
定金型1の溝1dとの間に空間を設けてから、ゲート弁
5のみを開いて溶融樹脂通路1aと第2の溶融樹脂通路
1cとを連通し、仕切り板6外側のキャビティ16b内
に溶融樹脂を注入して射出成形を行なう。この工程にお
いて、後から射出された溶融樹脂は、仕切り板6を後退
させた空間を満たし、前に射出した固化前の樹脂と接し
同化する。この後、ゲート弁5を閉じ、溶融樹脂を冷却
・固化し、成形品を離型する。
【0037】これにより、第2の手法でも、図4(D)
に示すような、部分表皮材15と一体成形された部分表
皮材貼り成形品が得られることになる。また、この第2
の手法では、表皮材15を取り付けてあるキャビティ1
6a内の溶融樹脂を圧縮成形するので、樹脂材と表皮材
15との、より強固な接着を得ることができる。第3の
手法について、図4(A),(E),(F),(G),
(H),(D)を順に参照しながら説明する。
【0038】まず、図4(A)〜(F)に示す状態まで
は、前述した第2の手法と同じであるので、その説明は
省略する。初めに表皮材貼り形状部のキャビティ16a
のみを圧縮成形し、半固化した図4(F)に示す状態か
ら、次に、図4(G)に示すように、油圧シリンダ2c
により仕切り板6を所定量だけ可動金型2側へ引き込む
とともに、再度、可動金型2を固定金型1に対して寸法
eだけ寸開し、ゲート弁5のみを開いて溶融樹脂通路1
aと第2の溶融樹脂通路1cとを連通し、仕切り板6外
側のキャビティ16b内に所定量の溶融樹脂を注入す
る。
【0039】この後、図4(H)に示すように、ゲート
弁5を閉じて第2の溶融樹脂通路1cを閉とし、再度、
可動金型2を固定金型1側へ移動させて型締め側に移動
し、仕切り板6外側のキャビティ16bの溶融樹脂を圧
縮成形する。これにより、図4(D)に示すような、部
分表皮材15と一体成形された部分表皮材貼り成形品が
得られることになる。この第3の手法では、表皮材15
を取り付けてあるキャビティ16a内およびそれ以外の
キャビティ16b内の溶融樹脂を圧縮成形するので、樹
脂材と表皮材15とのより強固な接着が得られるととも
に、歪みの少ない成形品を得ることができる。
【0040】上述の各手法により成形された部分表皮材
貼り成形品の表皮材周縁部の状態を図5に示す。従来の
中子式金型(仕切り板が固定のもの)による成形品は、
図11にも示したように表皮材の周縁が仕切り板部分
(凸部21)を越えて成形品の表面に露出するため、表
皮材のトリミング形状,取付誤差,成形作業中のずれ等
により、商品価値が低下し、製品の歩留まりが悪くなる
おそれがある。
【0041】これに対して、本実施形態によれば、2段
目の射出成形の前に、仕切り板6を引き込める作用を有
しているため、2回目に射出された溶融樹脂は表皮材1
5の周縁を巻き込んで、図5に示すように、表皮材15
の周縁が成形品の表面には露出せず、表皮材15と非表
皮材貼り部との境界が画然としたものになる。従って、
高品質の部分表皮材貼り成形品を簡素な構造で且つ安価
に製造することができる。
【0042】また、表皮材15の取付位置が余程ずれな
い限り、成形品に貼り付けられた表皮材15の見栄えは
よくなるので、布類の裁断精度を厳しくしなくても、部
分表皮材貼り成形品の品質が大幅に向上する。さらに、
ゲート弁4および5を用いて溶融樹脂通路1b,1cを
それぞれ開閉することにより、複数の金型や複数の成形
機を用いることなく、1台の成形機と1組の金型1,2
とを使用して部分表皮材貼り成形と圧縮成形とを極めて
容易に行なえる利点もある。
【0043】(b)第2実施形態の説明 図6〜図9は本発明の第2実施形態としての部分表皮材
貼り成形用金型装置を示すもので、図6はその縦断面
図、図7はその可動金型のキャビティ面を示す正面図
(図6のC矢視図)、図8はその固定金型のキャビティ
面を示す正面図(図6のD矢視図)、図9は図6のE−
E矢視断面図である。
【0044】図6に示すように、第2実施形態の金型装
置も、固定金型27と、この固定金型27に対向して設
置され固定金型27に対して型締め移動する可動金型2
6とから構成されており、可動金型26側における固定
金型27との対向面(キャビティ面26A)に表皮材1
5を取り付けた状態で固定金型27と可動金型26との
型締めを行なって、表皮材15を表面の一部に貼り付け
られた部分表皮材貼り成形品を成形するものである。
【0045】そして、図6および図7に示すように、可
動金型26には、一定高さの仕切り凸部26aが形成さ
れている。この仕切り凸部26aは、可動金型26のキ
ャビティ26Aに取り付けられた表皮材15の周縁部を
固定金型27側へ折り曲げた状態で表皮材15の全周を
囲うように形成されている。また、図6および図8に示
すように、固定金型27において仕切り凸部26aと対
向する位置には、仕切り凸部26aの先端幅よりも広い
幅を有し且つ型締め時に仕切り凸部26aの先端と当接
しうる摺動部材34(34a〜34h)が、可動金型2
6の移動方向(型締め方向)へ摺動可能にそなえられて
いる。
【0046】つまり、キャビティ面27A側で開口する
一定幅(ほぼ摺動部材34の幅)のスリット状溝27a
が、可動金型26に取り付けられる表皮材15の周縁部
の形状に沿って無端状に切り込まれて形成されるととも
に、このスリット状溝27aに連通する8個の円筒状穴
27bが、キャビティ面27Aとは反対側に開口するよ
うに且つスリット状溝27aに沿って略等間隔で形成さ
れている。これらの円筒状穴27bは、後述する摺動部
材34を成す8個の部分34a〜34hにそれぞれ対応
して形成されている。
【0047】スリット状溝27aには、図8に示すよう
に、8個に分割された摺動部材34(34a〜34h)
が、可動金型26の移動方向へ摺動可能に挿嵌されてい
る。摺動部材34が、可動金型26側へ移動(前進)し
た時には、可動金型26の仕切り凸部26aの先端に当
接するようになっている(図6の実線参照)。この摺動
部材34を成す各部分34a〜34hは、円筒状穴27
bに嵌合する支持棒35の一端側に固設されるととも
に、各支持棒35の他端側は、キャビティ面27Aとは
反対側に配置された摺動部材支持板32に対して連結さ
れている。このとき、図9に示すように、各支持棒35
の他端側にはリング状溝35aが形成されており、この
リング状溝35aを、摺動部材支持板32の周縁部に形
成された切り欠き穴32aに係合させることにより、各
支持棒35は、型締め方向を拘束されながら摺動部材支
持板32に支持される。
【0048】ところで、第2実施形態では、固定金型2
7は、固定金型支持部材25に固設されて支持されてお
り、これらの固定金型27と固定金型支持部材25との
間に形成された空間内に、前述した摺動部材支持板32
が型締め方向へ移動可能にそなえられている。そして、
固定金型支持部材25には、摺動部材34(34a〜3
4h)を摺動駆動するための油圧シリンダ(アクチュエ
ータ)25dが形成され、摺動部材支持板32が、油圧
シリンダ25d内を摺動するピストン25eに、ロッド
33を介して連結されている。従って、ピストン25e
前後の油室に圧油を供給することにより、摺動部材34
(34a〜34h)が、ロッド33,摺動部材支持板3
2および各支持棒35を介し、スリット状溝27aに案
内されながら、前後方向(図6の左右方向)へ摺動駆動
されるようになっている。摺動部材34は、油圧シリン
ダ25dへの圧油供給の調整を行なうことにより、随
時、適当な位置に停止することができる。なお、図6に
おいて、摺動部材34が油圧シリンダ25dにより更新
駆動され、摺動部材34の先端が可動金型26の仕切り
凸部26aから離れた状態を、二点鎖線で示す。
【0049】一方、図6,図8および図9に示すよう
に、固定金型支持部材25の内部には、溶融樹脂通路2
5a,25b,25cが形成されている。溶融樹脂通路
25aは、固定金型支持部材25の固定金型27とは反
対側の面に形成された溶融樹脂入口25fに連通するも
ので、第1の溶融樹脂通路25bおよび第2の溶融樹脂
通路25cにそれぞれゲート弁(第1および第2の開閉
機構)4および5を介して連通接続される。
【0050】また、固定金型支持部材25の第1の溶融
樹脂通路25bは、固定金型27の内部に形成された第
1の溶融樹脂通路27dに連通接続され、これらの溶融
樹脂通路25bおよび27dにより、溶融樹脂が仕切り
凸部26a内側のキャビティ36a内に注入されるよう
になっている。同様に、固定金型支持部材25の第2の
溶融樹脂通路25cは、固定金型27の内部に形成され
た第2の溶融樹脂通路27cに連通接続され、これらの
溶融樹脂通路25cおよび27cにより、溶融樹脂が仕
切り凸部26a外側のキャビティ36b内に注入される
ようになっている。そして、これらの第1の溶融樹脂通
路25b,27dおよび第2の溶融樹脂通路25c,2
7cは、それぞれ、ゲート弁4および5により溶融樹脂
通路25aに対して接/断されることにより開閉状態を
切り換えられるようになっている。ゲート弁4,5は、
それぞれ、図示省略の駆動機構により開閉駆動される。
【0051】なお、固定金型支持部材25の溶融樹脂入
口25fには、稼働時に、溶融樹脂を射出する射出ノズ
ル3(図6の二点鎖線参照)を圧接される。また、図6
においては、固定金型27と可動金型26との型締め時
に、仕切り凸部26aに摺動部材34を当接させること
により表皮材15を貼り付ける表皮材貼り形状部分のキ
ャビティ36aを区画し、このキャビティ36a内に溶
融樹脂を射出した状態が図示されている。
【0052】上述のごとく構成された本発明の第2実施
形態としての部分表皮材貼り成形用金型装置を用いて
も、第1実施形態において前述した3通りの成形手法と
同様の手順により、部分表皮材貼り成形を行なうことが
できる。第1実施形態と第2実施形態との違いは、型締
め/溶融樹脂射出工程において、部分表皮材貼り付け部
分を囲って仕切る際に、第1実施形態では仕切り板6を
出入駆動するのに対し、第2実施形態では摺動部材34
を摺動駆動する点のみであり、それ以外については、図
4(A)〜(H)に示した工程とほぼ同様にして行なわ
れる。
【0053】つまり、第1の手法では、まず、可動金型
26の仕切り凸部26aに囲まれた金型キャビティ面2
6Aに表皮材15を取り付ける〔図4(A)に示す工程
に対応〕。このときの取付手法としては、真空吸着,刺
しピン,開閉テープ,面ファスナ等による一時的な取付
手法が用いられる。ついで、可動金型26を固定金型2
7側へ移動して型締めを行ない、油圧シリンダ25dに
より摺動部材34を可動金型26側へ摺動させ仕切り凸
部26aの先端と当接させることにより表皮材15を貼
り付ける表皮材貼り形状部分のキャビティ36aを区画
する。そして、ゲート弁5は閉じたままゲート弁4のみ
を開いて溶融樹脂通路25aと第1の溶融樹脂通路25
b,27dとを連通し、仕切り凸部26a内側のキャビ
ティ36a内に溶融樹脂を注入して表皮材貼り形状部分
を射出成形する〔図4(B)に示す工程に対応〕。
【0054】この後、キャビティ36a内の樹脂が固化
する前のタイミングで、ゲート弁4を閉じ、油圧シリン
ダ25dにより摺動部材34を所定量だけ固定金型27
側へ引き込み、仕切り凸部26aの先端と摺動部材34
との間に空間を設けてから、ゲート弁5のみを開いて溶
融樹脂通路25aと第2の溶融樹脂通路25c,27c
とを連通し、仕切り凸部26a外側のキャビティ36b
内に溶融樹脂を注入して射出成形を行なう。この工程に
おいて、後から射出された溶融樹脂は、摺動部材34を
後退させた空間を満たし、前に射出した固化前の樹脂と
接し同化する〔図4(C)に示す工程に対応〕。この
後、ゲート弁5を閉じ、溶融樹脂を冷却・固化し、成形
品を離型すると、第1実施形態と同様、図4(D)に示
すような、部分表皮材15と一体成形された部分表皮材
貼り成形品が得られることになる。
【0055】次に、第2の手法について説明する。ま
ず、前述と同様、可動金型26の仕切り凸部26aに囲
まれた金型キャビティ面26Aに表皮材15を取り付け
る〔図4(A)に示す工程に対応〕。ついで、可動金型
26を、固定金型27に対して型全閉位置よりも寸開し
た状態で、油圧シリンダ25dにより摺動部材34を可
動金型26側へ摺動させ仕切り凸部26aの先端と当接
させることにより、表皮材15を貼り付ける表皮材貼り
部分のキャビティ36aを区画する。この状態で、ゲー
ト弁5は閉じたままゲート弁4のみを開いて溶融樹脂通
路25aと第1の溶融樹脂通路25b,27dとを連通
し、仕切り凸部26a内側のキャビティ36a内に所定
量の溶融樹脂を注入する〔図4(E)に示す工程に対
応〕。
【0056】そして、ゲート弁4を閉じ溶融樹脂通路2
5b,27dを閉じてから、可動金型26を型締め方向
へ移動して、表皮材15を取り付けてあるキャビティ3
6a内の溶融樹脂を圧縮成形し、同時に表皮材15の貼
り付けを達成する〔図4(F)に示す工程に対応〕。こ
の後、前述した第1の手法と同様、キャビティ36a内
の樹脂が固化する前のタイミングで、油圧シリンダ25
dにより摺動部材34を所定量だけ固定金型27側へ引
き込み、仕切り凸部26aの先端と摺動部材34との間
に空間を設けてから、ゲート弁5のみを開いて溶融樹脂
通路25aと第2の溶融樹脂通路25c,27cとを連
通し、仕切り凸部26a外側のキャビティ36b内に溶
融樹脂を注入して射出成形を行なう〔図4(C)に示す
工程に対応〕。この工程において、後から射出された溶
融樹脂は、摺動部材34を後退させた空間を満たし、前
に射出した固化前の樹脂と接し同化する。この後、ゲー
ト弁5を閉じ、溶融樹脂を冷却・固化し、成形品を離型
する。
【0057】これにより、第2の手法でも、図4(D)
に示すような、部分表皮材15と一体成形された部分表
皮材貼り成形品が得られることになる。また、この第2
の手法では、表皮材15を取り付けてあるキャビティ3
6a内の溶融樹脂を圧縮成形するので、樹脂材と表皮材
15との、より強固な接着を得ることができる。さら
に、第3の手法について説明する。
【0058】まず、この第3の手法でも、表皮材15を
取り付けてあるキャビティ36a内の溶融樹脂を圧縮成
形し、同時に表皮材15の貼り付けを達成するまでは、
前述した第2の手法と全く同じであるので、その説明は
省略する〔図4(A),(E),(F)に示す工程に対
応〕。初めに表皮材貼り形状部のキャビティ36aのみ
を圧縮成形し、半固化した状態から、次に、油圧シリン
ダ25dにより摺動部材34を所定量だけ固定金型27
側へ引き込むとともに、再度、可動金型26を固定金型
27に対して寸開し、ゲート弁5のみを開いて溶融樹脂
通路25aと第2の溶融樹脂通路25c,27cとを連
通し、仕切り凸部26a外側のキャビティ36b内に所
定量の溶融樹脂を注入する〔図4(G)に示す工程に対
応〕。
【0059】この後、ゲート弁5を閉じて第2の溶融樹
脂通路25c,27cを閉とし、再度、可動金型26を
固定金型27側へ移動させて型締め側に移動し、仕切り
凸部26a外側のキャビティ36bの溶融樹脂を圧縮成
形する〔図4(H)に示す工程に対応〕。これにより、
図4(D)に示すような、部分表皮材15と一体成形さ
れた部分表皮材貼り成形品が得られることになる。この
第3の手法では、表皮材15を取り付けてあるキャビテ
ィ36a内およびそれ以外のキャビティ36b内の溶融
樹脂を圧縮成形するので、樹脂材と表皮材15とのより
強固な接着が得られるとともに、歪みの少ない成形品を
得ることができる。
【0060】このようにして、本発明の第2実施形態に
よっても、図5に示すように、表皮材15の周縁が成形
品の表面には露出せず、表皮材15と非表皮材貼り部と
の境界が画然としたものになり、第1実施形態と全く同
様の作用効果を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の部分表皮
材貼り成形用金型装置(請求項1〜8)によれば、表皮
材の周縁部が、成形品肉厚の中に巻き込まれることにな
り、成形品の表面に露出せず、表皮材と非表皮貼り部と
の境界が画然としたものになるので、高品質の部分表皮
材貼り成形品を簡素な構造で且つ安価に製造することが
できる。
【0062】また、本発明によれば、表皮材の取付位置
が余程ずれない限り、成形品に貼り付けられた表皮材の
見栄えはよくなるので、布類の裁断精度を厳しくしなく
ても、部分表皮材貼り成形品の品質が大幅に向上する。
さらに、本発明によれば、第1および第2の開閉機構を
用いて第1および第2の溶融樹脂通路をそれぞれ開閉す
ることにより、複数の金型や複数の成形機を用いること
なく、1台の成形機と1組の金型(本発明の金型装置)
とを使用して部分表皮材貼り成形と圧縮成形とを極めて
容易に行なえる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての部分表皮材貼り
成形用金型装置を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態における可動金型のキャビティ面
を示す正面図(図1のA矢視図)である。
【図3】第1実施形態における固定金型のキャビティ面
を示す正面図(図1のB矢視図)である。
【図4】(A)〜(H)はいずれも第1実施形態の金型
装置を用いて行なわれる部分表皮材貼り成形品の成形工
程を説明するための模式的な縦断面図である。
【図5】第1実施形態の金型装置により成形された部分
表皮材貼り成形品の表皮材周縁部の状態を示す部分断面
図(図11に対応する断面図)である。
【図6】本発明の第2実施形態としての部分表皮材貼り
成形用金型装置を示す縦断面図である。
【図7】第2実施形態における可動金型のキャビティ面
を示す正面図(図6のC矢視図)である。
【図8】第2実施形態における固定金型のキャビティ面
を示す正面図(図6のD矢視図)である。
【図9】図6のE−E矢視断面図である。
【図10】従来の部分表皮材貼り成形用金型装置を示す
縦断面図である。
【図11】従来の金型装置により部分表皮材貼り成形を
行なったときの表皮材周縁部の状態を示す部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 固定金型 1A キャビティ面 1b 第1の溶融樹脂通路 1c 第2の溶融樹脂通路 1d 溝 2 可動金型 2A キャビティ面 2d 油圧シリンダ(アクチュエータ) 4 ゲート弁(第1の開閉機構) 5 ゲート弁(第2の開閉機構) 6,6a〜6h 仕切り板 15 表皮材 16a,16b キャビティ 25 固定金型支持部材 25b 第1の溶融樹脂通路 25c 第2の溶融樹脂通路 25d 油圧シリンダ(アクチュエータ) 26 可動金型 26A キャビティ面 26a 仕切り凸部 27 固定金型 27A キャビティ面 27c 第2の溶融樹脂通路 27d 第1の溶融樹脂通路 34,34a〜34h 摺動部材 36a,36b キャビティ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定金型と、該固定金型に対向して設置
    され該固定金型に対して型締め移動する可動金型とから
    構成され、該可動金型側における該固定金型との対向面
    に表皮材を取り付けた状態で該固定金型と該可動金型と
    の型締めを行なって、該表皮材を表面の一部に貼り付け
    られた部分表皮材貼り成形品を成形する金型装置であっ
    て、 該可動金型に取り付けられた該表皮材の周縁部を該固定
    金型側へ折り曲げた状態で該表皮材の全周を囲い且つ該
    可動金型と該固定金型との間で出入自在な仕切り板と、
    該仕切り板を出入駆動するアクチュエータとが該可動金
    型にそなえられ、 該固定金型において該仕切り板と対向する位置には、該
    仕切り板の先端幅よりも広い幅を有し且つ型締め時に該
    仕切り板の先端が嵌合しうる溝が形成されるとともに、 溶融樹脂を該仕切り板内側のキャビティ内に注入する第
    1の溶融樹脂通路と、溶融樹脂を該仕切り板外側のキャ
    ビティ内に注入する第2の溶融樹脂通路とが該固定金型
    に形成され、 これらの第1の溶融樹脂通路および第2の溶融樹脂通路
    をそれぞれ開閉する第1および第2の開閉機構が該固定
    金型にそなえられていることを特徴とする、部分表皮材
    貼り成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 型締め時に該アクチュエータにより該仕
    切り板を該固定金型側へ突出させ該仕切り板の先端を該
    溝の底に当接させることにより該表皮材を貼り付ける表
    皮材貼り形状部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板内側のキャビティ内に溶融樹脂を注入
    して該表皮材貼り形状部分を成形してから、 該アクチュエータにより該仕切り板を所定量だけ該可動
    金型側へ引き込み、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板外側のキャビティ内に溶融樹脂を注入
    し、該仕切り板外側の部分を該表皮材貼り形状部分と一
    体的に成形することを特徴とする、請求項1記載の部分
    表皮材貼り成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 該可動金型を該固定金型に対して型全閉
    位置よりも寸開した状態で、該アクチュエータにより該
    仕切り板を該固定金型側へ突出させ該仕切り板の先端を
    該溝の底に当接させることにより該表皮材を貼り付ける
    表皮材貼り部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板内側のキャビティ内に所定量の溶融樹
    脂を注入し、 該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを行な
    い、該表皮材貼り部分のみを圧縮成形してから、 該アクチュエータにより該仕切り板を所定量だけ該可動
    金型側へ引き込み、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板外側のキャビティ内に溶融樹脂を注入
    し、該仕切り板外側の部分を該表皮材貼り形状部分と一
    体的に成形することを特徴とする、請求項1記載の部分
    表皮材貼り成形用金型装置。
  4. 【請求項4】 該可動金型を該固定金型に対して型全閉
    位置よりも寸開した状態で、該アクチュエータにより該
    仕切り板を該固定金型側へ突出させ該仕切り板の先端を
    該溝の底に当接させることにより該表皮材を貼り付ける
    表皮材貼り部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板内側のキャビティ内に所定量の溶融樹
    脂を注入し、 該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを行な
    い、該表皮材貼り部分のみを圧縮成形してから、 該アクチュエータにより該仕切り板を所定量だけ該可動
    金型側へ引き込むとともに、再度、該可動金型を該固定
    金型に対して寸開し、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り板外側のキャビティ内に所定量の溶融樹
    脂を注入し、 再度、該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを
    行ない、該仕切り板外側の部分を該表皮材貼り形状部分
    と一体的に圧縮成形することを特徴とする、請求項1記
    載の部分表皮材貼り成形用金型装置。
  5. 【請求項5】 固定金型と、該固定金型に対向して設置
    され該固定金型に対して型締め移動する可動金型とから
    構成され、該可動金型側における該固定金型との対向面
    に表皮材を取り付けた状態で該固定金型と該可動金型と
    の型締めを行なって、該表皮材を表面の一部に貼り付け
    られた部分表皮材貼り成形品を成形する金型装置であっ
    て、 該可動金型に取り付けられた該表皮材の周縁部を該固定
    金型側へ折り曲げた状態で該表皮材の全周を囲う仕切り
    凸部が該可動金型に形成され、 該固定金型において該仕切り凸部と対向する位置には、
    該仕切り凸部の先端幅よりも広い幅を有し且つ型締め時
    に該仕切り凸部の先端と当接しうる摺動部材が、該可動
    金型の移動方向へ摺動可能にそなえられるとともに、該
    摺動部材を摺動駆動するアクチュエータが該固定金型側
    にそなえられ、 溶融樹脂を該仕切り凸部内側のキャビティ内に注入する
    第1の溶融樹脂通路と、溶融樹脂を該仕切り凸部外側の
    キャビティ内に注入する第2の溶融樹脂通路とが該固定
    金型に形成され、 これらの第1の溶融樹脂通路および第2の溶融樹脂通路
    をそれぞれ開閉する第1および第2の開閉機構がそなえ
    られていることを特徴とする、部分表皮材貼り成形用金
    型装置。
  6. 【請求項6】 型締め時に該アクチュエータにより該摺
    動部材を該可動金型側へ摺動させ該仕切り凸部の先端と
    当接させることにより該表皮材を貼り付ける表皮材貼り
    形状部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部内側のキャビティ内に溶融樹脂を注
    入して該表皮材貼り形状部分を成形してから、 該アクチュエータにより該摺動部材を所定量だけ該固定
    金型側へ引き込み、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部外側のキャビティ内に溶融樹脂を注
    入し、該仕切り凸部外側の部分を該表皮材貼り形状部分
    と一体的に成形することを特徴とする、請求項1記載の
    部分表皮材貼り成形用金型装置。
  7. 【請求項7】 該可動金型を該固定金型に対して型全閉
    位置よりも寸開した状態で、該アクチュエータにより該
    摺動部材を該可動金型側へ摺動させ該仕切り凸部の先端
    と当接させることにより該表皮材を貼り付ける表皮材貼
    り部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部内側のキャビティ内に所定量の溶融
    樹脂を注入し、 該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを行な
    い、該表皮材貼り部分のみを圧縮成形してから、 該アクチュエータにより該摺動部材を所定量だけ該固定
    金型側へ引き込み、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部外側のキャビティ内に溶融樹脂を注
    入し、該仕切り凸部外側の部分を該表皮材貼り形状部分
    と一体的に成形することを特徴とする、請求項1記載の
    部分表皮材貼り成形用金型装置。
  8. 【請求項8】 該可動金型を該固定金型に対して型全閉
    位置よりも寸開した状態で、該アクチュエータにより該
    摺動部材を該可動金型側へ摺動させ該仕切り凸部の先端
    と当接させることにより該表皮材を貼り付ける表皮材貼
    り部分のキャビティを区画し、 該第1の開閉機構により該第1の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部内側のキャビティ内に所定量の溶融
    樹脂を注入し、 該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを行な
    い、該表皮材貼り部分のみを圧縮成形してから、 該アクチュエータにより該摺動部材を所定量だけ該固定
    金型側へ引き込むとともに、再度、該可動金型を該固定
    金型に対して寸開し、 該第2の開閉機構により該第2の溶融樹脂通路のみを開
    放して該仕切り凸部外側のキャビティ内に所定量の溶融
    樹脂を注入し、 再度、該可動金型を該固定金型側へ移動させて型締めを
    行ない、該仕切り凸部外側の部分を該表皮材貼り形状部
    分と一体的に圧縮成形することを特徴とする、請求項1
    記載の部分表皮材貼り成形用金型装置。
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