JPH10180940A - 模様を有する樹脂成形物およびその製造方法 - Google Patents

模様を有する樹脂成形物およびその製造方法

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JPH10180940A
JPH10180940A JP8346091A JP34609196A JPH10180940A JP H10180940 A JPH10180940 A JP H10180940A JP 8346091 A JP8346091 A JP 8346091A JP 34609196 A JP34609196 A JP 34609196A JP H10180940 A JPH10180940 A JP H10180940A
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JP
Japan
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resin
resin molded
molded product
resin layer
natural stone
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Application number
JP8346091A
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English (en)
Inventor
Masaaki Fundou
正昭 分銅
Minoru Ikeda
稔 池田
Itsuki Otani
厳 大谷
Takahiro Tsumori
隆弘 津守
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒状天然石を含む樹脂成形物において、優れ
た表面硬度と意匠性を維持しながら、成形性を向上で
き、かつ、曲げ強さ、耐衝撃性、耐熱性等の物性を向上
させることができる模様を有する樹脂成形物およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂成形物10は、多数の粒状天然石1
…を含み、該粒状天然石1…が樹脂成形物10の厚み方
向の一方に偏在している。これにより、樹脂成形物10
における粒状天然石1…が偏在している側の面における
意匠性と表面硬度を保ったまま、粒状天然石1…の量を
削減する。また、樹脂成形物10における粒状天然石1
…が偏在している側と反対側の部分における曲げ強さ、
耐衝撃性、耐熱性等の物性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒状天然石を含む
模様を有する樹脂成形物、およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、石模様を有する樹脂成形物と
して、多数の粒状物を含む樹脂成形物が知られている。
例えば、特公昭55−51734号公報には、透明なゲ
ルコート層と、増粘成形されたモールディングコンパウ
ンドからなるバックアップ形成層との間に、粒子状成形
素材をシート化した模様形成層を介在させて、熱圧成形
してなる合成樹脂成形体が開示されている。上記合成樹
脂成形体においては、粒子状成形素材として、増粘後の
モールディングコンパウンドを粉砕して粒子化したもの
(樹脂粒子)が用いられている。
【0003】また、特開平7−9469号公報には、成
形型内に、加飾用粒状物によって加飾模様が形成された
シートモールディングコンパウンドと、単色のシートモ
ールディングコンパウンドとを積層して圧縮成形してな
る模様付き成形品が開示されている。上記成形品におい
ては、模様を形成する加飾用粒状物として、着色雲母、
金属粉等の無機材料や、繊維強化樹脂や樹脂チップ等の
有機材料を砕いたり、削ったりしたもの(樹脂粒子)が
用いられている。
【0004】このような多数の粒状物を含む樹脂成形物
においては、天然石に近い石模様を形成するためには、
天然石に近い色調の粒状物を用い、かつ、粒径や色調の
異なる多種の粒状物を用いる必要がある。しかしなが
ら、上記各公報に記載のように、粒状物として、樹脂粒
子や、着色雲母、金属粉を用いた場合には、粒状物を天
然石に近い色調に着色し、かつ、異なる色調に着色した
多種の粒状物を調製する必要があり、粒状物の調製に手
間がかかる。
【0005】そこで、従来より、多数の粒状天然石を樹
脂中に均一に分散させた樹脂成形物が用いられている。
これにより、粒状物を着色する必要がなくなり、粒状物
の調製の手間を省くことができる。また、樹脂成形物の
表面に、天然石の模様により近い意匠性の高い模様を形
成できる。さらに、表面硬度に優れた粒状天然石を含む
ことにより、樹脂成形物の表面硬度を向上させることが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多数の粒
状天然石を含む樹脂成形物においては、意匠性の高い模
様を形成し、樹脂成形物の表面硬度を向上させるために
は、樹脂成形物表面における粒状天然石の露出部分の面
積を広くする必要がある。しかしながら、上記従来の樹
脂成形物では、粒状天然石が樹脂中に均一に分散してい
るので、粒状天然石の露出部分を広くするためには、粒
状天然石の含有量を多くしなければならない。このた
め、上記従来の樹脂成形物は、成形に用いる材料の流動
性が悪く、成形が困難であった。
【0007】また、上記従来の樹脂成形物では、意匠性
および表面硬度を向上させるために、天然石の含有量を
多くすると、特に板厚が比較的薄い(例えば、8mm)
場合に、曲げ強さ、耐衝撃性、耐熱性等の物性が不十分
となるという問題点も生じていた。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、粒状天然石を含む模様を有
する樹脂成形物において、優れた表面硬度と意匠性を維
持しながら、成形性を向上でき、かつ、曲げ強さ、耐衝
撃性、耐熱性等の物性を向上させることができる樹脂成
形物およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく、粒状天然石を含む模様を有する樹脂成
形物について鋭意検討した。その結果、上記樹脂成形物
において、粒状天然石を樹脂成形物の厚み方向の一方に
偏在させることにより、優れた表面硬度と意匠性を維持
しながら、成形性を向上でき、かつ、曲げ強さ、耐衝撃
性、耐熱性等の物性を向上させることができることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明の模様を有する
樹脂成形物は、上記の課題を解決するために、粒状天然
石を含む樹脂成形物であって、該粒状天然石が樹脂成形
物の厚み方向の一方に偏在していることを特徴としてい
る。
【0011】上記構成によれば、粒状天然石を樹脂中に
均一に分散させた従来の樹脂成形物に対して、該粒状天
然石が偏在している側の面における意匠性と表面硬度を
保ったまま、粒状天然石の量を削減できる。これによ
り、成形時の流動性(即ち、成形材料の流動性)が向上
し、成形性を向上させることができる。
【0012】また、上記構成によれば、該粒状天然石が
偏在している側と反対側には、粒状天然石が含まれない
部分、あるいは、粒状天然石の含有率の極めて低い部分
が形成されるので、その部分における曲げ強さ、耐衝撃
性、耐熱性等の物性が向上する。これにより、従来の樹
脂成形物に対して、曲げ強さ、耐衝撃性、耐熱性等の物
性を向上させることができる。
【0013】請求項2記載の発明の模様を有する樹脂成
形物は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の
模様を有する樹脂成形物において、粒状天然石が樹脂成
形物表面に露出している露出面を有し、粒状天然石の露
出部の面積の合計が、該露出面全体の面積に対して30
%以上であることを特徴としている。
【0014】上記構成によれば、粒状天然石が樹脂成形
物表面に露出している露出面における意匠性および表面
硬度に優れた樹脂成形物を提供することができる。
【0015】また、上記構成においては、粒状天然石の
露出部の面積の合計が、該露出面全体の面積に対して5
0%以上であるのが、より好ましい。これにより、樹脂
成形物の露出面における意匠性および表面硬度をさらに
向上させることができる。
【0016】請求項3記載の発明の模様を有する樹脂成
形物は、上記の課題を解決するために、粒状天然石を含
む第1樹脂層に対して、第1樹脂層よりも強度の高い第
2樹脂層が接合されてなることを特徴としている。
【0017】上記構成によれば、第1樹脂層が、より強
度の高い第2樹脂層によって補強されるので、粒状天然
石を含む樹脂層のみからなる樹脂成形物と比較して、曲
げ強さ等の機械的強度を向上させることができる。ま
た、第2樹脂層における粒状天然石の体積含有率を第1
樹脂層よりも少なくすることができ、曲げ強さ、耐衝撃
性、耐熱性等の物性を向上させることができる。
【0018】また、上記構成において、第2樹脂層は、
第1樹脂層と同色系であることが好ましい。これによ
り、第1樹脂層と第2樹脂層との接合面が目立ちにくく
なり、外観がさらに向上する。
【0019】また、上記構成において、第2樹脂層は、
樹脂粒子を含んでいてもよい。即ち、上記構成におい
て、第2樹脂層は、第1樹脂層と同色系であり、かつ、
樹脂粒子を含んでいてもよいし、樹脂粒子のみが含まれ
ていてもかまわない。これによっても、第1樹脂層と第
2樹脂層との接合面がより一層目立ちにくくなり、外観
が向上する。
【0020】請求項4記載の発明の模様を有する樹脂成
形物は、上記の課題を解決するために、請求項3記載の
模様を有する樹脂成形物において、第1樹脂層と第2樹
脂層との接合面が起伏し、かつ、第1樹脂層に含まれる
粒状天然石の一部が第2樹脂層に食い込んでいることを
特徴としている。
【0021】上記構成によれば、第1樹脂層に含まれる
粒状天然石の一部が第2樹脂層に食い込んでいるので、
第2樹脂層に食い込んだ粒状天然石によって第1樹脂層
と第2樹脂層とが強固に結合される現象、即ち、いわゆ
るアンカー効果によって、剥離強度が向上する。また、
上記構成によれば、第1樹脂層の厚みよりも大きい粒径
を有する粒状天然石を含むことができる。
【0022】請求項5記載の発明の模様を有する樹脂成
形物は、上記の課題を解決するために、粒状天然石を含
む樹脂成形物であって、耐熱温度が150℃以上、曲げ
強さが4kgf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試
験における50%破壊高さが厚み1mm当たり6cm以
上であることを特徴としている。
【0023】上記構成によれば、耐熱性、曲げ強さ、お
よび耐衝撃性を要求される分野に好適な模様を有する樹
脂成形物を提供することができる。
【0024】請求項6記載の発明の模様を有する樹脂成
形物は、上記の課題を解決するために、粒状天然石を含
む第1樹脂層と、第1樹脂層よりも強度の高い第2樹脂
層とからなり、第2樹脂層が、裏面のみに露出している
ことを特徴としている。
【0025】上記構成によれば、第2樹脂層が、裏面の
みに露出している。これにより、上記樹脂成形物は、例
えば、第2樹脂層が露出した裏面を壁や床に密着させて
用いると、どの方向から見ても、石模様を有する第1樹
脂層しか見えなくなるので、接合面が見えず、さらに意
匠性が向上する。
【0026】請求項7記載の発明の模様を有する樹脂成
形物の製造方法は、上記の課題を解決するために、粒状
天然石と硬化性樹脂とを含む第1樹脂組成物と、硬化性
樹脂を含み、かつ、硬化後における強度が第1樹脂組成
物よりも高い第2樹脂組成物とを、型内で積層した後、
硬化させることを特徴としている。
【0027】上記方法によれば、第1樹脂組成物が硬化
してなる樹脂層に対して、第2樹脂組成物が硬化してな
る、より強度の高い樹脂層が接合されるので、粒状天然
石を含む樹脂層のみからなる樹脂成形物と比較して、曲
げ強さ等の機械的強度に優れた樹脂成形物が得られる。
また、第2樹脂組成物における粒状天然石の体積含有率
を第1樹脂組成物よりも少なくすることができ、曲げ強
さ、耐衝撃性、耐熱性等の物性を向上させることができ
る。
【0028】さらに、上記方法によれば、1つの型内で
第1樹脂組成物および第2樹脂組成物を成形できるの
で、別の型で成形して脱型した樹脂組成物(第1樹脂組
成物または第2樹脂組成物)を用いる方法と比較して、
別の型から樹脂組成物を脱型する手間を省くことができ
る。
【0029】また、別の型で成形して脱型した樹脂組成
物を用いる方法では、少なくともある程度硬化させてか
ら一旦脱型する必要があるが、上記請求項7記載の発明
の方法では、未硬化の第1樹脂組成物および第2樹脂組
成物を同時に硬化させる。これにより、硬化に要する時
間を短縮でき、しかも、硬化後の第1樹脂組成物と第2
樹脂組成物との間の接着強度が向上する。また、未硬化
の第1樹脂組成物および第2樹脂組成物が流動する時
に、接着面がからみ合い、粒状天然石が硬化後の第2樹
脂組成物(第2樹脂層)に食い込み、より接着強度が向
上する。
【0030】請求項8記載の発明の模様を有する樹脂成
形物の製造方法は、上記の課題を解決するために、粒状
天然石と硬化性樹脂とを含む第1樹脂組成物を型内に配
置し、第1樹脂組成物を加圧して展延した後、第1樹脂
組成物の完全硬化前に型開きを行い、次いで、未硬化の
第1樹脂組成物上に、硬化性樹脂を含み、かつ、硬化後
における強度が第1樹脂組成物よりも高い第2樹脂組成
物を載置し、加圧して硬化させることを特徴としてい
る。
【0031】上記方法によれば、請求項7記載の方法に
よる効果に加えて、未硬化の第1樹脂組成物および第2
樹脂組成物を加圧して成形するので、硬化後の第1樹脂
組成物と第2樹脂組成物との接合面を起伏させ、かつ、
第1樹脂組成物に含まれる粒状天然石の一部を第2樹脂
組成物に食い込ませることができる。
【0032】また、上記方法によれば、加圧して展延し
た第1樹脂組成物上に、第2樹脂組成物を載置するの
で、第1樹脂組成物が硬化してなる樹脂層の厚みを比較
的均一にすることができる。
【0033】さらに、上記方法によれば、第1樹脂組成
物が、粒状天然石を含むことによって、べた付きの少な
いものとなっているので、型開きを行う際に、第1樹脂
組成物の一部が上側の型に付着して下側の型内の第1樹
脂組成物から分離する現象、即ち、いわゆる鳴き分かれ
を防止できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1お
よび図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0035】本実施の形態における模様を有する樹脂成
形物は、図1に示すように、多数の粒状天然石1…と合
成樹脂2とが一体的に成形されてなる樹脂成形物10で
あり、粒状天然石1…が樹脂成形物10の厚み方向の一
方に偏在している。尚、図1および他の図面(図2ない
し図13)において、粒状天然石1…のハッチングは省
略した。
【0036】また、樹脂成形物10における粒状天然石
1…が偏在している側の面(図1における上面)は、粒
状天然石1…の一部が樹脂成形物10表面に露出した露
出面となっている。尚、合成樹脂2が透明であれば、粒
状天然石1…が樹脂成形物10表面に露出していなくて
も、樹脂成形物10に天然石模様を付与できる。
【0037】また、樹脂成形物10は、その表面を研磨
して露出部の面積を増大させることが、さらに好まし
い。これにより、樹脂成形物10の表面硬度が上昇する
とともに、樹脂成形物10の意匠性が向上する。
【0038】樹脂成形物10の露出面における粒状天然
石1…の露出部(露出面の表面に露出した部分)の面積
の合計は、樹脂成形物10の露出面全体の面積に対して
30%以上であるのが好ましく、該露出面全体の面積に
対して50%以上であるのがさらに好ましい。これによ
り、樹脂成形物10が、露出面における意匠性および表
面硬度に優れたものとなる。
【0039】尚、樹脂成形物10の露出面全体の面積に
対する粒状天然石1…の露出部の面積の合計の割合は、
例えば、 1)イメージスキャナーで樹脂成形物10の露出面の表
面を読み取り、読み取った画像を画像解析ソフトで解析
する方法、 2)樹脂成形物10の露出面の表面をイメージスキャナ
ーで読み取り、次いで、読み取った画像を拡大して用紙
に複写し、用紙に複写された画像の一定面積中における
粒状天然石1…の部分と合成樹脂2の部分とをそれぞれ
切り抜いて重量を測定し、その重量比を面積比として用
いる方法、等により測定できる。
【0040】樹脂成形物10の露出面全体の面積に対す
る粒状天然石1…の露出部の面積の合計の割合は、粒状
天然石1…の粒径や量、粒状天然石1…の偏在化の度合
い等により調節できる。また、必要に応じて、樹脂成形
物10表面の研磨を行うことによって、粒状天然石1…
の露出部の面積の合計を増大させることができる。
【0041】尚、樹脂成形物10の露出面に対して、さ
らに0.5mm未満のハードコート層を形成してもよ
い。これにより、表面硬度は僅かに低下するが、意匠性
は低下しない。従って、樹脂成形物10に対してハード
コート層が形成されてなる樹脂成形物においても、ハー
ドコート層を形成する前の露出面における粒状天然石1
…の露出部の面積の割合が30%以上、より好ましくは
50%以上であれば、露出面における意匠性および表面
硬度に優れた樹脂成形物となる。
【0042】合成樹脂2としては、特に限定されるもの
ではなく、例えば、ガラス繊維強化プラスチック(FR
P)、レジンコンクリート、樹脂発泡体等が挙げられる
が、硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物Aを加熱等によ
り硬化させてなる硬化物であることが好ましい。
【0043】硬化性樹脂組成物Aにおける硬化性樹脂
は、加熱等により硬化する樹脂であればよく、樹脂成形
物10の用途等に応じて適宜選択すればよい。上記硬化
性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリルシラップ、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹
脂としては、各種物性に優れた樹脂成形物10が得られ
るように、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる群より
選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂を用いる
ことがより好ましく、これらのうちでも、(メタ)アク
リルシラップおよび不飽和ポリエステル樹脂を用いるこ
とがさらに好ましい。これら例示の硬化性樹脂は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合し
て用いてもよい。
【0044】硬化性樹脂組成物Aは、上記の硬化性樹脂
と、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維補強材とを含む組成
物、即ち、硬化後に繊維強化プラスチックとなる組成物
であることがより好ましく、上記の硬化性樹脂とガラス
繊維とを含む組成物、即ち、硬化後にガラス繊維強化プ
ラスチック(FRP)となる組成物であることがさらに
好ましい。これにより、樹脂成形物10の機械的強度を
向上させることができる。尚、上記繊維補強材の繊維長
や形状等の形態、添加量等は、特に限定されるものでは
ない。
【0045】硬化性樹脂組成物Aは、さらに、必要に応
じて、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、低
収縮化剤、カップリング剤、増粘剤、内部離型剤、重合
禁止剤、および、顔料や染料等の着色剤等の添加剤を含
んでいてもよい。尚、硬化性樹脂組成物Aの製造方法
は、特に限定されるものではない。
【0046】充填剤としては、例えば、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスの破砕物、ガラ
ス粉、ガラスフリット、セラミック、砂等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。つまり、硬化性樹脂
組成物Aにおいては、一般に用いられているあらゆる充
填剤を添加することができる。上記の水酸化アルミニウ
ムやガラス粉、シリカ粉を充填剤として用いると、樹脂
成形物10に難燃性や透明性を付与することができる。
尚、上記各種充填剤の形状や粒子径等の形態、および添
加量等は、特に限定されるものではない。また、上記例
示の充填剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】上記の着色剤は、硬化性樹脂に対して一般
に用いられている着色剤を用いることができ、特に限定
されるものではない。また、着色剤の色は、所望する樹
脂成形物10に応じた色であればよい。
【0048】各粒状天然石1の材質としては、特に限定
されるものではなく、御影石、大理石、寒水石等が挙げ
られるが、表面硬度や耐薬品性に優れていることから、
御影石が最も好ましい。また、粒状天然石1…は、一種
類の材質からなっていてもよく、また、二種類以上の材
質からなっていてもよい。
【0049】各粒状天然石1の粒度(粒径)は、樹脂成
形物10の厚み以下であればよいが、1〜50mmの範
囲内であることが好ましい。各粒状天然石1の粒度が1
mm以下であると、樹脂成形物10の表面に形成される
模様の意匠性が悪くなる。また、粒状天然石1…は、均
一の粒度であってもよく、粒度分布を有していてもよ
い。粒度分布を有する数種類の粒状天然石1…を混合す
ると、天然石に近い石模様を発現させることができるの
で、より好ましい。
【0050】また、硬化性樹脂組成物Aには、粒状天然
石1…に加えて、さらに、樹脂成形物10の意匠性を向
上させるために、上記各粒状天然石1の粒度等に応じ
て、セラミックスやガラス等の無機物からなる、粗砕
物、粉砕物、あるいは、鱗片状に加工された物を使用し
てもよい。
【0051】樹脂成形物10における粒状天然石1…の
重量含有率は、30〜90重量%の範囲内であることが
より好ましい。粒状天然石1…の重量含有率が30重量
%未満であると、粒状天然石1…による効果、即ち、表
面硬度の向上や石模様の発現が不十分となる。一方、粒
状天然石1…の重量含有率が90重量%を越えると、粒
状天然石1…に対する硬化性樹脂組成物Aの濡れが不十
分となり、粒状天然石1…と硬化性樹脂組成物Aとを一
体的に硬化させることが困難となるので、好ましくな
い。
【0052】また、樹脂成形物10における粒状天然石
1…の体積含有率は、少なくとも20容量%以上である
ことが好ましい。粒状天然石1…の体積含有率が20容
量%未満であると、樹脂成形物10の表面において粒状
天然石1…が疎な状態となり、樹脂成形物10の外観
が、天然石が密に詰まった状態に見えないため、意匠性
が悪い。
【0053】さらに、樹脂成形物10における粒状天然
石1…の体積含有率は、80容量%以下であることが好
ましい。粒状天然石1…の体積含有率が80容量%を越
えると、硬化前の樹脂成形物10の流動性が低下し、成
形時における型に対する充填が不十分となる。
【0054】次に、樹脂成形物10の製造方法について
説明する。樹脂成形物10の製造方法は、多数の粒状天
然石1…と合成樹脂2とを一体的に成形することがで
き、かつ、粒状天然石1…を樹脂成形物10の厚み方向
の一方に偏在化させることができる方法であればよい。
具体的には、例えば、透明な不飽和ポリエステル樹脂組
成物からなる液状の硬化性樹脂組成物Aを用いて、以下
に示すような注型法により成形すればよい。
【0055】即ち、具体的には、例えば、図2に示すよ
うに、まず、金型20に所定量の粒状天然石1…を充填
し、次いで、その粒状天然石1…の上に、液状の硬化性
樹脂組成物A、即ち、硬化前の合成樹脂2を、その液面
が粒状天然石1…の上端から1cm程度上に達するよう
に流し込み、硬化前の合成樹脂2で粒状天然石1…を覆
い隠す。
【0056】次に、金型20内を真空にし、金型20を
振動させて、硬化前の合成樹脂2の脱泡処理と粒状天然
石1…の最密充填とを行う。続いて、硬化前の合成樹脂
2および粒状天然石1…からなる混合物を、そのまま室
温で硬化させた後、脱型する。これにより、樹脂成形物
10が得られる。
【0057】以上のように、本実施の形態にかかる樹脂
成形物10は、多数の粒状天然石1…と合成樹脂2とが
一体的に成形されてなり、粒状天然石1…が樹脂成形物
10の厚み方向の一方に偏在している。
【0058】上記構成によれば、粒状天然石1…を樹脂
中に均一に分散させた従来の樹脂成形物に対して、粒状
天然石1…の量を増やすことなく、粒状天然石1…が偏
在している側の面における意匠性と表面硬度を向上させ
ることができる。
【0059】また、上記構成によれば、粒状天然石1…
が偏在している側と反対側には、粒状天然石1…が含ま
れない部分、あるいは、粒状天然石1…の含有率の極め
て低い部分が形成されるので、樹脂成形物10の曲げ強
さ、耐衝撃性、耐熱性等の物性を向上させることができ
る。
【0060】樹脂成形物10は、耐熱温度が150℃以
上、曲げ強さが4kgf/mm2 以上であり、かつ、落
錘衝撃試験における50%破壊高さが厚み1mm当たり
6cm以上であることが好ましく、耐熱温度が200℃
以上、曲げ強さが5kgf/mm2 以上であり、かつ、
落錘衝撃試験における50%破壊高さが厚み1mm当た
り8cm以上であるのがより好ましい。樹脂成形物10
は、耐熱温度が250℃以上、曲げ強さが6kgf/m
2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験における50%破
壊高さが厚み1mm当たり10cm以上であるのがさら
に好ましい。これにより、樹脂成形物10が、さらに優
れた耐熱性、曲げ強さ、および耐衝撃性を要求される分
野に好適なものとなる。
【0061】また、樹脂成形物10は、厚さ13mm
で、耐熱温度が200℃以上、曲げ強さが8.5kgf
/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験における50
%破壊高さが60cm以上であることが好ましく、厚さ
10mmで、耐熱温度が200℃以上、曲げ強さが8.
5kgf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験にお
ける50%破壊高さが60cm以上であることがより好
ましく、厚さ8mmで、耐熱温度が200℃以上、曲げ
強さが8.5kgf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝
撃試験における50%破壊高さが60cm以上であるこ
とがさらに好ましい。これにより、樹脂成形物10が、
さらに優れた耐熱性、曲げ強さ、および耐衝撃性を要求
される分野に好適なものとなる。
【0062】尚、樹脂成形物10は、複数の異なる樹脂
層からなっていてもよい。即ち、樹脂成形物10は、粒
状天然石1…を含む第1樹脂層と、粒状天然石1…を含
まない第2樹脂層とが積層されてなっていてもよく、ま
た、粒状天然石1…を含む第1樹脂層と、粒状天然石1
…の体積含有率が第1樹脂層よりも少ない第2樹脂層と
が積層されてなっていてもよい。
【0063】但し、粒状天然石1…が均一に分散された
樹脂成形物に対して、ハードコート等の粒状天然石1…
を含まない厚さ0.5mm未満の樹脂層を樹脂成形物表
面に形成しても、実質的に、粒状天然石1…を樹脂成形
物の厚み方向の一方に偏在させることにならないので、
本実施の形態にかかる樹脂成形物10を得ることができ
ない。
【0064】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図3ないし図11に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形
態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材につ
いては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】本実施の形態の模様を有する樹脂成形物
は、図3に示すように、多数の粒状天然石1…と合成樹
脂2とからなる樹脂層(第1樹脂層)3に対して、樹脂
層3よりも強度の高い補強用樹脂層(第2樹脂層)4が
接合されてなる樹脂成形物11である。ここで、強度と
は、JIS(例えば、JIS K 6911)に挙げら
れる力学的性質であり、具体的には、曲げ強度、落球衝
撃強度、耐熱強度の他に、シャルピー衝撃強度、引っ張
り強度等がある。
【0066】また、本実施の形態の樹脂成形物11で
は、樹脂層3と補強用樹脂層4との接合面が、図3に示
すように、起伏している。さらに、本実施の形態の樹脂
成形物11では、樹脂層3に含まれる粒状天然石1…の
一部が、図3に示すように、補強用樹脂層4に食い込ん
でいる。これにより、補強用樹脂層4に食い込んだ粒状
天然石1…によって樹脂層3と補強用樹脂層4とが強固
に結合され、樹脂成形物11の剥離強度が向上する。ま
た、樹脂成形物11は、樹脂層3の厚みよりも大きい粒
度を有する粒状天然石1を含むことができる。
【0067】さらに、図3に示すように、樹脂成形物1
1における粒状天然石1…が偏在している側の露出面1
1aでは、粒状天然石1…の一部が樹脂成形物10表面
に露出している。これにより、樹脂成形物11の露出面
11aの表面には、御影石調や大理石調の模様が形成さ
れる。
【0068】樹脂成形物11の露出面11aにおける粒
状天然石1…の露出部(露出面11aの表面に露出した
部分)の面積の合計は、露出面11a全体の面積に対し
て30%以上であるのが好ましく、露出面11a全体の
面積に対して50%以上であるのがさらに好ましい。こ
れにより、樹脂成形物11が、露出面11aにおける意
匠性および表面硬度に優れたものとなる。樹脂成形物1
1の露出面11aにおける粒状天然石1…の露出部の面
積の合計は、粒状天然石1…の粒度や量等により調節で
きる。また、必要に応じて、樹脂成形物11表面の研磨
を行うことによって、粒状天然石1…の露出部の面積の
合計を増大させることができる。
【0069】尚、樹脂成形物11の露出面11aに対し
てさらに0.5mm未満のハードコート層が形成されて
なる樹脂成形物においても、ハードコート層を形成する
前の露出面11aにおける粒状天然石1…の露出部の面
積の割合が30%以上、より好ましくは50%以上であ
れば、露出面11aにおける意匠性および表面硬度に優
れた樹脂成形物となる。
【0070】樹脂層3における合成樹脂2は、特に限定
されるものではなく、前記実施の形態1における硬化性
樹脂組成物Aを加熱等により硬化させてなる硬化物であ
ることが好ましい。
【0071】各粒状天然石1の材質としては、特に限定
されるものではなく、御影石、大理石、寒水石等が挙げ
られるが、表面硬度や耐薬品性に優れていることから、
御影石が最も好ましい。粒状天然石1…は、一種類の材
質からなっていてもよく、また、二種類以上の材質から
なっていてもよい。
【0072】各粒状天然石1の粒度は、樹脂成形物11
の厚み以下であればよいが、1〜50mmの範囲内であ
ることが好ましい。各粒状天然石1の粒度が1mm以下
であると、樹脂成形物11の表面に形成される模様の意
匠性が悪くなる。また、粒状天然石1…は、均一の粒度
であってもよく、粒度分布を有していてもよい。粒度分
布を有する数種類の粒状天然石1…を混合すると、天然
石に近い石模様を発現させることができるので、より好
ましい。
【0073】樹脂層3における粒状天然石1…の重量含
有率は、30〜90重量%の範囲内であることがより好
ましい。粒状天然石1…の重量含有率が30重量%未満
であると、粒状天然石1…による効果、即ち、表面硬度
の向上や石模様の発現が不十分となる。一方、粒状天然
石1…の重量含有率が90重量%を越えると、粒状天然
石1…に対する硬化性樹脂組成物Aの濡れが不十分とな
り、粒状天然石1…と硬化性樹脂組成物Aとを一体的に
硬化させることが困難となるので、好ましくない。
【0074】また、樹脂層3における粒状天然石1…の
体積含有率は、少なくとも20容量%以上であることが
好ましい。粒状天然石1…の体積含有率が20容量%未
満であると、樹脂成形物11の表面において粒状天然石
1…が疎な状態となり、樹脂成形物11の外観が、天然
石が密に詰まった状態に見えないため、意匠性が悪い。
【0075】さらに、樹脂層3における粒状天然石1…
の体積含有率は、80容量%以下であることが好まし
い。粒状天然石1…の体積含有率が80容量%を越える
と、硬化前の樹脂層3の流動性が低下し、成形時におけ
る型に対する充填が不十分となる。また、樹脂層3が充
填剤を含む場合には、樹脂層3における粒状天然石1…
と充填剤との合計の体積含有率が80容量%以下である
ことが好ましい。粒状天然石1…と充填剤との合計の体
積含有率が80容量%を越えると、硬化前の樹脂層3の
流動性が低下し、成形時における型に対する充填が不十
分となる。
【0076】補強用樹脂層4は、樹脂層3と同じ厚みに
形成したときに曲げ強さ等の機械的強度が樹脂層3より
高くなるような樹脂層であればよい。補強用樹脂層4
は、粒状天然石を含まない、或いは、粒状天然石の体積
含有率が樹脂層3より低いことが望ましい。これによ
り、補強用樹脂層4が、合成樹脂2と同じ物性であって
も、樹脂層3と同じ厚みに形成したときに曲げ強さ等の
機械的強度が樹脂層3より高くなる。
【0077】また、補強用樹脂層4は、合成樹脂2と同
色系であることが望ましい。これにより、樹脂層3と補
強用樹脂層4との接合面が目立ちにくくなり、樹脂成形
物11の外観が向上する。補強用樹脂層4の厚みは、樹
脂成形物11の曲げ強さ等の機械的強度が十分に向上す
る厚み以上であればよいが、樹脂成形物11の厚みの
2.5〜85%の範囲内であることが望ましい。
【0078】補強用樹脂層4の構成材料としては、特に
限定されるものではなく、例えば、ガラス繊維強化プラ
スチック(FRP)、レジンコンクリート、樹脂発泡体
等が挙げられるが、硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物
Bを加熱等により硬化させてなる硬化物であることが好
ましい。
【0079】硬化性樹脂組成物Bは、硬化性樹脂と、ガ
ラス繊維や炭素繊維等の繊維補強材とを含む組成物、即
ち、硬化後に繊維強化プラスチックとなる組成物である
ことが好ましく、硬化性樹脂とガラス繊維とを含む組成
物、即ち、硬化後にガラス繊維強化プラスチック(FR
P)となる組成物であることがより好ましい。これによ
り、補強用樹脂層4の機械的強度を向上させることがで
きるので、樹脂成形物11の機械的強度がさらに向上す
る。
【0080】上記の繊維補強材としては、例えば、ガラ
ス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維
等の無機繊維;アラミドやポリエステル等からなる有機
繊維;天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。また、繊維の形態としては、例えば、ロービ
ング、チョップドストランド、マット、クロス(織物)
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これ
ら繊維補強材は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。また、繊維補強材の使用量
は、その種類や硬化性樹脂との組み合わせ、樹脂成形物
11の用途や所望される物性等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではない。
【0081】また、硬化性樹脂と繊維補強材とを混合す
る方法は、特に限定されるものではなく、繊維補強材の
形態に応じて適宜設定すればよい。例えば、繊維補強材
の形態がマットやクロス等である場合には、繊維補強材
に硬化性樹脂を含浸させればよい。また、例えば、繊維
補強材の形態がロービングやチョップドストランド等で
ある場合には、繊維補強材と熱硬化性樹脂とを混練すれ
ばよい。
【0082】硬化性樹脂組成物Bにおける硬化性樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、成形材料に供す
ることができる従来公知の全ての硬化性樹脂を採用する
ことができるが、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル樹脂、および、(メタ)アクリルシラップからなる
群より選ばれる少なくとも一種のラジカル重合型樹脂が
より好ましく、不飽和ポリエステルとビニルエステルと
を含むことがさらに好ましい。
【0083】上記の不飽和ポリエステル樹脂は、酸成分
と、アルコール成分とを常法にて縮合させて得られる重
量平均分子量(MW )が数百〜数万程度の重合体を、ビ
ニルモノマーに溶解してなるラジカル重合型樹脂であ
る。
【0084】酸成分としては、例えば、マレイン酸、無
水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、メサコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の
不飽和二塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、ヘット酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の飽和二塩基
酸;トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト
酸、ピロメリト酸二無水物等の三官能以上の多塩基酸;
等が挙げられる。これら酸成分は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0085】アルコール成分としては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物等のグリコール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の三官能以上のアルコール;エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等のエポ
キシド;等が挙げられる。これらアルコール成分は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。
【0086】上記酸成分とアルコール成分とを反応させ
る方法は、特に限定されるものではない。また、反応温
度や反応時間等の反応条件は、例えば、酸成分およびア
ルコール成分の種類や組み合わせ、或いは、不飽和ポリ
エステルや硬化性樹脂組成物Bに所望する各種物性等に
応じて適宜設定すればよい。尚、酸成分およびアルコー
ル成分の組み合わせや使用量等は、特に限定されるもの
ではない。また、得られる重合体は、例えば、ジシクロ
ペンタジエン等のジエン化合物や、末端官能性ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体等のゴム成分等の種々の
成分により変性されていてもよい。
【0087】上記のビニルモノマーは、反応性モノマー
であり、加熱加圧成形時に上記重合体が有する不飽和基
と架橋反応する。ビニルモノマーとしては、例えば、ス
チレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ジアリルフ
タレート、トリアリルイソシアヌレート、メチルメタク
リレート等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これらビニルモノマーは、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。また、ビニル
モノマーの使用量は、その種類や上記重合体等との組み
合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるもの
ではない。
【0088】上記不飽和ポリエステル樹脂の製造方法
は、特に限定されるものではない。尚、上記重合体およ
びビニルモノマーの組み合わせ等は、特に限定されるも
のではない。つまり、不飽和ポリエステル樹脂の組成
は、特に限定されるものではない。
【0089】上記のビニルエステル樹脂(エポキシアク
リレート樹脂)は、ビスフェノールタイプやノボラック
タイプ、環状脂肪族タイプ、エポキシ化ポリブタジエン
タイプ等のエポキシ樹脂の末端に、アクリル酸やメタク
リル酸等のビニル系不飽和カルボン酸を付加重合させて
得られる反応物を、スチレンやビニルトルエン、メチル
メタクリレート、酢酸ビニル、クロルスチレン、ジアリ
ルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のビニル
系単量体に溶解してなるラジカル重合型樹脂である。
【0090】上記ビニルエステル樹脂の製造方法、つま
り、エポキシ樹脂の末端にビニル系不飽和カルボン酸を
付加重合させる方法は、特に限定されるものではない。
また、反応温度や反応時間等の反応条件は、例えば、エ
ポキシ樹脂およびビニル系不飽和カルボン酸の種類や組
み合わせ、或いは、ビニルエステル樹脂や成形材料に所
望する各種物性等に応じて適宜設定すればよい。尚、エ
ポキシ樹脂、ビニル系不飽和カルボン酸、および、ビニ
ル系単量体の組み合わせや使用量等は、特に限定される
ものではない。つまり、ビニルエステル樹脂の組成は、
特に限定されるものではない。
【0091】上記の(メタ)アクリルシラップは、単量
体である(メタ)アクリル酸エステル、該(メタ)アク
リル酸エステルの重合体、および、架橋剤からなる混合
物であり、必要に応じて、ビニル化合物をさらに含んで
なるラジカル重合型樹脂である。
【0092】上記の(メタ)アクリル酸エステルとして
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。また、(メタ)アクリルアミドを用いるこ
ともできる。これら(メタ)アクリル酸エステルは、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。上記例示の化合物のうち、メチルメタクリレー
ト、および、メチルメタクリレートを主成分とする(メ
タ)アクリル酸エステルが特に好ましい。メチルメタク
リレートを主成分とすることにより、樹脂成形物11の
耐候性、表面の光沢等の各種物性や、外観、安全性等を
より一層向上させることができる。
【0093】上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体
は、該(メタ)アクリル酸エステルを重合することによ
り得られる。得られる重合体の重合度は、特に限定され
るものでない。尚、該重合体となるべき単量体成分は、
(メタ)アクリル酸エステルの他に、必要に応じて、ビ
ニル化合物を含んでいてもよい。
【0094】上記の架橋剤としては、例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら架橋剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。また、架橋剤の添加量は、
その種類や(メタ)アクリル酸エステル等との組み合わ
せ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものでは
ない。
【0095】上記のビニル化合物としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、エチレング
リコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモ
ノアリルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン
酸、およびこれら不飽和ジカルボン酸のモノエステル;
スチレン、アクリロニトリル、マレイミド類;等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。さらに、例え
ば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体
に(メタ)アクリル酸グリシジルエステル類を反応させ
て得られるような、側鎖に不飽和基を有する(メタ)ア
クリル系重合体等もビニル化合物として使用することが
できる。これらビニル化合物は、必要に応じて、一種類
または二種類以上を併用すればよい。また、(メタ)ア
クリルシラップがビニル化合物を含む場合において、該
ビニル化合物の添加量は、その種類や(メタ)アクリル
酸エステル等との組み合わせ等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではない。
【0096】上記(メタ)アクリルシラップの製造方法
は、特に限定されるものではなく、また、反応温度や反
応時間等の反応条件は、例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステル、架橋剤およびビニル化合物の種類や組み合わ
せ、或いは、(メタ)アクリルシラップや成形材料に所
望する各種物性等に応じて適宜設定すればよい。尚、
(メタ)アクリル酸エステル、架橋剤およびビニル化合
物の組成、並びに、(メタ)アクリル酸エステル、架橋
剤およびビニル化合物の組み合わせや使用量等は、特に
限定されるものではない。つまり、(メタ)アクリルシ
ラップの組成は、特に限定されるものではない。
【0097】そして、上記の硬化性樹脂が、不飽和ポリ
エステル、ビニルエステル樹脂、および、(メタ)アク
リルシラップからなる群より選ばれるラジカル重合型樹
脂を二種類以上含む場合、即ち、硬化性樹脂がこれらの
混合物である場合において、その混合比は、特に限定さ
れるものではない。つまり、硬化性樹脂が、例えば不飽
和ポリエステルとビニルエステル樹脂とを含む場合等に
おいて、各々の樹脂の含有量は、特に限定されるもので
はない。また、硬化性樹脂は、上記例示のラジカル重合
型樹脂以外のラジカル重合型樹脂を含んでいてもよい。
【0098】さらに、硬化性樹脂組成物Bは、必要に応
じて、従来公知の副資材(添加剤)を含んでいてもよ
い。上記の副資材としては、具体的には、例えば、硬化
剤、増粘剤、充填剤、低収縮化剤、(内部)離型剤、着
色剤、減粘剤、カップリング剤等が挙げられる。
【0099】上記の硬化剤としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチル
エチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオク
トエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメン
ヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシ
クロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビ
ス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン等の有機過酸化物;2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジ
メチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物;
等のラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これら硬化剤は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。また、硬
化剤の添加量は、その種類や硬化性樹脂との組み合わ
せ、硬化性樹脂組成物Bの成形条件、或いは、樹脂成形
物11の用途や所望される物性等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではない。
【0100】上記の増粘剤としては、例えば、酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化
物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ア
ルミニウム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネー
ト;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら増粘剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。増粘剤の使用量は、その種
類や硬化性樹脂との組み合わせ、硬化性樹脂の重量平均
分子量や粘度、樹脂成形物11の用途や所望される物性
等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
い。
【0101】上記の充填剤としては、例えば、水酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバ
ー、シリカ(珪砂)、川砂、天然石、珪藻土、雲母粉
末、石膏、ガラス粉末等の、無機充填剤および有機充填
剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これ
ら充填剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。また、充填剤の配合量は、その
種類や硬化性樹脂との組み合わせ、硬化性樹脂組成物B
の成形条件、或いは、樹脂成形物11の用途や所望され
る物性等に応じて設定すればよく、特に限定されるもの
ではない。尚、充填剤を適宜選択することにより、樹脂
成形物11にいわゆる透明感を付与することもできる。
【0102】上記の低収縮化剤としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、三次元架橋
ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、セルロースブ
チレート、アセテート(アセチルセルロース)、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和
ポリエステル等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら低収縮化剤は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。また、低収縮
化剤の添加量は、その種類や硬化性樹脂との組み合わ
せ、硬化性樹脂組成物Bの成形条件、或いは、樹脂成形
物11の用途や所望される物性等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではない。低収縮化剤を添加す
ることにより、硬化性樹脂組成物Bを成形してなる補強
用樹脂層4の寸法安定性をより一層向上させることがで
きる。
【0103】上記の離型剤としては、例えば、ステアリ
ン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸アミド、ラウリル酸、トリフェニルホスフェー
ト、アルキルホスフェート等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。また、一般に用いられているワッ
クス類、シリコーンオイル等の離型剤を用いることもで
きる。これら離型剤は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。また、離型剤の添加
量は、その種類や硬化性樹脂との組み合わせ、硬化性樹
脂組成物Bの成形条件、或いは、樹脂成形物11の用途
や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に限定
されるものではない。
【0104】上記の着色剤は、特に限定されるものでは
なく、従来より硬化性樹脂に使用されている無機顔料や
有機顔料を用いることができる。着色剤の添加量は、特
に限定されるものではなく、樹脂成形物11の用途等に
応じて適宜設定すればよい。
【0105】上記の減粘剤は、特に限定されるものでは
なく、従来より熱硬化性樹脂に使用されている減粘剤を
用いることができる。また、上記のカップリング剤は、
特に限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に
使用されているカップリング剤を用いることができる。
【0106】尚、硬化性樹脂組成物Bの製造方法、つま
り、硬化性樹脂に上記副資材や繊維補強材を添加する方
法は、特に限定されるものではない。
【0107】次に、樹脂成形物11の製造方法について
説明する。樹脂成形物11を得るための成形方法として
は、樹脂層3と補強用樹脂層4とが接合される成形法で
あればよく、プレス成形(圧縮成形)等の加圧成形、注
型成形、スプレーアップ成形、ハンドレイアップ成形等
が挙げられるが、加圧成形が好ましく、作業性の点でプ
レス成形(圧縮成形)が最も好ましい。プレス成形で
は、樹脂層3と補強用樹脂層4との接合面を起伏させ
て、樹脂層3に含まれる粒状天然石1…の一部を補強用
樹脂層4に食い込ませることが容易となる。
【0108】プレス成形によって樹脂成形物11を得る
場合には、硬化性樹脂組成物Aと粒状天然石1…とを混
合してなる樹脂組成物(以下、天然石含有樹脂組成物と
称する)と、硬化性樹脂組成物Bとを積層して硬化させ
る方法によって、樹脂層3および補強用樹脂層4を形成
することが望ましい。
【0109】上記のプレス成形法に用いる天然石含有樹
脂組成物および硬化性樹脂組成物Bは、硬化するとFR
Pになるコンパウンド、例えば、シートモールディング
コンパウンド(以下、SMCと記す)やバルクモールデ
ィングコンパウンド(以下、BMCと記す)等であるこ
とが望ましい。これらのうちでも、天然石含有樹脂組成
物としては、BMCが好ましく、硬化性樹脂組成物Bと
しては、SMCやBMCが好ましい。また、硬化性樹脂
組成物Bとしては、粒状天然石1…よりも柔らかいもの
がよい。これにより、粒状天然石1…の一部を補強用樹
脂層4に容易に食い込ませることができ、樹脂層3と補
強用樹脂層4との接合面が平面とならない。この結果、
粒状天然石1…のアンカー効果により、樹脂層3と補強
用樹脂層4との接着強度が増し、樹脂成形物11の剥離
強度が向上する。
【0110】また、上記のプレス成形法では、各粒状天
然石1の粒度が1〜15mmの範囲内であることが好ま
しい。各粒状天然石1の粒度が15mmを越えると、天
然石含有樹脂組成物の流動性が悪くなり、作業性が低下
するうえ、天然石含有樹脂組成物の型への充填が不十分
となるおそれがある。また、各粒状天然石1の粒度が1
5mmを越えると、硬化性樹脂組成物Aと粒状天然石1
…との混練時に、混練器を傷めてしまうおそれがある。
【0111】さらに、上記のプレス成形法では、粒状天
然石1…が、以下の粒度分布を有していることが特に好
ましい。即ち、粒状天然石1…が、6mm以上の粒度の
粒子0〜15重量%、5mm以上6mm未満の粒度の粒
子0〜20重量%、4mm以上5mm未満の粒度の粒子
5〜30重量%、3mm以上4mm未満の粒度の粒子5
〜50重量%、2mm以上3mm未満の粒度の粒子10
〜50重量%、1mm以上2mm未満の粒度の粒子15
〜50重量%、および、1mm未満の粒度の粒子0〜1
0重量%(但し、これらの粒子の合計量は100重量%
である)からなることが、好ましい。
【0112】粒状天然石1…における5mm以上の粒度
の粒子の割合が、上記の範囲を越えると、天然石含有樹
脂組成物の流動性が悪くなり、作業性が低下したり、充
填が不十分となるおそれがある。また、合成樹脂2との
混練時に、混練器を傷めてしまうおそれがある。一方、
1mm未満の粒度の粒子の割合が10重量%を越える
と、樹脂成形物11に黒ずみが発生するおそれがある。
さらに、1mm以上5mm未満の粒度の粒子の割合が上
記の範囲を外れると、粒度が均一に近くなり、樹脂成形
物11の表面に形成される模様が、天然石に類似しにく
くなる。
【0113】樹脂成形物11の成形は、1つの型内で行
うことが望ましい。これにより、複数の型を用いる場合
と比較して脱型等の手間を省くことができる。
【0114】また、樹脂成形物11における樹脂層3お
よび補強用樹脂層4は、硬化性樹脂組成物Aおよび硬化
性樹脂組成物Bを同時に硬化させることによって形成す
ることが望ましい。これにより、硬化に要する時間を短
縮でき、しかも、樹脂層3と補強用樹脂層4との間の接
着強度が向上する。
【0115】硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成
物Bを同時に硬化させる場合には、硬化性樹脂組成物A
および硬化性樹脂組成物Bの収縮率(硬化収縮)や熱膨
張係数、硬化速度(ゲルタイム、最小キュア時間)をほ
ぼ等しくなるように調節することが望ましい。これによ
り、反りの小さい樹脂成形物11が得られる。
【0116】また、硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹
脂組成物Bを同時に硬化させる場合には、硬化性樹脂組
成物Aおよび硬化性樹脂組成物Bの両方が、硬化性樹脂
としてラジカル重合型樹脂を含むことが望ましい。これ
により、硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成物B
の硬化時に硬化性樹脂組成物A中のラジカル重合型樹脂
と硬化性樹脂組成物B中のラジカル重合型樹脂との間に
化学結合が形成されるので、樹脂層3と補強用樹脂層4
とが強固に接合される。
【0117】次に、樹脂成形物11の製造方法につい
て、図面を参照しながら、さらに詳しく説明する。ま
ず、硬化前の樹脂層3を加圧して展延した後、樹脂層3
の硬化前に型開きを行い、次いで、未硬化の樹脂層3上
に、硬化前の補強用樹脂層4を配置し、硬化前の樹脂層
3および補強用樹脂層4を加圧して同時に硬化させる方
法(以下、方法Aと称する)について、図4を参照しな
がら以下に説明する。
【0118】即ち、まず、図4(a)に示すように、雌
型である下側の金型(以下、下型と称する)21に、粒
状天然石1…と硬化性樹脂組成物Aとを混合してなる天
然石含有樹脂組成物(第1樹脂組成物)、即ち、粒状天
然石1…と硬化前の合成樹脂2とからなる硬化前の樹脂
層3をチャージした後、雄型である上側の金型(以下、
上型と称する)22を下降させて型締め操作を行う。こ
れにより、硬化前の樹脂層3は加圧されてキャビティに
展延される。
【0119】上記の型締め操作は、キャビティのほぼ全
体にわたって硬化前の樹脂層3が展延されるまで行えば
よく、必ずしも下型21および上型22を完全に型締め
する必要はない。尚、下型21および上型22は、例え
ばプレス機等に取り付けられており、所定の温度に加熱
されている。また、展延された硬化前の樹脂層3の厚さ
は、特に限定されるものではない。また、ここでは、天
然石含有樹脂組成物として、BMCを用いている。
【0120】次に、硬化前の樹脂層3が展延されると、
図4(b)に示すように、上型22を上昇させて型開き
を行う。この型開きを行う際、硬化前の樹脂層3、即
ち、天然石含有樹脂組成物の一部が上型22に付着し
て、下型21内に残った天然石含有樹脂組成物から分離
する現象、即ち、いわゆる鳴き分かれが起こらないため
には、天然石含有樹脂組成物における硬化性樹脂の割合
が、全体の10〜30重量%であればよい。硬化性樹脂
の割合が10重量%未満では、均一な混合物とならな
い。そのため、混練不良を生じ、場合によっては、粒状
天然石1…が硬化性樹脂から分離して、一体成形できな
くなる。一方、硬化性樹脂の割合が30重量%を越える
と、上型への付着や鳴き分かれが起こる。
【0121】さらに、天然石含有樹脂組成物における表
面積の大きい物質(粒状天然石1…、繊維補強材、およ
び充填剤)の体積含有率が、20〜80容量%である
と、型開き時に、天然石含有樹脂組成物の上型22への
付着や鳴き分かれがより一層確実に防止できる。
【0122】次いで、展延された硬化前の樹脂層3上
に、図4(c)に示すように、硬化前の補強用樹脂層4
・4、即ち、硬化性樹脂組成物B(第2樹脂組成物)を
配置する。
【0123】硬化前の補強用樹脂層4・4の配置方法
は、特に限定されるものではない。例えば、硬化前の補
強用樹脂層4・4が固体である場合には、硬化前の樹脂
層3上に載置すればよい。また、硬化前の補強用樹脂層
4・4が例えばペースト状等である場合には、該硬化前
の補強用樹脂層4・4を適当な袋等に入れた後、天然石
含有樹脂組成物1上に絞り出せばよい。さらに、補強用
樹脂層4・4として、互いに異なる種類の硬化性樹脂組
成物Bを用いてもよい。
【0124】ここでは、硬化前の補強用樹脂層4・4と
して、2枚のSMCを用いているが、硬化前の補強用樹
脂層の形状や個数は、特に限定されるものではない。ま
た、硬化前の補強用樹脂層4・4として、二種類以上の
硬化性樹脂組成物Bを組み合わせて用いてもよい。
【0125】尚、硬化前の合成樹脂2は、成形加工性等
の面から、或る程度増粘されているため、所定の硬さを
備えている。従って、硬化前の合成樹脂2に混合された
粒状天然石1…が、自重によって沈み込むことはない。
【0126】その後、図4(c)に示すように、上型2
2を再度下降させて型締め操作を行う。これにより、硬
化前の補強用樹脂層4は、加圧されて硬化前の樹脂層3
と接合される。この状態で、硬化前の樹脂層3および補
強用樹脂層4をプレス成形することにより、樹脂層3と
補強用樹脂層4とを同時に硬化させる。
【0127】プレス成形の条件は、用いる硬化性樹脂組
成物A・Bの種類や形成する樹脂層3および補強用樹脂
層4の厚み等にもよるが、プレス圧力が50〜90kg
f/cm2 、加圧時間が2分〜15分、金型温度(下型
22および上型21の温度)が100〜150℃である
ことが望ましい。また、下型22の温度と上型21の温
度とは異なっていてもよい。
【0128】尚、硬化前の樹脂層3および補強用樹脂層
4を一体成形する操作は、これら硬化前の樹脂層3およ
び補強用樹脂層4が完全に硬化するまでに行えばよい
が、硬化前の樹脂層3、即ち、天然石含有樹脂組成物が
殆ど硬化しないように、上型22の下降を開始してから
数分間が経過するまでに行うことが望ましい。これによ
り、樹脂層3と補強用樹脂層4との接着強度を向上させ
ることができる。
【0129】次に、図4(d)に示すように、上型22
を上昇させて型開きを行い、硬化した樹脂層3および補
強用樹脂層4、即ち、樹脂成形物11を取り出す。その
後、樹脂成形物11の露出面11aにおける粒状天然石
1…の露出部の面積の割合が30%以上、より好ましく
は50%以上となるように、露出面11aを研磨する。
以上の工程により、樹脂成形物11が得られる。
【0130】尚、上記の説明においては、両金型21・
22が所定の温度に予め加熱されている場合を例示した
が、両金型21・22は、硬化前の樹脂層3および補強
用樹脂層4をプレス成形する段階(つまり、図4(c)
に示す段階)で所定の温度となっていればよい。また、
上記の説明においては、下型21が雌型であり、上型2
2が雄型である場合を例示したが、金型は、下型を雄型
とし、上型を雌型とすることもできる。但し、下型が雌
型である場合が好ましい。
【0131】以上のように、本発明にかかる方法Bで
は、加圧して展延した硬化前の樹脂層3上に、硬化前の
補強用樹脂層4を載置するので、樹脂層3の厚みを比較
的均一にすることができる。
【0132】次に、展延されていない硬化前の樹脂層3
の上に、硬化前の補強用樹脂層4を載置して、硬化前の
樹脂層3および補強用樹脂層4を加圧して同時に硬化さ
せる方法(以下、方法Bと称する)について、図5を参
照しながら以下に説明する。
【0133】即ち、まず、図5に示すように、雌型であ
る下側の金型(以下、下型と称する)21に対して、粒
状天然石1…と硬化性樹脂組成物Aとを混合してなる天
然石含有樹脂組成物、即ち、粒状天然石1…と硬化前の
合成樹脂2とからなる硬化前の樹脂層3をチャージす
る。ここでは、天然石含有樹脂組成物として、BMCを
用いている。
【0134】次いで、硬化前の樹脂層3の上に、図5に
示すように、2つの硬化性樹脂組成物B、即ち、硬化前
の補強用樹脂層4・4を載置する。硬化前の補強用樹脂
層4・4の硬さは、硬化前の樹脂層3とほぼ等しい硬さ
に調節されていることが望ましい。また、硬化前の補強
用樹脂層4は、硬化前の樹脂層3よりも硬く調整されて
いるのが好ましい。硬化前の樹脂層3と補強用樹脂層4
・4との硬さの差が大きいと、柔らかい方の硬化前の樹
脂層が、加圧成形時に形崩れして、所望の形状とならな
いおそれがある。
【0135】ここでは、硬化前の補強用樹脂層4・4と
して、2枚のSMCを用いているが、硬化前の補強用樹
脂層の形状や個数は、特に限定されるものではない。ま
た、硬化前の補強用樹脂層4・4として、二種類以上の
硬化性樹脂組成物Bを組み合わせて用いてもよい。
【0136】その後、プレス機等に取り付けられた上型
22および下型21を、所定の温度に加熱し、図5に示
すように、雄型である上側の金型(以下、上型と称す
る)22を下降させて型締め操作を行う。これにより、
硬化前の補強用樹脂層4は加圧されて硬化前の樹脂層3
と接合される。この状態で硬化前の樹脂層3および補強
用樹脂層4をプレス成形して、硬化前の樹脂層3と補強
用樹脂層4とを同時に硬化させた。これにより、樹脂層
3と補強用樹脂層4とが接合される。
【0137】次に、上型22を上昇させて型開きを行
い、樹脂層3と補強用樹脂層4との複合体、即ち、樹脂
成形物11を取り出す。その後、樹脂成形物11の露出
面11aにおける粒状天然石1…の露出部の面積の割合
が30%以上、より好ましくは50%以上となるよう
に、露出面11aを研磨する。以上の工程により、樹脂
成形物11が得られる。
【0138】このように、上記の方法Bでは、2度の型
締め操作を行う前記の方法Aと比較して、1度の型締め
操作によって樹脂成形物11を得ることができる。これ
により、型締めや型開け等の操作の手間を省くことでき
るとともに、作業時間を短縮できる。尚、上記の方法B
においては、硬化前の樹脂層3および補強用樹脂層4の
上下関係を逆にしてもよい。つまり、硬化前の補強用樹
脂層4の上に、硬化前の樹脂層3を配置した後、同時に
硬化させてもよい。
【0139】尚、樹脂成形物11をプレス成形法以外の
成形方法で成形する場合には、例えば、次のようなハン
ドレイアップ法や注型法を用いるとよい。
【0140】即ち、例えば、ハンドレイアップ法では、
図6に示すように、まず、金型20に粒状天然石1…を
硬化前の透明な合成樹脂2に混合してなる樹脂組成物、
即ち、硬化前の樹脂層3を充填し、次いで、真空脱泡
し、振動を与えて粒状天然石1…を最密充填とする。
尚、このとき、硬化前の合成樹脂2は、浮いた状態、即
ち、粒状天然石1…を覆い隠した状態となるようにす
る。
【0141】次に、硬化前の樹脂層3の上に、ガラスク
ロスからなる繊維補強材6を載置した後、透明な液状の
硬化性樹脂である合成樹脂5をカップ23を用いて流し
込み、ローラー24で合成樹脂5を繊維補強材6に含浸
させる。
【0142】さらに、その上に、ガラスクロスからなる
繊維補強材6を載置した後、カップ23を用いて透明な
合成樹脂5を流し込み、ローラー24で合成樹脂5を繊
維補強材6に含浸させて、合成樹脂5および繊維補強材
6により硬化前の補強用樹脂層4を形成する。次いで、
そのまま、硬化前の樹脂層3および補強用樹脂層4が硬
化するのを待ち、脱型する。これにより、樹脂成形物1
1が得られる。
【0143】また、例えば、注型法では、図7に示すよ
うに、まず、金型20に粒状天然石1…を硬化前の透明
樹脂および水酸化アルミニウムからなる合成樹脂2に混
合してなる樹脂組成物、即ち、硬化前の樹脂層3を充填
し、次いで、真空脱泡し、振動を与えて粒状天然石1…
を最密充填とする。尚、このとき、硬化前の合成樹脂2
は、その上面が粒状天然石1…より下になるようにす
る。
【0144】次に、硬化前の樹脂層3の上に、カップ2
3を用いて、ガラス繊維からなる繊維補強材6および合
成樹脂5からなる注型組成物、即ち、硬化前の補強用樹
脂層4を流し込む。次いで、硬化前の樹脂層3および補
強用樹脂層4を、金型20ごと、80℃の硬化炉に入れ
て硬化させた後、脱型する。これにより、樹脂成形物1
1が得られる。
【0145】以上のように、本実施の形態にかかる樹脂
成形物11は、多数の粒状天然石1…と合成樹脂2とか
らなる樹脂層3に対して、樹脂層3よりも強度の高い補
強用樹脂層4が接合されてなる。
【0146】上記構成によれば、樹脂成形物11は、樹
脂層3が、より強度の高い補強用樹脂層4によって補強
されるので、樹脂層3のみからなる樹脂成形物と比較し
て、曲げ強さ等の機械的強度が向上する。また、補強用
樹脂層4における粒状天然石1…の体積含有率を、樹脂
層3における粒状天然石1…の体積含有率よりも少なく
することができ、樹脂成形物11の曲げ強さ、耐衝撃
性、耐熱性等の物性を向上させることができる。
【0147】樹脂成形物11は、耐熱温度が150℃以
上、曲げ強さが4kgf/mm2 以上であり、かつ、落
錘衝撃試験における50%破壊高さが厚み1mm当たり
6cm以上であることが好ましく、耐熱温度が200℃
以上、曲げ強さが5kgf/mm2 以上であり、かつ、
落錘衝撃試験における50%破壊高さが厚み1mm当た
り8cm以上であるのがより好ましく、耐熱温度が25
0℃以上、曲げ強さが6kgf/mm2 以上であり、か
つ、落錘衝撃試験における50%破壊高さが厚み1mm
当たり10cm以上であるのがさらに好ましい。これに
より、樹脂成形物11が、さらに優れた耐熱性、曲げ強
さ、および耐衝撃性を要求される分野に好適なものとな
る。
【0148】また、樹脂成形物11は、厚さ13mm
で、耐熱温度が200℃以上、曲げ強さが8.5kgf
/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験における50
%破壊高さが60cm以上であることが好ましく、厚さ
10mmで、耐熱温度が200℃以上、曲げ強さが8.
5kgf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験にお
ける50%破壊高さが60cm以上であることがより好
ましく、厚さ8mmで、耐熱温度が200℃以上、曲げ
強さが8.5kgf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝
撃試験における50%破壊高さが60cm以上であるこ
とがさらに好ましい。これにより、樹脂成形物11が、
さらに優れた耐熱性、曲げ強さ、および耐衝撃性を要求
される分野に好適なものとなる。
【0149】尚、上記の樹脂成形物11では、補強用樹
脂層4の片面のみが、樹脂層3に接合されていたが、本
発明にかかる樹脂成形物は、図8に示すように、補強用
樹脂層4が有する複数の面のうち、1面を除く全ての面
が、樹脂層3によって覆われている樹脂成形物12であ
ってもよい。
【0150】樹脂成形物12では、補強用樹脂層4が、
樹脂成形物12の1面のみに露出している。このため、
樹脂成形物12は、樹脂層3によって覆われていない面
(図8(a)の下面)、即ち、補強用樹脂層4が露出し
ている面を、裏面として、即ち、人の目から見えない方
の面として用いるとよい。
【0151】具体的には、例えば、まず、図9に示すよ
うに、樹脂成形物12に対して、樹脂層3によって覆わ
れていない面の端部に、樹脂層3のみで成形された前垂
れ30を付けて、樹脂成形物13を得る。そして、樹脂
成形物13を、樹脂層3によって覆われていない面が下
面、前垂れ30を付けた側が前面となるようにして、キ
ッチンカウンターやテーブル天板等として用いるとよ
い。樹脂成形物13は、前垂れ30側から見た場合、樹
脂層3と補強用樹脂層4との接合に違和感がなく、見た
目が良い。
【0152】また、上記の説明では、補強用樹脂層4
は、樹脂層3の片面に対して全面に接合されていたが、
補強用樹脂層4は、樹脂層3の片面の一部分、例えば、
物性が要求される部分だけに接合されていてもよい。ま
た、補強用樹脂層4は、複数設けられていてもよい。
【0153】即ち、本発明にかかる樹脂成形物は、図1
0に示すように、樹脂層3の片面に対して、その面の一
部分に補強用樹脂層4・4が接合されるとともに、その
面における補強用樹脂層4・4と接合していない部分に
シンク穴31が設けられた樹脂成形物14であってもよ
い。これにより、シンク穴31において、樹脂層3と補
強用樹脂層4・4との接合面が目立たなくなる。
【0154】尚、図10は、樹脂成形物14を補強用樹
脂層4・4側から見た平面図であるが、シンク穴31が
穴であることを図面上で分かりやすくするために、合成
樹脂2および補強用樹脂層4にハッチングを付してい
る。
【0155】上述した樹脂成形物12や樹脂成形物14
は、前記の方法A、Bにおける硬化前の樹脂層3および
補強用樹脂層4のチャージの仕方を変更することによっ
て、容易に製造することができる。即ち、例えば、前記
の方法Bにおいて、図11に示すように、硬化前の樹脂
層3(天然石含有樹脂組成物)に対して、硬化前の補強
用樹脂層4(硬化性樹脂組成物B)を重ねる際に、補強
用樹脂層4と下型の側面との間の間隙を広くすれば、樹
脂成形物12を製造することができる。
【0156】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図12および図13に基づいて説明す
れば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の
実施の形態1および実施の形態2の図面に示した部材と
同一の機能を有する部材については、同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0157】本実施の形態の模様を有する樹脂成形物
は、図12に示すように、樹脂層3に接合される第2樹
脂層として、樹脂成形物11における補強用樹脂層4の
代わりに、補強用樹脂7と多数の樹脂粒子8…とからな
り、かつ、樹脂層3よりも強度が高い補強用樹脂層9を
備えている点以外は、樹脂成形物11と同様の樹脂成形
物15である。尚、図12および図13においては、粒
状天然石1…および樹脂粒子8…のハッチングは省略し
た。
【0158】補強用樹脂層9は、樹脂層3と同色系であ
る。つまり、補強用樹脂7は、合成樹脂2と同色系であ
り、樹脂粒子8…は、粒状天然石1…と同色系である。
これにより、樹脂成形物15は、補強用樹脂7と補強用
樹脂層9との接合面が目立ちにくく、外観に優れたもの
となっている。
【0159】補強用樹脂層9における補強用樹脂7は、
合成樹脂2と同色系であればよく、補強用樹脂7の構成
材料としては、実施の形態2における補強用樹脂層4の
構成材料をそのまま用いることができる。
【0160】また、補強用樹脂層9における樹脂粒子8
…としては、粒状天然石1…と同色系、即ち、粒状天然
石1…とほぼ同じ色調を有し、粒状天然石1…に類似の
模様を形成可能であり、しかも、補強用樹脂7を硬化さ
せる際に溶融や変質、収縮等を生じない(強度の低下を
招かない)樹脂組成物からなる粒子であればよい。
【0161】上記の樹脂粒子8…を形成する樹脂組成物
としては、補強用樹脂7と樹脂成分の組成が同一である
硬化性樹脂組成物が好ましい。このような硬化性樹脂組
成物としては、粒状天然石1…と同色系の着色剤を補強
用樹脂7の構成材料に添加してなる着色樹脂組成物;こ
の着色樹脂組成物を酸化マグネシウム(MgO)やイソ
シアネート等の増粘剤で増粘してなる樹脂増粘物;上記
着色樹脂組成物或いは樹脂増粘物を硬化(成形)してな
る樹脂硬化物等が挙げられる。樹脂粒子8…における着
色剤としては、硬化性樹脂に対して一般に用いられてい
る着色剤を用いることができ、特に限定されるものでは
ない。
【0162】上記の樹脂粒子8…は、その形状および粒
度が樹脂層3に含まれる粒状天然石1…の形状および粒
度に近くなるように、適宜粉砕等して加工することが好
ましく、樹脂粒子8…として、粒度や組成の異なる樹脂
粒子を2種類以上混合して用いてもよい。また、補強用
樹脂層9における樹脂粒子8…の体積含有率は、樹脂層
3における粒状天然石1の体積含有率との差が小さくな
るように設定することが好ましい。これらにより、補強
用樹脂7と補強用樹脂層9との接合面がより一層目立ち
にくくなる。尚、樹脂粒子8の製造方法は、特に限定さ
れるものではない。
【0163】次に、樹脂成形物15の製造方法について
説明する。樹脂成形物15は、前記の実施の形態2にお
ける樹脂成形物11の製造方法として例示した種々の製
造方法において、硬化前の補強用樹脂層4の代わりに、
硬化前の補強用樹脂層9を用いることにより製造するこ
とができる。
【0164】即ち、例えば、まず、図13に示すよう
に、下型21に対して、粒状天然石1…と硬化前の合成
樹脂2とからなる硬化前の樹脂層3をチャージし、次い
で、硬化前の樹脂層3の上に、硬化前の補強用樹脂7・
7に樹脂粒子8…を混合して作製した硬化前の補強用樹
脂層9・9を配置する。
【0165】尚、硬化前の樹脂層3としては、BMCを
用いた。また、硬化前の合成樹脂2としては、上記のB
MCと同色系に調色した樹脂を用いた。さらに、樹脂粒
子8…としては、BMCの柄に合うように樹脂成形品を
粉砕した得られた粉砕物を用いた。
【0166】その後、プレス機等に取り付けられた上型
22および下型21を、所定の温度に加熱し、図13に
示すように、上型22を下降させて型締め操作を行う。
これにより、硬化前の補強用樹脂層9・9は加圧されて
硬化前の樹脂層3と接合される。この状態で硬化前の樹
脂層3および補強用樹脂層9・9を加圧成形、即ち、プ
レス成形することにより、樹脂層3と補強用樹脂層9・
9とを同時に硬化させて一体成形する。
【0167】次に、上型22を上昇させて型開きを行
い、樹脂層3と補強用樹脂層9との複合体、即ち、樹脂
成形物15を取り出す。その後、樹脂成形物15の露出
面における粒状天然石1…の露出部の面積の割合が30
%以上、好ましくは50%以上となるように、露出面を
研磨する。以上の工程により、樹脂成形物15が得られ
る。
【0168】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、本実施例に記載の「部」
は、「重量部」を示す。
【0169】また、本実施例における樹脂成形物の露出
面における粒状天然石の露出部の面積の割合と、樹脂成
形物の耐熱性試験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測
定は、以下の方法で行った。
【0170】(1)粒状天然石の露出部の面積の割合の
測定 樹脂成形物の露出面における粒状天然石の露出部の面積
の割合(露出面全体の面積に対する粒状天然石の露出部
の面積の合計の割合)は、イメージスキャナーで該露出
面の表面を読み取り、読み取った画像を画像解析ソフト
で解析することにより、測定した。
【0171】(2)耐熱性試験 樹脂成形物の耐熱性試験は、JIS K 6902に準
じて行った。まず、樹脂成形物から、試験片(縦400
mm×横400mm×厚さ8mm)を切り出した。次
に、上記試験片を、天然石が露出している面を上にして
木製の支持台に固定した。
【0172】次いで、試験片の上面の角の部分に、規定
温度に加熱した油500mLを入れた平底の鍋(上端の
直径140mm、下端の直径120mm)を、試験片の
各側面との間に40mmの距離をあけて置き、20分間
放置した。そして、鍋を取り除いた後、試験片表面の異
常(例えば、膨れ、ひび割れ、および光沢の減少)の有
無を、目視によって調べた。そして、上記の試験を、油
の温度をより高温に変更しながら繰り返し行い、初めて
異常が発生する温度を耐熱温度とした。
【0173】尚、本実施例では、平底の鍋として、高さ
90mm、板厚2.0mm、容量1.3Lの平底アルミ
ニウム製鍋(エバーウェアー株式会社製、商品名「ミル
クパン(深型)」)を用いた。また、油としては、シリ
コンオイルを用いた。
【0174】(3)耐衝撃性試験(落錘衝撃試験) 耐衝撃性試験は、基本的には、JIS K 7211に
準じて行った。まず、樹脂成形物から、試験片(300
mm×300mm×厚さ8mm)を切り出した。次い
で、支持台をコンクリート床上に上面が水平となるよう
に設置し、前記の試験片を天然石が露出している面を上
にして該支持台上に載置した。上記支持台としては、幅
300mm、長さ300mmの基板の片面に対して、2
つの角柱状の支持部(長さ300mm)を、基板の幅方
向に沿って中心間距離が200mmとなるように設けた
ものを用いた。
【0175】そして、所定の高さに保持した1kgのナ
ス型鋼球(ナス1型重錘)を、試験片の上面の中心点
(支点間の中点)に自然落下させた後、試験片表面に割
れ、ひび、顕著なへこみがないかを目視によって調べ
た。そして、上記の試験を、落下高さを変更しながら繰
り返した。JIS K 7211では重錘を落下させる
毎に試験片を取り替えるが、本実施例では、1枚の試験
片を用いて、試験片の表面に割れ、ひび、へこみが発生
するまで試験を繰り返した。そして、試験片の表面に初
めてひび割れが発生した高さを、50%破壊高さとし
た。
【0176】(4)曲げ強さの測定 曲げ強さの測定は、JIS K 7203に準ずる方法
(3点曲げ)で行った。まず、樹脂成形物から、試験片
(幅50mm×長さ200mm×厚さ8mm)を切り出
した。次いで、上記試験片を、天然石が露出している面
を上にして、支点間距離(スパン)100mmの支持台
上に載置し、材料試験機の加圧くさびによってクロスヘ
ッド速度10mm/minで試験片に荷重を掛けて、曲
げ強さを測定した。尚、材料試験機の加圧くさびの位置
は、加圧くさびの荷重が正確に支点間の中点に加わるよ
うに調節した。
【0177】上記の試験を、試験片の幅方向および長さ
方向について、それぞれ、10回(計20回)行い、得
られた値の平均を曲げ強さ(kgf/mm2 )とした。
【0178】〔実施例1〕まず、天然石含有樹脂組成物
の原料となる(メタ)アクリルシラップを合成した。即
ち、温度計、ガス吹き込み管、還流冷却器および攪拌機
を取り付けた反応容器であるセパラブルフラスコに、メ
チルメタクリレート190部と、メタクリル酸10部と
を仕込んだ。次に、反応液を攪拌しながら、窒素ガス雰
囲気下で、該反応液を80℃まで昇温させた。その後、
反応液を攪拌しながら、該反応液に、重合開始剤である
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.01部と、
連鎖移動剤であるn-ドデシルメルカプタン0.6部とを
投入して重合反応を開始させた。そして、25℃におけ
る該反応液の粘度が300ポイズ程度になった時点でフ
ラスコを冷却し、重合反応を終了させた。これにより、
固形分が40重量%の(メタ)アクリルシラップを得
た。
【0179】そして、この(メタ)アクリルシラップを
用いて天然石含有樹脂組成物を調製した。即ち、硬化性
樹脂としての該(メタ)アクリルシラップ90部、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート10部、および
スチレン5部に、充填剤である微粉末状の水酸化アルミ
ニウム(昭和電工株式会社製;商品名「ハイジライトH
−320」)100、粒状天然石としての天然白御影石
2分石550部、セラミックス粒(日東紡績株式会社
製;商品名「コナックFMB−5W−001」)150
部、および、強化ガラス繊維(日本電気硝子株式会社
製;商品名「チョップドストランドECSO6B−14
4/P」)35部を添加し、さらに、硬化剤(日本油脂
株式会社製;商品名「パーヘキサTMH」)1部、およ
び、カップリング剤(信越化学工業株式会社製;商品名
「KBM−503」)2部を添加した。そして、この混
合物をニーダで混練することにより、BMC、つまり、
天然石含有樹脂組成物を得た。
【0180】次に、硬化性樹脂組成物BとしてのSMC
を調製した。本実施例では、硬化性樹脂として、不飽和
ポリエステル樹脂80部およびビニルエステル樹脂20
部からなる熱硬化性樹脂100部を用いた。
【0181】上記の不飽和ポリエステル樹脂は、無水マ
レイン酸と、水素化ビスフェノールAと、プロピレング
リコールとをモル比が「1.00:0.30:0.7
5」となるように用いて縮合させた後、得られた重合体
を、スチレンの割合が45重量%となるように該スチレ
ンに溶解することにより製造した。また、上記のビニル
エステル樹脂は、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂
1.00モル(エポキシ当量として)に対して、メタク
リル酸1.05モルの割合で用いて付加重合させて得ら
れた反応物を、スチレンの割合が45重量%となるよう
に該スチレンに溶解することにより製造した。
【0182】次に、上記の熱硬化性樹脂100部に、硬
化剤(日本油脂株式会社製;商品名「パーヘキサTM
H」)1.5部、充填剤としての水酸化アルミニウム1
60部、低収縮化剤としての三次元架橋ポリスチレン粒
子12部、増粘剤としての酸化マグネシウム0.7部、
および、離型剤としてのステアリン酸亜鉛4部を加えて
混合した。
【0183】次いで、得られたコンパウンドをSMC製
造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維50部に含
浸させることにより、硬化性樹脂組成物BとしてのSM
Cを製造した。
【0184】以上のようにして調製した天然石含有樹脂
組成物およびSMCを用いて樹脂成形物を製造した。ま
ず、プレス機に取り付けられた下型を120℃に、上型
を125℃にそれぞれ加熱した。次に、上記の下型に所
定量の天然石含有樹脂組成物をチャージした。続いて、
天然石含有樹脂組成物の上に、金型よりやや小さく、か
つ、天然石含有樹脂組成物よりも大きい面積のSMCを
1枚積載してチャージした後、上型を下降させ、プレス
圧力85kgf/cm2 で型締め操作を行い、6分間プ
レス成形した。その後、上型を上昇させて型開きを行
い、硬化した天然石含有樹脂組成物とSMCとの複合
体、即ち、樹脂成形物を取り出した。そして、得られた
樹脂成形物の表面、つまり、粒状天然石が偏在している
側の表面を湿式研磨機を用いて研磨し、粒状天然石を露
出させた。
【0185】これにより、厚さ8mmの樹脂成形物を得
た。得られた樹脂成形物は、その表面が、天然石に類似
した意匠性の高い模様を有する天然石含有樹脂層(第1
樹脂層)となっており、裏面は天然石を含まないSMC
層(第2樹脂層)となっていた。また、上記樹脂成形物
では、SMC層の厚みが、樹脂成形物全体の厚みの19
%を占めており、天然石が厚み方向に偏在化していた。
【0186】得られた樹脂成形物の表面、即ち、天然石
が樹脂成形物表面に露出している側の面における天然石
の露出部の面積の割合を、前述の方法で測定したとこ
ろ、該露出面全体の面積に対して62.5%であった。
また、得られた樹脂成形物の表面側の表面硬度を測定し
たところ、9H以上であった。
【0187】さらに、得られた樹脂成形物の耐熱性試
験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測定を、前述の方
法で行ったところ、該樹脂成形物は、耐熱温度が270
℃、曲げ強さが9.43kgf/mm2 であり、50%
破壊高さが厚み1mm当たり17cmであった。
【0188】〔実施例2〕まず、天然石含有樹脂組成物
を調製した。即ち、硬化性樹脂としての不飽和ポリエス
テル樹脂(株式会社日本触媒製;商品名「エポラックN
H−111」)85部に、充填剤である微粉末状の水酸化
アルミニウム(アルコア化成株式会社製;商品名「B3
08」)200部、天然黒御影石(2分石、粒度1〜4
mm)350部、天然白御影石(粒度2mm以下)15
0部、天然赤御影石(粒度1〜4mm)9部、および、
強化ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製;商品名「チ
ョップドストランドECSO6B−144/P」)30
部を添加し、さらに、硬化剤(日本油脂株式会社製;商
品名「パーヘキサTMH」)2部、低収縮化剤(株式会
社日本触媒製;商品名「AT−600」)15部、カッ
プリング剤(信越化学工業株式会社製;商品名「KBM
−503」)2部、および、着色剤としてのトナー(大
日精化株式会社製;商品名「AT−256」)0.05
部を添加し、さらに、内部離型剤としてのステアリン酸
亜鉛(堺化学工業株式会社製;商品名「SZ−200
0」)1部を添加した。そして、この混合物をニーダで
混練することにより、BMC、つまり、天然石含有樹脂
組成物を得た。
【0189】次に、実施例1と同様にして調製した不飽
和ポリエステル樹脂80部およびビニルエステル樹脂2
0部からなる熱硬化性樹脂100部に、硬化剤(日本油
脂株式会社製;商品名「パーヘキサTMH」)1.5
部、充填剤としての水酸化アルミニウム140部、低収
縮化剤としての三次元架橋ポリスチレン粒子12部、増
粘剤としての酸化マグネシウム0.7部、離型剤として
のステアリン酸亜鉛4部、粒状天然石である寒水石50
部、および、着色剤としてのトナー(大日精化株式会社
製;商品名「AT−256」)0.05部を加えて混合
した。尚、上記寒水石の粒度は、0.5〜2mmであっ
た。
【0190】次いで、得られたコンパウンドをSMC製
造装置に適用し、補強材としてのガラス繊維50部に含
浸させることにより、硬化性樹脂組成物BとしてのSM
Cを製造した。
【0191】以上のようにして調製した天然石含有樹脂
組成物およびSMCを用い、金型温度を下型130℃、
上型135℃に変更する以外は実施例1と同様のプレス
成形および研磨を行った。これにより、接合面が目立た
ない樹脂成形物が得られた。
【0192】得られた樹脂成形物は、その表面が、天然
石に類似した意匠性の高い模様を有する天然石含有樹脂
層(第1樹脂層)となっており、裏面は天然石含有樹脂
層よりも粒状天然石の含有率の低いSMC層(第2樹脂
層)となっていた。また、上記樹脂成形物では、SMC
層の厚みが、樹脂成形物全体の厚みの33%を占めてお
り、粒状天然石が厚み方向に偏在化していた。
【0193】得られた樹脂成形物の表面、即ち、粒状天
然石が樹脂成形物表面に露出している側の面における粒
状天然石の露出部の面積の割合を、前述の方法で測定し
たところ、68.1%であった。また、得られた樹脂成
形物の表面側の表面硬度を測定したところ、9H以上で
あった。
【0194】さらに、得られた樹脂成形物の耐熱性試
験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測定を、前述の方
法で行ったところ、該樹脂成形物は、耐熱温度が280
℃、曲げ強さが11.03kgf/mm2 であり、50
%破壊高さが厚み1mm当たり18cmであった。
【0195】〔実施例3〕実施例2と同様にしてそれぞ
れ調製した天然石含有樹脂組成物およびSMCを用い
て、2段プレス成形を行った。即ち、まず、プレス機に
取り付けられた下型を140℃に、上型を145℃にそ
れぞれ加熱した。次に、上記の下型に所定量の天然石含
有樹脂組成物をチャージした後、上型を下降させ、プレ
ス圧力50kgf/cm2 〜85kgf/cm2 で型締
め操作を行った。その後、直ちに上型を上昇させて型開
きを行った。すると、天然石含有樹脂組成物は加圧さ
れ、キャビティのほぼ全体にわたって展延されていた。
また、このとき、天然石含有樹脂組成物は、殆ど硬化し
ていなかった。
【0196】次いで、展延された天然石含有樹脂組成物
上に、SMCを適宜配置した後、上型を再度下降させ、
プレス圧力85kgf/cm2 で型締め操作を行った。
そして、この状態で7分間プレス成形することにより該
天然石含有樹脂組成物を硬化させた。その後、上型を上
昇させて型開きを行い、硬化した天然石含有樹脂組成物
とSMCとの複合体、即ち、樹脂成形物を取り出した。
そして、得られた樹脂成形物の表面、つまり、粒状天然
石が偏在している側の表面を湿式研磨機を用いて研磨
し、粒状天然石を露出させた。これにより、接合面が目
立たない樹脂成形物が得られた。
【0197】得られた樹脂成形物は、その表面が、天然
石に類似した意匠性の高い模様を有する天然石含有樹脂
層(第1樹脂層)となっており、裏面は天然石含有樹脂
層よりも粒状天然石の含有率の低いSMC層(第2樹脂
層)となっていた。また、上記樹脂成形物では、SMC
層の厚みが、樹脂成形物全体の厚みの31%を占めてお
り、粒状天然石が厚み方向に偏在化していた。
【0198】得られた樹脂成形物の表面、即ち、粒状天
然石が樹脂成形物表面に露出している側の面における粒
状天然石の露出部の面積の割合を、前述の方法で測定し
たところ、66.8%であった。また、得られた樹脂成
形物の表面側の表面硬度を測定したところ、9H以上で
あった。
【0199】さらに、得られた樹脂成形物の耐熱性試
験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測定を、前述の方
法で行ったところ、該樹脂成形物は、耐熱温度が280
℃、曲げ強さが10.85kgf/mm2 であり、50
%破壊高さが厚み1mm当たり18cmであった。
【0200】〔実施例4〕まず、天然石含有樹脂組成物
の原料となる(メタ)アクリルシラップを合成した。即
ち、ポリメチルメタクリレートビーズ(住友化学株式会
社製;商品名「スミペックスME」)に対して固形分が
43重量%となるようにメチルメタクリレートを添加
し、50℃の雰囲気下で攪拌した。これにより、固形分
が43重量%の(メタ)アクリルシラップを得た。
【0201】そして、この(メタ)アクリルシラップを
用いて天然石含有樹脂組成物を調製した。即ち、硬化性
樹脂としての該(メタ)アクリルシラップ97部、エチ
レングリコールジメタクリレート3部、カップリング剤
(信越化学工業株式会社製;商品名「KBM−50
3」)2部、および硬化剤(日本油脂株式会社製;商品
名「パーヘキサTMH」)2部に、充填剤である微粉末
状のシリカ(HEPWORTH MINERALS &
CHEMICALS LTD.製;商品名「CRIS
TOBALITE XPF6/SM」)200部、粒状
天然石としての天然インパラブラック石1分石250
部、セラミックス粒(株式会社井上化鉱製;商品名「セ
ルベンB粒」)250部、および、強化ガラス繊維(日
本電気硝子株式会社製;商品名「チョップドストランド
ECSO6B−144/P」)35部を添加し、さら
に、内部離型剤としてのステアリン酸亜鉛(堺化学工業
株式会社製;商品名「SZ−2000」)2部を添加し
た。そして、この混合物をニーダで混練することによ
り、BMC、つまり、天然石含有樹脂組成物を得た。
【0202】以上のようにして調製した天然石含有樹脂
組成物を用い、金型温度を下型130℃、上型135℃
に変更するとともに、実施例1で用いたSMCの大きさ
を天然石含有樹脂組成物よりやや小さくする以外は、実
施例1と同様のプレス成形および研磨を行った。これに
より、図8に示す樹脂成形物12が得られた。
【0203】得られた樹脂成形物は、その表面が、粒状
天然石に類似した意匠性の高い模様を有する天然石含有
樹脂層(第1樹脂層)となっており、裏面は粒状天然石
を含まないSMC層(第2樹脂層)となっていた。ま
た、上記樹脂成形物では、SMC層の厚みが、樹脂成形
物全体の厚みの25%を占めており、粒状天然石が厚み
方向に偏在化していた。
【0204】得られた樹脂成形物の表面、即ち、粒状天
然石が樹脂成形物表面に露出している側の面における粒
状天然石の露出部の面積の割合を、前述の方法で測定し
たところ、35.7%であった。また、樹脂成形物の表
面におけるセラミックス粒の露出部の面積の割合を、粒
状天然石の場合と同様にして測定したところ、38.4
%であった。従って、樹脂成形物の表面における粒状天
然石またはセラミックス粒が露出している部分の面積の
割合は、74.1%であった。
【0205】さらに、得られた樹脂成形物の耐熱性試
験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測定を、前述の方
法で行ったところ、該樹脂成形物は、耐熱温度が300
℃、曲げ強さが13.61kgf/mm2 であり、50
%破壊高さが厚み1mm当たり16cmであった。
【0206】〔比較例1〕実施例1と同様にして調製し
た天然石含有樹脂組成物のみを用いて、厚さ8mmの比
較用の樹脂成形物を製造した。先ず、プレス機に取り付
けられた下型を120℃に、上型を125℃にそれぞれ
加熱した。次に、上記の下型に所定量の天然石含有樹脂
組成物をチャージした後、上型を下降させ、プレス圧力
85kgf/cm2 で型締め操作を行った。その後、上
型を上昇させて型開きを行い、硬化した天然石含有樹脂
組成物、即ち、比較用の樹脂成形物を取り出した。
【0207】得られた比較用の樹脂成形物には、粒状天
然石が均一に分散していた。しかしながら、天然石含有
樹脂組成物は、金型全面に充填せず、得られた比較用の
樹脂成形物は、成形不良となった。
【0208】〔比較例2〕実施例2と同様にして調製し
た天然石含有樹脂組成物のみを用いて、厚さ8mmの比
較用の樹脂成形物を製造した。先ず、プレス機に取り付
けられた下型を120℃に、上型を125℃にそれぞれ
加熱した。次に、上記の下型に所定量の天然石含有樹脂
組成物をチャージした後、上型を下降させ、プレス圧力
85kgf/cm2 で型締め操作を行った。その後、上
型を上昇させて型開きを行い、硬化した天然石含有樹脂
組成物、即ち、比較用の樹脂成形物を取り出した。
【0209】そして、得られた比較用の樹脂成形物の表
面、つまり、粒状天然石が偏在している側の表面を湿式
研磨機を用いて研磨し、粒状天然石を露出させた。これ
により、厚さ8mmの比較用の樹脂成形物を得た。上記
の比較用樹脂成形物には、粒状天然石が均一に分散して
いた。
【0210】得られた比較用の樹脂成形物の表面、即
ち、粒状天然石が露出している側の面における粒状天然
石の露出部の面積の割合を、前述の方法で測定したとこ
ろ、該露出面全体の面積に対して65.2%であった。
また、得られた比較用の樹脂成形物の表面側の表面硬度
を測定したところ、9H以上であった。
【0211】さらに、得られた比較用の樹脂成形物の耐
熱性試験、耐衝撃性試験、および曲げ強さの測定を、前
述の方法で行ったところ、該樹脂成形物は、耐熱温度が
150℃、曲げ強さが3.31kgf/mm2 であり、
50%破壊高さが厚み1mm当たり5cmであった。
【0212】
【発明の効果】本発明にかかる模様を有する樹脂成形物
は、以上のように、粒状天然石を含む模様を有する樹脂
成形物であって、該粒状天然石が樹脂成形物の厚み方向
の一方に偏在している構成である。
【0213】上記構成によれば、粒状天然石が均一に分
散している従来の樹脂成形物該粒状天然石が偏在してい
る側の面における意匠性と表面硬度を保ったまま、粒状
天然石の量を削減できるので、成形性を向上でき、か
つ、曲げ強さ、耐衝撃性、耐熱性等の物性を向上させる
ことができるという効果を奏する。
【0214】また、本発明にかかる他の模様を有する樹
脂成形物は、以上のように、粒状天然石を含む第1樹脂
層に対して、第1樹脂層よりも強度の高い第2樹脂層が
接合されてなる構成である。
【0215】上記構成によれば、第1樹脂層が、より強
度の高い第2樹脂層によって補強されるので、粒状天然
石を含む樹脂層のみからなる樹脂成形物と比較して、曲
げ強さ等の機械的強度を向上させることができるという
効果を奏する。
【0216】本発明にかかるさらに他の模様を有する樹
脂成形物は、以上のように、粒状天然石を含む樹脂成形
物であって、耐熱温度が150℃以上、曲げ強さが4k
gf/mm2 以上であり、かつ、落錘衝撃試験における
50%破壊高さが厚み1mm当たり6cm以上である構
成である。
【0217】上記構成によれば、耐熱性、曲げ強さ、お
よび耐衝撃性を要求される分野に好適な模様を有する樹
脂成形物を提供することができるという効果を奏する。
【0218】本発明にかかるさらに他の模様を有する樹
脂成形物は、上記の課題を解決するために、粒状天然石
を含む第1樹脂層と、第1樹脂層よりも強度の高い第2
樹脂層とからなり、第2樹脂層が、裏面のみに露出して
いることを特徴としている。
【0219】上記構成によれば、第2樹脂層が、裏面の
みに露出している。これにより、上記樹脂成形物は、例
えば、第2樹脂層が露出した裏面を壁や床に密着させて
用いると、どの方向から見ても、石模様を有する第1樹
脂層しか見えなくなるので、接合面が見えず、さらに意
匠性が向上するという効果を奏する。
【0220】本発明にかかる模様を有する樹脂成形物の
製造方法は、以上のように、粒状天然石と硬化性樹脂と
を含む第1樹脂組成物と、硬化性樹脂を含み、かつ、硬
化後における強度が第1樹脂組成物よりも高い第2樹脂
組成物とを、型内で積層した後、第1樹脂組成物および
第2樹脂組成物を同時に硬化させる方法である。
【0221】上記方法によれば、曲げ強さ等の機械的強
度に優れた樹脂成形物が得られるという効果を奏する。
また、上記方法によれば、1つの型内で第1樹脂組成物
および第2樹脂組成物を同時に硬化させるので、簡便
に、かつ、短時間で製造することができるという効果も
奏する。
【0222】本発明にかかる模様を有する樹脂成形物の
製造方法は、以上のように、粒状天然石と硬化性樹脂と
を含む第1樹脂組成物を型内に配置し、第1樹脂組成物
を加圧して展延した後、第1樹脂組成物の完全硬化前に
型開きを行い、次いで、未硬化の第1樹脂組成物上に、
硬化性樹脂を含み、かつ、硬化後における強度が第1樹
脂組成物よりも高い第2樹脂組成物を載置し、加圧して
硬化させる方法である。
【0223】上記方法によれば、曲げ強さ等の機械的強
度に優れた樹脂成形物が得られるという効果を奏する。
また、上記方法によれば、1つの型内で第1樹脂組成物
および第2樹脂組成物を同時に硬化させるので、簡便
に、かつ、短時間で製造することができるという効果も
奏する。
【0224】本発明にかかる模様を有する樹脂成形物
は、例えば、タイルや壁用パネル等の建築用装飾材;浴
槽(バスタブ)、洗面化粧台(カウンター)、流し台
(シンク)、浴室パネル、キッチンカウンター、テーブ
ル天板等の住設機器;各種装飾品、表札等、耐熱性、曲
げ強度、耐衝撃性等の物性と意匠性とが要求される用途
に特に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる樹脂成形物の一例を示す縦断面
図である。
【図2】図1に示す樹脂成形物を製造する方法の一例を
説明するための縦断面図である。
【図3】本発明にかかる樹脂成形物の他の一例を示す図
であり、(a)は縦断面図、(b)は斜視図である。
【図4】図3に示す樹脂成形物を製造する方法の一例の
工程を説明するための説明図であり、(a)は、金型に
第1樹脂組成物をチャージした状態を示す縦断面図であ
り、(b)は、第1樹脂組成物を展延した後、型開きし
た状態を示す縦断面図であり、(c)は、展延された第
1樹脂組成物上に第2樹脂組成物を配置して型締めした
状態を示す縦断面図であり、(d)は、第1樹脂組成物
および第2樹脂組成物の硬化後に型開きした状態を示
す。
【図5】図3に示す樹脂成形物の製造を製造する方法の
他の一例を説明するための縦断面図である。
【図6】本発明にかかる樹脂成形物を製造する方法のさ
らに他の一例を説明するための縦断面図である。
【図7】本発明にかかる樹脂成形物を製造する方法のさ
らに他の一例を説明するための縦断面図である。
【図8】本発明にかかる樹脂成形物のさらに他の一例を
示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図で
ある。
【図9】本発明にかかる樹脂成形物のさらに他の一例を
示す縦断面図である。
【図10】本発明にかかる樹脂成形物のさらに他の一例
を示す平面図である。
【図11】図8に示す樹脂成形物を製造する方法の一例
を説明するための縦断面図である。
【図12】本発明にかかる樹脂成形物のさらに他の一例
を示す縦断面図である。
【図13】図12に示す樹脂成形物を製造する方法の一
例を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
1 粒状天然石 2 合成樹脂 3 樹脂層(第1樹脂層) 4 補強用樹脂層(第2樹脂層) 9 補強用樹脂層(第2樹脂層) 10 樹脂成形物 11 樹脂成形物 11a 露出面 12 樹脂成形物 13 樹脂成形物 14 樹脂成形物 15 樹脂成形物 21 下側の金型(型) 22 上側の金型(型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 101:10 B29L 9:00 (72)発明者 津守 隆弘 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状天然石を含む樹脂成形物であって、該
    粒状天然石が樹脂成形物の厚み方向の一方に偏在してい
    ることを特徴とする模様を有する樹脂成形物。
  2. 【請求項2】粒状天然石が樹脂成形物表面に露出してい
    る露出面を有し、粒状天然石の露出部の面積の合計が、
    該露出面全体の面積に対して30%以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の模様を有する樹脂成形物。
  3. 【請求項3】粒状天然石を含む第1樹脂層に対して、第
    1樹脂層よりも強度の高い第2樹脂層が接合されてなる
    ことを特徴とする模様を有する樹脂成形物。
  4. 【請求項4】第1樹脂層と第2樹脂層との接合面が起伏
    し、かつ、第1樹脂層に含まれる粒状天然石の一部が第
    2樹脂層に食い込んでいることを特徴とする請求項3記
    載の模様を有する樹脂成形物。
  5. 【請求項5】粒状天然石を含む樹脂成形物であって、耐
    熱温度が150℃以上、曲げ強さが4kgf/mm2
    上であり、かつ、落錘衝撃試験における50%破壊高さ
    が厚み1mm当たり6cm以上であることを特徴とする
    模様を有する樹脂成形物。
  6. 【請求項6】粒状天然石を含む第1樹脂層と、第1樹脂
    層よりも強度の高い第2樹脂層とからなり、第2樹脂層
    が、裏面のみに露出していることを特徴とする模様を有
    する樹脂成形物。
  7. 【請求項7】粒状天然石と硬化性樹脂とを含む第1樹脂
    組成物と、硬化性樹脂を含み、かつ、硬化後における強
    度が第1樹脂組成物よりも高い第2樹脂組成物とを、型
    内で積層した後、硬化させることを特徴とする模様を有
    する樹脂成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】粒状天然石と硬化性樹脂とを含む第1樹脂
    組成物を型内に配置し、第1樹脂組成物を加圧して展延
    した後、第1樹脂組成物の完全硬化前に型開きを行い、
    次いで、未硬化の第1樹脂組成物上に、硬化性樹脂を含
    み、かつ、硬化後における強度が第1樹脂組成物よりも
    高い第2樹脂組成物を載置し、加圧して硬化させること
    を特徴とする模様を有する樹脂成形物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004025538A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Du Pont-Mrc Co Ltd 粒柄とストライプ柄の両方を有する人工大理石の製造方法
WO2021095688A1 (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 ジャパンコンポジット株式会社 不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料および成形品

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