JPH10182162A - 紡錘状ゲーサイトの製造方法 - Google Patents

紡錘状ゲーサイトの製造方法

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JPH10182162A
JPH10182162A JP8357265A JP35726596A JPH10182162A JP H10182162 A JPH10182162 A JP H10182162A JP 8357265 A JP8357265 A JP 8357265A JP 35726596 A JP35726596 A JP 35726596A JP H10182162 A JPH10182162 A JP H10182162A
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mol
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rate
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Toshiharu Arita
俊治 有田
Kenichi Suzuki
憲一 鈴木
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒度分布が均一であり、樹枝状粒子が混在しな
いだけでなく、微細な粒径のゲーサイトを得る場合であ
っても、分散性に優れる紡錘状ゲーサイトを製造する方
法を提供すること。 【解決手段】FeCO3 を含有する懸濁液中の第一鉄を
酸素含有ガスにより酸化して紡錘状ゲーサイトを製造す
る方法において、該第一鉄の酸化を、第一段階:0.1
〜0.7mol/(L・hr)の酸化速度で酸化を行う
段階、第二段階:1分間に0.05mol/(L・h
r)以上の上昇率で酸化速度を上昇させて、第二段階の
開始時点における酸化速度の1.5〜4.0倍の酸化速
度で酸化を行う段階、の二段階で行い、かつ第二段階
が、該第一鉄の酸化率が50〜85mol%のいずれか
の時点で開始されることを特徴とする紡錘状ゲーサイト
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録用磁性粒
子粉末を製造する際の出発原料として好適な、粒度分布
が均一で、樹枝状粒子が混在せず、分散性に優れ、かつ
軸比の高い紡錘状を呈するゲーサイトを工業的に得る製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高出力化及び高記
録密度化が進むにつれて、これに用いられる磁性粒子粉
末には、高い保磁力を有し、優れた分散性を有するとい
った特性が要求されている。磁性粒子粉末の保磁力の大
きさは、形状磁気異方性、結晶磁気異方性、歪磁気異方
性及び交換磁気異方性のいずれか、若しくはこれらの相
互作用に依存していることは広く知られている。
【0003】現在、磁気記録用磁性粒子粉末は、形状磁
気異方性に基づき、軸比を大きくすることによって保磁
力を高めている。また、磁性粒子粉末の塗料中での分散
性や塗膜中での配向性及び充填性といった特性を向上す
る為には、磁性粒子粉末の粒度分布ができるだけ均一で
あることや、樹枝状粒子が混在していないことが望まれ
る。
【0004】これらの磁性粒子粉末は、出発原料である
ゲーサイトまたは該ゲーサイトを加熱処理して得られる
ヘマタイトを水素等の還元性ガスにより還元してマグネ
タイトの粒子または鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末
とすることにより、また、前記マグネタイト粒子を酸素
含有ガスで酸化してマグヘマイト粒子とすることにより
得られる。これら磁性粒子粉末の形状は、出発原料であ
るゲーサイトの形状に由来することは広く知られてお
り、分散性に優れ、高い保磁力を有する磁性粒子粉末を
得るには、出発原料であるゲーサイトの粒子の粒度分布
が均一であって、樹枝状粒子が混在せず、分散性に優
れ、高い軸比を有していることが要望されている。分散
性が悪いゲーサイトは、たとえ軸比が高くても磁気記録
用磁性粒子粉末の原料には適さない。
【0005】また、磁気記録媒体の高出力化及び高記録
密度化が進むにつれて、磁性粒子粉末の原料であるゲー
サイトはより微細なものが要求されている。かかる観点
からは、平均長軸径として0.05〜0.25μmの程
度のゲーサイトが好ましいが、より微細になるほどゲー
サイト同士の凝集が起こりやすくなり、そのような凝集
によりゲーサイトの分散性が悪化する傾向がある。従っ
て、粒径の小さなゲーサイトにおいては、かかる分散性
についても考慮する必要がある。
【0006】工業的なゲーサイトの製造方法としては、
大きく分けて、次のa及びbの方法がある。 a.第1鉄塩水溶液に当量以上のアルカリを加えて生じ
た水酸化第1鉄を含む水溶液をpH11以上にて酸化す
る方法(特公昭39-5610 号公報)。 b.第1鉄塩水溶液に加えるアルカリ水溶液として当量
以上の炭酸アルカリ単独、或いは炭酸アルカリと水酸化
アルカリとの混合物を用いることでpH7〜11にて酸
化する方法(特開昭50-80999号公報)。
【0007】前記aの方法では、高い軸比を有するゲー
サイトの粒子が得られるものの、樹枝状粒子が混在し易
く、その結果、得られるゲーサイトの分散性の低下や粒
度分布の不均一化が見られるという重大な欠点を有して
いる。この欠点を改善する方法として、異種元素を添加
する方法(例えば、特開平4−317421号公報)
や、装置または操作条件を工夫した製造法(例えば、特
開平5−170452号公報)が提案されているが、か
かる製造方法であっても得られるゲーサイトの粒度分布
の均一性や分散性を十分満たすものとは言い難い。
【0008】前記bの方法では、前記aの方法に比べ、
粒度分布が均一であり、樹枝状粒子の混在していないゲ
ーサイトを得やすい。その反面、軸比の高いゲーサイト
を得にくい傾向がある。軸比を高くする試みは種々行わ
れており、例えばアルカリ水溶液として炭酸アルカリ単
独を用いる場合に比べ、炭酸アルカリと水酸化アルカリ
との混合物を用いる方が軸比の高いゲーサイトが得られ
る。しかしながら、粒度分布の均一性や樹枝状粒子の混
在の点を工夫するだけでは、とりわけ粒径の小さいゲー
サイトに見られる粒子同士の凝集を抑制することには限
界がある。そのため、このゲーサイトの粒子の凝集によ
る分散性の低下を改善する技術は充分であるとは言えな
い。
【0009】ところで、酸化反応の途中で酸化速度を変
更するゲーサイトの製造方法として特開平1−2122
32号公報がある。この方法とは、「金属炭酸塩スラリ
ー中に存在する全鉄量の30モル%以上を0.02〜
0.05モル/(L・hr)の酸化速度S1 で酸化さ
せ、次いで該金属炭酸塩スラリー中の残りの鉄分を1<
2 /S1 ≦2の関係を満たす酸化速度S2 で酸化させ
ることを特徴とする」ものである。この製造方法は、
0.02〜0.05モル/(L・hr)のような非常に
遅い酸化速度で酸化を開始する反応系において、ある特
定の酸化率の時点から酸化速度を速くすることによって
ゲーサイトの製造時間を短縮することを目的としてい
る。故に、本発明が目的とする分散性を向上させる効果
を有する技術ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、粒度分布が均一であり、樹枝状粒子が混在しない
だけでなく、微細な粒径のゲーサイトを得る場合であっ
ても、分散性に優れる紡錘状ゲーサイトを製造する方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、FeCO3 を含む懸濁液に酸
素含有ガスを吹き込み、酸化反応により紡錘状ゲーサイ
トを製造する方法において、前記懸濁液中の第一鉄(2
価)の酸化率が特定の時期に酸化速度を急速に高くする
ことにより、生成するゲーサイトの粒子同士の凝集を抑
制し、もって分散性を向上させることができることを見
出し、本発明を完成させた。
【0012】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 FeC
3 を含有する懸濁液中の第一鉄を酸素含有ガスにより
酸化して紡錘状ゲーサイトを製造する方法において、該
第一鉄の酸化を、 第一段階:0.1〜0.7mol/(L・hr)の酸化
速度で酸化を行う段階、 第二段階:1分間に0.05mol/(L・hr)以上
の上昇率で酸化速度を上昇させて、第二段階の開始時点
における酸化速度(r1 )の1.5〜4.0倍の酸化速
度で酸化を行う段階、 の二段階で行い、かつ第二段階が、該第一鉄の酸化率が
50〜85mol%のいずれかの時点で開始されること
を特徴とする紡錘状ゲーサイトの製造方法、〔2〕
FeCO3 を含有する懸濁液が、炭酸アルカリと水酸化
アルカリとの混合水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させ
て得られる前記〔1〕記載の製造方法、〔3〕 得ら
れる紡錘状ゲーサイトのメジアン径と平均長軸径との比
(メジアン径/平均長軸径)が0.5以上2.0未満で
ある前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、〔4〕
得られる紡錘状ゲーサイトの平均長軸径が0.05〜
0.25μmである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の
製造方法、に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の紡錘状ゲーサイトの製造
方法は、FeCO3 を含有する懸濁液中の第一鉄を酸素
含有ガスにより酸化して紡錘状ゲーサイトを製造する方
法において、該第一鉄の酸化を、 第一段階:0.1〜0.7mol/(L・hr)の酸化
速度で酸化を行う段階、 第二段階:1分間に0.05mol/(L・hr)以上
の上昇率で酸化速度を上昇させて、第二段階の開始時点
における酸化速度(r1 )の1.5〜4.0倍の酸化速
度で酸化を行う段階、 の二段階で行い、かつ第二段階が、該第一鉄の酸化率が
50〜85mol%のいずれかの時点で開始されること
を特徴とする。
【0014】FeCO3 を含む懸濁液中の第一鉄濃度は特に
限定されないが、0.05〜0.9mol/Lが好ましく、0.3 〜0.
7mol/Lがより好ましく、0.4 〜0.65mol/L がさらに好ま
しい。生産性の観点から第一鉄濃度は0.05mol/L 以上が
好ましく、懸濁液の粘度の上昇を抑える観点から0.9mol
/L以下が好ましい。懸濁液の粘度が高い場合、均一な酸
化反応を行うことが困難となり、粒度分布が不均一にな
りやすい。
【0015】上記のようなFeCO3 を含む懸濁液は、例え
ば、炭酸アルカリを含む水溶液と第一鉄塩水溶液とを反
応させるか、または炭酸アルカリと水酸化アルカリとの
混合水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させることにより
得ることができる。軸比を高くできる点から、後者の方
がより好ましい。該懸濁液を得る際には、第一鉄塩水溶
液及びアルカリ水溶液の溶存酸素を予め除去しておき、
非酸化雰囲気の下で反応を行って該懸濁液を調製するこ
とが望ましい。
【0016】第一鉄塩としては特に限定されないが、硫
酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、および酢酸第一鉄
からなる群より選ばれる1種以上が使用できる。本発明
では、アルカリとの反応に先立って、通常、上記の第一
鉄塩は水溶液とする。このときの第一鉄濃度は0.5 〜2.
0mol/Lにするのが好ましく、さらに好ましくは1.0 〜1.
7mol/Lであり、さらに好ましくは1.3 〜1.5mol/Lであ
る。生産性の観点から第一鉄濃度は0.5mol/L以上が好ま
しく、粒度分布の均一なゲーサイトを得る観点から2.0m
ol/L以下が好ましい。
【0017】一方、使用される炭酸アルカリとしては、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモ
ニウム等を使用することができる。また、水酸化アルカ
リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化アンモニウム等を使用することができる。通常、これ
らのアルカリも水溶液とする。
【0018】アルカリの使用量としては、第一鉄に対し
て1〜4当量が好ましく、1.5 〜3当量がさらに好まし
い。粒度分布の均一なゲーサイトを得る観点からアルカ
リ使用量は1当量以上が好ましく、コストパフォーマン
スの観点から4当量以下が好ましい。
【0019】アルカリ水溶液として炭酸アルカリと水酸
化アルカリとの混合水溶液を使用する場合の、炭酸アル
カリ及び水酸化アルカリの使用量の比率は特に限定され
ないが、アルカリ混合比(〔OH- 〕/2〔CO3 2- 〕)が
0.5 以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.3
以下である。樹枝状粒子の混在による粒度分布の不均一
化を抑制する観点からアルカリ混合比は0.5 以下が好ま
しい。
【0020】前記懸濁液を得る際、第一鉄塩水溶液及び
アルカリ水溶液の温度は特に限定されないが、後工程で
ある酸化反応工程の酸化温度と等しくするのが好まし
く、また、該懸濁液を熟成させてから酸化反応工程を行
う場合には熟成温度と等しくすることが好ましい。前記
の懸濁液を調製してから酸化反応を開始するまでの間に
熟成工程を設定することは、再現性が良く安定した粒径
制御を行う上で有効である。熟成温度は特に限定されな
いが、80℃以下が好ましく、30〜55℃がより好ま
しい。操作上、酸化反応温度と同一温度であることが特
に好ましい。熟成時間は特に限定されないが、30分以上
が好ましく、より好ましくは60〜240 分であり、さらに
好ましくは120 〜180 分である。熟成の効果を発揮させ
る観点から30分以上が好ましく、生産効率の観点から
240分以下が好ましい。熟成は、例えば懸濁液を攪拌
しながら窒素ガス等を供給すること等により達成され
る。
【0021】前記懸濁液の酸化反応を進行させる酸素含
有ガスとしては、空気、酸素、空気と酸素との混合ガ
ス、酸素と窒素との混合ガス、空気と窒素との混合ガス
等を用いることができる。供給する酸素含有ガスの流量
は懸濁液の容量と反応器の寸法及び目的とするゲーサイ
トの粒子の大きさ等により異なるが、懸濁液1Lに対し
0.001〜15.0L/分が好ましい。
【0022】酸素含有ガスの温度は特に限定されない
が、0〜80℃であることが望ましく、さらに望ましく
は20〜55℃である。0℃未満に下げる必要もない。
なお、本発明における酸化反応は、pH7〜11におい
て好適に行われる。
【0023】FeCO3 を含有する懸濁液中の第一鉄を
酸素含有ガスにより酸化する方法は特に限定されるもの
ではなく、通常用いられる公知の方法が使用できる。具
体的には、例えば酸素含有ガスを懸濁液中に吹き込むこ
とによって第一鉄の酸化が行われる。酸化反応に使用さ
れる反応器としては、通常の気泡塔反応器、撹拌気泡塔
反応器等の気液接触反応器が使用可能である。また、ド
ラフトチューブを設置した撹拌気泡塔反応器や、外部循
環ラインを設けた反応器、さらに分散機を経由する外部
循環ラインを設置した反応器の使用も何等限定されるも
のではない。
【0024】本発明においては、FeCO3 を含有する
懸濁液中の第一鉄の酸化は、酸化条件の異なる二段階に
分けて実施される。このように酸化を行うことにより、
1)微細なゲーサイトの生成、2)分散性の向上、とい
う、従来両立し得なかった課題を解決するものである。
【0025】まず、第一段階について説明する。第一段
階は、0.1〜0.7mol/(L・hr)の酸化速度
で酸化を行う段階である。第一段階における酸化速度は
0.1〜0.7mol/(L・hr)の範囲であり、
0.15〜0.6mol/(L・hr)の範囲がより好
ましく、0.2〜0.5mol/(L・hr)の範囲が
特に好ましい。粒径のより小さいゲーサイトの粒子を得
る観点から第一段階における酸化速度は0.1mol/
(L・hr)以上が好ましく、均一形状のゲーサイト粒
子を得る観点から0.7mol/(L・hr)以下が好
ましい。
【0026】酸化速度は、懸濁液より排出されるガス中
の酸素濃度を酸素濃度計(例えば、Fujikura Ltd. 製、
FCX-SK)により経時的に測定し、単位時間当りに反応で
消費された酸素量から逆算して求められる。酸化速度
(r) は(1)式により算出することができる。 (r) =(Qin・Cin−Qout ・Cout )/(N・V・Vm) (1) (r) :酸化速度[mol/(L・hr)] Qin:酸素含有ガスの入口流量[L/hr] Cin:入口の酸素濃度[vol%] Qout:酸素含有ガスの出口流量[L/hr] Cout:出口の酸素濃度[vol%] N:量論比(=1/4) V:懸濁液の液量[L] Vm:理想気体の0℃、1atmにおけるモル容積=22.4[L
/mol]
【0027】量論比Nは、本酸化反応の反応式(2)式
より1/4とした。 FeCO3 + 1/4 O2 + 3/2 H2O → FeOOH + H2CO3 (2) また、酸化率は、酸化速度を時間積分して求めた酸化さ
れた分の鉄濃度の酸化前の第一鉄濃度に対する比として
算出することができる。
【0028】本発明の第一段階の酸化速度である0.1
〜0.7mol/(L・hr)の範囲は、比較的速い酸
化速度と言える。一般に、酸化速度が速いほど生成する
ゲーサイトは微粒子となり、凝集性が強い。酸化速度が
より遅い場合、生成するゲーサイトの粒子の粒径が大き
くなる傾向がある。粒径が大きくなるに連れて粒子同士
の凝集性は弱くなるため、粒子同士の凝集に基づく分散
性の低下は、粒径の大きなゲーサイトについてはそもそ
も問題とならない場合が多い。一方、本発明の製造方法
は、このような凝集性が強い、粒径の小さい(例えば平
均長軸径が0.05〜0.25μmの)ゲーサイトにつ
いて特に好適に適用できる。
【0029】本発明において、第一段階の酸化速度は
0.1〜0.7mol/(L・hr)の範囲内であれ
ば、その速度を適宜変更しても良い。例えば、得られる
ゲーサイトの軸比をより高くする場合、前記懸濁液中の
第一鉄の酸化率が4〜20mol%の間のいずれかの時
点で、酸化速度を第一段階開始時の酸化速度(r0 )の
20〜80%に低下させれば良い。
【0030】次に、酸化の第二段階について説明する。
第二段階は、1分間に0.05mol/(L・hr)以
上の上昇率で酸化速度を上昇させて、第二段階の開始時
点における酸化速度(r1 )の1.5〜4.0倍の酸化
速度で酸化を行う段階である。
【0031】第二段階における酸化速度の上昇は急激に
実施することが好ましい。この理由は、酸化反応後半に
おいて酸化速度を急激に上昇させることによって、凝集
しつつある粒子間に負荷を与え、凝集を解消する作用が
あるものと考えられるからである。具体的には、通常1
分間に0.05mol/(L・hr)以上、好ましくは
1分間に0.1mol/(L・hr)以上、より好まし
くは1分間に0.3mol/(L・hr)以上の上昇率
である。
【0032】また、第二段階の酸化速度はr1 の1.5
〜4.0倍、好ましくは1.5〜3.0倍、より好まし
くは2.0〜2.5倍である。凝集しつつある粒子間に
十分な負荷を与える観点から第二段階の酸化速度はr1
の1.5倍以上が好ましく、新たな結晶核の発生を抑え
る観点からr1 の4.0倍以下が好ましい。新たに結晶
核が発生する場合、粒度分布の均一なゲーサイトが得ら
れ難い。
【0033】本発明における第一鉄の酸化の第二段階
は、該第一鉄の酸化率が50〜85mol%、好ましく
は60〜85mol%、より好ましくは70〜80mo
l%のいずれかの時点で開始される。充分に成長したゲ
ーサイトのより多くに負荷を与える観点から、第二段階
の開始時点は酸化率で50mol%以上が好ましく、す
でに凝集した粒子に充分な負荷を与えることは困難なこ
とから85mol%以下が好ましい。
【0034】次に、酸化速度を変更する手段について説
明する。本発明における酸化反応は、酸素含有ガスを懸
濁液中に吹き込むことによって進行する気液接触の不均
一系反応である。この場合、酸化速度は、懸濁液温度
(=酸化反応温度)、酸素の溶解度、酸素分圧、酸素供
給速度、及び気液界面積等に影響される。
【0035】酸素の溶解度は、懸濁液中のイオン濃度、
懸濁液温度及びガス温度に依存する。懸濁液温度を低下
させることにより、酸素溶解度を大きくして酸化速度を
増加させることは操作上困難であり、工業的に有利な方
法とは言い難い。酸素分圧による方法としては、加圧系
において反応器内の圧力を操作することにより可能であ
る。
【0036】酸素供給速度を制御することによる方法と
しては、ガス供給速度を一定として酸素濃度のみを変え
る方法、酸素濃度を一定としてガス供給速度を変える方
法、酸素濃度及びガス供給速度の両者を変える方法があ
り、いずれの方法によっても可能である。
【0037】また、撹拌速度を変えることによって気液
界面積を制御することができる。すなわち、撹拌速度を
速くすることによって酸化速度を増加させることが容易
にでき、酸素供給速度による方法と同時に行うことも可
能である。本発明においては、上記の各手段の1つ以上
を用いて酸化速度を所望の値に変更させることができ
る。
【0038】また、酸化反応温度は懸濁液温度とし、ゲ
ーサイトが生成する温度範囲であれば特に限定されな
い。ゲーサイトの粒径は懸濁液温度に強く影響される。
即ち、懸濁液温度が低いほど微粒子のゲーサイトが生成
するため、酸化反応温度(懸濁液温度)は所望のゲーサ
イトの粒径により決定される。具体的には、好ましくは
80℃以下であり、さらに好ましくは30〜55℃であ
る。
【0039】なお、本発明においては、磁性粒子の特性
向上のために、ゲーサイトの製造中に通常添加されるN
i、Co、Zn、P、Al、Si等のFe以外の異種元
素を含む化合物及び/又は有機物を添加することもで
き、この場合にも本発明が目的とする効果が得られる。
【0040】また、本発明の製造方法により得られる紡
錘状ゲーサイトは、分散性が良好なものが好ましい。こ
こでいう分散性とは、主としてゲーサイトの粒子同士の
凝集に基づくものであり、具体的には分散性はゲーサイ
トの粒子の凝集度合で評価できる。ここで、ゲーサイト
の粒子の凝集度合はそのメジアン径と平均長軸径との比
(メジアン径/平均長軸径)で表すことができる。該メ
ジアン径/平均長軸径の数値が小さいほど凝集度合が少
なく、分散性が良好であることを示す。本発明の製造方
法によって得られる紡錘状ゲーサイトの「メジアン径/
平均長軸径」は0.5以上2.0未満が好ましく、より
好ましくは0.5〜1.5である。紡錘状ゲーサイトか
ら得られる磁性粒子粉末の磁気特性が優れるという観点
から2.0未満が好ましい。
【0041】「メジアン径/平均長軸径」は次のように
して求められる。まず、レーザー回折/散乱式粒度分布
測定装置((株)堀場製作所製)を用いて、屈折率を
2.0として測定される粒度分布をもとに、メジアン径
を得る。該メジアン径は凝集したゲーサイトの粒子の二
次粒子径と考えることができる。また、ゲーサイトの透
過型電子顕微鏡(TEM)写真から平均長軸径が得られ
る。該平均長軸径はゲーサイトの一次粒子径と考えるこ
とができる。
【0042】従来の方法では、該メジアン径/平均長軸
径が2.0未満となるゲーサイトを製造することが甚だ
困難であるが、本発明の方法では、酸化率が特定の時期
に酸化速度を急速に増加させることにより、分散性が良
好なゲーサイトを製造することができる。
【0043】また、本発明の製造方法により得られる紡
錘状ゲーサイトの平均長軸径は0.05〜0.25μm
が好ましく、0.10〜0.20μmがより好ましい。
紡錘状ゲーサイトの軸比を高くする観点から0.05μ
m以上が好ましく、磁気記録媒体の記録密度を高くする
観点から0.25μm以下が好ましい。
【0044】ゲーサイトの長軸径、短軸径、及び軸比
は、反応で得られたゲーサイトスラリーを水洗した後、
透過型電子顕微鏡(TEM)により写真を撮り、TEM
写真から一次粒子の長軸径及び短軸径を読みとり求め
る。平均長軸径及び平均軸比は300個の一次粒子につ
いての測定値の平均により求める。粒度分布は、例えば
長軸径の変動係数(σy/Y)で評価することができ
る。σyは長軸径の標準偏差、Yは平均長軸径である。
変動係数の数値の小さいほど粒度分布が均一であること
を示す。長軸径の変動係数が0.3以下の場合、粒度分
布の均一なゲーサイトと言える。
【0045】また、本明細書における「紡錘状」とは、
一般に用いられる「針状」と比較される用語であり、ゲ
ーサイトの粒子の一次粒子の場合、その長軸方向の中央
部が大きく(太く)、その端部に向かうと細くなる形状
と定義される(図1)。これに対し、「針状」とは、短
軸の長さ(太さ)が長軸方向の場所によらずほぼ一定の
形状をいう(図2)。さらに具体的には、「紡錘状」は
長軸に沿う面上への投影図形がほぼ楕円形状を呈し、
「針状」は長軸に沿う面上への投影図形がほぼ長方体の
角および先端部を丸めた形状を基本形状とする。また、
「樹枝状」とはゲーサイトが枝分かれした形状をいう。
このような形状特性は、透過型電子顕微鏡等による観察
により確認できる。
【0046】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
述するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定さ
れるものではない。
【0047】実施例1 内容積10Lの撹拌気泡塔反応器に、炭酸ナトリウム
(純度100%)411gと水酸化ナトリウム(純度9
6%)94gとをイオン交換水に溶かした3.33Lの
アルカリ水溶液を調製し、該アルカリ水溶液中に窒素を
吹き込み、溶存酸素を追い出した。次いで、溶存酸素を
十分に追い出したイオン交換水に硫酸第一鉄(7水和
物)695gを溶かした1.67Lの硫酸第一鉄水溶液
を、窒素雰囲気下で上記アルカリ水溶液中に3分間で投
入し、FeCO3 を含む懸濁液5L(38℃)を調製した
(懸濁液の第一鉄濃度=0.5mol/L 、アルカリ当量比
(〔CO3 2- 〕/〔Fe2+〕=1.55、〔OH- 〕/2〔Fe
2+〕=0.45)、アルカリ混合比(〔OH- 〕/2〔CO
3 2-〕=0.29))。該懸濁液に5L/分の窒素を吹
き込み、撹拌速度600rpmで撹拌しながら、38℃
で150分間熟成した。
【0048】次いで、撹拌速度を700rpm(周端速
度2.9m/s)にして、窒素の吹き込みを止め、空気
(室温)を5L/分で吹き込み、酸化反応を開始した。
反応器上部より排出されるガス中の酸素濃度の経時変化
を測定、記録し、酸化反応で消費した酸素量から前記
(1)式を用いて酸化速度を計算した。第一段階の開始
時点における酸化速度(r0 )は0.47mol/(L
・hr)であった。次いで、酸化反応を開始してから6
分後に撹拌速度を500rpmに低下させた。変更後の
酸化速度は0.27mol/(L・hr)であった。
【0049】6分後の酸化率は9mol%であり、酸化
速度はr0 の57%であった。酸化開始から6〜80分
の間は、酸化速度を0.27mol/(L・hr)で実
施した。酸化開始80分後の酸化率は75mol%であ
った。酸化開始80分の時点において攪拌速度を750
rpmへ1分間で変更した。即ち、第二段階開始時点に
おける酸化速度(r1 )は0.27mol/(L・h
r)であった。また、変更後の酸化速度は0.7mol
/(L・hr)であり、r1 の2.6倍であった。即
ち、酸化率が9〜75mol%の間の酸化速度は0.2
7mol/(L・hr)であり、次いで酸化率75mo
l%の時点から酸化速度を0.43(mol/(L・h
r))/分の上昇率でr1 の2.6倍に増加させた。
【0050】その後の酸化反応は増加後と同じ酸化速度
で38℃で酸化率100mol%になるまで行った。得
られたゲーサイトスラリーを水洗した後、透過型電子顕
微鏡(TEM)により観察し、樹枝状粒子が見られない
こと、紡錘状ゲーサイトが生成していることを確認し
た。また、TEM写真から300個の一次粒子の長軸径
及び短軸径を読みとり、平均長軸径及び平均軸比を求め
た。さらに長軸径の変動係数(σy/Y)を求め、粒度
分布を評価した。該ゲーサイトの分散性は、レーザー回
折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製)を
用いて、屈折率を2.0として測定される粒度分布から
求めたメジアン径と、ゲーサイトのTEM写真から求め
た平均長軸径の比(メジアン径/平均長軸径)で評価し
た。得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表2に示
す。
【0051】実施例2 酸化反応パターンを変更したこと以外は実施例1と同様
の方法でゲーサイトを得た。具体的には、酸化開始から
6〜55分の間は、酸化速度が0.27mol/(L・
hr)で酸化反応を実施(酸化開始55分後の酸化率は
53mol%)し、酸化開始55分の時点において攪拌
速度を750rpmへ1分間で変更した。即ち、r1
び酸化率が9〜53mol%の間の酸化速度は0.27
mol/(L・hr)であり、次いで酸化率53mol
%の時点から酸化速度を0.43(mol/(L・h
r))/分の上昇率でr1 の2.6倍に増加させた。得
られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMにより観察
し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサイトが
生成していることを確認した。得られたゲーサイトの評
価結果等を表1、表2に示す。
【0052】実施例3 酸化反応パターンを変更したこと以外は実施例1と同様
の方法でゲーサイトを得た。具体的には、酸化開始から
6〜90分の間は、酸化速度が0.27mol/(L・
hr)で酸化反応を実施(酸化開始90分後の酸化率は
85mol%)し、酸化開始90分の時点において攪拌
速度を750rpmへ1分間で変更した。即ち、r1
び酸化率が9〜85mol%の間の酸化速度は0.27
mol/(L・hr)であり、次いで酸化率85mol
%の時点から酸化速度を0.43(mol/(L・h
r))/分の上昇率でr1 の2.6倍に増加させた。得
られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMにより観察
し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサイトが
生成していることを確認した。得られたゲーサイトの評
価結果等を表1、表2に示す。
【0053】実施例4 酸化反応パターンを変更したこと以外は実施例1と同様
の方法でゲーサイトを得た。具体的には、酸化開始から
6〜150分の間は、酸化速度が0.13mol/(L
・hr)(攪拌速度350rpm)で酸化反応を実施
(酸化開始150分後の酸化率は71mol%)し、酸
化開始150分の時点において攪拌速度を550rpm
(酸化速度0.50mol/(L・hr))へ1分間で
変更した。即ち、r1 及び酸化率が9〜71mol%の
間の酸化速度は0.13mol/(L・hr)であり、
次いで酸化率71mol%の時点から酸化速度を0.3
7(mol/(L・hr))/分の上昇率でr1 の3.
8倍に増加させた。得られたゲーサイトスラリーを水洗
後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が見られないこ
と、紡錘状ゲーサイトが生成していることを確認した。
得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表2に示す。
【0054】実施例5 酸化反応パターンを変更したこと以外は実施例1と同様
の方法でゲーサイトを得た。具体的には、酸化開始から
6〜50分の間は、酸化速度が0.37mol/(L・
hr)(攪拌速度450rpm)で酸化反応を実施(酸
化開始50分後の酸化率は63mol%)し、酸化開始
50分の時点において攪拌速度を600rpm(酸化速
度0.60mol/(L・hr))へ3分間で変更し
た。即ち、r1 及び酸化率が9〜63mol%の間の酸
化速度は0.37mol/(L・hr)であり、次いで
酸化率63mol%の時点から酸化速度を0.077
(mol/(L・hr))/分の上昇率でr1 の1.6
倍に増加させた。得られたゲーサイトスラリーを水洗
後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が見られないこ
と、紡錘状ゲーサイトが生成していることを確認した。
得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表2に示す。
【0055】実施例6 内容積10Lの攪拌気泡塔反応器に、炭酸ナトリウム
(純度100%)384gをイオン交換水に溶かした4
Lのアルカリ水溶液を調製し、該アルカリ水溶液中に窒
素を吹き込み、溶存酸素を追い出した。次いで、溶存酸
素を十分に追い出したイオン交換水に硫酸第一鉄(7水
和物)348gを溶かした1.0Lの硫酸第一鉄水溶液
を、窒素雰囲気下で、上記アルカリ水溶液中に3分間で
投入し、FeCO3 を含む懸濁液5L(30℃)を調製し
た。(懸濁液の第一鉄濃度=0.25mol/L 、アルカリ
当量比([CO3 2-]/[Fe2+ ]=2.9))。該懸濁液に5
L/分の窒素を吹き込み、撹拌速度600rpmで撹拌
しながら、30℃で230分間熟成した。
【0056】次いで、撹拌速度を600rpm(周端速
度2.5m/s)にして、窒素の吹き込みを止め、空気
(室温)を15L/分で吹き込み、酸化反応を開始し
た。反応器上部より排出されるガス中の酸素濃度の経時
変化を測定、記録し、酸化反応で消費した酸素量から前
記(1)式を用いて酸化速度を計算した。この酸化開始
時の酸化速度(r0 )は0.12mol/(L・hr)
であった。次いで、酸化反応を開始してから80分後
に、撹拌速度を750rpmに1分間で変更した。酸化
開始80分後の酸化率は64mol%であり、変更後の
酸化速度は0.25mol/(L・hr)であった。即
ち、r1 及び酸化率が0〜64mol%の間の酸化速度
は0.12mol/(L・hr)であり、次いで酸化率
64mol%の時点から酸化速度を0.13(mol/
(L・hr))/分の上昇率でr1 の2.1倍に増加さ
せた。
【0057】その後の酸化反応は、増加後と同じ酸化速
度で30℃で酸化率100mol%になるまで行った。
得られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMにより観
察し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサイト
が生成していることを確認した。得られたゲーサイトの
評価結果等を表1、表2に示す。
【0058】実施例7 酸化反応パターンを変更したこと以外は実施例6と同様
の方法でゲーサイトを得た。具体的には、酸化開始から
50分後までの間は、酸化速度が0.20mol/(L
・hr)(攪拌速度700rpm)で酸化反応を実施
(酸化開始50分後の酸化率は67mol%)し、酸化
開始50分の時点において攪拌速度を800rpm(酸
化速度0.38mol/(L・hr))へ1分間で変更
した。即ち、r1 及び酸化率が0〜67mol%の間の
酸化速度は0.20mol/(L・hr)であり、次い
で酸化率67mol%の時点から酸化速度を0.18
(mol/(L・hr))/分の上昇率でr1 の1.9
倍に増加させた。得られたゲーサイトスラリーを水洗
後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が見られないこ
と、紡錘状ゲーサイトが生成していることを確認した。
得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表2に示す。
【0059】比較例1 酸化率75mol%の時点より酸化速度を増加させなか
ったこと以外は、実施例1と同様の方法でゲーサイトを
得た。得られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMに
より観察し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲー
サイトが生成していることを確認した。得られたゲーサ
イトの評価結果等を表1、表2に示す。
【0060】比較例2 酸化速度を増加させた時の酸化率が40mol%である
こと以外は、実施例1と同様の方法でゲーサイトを得
た。得られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMによ
り観察し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサ
イトが生成していることを確認した。得られたゲーサイ
トの評価結果等を表1、表2に示す。
【0061】比較例3 酸化速度を増加させた時の酸化率が95mol%である
こと以外は、実施例1と同様の方法でゲーサイトを得
た。得られたゲーサイトスラリーを水洗後、TEMによ
り観察し、樹枝状粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサ
イトが生成していることを確認した。得られたゲーサイ
トの評価結果等を表1、表2に示す。
【0062】比較例4 増加させた酸化速度の割合がr1 の5.4倍であること
以外は、実施例4と同様の方法でゲーサイトを得た。即
ち、酸化率が71mol%の時点で攪拌速度を750r
pmへ1分間で変更した。得られたゲーサイトスラリー
を水洗後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が見られな
いこと、紡錘状ゲーサイトが生成していることを確認し
た。得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表2に示
す。また、得られたゲーサイトは変動係数が0.43で
あり、粒度分布が不均一であった。
【0063】比較例5 増加させた酸化速度の割合がr1 の1.1倍であること
以外は、実施例5と同様の方法でゲーサイトを得た。即
ち、酸化率が63mol%の時点で、攪拌速度を480
rpmへ3分間で変更した。変更後の酸化速度は0.4
mol/(L・hr)であった。得られたゲーサイトス
ラリーを水洗後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が見
られないこと、紡錘状ゲーサイトが生成していることを
確認した。得られたゲーサイトの評価結果等を表1、表
2に示す。
【0064】比較例6 酸化速度の上昇の所要時間を30分間とし、酸化率75
mol%の時点から酸化速度を0.014(mol/
(L・hr))/分の上昇率で増加させたこと以外は実
施例1と同様の方法でゲーサイトを得た。得られたゲー
サイトスラリーを水洗後、TEMにより観察し、樹枝状
粒子が見られないこと、紡錘状ゲーサイトが生成してい
ることを確認した。得られたゲーサイトの評価結果等を
表1、表2に示す。
【0065】比較例7 酸化開始時から酸化終了時まで、0.2mol/(L・
hr)の酸化速度で酸化を行ったこと以外は、実施例7
と同様の方法でゲーサイトを得た。得られたゲーサイト
スラリーを水洗後、TEMにより観察し、樹枝状粒子が
見られないこと、紡錘状ゲーサイトが生成していること
を確認した。得られたゲーサイトの評価結果等を表1、
表2に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】実施例1〜実施例7から、本発明によれ
ば、軸比、粒度分布が良好なだけでなく、微細な粒径で
あっても分散性に優れた紡錘状ゲーサイトを得ることが
できることが分かった。一方、酸化速度を上昇させない
例(比較例1、比較例7)、第二段階の開始時期が本発
明の範囲外の例(比較例2、比較例3)、第二段階の酸
化速度の上昇の程度が本発明の範囲外の例(比較例4、
比較例5)、上昇率が低過ぎる例(比較例5、比較例
6)は、いずれも分散性に劣るものであった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録用磁性粒子粉
末を製造する際の出発原料として好適な、軸比、粒度分
布が良好なだけでなく、微細であって分散性にも優れた
紡錘状ゲーサイトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、紡錘状を呈したゲーサイトの形状を模
式的に示す図である。
【図2】図2は、針状を呈したゲーサイトの形状を模式
的に示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FeCO3 を含有する懸濁液中の第一鉄
    を酸素含有ガスにより酸化して紡錘状ゲーサイトを製造
    する方法において、該第一鉄の酸化を、 第一段階:0.1〜0.7mol/(L・hr)の酸化
    速度で酸化を行う段階、 第二段階:1分間に0.05mol/(L・hr)以上
    の上昇率で酸化速度を上昇させて、第二段階の開始時点
    における酸化速度(r1 )の1.5〜4.0倍の酸化速
    度で酸化を行う段階、 の二段階で行い、かつ第二段階が、該第一鉄の酸化率が
    50〜85mol%のいずれかの時点で開始されること
    を特徴とする紡錘状ゲーサイトの製造方法。
  2. 【請求項2】 FeCO3 を含有する懸濁液が、炭酸ア
    ルカリと水酸化アルカリとの混合水溶液と第一鉄塩水溶
    液とを反応させて得られる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 得られる紡錘状ゲーサイトのメジアン径
    と平均長軸径との比(メジアン径/平均長軸径)が0.
    5以上2.0未満である請求項1又は2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 得られる紡錘状ゲーサイトの平均長軸径
    が0.05〜0.25μmである請求項1〜3いずれか
    記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005183440A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Taiyo Nippon Sanso Corp 超電導部材冷却装置
US7910085B2 (en) 2007-12-28 2011-03-22 Tdk Corporation Process for production of iron oxyhydroxide particles

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