JPH10182802A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH10182802A
JPH10182802A JP9289942A JP28994297A JPH10182802A JP H10182802 A JPH10182802 A JP H10182802A JP 9289942 A JP9289942 A JP 9289942A JP 28994297 A JP28994297 A JP 28994297A JP H10182802 A JPH10182802 A JP H10182802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エステル化工程および重縮合工程の反応を安
定した状態で行い、均一な品質のポリエステルを製造す
る。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸をジオール中に分散
させ、エステル化工程および重縮合工程を経てポリエス
テルを製造する方法において、重縮合工程における未反
応のジオールおよび触媒を含むリサイクル液をエステル
化工程に循環する際、変化するリサイクル液中のジオー
ル濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度および触媒濃度
を近赤外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析
し、その分析値に基づいて反応系に供給する原料および
リサイクル液を合計した全組成が所定値となるように制
御するポリエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ジカルボン酸
とジオールとを反応させてポリエステルを製造する方
法、特に未反応のジオールのリサイクル液を分析して反
応条件を制御しポリエステルを製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステルはテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチ
レングリコール等のジオールと、触媒とを反応器に供給
し、エステル化反応および重縮合反応を経て製造され
る。この製造方法では反応条件を一定に保って均一な品
質のポリエステルを製造することが重要であるが、ジオ
ールおよび触媒の分析は分析に長時間を要したため反応
条件および品質を精度よく一定に保つことが困難であ
る。
【0003】従来ポリエステルの製造における反応条件
の制御のために、原料であるジカルボン酸の酸価、ジオ
ールの水酸基価、生成物であるポリエステルのエステル
価および水分を近赤外分光分析装置により分析し、その
分析値により温度、圧力、時間等の反応条件を制御する
方法が提案されている(特開平2−306937号)。
しかしこのような方法を適用するだけでは、ジオールの
濃度を定量することは困難であった。ジオール化合物の
濃度は、ポリエステルボトル等の成形品の耐熱性に強い
影響を与える。そのためガスクロマトグラフィー分析並
みの繰り返し誤差が3%以下の定量精度が必要であり、
所定の波長精度およびノイズレベルでなければ実用に適
さないことが分かった。また温度、圧力、時間等の反応
条件の変更は困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サン
プルの処理を行うことなく、少量・短時間で精度よく連
続的に分析して、安定した原料の供給制御を行い、これ
により反応条件を一定にして、品質の安定したポリエス
テルの製造方法を提案することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジカル
ボン酸粉末を液状ジオール中に分散させてスラリーを形
成し、触媒の存在下エステル化工程および重縮合工程を
経てポリエステルを製造する方法において、重縮合工程
における未反応のジオールおよび触媒を含む液をリサイ
クル液としてエステル化工程に循環する際、リサイクル
液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度お
よび触媒濃度を、ノイズレベルが50×10-6Abs以
下、波長の再現性が0.01nm以下の近赤外分光分析
装置および蛍光X線分析装置で分析し、その分析値に基
づいて、反応系に供給する原料およびリサイクル液の合
計した組成が所定の範囲内となるように制御することを
特徴とするポリエステルの製造方法である。
【0006】本発明で原料となる芳香族ジカルボン酸と
しては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸などがあげられる。ジオールとしてはエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ールなどがあげられる。これらはそれぞれ1種単独また
は2種以上の組合せで原料とされる。
【0007】本発明のポリエステルの製造方法は、上記
のような芳香族ジカルボン酸の粉末をジオール中に分散
させてスラリーを形成し、エステル化工程、重縮合工程
を経てポリエステルを生成させる。スラリーの形成は上
記の芳香族ジカルボン酸粉末および必要により添加され
る他のカルボン酸粉末を、エチレングリコールその他の
液状ジオールおよび必要により添加される他のアルコー
ル中に常温、常圧下に撹拌して懸濁分散させてスラリー
を形成する。ジオールの使用量は芳香族ジカルボン酸粉
末1モルに対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.
2モルとするのが好適である。
【0008】エステル化工程では、スラリー化工程で得
られたスラリーを220〜300℃、好ましくは240
〜270℃の温度、常圧ないし加圧下、好ましくは常圧
ないし300,000Paの圧力下に反応させ、生成す
る水を除去しながら芳香族ジカルボン酸をジオールと反
応させてエステル化する。エステル化反応により芳香族
ジカルボン酸およびジオールのエステルおよびその多量
体(オリゴマー)が生成する。エステル化反応には触媒
を用いなくてもよいが、後の重縮合工程に用いられる重
縮合触媒をこの段階で添加することもできる。
【0009】エステル化工程は複数段に分けて行うのが
好ましい。エステル化工程で得られる反応混合物から大
部分のジオールを分離してエステル化工程に循環する。
生成物であるエステルおよびその多量体は重縮合触媒と
ともに小部分のジオールに分散した状態で重縮合工程に
送られる。
【0010】重縮合工程ではエステル化工程で生成した
エステルおよび多量体を240〜300℃、好ましくは
275〜290℃の温度、および常圧ないし減圧下、好
ましくは14,000〜60Paの圧力下で重縮合させ
て、生成する水を除去しながらポリエステルを製造す
る。重縮合工程は1段で行うこともできるが、複数段に
分けて行うのが好ましい。
【0011】上記の液相重縮合工程における重縮合反応
は、液相で重縮合触媒の存在下に行われる。重縮合触媒
としては、二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエ
トキシド、ゲルマニウムテトラn一ブトキシドなどのゲ
ルマニウム化合物、三酸化アンチモンなどのアンチモン
触媒およびチタニウムテトラブトキサイドなどのチタン
触媒などを用いることができる。これらの重縮合触媒
は、その品質目標においてその特徴を活かし、使いわけ
ることが好ましい。
【0012】上記液相中には重縮合触媒とともに安定剤
を用いることができる。安定剤としては、トリメチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリn−ブチル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどの燐酸
エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシ
ルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトな
どの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェー
ト、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッ
ドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホ
スフェート、ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸
エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が
用いられる。
【0013】これらの触媒あるいは安定剤の使用割合
は、ジカルボン酸とグリコールとの混合物の重量に対し
て、触媒の場合には触媒中の金属の重量として、通常、
0.0005〜0.2重量%、好ましくは0.001〜
0.05重量%の範囲であり、また安定剤の場合には、
安定剤中のリン原子の重量として通常、0.0001〜
0.1重量%、好ましくは0.0002〜0.02重量
%の範囲である。なお、例えば、2種以上のゲルマニウ
ム系触媒を併用し、あるいはゲルマニウム系触媒とアン
チモン触媒とを併用する場合には、これらの触媒総量中
の金属総重量として計算する。
【0014】上記重縮合触媒および安定剤の供給方法
は、エステル化工程の段階において供給することもでき
るし、重縮合工程の各反応器に供給することもできる。
液相重縮合工程では、重縮合触媒および安定剤は反応液
相中に溶解または分散した状態で用いられる。
【0015】液相における重縮合工程の最終段階で反応
母液から生成したポリエステルを分離し、その後必要に
より造粒工程、結晶化工程、固相重縮合工程等の処理を
行い、ポリエステルの最終製品を得る。反応母液からジ
オール回収工程により触媒および安定剤を含むジオール
を回収し、所望により例えば特開平7−228677号
に記載の精製工程を経てリサイクル液としてエステル化
工程に循環する。
【0016】本発明ではこのリサイクル液中のジオール
濃度、ジオール縮合物濃度、水分濃度、および触媒濃度
を近赤外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析
し、その分析値に基づいて反応系に供給する原料(芳香
族カルボン酸、ジオール、触媒を含む)とリサイクル液
の合計した組成、例えば芳香族カルボン酸、ジオール、
ジオール縮合物、水分、および触媒等の組成が所定値に
なるように原料の供給量および/またはリサイクル液の
リサイクル量を制御する。
【0017】高品質のポリエステル製品を得るためにエ
ステル化および重縮合工程における反応を安定して行う
には、反応系に導入する原料の組成を所定値に保つこと
が重要であり、このためには反応系に新しく供給する原
料およびリサイクル液の合計した組成を所定値に保つ必
要がある。例えばリサイクル液中のジオール濃度が高く
なったときは原料供給量を少なくするか、あるいはリサ
イクル量を少なくすることにより、新しく供給する原料
とリサイクル液の合計した導入量を所定値に制御する。
この場合、さらに反応条件等を調整してもよい。またリ
サイクル液中の安定剤および金属の濃度についても同様
に分析と制御を行うのが好ましい。
【0018】近赤外分光分析装置は一般に波長500〜
3000nm、好ましくは800〜2500nm、さら
に好ましくは1000〜2000nmの近赤外線を試料
に照射して透過光または反射光を検出し、その吸収スペ
クトルにより、試料の物性、成分等の分析を行う装置で
ある。本発明ではリサイクル液を前処理することなく、
リサイクルの過程でそのまま試料として分析を行い、そ
の結果に基づいて制御を行う。制御はコンピュータ等の
制御装置を用い、反応系に供給する原料およびリサイク
ル液を合計した組成が所定の範囲内となるように制御す
る。
【0019】近赤外分光分析装置は、ノイズレベルが5
0×10-6Abs以下、好ましくは20×10-6Abs
以下、波長の再現性が0.01nm以下の高精度のもの
が必要である。ノイズレベルおよび波長現性の測定方法
は次の通りである。
【0020】ノイズレベルの測定方法 測定方法が反射式であればセラミック板を、透過式であ
れば空気中で2回測定し、前後の吸光度を2nm毎に2
0組測定する。1回目の測定値と2回目の測定値の差
(実効値)の標準偏差をノイズレベルとしている。
【0021】波長再現性の測定方法 JIS K0117−1979赤外分光分析通則を用
い、標準ポリスチレンフィルムを光路に入れ測定する。
この時、基準の近赤外吸収波長は1143.6330n
m、1684.2700nm、2166.4000nm
及び2305.9300nmの各4つである。10回の
標準偏差が波長再現性の値である。
【0022】近赤外分光分析の測定対象となるのはリサ
イクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、水分
濃度などである。近赤外線は紫外線に比べるとエネルギ
ーが小さいので試料成分を変化させることがない。また
可視光の場合とは異なり吸収スペクトルによる分析であ
るため、試料の透明性その他の形態による影響を受けな
いので、膜厚等の調整が不要となる。
【0023】従ってリサイクル液は前処理を行うことな
くそのままの状態で試料とすることができる。また分析
によってリサイクル液は何ら化学的変化を受けることが
ないので、分析装置も汚染されることがなく、長期にわ
たって分析を継続することができる。
【0024】蛍光X線分析装置は一般に試料に一定強度
の1次X線を照射したときに発生する2次X線中の蛍光
X線を検出することにより分析を行う装置である。この
蛍光X線分析装置では元素の分析、特に無機元素の分析
が可能であり、本発明では触媒中のゲルマニウム等の元
素、安定剤中のリン等の元素、ならびにリサイクル液に
含まれる鉄等の金属元素を分析する。蛍光X線分析装置
でも試料の前処理を行うことなく分析を行うことができ
る。
【0025】制御装置としてはコンピュータ等が使用で
き、近赤外分析装置では、波長校正、スペクトル波形処
理、数値演算処理、供給量制御、また蛍光X線分析装置
では、校正、二次X線検出、信号の形成・増幅、スペク
トルの形成、数値演算処理、供給量制御等を行うように
構成する。
【0026】
【発明の効果】本発明のポリエステルの製造方法では、
リサイクル液中の変化する前記各成分を分析し分析結果
に基づいて反応系に供給する原料およびリサイクル液を
合計した組成が所定の範囲内となるように制御すること
により、エステル化工程および重縮合工程の反応を安定
した状態で行い、均一な品質のポリエステルを製造する
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、芳
香族ジカルボン酸としてテレフタル酸(以下TAとい
う)を用い、ジオールとしてエチレングリコール(以下
EGという)を用い、ポリエステルとしてポリエチレン
テレフタレート(以下、PETという)を製造する場合
を図面を基づいて説明する。図1は実施形態の系統図で
ある。
【0028】PETの製造方法は、まず原料のTAおよ
びEGをエステル化工程1に導入する。原料の芳香族ジ
カルボン酸としてはTAを主成分として含むものであれ
ばよく、TA以外にフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の他のジカルボン酸を20モル%以下
含んでいてもよい。
【0029】エステル化工程1にはEGをTA1モルに
対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.2モル添加
し、攪拌してEG中にTAを懸濁分散させスラリーを生
成する。原料兼分散媒としてのジオールはEGを主成分
とするものであればよく、トリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール等の他のジオールを20モル%以下
含んでいてもよい。
【0030】さらにスラリー中には酸化ゲルマニウム等
のゲルマニウム化合物、および/または酢酸アンチモン
等のアンチモン化合物などの触媒を、スラリーに対する
金属濃度として5〜1000wtppm、好ましくは1
00〜300wtppm添加する。
【0031】生成したスラリーはエステル化工程1にお
いて220〜300℃、好ましくは240〜260℃の
温度、常圧ないし加圧下、好ましくは常圧ないし30
0,000Paの圧力下で反応させ、TAとEGをエス
テル化して生成する水を除去しながらエステルを形成す
る。エステル化工程1では、TAとEGのエステル化反
応(酸とアルコールが反応して水を生成する反応)によ
り、BHT(ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレー
ト)を製造する工程であり、このエステル化反応は次の
式〔1〕〜〔4〕で示される。なお、MHTはモノ−β
−ヒドロキシエチルテレフタレートである。
【0032】
【化1】
【0033】エステル化工程1では上記の式〔1〕〜
〔4〕の反応が起こっており、BHTが数個結合した物
の混合物(総称してBHTという)となっている。EG
/TA=2(モル比)の場合は、式〔2〕の反応が主と
なるが、実際の反応ではEG/TAモル比が低い条件で
反応するため、式〔3〕および〔4〕の反応も進行す
る。通常は1〜4量体になると言われているが、実際に
は10量体位まで多量体が存在している。エステル化反
応は反応熱は、ほぼ“ゼロ”である。
【0034】エステル化工程で生成したエステル(BH
T)および分散媒としてのEGを含む反応液は、大部分
のEGを除去したのち重縮合工程2において240〜3
00℃、好ましくは260〜290℃の温度、常圧ない
し減圧下、好ましくは14,000〜60Pa圧力で反
応させ重縮合を行い、PETを製造する。重縮合工程2
は、高温、高真空下でBHTからEGを引抜いて重縮合
させる重縮合反応により、PET樹脂を製造する工程で
あり、重縮合反応を効率的に行うために複数段の反応器
を使用して反応を行う。
【0035】重縮合工程2では、主反応である重縮合反
応およびエステル化反応の他に副反応として熱分解反
応、加水分解反応、DEG(ジエチレングリコール)生
成反応およびオリゴマーの生成反応等が起こる。重縮合
反応は次の式〔5〕に示すように、BHTからEGが引
抜かれ、BHTが次々と結合して行く反応であり、EG
を除去することにより反応が進行する。エステル化反応
は式〔6〕に示すように、エステル化工程で未反応であ
ったカルボン酸および熱分解反応で生成したカルボン酸
と、エチレングリコールとのエステル化反応であり、水
を生成する。
【0036】
【化2】
【0037】上記の反応では次の式〔7〕により、エチ
レングリコールが縮合してジエチレングリコール(DE
G)が生成する。このDEGが生成すると式〔8〕によ
りMHTと反応してDEGエステルが生成する。
【0038】
【化3】
【0039】上記の重縮合工程2における重縮合反応に
より生成したPETは製品化工程において、造粒処理、
結晶化等を行って製品を得る。
【0040】重縮合工程2から分離した反応母液および
エステル化工程から分離したEGは、EG精製工程3で
不用物を除き、その後リサイクル液としてエステル化工
程1に循環する。このときリサイクル液の一部を試料と
してバイパスし、近赤外分光分析装置4および蛍光X線
分析装置5でEG濃度、DEG濃度、水分濃度、触媒濃
度などの分析を行う。
【0041】近赤外分光分析装置4ではリサイクル液を
サンプルとして前処理を行うことなく、オンストリーム
でEG、DEGおよび水分濃度を測定する。例えばEG
は1710nm、DEGは1728nmおよび1914
nm、水分は1922nmで測定することができる。測
定結果は制御装置6に入力し、ここでそれぞれの濃度の
演算を行う。それぞれの濃度の演算式は下記式またはそ
の近似式で与えられる。
【0042】
【数1】 EG濃度=14.8380+70.7468×吸光度(1710nm) ・・・・〔I〕 DEG濃度=7.1835−379.4968×吸光度(1728nm)−16.3079×吸光度(1914nm) ・・・・〔II〕 水分濃度=0.1351−14.9260×吸光度(1922nm) ・・・・〔III〕
【0043】蛍光X線分析装置5ではリサイクル液をサ
ンプルとして前処理を行うことなく、近赤外分光分析装
置4とシリーズまたはパラレルに液を流してオンストリ
ームでGe、Fe、Pなどの元素の分析を行う。例えば
Geは9.876KeV、Feは6.400KeV、P
は2.013KeVのエネルギーで分析を行う。分析結
果はそのまま制御装置6に入力する。
【0044】制御装置6では上記の測定および演算値を
設定値と比較し、原料とリサイクル液の合計の組成が所
定の範囲内を維持するように制御信号を出力し、原料供
給量、リサイクル量、反応条件等を制御する。
【0045】このように新しく供給する原料およびリサ
イクル液の合計の組成を上記範囲内に維持するように原
料供給量および/またはリサイクル量を制御することに
より、前記エステル化工程および重縮合工程は常にほぼ
同一の条件で反応を行うことになり、安定してエステル
化および重縮合反応を行うことができ、均一な品質のポ
リエステルを得ることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について
説明する。各例中、%およびppmは重量基準である。
【0047】実施例1 EG 98%、DEG 1.5%、水分 0.3%、G
e 2000ppm、Fe 0.5ppm、P 70p
pmのリサイクル液を500ml/minで表1に示す
近赤外分光分析装置(NIRSシステムズ社製OL−6
500、ノイズレベル20×10-6Abs)に流して、
波長1710nm、1728nm、1914nm、19
22nmで吸光度を測定したのち、蛍光X線分析装置
(Mitsuisekka & Technos社製オンストリーム600
型)に流してエネルギー9.876KeV、6.400
KeV、2.013KeVで測定した。
【0048】上記測定は2分間以内に終了した。結果を
制御装置で前記式〔I〕〜〔III〕により演算し、これ
を30回繰返して再現性を確認したところ表2に示す結
果が得られた。実施例1の装置は水分濃度とDEG濃度
のいずれも相関係数および標準誤差が良好であった。ま
た長期間補正、洗浄等をすることなく、安定して6カ月
以上運転できた。
【0049】比較例1 リサイクル液中のEGおよびDEGをガスクロマトグラ
フィ(DB−WAX、温度150℃、キャリヤーガスH
e 5ml/min)で測定したところ、測定に20分
間を要し、試料10本程度でカラムの劣化が認められ、
8時間に1回強でカラム交換等のメンテナンスが必要と
なる。また延命するためには前処理が必要である。水分
をカールフィッシャ定量滴定法により分析したところ、
滴定に5分間を要した。またGe、Fe、Pを原子吸光
法(ICPプラズマガス:1.2liter、高周波1.2
KW)で分析したところ、測定に30分間を要し、変化
する濃度に対して対応がおくれ、品質のバラツキを生
み、また経済性も損なわれる。
【0050】比較例2 実施例1のNIR装置を表1に示す装置に変更し、再現
性を確認した。その結果表2に示すように、ノイズレベ
ルおよび波長の再現性が悪い比較例2の装置は、水分濃
度とDEG濃度のいずれも相関係数および標準誤差が実
施例1の装置よりも劣っている。水分の分析には装置の
性能の差に影響は認められなかったが、DEGの分析で
は相関係数が低く、使用に適さなかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】 *表2のラボ値は比較例1の方法により測定した値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 エステル化工程 2 重縮合工程 3 EG精製工程 4 近赤外分光分析装置 5 蛍光X線分析装置 6 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸粉末を液状ジオール
    中に分散させてスラリーを形成し、触媒の存在下エステ
    ル化工程および重縮合工程を経てポリエステルを製造す
    る方法において、 重縮合工程における未反応のジオールおよび触媒を含む
    液をリサイクル液としてエステル化工程に循環する際、 リサイクル液中のジオール濃度、ジオール縮合物濃度、
    水分濃度および触媒濃度を、ノイズレベルが50×10
    -6Abs以下、波長の再現性が0.01nm以下の近赤
    外分光分析装置および蛍光X線分析装置で分析し、 その分析値に基づいて、反応系に供給する原料およびリ
    サイクル液の合計した組成が所定の範囲内となるように
    制御することを特徴とするポリエステルの製造方法。
JP28994297A 1996-11-01 1997-10-22 ポリエステルの製造方法 Expired - Lifetime JP3632403B2 (ja)

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