JPH1018445A - 吸湿・吸水性多孔質壁材及びその製造方法 - Google Patents

吸湿・吸水性多孔質壁材及びその製造方法

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JPH1018445A
JPH1018445A JP19167096A JP19167096A JPH1018445A JP H1018445 A JPH1018445 A JP H1018445A JP 19167096 A JP19167096 A JP 19167096A JP 19167096 A JP19167096 A JP 19167096A JP H1018445 A JPH1018445 A JP H1018445A
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健志 重森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に生産が可能で、吸湿性と吸水性を兼
ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度及び寸法安定性
に優れた実用的な壁材を提供する。 【解決手段】 補強繊維構造体内及びその両表面に、親
水性粉粒樹脂と粉粒状の吸湿剤の混合物を位置させて燒
結成形し、連続気孔を有する吸湿・吸水性多孔質壁材と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿・吸水性多孔
質壁材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、連続
気孔を持ち、吸湿性と吸水性を兼ね備え、耐衝撃性及び
吸水時の寸法安定性に優れた壁材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の家屋は密閉構造になってきてお
り、家屋内外間の空気の移動が小さい構造になってい
る。従って、湿度の移動がないか又は少ないため、冬場
の様に内外の温度差が大きくなると、空気中の飽和湿度
量に差が生じ、室内の空気は冷やされて結露が生じる。
この結露は単に周囲をぬらすばかりでなく、それが結氷
して構造材を痛めたり、カビや菌の発育を促す等、家屋
そのものは勿論のこと、家財に対しても被害を及ぼす場
合がある。
【0003】上記結露防止のため、従来、屋根裏壁部に
換気口を設けることが行われている。また、押し入れ等
の湿気を嫌う場所に置いて吸湿を図る容器入りの吸湿剤
も市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、換気口
からの換気による結露防止は、換気口を形成できる場所
が限られることや、さほど大きな換気口は形成できず、
換気量も不足しがちであることから、十分な結果が得ら
れていないのが現状である。また、容器入りの吸湿剤
は、押し入れ等の限られたスペースについて使用される
ものであって、家屋の広い範囲について結露防止を図る
ことは不可能なものに過ぎない。
【0005】ところで、家屋の結露しやすい箇所の壁材
が吸湿性を有していれば結露を防止しやすく、また吸水
性をも併せ持っていれば、万一結露を生じてもこれを吸
収して、周囲の構造部材への悪影響を押えることが可能
である。
【0006】吸湿性と吸水性を有するものとしては、ポ
リビニルアルコール系、MMA樹脂、ポリアクリル酸塩
系、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、酢酸ビニ
ル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物等の吸水性高
分子材料がある。しかし、これらは吸水により強度低下
を起こすばかりでなく、ポリマー自身が吸水するために
吸水時に大きな寸法変化を起こすことから、これらを用
いて壁材を構成することは困難である。
【0007】このように、吸湿性と吸水性を併せ持つ壁
材は、家屋の結露防止に有効であると考えられるもの
の、それに適した材料がなく、このような壁材は存在し
ていないのが現状である。
【0008】本発明は、上記のような状況に鑑みてなさ
れたもので、工業的に生産が可能で、吸湿性と吸水性を
兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度及び寸法安定
性に優れた実用的な壁材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このために請求項1の発
明では、吸湿剤を保持した親水性樹脂が、芯材としての
補強繊維構造体内に入り込みかつその表面の一部又は全
部を覆っており、しかも連続気孔を有する吸湿・吸水性
多孔質壁材としているものである。更に説明すると、請
求項1の発明によれば、基本的には樹脂の成形品である
ことから、安価かつ容易に成形可能であり、しかも芯材
として補強繊維構造体が設けられ、この補強繊維構造体
内外に樹脂が一体化されているので、連続気孔を有する
ものではあるが、高い耐衝撃性と機械的強度が得られる
ものである。また、親水性で連続気孔を有することによ
って吸水性が得られ、更に保持されている吸湿剤によっ
て吸湿性が得られるものである。
【0010】また、請求項17の発明では、親水性粉粒
樹脂と粉粒状の吸湿剤の混合物を、補強繊維構造体内及
びその両表面に位置させ、親水性粉粒樹脂の粒子間に隙
間を残して燒結成形することとしているものである。更
に説明すると、請求項17の発明によれば、補強繊維構
造体の表面及びその内部において親水性粉粒樹脂が燒結
されて強固に補強繊維構造体と一体化されると共に、粒
子間に残された隙間によって連続気孔が形成され、しか
も内表面及び外表面が親水性となるものである。また、
親水性粉粒樹脂の融着時に、融着した親水性粉粒樹脂の
粒子間に粉粒状の吸湿剤を保持させることができるもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材
は、芯材としての補強繊維構造体内に樹脂が入り込みか
つその表面の一部又は全部を樹脂が覆っており、しかも
連続気孔を有する樹脂成形品で、少なくとも内表面と外
表面が親水性を有するものであれば、構成樹脂自体が親
水性を有するものでも、構成樹脂自体は親水性を有しな
いものではあるが、スルフォン化、親水性モノマーのグ
ラフト、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける
等公知の方法で、全体又は少なくとも内表面と外表面を
親水化したものでもよい。中でも内部に非親水性の樹脂
を残しつつ内表面と外表面を親水化したものとすると、
吸水・吸湿時に内部の非親水性の樹脂部分は水分を吸収
しないため、寸法安定性に優れるので好ましい。
【0012】連続気孔を形成するには、例えば発泡成
形、燒結成形等の手法が主に用いられるが、その他に例
えば抽出可能な成分と共に溶融させた樹脂で成形体を得
た後、抽出可能な成分を抽出して連続気孔を形成するこ
とも可能である。中でも、燒結成形は、粉粒状の樹脂を
希望の形状に堆積若しくは金型中に充填し、粒子間に隙
間を残しつつ、加圧又は無加圧状態で粒子相互を加熱融
着することで、連続気孔を容易に形成できるので、最も
好ましい。本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材における気
孔は、全体が均一な寸法であってもよいし、例えば表層
と内部、或いは一方の表層と他方の表層とで気孔の寸法
を変えたものでもよい。尚、連続気孔とは、成形体の片
面から他面へ連続している気孔をいう。この気孔は直線
的でも曲線的でもよい。
【0013】燒結成形によって本発明の吸湿・吸水性多
孔質壁材を得る場合、上記のように、粉粒状の樹脂を用
いて成形が行われるがことになる。この場合の粉粒状の
樹脂は、それ自体が親水性を有するものでもよいし、そ
れ自体は親水性を有さないが、スルフォン化、親水性モ
ノマーのグラフト、特定の界面活性剤の添加、親水性の
層を設ける等公知の方法で親水化された親水性粉粒樹脂
であることが好ましい。中でも非親水性の樹脂の粉粒体
の表面だけを親水化した親水性粉粒樹脂は、これを燒結
することによって、内部に非親水性の樹脂を残しつつ内
表面と外表面を親水化した発明の吸湿・吸水性成形体を
となることから好ましい。
【0014】燒結成形に用いられる粉粒状の樹脂は、重
合により得られた粉粒状の樹脂をそのまま用いることも
可能であるし、一度粉粒状以外の形状に賦形したもの
を、機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の公知の方法で粉
粒状にしたものを用いることもできる。これらの粉粒状
の樹脂は、平均粒径が5〜2000μmであることが好
ましく、更に好ましくは50〜1000μmである。粉
粒状の樹脂の平均粒径が5μm未満では、燒結体にした
時に全体が密になり過ぎ、十分な吸水量が得にくくな
る。また、粉粒状の樹脂の平均粒径が2000μmを超
えると、毛細管現象による水の吸い上げ力が小さくなり
やすくなる。尚、上記平均粒径とは、JIS・Z880
1のふるいを使用し、ふるい分け試験通則JIS・Z8
815に従ってふるい分けし、算術目盛りによって積算
ふるいした百分率を図で表わし、積算量50%の粒子径
をいう。
【0015】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材を燒結成
形する場合、上記平均粒径の親水性粉粒樹脂と後述する
粉粒状の吸湿剤とを後述の割合で混合した材料を用いて
行うのが最も好ましい。燒結成形は、後述する芯材とし
ての補強繊維構造体内と両表面に上記混合物が位置する
よう、両者を金型に充填するか平面上に載置して、親水
性粉粒状樹脂の融点以上に加熱することで行うことがで
きる。また、燒結成形は、無加圧下で行ってもよいが、
必要に応じて適宜加圧してもよい。
【0016】発明の吸湿・吸水性多孔質壁材を構成する
樹脂の具体例としては、例えば、セルロース系等の天然
樹脂の他に、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル、アリル樹脂、エポキシ樹脂等に代表
される熱硬化性樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリ
レート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネー
ト等に代表される熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0017】これらの中でも、賦形性、二次加工性等を
考慮すると、熱可塑性樹脂がよい。更に、熱可塑性樹脂
の中でも、安価であること、耐薬品性に優れること、加
工性に優れること、素材の吸湿性・吸水性が低いことに
より吸水時の寸法安定性に優れること等から、ポリエチ
レン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹
脂が好ましい。
【0018】ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン
の単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1のような1種以上のαオレフ
ィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル
酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリ
ル酸エステル等との共重合体、プロピレンの単独重合
体、プロピレンとエチレン、ブテン−1の様な1種以上
のαオレフィンとの共重合体等が挙げられる。中でも、
燒結成形に適した粉粒体を得やすいこと、燒結成形が容
易であること、耐薬品性に優れること、素材自身の吸湿
吸水性が低いこと等の理由から、ポリエチレンが好まし
い。
【0019】ポリエチレンは、それ自身は親水性を示さ
ないから、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト、
特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等公知の
方法で親水化処理を施すことになる。特に、特願昭57
−27400号公報、特願昭57−32428号公報、
特願昭63−61981号公報、特願昭63−6707
8号公報等に開示された方法で親水化すると、容易に表
面のみを親水化した親水性粉粒樹脂を得ることができ、
これを燒結することによって、吸湿若しくは吸水した場
合に、連続気孔部分のみ水分が存在し、素材自身は吸湿
・吸水することがないので、吸湿・吸水時の強度変化や
寸法変化のない本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材が得ら
れる。
【0020】ポリエチレンのメルトインデックス(M
I)は、0.001〜30g/10分ののものがよく、
より好ましくは0.01〜10g/10分である。連続
気孔を形成する手段として燒結成形を考えた場合、MI
が0.001g/10分以下では、燒結成形したときに
隣り合う粒子の融着強度が低いため、壁材としての強度
が弱くなりやすい。MIが30g/10分以上では、燒
結成形を行ったときに樹脂の溶融と共に流動が起こり、
気孔の形成を妨げやすくなる。尚、MIは、JIS・K
7210に基づき、温度190℃、荷重2.16kgで
測定した値である。
【0021】また、ポリエチレンの密度は、0.90〜
0.97g/ccであることが好ましい。密度が0.9
0g/cc以下では柔軟性に富むが、耐薬品性に劣るこ
とと、融点が低くなって成形可能範囲が狭くなりやす
い。
【0022】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、芯材
である補強繊維構造体と、吸湿剤を含有する樹脂多孔質
体とで構成されているものである。吸湿剤を含有する樹
脂多孔質体の形成は、吸湿剤を混合した素材を用いて前
記連続気孔の形成を行うことで容易に行うことができ
る。
【0023】本発明に用いる吸湿剤は、吸湿後に大きな
強度変化や寸法変化が無く、また水分によって化学的な
変化を起こさないものがよい。吸湿後に大きな強度変
化、例えば崩壊等が起こると、吸湿剤が連続気孔を通っ
て外部に排出され、周囲を汚染しやすくなる。また、吸
湿後に大きな寸法変化、例えば大きな膨潤があると、連
続気孔を閉塞したり、連続気孔を通って外部にはみ出し
たりする不都合を生じやすくなる。これらのことから、
吸湿剤としては、部分α化澱粉、キチン、キトサン、シ
リカゲルの群から選ばれた1種以上のものが好ましい。
これらは粉粒状で入手できるので粉粒状の樹脂と混合し
て、例えば燒結成形等により賦形することも可能である
し、吸湿・吸水後も大きな寸法変化をもたらさない。こ
れら吸湿剤は、樹脂100重量部に対して3〜70重量
部保持されていることが好ましい。3重量部以下である
と実質的な吸湿性能が得にくく、70重量部以上では本
発明の吸湿・吸水性多孔質壁材の強度が弱くなりやす
い。尚、吸湿剤は本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材の中
に均一に存在してもよいし、不均一に存在してもよい。
また、前記のような燒結成形を行う場合、吸湿剤は、そ
の平均粒径が親水性粉粒樹脂の平均粒径の1/3〜3倍
であることが好ましい。平均粒径が小さ過ぎると脱落を
生じやすく、逆に大き過ぎると本発明の吸湿・吸水性多
孔質壁材の強度が低下しやすくなる。
【0024】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、上記
吸湿剤と共に、防かび剤及び/又は抗菌剤を、樹脂10
0重量部に対して0.05〜2重量部保持していること
が好ましい。但し、上記吸湿剤との合計量が、本発明の
吸湿・吸水性多孔質壁材を構成している樹脂100重量
部に対して70重量部を超えない範囲であることが好ま
しい。また、燒結成形に際しては、吸湿剤と共に親水性
粉粒樹脂と混合することが好ましく、吸湿剤と同様の平
均粒径であることが好ましい。防かび剤としては、チア
ベンダゾール系、キチン、キトサンから選ばれた1種以
上が好ましい。また、抗菌剤としては、無機系抗菌剤、
キチン、キトサンから選ばれた1種以上が好ましい。無
機系抗菌剤としては、例えば、ゼオライト、SiO2
Al23 、MgO等の無機物にAg及び/又はZnを
担持させたものがよい。尚、防かび剤及び/又は抗菌剤
としてキトサンを用いる場合には、蟻酸、酢酸、乳酸の
様な有機酸或いは塩酸の様な無機酸との塩にすることで
一層の性能が得られるので好ましい。
【0025】本発明において、芯材である補強繊維構造
体としては、内部に樹脂が入り込んだ状態で連続気孔を
形成できる目の荒さを備えたものであれば、例えば目の
粗い編み物、網状物、目の粗いパイル織物等を用いるこ
とが可能である。また、この補強繊維構造体は、天然繊
維製でも合成繊維製でもよいが、高い耐衝撃性、機械的
強度が得やすいことから、合成繊維製であることが好ま
しい。特に本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材を燒結成形
で得る場合には、粉粒状の樹脂が容易に入り込める目の
粗さを有し、しかも粉粒状の樹脂よりも融点の高い合成
繊維製とし、燒結成形温度を、粉粒状の樹脂の融点以上
でこの補強繊維構造体の構成繊維の融点以下に定めるこ
とが好ましい。補強繊維構造体を構成する合成繊維とし
ては、例えばポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、
アラミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレ
フィン系繊維、レーヨン系繊維等が挙げられ、その繊維
太さは50〜1000デニールであることが好ましい。
【0026】補強繊維構造体としては、立体構造を持つ
ものが特に好ましい。この立体構造を持つ補強繊維構造
体としては、表裏2枚の地組織と、該地組織を連結する
壁状の連結部からなる立体構造を有する繊維構造体であ
って、該壁状の連結部は表裏2枚の地組織を結合する糸
条から成り、前記地組織が繊維占有率が10〜80%
(繊維が占める面積比)であるように複数の糸によって
形成され、それによって前記繊維構造体に表裏に連通す
る複数の空隙が各壁状の連結部間に設けられているもの
であることが好ましい。具体的には、特公平5−189
39号公報に開示された繊維構造体で、二層構造を有す
る布帛状物を製造できる製造装置によって容易に製造す
ることができる。例えば、二重繊維機、二重の針床を有
する経編機等を用いて容易に製造できる。
【0027】更に、燒結成形による本発明の吸湿・吸水
性多孔質複合シートに適した立体構造を持つ補強繊維構
造体について説明すると、図1に示されるように、表裏
の地組織1,2はハニカム状、網目状、目の粗い編み物
状であり、この両地組織1,2を離して保持しつつ結合
する、壁状の連結部を構成する糸条3によって立体性が
付与された繊維構造体が好ましい。また、燒結成形に用
いる粉粒状の樹脂が容易に内部に入り込めるよう、表裏
の地組織1,2の開孔部の寸法及び糸条3によって離さ
れる両地組織1,2の間隔と糸条3とが形成する開孔部
の寸法のいずれか又は全部が、粉粒状の樹脂の前記平均
粒径の1〜100倍であることが好ましい。このような
繊維構造体を補強繊維構造体として用いると、本発明の
吸湿・吸水性多孔質複合シートの厚み方向のほぼ全体に
亙って樹脂と補強繊維構造体を容易に複合化させること
ができ、極めて優れた耐衝撃性、機械的強度を容易に得
ることができる。
【0028】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、表面
或いは内部に、前記補強繊維構造体とは別の布、織物、
編み物、不織布、穴あきフィルム、金網等、本発明の多
孔性を阻害しないものとの更なる複合化も可能である。
また、一部分に非透湿性或いは非透水性のフィルム、膜
等を設けて、吸収した水分の影響を周囲に及ぼさないよ
うにすることも可能である。更には、着色、印刷等によ
り意匠性を持たせることも可能であり、熱安定剤、耐候
剤、吸臭剤、脱臭剤、香料等を必要に応じて添加して形
成してもよい。これら添加剤を加える際には流動パラフ
ィン等の展着剤を用いることもできる。
【0029】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、常温
にて当該壁材をを水深10mmの水中に垂直に立てた場
合に、毛細管現象によって、浸漬後1分で水面から10
mm以上、壁材内を水が水面より上部に上昇する吸水力
を有することが好ましい。
【0030】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、その
気孔率が30〜80%であることが好ましい。気孔率が
30%以下では実質的に多孔体としての機能を発揮しに
くく、80%以上では成形体の強度が低くなりやすい。
ここでいう気孔率は次式で算出される値をいう。
【0031】気孔率(%)=[(真の密度−見掛けの密
度)/真の密度]×100 尚、気孔率は吸湿・吸水性多孔質壁材全体に均一でもよ
いし、不均一でもよい。
【0032】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、乾燥
状態で壁材1g当たり0.5g以上の水を吸収するもの
であることが好ましい。吸水量が1g当り0.5g以下
では実用的な吸水性となりにくい。尚、吸水量は、壁材
を乾燥して重量を量り、次いで水中に5分間浸漬した後
水中より引き上げて重量を測定し、乾燥時の重量と水中
浸漬後の重量の差を乾燥時の重量で除した値をいう。
【0033】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、乾燥
状態で壁材1g当たり0.01g以上吸湿するものであ
ることが好ましい。吸湿量が1g当り0.01g以下で
は実用的な吸湿性となりにくい。尚、吸湿量は、壁材を
乾燥して重量を量り、次いで40℃、90%RHの雰囲
気下に1.5時間放置した後重量を測定し、乾燥時の重
量と吸湿後の重量の差を乾燥時の重量で除した値をい
う。
【0034】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、吸水
後の寸法変化率が0.5%以下であることが好ましい。
寸法変化が0.5%以上になると、例えば他の物と組み
合わせた場合に不都合が生じやすく、単品の素材として
も使用範囲や使用形態が限定されやすい。尚、寸法変化
率は、成形体を23℃の雰囲気下で水中に24時間浸漬
し、浸漬前後の寸法の差の浸漬前の寸法に対する割合を
いう。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0036】実施例1〜3 JIS・K7210(条件:温度190℃、荷重2.1
6Kg)によって測定したMIが0.06g/10分、
密度が0.956g/cc、平均粒径が140μmの高
密度ポリエチレン粉体(商品名「サンファイン・SH8
10」、旭化成工業株式会社製)100重量部にポリグ
リセリンイソステアリルエステル0.3重量部を高速ミ
キサーにて混合し、親水性粉粒樹脂を得た。該親水性粉
粒樹脂に吸湿剤として平均粒径70μmの部分α化澱粉
(商品名「PCS」、旭化成工業株式会社製)を表1に
示す割合で混合した。
【0037】200×400×3mmの空間を有するア
ルミニウム製の金型内に、特公平5−18939号公報
に記載の方法により、150デニールのポリエステル繊
維と、180デニールのポリアミドモノフィラメントで
作られた立体構造を持つ補強繊維構造体を装着し、その
中に前記混合物を充填した。次いで、金型をその表面温
度が140〜150℃になるまで加熱した後、室温まで
冷却して取り出し、吸湿・吸水性多孔質壁材を得た。該
壁材の物性を表1に示す。
【0038】比較例1 実施例1で使用した親水性粉粒樹脂と実施例1で使用し
た吸湿剤を表1に示す割合で混合した。該混合物を20
0×400×3mmの空間を持つアルミニウム製の金型
内に充填し、金型の表面温度が140〜150℃になる
まで加熱した後、室温まで冷却して取り出した。該壁材
の物性を表1に示す。
【0039】比較例2 実施例1で使用した高密度ポリエチレン粉末に実施例1
で使用した吸湿剤を50重量部混合した。200×40
0×3mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に、実
施例1で使用した立体構造を持つ補強繊維構造体を装着
し、その中に前記混合物を充填した。次いで、金型をそ
の表面温度が140〜150℃になるまで加熱した後、
室温まで冷却して取り出した。該壁材の物性を表1に示
す。
【0040】比較例3 200×400×3mmの空間を持つアルミニウム製の
金型内に、実施例1で使用した立体構造を持つ補強繊維
構造体を装着し、その中に実施例1で使用した親水性粉
粒樹脂を充填した。次いで、金型をその表面温度が14
0〜150℃になるまで加熱した後、室温まで冷却して
取り出した。該壁材の物性を表1に示す。
【0041】実施例4 実施例1で使用した親水性粉粒樹脂100重量部に吸湿
剤として平均粒径50μmのキトサンを10重量部混合
した。200×400×3mmの空間を持つアルミニウ
ム製の金型内に、実施例1で使用した立体構造を持つ補
強繊維構造体を装着し、その中に前記混合物を充填し
た。次いで、金型をその表面温度が140〜150℃に
なるまで加熱した後、室温まで冷却して取り出し、吸湿
・吸水性多孔質壁材を得た。該壁材の物性を表1に示
す。
【0042】実施例5 実施例1で使用した親水性粉粒樹脂100重量部に吸湿
剤として平均粒径200μmのシリカゲルを30重量部
混合した。200×400×3mmの空間を持つアルミ
ニウム製の金型内に、実施例1で使用した立体構造を持
つ補強繊維構造体を装着し、その中に前記混合物を充填
した。次いで、金型をその表面温度が140〜150℃
になるまで加熱した後、室温まで冷却して取り出し、吸
湿・吸水性多孔質壁材を得た。該壁材の物性を表1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の吸湿・吸水性多孔質壁材は、吸
湿性と吸水性を兼ね備えていることから、空気中の湿度
を下げて結露を生じにくくすると共に、万一結露を生じ
た時にはこれを吸収してしまうので、周囲への悪影響を
防止できるものである。また、本発明の吸湿・吸水性多
孔質壁材は、連続気孔を有するにも拘らず耐衝撃性、機
械的強度に優れ、しかも吸水前後の寸法安定性にも優れ
ていることから、壁材として用いた場合の強度的な問題
や変形による問題を生じないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる立体構造を持つ補強繊維構造体
の好ましい例の説明図である。
【符号の説明】
1,2 地組織 3 壁状の連結部を構成する糸条

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸湿剤を保持した親水性樹脂が、芯材と
    しての補強繊維構造体内に入り込みかつその表面の一部
    又は全部を覆っており、しかも連続気孔を有することを
    特徴とする吸湿・吸水性多孔質壁材。
  2. 【請求項2】 常温において水中に浸漬後1分間で水面
    から10mm以上の高さまで水を吸い上げる吸水力を有
    することを特徴とする請求項1の吸湿・吸水性多孔質壁
    材。
  3. 【請求項3】 気孔率が30〜80%であることを特徴
    とする請求項1記載の吸湿・吸水性多孔質壁材。
  4. 【請求項4】 1g当り0.5g以上の吸水性を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水性多孔質壁
    材。
  5. 【請求項5】 1g当り0.01g以上の吸湿性を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水性多孔質
    壁材。
  6. 【請求項6】 乾燥時と吸水時の寸法変化率が0.5%
    以下であることを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水
    性多孔質壁材。
  7. 【請求項7】 樹脂が、親水化されたポリオレフィン系
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水
    性多孔質壁材。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン
    であることを特徴とする請求項7記載の吸湿・吸水性多
    孔質壁材。
  9. 【請求項9】 ポリエチレンのメルトインデックスが
    0.001〜30g/10分であることを特徴とする請
    求項8記載の吸湿・吸水性多孔質壁材。
  10. 【請求項10】 ポリエチレンの密度が0.90〜0.
    97g/ccであることを特徴とする請求項8記載の吸
    湿・吸水性多孔質壁材。
  11. 【請求項11】 吸湿剤が、部分α化澱粉、キチン、キ
    トサン、活性アルミナ、シリカゲルから選ばれた1種以
    上であることを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水性
    多孔質壁材。
  12. 【請求項12】 吸湿剤が、樹脂100重量部に対して
    3〜70重量部保持されていることを特徴とする請求項
    11項記載の吸湿・吸水性多孔質壁材。
  13. 【請求項13】 補強繊維構造体が立体構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1の吸湿・吸水性多孔質壁材。
  14. 【請求項14】 立体構造を持つ補強繊維構造体は、表
    裏2枚の地組織と、該地組織を連結する壁状体の連結部
    からなる立体構造を有する繊維構造体であって、該壁状
    の連結部は表裏2枚の地組織を結合する糸条から成り、
    前記地組織が繊維占有率が10〜80%であるように複
    数の糸によって形成され、それによって前記繊維構造体
    に表裏に連通する複数の空隙が各壁状の連結部間に設け
    られたものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    3項記載の吸湿・吸水性多孔質壁材。
  15. 【請求項15】 樹脂100重量部に対して防かび剤及
    び/又は抗菌剤が0.05〜2重量部保持されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水性多孔質壁
    材。
  16. 【請求項16】 防かび剤が、チアベンダゾール系、キ
    チン、キトサンから選ばれた1種以上であり、抗菌剤
    が、無機系抗菌剤、キチン、キトサンから選ばれた1種
    以上であることを特徴とする請求項15記載の吸湿・吸
    水性多孔質壁材。
  17. 【請求項17】 親水性粉粒樹脂と粉粒状の吸湿剤の混
    合物を、補強繊維構造体内及びその両表面に位置させ、
    親水性粉粒樹脂の粒子間に隙間を残して燒結成形するこ
    とを特徴とする吸湿・吸水性多孔質壁材の製造方法。
  18. 【請求項18】 補強繊維構造体が立体構造を持ち、親
    水性粉粒樹脂の平均粒径が5〜2000μm、粉粒状の
    吸湿剤の平均粒径が親水性粉粒樹脂の平均粒径の1/3
    〜3倍であり、両者の混合物と補強繊維構造体を金型に
    充填若しくは平面上に載置させた後、親水性粉粒樹脂の
    融点以上の温度に加熱することを特徴とする請求項17
    の吸湿・吸水性多孔質壁材の製造方法。
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