JPH10185375A - オゾン含有氷の製造方法 - Google Patents

オゾン含有氷の製造方法

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JPH10185375A
JPH10185375A JP8360068A JP36006896A JPH10185375A JP H10185375 A JPH10185375 A JP H10185375A JP 8360068 A JP8360068 A JP 8360068A JP 36006896 A JP36006896 A JP 36006896A JP H10185375 A JPH10185375 A JP H10185375A
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JP
Japan
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ozone
ice
water
seawater
concentration
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Application number
JP8360068A
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English (en)
Inventor
Masanao Uchiyama
政直 内山
Hisaaki Yokota
久昭 横田
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NIKKO SUISAN KK
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
NIKKO SUISAN KK
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮魚、野菜などの生鮮食品や果実類の長期保
存・鮮度保持に適した高濃度のオゾンを含有する氷を安
定的に低コストで製造する。 【解決手段】 純水を電気分解することにより、オゾン
が数ppm〜10数ppm又はそれ以上の高濃度で完全
に溶解したオゾン含有水を生成する。このオゾン含有水
を0〜5℃の温度で予備冷却しながら製氷システム5に
送り、3分以内で凍結するように−25℃以下の液体冷
媒を用いて急速冷却すると、高オゾン濃度の氷が製造さ
れる。オゾン含有水のオゾン濃度は、オゾン含有氷を融
解させた水に残存するオゾン濃度が1ppm以上となる
ように予め調整する。また、純水から生成したオゾン含
有水と所定の塩分濃度の海水とを混合して、高オゾン濃
度の海水を生成する。このオゾン含有海水を3分以内で
凍結するように−25℃以下の液体冷媒を用いて急速冷
却すると、シャーべット状でない高オゾン濃度の海水氷
が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真水又は海水を用
いて高濃度のオゾンを含有する氷を製造する方法に関
し、例えば鮮魚、野菜、果実類などの生鮮食品や生花の
保存・輸送において殺菌、鮮度保持、脱臭のために使用
されるオゾン含有氷の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に食品を保存するための有効な手段
として、氷を用いて食品を冷却する方法が古くから知ら
れている。しかし、氷による冷却は、食品の温度を0〜
5℃程度に下げるだけであり、長期的な保存には不適当
である。また、オゾンが、その強い酸化力により強力な
殺菌・脱臭作用を発揮し、しかも自己分解して酸素にな
るので安全であることから、生鮮食品の保存・輸送にお
いて殺菌、鮮度保持及び脱臭に有効であることも、従来
から良く知られている。ところが、気体であるオゾンを
そのまま生鮮食品の保存に用いることは、取扱い上不便
である。
【0003】そこで最近では、オゾンを水に溶解させた
オゾン含有水や、これを凍結させたオゾン含有氷を用い
る方法が提案されている。一般にオゾン含有水は、従来
のオゾナイザを用いて空気又は酸素の無性放電などによ
りオゾンを発生させ、これをバブリングなどにより気液
接触させて水に溶解させる方法で生成される。
【0004】しかしながら、オゾンは水に溶解しにくい
ため、上述した従来の方法で生成されるオゾン含有水の
オゾン濃度はせいぜい4〜5ppm程度で、それ以上高
濃度のオゾン含有水を作ることは困難であった。しか
も、このオゾン含有水は、多くのオゾンが微細な気泡状
に水に分散した状態であるため、短時間で空気中に放散
してしまい、オゾン濃度が低下する。更に、溶解しない
多量のオゾンが大気中に放出されて効率が悪いだけでな
く、それを除去するためにオゾン分解触媒などの設備を
設ける必要が生じる。また、空気はオゾンを生成する際
にNOxが発生するので、オゾンの原料としては好まし
くない。他方、酸素の場合には、酸素ボンべや酸素製造
装置をオゾナイザに付設する必要がある。
【0005】そこで、本願の一方の共同出願人は、特開
平3−267390号公報に記載されるように、固形電
解質膜を挟んで陽極電極と陰極電極とを重ね合わせ、直
流電圧を印加した陽極電極側に供給される水を電気分解
してオゾン含有水を直接生成する方法を提案した。更
に、これを改良した技術を開発し、特開平8−1346
77号及び134678号各公報に記載されるように、
固形電解質膜を挟んで重ね合わせる陽極電極及び陰極電
極を金網状に形成し、かつそれらの外面にそれぞれラス
網を重ねて外側からジャケットで挟持することにより、
気液接触の頻度を高めてより高濃度のオゾン含有水を得
られるようにしている。
【0006】しかし、オゾン含有水に溶解しているオゾ
ンの半減期は非常に早く、本願発明者が行った試験で
は、常圧で10℃のオゾン含有水の場合に約30分であ
った。従って、このようなオゾン含有水をそのまま生鮮
食品に用いても、十分な鮮度保持・殺菌効果を得ること
は困難である。
【0007】これに対し、オゾン含有氷は融解しながら
徐々にオゾンを発生するので、食品を冷却すると同時に
長期間に亘ってオゾンの殺菌効果を維持することができ
る。従来、オゾン含有氷は、例えば特開昭60−295
69号公報に記載されるように、通常のオゾナイザで空
気又は酸素の無性放電などによりオゾンを発生させ、バ
ブリングなどにより水に溶解させてオゾン含有水を作
り、これを通常の製氷装置で凍結させて製造する方法が
一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のオゾン含有氷の製造方法では、もともと原料水
のオゾン濃度が低いため、高濃度のオゾン含有氷を得る
ことは困難であった。更に、従来使用されている通常の
製氷器では、オゾン含有水を氷結させるのに長時間を要
するので、その間にオゾン濃度は更に低下する。従っ
て、従来方法により得られるオゾン含有氷は、これが融
解したときのオゾン濃度がせいぜい0.2〜0.5pp
m程度である。このため、生鮮食品を長期間に亘って殺
菌、鮮度保持することは、実際上不可能であった。
【0009】また、特開平8−134677号及び13
4678号各公報に記載される方法により生成される高
濃度のオゾン含有水であっても、上述した従来の製氷方
法では、その凍結過程においてオゾン濃度が大幅に低下
するという問題がある。このため、生鮮食品の長期間に
亘る殺菌、鮮度保持を可能にする高オゾン濃度の氷を製
造することは実際上困難で、これまで実用化されていな
い。
【0010】特に鮮魚など水産物は、氷温即ち0℃付近
での保存が比較的長期間の鮮度保持に有効であることが
知られており、鮮魚は−1〜−2℃で凍らず、肉質も変
化しないと言われている。真水で作られた氷では、氷漬
けにしても食品の保存温度は0〜2℃程度でしかない
が、真水より氷点の低い海水で作られた氷を用いれば、
より低温で保存できるので有利である。更に海産物の場
合には、海水と略同じ成分の氷を用いることが、その品
質を維持するという点において有利である。しかし、海
水は氷温が約−3〜−4℃で、上述した通常の製氷装置
で凍結させることは困難であり、せいぜいシャーベット
状にしかならない。本願発明者が知る限り、これまでオ
ゾンを含有する海水を凍結させてオゾン含有氷を製造し
たり、それを食品の保存・輸送などに用いることが実用
化されたことはなかった。
【0011】そこで、本発明のオゾン含有氷の製造方法
は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、大型で複雑かつ高価な設
備を必要としない比較的簡単な設備・装置により、高オ
ゾン濃度のオゾン含有水を生成しかつそのオゾン濃度を
実質的に低下させることなく凍結させることができ、そ
れにより、鮮魚、野菜などの生鮮食品や果実類の長期保
存・鮮度保持に適した高濃度のオゾンを含有するオゾン
含有氷を安定して低コストで製造し得る実用的な方法を
提供することにある。
【0012】更に本発明の目的は、特に鮮魚などの生鮮
海産物の保存・鮮度維持に適するように、氷点以下の保
存温度を達成できかつ高濃度のオゾンを含有する海水氷
を実用化して、比較的簡単な設備・装置により簡単にか
つ安定して低コストで製造し得る方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のオゾン含有氷の
製造方法は、上述した目的を達成するためのものであ
り、水を電気分解して発生するオゾンを該水に直接溶解
させることによりオゾン含有水を生成する過程と、液体
冷媒を用いてオゾン含有水を急速冷却することにより凍
結させる過程とからなることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、従来のオゾンガスをバブ
リングしたものに比して、水の電気分解により数ppm
〜10数ppm、最大30ppm程度の高オゾン濃度を
有し、かつ溶解したオゾンが容易に減少しないオゾン含
有水を、比較的簡単な装置により容易にかつ安価に得る
ことができ、更に氷点の低い液体冷媒を適当に選択する
ことにより、前記オゾン含有水を僅か数分程度の短時間
で、そのオゾン濃度を高く維持したまま凍結させること
ができるので、従来に比して相当高濃度のオゾン含有氷
が得られる。
【0015】この場合、特にオゾン含有水を3分以内で
凍結するように急速冷却すると、オゾン含有水のオゾン
を90%以上残存させることができるので好都合であ
り、そのためには、−25℃以下の液体冷媒を用いれば
よいことを、本願発明者は見い出した。このような液体
冷媒としては、エチレングリコールや、エタノール、メ
タノール、アセトンなどが適当である。
【0016】更に、製造したオゾン含有氷は、これを融
解させた水に溶解しているオゾンの濃度が1ppm以上
であると、オゾン含有氷を生鮮食品などに用いたときに
その殺菌作用を有効に働かせることができる。これは、
オゾン含有水を生成する際にそのオゾン濃度を上述した
ように予め高く調整することにより、容易に実現するこ
とができる。
【0017】また、本発明によれば、生成したオゾン含
有水を急速冷却するまでの間、好ましくは氷温に近い0
〜5℃の温度で予備冷却すると、オゾン含有水から自然
に気化して放出するオゾンを少なくして、オゾン濃度を
より高く維持することができるので、好都合である。
【0018】また、上述した本発明の方法を用いて海水
を電気分解すると、オゾンだけでなく、その中に含まれ
るNaClが分解されて塩素ガスや次亜塩素酸などの塩
素化合物が生成されるため、これを除去する設備が必要
であり、特に生鮮食品などに使用するオゾン含有氷の製
造には適しない。そこで、本発明によれば、水を電気分
解して発生するオゾンを該水に直接溶解させることによ
りオゾン含有水を生成する過程と、生成したオゾン含有
水と海水とを混合してオゾン含有海水を生成する過程
と、液体冷媒を用いてオゾン含有海水を急速冷却するこ
とにより凍結させる過程とからなることを特徴とするオ
ゾン含有氷の製造方法が提供される。
【0019】このようにオゾン含有水と海水とを混合す
ることにより、塩素化合物の副生成物を生じることなく
高オゾン濃度の海水が得られるので、これを液体冷媒で
急速冷却すれば、シャーベット状でない高オゾン濃度の
海水氷を製造することができる。このとき、海水はオゾ
ン含有水と混合することにより稀釈されるが、その塩分
濃度を予め調整しておけば、オゾン含有海水及び/又は
オゾン含有氷を所望の塩分濃度に生成することができ
る。オゾン含有水と混合する海水には、その全部又は一
部分に人工海水を使用することができる。
【0020】オゾン含有海水の場合にも、生成後急速冷
却するまでの間、氷温付近の温度で例えば0〜5℃の温
度で予備冷却することが、高オゾン濃度を維持するため
に好ましい。特に、オゾン含有氷を生成する際にオゾン
含有海水を3分以内で凍結させると、その中に溶解して
いるオゾンを90%以上残存させることができるので好
都合であり、またそのためには、−25℃以下の液体冷
媒を用いてオゾン含有海水を凍結させればよいことを、
本願発明者は見い出した。このような液体冷媒として
は、同様にエチレングリコールや、エタノール、メタノ
ール、アセトンなどが適当である。また、製造したオゾ
ン含有氷を融解させた海水に残存するオゾン濃度が1p
pm以上であると、このオゾン含有氷を特に海産物に用
いたときにその殺菌作用を有効に働かせることができる
ので好都合である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下にその内容を図面に示した実
施例を用いて説明する。図1は、本発明によるオゾン含
有氷の製造方法を実施するための製氷システムの第1実
施例を概略的に示している。本実施例では、オゾン含有
水生成装置1に水を供給して高濃度のオゾン含有水を生
成する。オゾン含有水生成装置1は、特開平8−134
677号明細書に記載されるように、貴金属からなる金
網状の陽極電極と同じく金網状の陰極電極とを、例えば
フッ素系陽イオン交換膜からなる薄いシート状電解膜を
挟んでその両面に重ねて配置し、更にそれらの外面に比
較的大きな網目状のスリットを有するラス網をそれぞれ
重ね合わせ、これらを両側からジャケットで挟持するこ
とにより、前記電解膜の両側にその面方向に水が流れる
ような迷路状の複雑な狭い流路が形成されている。
【0022】この流路に水を供給しつつ、前記両電極間
に所定の電圧を印加すると、陽極電極側では、前記水が
電気分解されて酸素とオゾンとが発生する。発生したオ
ゾンは、そのまま前記迷路状の流路を通過する間に水中
で激しく気液接触を生じ、流路内を流れる水に直接溶解
して、高濃度のオゾン含有水を生成する。このオゾン含
有水のオゾン濃度は、前記電極への印加電圧及び印加時
間などにより適当に調整することができ、通常数ppm
〜10数ppm、最大30ppm程度の高いオゾン濃度
が得られる。この原料水には、電気分解により生じる可
能性がある副生成物を考慮すれば、純水を使用するのが
適している。しかし、水道水や河川湖沼の自然水又は様
々な不純物やカルシウムなどの電解質を含む水であって
も、フィルタやイオン交換樹脂などの適当な処理手段で
予め処理することにより、オゾン含有水の生成に使用す
ることができる。
【0023】また、このオゾン含有水は、オゾンが完全
に水に溶解しているため、従来のオゾンガスを用いたも
のに比してオゾンが気化して抜け出る速度が遅い。本願
発明者の実験によれば、従来技術を用いて大気から酸素
を製造し、高電解型オゾン発生器でオゾンガスを生成
し、水中でバブリングして生成したオゾン含有水は、常
圧で10℃の環境雰囲気内に放置したところ、オゾン濃
度が12分で半減した。これに対し、本発明により生成
したオゾン含有水は、オゾン濃度の半減期が30分であ
った。
【0024】生成された前記オゾン含有水は、タンク2
に送給されて一時的に貯留される。タンク2は密閉式で
あり、かつ内部のオゾン含有水が氷結しない0〜5℃の
低温を維持するように、常時適当な冷却手段3で予備冷
却されている。これにより、オゾン含有水中に溶解して
いるオゾンが気化して大気中に放散する速度を遅らせ、
オゾン濃度を高く維持することができる。タンク2内の
オゾン含有水は、管路4を介して製氷装置5に供給され
る。管路4は、同様に適当な冷却手段により0〜5℃の
低温に冷却され、移送中にオゾン含有水中のオゾンが抜
け出るのを防止している。
【0025】製氷装置5に供給されたオゾン含有水は、
従来の製氷装置と同様に適当な形状・容積の多数のアイ
ス缶に注入される。本実施例のアイス缶は、プレート状
の氷を製造するために、幅10mm程度の薄い角形箱状
をなす。このアイス缶が、オゾン含有水の注入後密閉で
きるようになっていると、冷却中のオゾンの放出を抑制
できるので、有利である。前記アイス缶は、従来の冷凍
機、例えばブラインチラー冷凍機により−25℃又はそ
れ以下の温度に冷却した液体冷媒を循環させた冷媒槽内
に配置される。本実施例では、液体冷媒として、−10
℃以下の温度でも十分な流動性を有するエチレングリコ
ールや、エタノール、メタノール、アセトンなどが使用
される。
【0026】このような液体冷媒に浸漬することによっ
て、前記アイス缶内のオゾン含有水は急速冷却され、僅
か約3分、長くても数分で凍結させることができる。実
際、液体冷媒を適当に選択すれば、−135℃位の超低
温で冷却することが可能である。従来技術の場合、冷却
温度がせいぜい−10℃程度であるため、製氷に早くて
2〜4時間要することに加え、製造された氷中にオゾン
が気泡となって存在していた。これに対し、本発明によ
れば、上述したように非常に短時間で氷結させるので、
冷却中にオゾン含有水からオゾンが抜け出るのを制限し
て、よりオゾン濃度が高くかつ気泡状のオゾンが存在し
ない高品質のオゾン含有氷が得られる。
【0027】前記アイス缶は、所定の時間経過後、従来
と同様にクレーンなどで前記冷媒槽から引き上げられて
溶氷槽に運ばれ、温水で温められる。プレート状のオゾ
ン含有氷がアイス缶から分離して取り出され、貯氷庫に
搬送して保管される。別の実施例では、異なる形状・容
積のアイス缶を用いることにより、オゾン含有氷をプレ
ート状ではなく角氷又は所望の様々な形状に凍結させる
ことが可能である。また、このようにして製氷されたオ
ゾン含有氷は、その用途に応じて適当な大きさ・形に砕
氷して使用することができる。
【0028】また、本願発明者が試験したところ、本発
明により生成されたオゾン含有水の場合でも、70%以
上のオゾンを残存させるためには、10分以内で凍結さ
せる必要があること、及び90%以上のオゾンを残存さ
せるためには、3分以内で凍結させる必要があることが
分かった。そして、上述したように−25℃以下の温度
に冷却した液体冷媒を用いることによって、オゾン含有
水を3分以内で凍結させ得ることが確認された。
【0029】また、本願発明者によれば、特に生鮮食品
などに用いる場合において、オゾン含有水がオゾンの殺
菌・脱臭作用を有効に発揮するためには、1ppm以
上、好適には2ppm以上のオゾン濃度が必要であるこ
と、及び更に4ppm以上であればより一層効果的であ
ることが確認された。このようなオゾン濃度は、オゾン
含有氷の融解時に維持されている必要があるが、本発明
によれば、上述したように水の電気分解によりオゾン含
有水を生成する際にそのオゾン濃度を十分に高く調整す
ることができるので、これを液体冷媒で急速冷凍するこ
とにより、容易に実現することができる。
【0030】図2は、海水を用いて本発明によるオゾン
含有氷を製造するための製氷システムの第2実施例を概
略的に示している。この実施例では、オゾン含有水を貯
留するタンク2に、タンク6から海水が供給される。こ
れにより、オゾン含有水生成装置1で生成されたオゾン
含有水と前記海水とが混合されて、高濃度のオゾン含有
海水がタンク2内に生成される。
【0031】タンク2は、第1実施例と同様に冷却手段
3により、オゾン含有海水の温度が0〜5℃になるよう
に予備冷却されている。タンク6は、タンク2内のオゾ
ン含有水の温度に合わせて、海水が0〜5℃の温度にな
るように予め適当な冷却手段7で冷却されている。更
に、海水タンク6からタンク2への管路8を同様に予備
冷却すると、より好都合である。
【0032】タンク6内の海水は、前記オゾン含有海水
及び/又は最終的に生成されるオゾン含有氷が所望の塩
分濃度となるように、その塩分濃度が予め調整されてい
る。例えば、オゾン含有氷を生鮮海産物に使用する場
合、その塩分濃度が自然海水と略等しく、約2〜5%に
なるようにすると好都合である。海水の塩分濃度は、そ
の全部又は一部に人工海水を使用することで、容易に調
整できる。
【0033】タンク2の前記オゾン含有海水は、第1実
施例と同様に冷却された管路4を介して製氷装置5に供
給され、適当な形状・容積の多数のアイス缶に注入され
る。本実施例のアイス缶も、上述した実施例と同様にプ
レート状の氷を製造するために幅10mm程度の薄い角
形箱状をなし、かつ冷却中のオゾンの放出を抑制できる
ように、オゾン含有水の注入後密閉できるようになって
いる。前記アイス缶は、液体冷媒を循環させた冷媒槽内
に配置される。本実施例においても、液体冷媒として、
第1実施例と同様にエチレングリコールや、エタノー
ル、メタノール、アセトンなどが使用される。
【0034】本願発明者によれば、自然海水が−3〜−
4℃程度で凍結するのに対し、本発明のオゾン含有海水
は、−25℃でようやく完全に凍結することが確認され
ている。そこで、本実施例では、ブラインチラー冷凍機
などの従来の冷凍機により液体冷媒を−25℃以下、好
適には−50℃以下の温度に冷却して使用する。これに
より、前記アイス缶内のオゾン含有海水は急速冷却さ
れ、僅か約3分で凍結させることができる。実際に、適
当に選択した液体冷媒を−64〜−75℃の超低温に冷
却したところ、約1.5分で凍結させることができた。
【0035】前記アイス缶は、所定の時間経過後、クレ
ーンなどで前記冷媒槽から引き上げられ、溶氷槽で温水
により温められる。プレート状のオゾン含有氷がアイス
缶から分離して取り出され、貯氷庫に搬送して保管され
る。また、オゾン含有氷は、異なる形状・容積のアイス
缶を用いることにより、プレート状ではなく角氷又は所
望の様々な形状に凍結させることができ、その用途に応
じて適当な大きさ・形に砕氷して使用することができ
る。オゾン含有氷がアイス缶から分離して取り出され、
貯氷庫に搬送して保管される。
【0036】このようにして海水から製氷されたオゾン
含有氷は、極めて短時間で氷結させることにより非常に
オゾン濃度が高いだけでなく、気泡状のオゾンが存在し
ない高品質のものである。しかも、融解したときには、
所定の塩分濃度の海水に戻るので、特に海産物の保存に
有利である。
【0037】更に、通常の海水を凍結させた氷と本発明
によるオゾン含有海水を凍結させた氷とでは、同じ塩分
濃度であっても、常温常圧の雰囲気に放置したときの表
面温度に大きな差があることが分かった。通常の海水で
は、−3〜−4℃程度であるのに対し、本発明のオゾン
含有海水の場合には、−8〜−10℃に維持された。従
って、海水から作られた本発明のオゾン含有氷を生鮮食
品などに用いた場合、オゾンの殺菌・脱臭作用と組み合
わされて、より低い温度でかつより長期間に亘ってより
新鮮な状態での保存が可能になる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)図1の製氷システムを用いて、真水を電気
分解することにより、オゾン濃度15ppmのオゾン含
有水を毎分10リットルの割合で生成した。これを予備
冷却せずに製氷装置に供給し、幅10mm容積500m
lのアイス缶に注入して、−64℃の液体溶媒で急速冷
却したところ、1.5分で完全に凍結し、プレート状の
オゾン含有氷が得られた。凍結前のオゾン含有水のオゾ
ン濃度は8.5ppmで、オゾン含有氷を融解させた後
のオゾン濃度は3.5ppmであった。これから、生成
されたオゾン含有氷のオゾン濃度は、約6ppmであっ
たと思われる。
【0039】(実施例2)上記実施例1と同様にして、
真水でオゾン濃度15ppmのオゾン含有水を毎分10
リットルの割合で生成し、これを予備冷却して製氷装置
に供給した。幅10mm容積500mlのアイス缶に注
入して、−63℃の液体冷媒で急速冷却したところ、
1.5分で完全に凍結し、プレート状のオゾン含有氷が
得られた。凍結前のオゾン含有水のオゾン濃度は10.
3ppmで、オゾン含有氷を融解させた後のオゾン濃度
は4.6ppmであった。これから、生成されたオゾン
含有氷のオゾン濃度は、約7.5ppmであったと思わ
れる。
【0040】(比較例1)従来のオゾン発生器を用いて
オゾンガスを発生させ、バブリングにより真水に溶解さ
せ、オゾン濃度約5ppmのオゾン含有水を生成した。
これを同じく幅10mm容積500mlのアイス缶に注
入し、通常の冷凍庫で−15℃に冷却し、約2時間で完
全に凍結させた。凍結前のオゾン含有水のオゾン濃度は
1.3ppmで、オゾン含有氷を融解させた後のオゾン
濃度は僅か0.1ppmであった。これから、生成され
たオゾン含有氷のオゾン濃度は、せいぜい約0.4pp
mであったと思われる。
【0041】(実施例3)上記実施例1と同様にして、
真水からオゾン濃度15ppmのオゾン含有水を毎分1
0リットルの割合で生成し、これを予備冷却して製氷装
置に供給した。幅10mm容積500mlのアイス缶に
注入して、−30℃のエチレングリコールを液体冷媒に
用いて急速冷却したところ、約3分で完全に凍結し、プ
レート状のオゾン含有氷が得られた。
【0042】これを砕氷して発泡スチロール製の保存容
器内に充填し、その中に新鮮なあじ(鰺)を収容し、密
封して常温常圧で1日間放置した後、開封してあじの保
存状況を評価した。更に通常の氷を用いて同様に発泡ス
チロール製の保存容器内に新鮮なあじを保存し、1日間
放置した後の保存状況を評価した。その比較結果を次の
表1に示す。いずれの場合も、開封時に容器内の氷は約
3割が融解していた。本発明のオゾン含有氷を用いたあ
じは、保存前と略同じ新鮮な状態で鮮度が保持されてい
たが、通常の氷では、腐敗の進行が認められた。
【0043】
【表1】
【0044】(実施例4)自然海水に人工海水を混合し
て、その塩分濃度を3倍に調整した。これを予備冷却し
て、上記実施例1と同様に生成した2倍量のオゾン濃度
15ppmのオゾン含有水に混合し、自然海水と同じ塩
分濃度のオゾン含有海水を生成した。このオゾン含有海
水のオゾン濃度は8.5ppmであった。これを幅10
mm容積500mlのアイス缶に注入して、−72℃の
液体冷媒で急速冷却したところ、2.5分で完全に凍結
し、プレート状のオゾン含有氷が得られた。このオゾン
含有氷を融解させた後のオゾン濃度が3.6ppmであ
ったことから、オゾン濃度約6ppmのオゾン含有氷が
生成されたと思われる。また、オゾン含有氷の表面温度
は、−7℃であった。
【0045】(実施例5)天然イオン水と人工海水とを
混合して、その塩分濃度を3倍に調整した海水を準備し
た。実施例4と同様に、予備冷却した海水と2倍量のオ
ゾン濃度15ppmのオゾン含有水とを混合し、自然海
水と同じ塩分濃度のオゾン含有海水を生成した。このオ
ゾン含有海水のオゾン濃度は8.6ppmであった。こ
れを幅10mm容積500mlのアイス缶に注入して、
−72℃の液体冷媒で急速冷却したところ、2.5分で
完全に凍結し、プレート状のオゾン含有氷が得られた。
このオゾン含有氷を融解させた後のオゾン濃度が3.7
ppmであったことから、オゾン濃度約6ppmのオゾ
ン含有氷が生成されたと思われる。また、オゾン含有氷
の表面温度は、−100℃であった。
【0046】(実施例6)上記実施例1と同様にして、
真水からオゾン濃度10ppmのオゾン含有水を生成
し、これに塩分濃度10%の人工海水を6:4の割合で
混合し、オゾン濃度6ppm、塩分濃度4%のオゾン含
有海水を生成した。これを製氷装置に供給し、幅10m
m容積500mlのアイス缶に注入して、−30℃のエ
チレングリコールを液体冷媒に用いて急速冷却したとこ
ろ、約2分で完全に凍結し、プレート状のオゾン含有氷
が得られた。
【0047】これを砕氷して発泡スチロール製の保存容
器内に充填し、その中に新鮮なあじ(鰺)を収容し、密
封して常温常圧で3日間放置した後、開封してあじの保
存状況を評価した。更に、同じ発泡スチロール製の保存
容器を使用し、上記実施例3で真水を用いて生成したオ
ゾン含有氷を充填して新鮮なあじを保存したものと、通
常の氷を充填して新鮮なあじを保存したものを準備し、
それぞれ3日間放置した後の保存状況を評価した。これ
らの比較結果を次の表2に示す。いずれの場合も、開封
時に容器内の氷は約7割が融解していた。
【0048】
【表2】
【0049】本発明の海水によるオゾン含有氷を用いた
あじは、保存前と略同じ新鮮な状態で鮮度が保持されて
いた。これに比して、実施例3のオゾン含有氷では、腐
敗には至らないものの、多少鮮度の低下が認められた。
他方、通常の氷では、かなり腐敗の進行が認められた。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。本発明の
オゾン含有氷の製造方法によれば、従来のような酸素の
供給設備や放出オゾンの除去設備などを要しない水の電
気分解により高濃度のオゾン含有水が直接生成され、か
つ液体冷媒の使用により非常に短時間で凍結でき、高オ
ゾン濃度の氷を低コストで容易に製造することができる
ので実用的であり、生鮮食品・生花などを保存、輸送の
過程において品質を低下させたり腐食させることなく、
常に新鮮な状態のものを低コストで消費者に提供するこ
とができる。
【0051】また、本発明によれば、水の電気分解によ
るオゾン含有水を海水と混合することにより、副生成物
として塩素化合物を生じることなく高オゾン濃度の海水
が生成され、シャーベット状でない高オゾン濃度の海水
氷を低コストで容易に製造できるので、氷点以下の保存
温度とオゾンの殺菌・脱臭作用とを同時に達成すること
ができ、特に生鮮水産物を新鮮な状態のまま保存、輸送
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオゾン含有氷の製造方法を実施す
るための製氷システムの第1実施例を概略的に示す図で
ある。
【図2】同じく製氷システムの第2実施例を概略的に示
す図である。
【符号の説明】
1 オゾン含有水生成装置 2 タンク 3 冷却手段 4 管路 5 製氷装置 6 タンク 7 冷却手段 8 管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/78 C02F 1/78 C25B 1/30 C25B 1/30

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を電気分解して発生するオゾンを該水
    に直接溶解させることによりオゾン含有水を生成する過
    程と、液体冷媒を用いて前記オゾン含有水を急速冷却す
    ることにより凍結させる過程とからなることを特徴とす
    るオゾン含有氷の製造方法。
  2. 【請求項2】 生成した前記オゾン含有水を急速冷却す
    るまでの間、予備冷却することを特徴とする請求項1記
    載のオゾン含有氷の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記オゾン含有水を0〜5℃の温度で予
    備冷却することを特徴とする請求項2記載のオゾン含有
    氷の製造方法。
  4. 【請求項4】 −25℃以下の液体冷媒を用いて前記オ
    ゾン含有水を急速冷却することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか記載のオゾン含有氷の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記液体冷媒にエチレングリコール、エ
    タノール、メタノールまたはアセトンを用いることを特
    徴とする請求項4記載のオゾン含有氷の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記オゾン含有氷を融解させた水のオゾ
    ン濃度が1ppm以上であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか記載のオゾン含有氷の製造方法。
  7. 【請求項7】 水を電気分解して発生するオゾンを該水
    に直接溶解させることによりオゾン含有水を生成する過
    程と、生成した前記オゾン含有水と海水とを混合してオ
    ゾン含有海水を生成する過程と、液体冷媒を用いて前記
    オゾン含有海水を急速冷却することにより凍結させる過
    程とからなることを特徴とするオゾン含有氷の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記オゾン含有海水が所定の塩分濃度と
    なるように、前記オゾン含有水と混合する前記海水の塩
    分濃度を予め調整することを特徴とする請求項7記載の
    オゾン含有氷の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記オゾン含有水と混合する前記海水の
    全部又は一部分に人工海水を使用することを特徴とする
    請求項8記載のオゾン含有氷の製造方法。
  10. 【請求項10】 生成した前記オゾン含有海水を急速冷
    却するまでの間、予備冷却することを特徴とする請求項
    7乃至9のいずれか記載のオゾン含有氷の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記オゾン含有海水を0〜5℃の温度
    で予備冷却することを特徴とする請求項10記載のオゾ
    ン含有氷の製造方法。
  12. 【請求項12】 −25℃以下の液体冷媒を用いて前記
    オゾン含有海水を凍結させることを特徴とする請求項7
    乃至11のいずれか記載のオゾン含有氷の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記液体冷媒にエチレングリコール、
    エタノール、メタノールまたはアセトンを用いることを
    特徴とする請求項12記載のオゾン含有氷の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記オゾン含有氷を融解させた水のオ
    ゾン濃度が1ppm以上であることを特徴とする請求項
    7乃至13のいずれか記載のオゾン含有氷の製造方法。
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