JPH10188319A - 変形可能ミラーおよびその変形可能ミラーを用いた光記録再生装置 - Google Patents

変形可能ミラーおよびその変形可能ミラーを用いた光記録再生装置

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JPH10188319A
JPH10188319A JP8348427A JP34842796A JPH10188319A JP H10188319 A JPH10188319 A JP H10188319A JP 8348427 A JP8348427 A JP 8348427A JP 34842796 A JP34842796 A JP 34842796A JP H10188319 A JPH10188319 A JP H10188319A
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flexible member
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deformable mirror
light beam
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Shingo Abe
新吾 阿部
Tetsuya Inui
哲也 乾
Koji Matoba
宏次 的場
Noriaki Okada
訓明 岡田
Susumu Hirata
進 平田
Yorishige Ishii
頼成 石井
Hideaki Fujita
英明 藤田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さの異なる2種類の光ディスクの記録再生
を可能とし、小型化、省電力化に有利で、振動や温度変
化などの環境変化に強く、構造および組み立てが簡単な
収差補償器の変形可能ミラーを提供する。 【解決手段】 光線に球面収差を与えることが可能な参
照面を有する参照面基板と、透明で参照面基板の参照面
と対向するように配置された平面基板と、参照面基板と
平面基板との間に配置され表面に反射面を有する可撓性
部材と、可撓性部材を参照面基板の参照面または平面基
板の平面に吸着させる駆動装置とを備え、可撓性部材
は、参照面基板と平面基板との間に挟まれるように固定
され、駆動装置により、参照面基板の参照面または平面
基板の平面に吸着させることにより、反射面によって反
射される光線に与える球面収差を切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光ディス
クのような光記録再生媒体に対してデータの記録再生を
行う光ピックアップに用いられ、厚さの異なる光ディス
クのデータ記録面に光線を集光させるために光線の球面
収差を補償する収差補償器の変形可能ミラーに関する。
また、その変形可能ミラーを用いた光記録再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】新しい光記録再生媒体として、DVD
(Digital Versatile Disk)が注目を集めている。DV
Dでは、従来のCDよりもディスクの記録密度を上げる
ため、ディスクおよび光記録再生装置の光学系に様々な
変更がなされている。
【0003】DVD用に設定された記録再生装置でCD
の記録再生を行うと、両者のディスク厚の相違(DV
D: 0.6mm、CD: 1.2mm)により球面収差が発生し、
品質の良い記録再生信号が得られなくなる。これを解決
するためには、光学系に球面収差を補正するための機能
を組み込む必要がある。
【0004】このような球面収差を補正するための収差
補償器としては、特開平5−151591号公報に記載
のようなものが知られている。一例を挙げると、図21
に示すような収差補償器が知られており、この収差補償
器630では、一対の相補型三角形ブロック632、6
34を有し、ブロック634はボイス・コイル・モータ
636に取り付けられ、ブロック632の表面に沿って
スライドできる。ブロック634をブロック632に対
して移動させることにより、光線602が通過するブロ
ックの合計厚さが調整でき、その結果、光線602に与
える球面収差を調整することができる。図中、610は
集光レンズ、612はデータ記録再生の対象となるディ
スクである。
【0005】また、図22に示すような収差補償器が知
られており、この収差補償器720では、偏光ビームス
プリッタ722と、1/4波長板724と、電気制御式
の変形可能ミラー726とを有する。偏光ビームスプリ
ッタ722に入射した光線702は、1/4波長板72
4を経て、変形可能ミラー726により球面収差の調整
をされ、再び1/4波長板724を経て、偏光ビームス
プリッタ722により、入射方向と垂直な方向に導かれ
る。
【0006】電気制御式の変形可能ミラー726の詳細
は、図23に示すように、表面にミラー面800を形成
した変形プレート801と、変形プレート801の裏側
の数カ所を加圧する圧電アクチュエータ802と、変形
プレート801および圧電アクチュエータ802を固定
するベース基板803等からの構成となっている。
【0007】各圧電アクチュエータ802に印加する電
圧を変えることにより、変形プレート801を所望の量
だけ変位させ、全体として変形プレート801上のミラ
ー面800を所望の形状に変形させることができ、その
結果、光線702がミラー面800で反射される際に、
光線702に与える球面収差を調整することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな収差補償器には以下のような問題がある。まず、図
21に示した収差補償器630では、球面収差の調整に
ボイス・コイル・モータ636を用いているため、光記
録再生装置の小型化、省電力化に不利である。
【0009】また、図22および図23に示した収差補
償器720では、変形プレート801の裏側の数カ所を
圧電アクチュエータ802で加圧する構造であるので、
環境の変化、例えば振動や温度変化などにより、ミラー
面800が所望の形状からずれ易い。さらに、光記録再
生装置で用いる光線702の直径は4mm程度であり、変
形プレート801の正確な変形形状を実現するには、圧
電アクチュエータ802を直径4mmの中に多数備えるこ
とが必要であり、構造および組み立てが複雑になるとと
もに、多数の圧電アクチュエータ802の固定や配線の
引回し等で、変形可能ミラー726が大きくならざるを
得ず、全体として、光ピックアップ装置の小型化に不利
になる。
【0010】この発明は、これらの点に鑑みなされたも
ので、小型化、省電力化に有利で、振動や温度変化など
の環境変化に強く、構造および組み立てが簡単な収差補
償器の変形可能ミラーを提供するものである。また、そ
の変形可能ミラーの作製方法を提供するものである。さ
らに、厚さの異なる2種類の光ディスクの記録再生の切
り替えができ、小型化および簡略化に有利な、上記変形
可能ミラーを用いた光記録再生装置を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、光線に球面
収差を与えることが可能な第1参照面を有する第1基板
と、透明でかつ光線に第1参照面とは異なる球面収差を
与えることが可能な第2参照面を有しその第2参照面が
第1参照面と対向するように配置された第2基板と、第
1基板と第2基板との間に配置され表面に反射面を有し
かつ第1参照面または第2参照面に吸着可能な可撓性部
材と、可撓性部材を第1参照面または第2参照面に吸着
させる駆動手段とを備え、前記可撓性部材は、第1基板
と第2基板との間に挟まれるように固定され、前記駆動
手段により、第1参照面または第2参照面に吸着させる
ことにより、反射面によって反射される光線に与える球
面収差を切り替えることを特徴とする変形可能ミラーで
ある。
【0012】すなわち、本発明の変形可能ミラーは、第
1基板と、透明材料からなる第2基板と、表面に反射面
を有する可撓性部材と、可撓性部材を第1参照面または
第2参照面に吸着させる駆動手段から構成されている。
【0013】第1基板には、光線にある特定の球面収差
を与えることが可能な第1参照面が形成されており、第
2基板には、光線に第1参照面とは異なる球面収差を与
えることが可能な第2参照面が形成されており、第1基
板と第2基板とは、第1参照面と第2参照面とが対向す
るように配置されている。
【0014】そして、上記可撓性部材は、上記第1基板
と第2基板との間に挟まれるように固定され、上記駆動
手段により、第1参照面、あるいは第2参照面に吸着す
るように変形される。
【0015】その結果、可撓性部材の反射面も第1参照
面あるいは第2参照面に沿って変形され、反射面によっ
て反射される光線に第1参照面に応じた球面収差と第2
参照面に応じた球面収差とのいずれか一方の球面収差を
与えることができ、第1参照面側と第2参照面側との吸
着を切り換えることにより、光線に与える球面収差を変
化させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明において、第1基板の材
料としては、例えばガラス、あるいは鏡面加工が可能な
金属等を用いることができる。この第1基板には第1参
照面を形成しておく必要があるが、この第1参照面は、
入射される光線に、ある特定の球面収差を与えて反射す
ることが可能な曲面であればよく、この曲面は従来公知
の方法で形成することができる。
【0017】第2基板は、透明なものであればどのよう
な材料のものを用いてもよく、例えばガラス、PMMA
(ポリメタクリル酸メチル)等を用いることができる。
この第2基板には第2参照面を形成しておく必要がある
が、この第2参照面は、入射される光線に、第1参照面
と異なる球面収差を与えて反射することが可能な曲面で
あればよく、この曲面は、第1参照面と同様に、従来公
知の方法で形成することができる。
【0018】可撓性部材は、表面に光線を反射可能な反
射面を有するものであればよく、この可撓性部材は、第
1基板と第2基板との間に挟まれて固定される。駆動手
段は、可撓性部材を第1参照面または第2参照面に吸着
させることが可能なものであればよく、例えば静電力、
電磁力、ポンプによる吸引力等の各種の駆動力を用いた
駆動装置を適用することができる。
【0019】上記変形可能ミラーにおいては、第1基板
の第1参照面を、光線に球面収差を与えることが可能な
第1曲面と、光線を外側に大きく反射させることが可能
な第2曲面との2種類の曲面で構成し、可撓性部材を第
1参照面に吸着させた際、反射面によって反射される光
線の内、中心部に位置する光線は第1曲面により球面収
差を与えて反射させ、外周部に位置する不要な光線は第
2曲面により外側に大きく反射させるようにすることが
できる。
【0020】また、上記変形可能ミラーにおいては、可
撓性部材に張力を加えた状態で、可撓性部材を第1基板
と第2基板との間に挟着することが望ましい。この場
合、可撓性部材が固定時に熱応力による張力を有するよ
うに、可撓性部材を、第1基板と第2基板の各線膨張係
数よりも大きい線膨張係数を有する材料で構成し、常温
よりも高い硬化温度を有する熱硬化性の接着剤で常温よ
りも高い温度下で第1基板と第2基板との間に挟着する
ようにしてもよい。
【0021】可撓性部材の固定については、可撓性部材
を、真空中で第1基板と第2基板との間に挟み込むこと
により、大気圧によって第1基板と第2基板との間に挟
着するようにしてもよい。
【0022】また、可撓性部材と第1基板との接合面、
および第2基板と可撓性部材との接合面を、それぞれガ
ラスと金属で形成し、可撓性部材を、ガラスと金属間に
電圧を印加する陽極接合により第1基板と第2基板との
間に挟着するようにしてもよい。
【0023】この発明は、また、光源と、光源からの光
線を反射することにより光線に特定の球面収差を与える
収差補償器と、収差補償器によって反射された光線を集
光して光ディスクに照射する集光器と、光ディスクから
反射された光を検出する光検出器と、検出された光を光
信号として処理する信号処理器と、光ディスクの種類を
検知しその検知信号を出力するディスク検知器と、ディ
スク検知器から光ディスクの種類を示す検知信号を受け
る制御器とを備え、前記収差補償器は、請求項1記載の
変形可能ミラーを有し、前記制御器は、ディスク検知器
からの検知信号に応じて変形可能ミラーの駆動手段を制
御することにより、光源からの光線に光ディスクの種類
に応じた球面収差を与えることを特徴とする光記録再生
装置である。以下、図面に示す実施例に基づいてこの発
明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定され
るものではない。
【0024】[実施例1]図1はこの発明の変形可能ミ
ラーの実施例1の構造を示す説明図である。この図に示
すように、本実施例の変形可能ミラー10は、可撓性部
材1と、図中下側に位置する第1の基板4と、図中上側
に位置する第2の基板6と、駆動手段としての駆動装置
9から構成されている。駆動装置9としては、静電力、
電磁力等の各種の吸着力を生じさせるものが適用可能で
あるが、詳細は後述する。
【0025】可撓性部材1は、弾性変形が可能で、表面
に光線を反射可能な反射面を有している。基板4には、
可撓性部材1が吸着した場合に、光線に球面収差を与え
ることが可能な第1の参照面4aが形成されている。基
板6は透明材料でできており、この基板6には、可撓性
部材1が吸着した場合に、光線に球面収差を与えること
が可能な第2の参照面4bが形成されている。参照面4
bは参照面4aとは逆向きの曲率を有している。また、
可撓性部材1は、駆動装置9の吸着の切り替えにより、
参照面4aと参照面4bとのいずれか一方へ吸着するよ
うになっている。
【0026】図2は可撓性部材の吸着状態を示す説明図
である。この図に示すように、変形可能ミラー10は、
光線へ与える球面収差を切り替えることが可能である。
図2(a)は駆動装置9により、可撓性部材1が参照面
4bに倣って吸着している状態である。このとき、入射
してきた光線Lは、参照面4bの曲面に応じた球面収差
が与えられて反射される。
【0027】図2(b)は駆動装置9により、可撓性部
材1が参照面4aに倣って吸着している状態である。こ
のとき、入射してきた光線Lは、参照面4aの曲面に応
じた球面収差が与えられて反射される。すなわち、光線
Lは、図2(a)とは異なる球面収差が与えられて反射
される。
【0028】このように、駆動装置9により、可撓性部
材1の吸着面の切り替えを行うだけで、光線Lへ与える
球面収差を切り替えることができる。また、可撓性部材
1をいずれかの参照面へ吸着させる構造であるため、可
撓性部材1が振動や温度変化などの環境変化により変形
することがない。さらに、可撓性部材1が基板4と基板
6との間に挟まれるように固定されているだけなので、
構造、組み立てが簡単である。そして、透明材料ででき
た基板6が凹レンズの役割をするため、参照面4aで光
線Lに対して球面収差を与える時、参照面4aの曲率が
小さくてすみ、可撓性部材1と参照面4aとのギャップ
が小さくなるため、可撓性部材1を参照面4aに吸着さ
せる際のエネルギーが小さくてすむ。
【0029】[実施例2]図3はこの発明の変形可能ミ
ラーの実施例2の構造を示す説明図である。この実施例
では、図中上側に位置する第2の基板6には参照面4b
が形成されておらず、基板6が平面基板となっている。
このように、基板4と基板6とは、どちらか一方が平面
基板であってもよい。また、この実施例では、駆動装置
9として、静電力によって吸着力を生じさせる装置を用
いたものを示した。
【0030】本実施例の変形可能ミラー20は、可撓性
部材1と、基板4と、平面基板6と、吸着用の制御電源
9aと、可撓性部材用の電源9bから構成されている。
制御電源9aと電源9bは、実施例1で示した駆動装置
9に相当するものである。
【0031】可撓性部材1は、弾性変形可能な絶縁膜2
と電極3から構成されており、電極3は反射面の役目も
兼ねている。基板4には、可撓性部材1が吸着したとき
に、光線に球面収差を与えることが可能な参照面4aが
形成されており、その表面には電極5が設けられてい
る。平面基板6は透明材料でできており、その表面には
透明材料でできた電極7、絶縁層8が設けられている。
【0032】電極3は電源9bに接続されており、本実
施例では常に正の電圧が印加されている。電極5、電極
7は制御電源9aに接続されており、正、負の電圧印加
の制御がなされる。
【0033】本実施例の変形可能ミラー20は、前述の
変形可能ミラー10の効果に加えて、モータなどを用い
ることなく、電圧の印加による静電力を用いて、可撓性
部材の参照面、平面への吸着の切り替えを行うことがで
き、光線に球面収差を与えたり、与えなかったりするこ
とができるため、装置の小型化、省電力化に有利であ
る。
【0034】また、前述の変形可能ミラー10とは異な
り、一方の基板が平面基板であり、高い加工精度の曲面
を必要とする参照面がないため、コストダウンが可能で
ある。
【0035】図4は変形可能ミラー20の吸着駆動の方
法を示す説明図である。図4(a)は制御電源9aによ
り、電極5に正の電圧が印加され、電極7に負の電圧が
印加されている状態である。このとき、電極3には常に
正の電圧が印加されているので、静電力により、電極3
と電極5の間には斥力が働き、電極3と電極7の間には
引力が働くので、可撓性部材1は平面基板6に吸着す
る。
【0036】図4(b)は制御電源9aにより、電極5
に負の電圧が印加され、電極7に正の電圧が印加されて
いる状態である。この時には、電極3と電極5の間には
引力が働き、電極3と電極7の間には斥力が働くので、
可撓性部材1は基板4に吸着する。
【0037】このように、制御電源9aの正、負の電圧
印加の制御により、可撓性部材1の吸着面の切り替えを
行い、可撓性部材1の反射面の形状を変化させることに
より、光線Lに球面収差を与えたり、与えなかったりす
ることができる。
【0038】なお、本実施例では、電極5と電極7の双
方に電圧を印加し、可撓性部材1に引力と斥力とを同時
に生じさせていたが、電極5と電極7のいずれか一方だ
けに電圧を印加し、引力または斥力のいずれかだけを可
撓性部材1に働かせることもできる。
【0039】図5は変形可能ミラー20の作製方法を示
す説明図である。可撓性部材1、基板4、平面基板6
は、それぞれ図5(a)に示すように作製する。すなわ
ち、可撓性部材1の絶縁膜2は、例えば厚さ5μmのポ
リイミドからできており、表面には電極3が、例えば厚
さ1000Åのアルミで成膜されており、この電極3が
反射面の役目も兼ねる。
【0040】絶縁膜2の材料としては、エポキシ樹脂や
シリコン樹脂等も用いることができ、その厚さは、1〜
10μmの範囲であればよい。電極3の材料としては、
ITOやニッケル等も用いることができ、その成膜の厚
さは、500〜5000Åの範囲であればよい。
【0041】基板4は、例えば直径10mm、厚さ3mmの
ガラスでできており、表面には光線に球面収差を与える
ことができる参照面4aが形成されている。基板4の表
面、および側面には、斜線部で示す部分に、例えば厚さ
1000Åのアルミが成膜、パターニングされており、
それぞれ電極5、配線パッド5a、スペーサ層51を形
成する。配線パッド5aは、制御電源9aからのリード
線を接続するためのものであり、スペーサ層51は、可
撓性部材1との接合性を良くするためのものである。
【0042】基板4の材料としては、鏡面加工が可能な
金属等も用いることができ、その大きさは適用する装置
に応じて適当に設定することができる。電極5、配線パ
ッド5a、スペーサ層51の材料としては、電極3と同
じ材料を用いたが、電極3と同様にITOやニッケル等
も用いることができ、その成膜の厚さは、500〜50
00Åの範囲であればよい。
【0043】平面基板6は、例えば直径10mm、厚さ3
mmの透明なBK7(ガラス材料)でできており、表面お
よび側面には、斜線部で示す部分に、例えば厚さ100
0Åの透明なITOが成膜、パターニングされており、
それぞれ電極7、配線パッド3a、配線パッド7a、ス
ペーサ層52を形成する。
【0044】配線パッド3aは、電極3との導通をはか
り電源9bからのリード線を接続するために設けられて
いる。配線パッド7aは、制御電源9aからのリード線
を接続するためのものであり、スペーサ層52は、可撓
性部材1との接合性を良くするためのものである。
【0045】平面基板6の表面には、絶縁層8が、例え
ば厚さ5000ÅのSiO2 により成膜されており、可
撓性部材1との接合の際、電極3と接触しないようにな
っている。
【0046】平面基板6の材料としては、透明であれば
よく、PMMA等も用いることができ、その大きさは適
用する装置に応じて適当に設定することができる。電極
7、配線パッド3a、配線パッド7a、スペーサ層52
の材料としては、透明であればよく、SnO2 等も用い
ることができ、その成膜の厚さは、500〜5000Å
の範囲であればよい。絶縁層8の材料としては、Si3
N4 やTa2O5 等も用いることができ、その膜厚は、
1000〜5000Åの範囲であればよい。
【0047】上記の可撓性部材1、基板4、平面基板6
は、図中、矢印で示す方向から、図5(b)に示すよう
に接合する。すなわち、基板4のスペーサ層51と、平
面基板6のスペーサ層52上の絶縁層8に、例えば接着
剤を薄く塗り、可撓性部材1を挟み込むように接合を行
う。
【0048】そして、電極3と配線パッド3aとの間
を、例えばハンダ53により導通をとり、配線パッド3
aには電源9bのリード線を接続し、配線パッド5a、
配線パッド7aには制御電源9aのリード線を接合す
る。こうすることにより、所望の変形可能ミラー20を
作製することができる。
【0049】図6は変形可能ミラーの接合方法の具体例
1を示す説明図である。この変形可能ミラー20は、接
合時に可撓性部材1に張力Pを負荷している。それ以外
は、変形可能ミラー20と同じ構造、吸着駆動の方法、
作製方法である。
【0050】可撓性部材1への張力Pの負荷方法は、図
に示すように、可撓性部材1の周縁部を数カ所クランプ
し、適度な力で引っ張れば良い。この変形可能ミラー2
0では、可撓性部材1に張力Pを負荷しているため、可
撓性部材を参照面、または平面へ吸着させる時、可撓性
部材にしわがよりにくくなり、所望の面を精度良く形成
することができる。
【0051】また、実施例1で示した変形可能ミラー1
0のように、それぞれ異なる曲率の参照面4a,4bを
持つ2種類の基板4,6を用いている場合、可撓性部材
1は、参照面4aに吸着しているとき、参照面4bに吸
着しているとき、および張力により平面を保っていると
き、の3種類の形状を選択することができる。すなわ
ち、光線に与える球面収差を3種類に切り替えることが
できるため、3種類の厚さの異なるディスクの記録再生
を行うことができる。
【0052】図7は変形可能ミラーの接合方法の具体例
2を示す説明図である。この変形可能ミラー20は、接
合時に常温よりも高い温度で接合する。それ以外は、変
形可能ミラー20と同じ構造、吸着駆動の方法、作製方
法である。
【0053】この接合方法では、常温よりも高い温度で
硬化する熱硬化性の接着剤55を用い、可撓性部材1の
線膨張係数α1が、基板4の線膨張係数α2、平面基板
6の線膨張係数α3よりも大きいものを用いる(α1>
α2,α3)。そして、常温よりも高い温度で接合を行
い、熱応力により可撓性部材1に張力を与えるものであ
る。
【0054】すなわち、可撓性部材1、基板4、平面基
板6を常温よりも高い温度にすると、可撓性部材1の線
膨張係数α1が、基板4、平面基板6の線膨張係数α
2、α3よりも大きいため、可撓性部材1のほうが基板
4、平面基板6よりも大きく伸びる。この状態で接着剤
55が硬化し、接合が行われる。そして接合を終えた変
形可能ミラーを常温に戻すと、可撓性部材1、基板4、
平面基板6は元の伸びのない状態に戻ろうとする。しか
し可撓性部材1はすでに接合されており、基板4、平面
基板6の板厚は可撓性部材1よりも非常に大きいため、
大きく伸びた可撓性部材1は元の状態には復帰できず、
伸びが残ったままの状態、すなわち熱応力により張力が
与えられた状態となる。
【0055】この変形可能ミラー20では、可撓性部材
1に張力を負荷する際、可撓性部材1の周縁をクランプ
する必要がないので、簡易な作製装置で作製を行うこと
ができる。
【0056】図8は変形可能ミラーの接合方法の具体例
3を示す説明図である。この変形可能ミラー20は、可
撓性部材1、基板4、平面基板6を真空中で接合する。
それ以外は、変形可能ミラー20と同じ構造、吸着駆動
の方法、作製方法である。
【0057】接合に際しては、可撓性部材1、基板4、
平面基板6を真空室56内に入れ、ポンプ21で真空室
56を真空にする。この状態で可撓性部材1、基板4、
平面基板6の位置決めを行い、真空室56を大気圧に戻
す。すると、可撓性部材1が変形する空間が真空を保っ
ているため、可撓性部材1、基板4、平面基板6の接合
を行うことができる。
【0058】この変形可能ミラー20では、接着剤を用
いずに変形可能ミラーの接合を行っているため、可撓性
部材1と基板4の距離、および可撓性部材1と平面基板
6の距離が接着剤により増えることがない。したがっ
て、可撓性部材の吸着に必要な駆動電圧が増えずにす
む。さらに、可撓性部材の参照面、平面への吸着の切り
替えを行う際、可撓性部材が変形する空間が真空を保っ
ており、空気が内部に圧縮されることがないので、可撓
性部材の変形をスムーズに行うことができる。
【0059】図9は変形可能ミラーの接合方法の具体例
4を示す説明図である。この変形可能ミラー20は、可
撓性部材1、基板4、平面基板6を陽極接合する。それ
以外は、変形可能ミラー20と同じ構造、吸着駆動の方
法、作製方法である。
【0060】陽極接合とは、高温中でガラスと金属に電
圧を印加し、ガラスと金属を接合する方法である。例え
ば、図5の(a)および(b)に示した変形可能ミラー
20では、平面基板6の可撓性部材1と対向する表面は
SiO2 (絶縁層8)であり、可撓性部材1の平面基板
6と対向する表面はアルミ(電極3)であるので、可撓
性部材1と平面基板6とを陽極接合により接合すること
が可能である。また、基板4の可撓性部材1と対向する
表面はアルミ(電極5)であるので、可撓性部材1の基
板4と対向する表面にガラス面57を設ける(SiO2
成膜、または薄ガラス板貼付)ことにより、可撓性部材
1と基板4を陽極接合により接合することが可能であ
る。
【0061】この変形可能ミラー20では、接着剤を用
いずに変形可能ミラーの接合を行っているため、可撓性
部材1と基板4の距離、および可撓性部材1と平面基板
6の距離が接着剤により増えることがない。したがっ
て、可撓性部材の吸着に必要な駆動電圧が増えずにす
む。
【0062】[実施例3]図10はこの発明の変形可能
ミラーの実施例3の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー30は、図中下側に位置する第1の基
板4に曲率の異なる参照面4aと参照面4cとが形成さ
れている。内側の参照面4aは光線に球面収差を与え、
外側の参照面4cはアパーチャーの役割をする。その他
の構造、吸着駆動の方法、作製方法は、変形可能ミラー
20と同じである。
【0063】以下、外側の参照面4cがアパーチャーの
役割をする理由を説明する。図11は変形可能ミラー3
0が光線を反射している状態を示す説明図である。図1
1(a)は可撓性部材1が平面を保っている状態であ
る。このとき、可撓性部材1に対して垂直に入射した光
線Lは、そのまま垂直に反射される。
【0064】図11(b)は可撓性部材1が参照面4a
と参照面4cとに吸着しているときの状態である。この
とき、参照面4aに倣って吸着している可撓性部材1に
入射した光線Lには球面収差が与えられる。しかし、参
照面4cに倣って吸着している可撓性部材1に入射した
光線Lは、図に示すように、外側に反射され、さらに平
面基板6により光線Lが外側に屈折し、外側に大きく蹴
られる。
【0065】このため、例えば、この変形可能ミラーを
DVDとCDとの両方の記録再生が可能な光記録再生装
置に適用して球面収差の補正を行うようにした場合、不
要な光を外側に大きくけり、ディスクの記録再生に無関
係なものとすることができる。すなわち、参照面4cは
光線を外側に大きく蹴る、アパーチャーの役割をする。
【0066】このように、本実施例の変形可能ミラー3
0は、実施例2の変形可能ミラー20の効果に加えて、
可撓性部材1を基板4に吸着させた際、不要部分の光線
を外側に大きく蹴るアパーチャーの役割も兼ねるので、
上述のように光記録再生装置に適用した場合でも、新た
にアパーチャーを設ける必要がなく、装置の小型化、構
造の簡略化、コストダウンに有利である。
【0067】また、平面基板6により光線が外側に屈折
するため、光線を十分に外側に蹴るのに必要な参照面4
cの曲率を小さくでき、可撓性部材1と参照面4cとの
ギャップを小さくできるので、可撓性部材1を参照面4
a,4cに吸着させる際の電圧を小さくすることができ
る。本実施例では、図中上側に位置する第2の基板6に
平面基板を用いているが、基板6に光線を外側に屈折で
きる曲面を持つ基板を用いてもよい。
【0068】図12は吸着駆動時の電圧値を計算するた
めの説明図であり、変形可能ミラー20,30におい
て、可撓性部材1の吸着面の切り替えを行う際の駆動電
圧について、具体的な数値計算を行うためのものであ
る。
【0069】例えば、DVDの記録再生を行う光学系
で、CDの記録再生を行った場合、両者のディスク厚の
違いにより、CDの記録再生時に球面収差が発生する。
以下の数値計算例では、対物レンズの焦点距離を3.3m
m、CDの屈折率を1.58、CDの厚さを1.2mmとしてい
る。
【0070】変形可能ミラー20では、発生した球面収
差を補正するための参照面4aは、中心からr(mm)の
距離の形状が次式f(r)(μm)の曲面を有するもの
となる。 f(r)=3.3168×10-2・r6−3.9542×10-3・r4−0.
505・r2
【0071】可撓性部材1の材質をポリイミドとする
と、可撓性部材1と参照面4aとの間に働く力Fは、次
式で与えられる。 F=(V2ε1 2ε2S)/{2(ε1d2+ε2d1)2} ただし、ε1:可撓性部材1の誘電率=4.5×10-11F/
m ε2:真空中の誘電率=8.85×10-12F/m d1:可撓性部材1の厚さ=5μm d2:可撓性部材1と参照面との距離 V:電圧 S:電圧のかかる面積=30.2mm2
【0072】可撓性部材1と参照面4aとの距離d
2は、上式f(r)により与えられ、周縁に行くほど距
離が大きくなるため(最大で0.8μmほど)、可撓性部
材1と参照面4aとの間に働く力Fは、図に示すように
中心で最も大きく、周縁に行くほど小さい分布となり、
力の大きさは電圧の2乗に比例する。
【0073】このような分布の力が可撓性部材1に働い
ているときの、可撓性部材1が参照面4aに完全に吸着
するのに必要な電圧はシミュレーションにより求める。
シミュレーションで用いた可撓性部材1のヤング率E、
ポアソン比νはそれぞれ以下の通りである。 E:3.5GPa ν:0.39 吸着に必要な電圧はシミュレーションにより求めると、
それは僅か3Vほどである。
【0074】次に、変形可能ミラー30では、参照面4
a,4cの曲面形状の式はそれぞれ以下のものであると
する。 参照面4a:曲率半径96.412mmの球面 参照面4c:f(r)=8.4093×10-3・r2+3.4017×1
0-3・r4−5.8817×10-4・r6+5.1565×10-5・r8−1.
7408×10-6・r10
【0075】可撓性部材1が参照面4aに完全に吸着す
るのに必要な電圧をシミュレーションにより求めると、
それはおよそ50Vである。変形可能ミラー20に比べ
高い電圧を必要とするのは、以下のような理由による。
【0076】すなわち、光線をディスクの記録再生に支
障が出ないように蹴るためには、参照面4cを、光線に
垂直な面に対し、ある程度角度のある曲面形状としなけ
ればならない。また、参照面4a,4cの境界部が極端
に不連続すぎると、可撓性部材1の参照面4a,4cへ
の吸着がスムーズに行えないため、参照面4aもある程
度曲率を持たせる必要がある。その結果、可撓性部材1
と参照面との距離が大きくなり(最大で5μmほど)、
可撓性部材1を参照面に吸着するのに変形可能ミラー2
0よりも高い電圧が必要となる。
【0077】このように、本発明の変形可能ミラー2
0,30は、モータなどを用いることなく、大きくとも
50V程度の電圧の印加で、可撓性部材の参照面、平面
への吸着の切り替えを行うことができ、光線に球面収差
を与えたり、与えなかったりすることができるため、装
置の小型化、省電力化に有利である。
【0078】[実施例4]図13はこの発明の変形可能
ミラーの実施例4の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー40は、図13(a)に示す構造とな
っており、可撓性部材1の絶縁膜2、つまり可撓性部材
1の反射面の反対面に、図13(b)に示すようなパタ
ーンのハーフエッチング溝1aを施してある。その他の
構造、吸着駆動の方法、作製方法は、変形可能ミラー2
0,30と同じである。
【0079】本実施例の変形可能ミラー40は、可撓性
部材にハーフエッチング溝を施しているので、可撓性部
材の参照面、平面への吸着の切り替えを行う際、空気が
ハーフエッチング溝を通って、変形可能ミラーの外部に
出入し、空気が内部に圧縮されることがないので、可撓
性部材の変形をスムーズに行うことができる。
【0080】[実施例5]図14はこの発明の変形可能
ミラーの実施例5の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー50は、図14(a)に示す構造とな
っており、可撓性部材1の所々に、図14(b)に示す
ように、光線が反射する際に、記録再生に支障がでない
程度に微小な空気穴1bが設けられている。その他の構
造、吸着駆動の方法、作製方法は、変形可能ミラー2
0,30と同じである。空気穴1bは、パンチング、ま
たはエッチングで作製する。
【0081】本実施例の変形可能ミラー50は、可撓性
部材の所々に微小な空気穴を設けているので、可撓性部
材の参照面、平面への吸着の切り替えを行う際、空気が
可撓性部材の反対側に抜けていき、空気が内部に圧縮さ
れることがないので、可撓性部材の変形をスムーズに行
うことができる。
【0082】[実施例6]図15はこの発明の変形可能
ミラーの実施例6の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー60は、基板4の参照面4aに、同心
円状の溝部4dが数カ所形成されている。その他の構
造、吸着駆動の方法、作製方法は、変形可能ミラー2
0,30と同じである。
【0083】本実施例の変形可能ミラー60は、基板4
の数カ所に同心円状の溝部4dを設けているので、可撓
性部材の参照面、平面への吸着の切り替えを行う際、空
気がこの溝部に溜まり、空気が内部に圧縮されることが
ないので、可撓性部材の変形をスムーズに行うことがで
きる。
【0084】[実施例7]図16はこの発明の変形可能
ミラーの実施例7の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー70は、基板4に貫通穴4eが形成さ
れている。その他の構造、吸着駆動の方法、作製方法
は、変形可能ミラー20,30と同じである。
【0085】本実施例の変形可能ミラー70は、基板4
に貫通穴4dを設けているので、可撓性部材の参照面、
平面への吸着の切り替えを行う際、空気がこの貫通穴を
通って、変形可能ミラーの外部に出入し、空気が内部に
圧縮されることがないので、可撓性部材の変形をスムー
ズに行うことができる。
【0086】[実施例8]これまで説明した変形可能ミ
ラー20,30,40,50,60,70では、可撓性
部材の駆動装置9として静電力によって吸着を行うもの
を示したが、駆動装置9はこれに限るものではない。以
下に、静電力以外で吸着行う駆動装置9を有する変形可
能ミラーの例を示す。
【0087】まず、電磁力によって吸着を行う駆動装置
9を用いた例を説明する。図17はこの発明の変形可能
ミラーの実施例8の構造を示す説明図である。本実施例
の変形可能ミラー80は、可撓性部材1と、基板4と、
平面基板6と、電源9cと、電磁コイル18a,18b
から構成されている。
【0088】可撓性部材1は、弾性変形可能な磁性材料
からなり、必要に応じて表面に反射面を設ける。基板4
には、可撓性部材1が吸着したときに、光線に球面収差
を与えることができる参照面4aが形成されている。そ
して、この基板4には、図に示すように電磁コイル18
aが取り付けられている。
【0089】平面基板6は透明材料でできており、図に
示すように電磁コイル18bが取り付けられている。電
源9cは、電磁コイル18a,18bに接続されてお
り、スイッチにより電流の通電、停止の切り替えを行う
ことができる。
【0090】電磁コイル18b側に電流の通電が行われ
ているときには、電磁コル18bに磁界が発生し、磁性
材料でできた可撓性部材1を平面基板6に吸着させる。
電流の通電が電磁コイル18a側に切り替わると、電磁
コイル18bに発生していた磁界が消え、電磁コイル1
8aに磁界が発生し、可撓性部材1を基板4に吸着させ
る。
【0091】このように、電磁コイル18a,18bへ
の通電の切り替えによって、可撓性部材1の吸着面の切
り替えを行い、反射面の形状を変化させることにより、
光線に球面収差を与えたり、与えなかったりすることが
できる。
【0092】本発明の変形可能ミラー80は、駆動装置
9にモータなどを用いず、電磁力を利用したものを用い
ているため、装置の小型化、省電力化に有利である。ま
た、静電力を利用しないため、電極や絶縁層を設ける必
要がなく、構造が簡単であり、変形可能ミラーの作製時
間の短縮化を図ることができる。
【0093】[実施例9]次に、ポンプによって吸着を
行う駆動装置9を用いた例を説明する。図18はこの発
明の変形可能ミラーの実施例9の構造を示す説明図であ
る。本実施例の変形可能ミラー90は、可撓性部材1
と、参照面4aおよび貫通穴4fを有する基板4と、平
面基板6と、減圧および加圧の可能なポンプ22と、接
続管23から構成されており、それぞれ図示のように配
置されている。
【0094】そして、ポンプ22の減圧、加圧の切り替
えによって、可撓性部材1の吸着面の切り替えを行い、
光線に球面収差を与えたり、与えなかったりすることが
できる。
【0095】本発明の変形可能ミラー90は、駆動装置
9にポンプを用いているため、可撓性部材1を基板4ま
たは平面基板6へ、強く吸着または圧着することがで
き、温度変化などの環境変化に非常に強い変形可能ミラ
ーとすることができる。
【0096】[実施例10]次に、実施例10として、
本発明の変形可能ミラーを用いたピックアップ装置の例
を示す。図19は本発明の変形可能ミラーを用いたピッ
クアップ装置の構成を示す説明図である。本ピックアッ
プ装置100は、本発明の変形可能ミラー30と、DV
D60aまたはCD60bに光を集光させる対物レンズ
61と、光線平行化レンズ62と、ホログラム64と、
半導体レーザ65と、信号検出器66と、λ/4波長板
67と、偏光ビームスプリッタ69とから構成されてお
り、図に示すように配置されている。
【0097】このピックアップ装置100は、変形可能
ミラー30の可撓性部材1が平面基板6側に吸着されて
いるときにはDVD60aの記録面に光が集光され、可
撓性部材1が基板4側に吸着されているときにはCD6
0bの記録面に光が集光されるように設計されている。
【0098】図19(a)はDVD60aの記録再生時
の状態を示している。DVD記録再生時には、変形可能
ミラー30の可撓性部材1は平面基板6側に吸着されて
いる。半導体レーザ65から照射された光線は、図示の
光路をたどり、DVD60aの記録面に達する。そし
て、読み取った記録再生信号は逆の光路をたどり、ホロ
グラム64に達し、0次光と1次光に分割され、そのう
ちの1次光が信号検出器66により検出される。
【0099】図19(b)はCD60bの記録再生時の
状態を示している。CD記録再生時には、変形可能ミラ
ー30の可撓性部材1は基板4側に吸着されている。半
導体レーザ65から照射された光線は、変形可能ミラー
30で反射される。このとき、光線に対して、DVD、
CDのディスク厚の違いにより発生する球面収差を補正
するための球面収差が与えられ、かつ、不要部分の光線
が外側に蹴られる。そして、図示の光路をたどり、CD
60bの記録面に達し、読み取った記録再生信号は逆の
光路をたどり、ホログラム64に達し、分割された1次
光が信号検出器66により検出される。
【0100】このように、本ピックアップ装置100
は、変形可能ミラー30の切り替えを行うだけで、ディ
スク厚の異なるDVD、CDの記録面への光線の集光の
切り替えを行うことができる。またその構造も、従来の
ピックアップ装置の光路上に変形可能ミラー30を設置
するだけであるので、ピックアップ装置の小型化、簡略
化が可能であり、かつ従来からのピックアップ装置の製
造方法へのマッチングが良く、従来のピックアップ装置
の生産ラインに大幅な変更をする必要がない。さらに、
変形可能ミラー30がアパーチャーの役割を兼ねている
ため、アパーチャー、およびアパーチャーの出し入れを
行うアクチュエータが不要となり、ピックアップ装置の
さらなる小型化、簡略化が可能であり、光記録再生装置
の小型化、省電力化に有利となる。
【0101】本実施例では、アパーチャーの機能を備え
た変形可能ミラー30を用いているが、アパーチャーの
機能を備えていない変形可能ミラーを用いることも、も
ちろん可能である。ただしその場合、光路上にアパーチ
ャーを別に設ける必要がある。
【0102】[実施例11]次に、実施例11として、
実施例10のピックアップ装置100を用いた光記録再
生装置の例を示す。
【0103】図20は実施例10のピックアップ装置を
用いた光記録再生装置の構成を示す説明図である。本実
施例の光記録再生装置110は、DVD60aまたはC
D60bに対してデータの記録再生を行う実施例10の
ピックアップ装置100と、変形可能ミラー30に対し
て吸着用の電圧を印加する制御電源9aと、ディスクの
種類を検知するディスク種類検知装置501と、システ
ム制御装置502と、サーボ回路503と、リニアモー
タ504と、ディスクを回転させるモータ505と、制
御信号発生器506と、信号処理装置506から構成さ
れている。
【0104】ここでは、ディスクの種類の変化により、
変形可能ミラー30の可撓性部材の吸着方向を切り替え
るシステムを中心に説明する。DVD60a、CD60
bの切り替えが行われると、この切り替えがディスク種
類検知装置501により検知される。ディスクの切り替
えを検知したディスク種類検知装置501は、その情報
を、光記録再生装置のシステム全体の制御を行うシステ
ム制御装置502に送る。
【0105】この情報を受けたシステム制御装置502
は、その情報を、変形可能ミラー30への電圧印加の制
御を行う制御電源9a、リニアモータ504を制御する
サーボ回路503、および制御信号発生器506へ送
る。
【0106】制御電源9aでは、受けた情報に基づき、
変形可能ミラー30への電圧印加が切り替えられて、可
撓性部材の吸着方向が切り替えられ、それにより、光線
に与える球面収差の切り替えが行われる。
【0107】これと同時に、リニアモータ504によ
り、対物レンズ61が移動させられて、切り替えられた
ディスクに光の焦点が合わされ、制御信号発生器506
により、半導体レーザ65へ光照射の指示が行われる。
【0108】このように、本実施例の光記録再生装置1
10は、ディスクの切り替えに伴う、光線に与える球面
収差の切り替えをすべて信号処理のみで行っており、機
械的駆動を伴うアクチュエータを用いていないため、光
記録再生装置の小型化、省電力化に有利である。
【0109】また、その構造も、従来の光記録再生装置
に、前述のピックアップ装置、およびディスク種類検知
装置を設置するだけであるので、光記録再生装置の構成
の簡略化が可能であり、かつ従来からの光記録再生装置
の製造方法へのマッチングが良く、従来の光記録再生装
置の生産ラインを大幅に変更する必要がない。
【0110】
【発明の効果】この発明によれば、可撓性部材が第1基
板と第2基板との間に挟まれるように固定されているだ
けであるので、構造、組み立てが簡単である。また、可
撓性部材が駆動手段により第1参照面、あるいは第2参
照面に吸着するように変形するので、振動や温度変化な
どの環境変化に強い。さらに、本発明の変形可能ミラー
を用いてピックアップ装置や光記録再生装置を作製する
場合、従来の装置の構成に、変形可能ミラー、および幾
つかの変形可能ミラーの制御システムを設けるだけであ
るので、従来の製造方法へのマッチングが良く、従来の
装置の生産ラインに大幅な変更をする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の変形可能ミラーの実施例1の構造を
示す説明図である。
【図2】実施例1の可撓性部材の吸着状態を示す説明図
である。
【図3】この発明の変形可能ミラーの実施例2の構造を
示す説明図である。
【図4】実施例2の変形可能ミラーの吸着駆動の方法を
示す説明図である。
【図5】実施例2の変形可能ミラーの作製方法を示す説
明図である。
【図6】実施例2の変形可能ミラーの接合方法の具体例
1を示す説明図である。
【図7】実施例2の変形可能ミラーの接合方法の具体例
2を示す説明図である。
【図8】実施例2の変形可能ミラーの接合方法の具体例
3を示す説明図である。
【図9】実施例2の変形可能ミラーの接合方法の具体例
4を示す説明図である。
【図10】この発明の変形可能ミラーの実施例3の構造
を示す説明図である。
【図11】実施例3の変形可能ミラーが光線を反射して
いる状態を示す説明図である。
【図12】可撓性部材の吸着駆動時の電圧値を計算する
ための説明図である。
【図13】この発明の変形可能ミラーの実施例4の構造
を示す説明図である。
【図14】この発明の変形可能ミラーの実施例5の構造
を示す説明図である。
【図15】この発明の変形可能ミラーの実施例6の構造
を示す説明図である。
【図16】この発明の変形可能ミラーの実施例7の構造
を示す説明図である。
【図17】この発明の変形可能ミラーの実施例8の構造
を示す説明図である。
【図18】この発明の変形可能ミラーの実施例9の構造
を示す説明図である。
【図19】本発明の変形可能ミラーを用いたピックアッ
プ装置の構成を示す説明図である。
【図20】本発明の変形可能ミラーを有するピックアッ
プ装置を用いた光記録再生装置の構成を示す説明図であ
る。
【図21】従来の収差補償器の一例を示す説明図であ
る。
【図22】従来の収差補償器の他の例を示す説明図であ
る。
【図23】従来の収差補償器における変形可能ミラーの
詳細を示す説明図である。
【符号の説明】
1 可撓性部材 1a ハーフエッチング溝 1b 空気穴 2 絶縁膜 3,5,7 電極 3a 配線パッド 4,6 基板 4a,4b,4c 参照面 4d 溝部 4e 貫通穴 4f 貫通穴 5a 配線パッド 7a 配線パッド 8 絶縁層 9 駆動装置 9a 制御電源 9b,9c 電源 10,20,30,40,50,60,70,80,9
0 変形可能ミラー 18a,18b 電磁コイル 22 ポンプ 23 接続管 51,52 スペーサ層 55 接着剤 56 真空室 57 ガラス面 60a DVD 60b CD 61 対物レンズ 62 光線平行化レンズ 64 ホログラム 65 半導体レーザ 66 信号検出器 67 λ/4波長板 69 偏光ビームスプリッタ 100 ピックアップ装置 110 光記録再生装置 501 ディスク種類検知装置 502 システム制御装置 503 サーボ回路 504 リニアモータ 505 モータ 506 制御信号発生器 506 信号処理装置 L 光線 P 張力
フロントページの続き (72)発明者 岡田 訓明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 平田 進 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤田 英明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光線に球面収差を与えることが可能な第
    1参照面を有する第1基板と、透明でかつ光線に第1参
    照面とは異なる球面収差を与えることが可能な第2参照
    面を有しその第2参照面が第1参照面と対向するように
    配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間に配
    置され表面に反射面を有しかつ第1参照面または第2参
    照面に吸着可能な可撓性部材と、可撓性部材を第1参照
    面または第2参照面に吸着させる駆動手段とを備え、 前記可撓性部材は、第1基板と第2基板との間に挟まれ
    るように固定され、前記駆動手段により、第1参照面ま
    たは第2参照面に吸着させることにより、反射面によっ
    て反射される光線に与える球面収差を切り替えることを
    特徴とする変形可能ミラー。
  2. 【請求項2】 第1基板の第1参照面が、光線に球面収
    差を与えることが可能な第1曲面と、光線を外側に大き
    く反射させることが可能な第2曲面との2種類の曲面を
    有し、可撓性部材が第1参照面に吸着された際、反射面
    によって反射される光線の内、中心部に位置する光線は
    第1曲面により球面収差が与えられて反射され、外周部
    に位置する不要な光線は第2曲面により外側に大きく反
    射されることを特徴とする請求項1記載の変形可能ミラ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記可撓性部材が、第1基板と第2基板
    の各線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する材料か
    らなり、固定時に熱応力による張力を有するように、常
    温よりも高い硬化温度を有する熱硬化性の接着剤で常温
    よりも高い温度下で第1基板と第2基板との間に挟着さ
    れてなる請求項1記載の変形可能ミラー。
  4. 【請求項4】 前記可撓性部材が、真空中で第1基板と
    第2基板との間に挟み込まれることにより大気圧によっ
    て第1基板と第2基板との間に挟着されてなる請求項1
    記載の変形可能ミラー。
  5. 【請求項5】 前記可撓性部材と第1基板との接合面、
    および第2基板と前記可撓性部材との接合面が、それぞ
    れガラスと金属からなり、 前記可撓性部材が、ガラスと金属間に電圧を印加する陽
    極接合により第1基板と第2基板との間に挟着されてな
    る請求項1記載の変形可能ミラー。
  6. 【請求項6】 光源と、光源からの光線を反射すること
    により光線に特定の球面収差を与える収差補償器と、収
    差補償器によって反射された光線を集光して光ディスク
    に照射する集光器と、光ディスクから反射された光を検
    出する光検出器と、検出された光を光信号として処理す
    る信号処理器と、光ディスクの種類を検知しその検知信
    号を出力するディスク検知器と、ディスク検知器から光
    ディスクの種類を示す検知信号を受ける制御器とを備
    え、 前記収差補償器は、請求項1記載の変形可能ミラーを有
    し、 前記制御器は、ディスク検知器からの検知信号に応じて
    変形可能ミラーの駆動手段を制御することにより、光源
    からの光線に光ディスクの種類に応じた球面収差を与え
    ることを特徴とする光記録再生装置。
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