JPH10199663A - 発熱性組成物 - Google Patents

発熱性組成物

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JPH10199663A
JPH10199663A JP135697A JP135697A JPH10199663A JP H10199663 A JPH10199663 A JP H10199663A JP 135697 A JP135697 A JP 135697A JP 135697 A JP135697 A JP 135697A JP H10199663 A JPH10199663 A JP H10199663A
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JP
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parts
heat
particles
conductive
strontium titanate
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JP135697A
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English (en)
Inventor
Kinya Yoshino
欽也 吉野
Michio Arai
倫夫 新井
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SIGMA GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SIGMA GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の限界を越え、抵抗発熱体のジュール熱
と同等あるいはそれを凌駕する発熱効率が得られるよう
な発熱性組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 導電性粒子(A) および有機バインダー物
質(B) を含み、さらに強誘電体物質(C) およびチタン酸
ストロンチウム(D) を含む発熱性組成物である。揮発分
を除く組成物の全体に占める強誘電体物質(C) およびチ
タン酸ストロンチウム(D) の合計量の割合は5〜35重
量%、強誘電体物質(C) とチタン酸ストロンチウム(D)
との比率は重量比で1:0.1 〜1:3であることが望ま
しい。導電性粒子(A) は、鱗状黒鉛粒子(a1)、泥状黒鉛
(a2)、導電性膠状炭素(a3)、金属粒子(a4)および導電性
金属酸化物(a5)からなることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電により発熱す
る性質を有し、しかも高発熱効率を発現することのでき
る発熱性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通電により発熱する性質を有する発熱性
組成物は、面状発熱体として種々の用途に使用すること
ができる。
【0003】この種の発熱性組成物は、基本的には、導
電性粒子と有機バインダー物質とからなる。
【0004】特開平5−39442号公報には、長径が
300ミクロン以下、短径が200ミクロン以下のうろ
こ状炭素粒子からなる粉状材がバインダー物質に分散懸
濁している導電性発熱流動体が示されている。
【0005】特開平6−231867号公報には、導電
性粒子およびバインダー樹脂からなる組成物であって、
前記導電性粒子の少なくとも一部が鱗状黒鉛粒子からな
り、かつ前記バインダー樹脂が活性エネルギー線硬化型
樹脂からなる発熱性組成物が示されている。
【0006】特開平6−231868号公報には、砂利
等の粗粒の表面に、導電性粒子およびバインダー樹脂か
らなる発熱性組成物の層を形成してなる発熱性粗粒が示
されている。
【0007】これらの公報には、必要に応じて配合する
金属塩の一つとして、チタン酸バリウムを用いる場合に
ついても記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上に引用した3つの公
報の発明は、従来の発熱性塗料に比し改善がなされてい
るが、抵抗発熱体のジュール熱に対する発熱性塗膜の発
熱効率は最良の場合でも85〜95%どまりであった。
これは、これらの公報の発明においては導電性粒子やバ
インダー樹脂の選択や組み合わせの観点からの検討が主
であったため、発熱効率の上限に達したためと思われ
る。
【0009】しかるに、日々高度化する要求の前には、
発熱効率の点でさらに飛躍を図ることが望まれる。上記
の発熱効率の壁をブレークスルーするには、今までとは
別の発想に基く解決手段を見い出すことが必要である。
【0010】本発明は、このような背景下において、従
来の限界を越え、抵抗発熱体のジュール熱と同等あるい
はそれを凌駕する発熱効率が得られるような発熱性組成
物を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発熱性組成物
は、導電性粒子(A) および有機バインダー物質(B) を含
み、さらに強誘電体物質(C) およびチタン酸ストロンチ
ウム(D) を含むことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】〈導電性粒子(A) 〉導電性粒子(A) は、鱗
状黒鉛粒子(a1)、泥状黒鉛(a2)、導電性膠状炭素(a3)、
金属粒子(a4)および導電性金属酸化物(a5)からなること
が特に好ましい。これらの併用により、好ましい発熱性
能が得られるからである。
【0014】鱗状黒鉛粒子(a1)としては、その長径が3
00μm 以下(好ましくは100μm 以下、さらに好ま
しくは10〜60μm )で、その短径が200μm 以下
(好ましくは60μm 以下、さらに好ましくは5〜40
μm )のものが好適に用いられる。
【0015】泥状黒鉛(a2)としては、たとえば、粒径が
100μm 以下、好ましくは60μm 以下、殊に5〜3
0μm のものが用いられる。
【0016】導電性膠状炭素(a3)としては、導電性を有
する膠状の炭素が用いられるが、ケッチェンブラックが
特に重要である。導電性膠状炭素(a3)の適量の配合は、
鱗状黒鉛粒子(a1)の導電性能を最大限に発揮させる。
【0017】金属粒子(a4)としては、銅、ニッケル、ク
ロム、コバルト、銀、鉄などが用いられ、コスト、酸化
されにくい性質などを考慮すると、ニッケル、クロムま
たはコバルトが実用性が高い。金属粒子(a4)の粒径は、
300μm 以下、好ましくは100μm 以下、殊に 0.2
〜50μm とすることが望ましい。これらの中では、フ
レーク状のニッケル粒子と球状のクロム粒子を併用した
場合が特に重要である。フレーク状のニッケル粒子は発
熱因子および電気伝動度の向上に大きく貢献し、球状の
クロム粒子はそのフレーク状のニッケル粒子配列の支点
となるものと考えられる。
【0018】導電性金属酸化物(a5)としては、スズ、
鉄、ニッケル、クロム、コバルト、銅などの金属の酸化
物が用いられ、特に酸化スズや酸化ニッケルが重要であ
る。金属酸化物(a5)の粒径は、300μm 以下、好まし
くは100μm 以下、殊に2〜15μm とすることが望
ましい。
【0019】〈有機バインダー物質(B) 〉有機バインダ
ー物質(B) としては、シリコーン系樹脂、ポリエステル
シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、熱硬化性ア
クリル系樹脂、熱硬化性ポリエステル系樹脂、アルキッ
ド樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系
樹脂、エーテル化メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、
ポリイミド系樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂をはじ
めとする熱硬化性または活性エネルギー線硬化性有機バ
インダー物質;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、セルロ
ース系高分子(エステル化セルロース誘導体やエーテル
化セルロース誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリビニルアルコール系樹脂をはじめとする熱可塑性有
機バインダー物質;などが用いられる。有機バインダー
物質(B) は、熱硬化性有機バインダー物質の特長である
耐熱性、熱可塑性有機バインダー物質の特長である低温
造膜性を考慮に入れ、最適なものあるいは最適の組み合
わせを選択することが好ましい。
【0020】〈強誘電体物質(C) 〉強誘電体物質(C) と
しては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛などが用いら
れ、特にチタン酸バリウムが好適である。チタン酸バリ
ウムは、チタン酸のバリウム塩と言うよりも、チタン酸
塩の組成を持つバリウムとチタンの複酸化物であると考
えられている。チタン酸バリウムは、室温および120
℃以下では正方晶系に属するベロブスカイト型構造を有
し、強誘電性を示す。チタン酸鉛も室温で正方晶系のベ
ロブスカイト型構造をとり、一次転移温度490℃以下
で強誘電性を示す。
【0021】〈チタン酸ストロンチウム(D) 〉そして本
発明においては、上記の各成分のほかに、チタン酸スト
ロンチウム(D) を配合する。強誘電体物質(C) と共にチ
タン酸ストロンチウム(D) を用いる点が本発明の特徴的
な構成要件である。
【0022】チタン酸ストロンチウム(D) も、チタン酸
塩の組成を持つストロンチウムとチタンの複酸化物であ
ると考えられているが、チタン酸バリウムとは異なり強
誘電性を示さない。結晶は、無色ベロブスカイト型構造
を有する理想的な等軸晶系である。
【0023】〈配合割合〉本発明の発熱性組成物は、上
記のように導電性粒子(A) 、有機バインダー物質(B) 、
強誘電体物質(C) およびチタン酸ストロンチウム(D) を
含むが、各成分の割合は次の範囲から選ぶことが好まし
い。
【0024】まず、揮発分を除く組成物の全体に占める
強誘電体物質(C) およびチタン酸ストロンチウム(D) の
合計量の割合は5〜35重量%(殊に10〜30重量
%)であり、かつ強誘電体物質(C) とチタン酸ストロン
チウム(D) との比率は重量比で1:0.1 〜1:3(殊に
1:0.2 〜1:1)であることが望ましい。(C) +(D)
の割合が余りに少ないときは発熱効率の向上効果が少な
く、余りに多いときもかえって発熱効率が低下する。
(C) と(D) の相互間の比率において、(D) の比率が余り
に少ないときは発熱効率の向上効果が少なく、余りに多
いときもかえって発熱効率が低下する。
【0025】揮発分を除く組成物の全体に占める導電性
粒子(A) の割合は、25〜65重量%(殊に25〜50
重量%)が適当であり、導電性粒子(A) の過少は発熱性
能の不足を招き、高い電圧を印加しなければ発熱しない
ようになる。有機バインダー物質(B) の割合は、15〜
45重量%(殊に15〜35重量%)が適当であり、バ
インダー樹脂(B) の過少は、塗膜や成形物の強度不足を
招く。導電性粒子(A)の過多、有機バインダー物質(B)
の過多は、相対的に他の成分の割合が少なくなるのでバ
ランスを欠き、所期の改良効果を奏しえなくなる。
【0026】各成分の割合を上記の範囲から選択した場
合に、バランスのとれた最適の結果が得られる。
【0027】導電性粒子(A) に着目すると、導電性粒子
(A) に占める鱗状黒鉛粒子(a1)の割合は20重量%以上
でかつ有機バインダー物質(B) に対する鱗状黒鉛粒子(a
1)の割合は15〜85重量%となるようにすることが望
ましい。これらの範囲からはずれると、所期の発熱性能
が充分には得られないことがあるからである。
【0028】鱗状黒鉛粒子(a1)と共に泥状黒鉛(a2)、導
電性膠状炭素(a3)、球状金属粒子(a4)、導電性金属酸化
物(a5)を併用するときは、鱗状黒鉛粒子(a1):導電性膠
状炭素(a3)は重量比で99:1〜60:40とし、鱗状
黒鉛粒子(a1):(球状金属粒子(a4)+導電性金属酸化物
(a5))の重量比は80:20〜20:80とすることが
望ましい。
【0029】〈その他の配合物〉本発明の組成物は、上
記の必須成分のほか、必要に応じ、鉄、銅、ズズ、ナト
リウム、ニッケル、クロム、コバルトなどのハロゲン化
合物、たとえば塩化スズや塩化ニッケルを含んでいても
よく、体質顔料や着色顔料を含んでいてもよい。補強繊
維、導電性繊維を含んでいてもよい。
【0030】また塗工性や貯蔵安定性の確保のために、
稀釈剤(溶剤等)、水、沈降防止剤(ポリマー類、ベン
トナイト、微粉末シリカ等)、分散剤(界面活性剤
等)、安定剤(酸化防止剤等)、レベリング剤、発泡
剤、補強繊維、乾性油、半乾性油、柔軟化剤(エチレン
グリコール等)、塩類(食塩等)などを適宜配合するこ
ともできる。
【0031】〈面状発熱体の形成〉上記発熱性組成物
は、これを金属、プラスチックス、木材、紙、布状物、
セラミックス板、コンクリートなどの任意の対象物に塗
布した後、加熱または活性エネルギー線の照射をして硬
化膜を形成させる。対象物の形状は平面状に限られず、
線状、棒状、筒状、その他の3次元曲面状であってもよ
い。この組成物を適当な支持体や型に流延または注型し
た後、加熱または活性エネルギー線を照射してフィル
ム、シート、その他の成形物(タイル状、レンガ状、瓦
状など)の形態にすることもできる。硬化膜の厚さは0.
01〜0.3mm 程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲
に限られるものではない。
【0032】このようにして得られた塗膜または成形物
の上には、絶縁塗料や絶縁フィルムによる絶縁層が配置
されるようにする。ただし絶縁層の厚みが必要以上に厚
くなると熱の移動が妨げられることがあるので、できる
だけ必要最小限の厚みにとどめるよう留意する。
【0033】電極および端子は、銀ペーストや金属箔な
ど導電性の高いもので形成する。
【0034】通電は交流であっても直流であってもよ
く、また3V程度の低電圧から240V程度までの高電
圧まで適用できる。たとえば、家庭用の100V電源、
乗用車用の12Vバッテリー電源、トラック用の24V
バッテリー電源、乾電池などがいずれも使用できる。
【0035】〈作用〉本発明の発熱性組成物を構成する
必須成分をまとめてみると、次のようになる。 ・ 導電性粒子(A) (殊に、鱗状黒鉛粒子(a1)、泥状黒
鉛(a2)、導電性膠状炭素(a3)、金属粒子(a4)および導電
性金属酸化物(a5)) ・ 有機バインダー物質(B) ・ 強誘電体物質(C) (殊にチタン酸バリウム) ・ チタン酸ストロンチウム(D)
【0036】導電性粒子(A) は通電により発熱する成分
であり、有機バインダー物質(B) は塗膜または成形物を
形作る成分である。
【0037】導電性粒子(A) のうち鱗状黒鉛粒子(a1)
は、そのすぐれた導電性およびその特異な粒子形状によ
り、すぐれた導電性ならびに発熱性能を示す。金属粒子
(a4)は、鱗状黒鉛粒子(a1)の有する発熱性能を補完し、
より安定した発熱性を発揮させるのに貢献する。泥状黒
鉛(a2)、導電性膠状炭素(a3)は、これらを適量配合する
ことにより、鱗状黒鉛粒子(a1)の導電性を改善して発熱
性能を最大限に発揮させ、殊に電気抵抗値の調整の点お
よび低電圧において高温度を発現させる点で効果があ
る。導電性金属酸化物(a5)の存在は、発熱効率の向上に
有利である。というのは、導電性金属酸化物の導電率は
金属とほぼ同程度であるが、通電により温度が上昇する
と、金属の場合には抵抗が低下して電流が増大するため
に消費電力が大きくなるのに対し、導電性金属酸化物の
場合には同傾向を示すものの金属の場合ほどは電流が増
大せず、発熱効率の点で有利に働くからである。
【0038】強誘電体物質(C) (殊にチタン酸バリウ
ム)は、電場を与えられたときに電荷が微視的にわずか
の距離を移動して分極し、その結果、電磁誘導エネルギ
ーが発現するものと考えられる。そして強誘電性を示さ
ないチタン酸ストロンチウム(D) が共存し、かつ導電性
粒子(A) が共存している系においては、発熱作用に対し
て電子移動が適切なものとなると考えられる。いずれに
せよ、強誘電体物質(C)とチタン酸ストロンチウム(D)
とを共存させることにより、導電性粒子(A) の系、ある
いは導電性粒子(A) と強誘電体物質(C) とからなる系に
比し、発熱効率の点で、従来は壁と思われていた限界が
破られ、抵抗発熱体のジュール熱と同等あるいはそれを
凌駕する発熱効率が得られるようになる。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0040】実施例1 〈発熱性塗料の調製〉導電性粒子(A) として、下記の粒
子を均一に混合した粉体混合物100部を準備した。 ・27.8部の鱗状黒鉛粒子(長径30〜40μm 、短径1
0〜20μm ) ・44.4部の泥状黒鉛粒子(粒径5〜15μm ) ・ 3.7部の球状のケッチェンブラック粒子(粒径5〜1
5μm ) ・11.1部のフレーク状ニッケル粒子(粒径 0.5〜 5.0μ
m ) ・ 7.4部の球状のクロム粒子(粒径 0.5〜 5.0μm ) ・ 5.6部の導電性酸化スズ(粒径2〜5μm )
【0041】有機バインダー物質(B) として、下記の組
成の溶液 103.7部を準備した。 ・14.8部の純シリコーン樹脂 ・ 7.4部のシリコーンポリエステル ・ 7.4部のエポキシ化シリコーン ・26.7部のブチル化メラミン樹脂 ・47.4部の溶剤
【0042】上記の導電性粒子(A) の粉体混合物100
部に、強誘電体物質(C) の一例としてのチタン酸バリウ
ム(粒径10〜15μm )44.4部と、チタン酸ストロン
チウム(D) 11.2部とを混合し、さらに上記の有機バイン
ダー物質(B) の溶液 103.7部、塗膜安定剤としての体質
顔料14.8部(酸化チタン 7.4部および酸化アルミニウム
7.4部)、沈降防止剤としてのメチルトリメトキシシラ
ン11.1部、流れ性改良剤(長鎖ポリアミノアミドリン酸
塩と長鎖ポリアミノアミドエステル塩との重量比で3:
1の混合物) 7.5部、塗膜柔軟剤としての油脂加工剤
(熱重合亜麻仁油7.4部およびカシューナッツシェル加
工品 3.7部)11.1部、展延剤兼粘性調整剤としての溶剤
(キシレン37.0部およびメチルイソブチルケトン22.2
部)59.2部を加えて、100〜240rpm の回転数の撹
拌機で撹拌混合し、チクソトロピック性の強い発熱性塗
料を調製した。
【0043】〈面状発熱体の作製〉この発熱性塗料を、
電極としての巾8mmの銅テープを両長辺側に貼着した8
0mm×155mmの寸法の絶縁塗料塗布SUS304板の
56mm(両銅テープ上の16mmの部分を含む)×125
mmの領域に刷毛塗りした後、常温乾燥後、130℃で1
時間、180℃で1時間キュアリングを行い、発熱板を
作製した。発熱性塗膜の厚みは0.20mmであった。乾燥塗
膜の体積抵抗率は2.05Ω・cm(25℃)であった。
【0044】この発熱板を、水に浸没してもよいように
絶縁塗料を塗布することにより絶縁層を作ったステンレ
ス鋼板(SUS304)で挟持し、ボルトおよびナット
で締め付けて、面状発熱体を作製した。なお、周囲はシ
リコーンゴムでシールし、銅テープの端部からはリード
線を取り出した。
【0045】〈発熱試験〉焼き付け塗装を施した鋼製の
ペール缶(重量1360g)をガラスウールで包み、発
泡ポリスチレン製の板で蓋をし、内部にガラス製ビーカ
ー(重量92g)を入れてその上に上記の面状発熱体
(重量はステンレス鋼板2枚で216g)を置き、さら
に純水10kgを充填した。
【0046】面状発熱体表面およびペール缶外側に温度
センサを貼着セットし、撹拌機で純水を撹拌(100rp
m )しながら、変圧機を通じて面状発熱体に60分間通
電し、温度センサ設置各部の温度変化を測定して、発熱
性塗膜の発熱効率を求めた。計算の元になる各部の温度
変化および通電した電気的データは、次の表1の通りで
あった。
【0047】
【表1】 通電時間 水 温 発熱体表面 ペール缶外側 電 流 電 圧 電 力 (分) (℃) 温度 (℃) 温度 (℃) (A) (V) (W) 0 27 27 27 1.84 58.0 106.72 5 27 35 27 1.88 58.2 109.42 10 29 48 28 1.89 58.5 110.57 15 30 55 28 1.89 58.2 110.00 20 31 73 28 1.91 58.6 111.93 25 32 96 29 1.90 58.5 111.15 30 33 105 29 1.90 58.4 110.96 35 34 110 30 1.88 57.7 108.48 40 35 113 30 1.90 58.3 110.77 45 35 115 31 1.90 58.2 110.58 50 36 116 32 1.90 58.2 110.58 55 36 117 33 1.92 58.8 112.90 60 37 118 33 1.93 58.9 113.68 平均値 - - - 1.90 58.3 110.60 (電源電圧 60.0 ボルト印加)
【0048】〈発熱性塗膜による発熱量〉水に与えた熱
量は 10000×(37−27)×1.00=100000.0cal 、面状発
熱体に与えた熱量は 216×(118 −27)×0.12=2358.7
cal 、ペール缶に与えた熱量は1360×(33−27)×0.12
=979.2calであり、合計熱量は103337.9cal 、つまり 1
03.3kcalである。ただしペール缶の比熱は0.12とした。
なお比熱は温度に依存すると思われるが、定数として扱
って計算した。
【0049】〈発熱性塗膜による発熱効率〉発熱性塗膜
に関する試験により得られた発熱量の、ジュール熱に対
する発熱効率を計算すると、次のようになる。本実施例
の発熱性塗膜における発熱効率は 108.6%であり、極め
てすぐれていることがわかる。 ・ジュール熱:1000Wの電力で 860kcal発熱 ・本発明による発熱塗膜の発熱量:110.60Wの電力で 1
03.3kcal発熱 ・発熱効率:1000×103.3/110.60=934.0 100×934.
0/860 = 108.6%
【0050】実施例2 〈発熱性塗料の調製〉実施例1に準じ、下記の組成の発
熱性塗料を調製した。 ・27.5部の鱗状黒鉛粒子(長径30〜40μm 、短径1
0〜20μm ) ・43.9部の泥状黒鉛粒子(粒径5〜15μm ) ・ 3.1部の球状のケッチェンブラック粒子(粒径5〜1
5μm ) ・11.8部のフレーク状ニッケル粒子(粒径 0.5〜 5.0μ
m ) ・ 7.8部の球状のクロム粒子(粒径 0.5〜 5.0μm ) ・ 5.9部の導電性酸化スズ(粒径2〜5μm ) ・67.6部の有機バインダー物質(B) (純シリコーン樹脂
8.8部、シリコーンポリエステル 7.0部、エポキシ化シ
リコーン 4.0部、ブチル化メラミン樹脂12.0部、有機溶
剤14.7部からなるワニスと、エチレン−酢酸ビニル共重
合体 8.0部、塩素化パラフィン 0.6部、キシレン 8.0
部、イソホロン 4.5部からなるワニス) ・14.6部のチタン酸バリウム(粒径10〜15μm ) ・ 7.9部のチタン酸ストロンチウム ・15.6部の体質顔料(酸化チタン 7.8部および酸化アル
ミニウム 7.8部) ・39.2部の添加剤類(メチルトリメトキシシラン11.8
部、重合亜麻仁油 7.8部、カシューナッツシェル液加工
品 3.9部、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩 5.9部、長
鎖ポリアミノアマイドエステル塩 2.0部、アミノ化ヘク
トライト有機粘土 7.8部) ・62.7部の有機溶剤(キシレン39.2部およびメチルイソ
ブチルケトン23.5部)
【0051】〈面状発熱体の作製、発熱試験〉この発熱
性塗料を用いて、実施例1と同様にした面状発熱体を作
製した。発熱性塗膜の厚みは0.12mmであった。乾燥塗膜
の体積抵抗率は1.25Ω・cm(25℃)であった。この面
状発熱体を用いて、実施例1と同様にして発熱効率を求
めるためのデータをとった。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】 通電時間 水 温 発熱体表面 ペール缶外側 電 流 電 圧 電 力 (分) (℃) 温度 (℃) 温度 (℃) (A) (V) (W) 0 25 25 25 1.75 57.5 103.63 5 25 33 25 1.79 58.2 104.18 10 26 43 25 1.83 58.2 106.51 15 26 55 25 1.83 58.3 106.69 20 27 70 25 1.85 58.2 107.67 25 28 84 26 1.85 58.4 108.04 30 28 98 26 1.88 58.5 109.98 35 29 110 26 1.91 58.5 111.74 40 30 116 27 1.92 58.5 112.32 45 31 120 27 1.90 58.2 110.58 50 33 122 28 1.90 58.2 110.58 55 35 123 29 1.93 58.7 113.29 60 36 124 30 1.95 58.9 114.86 平均値 - - - 1.87 58.3 109.24 (電源電圧 60.0 ボルト印加)
【0053】〈発熱性塗膜による発熱量〉水に与えた熱
量は 10000×(36−25)×1.00=110000.0cal 、面状発
熱体に与えた熱量は 205×(124 −25)×0.12=2435.4
cal 、ペール缶に与えた熱量は1360×(30−25)×0.12
=816.0calであり、合計熱量は113251.4 cal、つまり11
3.25kcalである。
【0054】〈発熱性塗膜による発熱効率〉発熱性塗膜
に関する試験により得られた発熱量の、ジュール熱に対
する発熱効率を計算すると、次のようになる。本実施例
の発熱性塗膜における発熱効率は 120.5%であり、極め
てすぐれていることがわかる。 ・ジュール熱:1000Wの電力で 860kcal発熱 ・本発明による発熱塗膜の発熱量:109.24Wの電力で 1
13.25kcal 発熱 ・発熱効率:1000×113.25/109.24 =1036.7 100×10
36.7/860= 120.5%
【0055】実施例3 〈発熱性塗料の調製〉実施例1に準じ、下記の組成のチ
クソトロピック性の強い発熱性塗料を調製した。発熱性
塗料を調製した。 ・11.8部の鱗状黒鉛粒子(長径30〜40μm 、短径1
0〜20μm ) ・17.6部の泥状黒鉛粒子(粒径5〜15μm ) ・ 2.9部の球状のケッチェンブラック粒子(粒径5〜1
5μm ) ・ 8.2部のフレーク状ニッケル粒子(粒径 0.5〜 5.0μ
m ) ・ 2.9部の球状のクロム粒子(粒径 0.5〜 5.0μm ) ・ 5.9部の導電性酸化スズ(粒径2〜5μm ) ・ 129.5部の有機バインダー物質(B) (50%シリコーン
ポリエステル樹脂ワニス11.8部、60%ブチル化メラミン
樹脂ワニス11.8部、53%アクリル樹脂ワニス 5.9部から
なる汎用樹脂ワニス29.5部と、エチレン−酢酸ビニル共
重合体23.5部、塩素化パラフィン 3.8部、キシレン58.9
部、イソホロン13.8部からなる合成樹脂ワニス 100部) ・15.0部のチタン酸バリウム(粒径10〜15μm ) ・15.0部のチタン酸ストロンチウム ・17.6部の体質顔料(酸化チタン 8.8部、含水ケイ酸ア
ルミニウム 5.9部および含水ケイ酸マグネシウム 2.9
部) ・20.6部の添加剤類(メチルトリメトキシシラン 8.8
部、重合亜麻仁油 5.9部、カシューナッツシェル液加工
品 3.9部、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩 4.4部、長
鎖ポリアミノアマイドエステル塩 1.5部) ・52.9部の有機溶剤(キシレン38.2部およびメチルイソ
ブチルケトン14.7部)
【0056】〈面状発熱体の作製、発熱試験〉この発熱
性塗料を用いて、実施例1と同様にした面状発熱体を作
製した。発熱性塗膜の厚みは0.15mmであった。乾燥塗膜
の体積抵抗率は1.70Ω・cm(25℃)であった。この面
状発熱体を用いて、実施例1と同様にして発熱効率を求
めるためのデータをとった。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】 通電時間 水 温 発熱体表面 ペール缶外側 電 流 電 圧 電 力 (分) (℃) 温度 (℃) 温度 (℃) (A) (V) (W) 0 25 25 25 1.59 58.9 93.65 5 25 42 25 1.71 58.3 99.69 10 26 63 25 1.75 58.4 102.20 15 27 82 25 1.77 58.2 103.01 20 28 97 25 1.75 58.2 101.85 25 29 105 26 1.75 58.0 101.50 30 30 108 26 1.74 58.4 101.62 35 31 111 26 1.74 58.3 101.62 40 32 113 27 1.78 58.7 104.49 45 33 115 27 1.81 58.8 106.43 50 33 115 28 1.83 58.5 107.06 55 34 115 28 1.83 58.5 107.06 60 34 116 29 1.85 59.4 109.89 平均値 - - - 1.76 58.5 103.08 (電源電圧 60.0 ボルト印加)
【0058】〈発熱性塗膜による発熱量〉水に与えた熱
量は 10000×(34−25)×1.00=90000.0cal、発熱基板
に与えた熱量は 198×(116 −25)×0.12=2162.2cal
、ペール缶に与えた熱量は1360×(29−25)×0.12=6
52.8calであり、合計熱量は92815.0cal、つまり92.815k
calである。
【0059】〈発熱性塗膜による発熱効率〉発熱性塗膜
に関する試験により得られた発熱量の、ジュール熱に対
する発熱効率を計算すると、次のようになる。本実施例
の発熱性塗膜における発熱効率は 104.7%であり、極め
てすぐれていることがわかる。 ・ジュール熱:1000Wの電力で 860kcal発熱 ・本発明による発熱塗膜の発熱量:103.08Wの電力で9
2.815kcal発熱 ・発熱効率:1000×92.815/103.08 =900.4 100×90
0.4/860 = 104.7%
【0060】〈実施例1〜3の発熱性塗膜による発熱温
度〉発熱性塗膜の体積抵抗率から算出されるワット密度
と発熱温度の関係から、実施例1〜3における発熱温度
は次のようになる。計算式は次の通りである。 W=(1/δ)×(S×V2 /L) ここで、Wはワット、δは体積抵抗率、Sは電極の長さ
×膜厚、Vはボルト、Lは電極間距離である。 ・実施例1の場合 W=(1/2.05)×(12.5 ×0.02×60×60)/4 =109.756 ワット密度= 109.756/50 =2.20W/cm2 図1〜2から、その発熱温度は約480℃になる。 ・実施例2の場合 W=(1/1.25)×(12.5 ×0.012 ×60×60)/4 =108.0 ワット密度=108.0/50=2.16W/cm2 図1〜2から、その発熱温度は約470℃になる。 ・実施例3の場合 W=(1/1.70)×(12.5 ×0.015 ×60×60)/4 =99.265 ワット密度=99.265/50 =2.00W/cm2 図1〜2から、その発熱温度は約425℃になる。
【0061】上記のような発熱温度の発熱試験を行う場
合、400℃以上になると電極材料にしている銅テープ
が焼き切れるおそれがある。そこで上記のように、面状
発熱体を水中に浸没させて試験を行った。図3に、実施
例1〜3における水中における面状発熱体の発熱温度を
表1〜3に基いてプロットした結果を示す。
【0062】
【発明の効果】本発明の発熱性組成物を用いれば、発熱
効率の点で、従来は壁と思われていた限界が破られ、抵
抗発熱体のジュール熱と同等あるいはそれを凌駕する発
熱効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワット密度と発熱温度との関係を示したグラフ
である。
【図2】ワット密度と発熱温度との関係を示したグラフ
である。
【図3】実施例1〜3における水中における面状発熱体
の発熱温度を表1〜3に基いてプロットした結果を示し
たグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性粒子(A) および有機バインダー物質
    (B) を含み、さらに強誘電体物質(C) およびチタン酸ス
    トロンチウム(D) を含むことを特徴とする発熱性組成
    物。
  2. 【請求項2】揮発分を除く組成物の全体に占める強誘電
    体物質(C) およびチタン酸ストロンチウム(D) の合計量
    の割合が5〜35重量%であり、かつ強誘電体物質(C)
    とチタン酸ストロンチウム(D) との比率が重量比で1:
    0.1 〜1:3である請求項1記載の発熱性組成物。
  3. 【請求項3】導電性粒子(A) が、鱗状黒鉛粒子(a1)、泥
    状黒鉛(a2)、導電性膠状炭素(a3)、金属粒子(a4)および
    導電性金属酸化物(a5)からなることを特徴とする請求項
    1記載の発熱性組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100455146C (zh) * 2005-09-20 2009-01-21 中国江南航天工业集团江南工业贸易公司 一种碳素材料电发热膜及制备方法
CN102761994A (zh) * 2011-04-25 2012-10-31 艾尔莎光电科技股份有限公司 纳米陶瓷电热涂层装置及其制造方法
CN116705379A (zh) * 2023-07-18 2023-09-05 深圳清研锂业科技有限公司 复合导电颗粒及制备方法和应用

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