JPH10201466A - バイオロジカルインジケーター - Google Patents

バイオロジカルインジケーター

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JPH10201466A
JPH10201466A JP9008233A JP823397A JPH10201466A JP H10201466 A JPH10201466 A JP H10201466A JP 9008233 A JP9008233 A JP 9008233A JP 823397 A JP823397 A JP 823397A JP H10201466 A JPH10201466 A JP H10201466A
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JP
Japan
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container
gas
carrier
nutrient medium
container cap
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JP9008233A
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English (en)
Inventor
Mutsumi Shibuya
睦 澁谷
Yukio Tsuchiyama
幸夫 土山
Michiko Sakamoto
道子 坂本
Masayasu Hayashi
正保 林
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MERUSHIYAN KURIN TEC KK
Dai Nippon Printing Co Ltd
Mercian Corp
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
MERUSHIYAN KURIN TEC KK
Dai Nippon Printing Co Ltd
Mercian Corp
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP9008233A priority Critical patent/JPH10201466A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルムアルデヒド・ガスによる燻蒸滅菌効果
を正確に判定可能なバイオロジカル・インジケーターを
提供する。 【解決手段】 (a) 栄養培地が充填され、該栄養培地及
び滅菌用ガスに対して不透過性の押し破り可能なシール
で密封された容器本体;(b) 気体が自由通過可能な開放
口を備え、容器本体に装着された押し下げ可能な容器キ
ャップ;及び(c)該シール及び該容器キャップ内壁によ
って形成される空間内に配置され、その表面に微生物が
担持された微生物担体;を備え、滅菌用ガスが上記開放
口を通過して該微生物担体表面に到達でき、該容器キャ
ップの押し下げにより該微生物担体が該シールを押し破
って該栄養培地中に投入され、該押し下げ後には該容器
キャップと該容器とが嵌合して該容器を密閉することを
特徴とするガス滅菌用のバイオロジカル・インジケータ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイオロジカル・
インジケーターに関するものである。さらに具体的に
は、ホルムアルデヒド・ガスを用いて製剤用機器や手術
室内などを広域燻蒸滅菌する場合に、滅菌が有効に達成
されたか否かを簡便に判定できるバイオロジカル・イン
ジケーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、手術器具や歯科用具などの小
型機器を滅菌する場合には、120 ℃程度のオートクレー
ブ中で蒸気を用いて加圧滅菌を行うのが一般的である。
一方、製剤充填機などの大型の機器や手術室内などを広
域滅菌する場合には、エチレンオキサイド・ガス又はホ
ルムアルデヒド・ガスを用いて燻蒸による滅菌を行うこ
とが多い。このような燻蒸による滅菌操作ではガスの到
達度によって滅菌効果が大きく左右されるので、毎回の
滅菌操作においては、複雑な機器の細部や内部、あるい
は部屋の隅々にまでガスが到達して有効な滅菌が達成さ
れたか否かを判定する必要がある。特に、ホルムアルデ
ヒド・ガスは滅菌効果は高いものの、ガスが細部に侵入
しにくいという問題を有しており、有効な滅菌が達成さ
れたか否かの判定が非常に重要である。
【0003】燻蒸滅菌の達成度の判定には、従来、滅菌
後の対象物について無菌試験を行う方法が採用されてい
たが、最近ではより簡便な方法として、使用するガスに
より惹起される化学反応の進行度を指標にして判定を行
うケミカル(化学的)インジケーター、または特定の微
生物に対する殺菌効果を指標にして判定を行うバイオロ
ジカル(生物学的)インジケーターのいずれかを用いる
方法が採用されている(International Organization fo
r Standardization (ISO); ケミカル・インジケーター
の一般的要件については ISO 11140-1: General requir
ements; バイオロジカル・インジケーターの一般的要件
については ISO 11138-1: General requirementsを参照
のこと)。
【0004】エチレンオキサイド・ガス用のバイオロジ
カル・インジケーターについては、ISO 11138-2 に規格
が定められており、市販の製品として「プルーフ・プラ
ス」(AMSCO 社製)が利用できる。この製品のカプセル
中にはエチレンオキサイド・ガス滅菌に抵抗性の強い細
菌の芽胞をしみ込ませたディスク(濾紙片)と培養液と
が内蔵されており、このインジケーターの存在下で滅菌
作業を行った後、一定時間培養を行うことにより生物学
的な滅菌効果の判定を行うことができる。しかしなが
ら、ホルムアルデヒド・ガスは濾紙への吸着性が高く、
滅菌効果の判定が不正確になるという問題があり、この
市販製品をホルムアルデヒド・ガスの燻蒸滅菌のインジ
ケーターとして用いることはできない。また、現在のと
ころ、ホルマリン・ガスによる燻蒸滅菌の達成度を正確
に判定できるバイオロジカル・インジケーターは市販さ
れておらず、ISO による規格も定められていない。
【0005】一方、特開昭58-212775 号公報の第3図に
は、ホルムアルデヒド・ガスなどに利用可能なバイオロ
ジカル・インジケーターが開示されている。このインジ
ケーターは、栄養培地容器6に装着され該容器のフタと
して作用するスライド可能なチューブであって、チュー
ブ上面に装着されたガス透過性で押し破り抵抗性のフイ
ルム9により密閉されたチューブ10、ガス不透過性で押
し破り可能なフイルム7により密閉され 栄養培地が充
填された栄養培地容器6、及び、フイルム7及びフイル
ム9の間に配置された球状の胞子担体1から構成されて
いる。ガス滅菌プロセス下には、ガスはフイルム9を透
過して胞子担体1の表面に到達し、ガス濃度に応じて胞
子担体上の微生物が殺菌される。その後、フイルム9を
介して胞子担体1をフイルム7に押しつけると、フイル
ム7が破れて胞子担体は栄養培地中に落下するが、胞子
担体上の微生物が生存している場合には、その後の培養
により培養液が酸性化してpH指示薬により色調が変化す
るので、滅菌操作が不完全であったことが視覚的に判定
できる。
【0006】このインジケーターは、栄養培地と物理的
に隔離した状態で胞子担体表面に付着させた微生物にガ
スを接触させ、その後、隔壁として配置されているフイ
ルムを押し破って胞子担体自体を栄養培地中に投入する
ので、簡便な一操作により判定用の栄養培地を調製でき
る点に特徴がある。しかしながら、このインジケーター
では、容器6のフタとして作用するチューブ10の上面に
装着されるフイルム9として、十分にガス透過性であ
り、かつ押し破りに対して抵抗性のフイルムを用いる必
要がある。一般的には、ガスが完全に自由拡散(自由透
過)可能なフイルムは入手困難であり、通常入手可能な
フイルムではフイルムの内側と外側とにガス濃度の違い
が生じるか、あるいは平衡の到達までに長時間を要して
しまう。このような性質のフイルム9を介したインジケ
ーター内部には外部環境のガス濃度よりも低濃度のガス
が存在することになり、外部環境では十分な滅菌が達成
されているにもかかわらず滅菌が不完全であると判定さ
れてしまい、不必要な滅菌操作を追加することになる。
【0007】また、上記公開公報には、フイルム9とし
て滅菌紙やポリエチレン繊維から構成される不織布など
を用いることが説明されている。しかしながら、例えば
滅菌紙をフイルムとして用いると、フイルムにホルムア
ルデヒド・ガスが吸着されてしまい、外部環境中のガス
濃度とインジケーター内部のガス濃度に乖離が生じる場
合がある。さらに、胞子担体1を栄養培地中に投入した
後には、残存した微生物を含む可能性のある栄養培地と
フイルム9とが直接接触可能な状態になるので、栄養培
地がインジケーター外部に漏れださないようなフイルム
の選定が必要になる。例えば、滅菌紙などを用いると微
生物を含んだ栄養培地が滲み出し、微生物汚染が惹起さ
れる可能性がある。ポリエチレン繊維から構成される特
殊不織布は一般的に高価であるうえ、ホルムアルデヒド
・ガスに対して完全な透過性を有しているとはいえな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ホル
ムアルデヒド・ガスによる燻蒸滅菌に使用可能なバイオ
ロジカル・インジケーターを提供することにある。より
具体的には、滅菌の対象となる外部環境中に存在するホ
ルムアルデヒド・ガスの濃度を正確に反映した判定が可
能であり、かつ、微生物汚染の可能性のないインジケー
ターを提供することが本発明の課題である。さらに、安
価に製造でき、かつ簡便な操作により正確な判定を行う
ことができるインジケーターを提供することが本発明の
別の課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、栄養培地が充填されて
おり、ホルムアルデヒド・ガスなどの滅菌用ガス及び該
培地に対して不透過性の押し破り可能なシールで密封さ
れた容器本体と、滅菌用ガスに対して十分に抵抗性の微
生物が担持された微生物担体とを有するインジケーター
において、該微生物担体に対して滅菌用ガスが直接接触
できるような開放口を備えた押し下げ可能な容器キャッ
プであって、押し下げにより微生物担体が該シールを押
し破って栄養培地中に投入され、押し下げ後には該容器
本体と嵌合して該容器を密閉できるような形状を有する
容器キャップを備えたバイオロジカル・インジケーター
を提供することにより、上記の課題を解決することに成
功した。
【0010】すなわち本発明は、ガス滅菌用のバイオロ
ジカル・インジケーターであって、 (a) 栄養培地が充填されており、該栄養培地及び滅菌用
ガスに対して不透過性の押し破り可能なシールで密封さ
れた容器本体; (b) 気体が自由通過可能な開放口を備え、容器本体に装
着された押し下げ可能な容器キャップ;及び (c) 該シール及び該容器キャップ内壁によって形成され
る空間内に配置され、その表面に微生物が担持された微
生物担体;を備えており、滅菌用ガスが上記開放口を通
過して該微生物担体表面に到達できるとともに、該容器
キャップの押し下げにより該微生物担体が該シールを押
し破って該栄養培地中に投入され、該押し下げ後には該
容器キャップと該容器とが嵌合して該容器を密閉するこ
とを特徴とするインジケーターを提供するものである。
【0011】上記のインジケーターの好ましい態様で
は、該容器キャップは滅菌ガスが自由通過可能な開放口
を備えており、押し下げによりスライドして容器本体の
上部にはめ込まれ、その状態で容器本体に固定され得る
手段を有している。また、容器キャップ及び/又は容器
本体には、該微生物担体を該シールに接触ないし近接す
る位置で保持しうる手段が設けられている。この手段
は、輸送時や操作時の振動などに対してインジケーター
の安定性を向上させるために有用である。また、容器キ
ャップは容器キャップの押し下げにより微生物担体に対
して下向きの力を効率的に伝達できるような手段を備え
ている。このような手段は、容器キャップに設けられる
上記の保持手段と同一であってもよい。容器本体に設け
られる上記の保持手段は、容器キャップの押し下げによ
り該微生物担体に加えられる力により変形して、該微生
物担体を下方に通過させる手段を備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】容器本体は、栄養培地の色調や濁
度の変化を外部から観察でき、かつ、十分な強度を有す
るような部材で形成されている。容器本体は、例えば、
透明ガラスや透明プラスチック、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどの部材、好適には酸素バリア性及
び透明性ともに優れたユニチカ株式会社製の「Uポリマ
ー」(ポリアリレート樹脂)などの部材を用い、射出成
形など当業者に利用可能な工程により製造することがで
きる。容器本体の内部には、必要量の栄養培地を保持す
ることができ、微生物担体を投入可能な大きさと形状を
有するようにカップ部を設けておく。カップ部は、例え
ば、微生物担体の直径よりも大きな口径と底面直径を有
するような形状及び大きさに形成されていることが好適
である。
【0013】該カップ部に充填される栄養培地は、通
常、グルコースなどの糖類、ペプトン、食塩などの塩類
など、供試微生物の増殖に好適な栄養条件を満足するよ
うに調製される。栄養培地には、供試微生物の増殖によ
り糖類が利用された場合に培地が酸性化するようにグル
コース等の糖類を配合しておくことが好ましい。また、
このような培地の酸性化を呈色ないし変色により観察で
きるようにpH指示薬を配合しておくことが好適である。
pH指示薬の種類は特に限定されないが、例えば、ブロム
チモールブルーなどのpH指示薬が好適である。この指示
薬を用いると、滅菌操作後に微生物が死滅していない場
合には栄養培地中で該微生物が増殖して培地のpHを低下
させるので、培地の色が青色から黄色に変化する。もっ
とも、pH指示薬を用いない場合にも、栄養培地の濁度で
微生物の増殖を判定することが可能である。
【0014】栄養培地を充填したカップ部の上部を被覆
してカップ部を密封するシールは、栄養培地及び滅菌用
ガスに対して実質的に不透過性であり、さらに、容器キ
ャッップを介して微生物担体をシール表面に押さえつけ
ることによって、容易に押し破ることができる程度の強
度を有している。例えば、アルミホイル、アルミラミネ
ートシートなどが好適な部材である。アルミホイルを用
いる場合には、例えば、10〜20μm 程度の厚さのものを
用いるのが好適である。栄養培地は滅菌操作後の培養開
始時点まで完全な無菌状態に維持される必要があり、該
シールは、培養開始時点までは容器本体に設けられたカ
ップ部を密封する蓋として作用している。
【0015】微生物担体には、ホルムアルデヒドやエチ
レンオキサイドに対して抵抗性の微生物が担持されてい
る。この微生物は、ホルムアルデヒド・ガスやエチレン
オキサイド・ガスに接触するとその一部又は全部が死滅
するが、本発明のインジケーター中の微生物担体に担持
された微生物が完全に死滅している場合には、インジケ
ーター外部の環境においても担持された微生物の量に対
応した滅菌効果が達成されていることになる。担持すべ
き微生物は、病原性がなく、栄養培地中で通常の培養操
作により増殖可能なものであれば特に限定されないが、
ホルマリン・ガス滅菌を行う場合には、例えば、胞子形
態のバチルス・ズブチリス・ニガー (例えば、Bacillus
subtilis ver. niger ATCC 9372など) を用いるのが好
適である。通常は、バチルス・ズブチリス・ニガーを支
持体1個あたり103 〜107 個程度、好ましくは106 個程
度担持させればよい。もっとも、必要に応じて、例え
ば、103 個、105 個、又は107 個程度の微生物を担持さ
せた複数の種類のインジケーターを製造して適宜の組み
合わせで使用することにより、外部環境の滅菌効果を正
確に判定することが可能になる。
【0016】微生物担体は、例えば、ガラス、セラミッ
ク、アクリル樹脂などの栄養培地よりも比重の大きい部
材により製造することができる。微生物担体の形状は特
に限定されないが、一般的には、4 〜10 mm 程度、好ま
しくは 8 mm 程度の直径を有するように球形に成形する
ことが好ましい。また、担持された微生物が容易に脱落
しないように、微生物担体の表面を粗面化処理しておく
ことも好ましい。微生物担体は、通常は、必要量の微生
物が担持されるような濃度に調製した微生物懸濁液に担
体を浸漬させるか、あるいはスプレーなどの手段により
必要量の微生物懸濁液を担体表面に均一に塗布した後、
乾燥により微生物を固定して製造することができる。微
生物懸濁液には、微生物の担持を容易にするために、ゼ
ラチン、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、塩類など適宜のコーティング剤を
配合しておいてもよい。
【0017】容器キャップは容器本体の上部にスライド
可能な状態で装着され、かつ、上部から下方に向けて力
を加えた場合には、容器本体にはまり込み、容器本体の
上部と完全に嵌合して、カップ部に充填された栄養培地
が外に漏れ出ないように容器本体を密閉することができ
るような形状と大きさを有している必要がある。また、
容器キャップには、滅菌ガスなどの気体が自由に通過で
きる開放口を設けておく必要がある。開放口の大きさと
形状は特に限定されないが、開放口の面積が大きすぎる
と微生物担体の保持が不安定になる場合があり、開放口
の面積が小さすぎると滅菌ガスの通過が困難になる場合
がある。一般的には、開放口の大きさが微生物担体の大
きさよりも小さくなるように、容器キャップの側面積の
10〜50%程度の総面積となるように1個または2個以
上、好ましくは2〜6個程度の開放口を設けておくのが
よい。
【0018】本発明のインジケーターでは、滅菌ガスが
インジケーターの外部環境から開放口を通って微生物担
体の表面に直接到達できるという特徴を有している。滅
菌用ガスがフイルムなどを透過することがないので、イ
ンジケーター外部の滅菌ガス濃度と実質的に同一濃度の
滅菌ガスが微生物担体表面に到達でき、滅菌効果の正確
な判定が可能になる。また、培養時には容器キャップに
よって容器本体が密閉されるので、微生物を含む可能性
のある栄養培地が外部環境と完全に隔離され、微生物汚
染を惹起することがない。なお、容器キャップは、一般
的には容器本体との嵌合が完全かつ容易になるように、
可撓性のプラスチックなどの部材で製造することができ
る。
【0019】本発明のインジケーターでは、カップ部の
蓋として作用するシールと容器キャップとにより形成さ
れる内部空間に微生物担体が配置されている。輸送時や
操作時の振動によって培養開始前にシールが簡単に押し
破られないように、微生物担体をシールに接触ないし近
接した状態で保持することができ、かつ、容器キャップ
を介して微生物担体に下向きの力が加えられた場合に
は、容易に変形して微生物担体を下方に通過させること
ができるような担体保持手を容器本体の上部に設けてお
くことが好ましい。また、容器キャップの内側には、培
養開始前には微生物担体を保持することができ、かつ、
容器キャップ上部から下向きの力を加えた場合には、微
生物担体に対して効率的に下向きの力を伝達できるよう
な保持部を設けておくことも好ましい。
【0020】容器本体の上部に設けられる嵌合部と上記
の担体保持手とを、容器本体とは異なる部材、例えば、
可撓性のプラスチックなどを用いて容器本体とは別途に
製造しておき、それぞれの部品を容器本体の上部に接着
や嵌め込み等の適宜の手段で固定してもよい。また、嵌
合部と担体保持手とを組み合わせた一つの部品を製造し
て、容器本体に固定してもよい。容器本体を硬質プラス
チックやガラスなどの非可撓性の部材で製造する場合に
は、上記の手段を採用する必要がある。なお、本発明の
インジケーターの製造にあたっては、微生物担体4以外
の部材及び栄養培地は、例えば、γ−線照射、ガス滅
菌、高圧蒸気滅菌などの手段により滅菌しておく必要が
ある。
【0021】つぎに、図1ないし図3を参照しつつ、本
発明のインジケーターをより具体的に説明する。図1は
本発明のバイオロジカル・インジケーターの好ましい態
様を示す図であり、培養開始前の状態におけるインジケ
ーターの縦断面図である。図3aは図1に示した本発明
のバイオロジカル・インジケーターの側面図であり、3
bは同様に平面図を示す。透明プラスチック製の略円筒
形の容器本体1の内部には先細りの円筒形のカップ部1
aが設けられている。該カップ部1aの口径及び底面直
径は球状の微生物担体4の直径よりも大きくなってい
る。カップ部1aの内部にはペプトン及びグルコースと
指示薬であるブロムチモールブルーとを含む栄養培地2
が充填されている。カップ部1aの上部は15μm の厚さ
を有するアルミホイル製のシール3で密封されており、
栄養培地2は滅菌操作後の培養開始時点まで完全な無菌
状態で維持されている。
【0022】シール3の外側にはガラス製の球状の微生
物担体4がシール3の表面に近接するように配置されて
いる。微生物担体4は粗面化処理されており、その表面
には供試微生物として胞子形態のバチルス・ズブチリス
・ニガーを担体1個あたり103 〜107 個程度となるよう
に担持させてある。微生物担体は、輸送時や操作時の振
動などによってシール3が簡単に押し破られないよう
に、容器本体1の上部に設けられた4個の担体保持手1
bによって下側から保持されており、微生物担体4に下
向きの力が加えられた場合には、担体保持手1bは押し
開かれるように容易に変形して、微生物担体4を下方に
通過させカップ部1aの内部に投入できるようになって
いる。
【0023】可撓性プラスチック製の容器キャップ5は
容器本体1の上部にはめ込まれており、スライド可能な
状態で固定されている。その側面には、側面積の約30%
の総開放面積を有するように概ね半円形の4個の開放口
6が設けられており、滅菌ガスがインジケーター外部か
ら開放口6を通過して容器キャップ5の内部に自由に侵
入でき、微生物担体4の表面に直接到達できるようにな
っている。容器キャップ5の内側には、微生物担体4を
担体保持手1bに押さえつけることができ、かつ、容器
キャップ上面を押し下げた場合には、微生物担体4に対
して効率的に下向きの力を伝達できるような十字突起形
の担体保持具5aが設けられている。また、容器本体の
上側に設けられたリング形状の嵌合部1cと完全に嵌合
でき、容器本体1を密閉できるようなリング形状のキャ
ップ嵌合部5bが設けられている。
【0024】図2は、図1に示した本発明のインジケー
ターについて、培養開始後の状態での縦断面図を示して
いる。容器キャップ5は、押し下げられて容器本体1の
上部の容器ネック1dを覆い隠すように固定されてい
る。容器キャップ5を押し下げた力は担体保持具5aを
介して微生物担体4に対しても伝えられており、その結
果、微生物担体4は担体保持手1bを押し開くように変
形させながら下方に移動した後、シール3を押し破って
栄養培地2に投入されている。容器キャップの内側に設
けられたキャップ嵌合部5bと容器本体上部の嵌合部1
cとは完全に嵌合しており、栄養培地がインジケーター
外部に漏れださないように容器本体を密閉している。
【0025】本発明のインジケーターは、ホルムアルデ
ヒド・ガスやエチレンオキサイド・ガスを用いたガス滅
菌のインジケーターとして用いることができる。本発明
のインジケーターをガス滅菌の対象となる室内の隅や装
置内部におき、ガス滅菌を行った後、容器キャップ5を
押し下げて、微生物担体4を栄養培地中に投入するとと
もに、容器キャップ5と容器本体1とを嵌合させて密閉
させる。その後、図2の状態で、例えば、約35℃程度の
温度で10〜48時間程度、好ましくは約24時間インキュベ
ートを行う。滅菌操作により微生物が完全に死滅してい
ない場合には、微生物が栄養培地中で増殖して栄養培地
に含まれるグルコースなどの糖類が分解される結果、栄
養培地が酸性に変化してpH指示薬の色調が変化する。ま
た、栄養培地の濁度の上昇が認められる場合もある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1 図4aに示す本発明のインジケーターを以下のように製
造した。透明のU-ポリマー(ポリアリレート樹脂:ポリ
エステル、ユニチカ株式会社製)の略円筒形の容器本体
1(底面直径28 mm ×高さ45 mm, 内部カップ部:底面
直径 10 mm) を射出成形により製造し、通常の滅菌操作
により滅菌した。1リットルあたりペプトン10.0 g, グ
ルコース10.0 g, 塩化ナトリウム 5.0 g, ブロムチモー
ルブルー30 mgを含む栄養培地2 (pH 7.3) を調製し、
通常の加圧蒸気滅菌を行った後、約2.0 mlをカップ部に
充填した。4個の担体保持手1bとリング状の嵌合部1
cとを備え、容器本体に嵌め込み固定可能なポリプロピ
レン製のキャップ固定具7を別途製造し、カップ部1a
の開口部を滅菌したアルミラミネートシート (厚さ15μ
m ) で覆った後、キャップ固定具7を容器本体1に嵌め
込んで固定し、アルミラミネートシートをカップ部1a
の開口部に密着させてカップ部を完全に密封した。
【0027】ガラス球(直径 8 mm)の表面を常法により
粗面化し、胞子形態のバチルス・ズブチリス・ニガーを
含む微生物懸濁液中に浸漬した後に乾燥して、担体1個
あたり約103 又は107 個の菌体がそれぞれ担持された微
生物担体4を製造し、得られたそれぞれの微生物担体を
4個の担体保持手1bの上に静置した。ポリエチレンを
用いて成形した容器キャップ5をかぶせ、容器キャップ
内壁の凸部とキャップ固定具7の外壁の凹部とを噛み合
わせて容器キャップを容器本体に固定した。容器キャッ
プ5には、輸送中及び操作中などに誤って容器キャップ
を押し下げることができないように保護具5cを設け
た。保護具5には、使用時に簡単に剥ぎ取れるように縦
方向の細いスリットを形成した。完成したインジケータ
ーをアルミホイル製の袋に入れて密封し、ガス滅菌時ま
で室温で保存した。
【0028】約103 又は107 個の菌体を担持させた各イ
ンジケーターを袋から取り出して製剤用打錠器の内部に
静置した後、常法に従ってホルムアルデヒド・ガスを発
生させ、その後、残存したガスをアンモニア・ガスで中
和した。各インジケーターの保護具を剥ぎ取った後、容
器キャップ5の上面を指で軽く押して容器キャップを下
方にスライドさせた。微生物担体がシール3を押し破っ
て栄養培地中に投入されるのを確認した後、さらに容器
キャップ内壁の凸部とキャップ固定具7の外壁に設けら
れた段差とが噛み合うまで容器キャップを押し下げ、容
器キャップのキャップ嵌合部5bとキャップ固定具7に
設けられた嵌合部1cとが完全に嵌合した状態で容器キ
ャップ5を容器本体1に再度固定した。図4bは容器キ
ャップの押し下げが完了した状態のインジケーターを示
している。
【0029】この状態で、インジケーターを35℃で24時
間インキュベートしたところ、103個の菌体を担持させ
たインジケーターの栄養培地には変色が認められなかっ
たが、107 個の菌体を担持させたインジケーターでは、
栄養培地が青色から黄色に変色しており、滅菌操作後に
生存していた供試微生物が培地中で増殖したことが確認
された。従って、上記の滅菌操作は、環境中の通常の量
の微生物に対しては十分な滅菌効果を有しているもの
の、大量に存在する微生物に対しては十分な滅菌効果を
達成できないと結論された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容器キャップを押し下げる前の状態でのイン
ジケーターの縦断面図である。
【図2】 容器キャップを押し下げて容器キャップと容
器本体とを嵌合させた状態でのインジケーターの縦断面
図である。
【図3】 図1に示したインジケーターの外観を示す図
であり、3aは側面図、3bは平面図を示す。
【図4】 本発明のインジケーターの好ましい態様を示
す図であり、4aは容器キャップを押し下げる前の状態
でのインジケーターの縦断面図を示し、4bは容器キャ
ップを押し下げて容器キャップと容器本体とを嵌合させ
た状態でのインジケーターの縦断面図を示す。
【符号の説明】
1 容器本体 1a カップ部 1b 担体保持手 1c 嵌合部 1d 容器ネック 2 栄養培地 3 シール 3a 押し破り後のシール 4 微生物担体 5 容器キャップ 5a 担体保持具 5b キャップ嵌合部 5c 保護具 6 開放口 7 キャップ固定具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澁谷 睦 東京都中央区京橋2丁目17番11号 昭和薬 品化工株式会社内 (72)発明者 土山 幸夫 神奈川県川崎市川崎区鈴木町3−1 株式 会社メルシャンクリンテック内 (72)発明者 坂本 道子 神奈川県藤沢市城南4−9−1 株式会社 メルシャンクリンテック内 (72)発明者 林 正保 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス滅菌用のバイオロジカル・インジケ
    ーターであって、 (a) 栄養培地が充填されており、該栄養培地及び滅菌用
    ガスに対して不透過性の押し破り可能なシールで密封さ
    れた容器本体; (b) 気体が自由通過可能な開放口を備え、容器本体に装
    着された押し下げ可能な容器キャップ;及び (c) 該シール及び該容器キャップ内壁によって形成され
    る空間内に配置され、その表面に微生物が担持された微
    生物担体;を備えており、滅菌用ガスが上記開放口を通
    過して該微生物担体表面に到達できるとともに、該容器
    キャップの押し下げにより該微生物担体が該シールを押
    し破って該栄養培地中に投入され、該押し下げ後には該
    容器キャップと該容器とが嵌合して該容器を密閉するこ
    とを特徴とするバイオロジカルインジケーター。
  2. 【請求項2】 該微生物担体が微生物担体に下向きの力
    が加えられた場合に変形して微生物担体を下方に通過さ
    せる担体保持手で保持されていることを特徴とする請求
    項1に記載のバイオロジカルインジケーター。
  3. 【請求項3】 容器キャップと容器本体との位置関係を
    微生物担体が容器本体に投入されない位置に保つことの
    できる脱着自在な保護具が容器キャップに設けられてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオロジ
    カルインジケーター。
  4. 【請求項4】 開放口の総面積が容器キャップの側面積
    の10〜50% となるように1個または2個以上の開放口が
    設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載のバイオロジカルインジケーター。
  5. 【請求項5】 開放口の個数が2〜6個である請求項4
    に記載のバイオロジカルインジケーター。
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