JPH10203897A - 薄膜形成における前処理方法および薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成における前処理方法および薄膜形成装置Info
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- JPH10203897A JPH10203897A JP665797A JP665797A JPH10203897A JP H10203897 A JPH10203897 A JP H10203897A JP 665797 A JP665797 A JP 665797A JP 665797 A JP665797 A JP 665797A JP H10203897 A JPH10203897 A JP H10203897A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材と密着性を良くするための基材の前処理
方法および簡略、低コストの薄膜形成装置を得る。 【解決手段】 まず、基材3表面に水素イオンを照射す
る。水素イオンによる還元反応により、基材3表面の不
純物などに対してクリーニングが行われる。続いて、そ
の基材3に解離された炭素と炭素イオンおよび解離され
た水素と水素イオンを照射し、ダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)薄膜80を形成する。また、DLC薄膜
形成装置のガスイオン源に導入するガスをクリーニング
用またはDLC薄膜形成用に切り換える切換手段を設け
る。
方法および簡略、低コストの薄膜形成装置を得る。 【解決手段】 まず、基材3表面に水素イオンを照射す
る。水素イオンによる還元反応により、基材3表面の不
純物などに対してクリーニングが行われる。続いて、そ
の基材3に解離された炭素と炭素イオンおよび解離され
た水素と水素イオンを照射し、ダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)薄膜80を形成する。また、DLC薄膜
形成装置のガスイオン源に導入するガスをクリーニング
用またはDLC薄膜形成用に切り換える切換手段を設け
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばダイヤモ
ンドライクカーボン薄膜などの薄膜の形成における前処
理方法および薄膜形成装置に関するものであり、特に基
材のクリーニング処理方法およびそれを行うに適した薄
膜形成装置に関する。
ンドライクカーボン薄膜などの薄膜の形成における前処
理方法および薄膜形成装置に関するものであり、特に基
材のクリーニング処理方法およびそれを行うに適した薄
膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金型、工具、摺動部材、光・
磁気ディスク装置の記録媒体などの表面を保護するハー
ドコーティング膜として、ダイヤモンドライクカーボン
(DLC)薄膜の利用が図られている。図18は、例え
ば特開昭63−185893号公報に示された従来のマ
イクロ波プラズマを用いたDLC薄膜形成装置の断面図
である。図において、1は内部を真空に保つ真空槽、1
01は真空槽1内で基材3を保持する基材ホルダー、6
1は基材ホルダー101に設けられて基材3を加熱する
ヒーター、103、104は真空槽1内へ反応ガスを導
入するための反応ガス導入口、102は真空槽1内へマ
イクロ波を印加するための導波管、105は真空槽1内
に磁界を生じさせる電磁石である。
磁気ディスク装置の記録媒体などの表面を保護するハー
ドコーティング膜として、ダイヤモンドライクカーボン
(DLC)薄膜の利用が図られている。図18は、例え
ば特開昭63−185893号公報に示された従来のマ
イクロ波プラズマを用いたDLC薄膜形成装置の断面図
である。図において、1は内部を真空に保つ真空槽、1
01は真空槽1内で基材3を保持する基材ホルダー、6
1は基材ホルダー101に設けられて基材3を加熱する
ヒーター、103、104は真空槽1内へ反応ガスを導
入するための反応ガス導入口、102は真空槽1内へマ
イクロ波を印加するための導波管、105は真空槽1内
に磁界を生じさせる電磁石である。
【0003】次に動作について説明する。真空槽1内で
基材ホルダー101に基材3を保持させる。次いで、ヒ
ーター6により基材3を300〜900℃に加熱すると
ともに、真空槽1内の真空度を10-3〜10-5Torr
に保持する。続いて反応ガス導入口103および104
からCH4、C2H2などの反応ガスを真空槽1内に供給
し、電磁石105により真空槽1内に磁場を印加すると
ともに、導波管102から出力300〜600Wのマイ
クロ波を印加して真空槽1内にマイクロ波プラズマを発
生させ、励起炭素が基材3上に到達することにより、基
材3上にDLC薄膜を形成する。
基材ホルダー101に基材3を保持させる。次いで、ヒ
ーター6により基材3を300〜900℃に加熱すると
ともに、真空槽1内の真空度を10-3〜10-5Torr
に保持する。続いて反応ガス導入口103および104
からCH4、C2H2などの反応ガスを真空槽1内に供給
し、電磁石105により真空槽1内に磁場を印加すると
ともに、導波管102から出力300〜600Wのマイ
クロ波を印加して真空槽1内にマイクロ波プラズマを発
生させ、励起炭素が基材3上に到達することにより、基
材3上にDLC薄膜を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のプ
ラズマCVDを用いたダイヤモンドライクカーボン(D
LC)薄膜形成装置および形成方法では、基材への薄膜
の密着性が悪いという問題があった。本発明は、上記の
ような問題点を解決するためになされたもので、基材と
の密着性を良くするための基材の前処理方法および簡
略、低コストの薄膜形成装置を得ることを目的とする。
ラズマCVDを用いたダイヤモンドライクカーボン(D
LC)薄膜形成装置および形成方法では、基材への薄膜
の密着性が悪いという問題があった。本発明は、上記の
ような問題点を解決するためになされたもので、基材と
の密着性を良くするための基材の前処理方法および簡
略、低コストの薄膜形成装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る薄膜形成における前処理方法は、薄膜の成膜前に基材
表面への水素イオン照射によるクリーニング処理を行う
ものである。請求項2に係る前処理方法は、成膜前に不
活性ガスイオン照射によるクリーニング処理、および水
素イオン照射によるクリーニング処理を行うものであ
る。
る薄膜形成における前処理方法は、薄膜の成膜前に基材
表面への水素イオン照射によるクリーニング処理を行う
ものである。請求項2に係る前処理方法は、成膜前に不
活性ガスイオン照射によるクリーニング処理、および水
素イオン照射によるクリーニング処理を行うものであ
る。
【0006】請求項3に係る前処理方法は、成膜前に不
活性ガスイオンと水素イオンとの混合ガスイオン照射に
よるクリーニング処理を行うものである。請求項4に係
る前処理方法は、成膜前に不活性ガスイオン照射による
クリーニング処理、および不活性ガスイオンと水素ガス
との混合ガスイオン照射によるクリーニング処理を行う
ものである。
活性ガスイオンと水素イオンとの混合ガスイオン照射に
よるクリーニング処理を行うものである。請求項4に係
る前処理方法は、成膜前に不活性ガスイオン照射による
クリーニング処理、および不活性ガスイオンと水素ガス
との混合ガスイオン照射によるクリーニング処理を行う
ものである。
【0007】請求項5に係る前処理方法は、ダイヤモン
ドライク(DLC)薄膜の成膜前に上記のクリーニング
処理を行うものである。請求項6に係る前処理方法は、
シリコンなどの下地層の形成およびDLC薄膜の成膜の
前に上記のクリーニングを行うものである。請求項7に
係る前処理方法は、炭素を含んだ処理層の形成およびD
LC薄膜の成膜の前に上記のクリーニングを行うもので
ある。請求項8に係るダイヤモンドライクカーボン薄膜
形成装置は、ガスイオン源への導入ガスを、クリーニン
グ用あるいは成膜用に切り換えできる切換手段を備えた
ものである。
ドライク(DLC)薄膜の成膜前に上記のクリーニング
処理を行うものである。請求項6に係る前処理方法は、
シリコンなどの下地層の形成およびDLC薄膜の成膜の
前に上記のクリーニングを行うものである。請求項7に
係る前処理方法は、炭素を含んだ処理層の形成およびD
LC薄膜の成膜の前に上記のクリーニングを行うもので
ある。請求項8に係るダイヤモンドライクカーボン薄膜
形成装置は、ガスイオン源への導入ガスを、クリーニン
グ用あるいは成膜用に切り換えできる切換手段を備えた
ものである。
【0008】
実施の形態1.以下、この発明の一実施の形態を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜形成のプロ
セスを模式的に示す説明図であり、まず前処理として基
材に対して水素イオン照射によるクリーニング処理を行
った後、DLC薄膜の成膜を行う場合を示す。図におい
て、3は例えば超硬合金のような基材、80は基材3上
に形成されたDLC薄膜である。
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜形成のプロ
セスを模式的に示す説明図であり、まず前処理として基
材に対して水素イオン照射によるクリーニング処理を行
った後、DLC薄膜の成膜を行う場合を示す。図におい
て、3は例えば超硬合金のような基材、80は基材3上
に形成されたDLC薄膜である。
【0009】次にその詳細について説明する。図2はこ
の実施の形態において用いるのに適したDLC薄膜形成
装置の断面図である。図において、1は内部を真空に保
持する真空槽、2は真空槽1内の排気を行う排気系、4
は真空槽1内で基材3をその蒸着面(薄膜形成面)を下
向きにして保持する基材ホルダー、5は後述の加速電極
15に対して、基材ホルダー4を経由して基材3にバイ
アス電圧を印加するバイアス手段、6は基材ホルダー4
に設けられて基材3を加熱、冷却してその温度を調整す
る基材温度調整機構、7は真空槽1と基材ホルダー4の
間を電気的に絶縁する絶縁セラミック、100は基材3
を回転させる回転機構である。
の実施の形態において用いるのに適したDLC薄膜形成
装置の断面図である。図において、1は内部を真空に保
持する真空槽、2は真空槽1内の排気を行う排気系、4
は真空槽1内で基材3をその蒸着面(薄膜形成面)を下
向きにして保持する基材ホルダー、5は後述の加速電極
15に対して、基材ホルダー4を経由して基材3にバイ
アス電圧を印加するバイアス手段、6は基材ホルダー4
に設けられて基材3を加熱、冷却してその温度を調整す
る基材温度調整機構、7は真空槽1と基材ホルダー4の
間を電気的に絶縁する絶縁セラミック、100は基材3
を回転させる回転機構である。
【0010】10は真空槽1内で基材3に対向してその
下方に設けられたガスイオン源、11は内部に反応ガス
が導入される反応ガス導入室で、イオンなどを放出で
き、かつ流路抵抗を大きくして真空槽1との間に差圧が
与えられるように、基材3に向かってオリフィス(図示
せず)が設けられている。12は反応ガス導入室11内
に設けられて例えばタングステンワイヤで構成された熱
電子放出手段、13は平行配置された細い金属線で構成
され、反応ガス導入室11内に設けられた熱電子引出し
電極、14は反応ガス導入室11につながってその内部
に反応ガスを導入する反応ガス導入管、15は反応ガス
導入室11の外側に設けられて基材3に向けてイオンを
加速する加速電極であり、反応ガス導入室11、熱電子
放出手段12、熱電子引出し電極13、反応ガス導入管
14および加速電極15でガスイオン源10を構成して
いる。16は反応ガス導入管に接続された配管の途中に
設けられた切換手段としてのバルブである。なお、バイ
アス手段5の一端、真空槽1、加速電極15は接地して
いる。
下方に設けられたガスイオン源、11は内部に反応ガス
が導入される反応ガス導入室で、イオンなどを放出で
き、かつ流路抵抗を大きくして真空槽1との間に差圧が
与えられるように、基材3に向かってオリフィス(図示
せず)が設けられている。12は反応ガス導入室11内
に設けられて例えばタングステンワイヤで構成された熱
電子放出手段、13は平行配置された細い金属線で構成
され、反応ガス導入室11内に設けられた熱電子引出し
電極、14は反応ガス導入室11につながってその内部
に反応ガスを導入する反応ガス導入管、15は反応ガス
導入室11の外側に設けられて基材3に向けてイオンを
加速する加速電極であり、反応ガス導入室11、熱電子
放出手段12、熱電子引出し電極13、反応ガス導入管
14および加速電極15でガスイオン源10を構成して
いる。16は反応ガス導入管に接続された配管の途中に
設けられた切換手段としてのバルブである。なお、バイ
アス手段5の一端、真空槽1、加速電極15は接地して
いる。
【0011】次に動作について説明する。DLC薄膜の
形成に先立って前処理を行う。まず、基材ホルダー4に
基材3を取り付け、排気系2により真空槽1内を1×1
0-6Torr程度の真空度に排気した後、基材温度調整
機構6により基材3の温度を300℃程度に調整する。
そして基材3の表面のクリーニング処理のために、バル
ブ16の一方を開、他方を閉にし、水素ガスを反応ガス
導入管14から反応ガス導入室11へ導入して、反応ガ
ス導入室11内の真空度を1×10-2〜1×10-1To
rrにする。
形成に先立って前処理を行う。まず、基材ホルダー4に
基材3を取り付け、排気系2により真空槽1内を1×1
0-6Torr程度の真空度に排気した後、基材温度調整
機構6により基材3の温度を300℃程度に調整する。
そして基材3の表面のクリーニング処理のために、バル
ブ16の一方を開、他方を閉にし、水素ガスを反応ガス
導入管14から反応ガス導入室11へ導入して、反応ガ
ス導入室11内の真空度を1×10-2〜1×10-1To
rrにする。
【0012】そして、熱電子放出手段12を作動させ、
図示しない電源により熱電子放出手段12に対して熱電
子引出し電極13に+50〜800V程度のバイアス電
圧を印加する。また、ガスイオン源10からイオンを引
き出すために、加速電極15に対し、つまり接地電位に
対して熱電子放出手段12に+200〜500V程度の
電圧を図示しない電源により印加しておく。熱電子放出
手段12から放出された電子は熱電子引出し電極13に
向けて加速されて、水素ガスをイオン化する。この水素
イオンを基材3に向けて10〜30分間程度照射し、基
材3の表面の不純物を還元反応で除去する。このときバ
イアス手段5により基材3を接地電位に対して−200
〜−3000V程度でバイアスを調整して、基材3へ照
射する水素イオンの量およびエネルギーを制御する。水
素イオンのエネルギーを200〜3000eVとするこ
とにより、水素イオンによる表面酸化物の還元反応を効
率良く進行させることができ、クリーニング処理を効果
的に行うことができる。以上の処理により、基材3表面
の水分、油脂成分、表面酸化物などの不純物を除去する
ことができ、特に、表面の酸化物を還元反応により除去
できるため、基材3とDLC薄膜の密着性が向上する。
図示しない電源により熱電子放出手段12に対して熱電
子引出し電極13に+50〜800V程度のバイアス電
圧を印加する。また、ガスイオン源10からイオンを引
き出すために、加速電極15に対し、つまり接地電位に
対して熱電子放出手段12に+200〜500V程度の
電圧を図示しない電源により印加しておく。熱電子放出
手段12から放出された電子は熱電子引出し電極13に
向けて加速されて、水素ガスをイオン化する。この水素
イオンを基材3に向けて10〜30分間程度照射し、基
材3の表面の不純物を還元反応で除去する。このときバ
イアス手段5により基材3を接地電位に対して−200
〜−3000V程度でバイアスを調整して、基材3へ照
射する水素イオンの量およびエネルギーを制御する。水
素イオンのエネルギーを200〜3000eVとするこ
とにより、水素イオンによる表面酸化物の還元反応を効
率良く進行させることができ、クリーニング処理を効果
的に行うことができる。以上の処理により、基材3表面
の水分、油脂成分、表面酸化物などの不純物を除去する
ことができ、特に、表面の酸化物を還元反応により除去
できるため、基材3とDLC薄膜の密着性が向上する。
【0013】次に、開いていたバルブ16を閉じ、ガス
イオン源10へのイオンクリーニング用ガスの供給を停
止して、基材3表面のクリーニング処理を終了するとと
もに、基材温度調整機構6により基材3の温度を、後述
の理由から100℃〜250℃に調整する。ここでは2
00℃にした。そしてバイアス手段5により基材3の電
位を接地電位に対して、時間tの関数V(t)として与
える。図3に、基材3に与えるバイアス電圧波形の例を
示す。図3(a)〜(c)は直流や、半波整流あるいは
全波整流された負の電圧を印加する場合を示す。電圧値
は数kV以内とし、ここでは−1kVとした。また周波
数は(b)で数十Hz〜数十kHz程度とし、ここでは
60Hzおよび1kHzとした。このV(t)の電圧値
を制御することにより、イオンに与えるエネルギーを調
整することができる。これにより、薄膜の付着強度、お
よび硬度を制御することができる。
イオン源10へのイオンクリーニング用ガスの供給を停
止して、基材3表面のクリーニング処理を終了するとと
もに、基材温度調整機構6により基材3の温度を、後述
の理由から100℃〜250℃に調整する。ここでは2
00℃にした。そしてバイアス手段5により基材3の電
位を接地電位に対して、時間tの関数V(t)として与
える。図3に、基材3に与えるバイアス電圧波形の例を
示す。図3(a)〜(c)は直流や、半波整流あるいは
全波整流された負の電圧を印加する場合を示す。電圧値
は数kV以内とし、ここでは−1kVとした。また周波
数は(b)で数十Hz〜数十kHz程度とし、ここでは
60Hzおよび1kHzとした。このV(t)の電圧値
を制御することにより、イオンに与えるエネルギーを調
整することができる。これにより、薄膜の付着強度、お
よび硬度を制御することができる。
【0014】続いて、他方のバルブ16を開き、DLC
薄膜を構成する材料である炭素(C)を含む炭化水素系
のガスを、反応ガス導入管14から反応ガス導入室11
へ導入し、反応ガス導入室11内の真空度を1×10-2
〜1×10-1Torrにする。このとき導入する反応ガ
スとしては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど
のガスを用いる。そして熱電子放出手段12を作動さ
せ、熱電子放出手段12に対して熱電子引出し電極13
に+50〜800V程度のバイアス電圧を印加する。熱
電子放出手段12には接地電位に対して+200〜50
0V程度の電圧を印加する。熱電子放出手段12から放
出された電子は、熱電子引出し電極13に向けて加速さ
れ、放電もしくは電子の照射により上記炭化水素系のガ
スを励起、解離、およびイオン化し、解離された炭素と
炭素イオン、および解離された水素と水素イオンが基材
3に向けて照射され、基材3上にDLC薄膜80を形成
する。イオンは正電荷なので、加速電極15によりガス
イオン源10から加速して引き出されるとともに基材3
の負のバイアス電圧を制御することにより、イオンに与
えるエネルギーを調整できる。
薄膜を構成する材料である炭素(C)を含む炭化水素系
のガスを、反応ガス導入管14から反応ガス導入室11
へ導入し、反応ガス導入室11内の真空度を1×10-2
〜1×10-1Torrにする。このとき導入する反応ガ
スとしては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど
のガスを用いる。そして熱電子放出手段12を作動さ
せ、熱電子放出手段12に対して熱電子引出し電極13
に+50〜800V程度のバイアス電圧を印加する。熱
電子放出手段12には接地電位に対して+200〜50
0V程度の電圧を印加する。熱電子放出手段12から放
出された電子は、熱電子引出し電極13に向けて加速さ
れ、放電もしくは電子の照射により上記炭化水素系のガ
スを励起、解離、およびイオン化し、解離された炭素と
炭素イオン、および解離された水素と水素イオンが基材
3に向けて照射され、基材3上にDLC薄膜80を形成
する。イオンは正電荷なので、加速電極15によりガス
イオン源10から加速して引き出されるとともに基材3
の負のバイアス電圧を制御することにより、イオンに与
えるエネルギーを調整できる。
【0015】図4は基材の温度をパラメータとした場合
のDLC薄膜のラマン分析結果を示す。基材3の温度が
250℃ではDLCの典型的なスペクトルを示すのに対
して、基材3の温度を300℃あるいは400℃とした
場合にはグラファイトのスペクトルとなっている。この
ため基材3の温度は250℃以下にすべきであるが、一
方、別の理由から温度を低くしすぎるのは好ましくな
い。すなわち、100℃より低いと基材3に対するDL
C薄膜80の付着力が弱くなる。そのため、基材温度調
整機構6を用いて、成膜中の基材3の温度を100℃か
ら250℃に制御する。そうすることにより、DLC薄
膜80のグラファイト化を抑制することができ、高硬度
で、高品質のDLC薄膜80が形成できる。なお、上記
温度範囲が、図18で示した従来装置の温度範囲と異な
るのは、装置のタイプが相違するためである。
のDLC薄膜のラマン分析結果を示す。基材3の温度が
250℃ではDLCの典型的なスペクトルを示すのに対
して、基材3の温度を300℃あるいは400℃とした
場合にはグラファイトのスペクトルとなっている。この
ため基材3の温度は250℃以下にすべきであるが、一
方、別の理由から温度を低くしすぎるのは好ましくな
い。すなわち、100℃より低いと基材3に対するDL
C薄膜80の付着力が弱くなる。そのため、基材温度調
整機構6を用いて、成膜中の基材3の温度を100℃か
ら250℃に制御する。そうすることにより、DLC薄
膜80のグラファイト化を抑制することができ、高硬度
で、高品質のDLC薄膜80が形成できる。なお、上記
温度範囲が、図18で示した従来装置の温度範囲と異な
るのは、装置のタイプが相違するためである。
【0016】また、回転機構100で、成膜中に基材3
を回転させることにより、膜厚分布の均一化が図れると
ともに、基材3の端部などに対する付廻り性の向上、つ
まり面の向きや位置による膜厚不均一を低減できる。な
お、上記のようにガスイオン源10への供給ガスを、基
材3のイオンクリーニング用ガスからDLC薄膜3の成
膜用ガスに切り替えることにより、1台のガスイオン源
10によりイオンクリーニング処理およびDLC薄膜の
成膜の両方が実施でき、装置構成の簡略化、低コスト化
ができる。また、クリーニング処理後の基材3を大気に
さらさなくて済む。また、図2のDLC薄膜形成装置の
基材3とガスイオン源10との相対位置関係を逆にし
て、基材ホルダー4を真空槽1内下部に上向きに設ける
ことにより、基材3の重量が大きい場合の取扱いが容易
になる。
を回転させることにより、膜厚分布の均一化が図れると
ともに、基材3の端部などに対する付廻り性の向上、つ
まり面の向きや位置による膜厚不均一を低減できる。な
お、上記のようにガスイオン源10への供給ガスを、基
材3のイオンクリーニング用ガスからDLC薄膜3の成
膜用ガスに切り替えることにより、1台のガスイオン源
10によりイオンクリーニング処理およびDLC薄膜の
成膜の両方が実施でき、装置構成の簡略化、低コスト化
ができる。また、クリーニング処理後の基材3を大気に
さらさなくて済む。また、図2のDLC薄膜形成装置の
基材3とガスイオン源10との相対位置関係を逆にし
て、基材ホルダー4を真空槽1内下部に上向きに設ける
ことにより、基材3の重量が大きい場合の取扱いが容易
になる。
【0017】実施の形態2.この実施の形態では、前処
理として実施の形態1と同様の水素イオン照射によるク
リーニング処理を行った後、基材上に下地層を形成し、
その上にDLC薄膜を形成する場合について示す。図5
は実施の形態2におけるDLC薄膜形成のプロセスを示
す説明図であり、図6は図5に示したプロセスに用いる
DLC薄膜形成装置の断面図である。
理として実施の形態1と同様の水素イオン照射によるク
リーニング処理を行った後、基材上に下地層を形成し、
その上にDLC薄膜を形成する場合について示す。図5
は実施の形態2におけるDLC薄膜形成のプロセスを示
す説明図であり、図6は図5に示したプロセスに用いる
DLC薄膜形成装置の断面図である。
【0018】これらの図において、50は下地層、30
は真空槽1内で基材3に対向して設けられた、金属薄膜
もしくはセラミック薄膜を形成できる電子ビーム蒸発
源、イオンプレーティング装置、金属イオン源などの金
属蒸気発生源であり、ここでは金属イオン源を用いてい
る。31は金属の原料を入れるるつぼ、32はるつぼ3
1を加熱するヒータ、33は熱電子を放出する熱電子放
出手段、34は熱電子放出手段33から熱電子を引き出
す熱電子引出し手段、35はこれらを断熱する熱シール
ド、36は金属蒸気発生源30からイオンを引き出す加
速電極であり、金属蒸気発生源30は、るつぼ31、ヒ
ータ32、熱電子放出手段33、熱電子引出し手段3
4、熱シールド35および加速電極36で構成されてい
る。その他の部分は図2の場合と同様であるので説明を
省略する。
は真空槽1内で基材3に対向して設けられた、金属薄膜
もしくはセラミック薄膜を形成できる電子ビーム蒸発
源、イオンプレーティング装置、金属イオン源などの金
属蒸気発生源であり、ここでは金属イオン源を用いてい
る。31は金属の原料を入れるるつぼ、32はるつぼ3
1を加熱するヒータ、33は熱電子を放出する熱電子放
出手段、34は熱電子放出手段33から熱電子を引き出
す熱電子引出し手段、35はこれらを断熱する熱シール
ド、36は金属蒸気発生源30からイオンを引き出す加
速電極であり、金属蒸気発生源30は、るつぼ31、ヒ
ータ32、熱電子放出手段33、熱電子引出し手段3
4、熱シールド35および加速電極36で構成されてい
る。その他の部分は図2の場合と同様であるので説明を
省略する。
【0019】次に動作について説明する。実施の形態1
の場合と同様にして、排気系2により真空槽1内を1×
10-6Torr程度の真空度に排気した後、基材温度調
整機構6により基材3の温度を300℃程度に調整す
る。次いで、実施の形態1の場合と同様にして水素イオ
ン照射による基材3表面のクリーニング処理を行い、基
材3表面の水分、油脂成分、表面酸化物などを除去す
る。次に、開いていたバルブ16を閉じ、ガスイオン源
10へのイオンクリーニング用ガスの供給を停止して、
基材3表面のクリーニング処理を終了する。次いで、密
着性の良いシリコン(Si)、タングステン(W)、チ
タン(Ti)またはアルミニウム(Al)を用いて下地
層50を形成する。バイアス手段5により、接地電位に
対して基材3に−0.5〜−3kV程度の電圧を印加
し、また、ヒータ32によりるつぼ31内のSi、W、
TiまたはAlの金属を加熱して蒸気を発生させるとと
もに、熱電子放出手段33から放出された熱電子を熱電
子引出し手段34により、引出し、加速して金属イオン
を発生させ、これを基材3に照射してその表面に下地層
50としてのSi、W、TiまたはAlの金属薄膜の形
成を行う。
の場合と同様にして、排気系2により真空槽1内を1×
10-6Torr程度の真空度に排気した後、基材温度調
整機構6により基材3の温度を300℃程度に調整す
る。次いで、実施の形態1の場合と同様にして水素イオ
ン照射による基材3表面のクリーニング処理を行い、基
材3表面の水分、油脂成分、表面酸化物などを除去す
る。次に、開いていたバルブ16を閉じ、ガスイオン源
10へのイオンクリーニング用ガスの供給を停止して、
基材3表面のクリーニング処理を終了する。次いで、密
着性の良いシリコン(Si)、タングステン(W)、チ
タン(Ti)またはアルミニウム(Al)を用いて下地
層50を形成する。バイアス手段5により、接地電位に
対して基材3に−0.5〜−3kV程度の電圧を印加
し、また、ヒータ32によりるつぼ31内のSi、W、
TiまたはAlの金属を加熱して蒸気を発生させるとと
もに、熱電子放出手段33から放出された熱電子を熱電
子引出し手段34により、引出し、加速して金属イオン
を発生させ、これを基材3に照射してその表面に下地層
50としてのSi、W、TiまたはAlの金属薄膜の形
成を行う。
【0020】次に実施の形態1の場合と同様に、ガスイ
オン源10を作動させて、基材3表面の中間層上にDL
C薄膜を形成する。なお、下地層50の形成において、
ガスイオン源10で炭化水素系のガスを励起、解離およ
びイオン化して解離された炭素と炭素イオンを基材3に
向けて照射しながら、もしくは真空槽1内を炭化水素系
のガス雰囲気にして、金属蒸気発生源30を上記のよう
に稼動させることにより、基材3表面に下地層50とし
て密着性の良い炭化シリコン、炭化タングステン、炭化
チタンまたは炭化アルミニウムのセラミック薄膜を形成
するようにしてもよい。この場合、表面側ほどセラミッ
ク中の炭素組成を大きくすることにより、DLC薄膜8
0の成長および密着性が向上する。図7にプロセスを示
す。
オン源10を作動させて、基材3表面の中間層上にDL
C薄膜を形成する。なお、下地層50の形成において、
ガスイオン源10で炭化水素系のガスを励起、解離およ
びイオン化して解離された炭素と炭素イオンを基材3に
向けて照射しながら、もしくは真空槽1内を炭化水素系
のガス雰囲気にして、金属蒸気発生源30を上記のよう
に稼動させることにより、基材3表面に下地層50とし
て密着性の良い炭化シリコン、炭化タングステン、炭化
チタンまたは炭化アルミニウムのセラミック薄膜を形成
するようにしてもよい。この場合、表面側ほどセラミッ
ク中の炭素組成を大きくすることにより、DLC薄膜8
0の成長および密着性が向上する。図7にプロセスを示
す。
【0021】また図8のプロセスに示すように下地層5
0を、基材3と密着性の良い金属薄膜からなる密着層6
0と、DLC薄膜80との密着性の良い金属薄膜からな
るDLC前処理層70とにより構成してもよい。この場
合、図9に示すような第1と第2の金属蒸気発生源30
a、30bを設けたDLC薄膜形成装置を用いて、上記
と同様にして第1の金属蒸気発生源30aにより密着層
60を形成し、引き続いてその上に第2の金属蒸気発生
源30bによりDLC前処理層70を形成する。あるい
は下地層50を、金属薄膜からなる密着層60とセラミ
ック薄膜からなるDLC前処理層70とにより構成して
もよい。この場合のプロセスを図10に示す。以上のよ
うに、同一真空槽1内に金属蒸気発生源30とガスイオ
ン源10とを設けるとともに、ガスイオン源10への導
入ガスを切り換える切換手段を設けたので、基材3表面
のクリーニング処理と下地層形成とDLC薄膜成膜とを
大気開放することなしに連続して行うことができる。
0を、基材3と密着性の良い金属薄膜からなる密着層6
0と、DLC薄膜80との密着性の良い金属薄膜からな
るDLC前処理層70とにより構成してもよい。この場
合、図9に示すような第1と第2の金属蒸気発生源30
a、30bを設けたDLC薄膜形成装置を用いて、上記
と同様にして第1の金属蒸気発生源30aにより密着層
60を形成し、引き続いてその上に第2の金属蒸気発生
源30bによりDLC前処理層70を形成する。あるい
は下地層50を、金属薄膜からなる密着層60とセラミ
ック薄膜からなるDLC前処理層70とにより構成して
もよい。この場合のプロセスを図10に示す。以上のよ
うに、同一真空槽1内に金属蒸気発生源30とガスイオ
ン源10とを設けるとともに、ガスイオン源10への導
入ガスを切り換える切換手段を設けたので、基材3表面
のクリーニング処理と下地層形成とDLC薄膜成膜とを
大気開放することなしに連続して行うことができる。
【0022】実施の形態3.この実施の形態では、前処
理として実施の形態1と同様の水素イオン照射によるク
リーニング処理を行った後、基材表面に炭素を含んだ処
理層を形成し、その上にDLC薄膜を形成する場合につ
いて示す。図11は実施の形態2におけるDLC薄膜形
成のプロセスを示し、処理層としてイオン注入層を形成
する場合である。次に動作について説明する。図2のよ
うなDLC薄膜形成装置を用いて、排気系2により、真
空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度に排気した
後、基材温度調整機構6により、基材3の温度を300
℃程度に調整し、実施の形態1と同様にして、水素イオ
ンを基材3に照射してクリーニングを行う。
理として実施の形態1と同様の水素イオン照射によるク
リーニング処理を行った後、基材表面に炭素を含んだ処
理層を形成し、その上にDLC薄膜を形成する場合につ
いて示す。図11は実施の形態2におけるDLC薄膜形
成のプロセスを示し、処理層としてイオン注入層を形成
する場合である。次に動作について説明する。図2のよ
うなDLC薄膜形成装置を用いて、排気系2により、真
空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度に排気した
後、基材温度調整機構6により、基材3の温度を300
℃程度に調整し、実施の形態1と同様にして、水素イオ
ンを基材3に照射してクリーニングを行う。
【0023】次に、炭素イオンによるイオン注入を実施
する。まず、基材3の温度を300℃程度にして、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭素(C)元素を含む
炭化水素系のガスを反応ガス導入管14より反応ガス導
入室11に導入し、反応ガス導入室11の真空度を1×
10-2〜1×10-1Torrとする。そして、熱電子放
出手段12を動作させ、図示しない電源により熱電子放
出手段12に対して熱電子引出し電極13に50〜80
0V程度のバイアス電圧を印加する。また、ガスイオン
源10からイオンを引き出すために、加速電極15に対
して、つまり接地電位に対して熱電子放出手段12に+
200〜500V程度の電圧を図示しない電源により印
加しておく。熱電子放出手段12から放出された電子は
熱電子引出し電極13に向けて加速され、炭素元素を含
む炭化水素系のガスを励起、解離、およびイオン化す
る。このイオン化された炭素イオンを基材3に向けて照
射する。この際、バイアス手段5により基材3を接地電
位に対して負の方向に−10〜−30kV程度バイアス
することにより、イオン注入が実施され、処理層51と
してのイオン注入層が形成される。この処理に引き続き
実施の形態1に示すようなDLC薄膜の形成を実施す
る。以上より、DLC薄膜80の成膜前に炭素イオンの
エネルギーを10〜30keVとして、イオン注入層を
形成することにより、基材3材料と炭素原子が混合した
領域が形成されるため、基材3とDLC薄膜80の密着
性を向上させることができる。
する。まず、基材3の温度を300℃程度にして、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭素(C)元素を含む
炭化水素系のガスを反応ガス導入管14より反応ガス導
入室11に導入し、反応ガス導入室11の真空度を1×
10-2〜1×10-1Torrとする。そして、熱電子放
出手段12を動作させ、図示しない電源により熱電子放
出手段12に対して熱電子引出し電極13に50〜80
0V程度のバイアス電圧を印加する。また、ガスイオン
源10からイオンを引き出すために、加速電極15に対
して、つまり接地電位に対して熱電子放出手段12に+
200〜500V程度の電圧を図示しない電源により印
加しておく。熱電子放出手段12から放出された電子は
熱電子引出し電極13に向けて加速され、炭素元素を含
む炭化水素系のガスを励起、解離、およびイオン化す
る。このイオン化された炭素イオンを基材3に向けて照
射する。この際、バイアス手段5により基材3を接地電
位に対して負の方向に−10〜−30kV程度バイアス
することにより、イオン注入が実施され、処理層51と
してのイオン注入層が形成される。この処理に引き続き
実施の形態1に示すようなDLC薄膜の形成を実施す
る。以上より、DLC薄膜80の成膜前に炭素イオンの
エネルギーを10〜30keVとして、イオン注入層を
形成することにより、基材3材料と炭素原子が混合した
領域が形成されるため、基材3とDLC薄膜80の密着
性を向上させることができる。
【0024】また、イオンの注入エネルギーと注入量の
深さ方向の分布の関係は、図12に示すような関係があ
り、注入エネルギーに応じて注入量の注入深さ方向の分
布は、ある注入深さをピーク点としてその両側へ徐々に
減っていく形になっている。注入エネルギーが増大する
とピーク点は注入深さの深い方へと移動する。したがっ
て、例えばイオンの注入エネルギーを時間に対して図1
3に示すような分布を持たせる、すなわちエネルギーの
低い注入を長時間、エネルギーの高い注入を短時間行う
ことにより図14に示すように、深さ方向への炭素原子
の分布として、基材3表面に近くなる程、密度が高くな
り、基材3の表面近傍で炭素注入量が最大となるような
分布にすることができる。このように、DLC薄膜80
形成前のイオン注入の過程において、炭素イオンにエネ
ルギー分布をもたせることにより、注入層の基材3表面
からの深さ方向への炭素原子の分布を制御することがで
き、基材3とDLC薄膜80の密着性を向上させること
ができる。また、基材3へのイオン注入の過程におい
て、炭素イオンとともに水素イオンを用いることによ
り、水素イオンがイオン注入層のグラファイト成分の選
択エッチングをするため、DLC薄膜80のグラファイ
ト化を抑制することができ、基材3とDLC薄膜80の
密着強度を向上させることができる。このようにイオン
注入過程の前に水素ガスによるイオンクリーニング処理
を実施することにより、基材3表面の不純物層が除去さ
れるため、基材3とDLC薄膜80の密着強度を向上さ
せることができる。
深さ方向の分布の関係は、図12に示すような関係があ
り、注入エネルギーに応じて注入量の注入深さ方向の分
布は、ある注入深さをピーク点としてその両側へ徐々に
減っていく形になっている。注入エネルギーが増大する
とピーク点は注入深さの深い方へと移動する。したがっ
て、例えばイオンの注入エネルギーを時間に対して図1
3に示すような分布を持たせる、すなわちエネルギーの
低い注入を長時間、エネルギーの高い注入を短時間行う
ことにより図14に示すように、深さ方向への炭素原子
の分布として、基材3表面に近くなる程、密度が高くな
り、基材3の表面近傍で炭素注入量が最大となるような
分布にすることができる。このように、DLC薄膜80
形成前のイオン注入の過程において、炭素イオンにエネ
ルギー分布をもたせることにより、注入層の基材3表面
からの深さ方向への炭素原子の分布を制御することがで
き、基材3とDLC薄膜80の密着性を向上させること
ができる。また、基材3へのイオン注入の過程におい
て、炭素イオンとともに水素イオンを用いることによ
り、水素イオンがイオン注入層のグラファイト成分の選
択エッチングをするため、DLC薄膜80のグラファイ
ト化を抑制することができ、基材3とDLC薄膜80の
密着強度を向上させることができる。このようにイオン
注入過程の前に水素ガスによるイオンクリーニング処理
を実施することにより、基材3表面の不純物層が除去さ
れるため、基材3とDLC薄膜80の密着強度を向上さ
せることができる。
【0025】また以下に示すように、処理層51として
基材3表面に炭素を含んだ炭化層を形成する場合にも、
水素イオンによるクリーニングが適用できる。次に動作
について説明する。図2のDLC薄膜形成装置を用い
て、排気系2により、真空槽1内を1×10-6Torr
程度の真空度に排気した後、基材温度調整機構6によ
り、基材3の温度を300℃程度に調整し、実施の形態
1と同様にして、水素イオンを基材3に照射してクリー
ニングを行う。
基材3表面に炭素を含んだ炭化層を形成する場合にも、
水素イオンによるクリーニングが適用できる。次に動作
について説明する。図2のDLC薄膜形成装置を用い
て、排気系2により、真空槽1内を1×10-6Torr
程度の真空度に排気した後、基材温度調整機構6によ
り、基材3の温度を300℃程度に調整し、実施の形態
1と同様にして、水素イオンを基材3に照射してクリー
ニングを行う。
【0026】次に、炭素イオンによる炭化を実施する。
まず、基材3の温度を300℃程度にして、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭素元素を含む炭化水素系の
ガスを反応ガス導入管14より反応ガス導入室11に導
入し、反応ガス導入室11の真空度を1×10-2〜1×
10-1Torrとする。そして、熱電子放出手段12を
動作させ、図示しない電源により熱電子放出手段12に
対して熱電子引出し電極13に50〜800V程度のバ
イアス電圧を印加する。また、ガスイオン源10からイ
オンを引き出すために、加速電極15に対して、つまり
接地電位に対して熱電子放出手段12に+200〜50
0V程度の電圧を図示しない電源により印加しておく。
熱電子放出手段12から放出された電子は熱電子引出し
電極13に向けて加速され、炭素元素を含む炭化水素系
のガスを励起、解離、およびイオン化する。このイオン
化された炭素イオンを基材3に向けて照射する。この
際、バイアス手段5により基材3を接地電位に対して負
の方向に−50〜−1000V程度バイアスし、100
〜2000mA程度のイオン電流を基材3表面に照射す
ることにより、基材3表面への炭素の拡散が行われ、炭
素イオンによる炭化層が形成される。この処理に引き続
き、実施の形態1に示すようなDLC薄膜80の形成を
実施する。
まず、基材3の温度を300℃程度にして、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭素元素を含む炭化水素系の
ガスを反応ガス導入管14より反応ガス導入室11に導
入し、反応ガス導入室11の真空度を1×10-2〜1×
10-1Torrとする。そして、熱電子放出手段12を
動作させ、図示しない電源により熱電子放出手段12に
対して熱電子引出し電極13に50〜800V程度のバ
イアス電圧を印加する。また、ガスイオン源10からイ
オンを引き出すために、加速電極15に対して、つまり
接地電位に対して熱電子放出手段12に+200〜50
0V程度の電圧を図示しない電源により印加しておく。
熱電子放出手段12から放出された電子は熱電子引出し
電極13に向けて加速され、炭素元素を含む炭化水素系
のガスを励起、解離、およびイオン化する。このイオン
化された炭素イオンを基材3に向けて照射する。この
際、バイアス手段5により基材3を接地電位に対して負
の方向に−50〜−1000V程度バイアスし、100
〜2000mA程度のイオン電流を基材3表面に照射す
ることにより、基材3表面への炭素の拡散が行われ、炭
素イオンによる炭化層が形成される。この処理に引き続
き、実施の形態1に示すようなDLC薄膜80の形成を
実施する。
【0027】以上より、水素イオンによるクリーニング
でDLC薄膜80の密着性が向上するとともに、DLC
薄膜80の成膜前に、ガスイオン源10より照射される
炭素イオンを50eV〜1000eV程度のイオンの加
速エネルギーならびに100〜2000mA程度の電流
で基材3表面に照射して、炭化を行うことにより、基材
3表面に炭化層が形成され、基材3表面の硬度が高くな
るとともに、基材3の表面層に炭素成分が存在すること
によりDLC薄膜80が成長し易くなるため、基材3と
DLC薄膜80の密着強度を向上させることができる。
でDLC薄膜80の密着性が向上するとともに、DLC
薄膜80の成膜前に、ガスイオン源10より照射される
炭素イオンを50eV〜1000eV程度のイオンの加
速エネルギーならびに100〜2000mA程度の電流
で基材3表面に照射して、炭化を行うことにより、基材
3表面に炭化層が形成され、基材3表面の硬度が高くな
るとともに、基材3の表面層に炭素成分が存在すること
によりDLC薄膜80が成長し易くなるため、基材3と
DLC薄膜80の密着強度を向上させることができる。
【0028】実施の形態4.この実施の形態では、まず
第1のクリーニング処理として不活性ガスイオンによる
クリーニングを行い、続いて第2のクリーニング処理と
して水素イオンによるクリーニングを行う。図15にそ
のプロセスを示す。動作について説明する。実施の形態
1の場合と同様にして、図2のDLC薄膜形成装置を用
いて、真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度に
排気した後、基材温度調整機構6により、基材3の温度
を300℃程度に調整する。次に、不活性ガスイオンに
よるスパッタクリーニング処理を実施する。まず、アル
ゴンなどの不活性ガスを反応ガス導入管14より反応ガ
ス導入室11に導入し、反応ガス導入室11の真空度を
1×10-2〜1×10-1Torrとする。そして、熱電
子放出手段12を動作させ、図示しない電源により熱電
子放出手段12に対して熱電子引出し電極13に50〜
800V程度のバイアス電圧を印加する。また、ガスイ
オン源10からイオンを引き出すために、加速電極15
に対して、つまり接地電位に対して熱電子放出手段12
に+200〜500V程度の電圧を図示しない電源によ
り印加しておく。熱電子放出手段12から放出された電
子は熱電子引出し電極13に向けて加速され、不活性ガ
スをイオン化する。この不活性ガスイオンを基材3に向
けて照射する。この際、バイアス手段5により基材3を
接地電位に対して負の方向に−10〜−30kV程度バ
イアスすることにより、不活性ガスイオンによる基材3
のスパッタリングを行うことができ、基材3表面の不純
物をスパッタクリーニングすることができる。
第1のクリーニング処理として不活性ガスイオンによる
クリーニングを行い、続いて第2のクリーニング処理と
して水素イオンによるクリーニングを行う。図15にそ
のプロセスを示す。動作について説明する。実施の形態
1の場合と同様にして、図2のDLC薄膜形成装置を用
いて、真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度に
排気した後、基材温度調整機構6により、基材3の温度
を300℃程度に調整する。次に、不活性ガスイオンに
よるスパッタクリーニング処理を実施する。まず、アル
ゴンなどの不活性ガスを反応ガス導入管14より反応ガ
ス導入室11に導入し、反応ガス導入室11の真空度を
1×10-2〜1×10-1Torrとする。そして、熱電
子放出手段12を動作させ、図示しない電源により熱電
子放出手段12に対して熱電子引出し電極13に50〜
800V程度のバイアス電圧を印加する。また、ガスイ
オン源10からイオンを引き出すために、加速電極15
に対して、つまり接地電位に対して熱電子放出手段12
に+200〜500V程度の電圧を図示しない電源によ
り印加しておく。熱電子放出手段12から放出された電
子は熱電子引出し電極13に向けて加速され、不活性ガ
スをイオン化する。この不活性ガスイオンを基材3に向
けて照射する。この際、バイアス手段5により基材3を
接地電位に対して負の方向に−10〜−30kV程度バ
イアスすることにより、不活性ガスイオンによる基材3
のスパッタリングを行うことができ、基材3表面の不純
物をスパッタクリーニングすることができる。
【0029】続いて、実施の形態1の場合と同様にし
て、水素イオンによるクリーニング処理、およびDLC
薄膜80の形成を行う。以上より、不活性ガスイオンの
スパッタクリーニングにより基材3表面の水分、油脂成
分、表面酸化物などの不純物を除去した後、さらに水素
イオンの還元反応を利用したクリーニングを行うので、
基材3とDLC薄膜80の密着性を向上させることがで
きる。
て、水素イオンによるクリーニング処理、およびDLC
薄膜80の形成を行う。以上より、不活性ガスイオンの
スパッタクリーニングにより基材3表面の水分、油脂成
分、表面酸化物などの不純物を除去した後、さらに水素
イオンの還元反応を利用したクリーニングを行うので、
基材3とDLC薄膜80の密着性を向上させることがで
きる。
【0030】実施の形態5.この実施の形態では、水素
イオンとアルゴンなど不活性ガスイオンとの混合ガスイ
オンによる基材のクリーニングを行う。図16にそのプ
ロセスを示す。まず、図2のDLC薄膜形成装置、ある
いはガスイオン源を2つ設けた装置を用いて、排気系2
により、真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度
に排気した後、基材温度調整機構6により、基材3の温
度を300℃程度に調整する。次いで、両方のバルブ1
6を開き水素ガスおよび不活性ガスを反応ガス導入管1
4より反応ガス導入室11に導入し、反応ガス導入室1
1の真空度を1×10-2〜1×10-1Torrとする。
ここでは、水素50%、アルゴン50%とした。そし
て、熱電子放出手段12を動作させ、図示しない電源に
より熱電子放出手段12に対して熱電子引出し電極13
に50〜800V程度のバイアス電圧を印加する。ま
た、ガスイオン源10からイオンを引き出すために、加
速電極15に対して、つまり接地電位に対して熱電子放
出手段12に+200〜500V程度の電圧を図示しな
い電源により印加しておく。熱電子放出手段12から放
出された電子は熱電子引出し電極13に向けて加速さ
れ、水素ガスおよび不活性ガスをイオン化する。この混
合ガスイオンを基材に向けて照射する。この際、バイア
ス手段5により基材3を接地電位に対して負の方向に−
200〜−3000V程度バイアスすることにより、イ
オン量、エネルギーを制御できるので、効果的に処理が
でき、クリーニングの効果が向上する。
イオンとアルゴンなど不活性ガスイオンとの混合ガスイ
オンによる基材のクリーニングを行う。図16にそのプ
ロセスを示す。まず、図2のDLC薄膜形成装置、ある
いはガスイオン源を2つ設けた装置を用いて、排気系2
により、真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度
に排気した後、基材温度調整機構6により、基材3の温
度を300℃程度に調整する。次いで、両方のバルブ1
6を開き水素ガスおよび不活性ガスを反応ガス導入管1
4より反応ガス導入室11に導入し、反応ガス導入室1
1の真空度を1×10-2〜1×10-1Torrとする。
ここでは、水素50%、アルゴン50%とした。そし
て、熱電子放出手段12を動作させ、図示しない電源に
より熱電子放出手段12に対して熱電子引出し電極13
に50〜800V程度のバイアス電圧を印加する。ま
た、ガスイオン源10からイオンを引き出すために、加
速電極15に対して、つまり接地電位に対して熱電子放
出手段12に+200〜500V程度の電圧を図示しな
い電源により印加しておく。熱電子放出手段12から放
出された電子は熱電子引出し電極13に向けて加速さ
れ、水素ガスおよび不活性ガスをイオン化する。この混
合ガスイオンを基材に向けて照射する。この際、バイア
ス手段5により基材3を接地電位に対して負の方向に−
200〜−3000V程度バイアスすることにより、イ
オン量、エネルギーを制御できるので、効果的に処理が
でき、クリーニングの効果が向上する。
【0031】続いて、実施の形態1と同様にしてDLC
薄膜80を形成する。以上のように、イオンクリーニン
グ用ガスとして、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセ
ノンなどの不活性ガスの混合ガスを用い、クリーニング
処理を実施することにより、水素イオンによる表面の酸
化物の還元反応による除去と同時に、不活性ガスイオン
のスパッタリングによる基材表面の不純物層を研削除去
ができるため、基材3とDLC薄膜80の密着性を向上
させることができる。
薄膜80を形成する。以上のように、イオンクリーニン
グ用ガスとして、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセ
ノンなどの不活性ガスの混合ガスを用い、クリーニング
処理を実施することにより、水素イオンによる表面の酸
化物の還元反応による除去と同時に、不活性ガスイオン
のスパッタリングによる基材表面の不純物層を研削除去
ができるため、基材3とDLC薄膜80の密着性を向上
させることができる。
【0032】実施の形態6.この実施の形態では、まず
第1のクリーニング処理としてアルゴンなど不活性ガス
イオンによるクリーニングを行い、続いて第2のクリー
ニング処理として水素イオンと不活性ガスイオンとの混
合ガスイオンによるクリーニングを行う。図17にその
プロセスを示す。動作について説明をする。まず、実施
の形態4と同様にして、不活性ガスイオンによるクリー
ニングを実施する。続いて、実施の形態5と同様にし
て、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスイオンによるク
リーニングを行う。その後、実施の形態1と同様にし
て、DLC薄膜80を形成する。
第1のクリーニング処理としてアルゴンなど不活性ガス
イオンによるクリーニングを行い、続いて第2のクリー
ニング処理として水素イオンと不活性ガスイオンとの混
合ガスイオンによるクリーニングを行う。図17にその
プロセスを示す。動作について説明をする。まず、実施
の形態4と同様にして、不活性ガスイオンによるクリー
ニングを実施する。続いて、実施の形態5と同様にし
て、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスイオンによるク
リーニングを行う。その後、実施の形態1と同様にし
て、DLC薄膜80を形成する。
【0033】以上により、不活性ガスイオンによるスパ
ッタクリーニングを行い、さらに引き続いて、水素イオ
ンの還元反応を利用したクリーニングと不活性ガスイオ
ンによるスパッタクリーニングを同時に行うので、基材
3とDLC薄膜80の密着性が向上する。
ッタクリーニングを行い、さらに引き続いて、水素イオ
ンの還元反応を利用したクリーニングと不活性ガスイオ
ンによるスパッタクリーニングを同時に行うので、基材
3とDLC薄膜80の密着性が向上する。
【0034】なお、実施の形態4から実施の形態6で
は、基材3上に下地層50や処理層51を設けない場合
を示したが、実施の形態2あるいは3に示したようにし
て、下地層50あるいは処理層51を形成する場合に
も、同様に適用できる。また、以上の実施の形態では、
DLC薄膜80を形成する場合を示したが、炭化チタン
(TiC)、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(Cr
N)、酸化アルミニウム(Al2C3)などの薄膜を形成
する場合にも、この発明が適用できる。
は、基材3上に下地層50や処理層51を設けない場合
を示したが、実施の形態2あるいは3に示したようにし
て、下地層50あるいは処理層51を形成する場合に
も、同様に適用できる。また、以上の実施の形態では、
DLC薄膜80を形成する場合を示したが、炭化チタン
(TiC)、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(Cr
N)、酸化アルミニウム(Al2C3)などの薄膜を形成
する場合にも、この発明が適用できる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、基材上の薄膜の形成前に、水素イオン照射により
クリーニングを行うので、水素イオンによる還元反応で
基材表面が効果的にクリーニング処理され、基材と薄膜
との密着性が向上する。また、請求項2から請求項4の
発明によれば、不活性ガスイオンと水素イオンの両方の
ガスイオンによるクリーニングを行うので、スパッタク
リーニングと還元反応によるクリーニングが行われ、基
材と薄膜との密着性が向上する。
れば、基材上の薄膜の形成前に、水素イオン照射により
クリーニングを行うので、水素イオンによる還元反応で
基材表面が効果的にクリーニング処理され、基材と薄膜
との密着性が向上する。また、請求項2から請求項4の
発明によれば、不活性ガスイオンと水素イオンの両方の
ガスイオンによるクリーニングを行うので、スパッタク
リーニングと還元反応によるクリーニングが行われ、基
材と薄膜との密着性が向上する。
【0036】請求項5の発明によれば、DLC薄膜の形
成に適用し、その密着性が向上する効果がある。請求項
6、請求項7の発明によれば、基材に下地層あるいは処
理層を形成する場合も、上記と同様に基材とDLC薄膜
の密着性が向上する。
成に適用し、その密着性が向上する効果がある。請求項
6、請求項7の発明によれば、基材に下地層あるいは処
理層を形成する場合も、上記と同様に基材とDLC薄膜
の密着性が向上する。
【0037】請求項8の発明によれば、導入ガスをクリ
ーニング処理用とDLC薄膜形成用のガスに切り換える
切換手段を備えたので、1台のガスイオン源によりクリ
ーニング処理とDLC薄膜形成の両方が実施でき、装置
の簡略化、低コスト化ができる。
ーニング処理用とDLC薄膜形成用のガスに切り換える
切換手段を備えたので、1台のガスイオン源によりクリ
ーニング処理とDLC薄膜形成の両方が実施でき、装置
の簡略化、低コスト化ができる。
【図1】 この発明の実施の形態1における薄膜形成プ
ロセスを示す説明図である。
ロセスを示す説明図である。
【図2】 この実施の形態1において用いるDLC薄膜
形成装置の断面図である。
形成装置の断面図である。
【図3】 この実施の形態1においてバイアス手段によ
り印加する電圧の波形図である。
り印加する電圧の波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態1のDLC薄膜形成装
置で形成された薄膜の成膜温度依存性を示すラマンスペ
クトル図である。
置で形成された薄膜の成膜温度依存性を示すラマンスペ
クトル図である。
【図5】 この発明の実施の形態2における薄膜形成プ
ロセスを示す説明図である。
ロセスを示す説明図である。
【図6】 この実施の形態2において用いるDLC薄膜
形成装置の断面図である。
形成装置の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における薄膜形成プ
ロセスを示す説明図である。
ロセスを示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における薄膜形成プ
ロセスを示す説明図である。
ロセスを示す説明図である。
【図9】 この実施の形態2において用いるDLC薄膜
形成装置の断面図である。
形成装置の断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態2における薄膜形成
プロセスを示す説明図である。
プロセスを示す説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における薄膜形成
プロセスを示す説明図である。
プロセスを示す説明図である。
【図12】 イオンの注入エネルギーと注入量の深さ方
向の分布の関係を示す図である。
向の分布の関係を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態3におけるイオンの
注入エネルギーの時間に対する分布を示す図である。
注入エネルギーの時間に対する分布を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態3における基材の深
さ方向への炭素原子の分布を示す図である。
さ方向への炭素原子の分布を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態4における薄膜形成
プロセスを示す説明図である。
プロセスを示す説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態5における薄膜形成
プロセスを示す説明図である。
プロセスを示す説明図である。
【図17】 この発明の実施の形態6における薄膜形成
プロセスを示す説明図である。
プロセスを示す説明図である。
【図18】 従来の薄膜形成装置を示す断面図である。
1 真空槽、3 基材、4 基材ホルダー、5 バイア
ス手段、6 温度調整機構、10 ガスイオン源、11
反応ガス導入室、12 熱電子放出手段、13 熱電
子引出し電極、15 加速電極、16 切換手段、50
下地層、51 処理層、80 DLC薄膜。
ス手段、6 温度調整機構、10 ガスイオン源、11
反応ガス導入室、12 熱電子放出手段、13 熱電
子引出し電極、15 加速電極、16 切換手段、50
下地層、51 処理層、80 DLC薄膜。
Claims (8)
- 【請求項1】 基材上への薄膜形成における前処理方法
において、上記基材上への薄膜の成膜前に、上記基材の
表面への水素イオンの照射によるクリーニング処理を含
む前処理を行うことを特徴とする、薄膜形成における前
処理方法。 - 【請求項2】 基材上への薄膜の成膜前に、上記基材の
表面への不活性ガスイオンの照射による第1のクリーニ
ング処理、およびその後の上記基材の表面への水素イオ
ンの照射による第2のクリーニング処理からなる前処理
を行うことを特徴とする、請求項1記載の薄膜形成にお
ける前処理方法。 - 【請求項3】 基材上への薄膜形成における前処理方法
において、上記基材上への薄膜の成膜前に、上記基材の
表面への不活性ガスイオンと水素イオンとの混合ガスイ
オンの照射によるクリーニング処理を含む前処理を行う
ことを特徴とする、薄膜形成における前処理方法。 - 【請求項4】 基材上への薄膜の成膜前に、上記基材の
表面への不活性ガスイオンの照射による第1のクリーニ
ング処理、およびその後の上記基材への不活性ガスイオ
ンと水素イオンとの混合ガスイオンの照射による第2の
クリーニング処理からなる前処理を行うことを特徴とす
る、請求項3記載の薄膜形成における前処理方法。 - 【請求項5】 基材上に形成する薄膜はダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜であることを特徴とする、請求項1か
ら請求項4のいずれかに記載の薄膜形成における前処理
方法。 - 【請求項6】 シリコン、タングステン、チタン、アル
ミニウムからなる群から選ばれた金属薄膜、または炭化
シリコン、炭化タングステン、炭化チタン、炭化アルミ
ニウムからなる群から選ばれたセラミック薄膜を含んだ
下地層の基材上への形成および上記下地層上へのダイヤ
モンドライクカーボン薄膜の成膜の前に、請求項5記載
の前処理を行うことを特徴とする、薄膜形成における前
処理方法。 - 【請求項7】 基材の表面への炭素を含んだ処理層の形
成およびこの処理層上へのダイヤモンドライクカーボン
薄膜の成膜の前に、請求項5記載の前処理を行うことを
特徴とする、薄膜形成における前処理方法。 - 【請求項8】 基材上にダイヤモンドライクカーボン薄
膜を形成する薄膜形成装置において、内部を所定の真空
度に保持する真空槽と、この真空槽内で上記基材を保持
する基材ホルダーと、上記基材の温度を調整する基材温
度調整機構と、上記真空槽内で上記基材に対向して設け
られたガスイオン源と、このガスイオン源へ導入するガ
スを上記基材のクリーニング用あるいは上記ダイヤモン
ドライクカーボン薄膜の成膜用に切換えできる切換手段
とを備え、上記ガスイオン源は、上記基材に向かってオ
リフィスが設けられ、かつガスが導入される反応ガス導
入室と、この反応ガス導入室内に設けられて熱電子を放
出する熱電子放出手段と、この熱電子放出手段から熱電
子を引出す熱電子引出し電極と、上記反応ガス導入室の
外側に設けられ、上記基材に向けてイオンを加速する加
速電極とからなり、この加速電極に対して上記基材に電
圧を印加するバイアス手段を備えたことを特徴とするダ
イヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP665797A JPH10203897A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 薄膜形成における前処理方法および薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP665797A JPH10203897A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 薄膜形成における前処理方法および薄膜形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10203897A true JPH10203897A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11644456
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP665797A Pending JPH10203897A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 薄膜形成における前処理方法および薄膜形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10203897A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004205016A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-22 | Nsk Ltd | 直動装置 |
| JP2007092829A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Toyota Motor Corp | 弁 |
| DE102010048947A1 (de) | 2009-10-22 | 2011-04-28 | Yoshitaka Mitsuda | Diamantähnliches Kohlenstofffilmmaterial und Verfahren zu dessen Herstellung |
| CN107527870A (zh) * | 2017-08-29 | 2017-12-29 | 惠科股份有限公司 | 一种阵列基板的制作方法及其制作设备 |
| JP2022187853A (ja) * | 2021-06-08 | 2022-12-20 | 国立大学法人東海国立大学機構 | カーボンナノウォール成長用金属基板とカーボンナノウォール付き金属基板とこれらの製造方法 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP665797A patent/JPH10203897A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004205016A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-22 | Nsk Ltd | 直動装置 |
| JP2007092829A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Toyota Motor Corp | 弁 |
| DE102010048947A1 (de) | 2009-10-22 | 2011-04-28 | Yoshitaka Mitsuda | Diamantähnliches Kohlenstofffilmmaterial und Verfahren zu dessen Herstellung |
| TWI504766B (zh) * | 2009-10-22 | 2015-10-21 | Yoshitaka Mitsuda | 具有類鑽碳膜之材料及其製造方法 |
| US9598762B2 (en) | 2009-10-22 | 2017-03-21 | Yoshitaka MITSUDA | Diamond-like carbon film-formed material and method for producing the same |
| CN107527870A (zh) * | 2017-08-29 | 2017-12-29 | 惠科股份有限公司 | 一种阵列基板的制作方法及其制作设备 |
| CN107527870B (zh) * | 2017-08-29 | 2023-08-25 | 惠科股份有限公司 | 一种阵列基板的制作方法及其制作设备 |
| JP2022187853A (ja) * | 2021-06-08 | 2022-12-20 | 国立大学法人東海国立大学機構 | カーボンナノウォール成長用金属基板とカーボンナノウォール付き金属基板とこれらの製造方法 |
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