JPH10209793A - 圧電薄膜共振子 - Google Patents
圧電薄膜共振子Info
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- JPH10209793A JPH10209793A JP770197A JP770197A JPH10209793A JP H10209793 A JPH10209793 A JP H10209793A JP 770197 A JP770197 A JP 770197A JP 770197 A JP770197 A JP 770197A JP H10209793 A JPH10209793 A JP H10209793A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気機械結合係数が大きく、共振子、フィル
タ等に適用した場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い
圧電薄膜共振子であって、下部電極を露出させる必要が
なく、製造が容易な圧電薄膜共振子を提供する。 【解決手段】 絶縁膜1Aを有するSi基板1上に、下
部電極2、PT薄膜3及び2個の上部電極4A,4Bを
有する圧電薄膜共振子。上部電極4A,4Bの間隔はP
T薄膜3の膜厚よりも大きい。 【効果】 圧電体膜が、キューリー点が約500度と高
く、厚み方向の結合係数と広がり方向の結合係数の値が
大きく異なる等の特徴を有するPTで形成されているた
め、広帯域なフィルタや発振周波数範囲の広い共振器を
実現できる。上部電極間に電界を印加することにより圧
電体膜を厚み方向に分極処理することができる。従っ
て、下部電極を端子電極とする必要がなく、このため下
部電極を露出させるための煩雑な工程が不要となる。
タ等に適用した場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い
圧電薄膜共振子であって、下部電極を露出させる必要が
なく、製造が容易な圧電薄膜共振子を提供する。 【解決手段】 絶縁膜1Aを有するSi基板1上に、下
部電極2、PT薄膜3及び2個の上部電極4A,4Bを
有する圧電薄膜共振子。上部電極4A,4Bの間隔はP
T薄膜3の膜厚よりも大きい。 【効果】 圧電体膜が、キューリー点が約500度と高
く、厚み方向の結合係数と広がり方向の結合係数の値が
大きく異なる等の特徴を有するPTで形成されているた
め、広帯域なフィルタや発振周波数範囲の広い共振器を
実現できる。上部電極間に電界を印加することにより圧
電体膜を厚み方向に分極処理することができる。従っ
て、下部電極を端子電極とする必要がなく、このため下
部電極を露出させるための煩雑な工程が不要となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電薄膜共振子に係
り、特に、高周波帯域で動作する圧電薄膜の厚み方向の
バルク波を利用した共振器、フィルタ等に好適な圧電薄
膜共振子に関する。
り、特に、高周波帯域で動作する圧電薄膜の厚み方向の
バルク波を利用した共振器、フィルタ等に好適な圧電薄
膜共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高周波帯域において使用される
圧電振動子では、薄板の厚み振動が利用されている。従
来、提供されている高周波用の圧電振動子としては、次
の〜の構成のものなどがある。
圧電振動子では、薄板の厚み振動が利用されている。従
来、提供されている高周波用の圧電振動子としては、次
の〜の構成のものなどがある。
【0003】 水晶、圧電セラミックス等の圧電板を
薄く研磨し、その基本振動を用いた圧電振動子。 水晶、圧電セラミックス等の高次振動を利用した高
次モード振動子。 圧電性蒸着膜を基板上に形成し、この圧電性蒸着膜
を励振して基板を高次振動させて用いる複合振動子。
薄く研磨し、その基本振動を用いた圧電振動子。 水晶、圧電セラミックス等の高次振動を利用した高
次モード振動子。 圧電性蒸着膜を基板上に形成し、この圧電性蒸着膜
を励振して基板を高次振動させて用いる複合振動子。
【0004】上記従来の圧電振動子のうち、の構成の
ものでは、水晶、圧電セラミックス等の圧電板を薄くす
れば、板厚に反比例して基本共振周波数が高くなるが、
板厚を薄くすればするほど、機械加工が困難となる。こ
のため、現在では、板厚30〜40μmで共振周波数5
0MHz程度が限界である。
ものでは、水晶、圧電セラミックス等の圧電板を薄くす
れば、板厚に反比例して基本共振周波数が高くなるが、
板厚を薄くすればするほど、機械加工が困難となる。こ
のため、現在では、板厚30〜40μmで共振周波数5
0MHz程度が限界である。
【0005】の構成のものでは、高次振動を用いるた
め電気機械結合係数が小さくなり、周波数帯域幅が小さ
すぎて実用的ではなく、また、電気機械結合係数が大き
い低次振動ではスプリアスとなる欠点がある。また、
の構成のものでも同様の欠点がある。
め電気機械結合係数が小さくなり、周波数帯域幅が小さ
すぎて実用的ではなく、また、電気機械結合係数が大き
い低次振動ではスプリアスとなる欠点がある。また、
の構成のものでも同様の欠点がある。
【0006】ところで、圧電素子用の高周波用圧電材料
としては、例えば、常誘電体のAlN、CdS、ZnO
等が用いられている。これらの材料は、機械加工により
薄く加工したとしても、40μm程度の厚みが限界であ
り、この程度の厚みのものでは、基本波の共振周波数
は、いずれの材料でも数十MHzが限界である。これら
の材料を用いた高周波用圧電薄膜共振子においては、例
えば、500MHz以上の高い共振周波数の基本振動を
得るためには、板厚を10μm以下にする必要がある。
としては、例えば、常誘電体のAlN、CdS、ZnO
等が用いられている。これらの材料は、機械加工により
薄く加工したとしても、40μm程度の厚みが限界であ
り、この程度の厚みのものでは、基本波の共振周波数
は、いずれの材料でも数十MHzが限界である。これら
の材料を用いた高周波用圧電薄膜共振子においては、例
えば、500MHz以上の高い共振周波数の基本振動を
得るためには、板厚を10μm以下にする必要がある。
【0007】一方、数百MHzの高周波帯域において、
電気機械結合係数の大きな圧電振動子を得る方法として
は、スパッタ法等の薄膜製造技術とエッチング技術を用
いる方法があり、例えば、特開昭60−31305号公
報には、スパッタ法で酸化亜鉛及びチタン酸鉛の薄膜を
形成した圧電素子が記載されている。この特開昭60−
31305号公報に記載される圧電素子は、基板の影響
をなくし、圧電体薄膜の振動特性を活かすために、基板
の一部をエッチングで除去している。
電気機械結合係数の大きな圧電振動子を得る方法として
は、スパッタ法等の薄膜製造技術とエッチング技術を用
いる方法があり、例えば、特開昭60−31305号公
報には、スパッタ法で酸化亜鉛及びチタン酸鉛の薄膜を
形成した圧電素子が記載されている。この特開昭60−
31305号公報に記載される圧電素子は、基板の影響
をなくし、圧電体薄膜の振動特性を活かすために、基板
の一部をエッチングで除去している。
【0008】なお、従来、厚み振動を用いた圧電薄膜共
振子では、特開平8−148968号公報に記載される
圧電薄膜共振子に代表されるように、圧電体膜の上下の
電極に電界を印加することよりバルク波を励振させてい
る。
振子では、特開平8−148968号公報に記載される
圧電薄膜共振子に代表されるように、圧電体膜の上下の
電極に電界を印加することよりバルク波を励振させてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スパッタ法による酸化
亜鉛、その他、従来の圧電材料は、いずれも電気機械結
合係数が20〜30%程度と小さいため、共振子、フィ
ルタ等を構成した場合、帯域幅及び発振周波数範囲が限
定される。なお、特開昭60−31305号公報では、
この点を改善するために、基板の一部を除去している
が、このように基板を除去した場合、素子強度が低下す
るという欠点がある。
亜鉛、その他、従来の圧電材料は、いずれも電気機械結
合係数が20〜30%程度と小さいため、共振子、フィ
ルタ等を構成した場合、帯域幅及び発振周波数範囲が限
定される。なお、特開昭60−31305号公報では、
この点を改善するために、基板の一部を除去している
が、このように基板を除去した場合、素子強度が低下す
るという欠点がある。
【0010】また、従来提供されている厚み振動を用い
た圧電薄膜共振子では、圧電体膜の上下の電極に電界を
印加して厚み方向に分極処理することでバルク波を励振
させている。このため、下部電極をこの分極処理におけ
る端子電極とするべく、下部電極を露出させる必要があ
る。従って、圧電体膜を下部電極上に一様に形成した
後、エッチングにより圧電体膜の一部を除去して下部電
極を露出させたり、圧電体膜の形成に当り、下部電極を
部分的にマスクするなどして、下部電極の一部を残して
圧電体膜を形成する必要があり、下部電極を露出させる
ための煩雑な工程を必要とするという欠点がある。
た圧電薄膜共振子では、圧電体膜の上下の電極に電界を
印加して厚み方向に分極処理することでバルク波を励振
させている。このため、下部電極をこの分極処理におけ
る端子電極とするべく、下部電極を露出させる必要があ
る。従って、圧電体膜を下部電極上に一様に形成した
後、エッチングにより圧電体膜の一部を除去して下部電
極を露出させたり、圧電体膜の形成に当り、下部電極を
部分的にマスクするなどして、下部電極の一部を残して
圧電体膜を形成する必要があり、下部電極を露出させる
ための煩雑な工程を必要とするという欠点がある。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、電気
機械結合係数が大きく、共振子、フィルタ等に適用した
場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い圧電薄膜共振子
であって、下部電極を露出させる必要がなく、従って製
造が容易な圧電薄膜共振子を提供することを目的とす
る。
機械結合係数が大きく、共振子、フィルタ等に適用した
場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い圧電薄膜共振子
であって、下部電極を露出させる必要がなく、従って製
造が容易な圧電薄膜共振子を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電薄膜共振子
は、絶縁膜を有するSi基板と、該Si基板の該絶縁膜
上に形成された下部電極と、該下部電極上に形成された
圧電体膜と、該圧電体膜上に形成された2個の上部電極
とを備えてなる圧電薄膜共振子であって、該圧電体膜は
PT薄膜であり、前記2個の上部電極同士の間の間隔
が、該圧電体膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする。
は、絶縁膜を有するSi基板と、該Si基板の該絶縁膜
上に形成された下部電極と、該下部電極上に形成された
圧電体膜と、該圧電体膜上に形成された2個の上部電極
とを備えてなる圧電薄膜共振子であって、該圧電体膜は
PT薄膜であり、前記2個の上部電極同士の間の間隔
が、該圧電体膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする。
【0013】本発明の圧電薄膜共振子は、圧電体膜がキ
ューリー点が約500度と高く、厚み方向の結合係数と
広がり方向の結合係数の値が大きく異なる等の特徴を有
するPT(チタン酸鉛)で形成されているため、簡単な
構造で、広帯域なフィルタや発振周波数範囲の広い共振
器を実現できる。
ューリー点が約500度と高く、厚み方向の結合係数と
広がり方向の結合係数の値が大きく異なる等の特徴を有
するPT(チタン酸鉛)で形成されているため、簡単な
構造で、広帯域なフィルタや発振周波数範囲の広い共振
器を実現できる。
【0014】しかも、上部電極が間隔をあけて2個形成
されているため、この上部電極間に電界を印加すること
により圧電体膜を厚み方向に分極処理することができ
る。従って、下部電極を端子電極とする必要がなく、こ
のため下部電極を露出させるための煩雑な工程が不要と
なる。
されているため、この上部電極間に電界を印加すること
により圧電体膜を厚み方向に分極処理することができ
る。従って、下部電極を端子電極とする必要がなく、こ
のため下部電極を露出させるための煩雑な工程が不要と
なる。
【0015】ところで、PTは、良質な膜質の圧電体薄
膜を得ることが困難である。例えば、スパッタ法では、
厚み振動の共振を十分確認できるほど良好なPT薄膜を
形成できない。
膜を得ることが困難である。例えば、スパッタ法では、
厚み振動の共振を十分確認できるほど良好なPT薄膜を
形成できない。
【0016】これに対して、ゾルゲル法によるPT薄膜
の成膜であれば、厚み振動に対して高い共振を示し、圧
電体薄膜として有効に機能する良好な膜質のPT薄膜を
形成することができる。このPT薄膜の膜厚は0.1〜
10μmであることが好ましい。
の成膜であれば、厚み振動に対して高い共振を示し、圧
電体薄膜として有効に機能する良好な膜質のPT薄膜を
形成することができる。このPT薄膜の膜厚は0.1〜
10μmであることが好ましい。
【0017】また、分極処理効果の面から、上部電極同
士の間の間隔(以下、「上部電極間隔」と称す。)は、
PT薄膜の膜厚の2〜200倍であることが好ましい。
士の間の間隔(以下、「上部電極間隔」と称す。)は、
PT薄膜の膜厚の2〜200倍であることが好ましい。
【0018】本発明におては、Si基板の下部電極形成
面と反対側の面を一部エッチングで除去して凹部を形成
しても良く、これにより、発信周波数、挿入損失の特性
を向上させることができる。
面と反対側の面を一部エッチングで除去して凹部を形成
しても良く、これにより、発信周波数、挿入損失の特性
を向上させることができる。
【0019】本発明によれば、PT薄膜の膜厚0.1〜
10μmであり、上部電極間隔0.2μm〜2mmで、
共振周波数帯域80MHz〜10GHzの高特性圧電薄
膜共振子が提供される。
10μmであり、上部電極間隔0.2μm〜2mmで、
共振周波数帯域80MHz〜10GHzの高特性圧電薄
膜共振子が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
施の形態を説明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態を示す斜視図、
図2は本発明の他の実施の形態を示す正面図、図3は本
発明の別の実施の形態を示す斜視図、図4は本発明の異
なる実施の形態を示す図であって、図4(a)は正面
図、図4(b)は側面図である。
図2は本発明の他の実施の形態を示す正面図、図3は本
発明の別の実施の形態を示す斜視図、図4は本発明の異
なる実施の形態を示す図であって、図4(a)は正面
図、図4(b)は側面図である。
【0022】図1〜4において、同一機能を奏する部材
には同一符号を付してある。
には同一符号を付してある。
【0023】本発明の圧電薄膜共振子で用いる基板は、
表面に絶縁膜が形成されたSi基板であるが、このよう
な基板としては、図示の如く、表面に酸化膜(SiO2
膜)1Aが形成されたSi基板1が好適である。この酸
化膜付きSi基板1であれば、表面が平滑であり、熱処
理時の元素の拡散も防止でき、かつ機械的強度も十分で
あることにより、ゾルゲル法により、良好な膜質のPT
薄膜を形成することができる。
表面に絶縁膜が形成されたSi基板であるが、このよう
な基板としては、図示の如く、表面に酸化膜(SiO2
膜)1Aが形成されたSi基板1が好適である。この酸
化膜付きSi基板1であれば、表面が平滑であり、熱処
理時の元素の拡散も防止でき、かつ機械的強度も十分で
あることにより、ゾルゲル法により、良好な膜質のPT
薄膜を形成することができる。
【0024】この酸化膜付きSi基板1の酸化膜1Aの
厚さは、薄過ぎると拡散防止効果がなく、厚過ぎるとク
ラックの発生や基板のそりの問題があるので0.5〜2
μm程度であることが好ましい。
厚さは、薄過ぎると拡散防止効果がなく、厚過ぎるとク
ラックの発生や基板のそりの問題があるので0.5〜2
μm程度であることが好ましい。
【0025】また、酸化膜付きSi基板1としては、薄
膜圧電素子としての用途上、できる限り薄いことが望ま
しいが、過度に薄いと機械的強度が低下するため、厚さ
100〜300μm程度であることが好ましい。
膜圧電素子としての用途上、できる限り薄いことが望ま
しいが、過度に薄いと機械的強度が低下するため、厚さ
100〜300μm程度であることが好ましい。
【0026】本発明の圧電薄膜共振子は、このような酸
化膜付きSi基板1上に、下部電極2、PT薄膜3及び
上部電極4(4A,4B)を順次成膜して得られるが、
下部電極2の成膜に先立ち、Ti層(図示せず)を形成
するのが、PT薄膜3の成膜の上で有利である。
化膜付きSi基板1上に、下部電極2、PT薄膜3及び
上部電極4(4A,4B)を順次成膜して得られるが、
下部電極2の成膜に先立ち、Ti層(図示せず)を形成
するのが、PT薄膜3の成膜の上で有利である。
【0027】即ち、ゾルゲル法によるPT薄膜の成膜で
は、乾燥、焼成時に収縮を伴うため、5μmを超える膜
厚の薄膜を形成することは困難であるが、膜厚0.1μ
m未満のPT薄膜では、圧電体薄膜として機能するには
薄すぎて好ましくない。これに対して、酸化膜付きSi
基板上にTi層を形成しておくことにより、Si基板と
下地電極との密着層としての作用で、PT薄膜を比較的
厚い薄膜として形成することが可能となる。
は、乾燥、焼成時に収縮を伴うため、5μmを超える膜
厚の薄膜を形成することは困難であるが、膜厚0.1μ
m未満のPT薄膜では、圧電体薄膜として機能するには
薄すぎて好ましくない。これに対して、酸化膜付きSi
基板上にTi層を形成しておくことにより、Si基板と
下地電極との密着層としての作用で、PT薄膜を比較的
厚い薄膜として形成することが可能となる。
【0028】このTi層はスパッタ法等により形成する
ことができ、その厚さは50〜500Å程度であること
が好ましい。Ti層の厚さが50Å未満ではTi層を形
成したことによる効果が十分に得られない。
ことができ、その厚さは50〜500Å程度であること
が好ましい。Ti層の厚さが50Å未満ではTi層を形
成したことによる効果が十分に得られない。
【0029】下部電極2としては、Pt、Ir、Al等
の導電性金属層をスパッタ法等で形成することができ、
その厚さは、通常の場合1000〜2000Å程度であ
る。
の導電性金属層をスパッタ法等で形成することができ、
その厚さは、通常の場合1000〜2000Å程度であ
る。
【0030】本発明において、圧電体薄膜としてのPT
薄膜3は、高周波対応とするために膜厚10μm以下で
あることが必要とされ、好ましくは0.1〜10μm、
より好ましくは0.2〜3μmの範囲で使用目的に応じ
て適宜決定される。なお、PT薄膜の膜厚が薄過ぎると
圧電効果が十分得られず、逆に、厚過ぎると良好な膜質
が得られない。
薄膜3は、高周波対応とするために膜厚10μm以下で
あることが必要とされ、好ましくは0.1〜10μm、
より好ましくは0.2〜3μmの範囲で使用目的に応じ
て適宜決定される。なお、PT薄膜の膜厚が薄過ぎると
圧電効果が十分得られず、逆に、厚過ぎると良好な膜質
が得られない。
【0031】PT薄膜3上の上部電極4(4A,4B)
としては、前述の下部電極2と同様の導電性金属層をス
パッタ法等によりパターニング形成することができ、そ
の厚さは、通常の場合、1000〜2000Å程度であ
る。
としては、前述の下部電極2と同様の導電性金属層をス
パッタ法等によりパターニング形成することができ、そ
の厚さは、通常の場合、1000〜2000Å程度であ
る。
【0032】本発明においては、上部電極として2個の
上部電極4A,4Bを形成し、この上部電極4A,4B
同士の間隔をPT薄膜3の膜厚よりも大きくする。
上部電極4A,4Bを形成し、この上部電極4A,4B
同士の間隔をPT薄膜3の膜厚よりも大きくする。
【0033】上部電極間隔がPT薄膜3の膜厚以下であ
ると、分極処理に当り上部電極4A,4B間に電界を印
加した際、短絡が生じ、PT薄膜を厚み方向に分極処理
することができない。ただし、上部電極間隔が過度に大
きいと素子寸法が徒に大きくなり、好ましくない。
ると、分極処理に当り上部電極4A,4B間に電界を印
加した際、短絡が生じ、PT薄膜を厚み方向に分極処理
することができない。ただし、上部電極間隔が過度に大
きいと素子寸法が徒に大きくなり、好ましくない。
【0034】この上部電極間隔はPT薄膜の膜厚の2〜
200倍、即ち、膜厚0.1〜10μmのPT薄膜に対
して上部電極間隔0.2〜2000μmであることが好
ましい。上部電極間隔は特にPT薄膜の膜厚の10〜1
00倍であることが好ましい。
200倍、即ち、膜厚0.1〜10μmのPT薄膜に対
して上部電極間隔0.2〜2000μmであることが好
ましい。上部電極間隔は特にPT薄膜の膜厚の10〜1
00倍であることが好ましい。
【0035】本発明においては、図2に示す如く、Si
基板1の下部電極2形成面と反応側の面をエッチング処
理して凹部5を形成しても良く、このように凹部5を形
成することにより、圧電薄膜共振子の機械的強度は若干
劣るものの低次モードをより強く励振することが可能と
なり、発信周波数、挿入損失の特性を向上させることが
できる。
基板1の下部電極2形成面と反応側の面をエッチング処
理して凹部5を形成しても良く、このように凹部5を形
成することにより、圧電薄膜共振子の機械的強度は若干
劣るものの低次モードをより強く励振することが可能と
なり、発信周波数、挿入損失の特性を向上させることが
できる。
【0036】この凹部5は、上部電極4A,4Bの形成
位置に対向する位置(上部電極を基板上に厚さ方向に透
影した位置)にSi基板1の厚さの50〜100%の深
さで形成するのが好ましい。
位置に対向する位置(上部電極を基板上に厚さ方向に透
影した位置)にSi基板1の厚さの50〜100%の深
さで形成するのが好ましい。
【0037】また、本発明においては、図3に示す如
く、PT薄膜3上にSiO2 膜等の絶縁膜6を部分的に
形成し、上部電極4A,4Bを、この絶縁膜6とPT膜
3の表出面とにまたがるように形成することにより、端
子電極としての上部電極4A,4Bの形成位置をずらし
て構造上の補強を図ることができる。この場合、この絶
縁膜6はSiO2 ,SiN,AlN,TiO2 ,Al2
O3 等により形成することができ、その厚さは0.05
〜1μm程度であることが好ましい。
く、PT薄膜3上にSiO2 膜等の絶縁膜6を部分的に
形成し、上部電極4A,4Bを、この絶縁膜6とPT膜
3の表出面とにまたがるように形成することにより、端
子電極としての上部電極4A,4Bの形成位置をずらし
て構造上の補強を図ることができる。この場合、この絶
縁膜6はSiO2 ,SiN,AlN,TiO2 ,Al2
O3 等により形成することができ、その厚さは0.05
〜1μm程度であることが好ましい。
【0038】また、このように絶縁膜6を形成した場合
においても、図4に示す如く、Si基板1に凹部5を形
成しても良い。
においても、図4に示す如く、Si基板1に凹部5を形
成しても良い。
【0039】次に、本発明の圧電薄膜共振子の製造方法
の好適例について説明する。
の好適例について説明する。
【0040】まず、酸化膜付きSi基板の表面に、スパ
ッタ法によりTi層及び下部電極を順次形成する。
ッタ法によりTi層及び下部電極を順次形成する。
【0041】次いで、下部電極上に、酢酸鉛等の鉛化合
物及びチタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキ
シド等のチタン化合物を所定のモル比で、合計濃度が1
0〜20重量%程度となるように、メトキシエタノー
ル、酢酸エステル等の溶剤に溶解したPT薄膜形成用組
成物を塗布し、150〜400℃で乾燥し、所定の膜厚
となるように、この塗布、乾燥を繰り返す。
物及びチタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキ
シド等のチタン化合物を所定のモル比で、合計濃度が1
0〜20重量%程度となるように、メトキシエタノー
ル、酢酸エステル等の溶剤に溶解したPT薄膜形成用組
成物を塗布し、150〜400℃で乾燥し、所定の膜厚
となるように、この塗布、乾燥を繰り返す。
【0042】最後に500〜800℃で0.1〜2hr
焼成する。
焼成する。
【0043】このようにして形成したPT薄膜上に、必
要に応じて熱処理,CVD等によりSiO2 等の絶縁膜
を形成した後、スパッタ法により、2個の上部電極を所
定のパターンで形成する。その後、2個の上部電極間に
120〜200℃で200〜500kV/cm程度の直
流電界を10〜60分程度印加してPT薄膜の分極処理
を行う。この分極処理を行うことでPT薄膜が圧電体薄
膜として機能するようになる。
要に応じて熱処理,CVD等によりSiO2 等の絶縁膜
を形成した後、スパッタ法により、2個の上部電極を所
定のパターンで形成する。その後、2個の上部電極間に
120〜200℃で200〜500kV/cm程度の直
流電界を10〜60分程度印加してPT薄膜の分極処理
を行う。この分極処理を行うことでPT薄膜が圧電体薄
膜として機能するようになる。
【0044】圧電薄膜共振子において、良好な膜質のP
T薄膜を形成することは極めて重要である。即ち、PT
薄膜は、十分な分極処理をすることで圧電体薄膜として
機能するが、膜質が不良である分極処理の電界を十分に
印加できず、圧電体薄膜として機能しないことになる。
このため、本発明においては、基板、下部電極、PT薄
膜、上部電極の形成条件の最適化により、膜質の良好な
PT薄膜を形成することが重要である。
T薄膜を形成することは極めて重要である。即ち、PT
薄膜は、十分な分極処理をすることで圧電体薄膜として
機能するが、膜質が不良である分極処理の電界を十分に
印加できず、圧電体薄膜として機能しないことになる。
このため、本発明においては、基板、下部電極、PT薄
膜、上部電極の形成条件の最適化により、膜質の良好な
PT薄膜を形成することが重要である。
【0045】Si基板をエッチングして凹部を形成する
場合には、TMAH(tetramethyl amm
onium hydroxide)等のエッチング液を
用いて、部分的に基板を除去すれば良い。
場合には、TMAH(tetramethyl amm
onium hydroxide)等のエッチング液を
用いて、部分的に基板を除去すれば良い。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0047】実施例1〜11 基板として、表面に厚さ1μmの酸化膜を有する厚さ2
50μmのSi基板を用い、このSi基板表面にスパッ
タ法により、厚さ500ÅのTi層及び厚さ2000Å
のPt下部電極層を順次形成した。
50μmのSi基板を用い、このSi基板表面にスパッ
タ法により、厚さ500ÅのTi層及び厚さ2000Å
のPt下部電極層を順次形成した。
【0048】このPt下部電極層上に、ゾルゲル法によ
り、表1に示す膜厚のPT薄膜を形成した。
り、表1に示す膜厚のPT薄膜を形成した。
【0049】なお、PT薄膜の形成には、酢酸鉛とチタ
ニウムイソプロポキシドとを所定のモル比で合計濃度1
0重量%となるように溶解したPT薄膜形成用溶液を用
い、スピンコートにより塗布した後400℃で乾燥し、
この塗布、乾燥を所定の膜厚になるまで繰り返し、最後
に650℃で1hr焼成した。
ニウムイソプロポキシドとを所定のモル比で合計濃度1
0重量%となるように溶解したPT薄膜形成用溶液を用
い、スピンコートにより塗布した後400℃で乾燥し、
この塗布、乾燥を所定の膜厚になるまで繰り返し、最後
に650℃で1hr焼成した。
【0050】更に、PT薄膜上にスパッタ法により、図
1に示す如く、厚さ1500Åで、70μm×70μm
の正方形状のAl上部電極2個を上部電極間隔180μ
mでパターニング形成した。
1に示す如く、厚さ1500Åで、70μm×70μm
の正方形状のAl上部電極2個を上部電極間隔180μ
mでパターニング形成した。
【0051】その後、上部電極同士の間に150℃で3
00kV/cmの直流電界を10min印加したとこ
ろ、PT薄膜が厚み方向に分極処理され、圧電薄膜共振
子が得られた。
00kV/cmの直流電界を10min印加したとこ
ろ、PT薄膜が厚み方向に分極処理され、圧電薄膜共振
子が得られた。
【0052】得られた圧電薄膜共振子の厚み振動の基本
共振周波数は表1に示す通りであった。
共振周波数は表1に示す通りであった。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1 実施例1において、上部電極間隔をPT薄膜の膜厚より
小さい0.2μmとしたこと以外は同様にして行ったと
ころ、上部電極間に直流電界を印加しても短絡してしま
い分極処理を行うことができなかった。
小さい0.2μmとしたこと以外は同様にして行ったと
ころ、上部電極間に直流電界を印加しても短絡してしま
い分極処理を行うことができなかった。
【0055】実施例6 実施例1において、PT膜厚を0.8μmとし、80μ
m×75μmの長方形状のAl上部電極2個を上部電極
間隔75μmで形成したこと以外は同様にして圧電薄膜
共振子を作製し、その共振周波数及び挿入損失を表2に
示した。
m×75μmの長方形状のAl上部電極2個を上部電極
間隔75μmで形成したこと以外は同様にして圧電薄膜
共振子を作製し、その共振周波数及び挿入損失を表2に
示した。
【0056】実施例7 実施例6において、図2に示す如く、上部電極形成位置
に対向するSi基板の裏面側に、235μm×75μm
×235μm深さの凹部を形成したこと以外は同様にし
て圧電薄膜共振子を作製し、その共振周波数及び挿入損
失を表2に示した。
に対向するSi基板の裏面側に、235μm×75μm
×235μm深さの凹部を形成したこと以外は同様にし
て圧電薄膜共振子を作製し、その共振周波数及び挿入損
失を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】実施例8 実施例7において、PT薄膜の成膜後、図3に示す如
く、振動領域以外に厚さ1μmのSiO2 膜をスパッタ
により形成し、その後、このSiO2 膜とPT薄膜とに
またがるように、厚さ1500ÅのAl上部電極を上部
電極間隔75μmで形成したこと以外は同様にして圧電
薄膜共振子を作製した。この圧電薄膜共振子の上部電極
は、PT薄膜上に形成された部分の面積が80μm×7
5μmで、SiO2 薄膜上に形成された部分の面積が1
00μm×100μmで連結部の幅が20μmのもので
ある。
く、振動領域以外に厚さ1μmのSiO2 膜をスパッタ
により形成し、その後、このSiO2 膜とPT薄膜とに
またがるように、厚さ1500ÅのAl上部電極を上部
電極間隔75μmで形成したこと以外は同様にして圧電
薄膜共振子を作製した。この圧電薄膜共振子の上部電極
は、PT薄膜上に形成された部分の面積が80μm×7
5μmで、SiO2 薄膜上に形成された部分の面積が1
00μm×100μmで連結部の幅が20μmのもので
ある。
【0059】この圧電薄膜共振子について、上部電極の
面積のちがいによる、インピーダンスを調べ、実施例7
の圧電薄膜共振子と比較したところ、実施例7の圧電薄
膜共振子は50Ω付近であるのに対して、本実施例の圧
電薄膜共振子も50Ω付近であり、このような構成とし
ても、特性に変化はなく、上部電極形成位置をずらし
て、補強構造とすることができることがわかった。
面積のちがいによる、インピーダンスを調べ、実施例7
の圧電薄膜共振子と比較したところ、実施例7の圧電薄
膜共振子は50Ω付近であるのに対して、本実施例の圧
電薄膜共振子も50Ω付近であり、このような構成とし
ても、特性に変化はなく、上部電極形成位置をずらし
て、補強構造とすることができることがわかった。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の圧電薄膜共
振子によれば、圧電体膜として、キューリー点が約50
0度と高く、厚み方向の結合係数と広がり方向の結合係
数の値が大きく異なる等の特徴を有するPT薄膜を用い
るため、簡単な構造においても広帯域なフィルタや発信
周波数の広い共振器を実現する圧電薄膜共振子を得るこ
とができる。また、上部電極を所定の間隔をあけて2個
設けたため、下部電極を端子電極として用いる必要がな
く、この結果、下部電極を露出するための煩雑な工程が
不要となり、圧電薄膜共振子を容易に製造することが可
能となる。
振子によれば、圧電体膜として、キューリー点が約50
0度と高く、厚み方向の結合係数と広がり方向の結合係
数の値が大きく異なる等の特徴を有するPT薄膜を用い
るため、簡単な構造においても広帯域なフィルタや発信
周波数の広い共振器を実現する圧電薄膜共振子を得るこ
とができる。また、上部電極を所定の間隔をあけて2個
設けたため、下部電極を端子電極として用いる必要がな
く、この結果、下部電極を露出するための煩雑な工程が
不要となり、圧電薄膜共振子を容易に製造することが可
能となる。
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す正面図である。
【図3】本発明の別の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の異なる実施の形態を示す図であって、
図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
1 Si基板 2 下部電極 3 PT薄膜 4A,4B 上部電極 5 凹部 6 絶縁膜
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁膜を有するSi基板と、該Si基板
の該絶縁膜上に形成された下部電極と、該下部電極上に
形成された圧電体膜と、該圧電体膜上に形成された2個
の上部電極とを備えてなる圧電薄膜共振子であって、 該圧電体膜はPT薄膜であり、 前記2個の上部電極同士の間の間隔が、該圧電体膜の膜
厚よりも大きいことを特徴とする圧電薄膜共振子。 - 【請求項2】 請求項1において、前記PT薄膜はゾル
ゲル法により形成されたものであり、その膜厚が0.1
〜10μmであることを特徴とする圧電薄膜共振子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記2個の上
部電極同士の間の間隔が前記PT薄膜の膜厚の2〜20
0倍であることを特徴とする圧電薄膜共振子。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、前記Si基板の下部電極形成面と反対側の面にエッ
チングにより凹部が形成されていることを特徴とする圧
電薄膜共振子。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP770197A JPH10209793A (ja) | 1997-01-20 | 1997-01-20 | 圧電薄膜共振子 |
| DE1997112496 DE19712496A1 (de) | 1996-03-26 | 1997-03-25 | Piezoelektrische Dünnfilm-Bauelemente |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP770197A JPH10209793A (ja) | 1997-01-20 | 1997-01-20 | 圧電薄膜共振子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10209793A true JPH10209793A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11673071
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP770197A Withdrawn JPH10209793A (ja) | 1996-03-26 | 1997-01-20 | 圧電薄膜共振子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10209793A (ja) |
-
1997
- 1997-01-20 JP JP770197A patent/JPH10209793A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040406 |