JPH10213405A - 球体センサ - Google Patents

球体センサ

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JPH10213405A
JPH10213405A JP36834597A JP36834597A JPH10213405A JP H10213405 A JPH10213405 A JP H10213405A JP 36834597 A JP36834597 A JP 36834597A JP 36834597 A JP36834597 A JP 36834597A JP H10213405 A JPH10213405 A JP H10213405A
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伸行 赤津
Kazuya Sakamoto
和也 坂元
Hiroshi Sakamoto
宏 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部から加わる任意のフリーな動きを検知す
る誘導型の新規な球体センサの提供。 【解決手段】 曲面形状の下面を少なくとも有する非磁
性体からなるケース1と、該ケース1内において重力に
従って移動自在に収納された磁気応答部材3と、前記ケ
ース1の少なくとも前記下面において所定の配置で設置
され、前記磁気応答部材3の相対的位置に応答した誘導
出力信号を生じるコイル部2とを備え、前記ケース1に
外部より加えられる動きに応じて該ケース1を転動又は
揺動又は傾斜させ、このケース1の動きに応じて前記磁
気応答部材3が該ケース内で相対的に変位し、この変位
に応じて前記コイル部2に生じる誘導出力信号が変化
し、前記外部より加えられる動きに応じた前記ケースの
変位を検知する誘導出力信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、完全な球体又は半
球体若しくは部分球体あるいはその他の曲面形状の外形
を有し、外部から加えられた運動を転がり運動又は揺れ
運動に転換して、又は傾きとして受け、該外部から加え
られた運動の検知を行うようにした、新規な球体センサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られた位置センサは、直線位置を
検出するリニアセンサ、回転位置を検出する回転センサ
などである。検出方式としては、電磁誘導式や光学式な
どいくつかの方式があるが、光学式には検出分解能に限
度がある。例えば、パーソナルコンピュータのカーソル
指示装置としてマウスが知られているが、従来のマウス
は、全方向回転子の回転運動をX軸とY軸の成分に分離
し、X軸とY軸に夫々光学式のインクリメンタルパルス
エンコーダを取付けて構成されている。しかし、光学式
のインクリメンタルパルスエンコーダの検出分解能には
限度があるため、移動距離に対する発生パルス数を多く
とることができず、長い距離のカーソル移動操作が面倒
であった。これに対して、電磁誘導式のセンサにおいて
は、位相差カウント等の回路処理を用いることにより、
電気処理的に検出分解能を精密にすることができる。し
かし、従来の誘導式回転センサにおいては、装置の小型
化が不十分であったため、これをX,Yの2軸設けて装
置を構成するとなると、大型となってしまい、とても、
マウスのようなコンパクトな指示装置を構成することが
できなかった。
【0003】ところで、従来知られた誘導型位置検出装
置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあ
り、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動ト
ランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続さ
れた2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置
に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化す
るリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1
相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直
線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数
の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次
巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を
取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイ
ン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すよう
にしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR
/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検
出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定
することができる。また、サイン相とコサイン相のよう
な複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁
し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号
を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この
出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することによ
り、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測
定する技術も知られている(例えば、特開昭49−10
7758号、特開昭53−106065号、特開昭55
−13891号、実公平1−25286号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来知られた
誘導型位置検出装置は、すべて、所定のガイド又は軸に
沿う直線位置または回転位置を測定するものであり、外
部から加わる任意のフリーな動きを検知することはでき
なかった。一般に、誘導型位置検出装置は、構造的に非
接触であり、また、コイルと鉄片等の簡単な構成によ
り、簡便かつ安価に製造することができるので、これ
を、外部から加わる任意のフリーな動きを検知する装置
として構成することができれば、広い応用・用途が見込
まれる。例えば、1つの操作子のX−Y方向の2軸的動
きを検出する装置として構成することができれば、マウ
スのような既存の2軸操作子に代替し得る簡易な構成の
操作子を提供することができるし、その他従来はなかっ
た応用・用途が考えられる。本発明は上述の点に鑑みて
なされたもので、外部から加わる任意のフリーな動きを
検知し得るようにした、誘導型の新規な球体センサを提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る球体センサ
は、曲面形状の下面を少なくとも有する非磁性体からな
るケースと、該ケース内において重力に従って移動自在
に収納された磁気応答部材と、前記ケースの少なくとも
前記下面において所定の配置で設置され、前記磁気応答
部材の相対的位置に応答した誘導出力信号を生じるコイ
ル部とを備え、前記ケースに外部より加えられる動きに
応じて該ケースを転動又は揺動又は傾斜させ、このケー
スの動きに応じて前記磁気応答部材が該ケース内で相対
的に変位し、この変位に応じて前記コイル部に生じる誘
導出力信号が変化し、前記外部より加えられる動きに応
じた前記ケースの変位を検知することを特徴とするもの
である。
【0006】少なくともケースの下面が曲面形状を成し
ており、少なくともこの下面においてコイル部が所定の
配置で設置されており、ケースと共に動く。ケースに外
部より加えられる動きに応じて該ケースが転動又は揺動
又は傾斜し、外部から加わる任意のフリーな動きに応答
して前記コイル部配置面が該ケースの動きと共に転動又
は揺動又は傾斜する。このケースの内部には重力に従っ
て移動自在に磁気応答部材が収納されており、該磁気応
答部材は常に重力方向を指向するので、ケースの動きに
応じて該磁気応答部材が、該ケース内で相対的に動き、
該ケース下面に配置されたコイル部に対して相対的に変
位することになる。この磁気応答部材とコイル部との位
置関係の変化に応じてコイル部に生じる誘導出力信号が
変化し、外部より加えられる動きに応じた前記ケースの
変位が検知される。
【0007】本発明の球体センサに対する外力の与え方
は、使用目的に応じて、任意に設定してよい。例えば、
テーブル等の任意の水平面の上に、この球体センサを、
前記ケースの下面を下にして、置く。この場合、人の手
等によってケースに対して直接外力を加えて、該ケース
を転動又は揺動させる。これによって、人の手による操
作量を検知するための新規な装置として、本発明の球体
センサを利用することができる。あるいは、この球体セ
ンサを振り子状に吊るして、振動検知等の目的で応用す
るようにしてもよい。あるいは、この球体センサを対象
物に固定して設置し、該対象物の傾きに応じて前記ケー
スが傾くことに基づき、傾斜検知の目的で応用するよう
にしてもよい。また、一瞬の振動又は傾斜の振れ幅は、
加速度に対応しているので、車両等に搭載して傾斜計及
び/又は加速度計として応用できる。
【0008】前記ケースは全体が完全な球体からなって
いてもよいし、あるいは、半球体若しくは部分球体から
なっていてもよい。また、完全な球に限らず、楕円球等
であってもよく、また、部分的に(すなわち少なくとも
下面において)曲面を形成していればよい。前記磁気応
答部材は、固形状の球体からなるものであってよい。あ
るいは、磁性流体からなるものであってもよい。あるい
は、磁性粉体からなるものであってもよい。あるいは、
固体の磁気応答部材と磁性流体又は磁性粉体の両方を含
むものであってもよい。
【0009】一実施の形態として、前記コイル部は、第
1の方向に沿って配置された複数の極を含んでいて、各
極は1次及び2次コイルによる電磁誘導結合を有してい
る第1の検出コイル部と、前記第1の方向に直交する第
2の方向に沿って配置された複数の極を含んでいて、各
極は1次及び2次コイルによる電磁誘導結合を有してい
る第2の検出コイル部とを具備してなり、前記磁気応答
部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸
成分位置検出信号とを前記第1及び第2の検出コイル部
から夫々出力するようにするとよい。これにより、ケー
スの転動又は揺動をX軸成分とY軸成分に分解して検出
することができるので、本発明に係る1つの球体センサ
によって、全方向に関する(ただし垂直方向は除く)外
部から加わる任意のフリーな動きを検知することができ
る。また、このような第1及び第2の検出コイル部を有
する球体センサを使用して、該球体センサから出力され
る前記X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号と
に基づきカーソルX軸駆動信号とカーソルY軸駆動信号
を形成する回路を具備すれば、新規な球体状マウスを提
供することができる。このような球体マウスを使用する
ことにより、テーブル等の任意の平面を持つ場所で、手
軽に手で転がして、カーソル操作を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明しよう。図1の(a)は本
発明に係る球体センサの一例を示す外観斜視図、(b)
はその内部に収納される磁気応答部材3の一例を示す外
観斜視図、(c)はケース1の下面に配置されるコイル
部2のコイル(極)配置の一例を示す展開図、である。
図1において、ケース1は、外形が完全な球体形状を成
しており、また、その内部空間も完全な球状のスペース
を有しており、プラスチック又はステンレスのような非
磁性体からなる。このケース1内においては、磁気応答
部材3として、(b)に示すような鉄等の磁性体からな
る鋼球3aが収納されており、該鋼球3aは、重力に従
ってケース1内で移動自在である。
【0011】ケース1の外側の下面には1又は複数のコ
イルからなるコイル部2が取り付けられる。コイル部2
の各コイルは、巻き軸方向がケース1の面に直交する方
向であり、かつ、ケース1の転動を妨げないような薄型
のものである。勿論、コイル部2は、薄型のコイルをケ
ース1の外側に貼り付けて、更にその上から非磁性物質
でモールド等して、表面が滑らかになるようにして、ケ
ース1の滑らかな転動を確保し得るように、適宜、製造
・加工してよいものである。しかし、その点は設計事項
であるから特に説明しない。なお、コイル部2は、ケー
ス1の外側ではなく、内側に貼り付けてもよい。その場
合も、その上から非磁性物質でモールド等して、表面が
滑らかになるようにして、鋼球3aの滑らかな転動を確
保するようにするものとする。なお、ケース1は完全な
球体であっても、半分割等ができるようになっていて、
内部への磁気応答部材3(鋼球3a)の収納等の製造作
業に便ならしめるようにすることは、設計上適宜なされ
る。
【0012】コイル部2における個別コイル配置及び接
続並びに励磁の態様は、採用しようとする検出原理に従
って、適宜、設計してよい。図1(c)に示すコイル部
2のコイル配置は、レゾルバタイプの位置検出原理に従
って構成した例を示す。図1(c)において、コイル部
2は、第1の方向(便宜的にX軸方向という)に沿って
配置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次
コイルによる電磁誘導結合部を有している第1の検出コ
イル部2Xと、前記第1の方向に直交する第2の方向
(便宜的にY軸方向という)に沿って配置された複数の
極を含んでいて、各極は1次及び2次コイルによる電磁
誘導結合を有している第2の検出コイル部2Yとを具備
している。
【0013】第1の検出コイル部2Xは、X軸方向に等
間隔で配置された4つの極を含み、各極は少なくとも2
次コイル21,22,23,24を有している。すなわ
ち、ケース1の曲面に沿ってX軸方向に等間隔で配置さ
れた4つの少なくとも2次コイル21,22,23,2
4と図示していない1次コイルとによって第1の検出コ
イル部2Xが構成される。同様に、第2の検出コイル部
2Yは、Y軸方向に等間隔で配置された4つの極を含
み、各極は少なくとも2次コイル25,26,27,2
8を有しており、かつ、図示していない1次コイルを含
んでいる。第1の検出コイル部2Xの極配列(2次コイ
ル21〜24の配列)と第2の検出コイル部2Yの極配
列(2次コイル25〜28の配列)とは、ケース1の曲
面上において図示のように交差している。
【0014】なお、1次コイルの配置については特に図
示しないが、該1次コイルによって励起した磁界を対応
する各2次コイルに及ぼすことができるような配置であ
れば適宜の配置であってよい。例えば、個々の2次コイ
ルに対応して同じ位置に重複して個別の1次コイルをそ
れぞれ設けるようにしてもよいし、あるいは、ケース1
の適宜の範囲ですべての2次コイルを包囲するように1
個の1次コイルを設けてもよいし、あるいは、いくつか
のグループに分けて複数の2次コイルを包囲するように
複数の1次コイルを設けてもよい。いずれの場合におい
ても、レゾルバタイプの位置検出原理に従う場合、ある
いは後述の差動変圧器原理に従う場合、すべての1次コ
イルが同相(1相)の交流信号で励磁される。
【0015】ケース1内に収納された磁気応答部材3
は、各検出コイル部2X,2Yにおけるそれぞれの各2
次コイルに対する近接位置関係に応じて、該2次コイル
と対応する1次コイルとの間の磁気結合(すなわち電磁
誘導結合)を変化させる。その近接位置関係に応じた出
力信号が各検出コイル部2X,2Yからそれぞれ出力さ
れる。従って、各検出コイル部2X,2Yの出力に基づ
き、磁気応答部材3の相対的位置に応じたX軸成分位置
検出信号とY軸成分位置検出信号とを得ることができ
る。なお、磁気応答部材3としての鋼球3aのサイズ
(直径)は、各2次コイルの配置間隔と同様に、レゾル
バタイプの位置検出原理に従って適切に設計してよい。
例えば図示の例では、磁気応答部材3すなわち鋼球3a
は、隣合う2つの2次コイル21,22の配置範囲にほ
ぼ対応する直径を有するように描かれているが、これに
限らず、直径寸法の適量の減少又は増加が設計上可能で
ある。
【0016】レゾルバタイプの位置検出原理について、
第1の検出コイル部2Xを例にして説明すると、鋼球3
aの各2次コイル21〜24に対する対応位置が変化す
ることにより、1次コイルと各2次コイル21〜24間
の磁気結合が該X軸成分位置に応じて変化され、これに
より、該X軸成分位置に応じて振幅変調された誘導出力
交流信号が、各2次コイル21〜24の配置のずれに応
じて異なる振幅関数特性で、各2次コイル21〜24に
誘起される。各2次コイル21〜24に誘起される各誘
導出力交流信号は、1次コイルが1相の交流信号によっ
て共通に励磁されるが故に、その電気的位相が同相であ
り、その振幅関数が鋼球3aの各2次コイルに対する接
近または遠ざかりに従ってそれぞれ変化する。
【0017】レゾルバ原理を採用する場合は、検出コイ
ル部2Xにおける4つの2次コイル21〜24に生じる
誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数(図でsを
付記する)、コサイン関数(図でcを付記する)、マイ
ナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付記する)、
マイナス・コサイン関数(図で/c(cバー)を付記す
る)、にそれぞれ相当するものとなるように、各2次コ
イル21〜24の配置間隔と磁気応答部材3(すなわち
鋼球3a)のサイズを、設定する。種々の条件によっ
て、各コイルの配置は微妙に変わり得るし、磁気応答部
材3(鋼球3a)のサイズも変わりうるので、希望の関
数特性が得られるように各コイル配置を適宜調整した
り、あるいは2次出力レベルを電気的増幅によって調整
することにより、希望の振幅関数特性が最終的に得られ
るようにすることができる。従って、各2次コイル21
〜24の配置と磁気応答部材3(鋼球3a)のサイズは
重要ではあるが、絶対的精度を要求されるわけではな
く、設計上適宜に設定若しくは変更できる。第2の検出
コイル部2Yについても同様であり、4つの2次コイル
25〜28に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サ
イン関数(s)、コサイン関数(c)、マイナス・サイ
ン関数(/s)、マイナス・コサイン関数(/c)、に
それぞれ相当するものとなるように、配置されている。
なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記
号は「/(スラッシュ)」で記載するが、これは、図中
のバー記号に対応している。
【0018】図2は、第1の検出コイル部2Xにおける
1次及び2次コイルの回路図であり、1次コイルには共
通の励磁交流信号(説明の便宜上、sinωtで示す)が
印加される。この1次コイルの励磁に応じて、鋼球3a
のX軸成分位置に応じた振幅値を持つ交流信号が各2次
コイル21〜24に誘導される。夫々の誘導電圧レベル
は該X軸成分位置に対応して2相の関数特性sinθ,cos
θ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθを示す。す
なわち、各2次コイル21〜24の誘導出力信号は、該
X軸成分位置に対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及
びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθで振幅変調され
た状態で夫々出力される。なお、θは該X軸成分位置に
比例しており、例えば、θ=2π(x/p)のような関
係である。ここで、xはX軸成分位置、pは上記関数の
1周期に相当する長さである。説明の便宜上、コイルの
巻数等、その他の条件に従う係数は省略し、2次コイル
21をサイン相として、その出力信号を「sinθ・sinω
t」で示し、2次コイル22をコサイン相として、その
出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2次コイ
ル23をマイナス・サイン相として、その出力信号を
「−sinθ・sinωt」で示し、2次コイル24をマイナ
ス・コサイン相として、その出力信号を「−cosθ・sin
ωt」で示す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導出
力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数
を持つ第1の出力交流信号A(=2sinθ・sinωt)が
得られる。また、コサイン相とマイナス・コサイン相の
誘導出力を差動的に合成することによりコサイン関数の
振幅関数を持つ第2の出力交流信号B(=2cosθ・sin
ωt)が得られる。なお、表現の簡略化のために、係数
「2」を省略して、以下では、第1の出力交流信号Aを
「sinθ・sinωt」で表わし、第2の出力交流信号Bを
「cosθ・sinωt」で表わす。
【0019】こうして、X軸成分位置xに対応する第1
の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号
A=sinθ・sinωtと、同じX軸成分位置xに対応する
第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の出力交流
信号B=cosθ・sinωtとが出力される。このような巻
線構成によれば、回転型位置検出装置として従来知られ
たレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相交流であ
って2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号A,B
(サイン出力とコサイン出力)を第1の検出コイル部2
Xにおいて得ることができることが理解できる。この第
1の検出コイル部2Xから出力される2相の出力交流信
号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来
知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることがで
きる。例えば、図2に示すように、検出コイル部2Xの
出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検出回路4
0に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθ
の位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、
X軸成分位置xのディジタルデータDxを得るようにす
ることができる。ディジタル位相検出回路40で採用す
るディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レ
ゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、
本発明者らによって開発済の新方式を採用してもよい。
【0020】第2の検出コイル部2Yについても、図2
と同様に1次及び2次コイル回路を構成し、Y軸成分位
置を示すレゾルバタイプの2相出力交流信号を出力する
ようにすることができる。そして、上記と同様に、ディ
ジタル位相検出方式を採用することにより、Y軸成分位
置を示すディジタルデータDyを得るようにすることが
できる。こうして、第1の検出コイル部2Xと第2の検
出コイル部2Yからそれぞれ得られるX軸成分位置とY
軸成分位置のデータDx,Dyの組合せにより、ケース
1に対して外部から加えられた運動の変位量を全方向に
ついて検知する(ただし垂直方向は除く)データを得る
ことができる。
【0021】コイル部2のコイル配置は、上記例に限ら
ず、適宜に変形可能である。例えば、図3(a)は、第
1及び第2の検出コイル部2X,2Yの各極毎の2次コ
イル21’〜24’及び25’〜28’を扇状に配置し
た例を示す。ダッシュ符号を付した各2次コイル21’
〜24’及び25’〜28’は、図1(c)におけるダ
ッシュ符号を付していない同一符号の2次コイル21〜
24及び25〜28に対応しており、同様の技術的意義
を持っている。図1(c)の配置と異なる点は、各2次
コイル21’〜24’及び25’〜28’が図示のよう
な扇状の配置からなっている点である。このような各極
の扇状の配置は、例えば2次コイル21’の極(第1の
検出コイル部2Xのサイン極)について示すと、図3
(b)に示すように1つの2次コイルを所定の扇状に巻
回して構成してもよいし、図3(c)に示すように複数
の2次コイルを所定の扇状に並べて構成してもよい。図
3(c)のように複数の2次コイルによって1つの極を
構成する場合は、前述と同様に、これらの同相の2次コ
イルを直列接続して当該極についての1つの出力信号を
生じるようにする。図4は、第1及び第2の検出コイル
部2X,2Yの各極毎の2次コイル21'’〜24'’及
び25'’〜28'’を半円状に配置し、第1及び第2の
検出コイル部2X,2Yを2層に積み重ねた例を示す。
【0022】また、コイル部2における1次及び2次コ
イルの数並びに相数(又は極数)も図示のものに限ら
ず、公知の誘導型位置検出装置の構成に準じて適宜に設
計変更可能である。例えば、サイン相とコサイン相のレ
ゾルバタイプ出力を生じる構成に限らず、120度づつ
位相のずれた3相のシンクロタイプ出力を生じるような
構成、あるいはその田適宜の構成であってよい。なお、
コイル部2のコイル配置は、ケース1の下面に限らず、
全面にわたって設けるようにしてもよい。その場合、例
えば、球体のケース1の1つの半球を上記のような1組
の第1及び第2の検出コイル部2X,2Yによって分担
し、もう1つの半球を上記のような別の1組の第1及び
第2の検出コイル部2X,2Yによって分担する、とい
うような配置が可能である。勿論、その他の配置も適宜
設計上可能である。そのように、完全な球からなるケー
ス1の全面にわたって適宜の配置でコイル部2を設ける
ようにすれば、ケース1をコロコロと1回転以上転動さ
せるような使い方の場合でも、全回転にわたって検出出
力を得ることができる。これに対して、図示の各例に示
すようにケース1の下面に対応してコイル部2を配置し
た場合は、磁気応答部材3(鋼球3a)がコイル部2に
対応する範囲から外れると検出不能になるので、検出可
能範囲が限られてくる。その場合は、ケース1を所定範
囲内で揺動させるような運動の検出あるいは傾斜の検出
に、本発明の球体状センサを使用することができる。
【0023】また、ケース1の形状は、完全な球体に限
らず、図5に示すような半球体形状又はその他の部分球
体形状であってもよい。勿論、半球体形状等のケース1
においては適宜の蓋でカバーするものとする。ケース1
の形状は、その他、楕円球体若しくは部分的に曲面を有
する形状等であってよい。
【0024】また、磁気応答部材3の形状は、上記実施
例のような球体3aに限らず、図6(a)に示すような
部分球(又は部分円)3bであってもよい。また、その
材質も、鉄等の磁性体に限らず、銅のような良導電体で
あってもよい。良導電体を磁気応答部材3として使用し
た場合は渦電流損によって磁気抵抗変化が得られ、1次
及び2次コイル間の結合係数が変化されることは既に知
られている。また、磁性体と良導電体の組合せによっ
て、相補的に磁気結合係数の変化率を高めて検出感度を
向上させることも知られているので、これを採用しても
よい。また、磁気応答部材3としては、固定形状の物体
に限らず、非固定形状の物体(流体又は粉体)であって
もよい。図6(b)は、磁気応答部材3として適量の磁
性流体3cを収納した例を示す。図6(c)は、磁気応
答部材3として適量の磁性粉体3dを収納した例を示
す。この場合、細かな粉体3dに限らず、砂鉄のような
粒体であってもよい。図6(d)は、磁気応答部材3と
して、鋼球3aと適量の磁性流体3c(又は粉体又は粒
体)の組み合わせを使用する例を示す。図6(d)のよ
うなハイブリッドタイプは、検出出力信号のS/N比を
向上させることができると共に、出力信号変化を滑らか
にすることができる。別の例として、ケース1内を非磁
性の粘性流体で満たし、その中に鋼球2aを収納して、
急激な動きに対して緩衝作用をもたせるようにしてもよ
い。
【0025】本発明の球体状センサに対する外力の与え
方は、使用目的に応じて、任意に設定してよい。図7は
いくつかの使用例を略示するもので、(a)は、テーブ
ル等の任意の水平面11の上に、この球体状センサを、
ケース1の下面(つまりコイル部2を配置した面)を下
にして、置く。この場合、人の手等によってケース1に
対して直接外力を加えて、該ケース1を転動又は揺動さ
せる。これによって、人の手による操作量を検知するた
めの新規な装置として、本発明の球体状センサを利用す
ることができる。(b)は、この球体状センサを振り子
状に吊るして、振動検知等の目的で応用するようにした
例を示す。(c)は、この球体状センサを対象物12に
固定して設置し、該対象物12の傾きに応じてケース1
が傾くことに基づき、傾斜検知の目的で応用するように
した例を示す。また、一瞬の振動又は傾斜の振れ幅は、
加速度に対応しているので、対象物12として車両等に
搭載して傾斜計及び/又は加速度計としても応用でき
る。
【0026】ケース1が図1のような全球型からなるも
の、あるいは図5のような半球(又は部分球)型からな
るもの、などいずれのタイプのものを使用する場合で
も、上記実施例に示したような第1及び第2の検出コイ
ル部2X,2Yを設けて2方向位置検出可能とすれば、
球体状マウスとして使用することができる。すなわち、
ケース1をテーブル上に置いて、手で任意の方向に転動
させる。これに応じて第1及び第2の検出コイル部2
X,2YからX軸位置成分及びY軸位置成分の移動量に
対応する出力信号が夫々得られ、この出力信号を前述の
ディジタル位相検出回路40で処理することにより、X
軸位置成分及びY軸位置成分の位置データDx,Dyが
得られる。この位置データDx,Dyは複数ビットのア
ブソリュート値であるため、これを例えば図8に示すよ
うな変位検出/インクリメンタルパルス形成回路81,
82で処理し、一定の変位毎にインクリメンタルパルス
Px,Pyを発生するようにすればよい。このインクリ
メンタルパルスPx,Pyを、カーソルのX,Y移動を
指示する信号として使用する。時間的に変化するアブソ
リュート位置データの入力に基づきインクリメンタルパ
ルスを形成する回路は公知であるため、各回路81,8
2の詳細は省略する。
【0027】図9は、ディジタル位相検出回路40とし
て、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータ
を適用した例を示す。コイル部2の2次コイル21〜2
4から出力されるレゾルバタイプの2相の出力交流信号
A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtが、それぞれア
ナログ乗算器30,31に入力される。順次位相発生回
路32では位相角φのディジタルデータを発生し、サイ
ン・コサイン発生回路33から該位相角φに対応するサ
イン値sinφとコサイン値cosφのアナログ信号を発生す
る。乗算器30では、サイン相の出力交流信号A=sin
θ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33から
のコサイン値cosφを乗算し、「cosφ・sinθ・sinωt」
を得る。もう一方の乗算器31では、コサイン相の出力
交流信号B=cosθ・sinωtに対してサイン・コサイン
発生回路33からのサイン値sinφを乗算し、「sinφ・c
osθ・sinωt」を得る。引算器34で、両乗算器30,
31の出力信号の差を求め、この引算器34の出力によ
って順次位相発生回路32の位相発生動作を次のように
制御する。すなわち、順次位相発生回路32の発生位相
角φを最初は0にリセットし、以後順次増加していき、
引算器34の出力が0になったとき増加を停止する。引
算器34の出力が0になるのは、「cosφ・sinθ・sinω
t」=「sinφ・cosθ・sinωt」が成立したときであ
り、すなわち、φ=θが成立し、順次位相発生回路32
から位相角φのディジタルデータが出力交流信号A,B
の振幅関数の位相角θのディジタル値に一致している。
従って、任意のタイミングで周期的にリセットトリガを
与えて順次位相発生回路32の発生位相角φを0にリセ
ットして、該位相角φのインクリメントを開始し、引算
器34の出力が0になったとき、該インクリメントを停
止し、位相角θのディジタルデータを得る。なお、順次
位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを
含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動
してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動
作を制御するようにすることが知られており、その場合
は、周期的なリセットトリガは不要である。
【0028】温度変化等によってコイル部2の1次及び
2次コイルのインピーダンスが変化することにより2次
出力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じ
るが、上記のような位相検出回路においては、sinωt
の位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。
これに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsin
ωtとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流
信号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、
そのような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去する
ことができない。ところで、上記のような従来のR−D
コンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であ
るため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生
じ、応答性が悪い、という問題がある。そこで、本発明
者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発
したので、これを使用すると好都合である。
【0029】図10は、本発明に係る球体状センサにお
ける1軸分の検出コイル部2X(又は2Y)に適用可能
な新規なディジタル位相検出回路40の一実施形態を示
している。図10において、検出回路部41では、カウ
ンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウント
し、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から
励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、コイ
ル部2の1次コイルに与える。カウンタ42のモジュロ
数は、励磁用の交流信号の1周期に対応しており、説明
の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイン信号si
nωtの0位相に対応しているものとする。コイル部2
の2次コイル21〜24から出力される2相の出力交流
信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtは、検出回
路部41に入力される。
【0030】検出回路部41において、第1の交流出力
信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力さ
れ、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば9
0度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sin
θ・cosωtが得られる。また、検出回路部41において
は加算回路45と減算回路46とが設けられており、加
算回路45では、位相シフト回路44から出力される上
記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtとコ
イル部10の2次コイル21〜24から出力され第2の
交流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加
算出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosω
t=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的
交流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相
シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2
の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その
減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cos
ωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気
的交流信号Y2が得られる。このようにして、検出対象
位置(x)に対応して正方向にシフトされた電気的位相
角(+θ)を持つ第1の電気的交流信号Y1=sin(ω
t+θ)と、同じ前記検出対象位置(x)に対応して負
方向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の
電気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処
理によって夫々得られる。
【0031】加算回路45及び減算回路46の出力信号
Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入
力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロ
スの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の
振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を
検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出
パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP
1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力され
る。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウン
ト値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミング
でラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ
数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカ
ウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対
応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50に
ラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイ
ン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ず
れに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤
差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」
の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D
1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位
にシフトすることで行われるようになっていてよい。
【0032】ここで、コイル部2と検出回路部41間の
配線ケーブル長の長短による影響や、コイル部2の各1
次及び2次コイルにおいて温度変化等によるインピーダ
ンス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の
位相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41にお
ける上記各信号は次のように表わされる。 A=sinθ・sin(ωt±d) A’=sinθ・cos(ωt±d) B=cosθ・sin(ωt±d) Y1=sin(ωt±d+θ) Y2=sin(ωt±d−θ) D1=±d+θ D2=±d−θ
【0033】すなわち、各位相ずれ測定データD1,D
2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して
位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動
誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差
計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算
を行なうことにより、 (D1+D2)/2={(±d+θ)+(±d−θ)}/2
= ±2d/2 = ±d により、位相変動誤差「±d」を算出することができ
る。
【0034】誤差計算回路51で求められた位相変動誤
差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方
の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、
減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわ
れるので、 D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位
相差θを示すディジタルデータが得られる。このよう
に、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺され
て、検出対象位置xに対応する正しい位相差θのみが抽
出されることが理解できる。
【0035】この点を図11を用いて更に説明する。図
11においては、位相測定の基準となるサイン信号sin
ωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相
付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差が
プラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−
d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sin
ωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+
d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データ
D1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準
のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2
の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応す
る位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相
差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(+d+θ)+(+d−θ)}/2
= +2d/2 = +d により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。
【0036】図11(b)の場合、基準のサイン信号si
nωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ
−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出デー
タD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基
準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y
2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応
する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位
相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(−d+θ)+(−d−θ)}/2
= −2d/2 = −d により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。なお、減算
回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうよう
にしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θ
を反映するデータ(−θ)が得られることが理解できる
であろう。
【0037】また、図11からも理解できるように、第
1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は
2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」
を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることに
なる。従って、図10におけるラッチ回路49,50及
び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分
の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレ
クトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよ
い。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第
1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時
点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の
信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点ま
での間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウ
ントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺し
た、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータ
を得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれ
ば、θに対応するデータが得られる。
【0038】ところで、上記実施例では、+θをラッチ
するためのラッチ回路49と、−θをラッチするための
ラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッ
チするようにしており、ラッチしたデータの正負符号に
ついては特に言及していない。しかし、データの正負符
号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計
的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ
数が4096(10進数表示)であるとすると、そのデ
ィジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相
角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすれば
よい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出
力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウン
ト0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディ
ジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0
度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。
あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ
又は出力データを2の補数に変換することにより、ディ
ジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負
の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
【0039】ところで、ケース1が静止状態のときは特
に問題ないのであるが、時間的に変化するときは、それ
に対応する位相角θも時間的に変動することになる。そ
の場合、加算回路45及び減算回路46の各出力信号Y
1,Y2の位相ずれ量θが一定値ではなく、移動速度に
対応して時間的に変化する動特性を示すものとなり、こ
れをθ(t)で示すと、各出力信号Y1,Y2は、 Y1=sin{ωt±d+θ(t)} Y2=sin{ωt±d−θ(t)} となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対し
て、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高
くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ
(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。
このような動特性の下においては、基準信号sinωtの
1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次
々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50におけ
る各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なって
くることになり、両データD1,D2を単純に回路5
1,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±
d」を得ることができない。
【0040】検出対象が時間的に変化している最中であ
っても時々刻々の該検出対象の位置に対応する位相差θ
を正確に検出できるようにすることが望ましい。そこ
で、上記のような問題点を解決するために、検出対象位
置が時間的に変化している最中であっても時々刻々の該
検出対象位置に対応する位相差θを検出できるようにし
た改善策について図12を参照して説明する。
【0041】図12は、図10の検出回路部41におけ
る誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽
出して示しており、他の図示していない部分の構成は図
10と同様であってよい。検出対象位置が時間的に変化
している場合における該位置に対応する位相差θを、+
θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力信号Y
1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々に対応
してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測定値デ
ータD1,D2は、 D1=±d+θ(t) D2=±d−θ(t) となる。この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に
応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返
し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの
時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度
の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d
+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化
が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±
d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) =
±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2
の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス
検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2
の発生タイミングが一致していることになる。
【0042】図12において、一致検出回路53は、各
出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対
応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミング
が、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検
出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54
では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定デー
タD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段によ
り)、検出対象傾斜角θが時間的に変化するモードであ
ることを判定し、この判定に応じて時変動モード信号T
Mを出力する。誤差計算回路51と減算回路52との間
にセレクタ55が設けられており、上記時変動モード信
号TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”す
なわち検出対象傾斜角θが時間的に変化していないと
き、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を
選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ
55の入力Bが選択されているときの図12の回路は、
図10の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象
直線位置xが静止しているときは、誤差計算回路51の
出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路5
2に直接的に与えられ、図10の回路と同様に動作す
る。
【0043】一方、上記時変動モード信号TMが発生さ
れているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象位
置が時間的に変化しているときは、セレクタ55の入力
Aに加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路5
2に入力する。上記時変動モード信号TMが“1”で、
かつ前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、アン
ドゲート57の条件が成立して、該一致検出パルスEQ
Pに応答するパルスがアンドゲート57から出力され、
ラッチ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッチ回
路56は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の出力
カウントデータをラッチする。ここで、一致検出パルス
EQPが生じるときは、カウンタ42の出力をラッチ回
路49,50に同時にラッチすることになるので、D1
=D2であり、ラッチ回路56にラッチするデータは、
D1又はD2(ただしD1=D2)に相当している。
【0044】また、一致検出パルスEQPは、各出力信
号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したと
き、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立し
たとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路5
6にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1
=D2)に相当しているが故に、 (D1+D2)/2 と等価である。このことは、 (D1+D2)/2=[{±d+θ(t)}+{±d−θ(t)}]
/2=2(±d)/2=±d であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデ
ータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているもの
であることを意味する。
【0045】こうして、検出対象位置が時間的に変動し
ているときは、位相変動誤差「±d」を正確に示すデー
タが一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路56にラ
ッチされ、このラッチ回路56の出力データがセレクタ
55の入力Aを介して減算回路52に与えられる。従っ
て、減算回路52では、位相変動誤差「±d」を除去し
た検出対象位置のみに正確に応答するデータθ(時間的
に変動する場合はθ(t) )を得ることができる。なお、
図12において、アンドゲート57を省略して、一致検
出パルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御
入力に与えるようにしてもよい。また、ラッチ回路56
には、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図
11で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ
「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、
一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それ
に対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミ
ングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の
回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ
調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ
回路56にラッチするようにするとよい。また、動特性
のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図1
2の回路51及びセレクタ55と図1の一方のラッチ回
路49又は50を省略してもよいことが、理解できるで
あろう。
【0046】図13は、位相変動誤差「±d」を相殺す
ることができる位相差検出演算法についての別の実施例
を示す。コイル部2の2次コイル21〜24から出力さ
れるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bは、検出回路部60に入力され、図10の例と同
様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シ
フト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相
シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・
cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位
相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第
2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、そ
の減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・c
osωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交
流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2は
ゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に
応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50
に入力される。
【0047】図13の実施例が図10の実施例と異なる
点は、検出対象位置に対応する電気的位相ずれを含む交
流信号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θ
を測定する際の基準位相が相違している点である。図1
0の例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、
基準のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、コ
イル部2に入力されるものではないので、温度変化等に
よるコイルインピーダンス変化やその他の各種要因に基
づく位相変動誤差「±d」を含んでいないものである。
そのために、図10の例では、2つの交流信号Y1=si
n(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形成し、そ
の電気的位相差を求めることにより、位相変動誤差「±
d」を相殺するようにしている。これに対して、図13
の実施例では、コイル部2から出力される第1及び第2
の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ量θを測定
する際の基準位相を形成し、該基準位相そのものが上記
位相変動誤差「±d」を含むようにすることにより、上
記位相変動誤差「±d」を排除するようにしている。
【0048】すなわち、検出回路部60において、コイ
ル部2から出力された前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力さ
れ、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロク
ロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が
負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正か
ら負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のど
ちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するも
のとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定す
るsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となる
ため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検
出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出す
る必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,
62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路6
3でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/
2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップの
ような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含
む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルス
が取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相
のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パ
ルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスR
Pは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウ
ンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウント
するものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信
号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。この
カウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記
ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値
が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50に
ラッチしたデータDが、検出対象位置xに対応した位相
差θの測定データとして出力される。
【0049】コイル部2から出力される第1及び第2の
交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinω
t、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相で
ある。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出され
るはずであるが、振幅係数がサイン関数sinθ及びコサ
イン関数cosθで変動するので、どちらかの振幅レベル
が0か又は0に近くなる場合があり、そのような場合
は、一方については、事実上、ゼロクロスを検出するこ
とができない。そこで、この実施例では、2つの交流出
力信号A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞ
れについてゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロク
ロス検出出力をオア合成することにより、どちらか一方
が振幅レベル小によってゼロクロス検出不能であって
も、他方の振幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号
を利用できるようにしたことを特徴としている。
【0050】図13の例の場合、コイル部2のコイルイ
ンピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−
d」であるとすると、減算回路46から出力される交流
信号Y2は、図14の(a)に示すように、Y2=sin
(ωt−d−θ)となる。この場合、コイル部2の出力
信号A,Bは、θに応じた振幅値sinθ及びcosθを夫々
持ち、図14の(b)に例示するように、A=sinθ・si
n(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、というよ
うに位相変動誤差分を含んでいる。従って、このゼロク
ロス検出に基づいて図14の(c)のようなタイミング
で得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基準のサ
イン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−dだけず
れたものである。従って、この基準位相信号パルスRP
を基準として、減算回路46の出力交流信号Y2=sin
(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位相変動
誤差−dを除去した正確な値θが得られることになる。
【0051】なお、コイル部2の配線長等の装置条件が
定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存す
ることになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、
この球体状センサが配備された周辺環境の温度を示すデ
ータに相当する。従って、図10の実施例のような位相
変動誤差±dを演算する回路51を有するものにおいて
は、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度検出
データとして適宜出力することができる。従って、その
ような本発明の構成によれば、1つの球体状センサによ
って位置を検出することができるのみならず、該センサ
の周辺環境の温度を示すデータをも得ることができる、
という優れた効果を有するものである。勿論、温度変化
等によるセンサ側のインピーダンス変化や配線ケーブル
長の長短の影響を受けることなく、検出対象位置に応答
した高精度の検出が可能となる、という優れた効果をも
奏するものである。また、図10や図13の例は、交流
信号における位相差を測定する方式であるため、図9の
ような検出法に比べて、高速応答性にも優れた検出を行
なうことができる、という優れた効果を奏する。
【0052】上記のようなディジタル位相検出回路40
は、各検出コイル部2X,2Y毎に設けられ、夫々の出
力信号に対応するX軸成分位置データDx及びY軸成分
位置データDyを生成するようにする。その場合、ディ
ジタル位相検出回路40の共通のハードウェア装置を、
複数の検出コイル部2X,2Y毎の位相差データθの算
出のために時分割共用するようにするとよい。なお、各
検出コイル部2X,2Yの出力信号に含まれる位相成分
θの測定は、上述のようなディジタルアブソリュート値
の演算によるものに限らず、その他の設計変更が可能で
ある。例えば、位相成分θに対応するアナログ信号(電
圧又は電流)を出力するようにしてもよい。また、図8
のように、位相成分θの増加(変位)に応じてインクリ
メンタルパルスPx,Pyを発生するようにしてもよ
い。また、位相値θを周波数変換して、該位相値θに対
応する周波数のクロックパルスを繰り返し発生するよう
にしてもよい。あるいは、位相成分θを求める演算を行
わずに、出力信号A又はBの振幅値sinθ又はcos
θをそのまま位置検出情報として使用してもよい。ある
いは、該出力信号A又はBの振幅値sinθ又はcos
θを、電圧−周波数変換して、該振幅値sinθ又はc
osθに対応する周波数のクロックパルスを繰り返し発
生するようにしてもよい。要するに、本発明の球体セン
サの出力信号の処理の仕方は、ティジタル/アナログを
問わず、どのようなものであってもよい。
【0053】なお、上記各実施例において、コイル部2
と磁気応答部材3による検出原理を、公知の位相シフト
タイプ位置検出原理によって構成してもよい。例えば、
図2に示されたコイル部において、1次コイルと2次コ
イルの関係を逆にして、サイン相のコイル21とマイナ
ス・サイン相のコイル23を互いに逆相のサイン信号s
inωt,−sinωtによって励磁し、コサイン相の
コイル22とマイナス・コサイン相のコイル24を互い
に逆相のコサイン信号cosωt,−cosωtによっ
て励磁し、出力用コイルから検出対象傾斜θに応じた電
気的位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−θ)を
得るようにしてもよい。あるいは、コイル部2と磁気応
答部材3による検出原理を、公知の差動トランス型の位
置検出原理に基づいてアナログ検出出力を得るように構
成してもよい。
【0054】あるいは、上記各実施例において、コイル
部2の構成として、1次コイルと2次コイルの対を含む
ように構成せずに、1つのコイルのみによって構成し、
該1つのコイルを所定の交流信号によって定電圧駆動
し、該コイルへの磁性体(磁気応答部材3)の侵入量に
応じて生じるインダクタンス変化に基づく電流変化を計
測することにより、操作量に対応する検出データを得る
ようにしてもよい。その場合、該電流変化に応答する出
力信号の振幅変化を測定する方法、あるいは該電流変化
に応答するコイル各端部での出力信号間の位相変化を測
定する方法などによって所要の測定を行うことができ
る。その他、コイル部2と磁気応答部材3による検出手
段の構成は任意の変形が可能である。そのほか、上記実
施例で示した新規かつ有意義な構成の一部を選択的に採
用して球体状センサを構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、少なくと
もケースの下面が曲面形状を成しており、少なくともこ
の下面においてコイル部が所定の配置で設置されてお
り、ケースと共に動くようになっており、該ケースに外
部より加えられる動きに応じて該ケースが転動又は揺動
又は傾斜し、外部から加わる任意のフリーな動きに応答
して前記コイル部配置面が該ケースの動きと共に転動又
は揺動又は傾斜する。そして、このケースの内部には重
力に従って移動自在に磁気応答部材が収納されており、
該磁気応答部材は常に重力方向を指向するので、ケース
の動きに応じて該磁気応答部材が、該ケース内で相対的
に動き、該ケース下面に配置されたコイル部に対して相
対的に変位することになる。この磁気応答部材とコイル
部との位置関係の変化に応じてコイル部に生じる誘導出
力信号が変化し、外部より加えられる動きに応じた前記
ケースの変位を検知することができる。従って、誘導型
の検出装置を使用して、構造的に非接触であり、かつ簡
単な構成によって簡便かつ安価に、外部から加わる任意
のフリーな動きを検知することができる新規なセンサを
提供することができ、広い応用・用途が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る球体センサの一実施例を示す図
であって、(a)は外観略図、(b)は磁気応答部材の
一例を示す図、(c)はコイル部のコイル配置の一例を
示す展開図。
【図2】 コイル部を構成する2つの検出コイル部の1
つの回路構成例を示す回路図。
【図3】 コイル部のコイル配置の別の例を示す展開
図。
【図4】 コイル部のコイル配置の更に別の例を示す展
開図。
【図5】 本発明に係る球体センサの別の実施例を示す
外観略図。
【図6】 図1における磁気応答部材の変更例を示す
図。
【図7】 本発明に係る球体センサの使用例を示す図。
【図8】 コイル部を構成する2つの検出コイル部から
得られるX軸位置成分データとY軸位置成分データとに
基づきインクリメンタルパルスを夫々発生する構成例を
示すブロック図。
【図9】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相検
出タイプの測定回路の一例を示すブロック図。
【図10】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相
検出タイプの測定回路の別の例を示すブロック図。
【図11】 図10の動作説明図。
【図12】 図10の回路に付加される変更例を示すブ
ロック図。
【図13】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相
検出タイプの測定回路の更に別の例を示すブロック図。
【図14】 図13の動作説明図。
【符号の説明】
1 ケース 2 コイル部 2X,2Y 所定方向に沿う検出コイル部 21〜24 2次コイル 3 磁気応答部材 3a 鋼球 40 ディジタル位相検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 伸行 東京都東大和市新堀2−1453−43 (72)発明者 坂元 和也 東京都羽村市川崎1丁目1番5号、MAC 羽村コートII−405 (72)発明者 坂本 宏 埼玉県川越市山田896−8 (72)発明者 山本 明男 東京都国立市西1−13−29 KMハイツ 101

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲面形状の下面を少なくとも有する非磁
    性体からなるケースと、 該ケース内において重力に従って移動自在に収納された
    磁気応答部材と、 前記ケースの少なくとも前記下面において所定の配置で
    設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応答した誘
    導出力信号を生じるコイル部とを備え、前記ケースに外
    部より加えられる動きに応じて該ケースを転動又は揺動
    又は傾斜させ、このケースの動きに応じて前記磁気応答
    部材が該ケース内で相対的に変位し、この変位に応じて
    前記コイル部に生じる誘導出力信号が変化し、前記外部
    より加えられる動きに応じた前記ケースの変位を検知す
    ることを特徴とする球体センサ。
  2. 【請求項2】 前記ケースは全体が球体からなる請求項
    1に記載の球体センサ。
  3. 【請求項3】 前記ケースは部分球体からなる請求項1
    に記載の球体センサ。
  4. 【請求項4】 前記磁気応答部材は、球体からなるもの
    である請求項1乃至3のいずかに記載の球体センサ。
  5. 【請求項5】 前記磁気応答部材は、磁性流体からなる
    ものである請求項1乃至3のいずかに記載の球体セン
    サ。
  6. 【請求項6】 前記磁気応答部材は、磁性粉体からなる
    ものである請求項1乃至3のいずかに記載の球体セン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記磁気応答部材は、固体の磁気応答部
    材と磁性流体又は磁性粉体を含むものである請求項1乃
    至3のいずかに記載の球体センサ。
  8. 【請求項8】 前記コイル部は、第1の方向に沿って配
    置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コ
    イルによる電磁誘導結合を有している第1の検出コイル
    部と、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配
    置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コ
    イルによる電磁誘導結合を有している第2の検出コイル
    部とを具備してなり、前記磁気応答部材の相対的位置に
    応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号と
    を前記第1及び第2の検出コイル部から夫々出力するこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずかに記載の球体セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載された前記球体センサ
    と、 該球体センサから出力される前記X軸成分位置検出信号
    とY軸成分位置検出信号とに基づきカーソルX軸駆動信
    号とカーソルY軸駆動信号を形成する回路とを具えた球
    体状マウス。
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