JPH10218793A - 経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤及びその製造方法 - Google Patents

経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤及びその製造方法

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JPH10218793A
JPH10218793A JP3445897A JP3445897A JPH10218793A JP H10218793 A JPH10218793 A JP H10218793A JP 3445897 A JP3445897 A JP 3445897A JP 3445897 A JP3445897 A JP 3445897A JP H10218793 A JPH10218793 A JP H10218793A
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JP
Japan
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transdermal absorption
tape
inflammatory analgesic
inflammatory
analgesic
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JP3445897A
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English (en)
Inventor
Junjiro Saito
淳次郎 斎藤
Kenichi Nakao
賢一 中尾
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Yasuaki Kitazaki
寧昭 北崎
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Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着剤中に難溶性のフェルビナクなどの非ス
テロイド系消炎鎮痛薬を溶解状態で安定に保持すること
ができ、薬物の経皮吸収性に優れ、しかも十分な粘着性
を有する経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤、及びその製造
方法を提供すること。 【解決手段】 柔軟な支持体の片面に消炎鎮痛薬を含有
する粘着剤層が設けられた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ
剤において、該粘着剤層が、粘着剤、非ステロイド系消
炎鎮痛薬、l−メントール及びハッカ油からなる群より
選ばれる少なくとも一種の溶解補助剤、及び経皮吸収促
進剤を必須成分として含有することを特徴とする経皮吸
収型消炎鎮痛用テープ剤、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮吸収型消炎鎮
痛用テープ剤に関し、さらに詳しくは、消炎鎮痛薬の経
皮吸収性(皮膚からの透過性)、皮膚面への接着性、及
び製剤の安定性に優れた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ
剤、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、非ステロイド系消炎鎮痛薬を経
口摂取すると、消化器系に副作用を起こして、胃腸障害
を生じやすい。また、薬物の種類によっては、患部に到
達する前に肝臓で代謝を受けて薬効成分にロスを生じ、
十分な薬効が発現できない場合がある。これに対して、
非ステロイド系消炎鎮痛薬を経皮投与すると、胃腸障害
が生じにくく、しかも薬物が肝臓を通らずに患部に直接
作用するので、薬効成分の代謝によるロスが小さい。ま
た、経皮投与によれば、一般に、薬物の放出が持続的で
あるので、短時間に大量の薬物が吸収されることによる
副作用を軽減することができる。さらに、経皮投与によ
れば、薬物が長時間にわたって作用するため、一日当た
りの投与回数を減らすことができるという利点がある。
【0003】そこで、従来より、非ステロイド系消炎鎮
痛薬を用いた経皮吸収型製剤について、幾つかの提案が
なされている。しかしながら、経皮吸収型製剤には、剤
型が適切であること、定量的な投与が可能であること、
経皮吸収性や薬効発現性、薬効持続性が良好であるこ
と、製剤の安定性に優れていることなど、多くの解決す
べき課題があった。従来、非ステロイド系消炎鎮痛薬の
経皮吸収型製剤として、例えば、軟膏、ゲル、クリー
ム、ローション、パップ剤、テープ剤など各種剤型が知
られている。これらのうち、薬物を含有する軟膏、ゲ
ル、クリーム、及びローションなどの製剤は、関節等の
可動部に塗布しても、その動きを妨げないという利点が
あるが、塗布された製剤が衣類と接触することにより衣
類を汚す、毎回一定量を適用することが難しい、薬効の
持続性に乏しい、という問題がある。
【0004】パップ剤(湿布薬)は、薬物を練り込んだ
基剤をシート状支持体面に展延したものであって、皮膚
に貼付することにより一定量を適用することができる
が、厚みがあるためにかさばって違和感があるほか、一
般に粘着性に劣るため、固定用の粘着テープを併用する
必要があるという問題がある。これに対して、テープ剤
は、薬物を含有する粘着剤を柔軟な支持体上に塗工した
ものであって、一定量の適用ができ、一般に厚さが薄い
ため貼付時の違和感も少なく、粘着性があるためそれ自
体で皮膚に貼付することができ、固定用の粘着テープを
併用する必要がないという利点がある。
【0005】しかしながら、皮膚は、一般に外部からの
異物の侵入を防ぐ働きを有しているので、単に製剤を皮
膚に塗布または貼付しても、薬効の発現に必要かつ十分
な量の薬物を生体内に送り込むことが難しい。しかも、
非ステロイド系消炎鎮痛薬の多くは、溶剤やパップ剤の
基剤、粘着剤などに対する溶解性が悪く、結晶が析出す
るため、必要量を溶解状態で安定に保持することが極め
て困難である。薬物が結晶化すると、皮膚から吸収され
にくくなる。そのため、従来の非ステロイド系消炎鎮痛
薬の経皮吸収型製剤は、テープ剤を含めて、製剤の安定
性、経皮吸収性、薬効発現性、薬効持続性などの点で十
分ではなかった。
【0006】従来、非ステロイド系消炎鎮痛薬のフェル
ビナク(Felbinac;4−ビフェニル酢酸〕を基
剤中に溶解状態で安定に保持するために、フェルビナク
をアルカリ水溶液中に水溶性有機アミンを少量加えて溶
解してから基剤に練り込み、酸を加えてpHを6〜7に
調整した貼付剤が提案されている(特開平1−8591
3号公報)。しかし、この貼付剤は、フェルビナクの含
水膏体系のパップ剤であり、厚さが厚く、皮膚に貼付し
た場合に違和感があり、しかも皮膚に対する接着力が小
さく剥れやすいという問題がある。
【0007】フェルビナクなどの難溶性の消炎鎮痛薬を
外用剤の各種基剤中に溶解状態で安定に保持し、あるい
は経皮吸収性を高めるために、溶解補助剤や経皮吸収促
進剤として、例えば、エタノール、尿素、水溶性有機ア
ミン、クロタミトン、プロピレングリコールの脂肪酸エ
ステルなどを用いることが提案されているが、いずれも
満足できるものではない。例えば、特開平4−3216
24号公報には、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体を含む粘着剤基剤中に、消炎鎮痛薬及びク
ロタミトンを含有させたテープ剤が提案されている。し
かし、フェルビナクなどの難溶性の消炎鎮痛薬の必要量
を粘着剤基剤中に溶解させるには、多量のクロタミトン
の使用が必要であり、その結果、テープ剤の粘着性が低
下して、皮膚に対する接着性が低下する。また、クロタ
ミトンを溶解補助剤として用いたテープ剤は、経皮吸収
性が十分ではない。このように、従来の溶解補助剤や経
皮吸収促進剤は、十分な作用効果を持たないか、多量に
使用する必要があるという問題があった。
【0008】一方、経皮吸収型テープ剤の粘着剤層は、
通常、数十μm〜数百μmと薄いので、溶解補助剤や経
皮吸収促進剤の含有量には限度がある。溶解性の悪い薬
物を粘着剤中に配合するのに、多量の溶解補助剤や経皮
吸収促進剤を添加すると、粘着性が低下して、テープ剤
の皮膚に対する接着性が損なわれたり、皮膚に貼付中に
製剤の脱落が起きるなどの不具合が生じる。薬物の配合
量を少なくすると、十分な薬理効果が発現せず、薬効の
持続性も失われる。
【0009】ところで、フェルビナクに対する溶解性が
比較的良好な溶剤としてジメチルホルムアミドが知られ
ている。しかし、テープ剤の粘着剤中に薬効を発揮する
のに必要な量のフェルビナクを添加するには、多量のジ
メチルホルムアミドも粘着剤中に添加されなければなら
ない。ところが、ジメチルホルムアミドは、ほとんど経
皮吸収促進作用を持たないため、粘着剤には、さらに経
皮吸収促進剤を添加しなければならない。しかしなが
ら、粘着剤中にこれらの溶剤及び経皮吸収促進剤を多量
に添加すると、粘着剤層が粘着性を失って、皮膚に対す
る接着力が激減するため、実用的なテープ剤を得ること
ができない。
【0010】また、テープ剤の粘着剤層は、流動性が低
いため、皮膚の微細な凹部に密着するまでに時間を要す
るとともに、粘着剤中の薬物の拡散速度も一般に遅いの
で、同じ薬物を同濃度で使用した場合、軟膏やパップ剤
と比較して、テープ剤の方が薬理効果の発現に時間がか
かる傾向にある。したがって、テープ剤の利点を活かす
には、粘着剤中に難溶性のフェルビナクなどの非ステロ
イド系消炎鎮痛薬を溶解状態で安定に保持させるととも
に、薬物の経皮吸収性を高め、しかも十分な粘着性を維
持させることが必要となる。しかし、現状の技術では、
これらの諸特性を十分に満足させるテープ剤は得られて
いない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘着
剤中に難溶性のフェルビナクなどの非ステロイド系消炎
鎮痛薬を溶解状態で安定に保持することができ、薬物の
経皮吸収性に優れ、しかも十分な粘着性を有する経皮吸
収型消炎鎮痛用テープ剤、及びその製造方法を提供する
ことにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、溶解補助剤としてl−
メントールを用い、これを経皮吸収促進剤と併用するこ
とにより、難溶性のフェルビナクであっても、粘着剤中
に溶解状態で安定に保持することができ、しかも皮膚か
らの薬物透過量が顕著に優れ、粘着性についても十分に
維持できることを見いだした。
【0012】より具体的には、酢酸エチルなどのエステ
ル系有機溶剤にl−メントールを加えると、フェルビナ
クが容易に溶解することが判明した。酢酸エチルなどの
エステル系有機溶剤は、それ単独ではフェルビナクに対
する溶解性は低い。したがって、l−メントールは、フ
ェルビナクに対して溶解補助剤として作用することが見
いだされた。この薬物液を粘着剤溶液と混合して、柔軟
な支持体の片面に塗布し、乾燥させると、酢酸エチルな
どの低沸点のエステル系有機溶媒は、乾燥工程でほとん
ど全て揮散するので、粘着性に悪影響を及ぼすことがな
い。
【0013】このように、エステル系有機溶剤とl−メ
ントールを併用すると、非ステロイド系消炎鎮痛薬の高
濃度溶液を調製することが可能であり、これを粘着剤溶
液及び経皮吸収促進剤と混合し、次いで、混合溶液を剥
離材または柔軟な支持体上に塗布し、乾燥することによ
り、粘着剤層中に高濃度の薬物を含有させることができ
る。混合溶液を剥離材に塗工した場合には、形成された
粘着剤層を柔軟な支持体上に転写する。乾燥工程でエス
テル系有機溶媒が揮散しても、薬物は、粘着剤層中に溶
解状態で安定に保持され、その結晶が析出することがな
い。l−メントールに替えて、l−メントールを主成分
とするハッカ油を用いてもよい。
【0014】粘着剤層中に、経皮吸収促進剤を含有させ
ると、薬物の透過促進効果を高めることができる。しか
も、経皮吸収促進剤を比較的多量に添加して、薬物透過
量を顕著に高めても、粘着剤層は、十分な粘着性を維持
することができる。したがって、本発明によれば、製剤
の安定性、経皮吸収性、薬効発現性、薬効持続性などに
優れ、薬理効果の高い経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤が
提供される。本発明は、これらの知見に基づいて完成す
るに至ったものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、柔軟な
支持体の片面に消炎鎮痛薬を含有する粘着剤層が設けら
れた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤において、該粘着剤
層が、(a)粘着剤、(b)非ステロイド系消炎鎮痛
薬、(c)l−メントール及びハッカ油からなる群より
選ばれる少なくとも一種の溶解補助剤、及び(d)経皮
吸収促進剤を必須成分として含有することを特徴とする
経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤が提供される。
【0016】また、本発明によれば、柔軟な支持体の片
面に消炎鎮痛薬を含有する粘着剤層が設けられた経皮吸
収型消炎鎮痛用テープ剤の製造方法において、非ステ
ロイド系消炎鎮痛薬、エステル系有機溶剤、及びl−メ
ントール及びハッカ油からなる群より選ばれる少なくと
も一種の溶解補助剤を含む薬物溶液を調製する工程、
該薬物溶液、経皮吸収促進剤、及び粘着剤溶液を混合し
て粘着剤組成物溶液を調製する工程、次いで該粘着剤
組成物溶液を剥離材または柔軟な支持体の片面に塗布
し、乾燥する工程を含むことを特徴とする経皮吸収型消
炎鎮痛用テープ剤の製造方法が提供される。
【0017】本発明において、エラストマー成分として
は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
を含有するゴム系粘着剤を用いることが好ましい。ま
た、本発明では、非ステロイド系消炎鎮痛薬として、難
溶性のフェルビナクを用いることが可能であり、かつ、
薬理効果の上で好ましい。経皮吸収促進剤としては、オ
レイルアルコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アジピ
ン酸ジイソプロピル、モノオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン、リノール酸、オレイン酸、及びリノレン
酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を好
ましく使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(支持体)テープ剤の支持体としては、起伏のある皮膚
面に密着させることができる程度に柔軟性を備えたもの
を使用する。支持体の具体例としては、不織布、布、フ
ィルム(シートを含む)、多孔質体、発泡体、紙、不織
布または布にフィルムをラミネートした複合体などを挙
げることができる。これら支持体の材質としては、例え
ば、アセテートレーヨン、レーヨン、コットン、シル
ク、パルプ、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン−イソプレン−スチ
レン共重合体、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。支持体は、
支持体側から薬物が放出されないものが好ましい。
【0019】(粘着剤)粘着剤としては、ゴム系粘着
剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがある
が、経皮吸収性の観点からゴム系粘着剤が好ましい。ゴ
ム系粘着剤のエラストマー成分としては、天然ゴム、イ
ソプレンゴム、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブ
チレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、経皮吸収性や粘着性などの観点から、
特にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SIS)が好ましい。SISの市販品としては、例え
ば、カリフレックスTR−1107(シェル製)、SI
S5002(日本合成ゴム製)等が好適に用いられる。
【0020】ゴム系粘着剤は、粘着性を高めるために、
通常、エラストマー成分以外に粘着付与剤を含有する。
エラストマー成分としてSISを用いる場合、皮膚に対
する接着性を高めるために、イソプレンゴム(IR)を
併用することが好ましい。各成分の配合割合は、SIS
とIRとの比は、通常5:1〜1:5、好ましくは4:
1〜1:4、より好ましくは3:1〜1:3である。ま
た、SISなどのエラストマー成分100重量部に対し
て、粘着付与剤が通常50〜350重量部、好ましくは
80〜300重量部、より好ましくは100〜250重
量部である。これらの配合割合の範囲内において、製剤
の安定性、薬物の経皮吸収性、粘着性などが特に良好で
ある。
【0021】粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テル
ペン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン
系樹脂などが用いられる。粘着付与剤の市販品として
は、例えば、YS−ポリスター(ヤスハラケミカル
製)、クイントン(日本ゼオン製)、エスコレッツ(ト
ーネックス製)、クリアロン(ヤスハラケミカル製)等
が好適に用いられる。IRの市販品としては、例えば、
LIR403(クラレ製)がある。粘着剤には、必要に
応じて、軟化剤、充填剤、老化防止剤、架橋剤などを含
有させてもよい。
【0022】(非ステロイド系消炎鎮痛薬)非ステロイ
ド系消炎鎮痛薬としては、フェルビナク、フェルビナク
エチル(4−ビフェニル酢酸エチルエステル)、ケトプ
ロフェン、フルルビプロフェンなど公知の消炎・鎮痛作
用を有する薬物を使用することができる。本発明は、難
溶性のフェルビナクに好適に適用することができ、か
つ、薬理効果にも優れているため、これらの中でも特に
フェルビナクが好ましい。
【0023】(溶解補助剤)本発明では、非ステロイド
系消炎鎮痛薬の溶解補助剤として、l−メントールを使
用するが、l−メントールはハッカ油の主成分であるた
め、l−メントールに替えて、あるいはl−メントール
とともにハッカ油を用いてもよい。難溶性のフェルビナ
クなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬は、酢酸エチルなど
のエステル系有機溶剤に溶解させるに際し、l−メント
ールを加えると容易に溶解し、高濃度の溶液が得られ
る。また、薬物溶液と粘着剤溶液との混合溶液を支持体
上に塗布し、乾燥してエステル系有機溶剤を除去して
も、l−メントールが存在することにより、薬物の析出
が抑制される。したがって、l−メントールは、非ステ
ロイド系消炎鎮痛薬の溶解補助剤としての役割を果た
す。
【0024】(経皮吸収促進剤)経皮吸収促進剤として
は、例えば、オレイルアルコール、ラウリルアルコール
などの炭素原子数12〜22の飽和または不飽和の高級
アルコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アジピン酸ジ
イソプロピルなどのアジピン酸エステル、モノオレイン
酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチ
レンソルビタンの脂肪酸エステル、リノール酸、オレイ
ン酸、リノレン酸、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、塩酸トリエタノールアミン、グリセリン、酒石
酸、ソルビトール、トリイソオクタン酸グリセリン、乳
酸、パルミチン酸イソプロピル、プロピレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、ベンジルアルコ
ール、ラノリンなどを挙げることができる。
【0025】これらの経皮吸収促進剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。これらの中でも、経皮吸収性及び粘着性保持の点
で、オレイルアルコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、
アジピン酸ジイソプロピル、モノオレイン酸ポリオキシ
エチレンソルビタン、リノール酸、オレイン酸、及びリ
ノレン酸が好ましく、オレイルアルコール、中鎖脂肪酸
トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロピル、及びモノ
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが特に好まし
い。
【0026】(経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤)本発明
の経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤は、柔軟な支持体の片
面に、(a)粘着剤、(b)非ステロイド系消炎鎮痛
薬、(c)l−メントール及びハッカ油からなる群より
選ばれる少なくとも一種の溶解補助剤、及び(d)経皮
吸収促進剤を必須成分として含有する粘着剤層が設けら
れた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤である。非ステロイ
ド系消炎鎮痛薬の含有割合は、粘着剤100重量部に対
して、通常0.5〜10重量部である。この割合が小さ
すぎると十分な薬効を得ることができず、大きすぎると
結晶が析出しやすくなる。この割合は、薬効発現性と薬
効持続性の点で、好ましくは1〜8重量部、より好まし
くは3〜6重量部である。
【0027】l−メントール及びハッカ油からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の溶解補助剤の含有割合は、
粘着剤100重量部に対して、通常0.4〜12重量部
である。この割合が小さすぎると、難溶性のフェルビナ
クなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬の高濃度溶液を調製
することが困難であり、かつ、製剤の安定性が不十分と
なり、薬物の結晶が析出しやすくなる。この割合が大き
すぎると、粘着剤層の粘着性が低下し、皮膚から剥れや
すくなる。この割合は、製剤の安定性と粘着性のバラン
スの点で、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは
2〜8重量部である。なお、この割合は、製剤の粘着剤
層中に含まれる割合である。l−メントールやハッカ油
は、支持体上に粘着剤層を塗工する際の乾燥工程におい
て、かなりの量が揮散して減少するため、配合時には、
通常、上記含有割合の5倍程度の割合で使用する。経皮
吸収促進剤の含有割合は、粘着剤100重量部に対し
て、通常1〜30重量部である。この割合が小さすぎる
と、経皮吸収性が低下し、薬物の透過量が不十分とな
る。この割合が大きすぎると、粘着性が低下する。この
割合は、経皮吸収性と粘着性のバランスの点で、好まし
くは2〜25重量部、より好ましくは3〜20重量部で
ある。
【0028】(テープ剤の製造方法)本発明の経皮吸収
型消炎鎮痛用テープ剤は、非ステロイド系消炎鎮痛
薬、エステル系有機溶剤、及びl−メントール及びハッ
カ油からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶解補助
剤を含む薬物溶液を調製する工程、該薬物溶液、経皮
吸収促進剤、及び粘着剤溶液を混合して粘着剤組成物溶
液を調製する工程、次いで該粘着剤組成物溶液を剥離
材または柔軟な支持体の片面に塗布し、乾燥する工程を
含む各工程により製造することが好ましい。エステル系
有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソ
プロピルなどの低沸点のエステル系有機溶剤が好まし
く、酢酸エチルが特に好ましい。エステル系有機溶剤
は、溶解補助剤のl−メントール及び/またはハッカ油
と併用して、フェルビナクなどの非ステロイド系消炎鎮
痛薬の所定量を均一に溶解するに足る量比で使用する。
【0029】具体的には、粘着剤溶液と薬物溶液をそれ
ぞれ調製し、次いで、これらを混合して混合溶液を調製
し、支持体上に塗工する。例えば、エラストマー成分と
してSISを用いたゴム系粘着剤の場合、SIS、粘着
付与剤、IRなどの粘着剤を構成する各成分をトルエ
ン、酢酸エチル、ヘキサンなどの溶剤に添加して粘着剤
溶液を調製する。一方、フェルビナクなどの非ステロイ
ド系消炎鎮痛薬、l−メントール及び/またはハッカ
油、及び酢酸エチルなどのエステル系有機溶剤を混合し
て、薬物溶液を調製する。薬物溶液を調製する場合、l
−メントール及び/またはハッカ油の配合割合は、後の
乾燥工程で、これらがエステル系有機溶剤とともにかな
りの量比で揮散することを考慮して決定する。
【0030】次いで、粘着剤溶液に、薬物溶液と経皮吸
収促進剤を加えて混合し、均一な粘着剤組成物溶液を調
製する。この粘着剤組成物溶液は、柔軟な支持体の片面
に塗布し、乾燥する。このようにして形成された粘着剤
層の上には、薬物の揮散を防ぎ、かつ、粘着剤層を保護
するために、通常、剥離材が積層される。粘着剤組成物
溶液は、剥離材上に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し
た後、柔軟な支持体の片面に転写してもよい。剥離材と
しては、例えば、シリコーン処理されたポリエステルフ
ィルムなどが使用される。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、物性の測定法は、
次のとおりである。 (1)薬物放出量の測定 テープ剤を直径2cm2の円に打ち抜き、6週齢の雄性
へアレスラット摘出皮膚の角質側表面に貼付し、これを
拡散セルに装着した後、皮膚の真皮側に32℃の水を約
10ml充填する。テープ剤を皮膚に装着してから10
時間後に水を0.2ml採取し、水中の薬物濃度を高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することに
より、含有薬物の皮膚透過量値(μg/cm2)を得
た。 (2)粘着性の測定 JIS Z0237の傾斜式ボールタック法に従って、
ボールナンバーを測定した。
【0032】[実施例1]スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(カリフレックスTR−110
7、シェル化学製)40重量部、粘着付与剤(アルコン
P−100、荒川化学製)150重量部、及びイソプレ
ンゴム(LIR403、クラレ製)30重量部に、トル
エン100重量部、酢酸エチル100重量部、及びヘキ
サン150重量部を添加し、粘着剤溶液を調製した。一
方、フェルビナク、1−メントール、及び酢酸エチルを
混合して薬物溶液を調製した。粘着剤溶液に、薬物溶液
とオレイルアルコールを加え、室温で30分間撹拌し
て、粘着剤組成物溶液を調製した。表1に、SIS系粘
着剤(固形分)80重量部に対する各成分の使用割合を
示す。このようにして得られた粘着剤組成物溶液を、シ
リコーン処理が施されたポリエステルフィルム上に延展
した後、120℃で1分間乾燥し、室温まで冷却後、ポ
リエチレンフィルムへ粘着剤層を転写させることによ
り、粘着剤層の厚みが50μmであるテープ剤を得た。
このテープ剤の薬物透過量及びボールタックの測定結果
を表1に示す。
【0033】[実施例2〜5、比較例1〜6]表1に示
す配合処方に変えたこと以外は、実施例1と同様にして
テープ剤を作成した。物性の測定結果を表1に示す。な
お、酢酸エチルは、乾燥工程で殆ど全て揮散し、l−メ
ントール及びハッカ油は、揮散により約5分の1の含有
量となった。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、l−メン
トールまたはハッカ油と経皮吸収促進剤の系では、薬物
透過量が多く、粘着性(ボールタック)も良好である
(実施例1〜5)。これに対して、経皮吸収促進剤のみ
では、薬物の溶解性に劣り、薬物が析出する(比較例
1)。l−メントール及び経皮吸収促進剤が共に存在し
ない場合(比較例2)にも薬物が析出する。溶解補助剤
としてクロタミトンを用いた場合(比較例3)、及びク
ロタミトンと経皮吸収促進剤とを併用した場合(比較例
4)には、薬物が析出し、しかも薬物透過量も不十分で
ある。l−メントールのみを用いた場合(比較例5)に
は、薬物透過性に劣る。薬物が完全に解けるまでクロタ
ミトンの使用割合を増やした場合(比較例6)には、粘
着性が低下し、薬物透過量も十分ではない。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、粘着剤中に難溶性のフ
ェルビナクなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬を溶解状態
で安定に保持することができ、薬物の経皮吸収性に優
れ、しかも十分な粘着性を有する経皮吸収型消炎鎮痛用
テープ剤、及びその製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/12 A61K 47/12 E 47/14 47/14 E (72)発明者 北崎 寧昭 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチバ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟な支持体の片面に消炎鎮痛薬を含有
    する粘着剤層が設けられた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ
    剤において、該粘着剤層が、(a)粘着剤、(b)非ス
    テロイド系消炎鎮痛薬、(c)l−メントール及びハッ
    カ油からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶解補助
    剤、及び(d)経皮吸収促進剤を必須成分として含有す
    ることを特徴とする経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤。
  2. 【請求項2】 該粘着剤(a)が、エラストマー成分と
    してスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
    を含有するゴム系粘着剤である請求項1記載の経皮吸収
    型消炎鎮痛用テープ剤。
  3. 【請求項3】 該非ステロイド系消炎鎮痛薬(b)が、
    フェルビナクである請求項1または2記載の経皮吸収型
    消炎鎮痛用テープ剤。
  4. 【請求項4】 該経皮吸収促進剤(d)が、オレイルア
    ルコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アジピン酸ジイ
    ソプロピル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
    タン、リノール酸、オレイン酸、及びリノレン酸からな
    る群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の経皮吸収型消炎鎮痛
    用テープ剤。
  5. 【請求項5】 柔軟な支持体の片面に消炎鎮痛薬を含有
    する粘着剤層が設けられた経皮吸収型消炎鎮痛用テープ
    剤の製造方法において、非ステロイド系消炎鎮痛薬、
    エステル系有機溶剤、及びl−メントール及びハッカ油
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶解補助剤を
    含む薬物溶液を調製する工程、該薬物溶液、経皮吸収
    促進剤、及び粘着剤溶液を混合して粘着剤組成物溶液を
    調製する工程、次いで該粘着剤組成物溶液を剥離材ま
    たは柔軟な支持体の片面に塗布し、乾燥する工程を含む
    ことを特徴とする経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 該非ステロイド系消炎鎮痛薬が、フェル
    ビナクである請求項5記載の経皮吸収型消炎鎮痛用テー
    プ剤製造方法。
  7. 【請求項7】 該粘着剤が、エラストマー成分としてス
    チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有
    するゴム系粘着剤である請求項5または6項に記載の経
    皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤製造方法。
  8. 【請求項8】 該経皮吸収促進剤が、オレイルアルコー
    ル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロ
    ピル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、
    リノール酸、オレイン酸、及びリノレン酸からなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項5ない
    し7のいずれか1項に記載の経皮吸収型消炎鎮痛用テー
    プ剤の製造方法。
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