JPH10225709A - タンデム圧延機及び板材の圧延方法 - Google Patents

タンデム圧延機及び板材の圧延方法

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JPH10225709A
JPH10225709A JP9033508A JP3350897A JPH10225709A JP H10225709 A JPH10225709 A JP H10225709A JP 9033508 A JP9033508 A JP 9033508A JP 3350897 A JP3350897 A JP 3350897A JP H10225709 A JPH10225709 A JP H10225709A
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JP
Japan
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shift
amount
edge drop
cross
rolling
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Application number
JP9033508A
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English (en)
Inventor
Junichi Tateno
純一 舘野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Hisao Imai
久雄 今井
Toshihiro Kaneko
智弘 金子
Yasuhiro Yamada
恭裕 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Priority to US08/895,609 priority patent/US5875663A/en
Priority to MYPI97003223A priority patent/MY134084A/en
Priority to DE69731008T priority patent/DE69731008T2/de
Priority to EP97112148A priority patent/EP0819481B1/en
Priority to CA002210825A priority patent/CA2210825A1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の板厚プロフィルの被圧延材に対して、
エッジドロップを確実に低減し、幅方向全体に亘って均
一な板厚に圧延する。 【解決手段】 タンデム圧延機において、第1スタンド
に、ロール端部にテーパが付けられたワークロールを軸
方向にシフトするシフト操作装置12及び上下ワークロ
ールをクロスするクロス操作装置14を備えたシフト・
クロス圧延機を設置すると共に、被圧延材のエッジドロ
ップを修正するシフト量及びクロス角度を、母板プロフ
ィル検出値及びその目標値とに基づいて求めると共に、
求めたこれらシフト量及びクロス角度をそれぞれ前記シ
フト操作装置12及びクロス操作装置14にそれぞれ出
力して、前記シフト量にワークロールをシフトし、前記
クロス角度に上下ワークロールをクロスする制御装置2
0を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材を圧延する
際、特に冷間圧延等において鋼板等の板材を圧延する
際、エッジドロップを改善し、幅方向の板厚分布を全体
に亘って均一にすることができる、タンデム圧延機及び
板材の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延中の板材(被圧延材)に生じる幅方
向の板厚偏差のうち、特に幅方向の両端部における急激
な板厚減少はエッジドロップと呼ばれている。圧延によ
り、幅方向の板厚分布を均一にして良好な被圧延材を得
るためには、このエッジドロップを低減させる必要があ
る。
【0003】このような板材に生じるエッジドロップを
低減する制御方法のひとつとして、従来よりロールの片
側端部にテーパを付与したワークロール(以下、WRと
略記することもある)を、その軸方向にシフトする方法
が用いられている。
【0004】例えば、特公平2−34241には、圧延
機の入側における母板の板厚プロフィル(幅方向板厚分
布)と、上下ワークロール間のロールギャップ分布及び
該ロールギャップ分布の被圧延材への転写率から、圧延
機出側の板厚プロフィルを推定し、この推定値と目標板
厚プロフィルとを照合して、両者の差が最小となる位置
にワークロールをシフトする方法が開示されている。
【0005】又、同様の制御方法として、特公平2−4
364には、エッジドロップを改善するために一対のワ
ークロールのそれぞれが少なくとも片側端部に先細り研
削を施したテーパ部を備えた形状とし、圧延時にはこの
テーパ部を被圧延材の両側端部に位置させ、該両側端部
におけるロールギャップの幾何学的形状を改良すること
によってエッジドロップの軽減を図る技術が開示されて
いる。又、同公報には、この技術を冷間タンデム圧延機
列に適用する場合の例として、少なくとも第1スタンド
に当該テーパ部を備えたワークロールを組み込んだ圧延
機配列が開示されている。
【0006】又、文献「板クラウン・エッジドロップ制
御特性」(第45回塑性加工連合講演会予稿集,P40
3−406,1994)には、上下のワークロールをそ
れぞれの側のバックアップロールと共にクロスすること
により、上下のワークロール間に幅方向中央から板端に
向かって生じる放物線状のロールギャップによって板厚
プロフィル(幅方向板厚分布)を均一にする効果がある
ことが開示されている。
【0007】又、上下ワークロールについてロールクロ
スとロールシフトを組み合わせた技術として、例えば特
開昭57−206503には、所定の角度に交差する上
部ロール群と下部ロール群からなるロールクロス式圧延
機において、両ロール群中のワークロールにおける圧延
材に対する相対位置をロール軸方向に移動させることに
より、ワークロールの摩耗を均一化し、ロール研磨の頻
度を減らし、ロール原単位の改善を図る技術が開示され
ている。
【0008】又、特開平5−185125には、コイル
の溶接点(板継点)通過に伴う走間設定変更時に、ロー
ルクロス角を変更する過程で生じる板形状の不良域を低
減するため、ロールクロス角の変更タイミングに合わせ
て、ロールシフトとワークロールベンド力を操作する方
法が開示されている。この方法では、コイルの溶接点に
おいて圧延条件が大きく変わる際に、板形状を良好に保
つことを目的としてロールクロス角の設定変更開始か
ら、その変更終了までの間のロールクロス角設定の過渡
状態において、ワークロールのシフト量を変更すると共
に、先行コイルに対するロールクロス角とワークロール
ベンド力の関係を示す最適曲線上のロールクロス角及び
ワークロールベンド力から、後行コイルに対するロール
クロス角とワークロールベンド力の関係を示す最適曲線
上のロールクロス角及びワークロールベンド力へ最短時
間で変更できるように、ワークロールベンド力を最適パ
ターンに従って変更している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平2−4364や特公平2−34241で開示されて
いる技術には、ワークロールのテーパは圧延前に研磨で
付与されるものであり、圧延中にテーパの量や形状等を
変更することは不可能である。又、通常、ワークロール
は圧延材(コイル)1本毎に交換するものではなく、数
十本の圧延に供されるものである。そのため、数十本あ
るコイルの連続圧延において、ワークロールに付与する
テーパ量を大きくした場合には、母板のエッジドロップ
が大きい圧延材に対しては有効であるが、母板のエッジ
ドロップが小さい圧延材に対しては、板端部内側近傍に
板厚が過厚となる部分が生じてしまうものがあり、又、
逆に上記テーパ量を小さくした場合には、母板のエッジ
ドロップが小さい圧延材に対しては有効であるが、母板
のエッジドロップが大きい圧延材に対してはそれを十分
に改善することができないものがあり、結果として全て
のコイルについてエッジドロップを改善して幅方向全体
に均一な板厚プロフィルが得られないという問題が生じ
る。
【0010】又、前記文献「板クラウン・エッジドロッ
プ制御特性」に開示されている方法では、板幅中央から
板端に向かって生じる放物線状のロールギャップは緩や
かに広がっていくため、いわゆるボディクラウン(板ク
ラウン)を改善する効果はあるが、板幅端部での板厚偏
差であるエッジドロップを低減する効果はないという問
題がある。
【0011】又、前記特公昭57−206503は、ワ
ークロールの偏摩耗の防止を目的としているもので、こ
れにより直接エッジドロップを制御することはできな
い。又、前記特公平5−185125に記載された方法
は、クロス角変更の過渡期間における板形状の悪化を防
止することを目的とするもので、エッジドロップについ
ては前記特公平2−4364等に開示されている従来の
技術以上の改善効果を期待することはできないという問
題がある。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、特に冷間圧延では熱間圧延工程で発
生した種々の板厚プロフィルの被圧延材に対して、板材
の幅方向の両端部に生じる急激な板厚減小であるエッジ
ドロップを確実に低減でき、幅方向全体に亘って均一な
板厚に圧延することができる、板材の圧延機及び板材の
圧延方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
スタンドの圧延機が配設されているタンデム圧延機にお
いて、少なくとも第1スタンドに、ロールの片側端部に
テーパが付けられたワークロールを軸方向にシフトする
シフト機構及び上下ワークロールをクロスするクロス機
構を備えたシフト・クロス圧延機が設置されていると共
に、被圧延材のエッジドロップ量を修正するために必要
な操作量としてシフト量及びクロス角度を求め、求めた
シフト量及びクロス角度をそれぞれ前記シフト機構及び
前記クロス機構に出力して、前記シフト量にワークロー
ルをシフトし、前記クロス角度に上下ワークロールをク
ロスする制御手段を備えたことことにより、前記課題を
解決したものである。
【0014】請求項2の発明は、前記タンデム圧延機に
おいて、エッジドロップ量を目標値まで修正するのに必
要となるエッジドロップ修正量を算出し、前記制御手段
が、シフト量、クロス角度、及びこれら操作量に対応す
るエッジドロップ修正量の3つの関係に基づいて、前記
被圧延材のエッジドロップを修正するために必要なシフ
ト量とクロス角度を求めるようにしたものである。
【0015】請求項3の発明は、前記タンデム圧延機に
おいて、エッジドロップ量を目標値まで修正するのに必
要となるエッジドロップ修正量を算出し、前記制御手段
が、予め定めたクロス角度と転写率との関係に関するデ
ータを保持し、シフト量、転写率、及び前記操作量に対
応するエッジドロップ修正量の関係に基づいて、前記必
要となるエッジドロップ修正量が得られるシフト量と転
写率とを求め、且つ、前記クロス角度と転写率との関係
に基づいて、求めた前記転写率が得られるクロス角度を
求めるようにしたものである。
【0016】請求項4の発明は、前記請求項1、2又は
3に記載のタンデム圧延機を用いて被圧延材を圧延する
板材の圧延方法により、同様に前記課題を解決したもの
である。
【0017】請求項5の発明は、上記板材の圧延方法に
おいて、エッジドロップ量を、被圧延材の幅方向の片側
につき、少なくとも2点で測定するようにしたものであ
る。
【0018】まず、ここで本発明で使用するロールの片
側端部にテーパを付与した上下ワークロールについての
シフトとクロスの概念を、図1〜図3を用いて明確にし
ておく。
【0019】上記シフトは、図1に圧延機を正面から見
た状態を概念的に示したように、上下ワークロールで点
対称なロール端の片側端部にテーパを付与したワークロ
ールをその軸方向に上下で逆方向に移動させる操作で、
シフト量はその移動量であり、具体的には上ロールの片
側端部近傍を拡大した図2に示すように、被圧延材Sの
板端からテーパ始端部Eまでの距離Xである。又、ロー
ルのテーパ量は、図2においてEH/ELと定義する。
【0020】又、上記クロスは、図3に圧延機を上から
見た状態を概念的に示したように、上下両ワークロール
を互いに交差させる操作で、クロス角度θは両ワークロ
ールの軸の成す角度の1/2である。
【0021】本発明者等は、ロールの片側端部にテーパ
を付与したワークロール(片テーパWR)の軸方向のシ
フト位置を調整して行う圧延(以下、片テーパWRシフ
ト圧延ともいう)において、上下ワークロールを所定量
クロスさせて圧延を行い、鋭意検討した結果、上下ワー
クロールを所定量クロスさせると、(1)式で表される
転写率が変わることを実験的に見いだし、本発明を完成
させたものである。
【0022】 転写率=(エッジドロップ修正量/ロールギャップ変化量)×100% …(1)
【0023】ここで、上記転写率について説明すると、
ロールギャップは無負荷時における上ロールと下ロール
との間隔であって、ワークロールの幅方向中心を基準値
としており、ロールギャップ変化量は、クロス角度を一
定にしておいて、シフト量を0mmから所定量に変化さ
せた場合のロールギャップの変化量である。
【0024】このロールギャップ変化量を、例えば、ロ
ールギャップとシフト量(板端部からの距離)との関係
を概念的に示した図4を用いて説明する。クロス角度が
0°で、シフト量が0mmのロールギャップは常に零で
あるから、クロス角度が0°で、シフト量を0mmから
50mmに移動した場合のロールギャップ変化量は、板
端からの距離25mmにおいて、図4のイで示される。
同様に、クロス角度がθ1では、シフト量が0mmのロ
ールギャップが破線に当るとすると、50mmに移動し
た場合のロールギャップ変化量は、同図のロで示され
る。
【0025】又、エッジドロップ修正量は、所定のクロ
ス角度において、シフト量0mmのロールで圧延した場
合のエッジドロップ量と、シフトが所定量のロールで圧
延した場合のエッジドロップ量との差である。ここで、
エッジドロップ量とは、板端部での幅方向板厚偏差であ
り、例えば板端部100mm位置等の板端部でのある基
準位置における板厚との偏差で定義される。
【0026】即ち、前記(1)式の転写率は、クロス角
度をある値にした場合に、片テーパWRをシフト0mm
から所定量だけ移動したときの、ロールギャップ変化量
に対する、それぞれのシフト量の片テーパWRで圧延し
た後の板材のエッジドロップ変化量である。
【0027】図5は、上下ワークロールを所定量クロス
させると、(1)式で表される転写率が変わる一例を示
した線図であり、ブリキ用鋼板の圧延において、テーパ
量1/300の片テーパWRを用いて、そのクロス角を
0から0.1°間隔で0.5°まで変え、それぞれのク
ロス角度において、該ワークロールのシフト量を50m
mとしたときの、横軸に示す板端からの各距離の点にお
ける転写率を示したものである。なお、この図5にはシ
フト量が30mmでクロス角が0.2°の場合の転写率
を破線で併記した。
【0028】この図より、同一のテーパ量のワークロー
ルにも拘らず、クロス角を大きくすると、板端から距離
50mmの点を除いて転写率が大きくなることが判る。
【0029】このように転写率が変化する理由は、片テ
ーパWRシフトにクロスを併用して圧延(以下、片テー
パWRシフト・クロス併用圧延ともいう)することによ
り、片テーパWRシフト単独に比べてテーパ部の傾きが
急峻になって、板端部での圧延荷重が減少すると共に、
板端部での張力が増大して材料がロールギャップにより
充満するような作用があるためと考えられる。なお、ワ
ークロールのシフト量を変化させても、クロス角度が同
一であれば、転写率は板端からの距離がシフト量と一致
している近傍を除くと、図5にクロス角が0.2°の場
合について、シフト量30mmについても併せて示した
ように、シフト量50mmの値とほぼ同じで、シフト量
に無関係であった。
【0030】以上詳述した如く、片テーパWRシフトに
クロスを併用することによって、同一のテーパ量のワー
クロールでも転写率が可変となり、テーパ量の大きさを
可変にすることと実質上同等の効果が得られることが明
らかになった。
【0031】本発明は、上記知見によりなされたもの
で、片テーパWRシフトにクロスを併用する圧延によっ
てエッジドロップの改善を図ることにした。
【0032】本発明が有効な理由を更に詳述すると、一
般に、被圧延材の板厚プロフィルが、板端部において急
激に板厚が薄くなるエッジドロップがある被圧延材の場
合には、通常のフラットロールで圧延すると図6に符号
601で示すような板厚プロフィール(上側)になる
が、これをフラットロールのクロス圧延でエッジドロッ
プを改善しようとしても、符号602で示すような板厚
プロフィルにしかならず、エッジドロップの改善は不十
分である。このような被圧延材の場合でも、片テーパW
Rシフト圧延によれば、フラットロールのクロス圧延に
比べて板端部のエッジドロップの改善効果が大きいた
め、符号603で示すような良好な板厚プロフィルを得
ることができる。従って、ワークロールのテーパ量がエ
ッジドロップ量に対して適切な場合には、片テーパWR
シフト圧延が有効である。
【0033】ところが、板端部での板厚減少が極めて大
きい種類の被圧延材の場合には、通常のフラットロール
で圧延したのでは図7に符号701で示すような極端に
エッジ部の板厚が小さい板厚プロフィルになるため、こ
れを上記図6の場合と同じテーパ量のワークロールを用
いる片テーパWRシフト圧延によって所望のエッジドロ
ップに改善しようとすると、勢いそのシフト量を大きく
する必要があり、この場合は符号702で示すような内
側に過厚部が生じる板厚プロフィルとなってしまう。こ
の現象は、ワークロールのテーパ量が小さい場合には、
シフト量を更に大きくする必要があるため、一段と顕著
になる。
【0034】このようにエッジドロップが極めて大きい
被圧延材に対しても、本発明の片テーパWRシフト・ク
ロス併用圧延によれば、クロス角度を大きくすると転写
率が増大するため、シフト量を大きくすることなく、板
端部におけるエッジドロップの改善効果を増大できるの
で、符号703で示すような過厚部の発生がない板厚プ
ロフィルを得ることができる。従って、本発明は極端に
エッジドロップが大きい被圧延材に対しても極めて有効
である。
【0035】上記片テーパWRシフト・クロス併用圧延
でシフト量及びクロス角の設定を行う場合は、クロス角
毎にワークロールのテーパ量により決まるロールギャッ
プ変化量に対するエッジドロップ変化量を転写率として
予め求めておき、エッジドロップの修正に必要なクロス
角及びシフト量の設定を行う。これら操作量の設定は、
過去の実績に基づいて被圧延材毎のエッジドロップ量と
最適なシフト量及びクロス角度との関係を解析し、それ
を予めテーブル化又はモデル式化しておき、この関係に
基づいて行うようにしてもよい。その際、圧延荷重や張
力等の圧延条件は、エッジドロップの改善特性に影響を
与え得る因子であるため、これら圧延条件を考慮するよ
うにしてもよく、この場合、より正確なクロス角及びシ
フト量の設定が可能となり、エッジドロップの修正の精
度向上を図ることができる。
【0036】以上説明したように、本発明では、片テー
パWRシフト圧延において、上下ワークロールをクロス
させることにより転写率が変化する性質を利用し、圧延
前の板厚プロフィル及び目標エッジドロップ量に応じ
て、最適な転写率となるロールクロス角を選択して設定
すると共に、そのクロス角での転写率の下で適切なロー
ルシフト量を設定するようにしたので、エッジドロップ
を改善して幅方向に均一な板厚プロフィルを得ることが
可能となった。
【0037】又、前記片テーパWRシフト・クロス併用
圧延による優れたエッジドロップの改善特性を利用し、
圧延前の板厚プロフィルに応じて最適なエッジドロップ
制御が可能となったので、種々の被圧延材に対して、エ
ッジドロップを改善し、幅方向に均一な板厚プロフィル
を得ることが可能になった。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0039】図8は、本発明に係る第1実施形態のタン
デム圧延機(圧延設備)の概略構成を示す、ブロック図
を含む側面図である。
【0040】本実施形態で用いられる圧延設備は、第1
スタンドにおいてロール片側端部にテーパが付けられた
ワークロールをシフトするシフト機構、及びその上下ワ
ークロールをクロスするクロス機構を備えた圧延機(以
下、単にシフト・クロス圧延機ともいう)が設置され
た、全体で6スタンドからなる冷間タンデム式圧延機で
ある。
【0041】上記タンデム式圧延機では、第1スタンド
の上記ワークロール10を所定位置にシストするシフト
操作装置12、上下ワークロールを所定角度にクロスす
るクロス操作装置14と、これら各操作装置12、14
に制御信号を出力する第1スタンド制御装置20とを備
えている。
【0042】この制御装置20は、前工程の熱間圧延機
(図示せず)の出側に設置されている母板板厚プロフィ
ル検出装置16で測定された圧延前の母板板厚プロフィ
ルの情報と、板厚プロフィル目標値設定装置18で設定
された冷間圧延後の目標値とが入力されると、第1スタ
ンドの操作量であるシフト量及びクロス角度を算出し、
これらシフト量とクロス角度をそれぞれ上記各操作装置
12、14に出力し、上記ワークロール10を所定のシ
フト量とクロス角度に制御するようになっている。
【0043】そして、この制御装置20では、予め定め
たクロス角度と転写率との関係に関するデータを保持
し、シフト量、転写率、及び前記操作量に対応するエッ
ジドロップ修正量の関係、並びに前記クロス角度と転写
率との関係に基づいて、前記被圧延材のエッジドロップ
を修正するシフト量とクロス角度を求めるようになって
いる。
【0044】本実施形態では、第1スタンドのシフト・
クロス圧延機がワークロール及びバックアップロールか
らなる4段圧延機であり、これを図9(A)に模式的に
拡大して示した。前述した如くこの上下ワークロール1
0には、図示は省略するが、互いに反対側のロール片側
端部にテーパが付与されており、これら上下ワークロー
ル10はそれぞれ上下方向からバックアップロール22
により支持され、上下ワークロールのみがクロスするよ
うになっている。
【0045】又、この第1スタンドの圧延機では、図9
(B)に1つのワークロール10について概略を示した
シフト装置22及びクロス装置24を備えており、これ
らが前記シフト操作装置12及びクロス操作装置14に
より操作されてワークロール10をシフトしたりクロス
したりするようになっている。
【0046】このシフト装置22の駆動系は油圧モー
タ、電動モータ等いずれで構成されていてもよい。又、
クロス装置24は、WRチョックの入出側で、押し出し
又は引き込みにより該チョックを移動させることにより
上下のワークロール10をクロスさせるようになってい
るが、このとき、ワークロール単独でクロスさせること
も、バックアップロールとペアにしてクロスさせること
もできるようになっている。
【0047】本実施形態では、被圧延材は圧延後に酸洗
した板幅900mmのブリキ用鋼板を、テーパ量1/3
00のワークロールで圧延した。
【0048】次に、前記圧延設備を用いて上記鋼板を圧
延した場合の効果を図10を用いて説明する。
【0049】この図10において符号1001はテーパ
のないフラットロールで上記鋼板を圧延したときの板端
部における板厚プロフィルを示している。この鋼板を、
板端から10mm位置で、目標エッジドロップ量を0〜
5μmとする従来の片テーパWRシフト圧延によって、
板端から10mm位置の制御点でエッジドロップの改善
を図るには、シフト量は45mm必要であった。なお、
このシフト量45mmの求め方は、便宜上後述する。
【0050】そこで、実際にシフト量45mmでの片テ
ーパWRシフト圧延を行った場合の板厚プロフィルを符
号1002で示す。この場合は、上記制御点では所望の
エッジドロップの改善が図られているが、制御点より内
側の20〜30mm位置近傍では過厚部が生じてしま
い、均一な板厚プロフィルは得られなかった。又、従来
のWRクロスのみでは、安定した通板ができる最大角度
である1.0°までクロス角を大きくとった場合でも、
その板厚プロフィルを符号1003で示すように、十分
なエッジドロップの改善は得られなかった。
【0051】次に、本実施形態により、同一の鋼板につ
いて、板端から10mm及び25mmの各位置での目標
エッジドロップ量を0〜5μmとして圧延した場合につ
いて説明する。本実施形態では、前記圧延機により板材
を圧延する際に設定する片テーパWRのシフト量とクロ
ス角度を次のように決定する。
【0052】即ち、クロス角度と転写率との関係を、例
えば前記図5に示したように予め定めておくと共に、シ
フト量、転写率、及び前記操作量に対応するエッジドロ
ップ修正量の関係に基づいて、前記必要となるエッジド
ロップ修正量が得られるシフト量と転写率とを求め、且
つ、前記クロス角度と転写率との関係に基づいて、求め
た前記転写率が得られるクロス角度を求める。
【0053】そして、このように求められた上記シフト
量に前記ワークロールをシフトし、上記クロス角度に上
下ワークロールをクロスする制御を行う。
【0054】これを詳述すると、板端からYmm位置に
おいて、圧延後の板材を目標エッジドロップ量とするに
必要なエッジドロップ修正量は、目標エッジドロップ量
から通常ロールで圧延した場合のエッジドロップ量を差
引いた偏差で与える。
【0055】必要なエッジドロップ修正量は、ロールギ
ャップ変化量×転写率=エッジドロップ修正量という関
係があるので、エッジドロップ修正に必要なロールギャ
ップ変化量は必要なロールギャップ変化量=必要なエッ
ジドロップ修正量/転写率で表わされる。
【0056】そこで、前記(1)式のエッジドロップ修
正量の項に前記必要なエッジドロップ修正量を代入し、
板端から10mm位置のエッジドロップ修正量ED10、
板端から25mm位置のエッジドロップ修正量ED25と
すると、ロールギャップ変化量G、転写率R及びエッジ
ドロップ修正量EDとの関係は、ロールギャップ変化量
Gが、ワークロールのテーパ量が決定されているのでシ
フト量Xのみで決まり、転写率Rがシフト量Xに依存せ
ずにクロス角度θで決まることから、下記(2)式、
(3)式の関係で表される。
【0057】 ED10=G10(X)・R10(θ) …(2) ED25=G25(X)・R25(θ) …(3)
【0058】上記を満たすクロス角度θ及びシフト量X
を前記図5に基づいて決定する。
【0059】次に、エッジドロップを修正するために好
適な上記シフト量とクロス角度の決定方法を、前記図2
を参照して具体的に説明する。
【0060】前記図2には、ワークロールと板材Sとの
関係を模式的に示したように、シフト位置X(mm)と
した場合の、板端からYmmの位置におけるロールギャ
ップ変化量Gy(μm)は、板端から10mmにおいて
は、 G10=(1/300)×(X−10)×1000 …(4) 10≦X 板端から25mm位置においては、 G25=(1/300)×(X−25)×1000 …(5) 25≦X である。なお、上記(4)、(5)式で×1000は、
単位をμmにするための係数である。
【0061】又、フラットロール圧延の場合の板端から
10mm位置のエッジドロップ修正量は前記図10から
33μmであり、板端から25mm位置のエッジドロッ
プ修正量は同じく前記図10から10μmであることか
ら、上記ロールギャップG10、G25のとき、板端からY
mm位置におけるエッジドロップを修正するために必要
となる転写率Ryは、板端から10mm位置において
は、 R10=33/G10 …(6) 板端から25mm位置においては、 R25=10/G25 …(7) となる。
【0062】上記(4)〜(7)式の関係から、板端か
らの距離10mmと25mmの位置における転写率は、
シフト量Xが33mmにおいて、転写率が板端から10
mm位置で42%、板端から25mm位置で35%であ
り、シフト量が33mmより小さいと、転写率が上記値
より大きく、逆に33mmより大きくなると転写率が上
記値よりも小さくなる。
【0063】一方、予め定めておいた前記図5に示した
クロス角度に対する板端からの距離と転写率との関係か
ら、クロス角度を順次微小量ずつ増大して求めると、板
端からの距離10mmと25mm位置の転写率は次の表
1に示す関係となっている。
【0064】
【表1】
【0065】即ち、クロス角度が0.3°において、転
写率が板端から10mm位置で42%、板端から25m
m位置で35%であり、前記シフト量Xを33mmとし
た場合の転写率に一致している。従って、シフト量は3
3mm、クロス角度は0.3mmと決定される。
【0066】なお、前記従来の片テーパWRシフト圧延
のみでは、板端から10mm位置の板厚修正量は、同じ
く前記図10から33μmであり、転写率Ryは前記図
5に示したクロス角=0°の場合の値から28%である
から、板厚を修正するためのシフト位置X(mm)は、
次の(8)式から求めると、前記45mmが得られる。
【0067】 0.28=33/G10 …(8) G10=(1/300)×(X−10)×1000 10≦X
【0068】以上詳述した如く、本実施形態の片テーパ
WRシフト・クロス併用圧延においては、制御点で所望
のエッジドロップの改善を図り、且つ他の幅方向位置で
も均一な板厚プロフィルを得るためには、シフト量Xを
33mmとして、制御点(板端から10mm位置)にお
いて42%程度の転写率、板端から25mm位置におい
て35%程度の転写率が必要ことが判明した。
【0069】そこで、本実施形態では、前述した如く、
上記転写率に最も近い転写率として、前記図5よりクロ
ス角0.3°のときの転写率を選択することとし、この
クロス角0.3°においてシフト量を33mmとする片
テーパWRシフト・クロス併用圧延を行うことにより、
図10に符号1004で示すように、制御点より内側で
も過厚部が生じることなく、エッジドロップを改善して
均一な板厚プロフィルを得ることができた。
【0070】このように、本実施形態によれば、従来の
片テーパWRシフト圧延や単なるクロス圧延では不可能
であったエッジドロップの改善を図ることができるよう
になり、その結果、幅方向全体に亘って均一な板プロフ
ィルを得ることが可能となった。
【0071】次に、本発明に係る第2実施形態について
説明する。
【0072】本実施形態で用いられる圧延設備は、全体
図は省略するが、第1スタンドのシフト・クロス圧延機
としてワークロール、中間ロール及びバックアップロー
ルからなる6段圧延機が設置された、全体で5スタンド
の冷間タンデム式圧延機であり、又、前記図8に示した
母板板厚プロフィル検出装置16が圧延機入側に設置さ
れているようにした以外は、前記第1実施形態のと実質
的に同一である。
【0073】図11は、上記第1スタンドに設置された
本実施形態の特徴である6段圧延機を模式的に示したも
ので、上下ワークロール10は、前記第1実施形態と同
様にロールの片側端部にそれぞれテーパが付与され、し
かもこのワークロール10に対するシフト機構及びクロ
ス機構を備えていると共に、これら上下ワークロールは
中間ロール22及びバックアップロール20により、上
下それぞれの方向から支持されている。
【0074】本実施形態では、被圧延材は圧延後に酸洗
し、焼鈍した板幅1200mmのSUS用鋼板であり、
エッジドロップ制御点は板端から0mm位置、即ち板端
で、目標エッジドロップ量は0〜5μmとする。又、ワ
ークロールのテーパ量は1/400であり、転写率は前
記図12に示したものであった。
【0075】次に、前記圧延設備を用いて上記鋼板を圧
延した場合の効果を図13を用いて説明する。
【0076】この図13において符号1301はテーパ
のないフラットロールで上記鋼板を圧延したときの板端
部における板厚プロフィルを示している。この鋼板を、
従来の片テーパWRシフト圧延によって上記制御点でエ
ッジドロップの改善を図るには、詳細は省略するが、前
記第1実施形態の場合と同様に計算すると、シフト量を
45mmにする必要がある。
【0077】そこで、実際にシフト量45mmでの片テ
ーパWRシフト圧延を行った場合の板厚プロフィルを符
号1302で示す。この場合も、上記制御点では所望の
エッジドロップの改善が図られているが、制御点より内
側の10〜20mm位置近傍では過厚部が生じてしま
い、均一な板厚プロフィルは得られなかった。又、WR
クロスのみでは、安定した通板ができる最大角度である
1.0°までクロス角を大きくとった場合における板厚
プロフィルを符号1303で示すように、十分なエッジ
ドロップの改善は得られなかった。
【0078】次に、同一の鋼板に適用する本実施形態に
よる圧延について説明する。本実施形態の片テーパWR
シフト・クロス併用圧延においては、前記第1実施形態
の場合と同様の原理に従って計算したところ、制御点で
所望のエッジドロップの改善を図り、且つ他の幅方向位
置でも均一な板厚プロフィルを得るためには、シフト量
Xを22mmとして、制御点(板端から0mm位置)に
おいて50%程度の転写率、板端から15mm位置にお
いて40%程度の転写率が必要であることが判明した。
【0079】そこで、本実施形態では、前記転写率に最
も近い転写率として、前記図12よりクロス角0.5°
のときの転写率を選択することとし、このクロス角0.
5°においてシフト量を20mmとする片テーパWRシ
フト・クロス併用圧延を行うことにより、図13に符号
1304で示すように、制御点より内側でも過厚部が生
じることなく、均一な板厚プロフィルを得ることができ
た。
【0080】このように、本実施形態によれば、前記第
1実施形態の場合と同様に、従来の片テーパWRシフト
圧延や単なるクロス圧延では不可能であったエッジドロ
ップの改善を図ることができるようになり、その結果、
幅方向全体に亘って均一な板プロフィルを得ることが可
能となった。
【0081】次に、本発明に係る第3実施形態について
説明する。
【0082】本実施形態では、第1スタンドのシフト・
クロス圧延機がワークロール及びバックアップロールか
らなる4段圧延機であり、これを図14に模式的に示し
た。この上下ワークロール10には、同様に互いに反対
側のロール片側端部にテーパが付与されており、これら
上下ワークロールはそれぞれ上下方向からバックアップ
ロール22により支持されていると共に、これらワーク
ロールとバッアップロールは、一体となってクロスする
ようになっている以外は、前記第1実施形態の場合と実
質上同一である。
【0083】本実施形態では、被圧延材、エッジドロッ
プ制御点、目標エッジドロップ量、ワークロールのテー
パ量及び転写率も全て第1実施形態の場合と同一であ
る。
【0084】次に、前記圧延設備を用いて上記鋼板を圧
延した場合の効果を図15を用いて説明する。
【0085】この図15において符号1501と150
2は、それぞれ前記第1実施形態の図10に示した符号
1001と1002と同一であり、上記制御点では所望
のエッジドロップの改善が図られているが、制御点より
内側の20〜30mm位置近傍では過厚部が生じてしま
い、均一な板厚プロフィルは得られていない。又、WR
クロスのみでは、安定した通板ができる最大角度である
1.0°までクロス角を大きくとった場合における板厚
プロフィルを符号1503で示すように、エッジドロッ
プの改善は非常に小さかった。
【0086】次に、同一の鋼板に適用する本実施形態に
よる圧延について説明する。本実施形態の片テーパWR
シフト・クロス併用圧延においては、前記第1実施形態
と同様に制御点では所望のエッジドロップの改善を図
り、且つ他の位置でも均一な板厚プロフィルを得るため
に、シフト量33mmとして、制御点(板端から10m
m位置)において42%の転写率、板端から25mm位
置において35%程度の転写率が必要であることが判明
した。
【0087】そこで、本実施形態では、前記転写率に最
も近い転写率として、前記図5よりクロス角0.3°の
ときの転写率を選択することとし、このクロス角0.3
°においてシフト量を33mmとする片テーパWRシフ
ト・クロス併用圧延を行うことにより、図15に符号1
504で示すように、制御点より内側でも過厚部が生じ
ることなく、均一な板厚プロフィルを得ることができ
た。
【0088】このように、本実施形態によっても、従来
の片テーパWRシフト圧延や単なるクロス圧延では不可
能であったエッジドロップの改善を図ることができるよ
うになり、幅方向全体に亘って均一な板プロフィルを得
ることが可能となった。
【0089】次に、本発明に係る第4実施形態について
説明する。
【0090】本実施形態では、前記第1実施形態と同一
のタンデム圧延機、即ち第1スタンドに同一テーパ量の
ワークロールを備えた4段のシフト・クロス圧延機が設
置された6スタンドからなるタンデム圧延機を用いて、
下記圧延条件の下で圧延を行い、各圧延機(スタンド)
出側でエッジドロップ量を調べ、その結果を図16に示
した。又、比較例として第4スタンドにのみ、実質上同
一のシフト・クロス圧延機を配置したタンデム圧延機で
圧延した場合と、従来例として全スタンドがシフトもク
ロスもさせないフラットワークロールからなるタンデム
圧延機で圧延した場合とについても、同様に各圧延機出
側のエッジドロップ量を調べ、その結果を上記図16に
併記した。
【0091】(圧延条件)被圧延材は、いずれの場合も
前記第1実施形態と同様に板幅900mmのブリキ用鋼
板である。
【0092】(1)本実施形態方法(第1スタンドのみ
片テーパWRシフト・クロス圧延) テーパ量 1/300 シフト量 33mm クロス角度 0.3° (2)比較例(第4スタンドのみ片テーパWRシフト・
クロス圧延) テーパ量 1/300 シフト量 50mm クロス角度 0.5°
【0093】上記(1)、(2)のいずれの片テーパW
Rシフト・クロス圧延でも、エッジドロップ制御点は、
板端から10mmと25mmである。又、上記シフト量
とクロス角度は、板形状等の通板性を悪化させない範囲
で目標エッジドロップに近くなるように決めた。
【0094】母板及び各スタンド出側でのエッジドロッ
プ量を示した上記図16のグラフでは、符号1601が
従来例(全スタンドフラットロール圧延)の結果を、符
号1602が本実施形態方法(第1スタンドのみ片テー
パWRシフト・クロス圧延)の結果を、符号1603が
比較例(第4スタンドのみ片テーパWRシフト・クロス
圧延)の結果を、それぞれ示している。
【0095】この図16より、最終スタンド出側におい
て、エッジドロップが低減された幅方向に均一な板厚プ
ロフィールを得るためには、第1スタンドでエッジドロ
ップの改善を図ることが効果的であることが分かる。こ
れは、被圧延材の入側板厚が厚いほど、エッジドロップ
が板幅の内側から形成されるためと考えられる。
【0096】次に、本発明に係る第5実施形態について
説明する。
【0097】本実施形態のタンデム圧延機は、全5スタ
ンドからなる冷間タンデム圧延機であり、その第1、第
2及び第3の3スタンドに、それぞれワークロールのみ
をシフト・クロスする4段のシフト・クロス圧延機が配
置されている。
【0098】本実施形態では、このタンデム圧延機を用
いて、下記条件で圧延を行った。又、比較例1として、
第2、第3及び第4の3スタンドを、同じく4段のシフ
ト・クロス圧延機とした5スタンドからなるタンデム圧
延機により、比較例2として、最終の第5スタンドに6
段からなるシフト・クロス圧延機が配置されたタンデム
圧延機により、従来例として、全スタンドがシフトもク
ロスもしないフラットロールからなる5スタンドのタン
デム圧延機により、それぞれ圧延を行った。これら各タ
ンデム圧延機により圧延した場合の各圧延機(スタン
ド)出側の板幅から5mm位置でのエッジドロップ量
を、図17に示す。
【0099】(圧延条件)被圧延材は、いずれの場合も
熱間圧延後に酸洗、焼鈍した板幅1250mmのSUS
304鋼板である。
【0100】片テーパWRシフト・クロス圧延でのエッ
ジドロップ制御点は、板端から5mmと20mmであ
る。
【0101】 (1)本実施形態方法(3スタンド片テーパWRシフト・クロス圧延) テーパ量 シフト量 クロス角度 第1スタンド: 1/400, 42mm, 0.5° 第2スタンド: 1/400, 38mm, 0.4° 第3スタンド: 1/400, 35mm, 0.4° (2)比較例1(3スタンド片テーパWRシフト・クロス圧延) テーパ量 シフト量 クロス角度 第2スタンド: 1/400, 40mm, 0.5° 第3スタンド: 1/400, 35mm, 0.3° 第4スタンド: 1/400, 35mm, 0.3° (3)比較例2(最終スタンド片テーパWRシフト・クロス圧延) テーパ量 シフト量 クロス角度 第5スタンド: 1/400, 50mm, 0.5°
【0102】上記テーパ量は、鋼板の表面性状(光沢
等)に悪影響を与えず、エッジドロップ制御に有効な量
として決め、上記シフト量とクロス角度は、板形状等の
通板性を悪化させない範囲で、目標エッジドロップに近
付けるように決めた。
【0103】上記図17において、母板及び各スタンド
出側でのエッジドロップ量を示したグラフは、符号17
01が従来例(全スタンドフラットロール圧延)を、符
号1702が本実施形態方法(第1〜第3スタンドにて
片テーパWRシフト・クロス圧延)を、符号1703が
比較例2(第5スタンドに片テーパWRシフト・クロス
圧延)を、符号1704が比較例1(第2〜第4スタン
ドにて片テーパWRシフト・クロス圧延)を、それぞれ
示している。
【0104】最終スタンド出側においてエッジドロップ
が低減された、幅方向に均一な板厚プロフィールを得る
ためには、少なくとも第1スタンドを含むスタンドでシ
フト・クロス圧延機による圧延でエッジドロップ改善を
図ることが効果的であることが分かる。又、その際、第
1スタンドで片テーパWRシフト・クロス圧延としてい
ない比較例に比べ、本実施形態方法のように、第1〜第
3スタンドで片テーパWRシフト・クロス圧延した方が
エッジドロップの改善に有効であることも分かる。
【0105】これは、本実施形態においても、被圧延材
の入側板厚が厚いほどエッジドロップが、板幅の内側か
ら形成されるためと考えられる。
【0106】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0107】例えば、本発明は、エッジドロップ制御点
が、板端から35mm以上であっても適用できることは
言うまでもない。
【0108】又、本発明に適用できる圧延設備の具体的
構成は、前記実施形態に示したものに限定されない。
【0109】例えば、圧延機は4段や6段のものに限定
されず、2段圧延機等でもよく、スタンド数も実施形態
に示した6スタンドや5スタンドに限定されず単スタン
ドでも良く、任意である。
【0110】又、テーパ付ワークロールのシフト・クロ
ス機構を備えたスタンドは、第1スタンドに限られるも
のでなく、いずれのスタンドであってもよく、且つ単ス
タンドだけでなく複数スタンドに備えるようにしてもよ
い。
【0111】又、ワークロールはバックアップロールと
対になってクロスするペアクロス圧延機でもよい。
【0112】又、圧延対象とする板材は、鋼板に限られ
ずアルミニウム板、銅板等の他の金属板であってもよ
い。
【0113】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
種々の板厚プロフィルの被圧延材に対して、エッジドロ
ップを確実に低減でき、従来の圧延技術に比べて一層均
一な幅方向板厚分布を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークロールを概念的に示す正面図
【図2】ワークロールのシフト位置と板材との関係を示
す説明図
【図3】ワークロールのクロス角を示す平面図
【図4】シフトによるロールギャップ変化量を概念的に
示す説明図
【図5】ワークロールをシフトとクロスして圧延した場
合の転写率を示す線図
【図6】板端部での板厚減少が比較的大きい被圧延材の
エッジドロップの改善効果を示す線図
【図7】板端部での板厚減少が非常に大きい被圧延材の
エッジドロップの改善効果を示す線図
【図8】本発明に係る第1実施形態に適用する圧延設備
の概略構成を示す説明図
【図9】第1実施形態の4段圧延機を模式的に示す概略
側面図
【図10】第1実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【図11】本発明に係る第2実施形態の6段圧延機を模
式的に示す概略側面図
【図12】第2実施形態で圧延する対象のSUS鋼板の
転写率を示す線図
【図13】第2実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【図14】本発明に係る第3実施形態の4段圧延機を模
式的に示す概略側面図
【図15】第3実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【図16】第4実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【図17】第5実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【符号の説明】
10…ワークロール 12…シフト操作装置 14…クロス操作装置 16…母板プロフィル検出装置 18…板厚プロフィル目標値設定装置 20…制御装置 22…シフト装置 24…クロス装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21B 38/02 B21B 37/00 116J 116M (72)発明者 今井 久雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 恭裕 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数スタンドの圧延機が配設されているタ
    ンデム圧延機において、 少なくとも第1スタンドに、ロールの片側端部にテーパ
    が付けられたワークロールを軸方向にシフトするシフト
    機構及び上下ワークロールをクロスするクロス機構を備
    えたシフト・クロス圧延機が配置されていると共に、 被圧延材のエッジドロップ量を修正するために必要な操
    作量としてシフト量及びクロス角度を求め、 求めたシフト量及びクロス角度をそれぞれ前記シフト機
    構及び前記クロス機構に出力して、前記シフト量にワー
    クロールをシフトし、前記クロス角度に上下ワークロー
    ルをクロスする制御手段を備えたことを特徴とするタン
    デム圧延機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 エッジドロップ量を目標値まで修正するのに必要となる
    エッジドロップ修正量を算出し、 前記制御手段が、シフト量、クロス角度、及びこれら操
    作量に対応するエッジドロップ修正量の3つの関係に基
    づいて、前記被圧延材のエッジドロップを修正するため
    に必要なシフト量とクロス角度を求めることを特徴とす
    るタンデム圧延機。
  3. 【請求項3】請求項1において、 エッジドロップ量を目標値まで修正するのに必要となる
    エッジドロップ修正量を算出し、 前記制御手段が、予め定めたクロス角度と転写率との関
    係に関するデータを保持し、 シフト量、転写率、及び前記操作量に対応するエッジド
    ロップ修正量の関係に基づいて、前記必要となるエッジ
    ドロップ修正量が得られるシフト量と転写率とを求め、 且つ、前記クロス角度と転写率との関係に基づいて、求
    めた前記転写率が得られるクロス角度を求めることを特
    徴とするタンデム圧延機。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3に記載のタンデム圧延
    機を用いて被圧延材を圧延することを特徴とする板材の
    圧延方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、 エッジドロップ量を、被圧延材の幅方向の片側につき、
    少なくとも2点で測定することを特徴とする板材の圧延
    方法。
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