JPH10227145A - ブレースダンパ - Google Patents

ブレースダンパ

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JPH10227145A
JPH10227145A JP3229297A JP3229297A JPH10227145A JP H10227145 A JPH10227145 A JP H10227145A JP 3229297 A JP3229297 A JP 3229297A JP 3229297 A JP3229297 A JP 3229297A JP H10227145 A JPH10227145 A JP H10227145A
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JP
Japan
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damping force
generating means
brace
piston rod
force generating
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Pending
Application number
JP3229297A
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English (en)
Inventor
Koji Fukui
宏治 福井
Junji Hashimoto
純二 橋本
Akira Matsuno
亮 松野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は大地震のときの大きな振動だけでな
く比較的小さな微小振動も吸収できることを課題とす
る。 【解決手段】 ブレースダンパ9は、第1ブレース15
と、アダプタ16と、油圧ダンパ17と、第2ブレース
18とをねじにより結合させてなる。油圧ダンパ17
は、シリンダ23と、シリンダカバー24とを有し、シ
リンダ23の内部には油圧室25と、空気室26とが画
成され、油圧室25の両端に設けられた壁27,28に
はピストンロッド29が挿通される挿通孔27a,28
aが設けられている。ピストンロッド29が摺動開始し
た当初は、ピストン23が動作せず、ピストンロッド2
9のみが摩擦部材41に摺接しながら摩擦力により減速
される。このとき、ピストン23が停止したままピスト
ンロッド29が摺動して摩擦部材41との摩擦により振
動エネルギが吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレースダンパに係
り、特に構造物の建築現場で扱いやすいように構成され
たブレースダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】ビルや住宅等の構造物の耐震性を高める
手段として、柱や梁等の骨組み間に骨組を塑性変形させ
ようとするエネルギを吸収するため、骨組みの対角位置
に装架されるブレースにダンパを取り付けて大地震の振
動エネルギを吸収して骨組みを制振させる制振構造の開
発が進められている。
【0003】このような制振構造に用いられる従来のブ
レースダンパとしては、例えば特開平1−284638
号公報に開示された構成のものがある。この公報に記載
されたものは、ダンパがブレースとして取り付けられて
おり、ダンパのシリンダの端部が骨組みの一の角部に連
結され、シリンダ内を往復動するピストンに結合された
ピストンロッドの端部が骨組みの対角位置に形成された
角部に連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように構成されたブレースダンパでは、ブレース全体が
ダンパにより構成されているので、加工精度が要求され
るシリンダ及びピストンロッドをかなり長く(少なくと
も2〜3m程度)製作しなければならず、製作すること
が難しい。
【0005】また、ブレースダンパは、鉄骨により構成
された剛体に取り付けられているため、振幅が比較的小
さく、ピストンのストロークとしては約5〜10cm程
度あれば良いので、ブレース全体がダンパである必要が
ない。従って、ビルや住宅等の建築物の振動エネルギを
吸収するには、振幅が比較的小さいため、上記公報のも
よりもコンパクトな構成とすることができる。そのた
め、コンパクトな構成とされた小型ダンパの両端に鉄パ
イプを溶接し、鉄パイプの端部を骨組みの角部にボル
ト、ナット等の締結部材により締結することが考えられ
ている。
【0006】しかしながら、ダンパが有する減衰力は、
大地震のときの振動エネルギを吸収できるように設定さ
れているので、比較的小さい地震あるいは車両の通行に
よる交通振動が発生した場合、ダンパは小さい振動を吸
収することができないといった問題がある。そこで、本
発明は上記問題を解決したブレースダンパを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
の発明は、柱と梁とにより形成された空間内に所定角度
傾斜させて取り付けられるブレースにダンパを配設して
なるブレースダンパにおいて、前記ダンパは、減衰力の
異なる複数の減衰力発生手段を有し、該複数の減衰力発
生手段が入力された振幅の大きさに応じて選択的に作動
して振動エネルギを吸収することを特徴とするものであ
る。
【0008】従って、請求項1の発明によれば、減衰力
の異なる複数の減衰力発生手段を有するため、大地震だ
けでなく小地震や交通振動の振動エネルギも効果的に吸
収して地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振する
ことができる。また、請求項2の発明は、前記請求項1
記載のブレースダンパであって、前記複数の減衰力発生
手段は、摩擦力により減衰力を発生させる第1の減衰力
発生手段と、粘性流体の粘性抵抗力により減衰力を発生
させる第2の減衰力発生手段と、粘性流体を剪断して生
じる剪断力により減衰力を発生させる第3の減衰力発生
手段と、のうち少なくとも2つの減衰力発生手段を有す
ることを特徴とするものである。
【0009】従って、請求項2の発明によれば、種類の
異なる複数の減衰力発生手段のうち少なくとも2つの減
衰力発生手段を有するため、大地震だけでなく振幅の小
さい小地震や交通振動の振動エネルギも効果的に吸収し
て地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振すること
ができる。また、請求項3の発明は、前記請求項1記載
のブレースダンパであって、前記複数の減衰力発生手段
は、ピストンロッドの変位により減衰力を発生させる第
1の減衰力発生手段と、前記ピストンロッドとピストン
とが一体的に変位して減衰力を発生させる第2の減衰力
発生手段と、該ピストンロッドとピストンとの相対変位
により減衰力を発生させる第3の減衰力発生手段と、の
うち少なくとも2つの減衰力発生手段を有することを特
徴とするものである。
【0010】従って、請求項3の発明によれば、ピスト
ンロッドの変位量に応じて減衰力を発生させる複数の減
衰力発生手段のうち少なくとも2つの減衰力発生手段を
有するため、大地震だけでなく振幅の小さい小地震や交
通振動の振動エネルギも効果的に吸収して地震の大きさ
に係わらず構造物の振動を制振することができる。ま
た、請求項4の発明は、前記請求項1記載のブレースダ
ンパであって、前記複数の減衰力発生手段は、ピストン
ロッドの変位が所定以下のとき一の減衰力発生手段によ
り振動エネルギを吸収し、ピストンロッドの変位が所定
以上のとき一の減衰力発生手段及び他の減衰力発生手段
により振動エネルギを吸収することを特徴とするもので
ある。
【0011】従って、請求項4の発明によれば、複数の
減衰力発生手段のうちピストンロッドの変位量に応じた
一の減衰力発生手段が作動して減衰力が発生させるた
め、大地震だけでなく振幅の小さい小地震や交通振動の
振動エネルギも効果的に吸収して地震の大きさに係わら
ず構造物の振動を制振することができる。また、請求項
5の発明は、前記請求項1記載のブレースダンパであっ
て、前記複数の減衰力発生手段は、ピストンロッドの変
位が所定以下のとき減衰力の小さい一の減衰力発生手段
により振動エネルギを吸収し、ピストンロッドの変位が
所定以下のとき減衰力の大きい他の減衰力発生手段によ
り振動エネルギを吸収することを特徴とするものであ
る。
【0012】従って、請求項5の発明によれば、ピスト
ンロッドの変位量に応じて複数の減衰力発生手段が選択
的に切り換わることにより、大地震だけでなく振幅の小
さい小地震や交通振動の振動エネルギも効果的に吸収し
て地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の実施の
形態について説明する。図1は本発明になるブレースダ
ンパの一実施例が取り付けられた構造物の概略構成図で
ある。構造物1は、鉄骨を組み合わせた1階骨組み2の
上に鉄骨を組み合わせた2階骨組み3を積み重ねた鉄骨
構造であり、1階骨組み2の柱4(41 〜43 )は基礎
5(51 〜53 )に固定され、1階骨組み2の梁6は柱
4(41 〜43 )の上端間を横架するように締結されて
いる。そして、2階骨組み3の柱7(71 〜7 3 )は梁
6に締結され、2階骨組み3の梁8は柱7(71
3 )の上端間を横架するように締結されている。尚、
図1において、外壁パネルや内壁パネルや天井板等は省
略してある。
【0014】1階骨組み2の対角線上には、ブレースダ
ンパ9,10が取り付けられている。このブレースダン
パ9は、1階骨組み2の柱41 と梁6とにより形成され
た第1の角部11と、柱42 と基礎52 とにより形成さ
れた第2の角部12との間に装架されている。また、ブ
レースダンパ10は、1階骨組み2の柱42 と基礎5 2
とにより形成された第3の角部13と、柱43 と梁6と
により形成された第4の角部14との間に装架されてい
る。
【0015】ブレースダンパ9,10は、異なる対角方
向に延在するように取り付けられているので、例えばA
方向の変位が1階骨組み2に加えられると、ブレースダ
ンパ9には圧縮荷重が作用し、ブレースダンパ10には
引っ張り荷重が作用する。そして、B方向の変位が1階
骨組み2に加えられると、ブレースダンパ9には引っ張
り荷重が作用し、ブレースダンパ10には圧縮荷重が作
用する。
【0016】このように、ブレースダンパ9,10は、
交互に圧縮荷重または引っ張り荷重を吸収して1階骨組
み2の振動を減衰して1階骨組み2の上部に設けられた
2階骨組み3に伝搬した振動が増幅することを防止す
る。ここで、上記ブレースダンパ9,10の構成につい
て説明する。尚、ブレースダンパ9と10とは、同一構
成であるので、以下ブレースダンパ9の構成について説
明する。
【0017】図2はブレースダンパ9を分解した状態を
示す拡大図、図3は組み立て後のブレースダンパ9を示
す拡大図である。ブレースダンパ9は、第1ブレース1
5と、アダプタ16と、油圧ダンパ17と、第2ブレー
ス18とからなる。第1ブレース15は、鉄製パイプ1
9の端部に設けられたスリットに取り付け板20を嵌合
させて溶接してなる。取り付け板20には、ボルト挿通
孔20aが設けられている。
【0018】アダプタ16は、第1ブレース15のパイ
プ径と第2ブレース18のパイプ径とを同径にするため
のものであり、鉄製パイプ19の内周に設けられためね
じ19aに螺合されるおねじ16aと、油圧ダンパ17
が螺合されるめねじ16bとを有する。本実施例では、
おねじ16aが油圧ダンパ17の小径側のねじ径(後述
するおねじ23aのねじ径)と同径であるので、鉄製パ
イプ19,21が小径となっている。
【0019】第2ブレース18は、第1ブレース15と
同一構成であり、鉄製パイプ21の端部に設けられたス
リットに取り付け板22を嵌合させて溶接してなる。取
り付け板22には、ボルト挿通孔22aが設けられてい
る。油圧ダンパ17は、後述するようにシリンダ23
と、シリンダカバー24とを有し、シリンダ23の外周
には鉄製パイプ21の内周に設けられためねじ21aに
螺合されるおねじ23aが形成され、シリンダカバー2
4の外周にはアダプタ16のめねじ16bに螺合される
おねじ24aが形成されている。本実施例では、おねじ
23aとおねじ24aとの外径が異なるもののアダプタ
16を介して結合する構成であるので、鉄製パイプ19
と21とを同径にして第1ブレース15と第2ブレース
18との共通化を図ることができる。
【0020】従って、油圧ダンパ17は、図3に示すよ
うに、シリンダカバー24がアダプタ16を介して第1
ブレース15の鉄製パイプ19に結合され、シリンダ2
3が第2ブレース18の鉄製パイプ21に螺合される。
また、油圧ダンパ17は、剛体構造とされた構造物1に
取り付けられるため、比較的小型のものを使用すること
ができる。そして、油圧ダンパ17は、第1ブレース1
5、第2ブレース18に分離可能に組み込まれているの
で、複数種のダンパを予め用意しておくことにより施工
後に減衰力の異なるダンパと交換することも可能であ
る。
【0021】また、油圧ダンパ17及びアダプタ16
は、ねじにより第1ブレース15、第2ブレース18に
結合されるため、組み立て作業が容易に行えるとともに
1階骨組み2の対角寸法に応じて全長を調整することが
できる構成となっている。そのため、各ねじ部が長手方
向の長さを調整する調整機構として機能する。尚、アダ
プタ16の外周には、スパナ等の工具が係合するための
係合面16cが切削加工されている。
【0022】このように、油圧ダンパ17を簡単に第1
ブレース15、第2ブレース18に結合させることがで
きるので、例えば施工後に構造物1を増築する場合でも
ダンパ17を容易に交換することができる。構造物1の
建設現場では、1階骨組み2が完成すると、ブレースダ
ンパ9の一方の取り付け板20を第1の角部11にボル
ト、ナットで固定し、他方の取り付け板22を第2の角
部12にボルト、ナットで固定する。その際、油圧ダン
パ17及びアダプタ16を軸回りに回動させてブレース
ダンパ9の全長を第1の角部11と第2の角部12との
離間距離に応じて調整することができる。そのため、設
置現場の取付位置に応じてブレースダンパ9の全長を任
意の長さに調整して、ダンパ17のストロークを確保す
ることができ、大地震の振動エネルギを効果的に吸収す
ることが可能となる。
【0023】図4は油圧ダンパ17の内部構造を示す縦
断面図である。油圧ダンパ17は、後述するように減衰
力の異なる複数の減衰力発生手段を有し、入力された振
幅の大きさに応じて複数の減衰力発生手段が選択的に作
動して振動エネルギを吸収するように構成されている。
油圧ダンパ17は、前述したシリンダ23と、シリンダ
カバー24とを有し、シリンダ23の内部には油圧室2
5と、空気室26とが画成され、油圧室25の両端に設
けられた壁27,28にはピストンロッド29が挿通さ
れる挿通孔27a,28aが設けられている。油圧室2
5には、予め予測される振動エネルギの大きさに応じた
粘性を有する粘性オイル等の粘性流体40が充填されて
いる。
【0024】また、挿通孔27a,28aの内周には、
油圧室25の粘性流体40が漏出することを防止するた
め、ピストンロッド29との間をシールするOリング3
0,31が装着されている。また、空気室26に開口す
る挿通孔28aの開口部28bには、円筒状に形成され
た摩擦部材41が挿入されている。摩擦部材41は、ピ
ストンロッド29より柔らかいメタル系のブレーキ材等
により形成されており、内周がピストンロッド29の外
周に対し摺動可能に摺接する。
【0025】開口部28bは、テーパ面28cを有し、
摩擦部材41の外周もテーパ状に形成されている。そし
て、摩擦部材41には、軸方向に沿って延在するスリッ
トが設けられている。開口部28bに螺合されたリング
状の押圧部材42を締め付けることにより摩擦部材41
が開口部28bのテーパ面28cに沿って小径方向に押
圧されると、内径が小となってピストンロッド29に対
する摩擦力が増大する。この摩擦部材41は、ピストン
ロッド29が軸方向に摺動すると、ピストンロッド29
に摩擦力による減衰力を発生させる摩擦ダンパであり、
第1の減衰力発生手段として機能する。従って、油圧ダ
ンパ17は、摩擦ダンパを内蔵した構成であるが、摩擦
部材41が油圧室25を画成する壁28の開口部28b
内に挿入されているので、コンパクトな構成となってい
る。
【0026】ピストンロッド29の一端は、シリンダカ
バー24に固定され、ピストンロッド29の他端は、空
気室26に挿入されている。そして、ピストンロッド2
9の中間部分の外周には、結合部材43が嵌合固定され
た係止溝29aが全周に設けられている。また、ピスト
ンロッド29は、ピストン32の貫通孔32aに摺動可
能に挿通され、貫通孔32aには結合部材43が摺動す
る摺動溝32bが軸方向に形成されている。結合部材4
3は、ピストンロッド29の係止溝29aに係止されて
一体的に摺動するように取り付けられており、後述する
ようにピストン32の摺動溝32bに沿ってピストン3
2内部を移動するように設けられている。また、摺動溝
32bの両端には、ピストンロッド29の摺動をガイド
するガイド部32c,32dが設けられている。
【0027】従って、ピストンロッド29は軸方向に移
動する際、結合部材43が摺動溝32b内を摺動してピ
ストン32と別体に移動し、結合部材43がガイド部3
2c,32dに当接するとき、ピストン32と一体に移
動する。尚、ピストンロッド29は、油圧室25を貫通
しているので、ピストンロッド29の移動により油圧室
25の容積変化が生じないように構成されている。
【0028】また、摺動溝32b内には、粘性流体40
が流入している。そして、結合部材43の外周と摺動溝
32bとの間には、所定のクリアランスが設けられてい
る。そのため、結合部材43が摺動溝32b内を摺動す
ると、粘性流体40が上記結合部材43の外周と摺動溝
32bとの間のクリアランスを通過して粘性流体40に
対し剪断する剪断力を与え、剪断力による減衰力を発生
させる。すなわち、摺動溝32bと結合部材43により
第3の減衰力発生手段が構成されている。
【0029】また、空気室26を画成する外周壁には、
ピストンロッド29の摺動動作に伴い空気の吸排を行う
空気孔33が設けられている。この空気孔33は、シリ
ンダ23を軸回りに回動させる際、ドライバー等のロッ
ドを挿入して回動操作するための係合孔としても使用さ
れる。また、シリンダカバー24の外周にもドライバー
等のロッドを挿入して回動操作するための係合孔34が
設けられている。
【0030】尚、上記空気孔33及び係合孔34の代わ
りにシリンダ23及びシリンダカバー24の外周にスパ
ナ等の工具が係合できるように2面取りして係合面を形
成するようにしても良い。地震発生による振動が構造物
1に伝搬されたとき、油圧室25内を往復動するピスト
ン32は、Xa方向の流れを許容するチェック弁35を
有する流路36と、Xb方向の流れを許容するチェック
弁37を有する流路38とが軸方向と平行に設けられて
いる。この流路36及び流路38は、ピストン32が移
動して粘性流体40が通過する際に粘性抵抗による減衰
力を発生させる第2の減衰力発生手段として機能する。
【0031】図5に示すように、ブレースダンパ9に引
っ張り応力が作用してピストンロッド29がXa方向に
摺動開始する当初は、ピストン32が停止状態のままピ
ストンロッド29が摩擦部材41に摺接しながら摩擦力
により減速される。このとき、ピストンロッド29の係
止溝29aに係止された結合部材43がピストン32の
摺動溝32bを摺動する。そのため、ピストンロッド2
9及びシリンダカバー24に振動エネルギが入力された
当初は、ピストンロッド29のみが摺動して摩擦部材4
1よりなる摩擦ダンパにより振動エネルギが吸収され
る。
【0032】従って、比較的小さい地震(振幅の小さい
地震)が発生した場合、ピストンロッド29のみが摺動
して摩擦部材41との摩擦により微小な振動エネルギを
効果的に吸収することができる。従って、本実施例のブ
レースダンパ9は、比較的頻繁に発生する小地震の振動
エネルギも吸収できるので、住人の安心感をより高める
ことができる。
【0033】そして、ピストンロッド29がXa方向に
所定距離移動すると、摺動溝32bを摺動した結合部材
43がガイド部32cに当接する。さらに、ピストンロ
ッド29がXa方向に摺動する場合には、結合部材43
がピストン32を同方向に押圧する。また、結合部材4
3が摺動溝32b内を摺動すると、粘性流体40が結合
部材43の外周と摺動溝32bとの間のクリアランスを
通過して剪断力による減衰力を発生させる。そのため、
ピストンロッド29の変位が所定以下のときは、摩擦部
材41との摩擦力による減衰力と、結合部材43の外周
と摺動溝32bとの間の剪断力による減衰力とが発生す
る。
【0034】尚、所定以下の振幅の振動を吸収する手段
としては、摩擦力による減衰力を発生させる減衰力発生
手段(摩擦ダンパ)と、剪断力による減衰力を発生させ
る減衰力発生手段(剪断ダンパ)とのうち、いずれか一
方のみでも良い。図5に示すように、結合部材43がガ
イド部32cに当接した後は、ピストンロッド29とピ
ストン32とは、一体的に同方向に摺動する。そのた
め、ピストン32がXa方向に摺動するのに伴って油圧
室25の左室25bに充填された粘性流体40がチェッ
ク弁37及び流路38を通過して右室25aに流入す
る。
【0035】また、図4に示す状態において、ピストン
ロッド29がXb方向に摺動する場合も上記Xa方向に
摺動する場合と同様に、当初はピストンロッド29のみ
がXb方向に摺動して摩擦部材41よりなる摩擦ダンパ
により振動エネルギを吸収する。従って、ピストンロッ
ド29のみが摺動して摩擦部材41との摩擦により微小
な振動エネルギを効果的に吸収することができる。そし
て、ピストンロッド29がXb方向に所定距離移動する
と、摺動溝32bを摺動した結合部材43が右側のガイ
ド部32dに当接する。さらに、ピストンロッド29が
Xb方向に摺動すると共に、結合部材43がピストン3
2を同方向に押圧する。
【0036】そのため、ピストン32がXb方向に摺動
するのに伴って油圧室25の右室25aに充填された粘
性流体40がチェック弁35及び流路36を通過して左
室25bに流入する。このように油圧室25に充填され
た粘性流体40が流路面積が絞られた流路36又は38
を通過して移動する際の粘性抵抗と摩擦部材41の摩擦
によりシリンダ23及びシリンダカバー24に入力され
た振動エネルギを吸収する。尚、流路36又は38を通
過して移動する際の粘性抵抗は、結合部材43の外周と
摺動溝32bとの間の剪断力による減衰力よりも大きな
減衰力を発生するように設定されている。
【0037】本実施例のブレースダンパ9では、微小振
動が構造物1に伝搬されたときは、摩擦部材41よりな
る摩擦ダンパにより振動エネルギを吸収し、所定以上の
大きさの振動が構造物1に伝搬されたときは、油圧ダン
パ17のピストン32が油圧室25を摺動して振動エネ
ルギを吸収するため、振動エネルギの大きさに拘わらず
振幅の小さい微小振動から大振動まで効果的に制振する
ことができる。
【0038】また、ピストン32の外周と油圧室25の
内壁とのクリアランスを所定値以上にしてピストン32
の移動により粘性流体40がピストン32の外周と油圧
室25の内壁との間に形成されたクリアランスを通過で
きるように構成することにより粘性流体40に対し剪断
力を与え、剪断力による減衰力を発生させることができ
る。すなわち、ピストン32の外周と油圧室25の内壁
とにより第3の減衰力発生手段を構成することもでき
る。
【0039】この場合、ピストン32の流路36,38
を不要にして構成の簡略化を図ることが可能になる。
尚、ピストン32の外周と油圧室25の内壁との間を通
過して移動する際の剪断抵抗は、結合部材43の外周と
摺動溝32bとの間の剪断力による減衰力よりも大きな
減衰力を発生するように設定されている。尚、上記実施
例では、油圧ダンパ17が第1ブレース15と第2ブレ
ース18との間に分解可能に取り付けられた構成を一例
として挙げたが、これに限らず、油圧ダンパ17の両端
が第1ブレース15、第2ブレース18の端部に溶接に
より固着された構成としても良い。
【0040】また、上記実施例では、ピストンロッド2
9に結合部材43を嵌合固定したが、これに限らず、結
合部材43をピストン32の貫通孔32aに設けてピス
トンロッド29の外周に結合部材43が摺動する摺動溝
を設けた構成としても良い。
【0041】
【発明の効果】上述の如く、請求項1の発明によれば、
減衰力の異なる複数の減衰力発生手段を有するため、大
地震だけでなく小地震の振動エネルギも効果的に吸収し
て地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振すること
ができる。従って、比較的頻繁に発生する小地震の振動
エネルギも吸収できるので、住人の安心感をより高める
ことができる。
【0042】また、請求項2の発明によれば、種類の異
なる複数の減衰力発生手段のうち少なくとも2つの減衰
力発生手段を有するため、大地震だけでなく振幅の小さ
い小地震や交通振動の振動エネルギも効果的に吸収して
地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振することが
できる。また、請求項3の発明によれば、ピストンロッ
ドの変位量に応じて減衰力を発生させる複数の減衰力発
生手段のうち少なくとも2つの減衰力発生手段を有する
ため、大地震だけでなく振幅の小さい小地震や交通振動
の振動エネルギも効果的に吸収して地震の大きさに係わ
らず構造物の振動を制振することができる。
【0043】また、請求項4の発明によれば、複数の減
衰力発生手段のうちピストンロッドの変位量に応じた一
の減衰力発生手段が作動して減衰力が発生させるため、
大地震だけでなく振幅の小さい小地震や交通振動の振動
エネルギも効果的に吸収して地震の大きさに係わらず構
造物の振動を制振することができる。また、請求項5の
発明によれば、ピストンロッドの変位量に応じて複数の
減衰力発生手段が選択的に切り換わることにより、大地
震だけでなく振幅の小さい小地震や交通振動の振動エネ
ルギも効果的に吸収して地震の大きさに係わらず構造物
の振動を制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるブレースダンパの一実施例が取り
付けられた構造物の概略構成図である。
【図2】ブレースダンパを分解した状態を示す拡大図で
ある。
【図3】組み立て後のブレースダンパを示す拡大図であ
る。
【図4】油圧ダンパの内部構造を示す縦断面図である。
【図5】油圧ダンパのピストンロッドがXa方向に移動
したときの動作を説明するための縦断面図である。
【図6】油圧ダンパのピストンロッド及びピストンがX
a方向に移動したときの動作を説明するための縦断面図
である。
【符号の説明】
1 構造物 2 1階骨組み 3 2階骨組み 4(41 〜43 ) 柱 5(51 〜53 ) 基礎 6,8 梁 9,10 ブレースダンパ 23 シリンダ 24 シリンダカバー 25 油圧室 26 空気室 29 ピストンロッド 32 ピストン 26 空気室 35,37 チェック弁 40 粘性流体 41 摩擦部材 42 押圧部材 43 結合部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と梁とにより形成された空間内に所定
    角度傾斜させて取り付けられるブレースにダンパを配設
    してなるブレースダンパにおいて、 前記ダンパは、減衰力の異なる複数の減衰力発生手段を
    有し、 該複数の減衰力発生手段が入力された振幅の大きさに応
    じて選択的に作動して振動エネルギを吸収することを特
    徴とするブレースダンパ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のブレースダンパであ
    って、 前記複数の減衰力発生手段は、 摩擦力により減衰力を発生させる第1の減衰力発生手段
    と、 粘性流体の粘性抵抗力により減衰力を発生させる第2の
    減衰力発生手段と、 粘性流体を剪断して生じる剪断力により減衰力を発生さ
    せる第3の減衰力発生手段と、のうち少なくとも2つの
    減衰力発生手段を有することを特徴とするブレースダン
    パ。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載のブレースダンパであ
    って、 前記複数の減衰力発生手段は、 ピストンロッドの変位により減衰力を発生させる第1の
    減衰力発生手段と、 前記ピストンロッドとピストンとが一体的に変位して減
    衰力を発生させる第2の減衰力発生手段と、 該ピストンロッドとピストンとの相対変位により減衰力
    を発生させる第3の減衰力発生手段と、のうち少なくと
    も2つの減衰力発生手段を有することを特徴とするブレ
    ースダンパ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1記載のブレースダンパであ
    って、 前記複数の減衰力発生手段は、 ピストンロッドの変位が所定以下のとき一の減衰力発生
    手段により振動エネルギを吸収し、ピストンロッドの変
    位が所定以上のとき一の減衰力発生手段及び他の減衰力
    発生手段により振動エネルギを吸収することを特徴とす
    るブレースダンパ。
  5. 【請求項5】 前記請求項1記載のブレースダンパであ
    って、 前記複数の減衰力発生手段は、 ピストンロッドの変位が所定以下のとき減衰力の小さい
    一の減衰力発生手段により振動エネルギを吸収し、ピス
    トンロッドの変位が所定以下のとき減衰力の大きい他の
    減衰力発生手段により振動エネルギを吸収することを特
    徴とするブレースダンパ。
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