JPH102349A - クラッチディスク装置 - Google Patents
クラッチディスク装置Info
- Publication number
- JPH102349A JPH102349A JP15434796A JP15434796A JPH102349A JP H102349 A JPH102349 A JP H102349A JP 15434796 A JP15434796 A JP 15434796A JP 15434796 A JP15434796 A JP 15434796A JP H102349 A JPH102349 A JP H102349A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- compartment
- friction plate
- oil
- axial direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、回転軸の大径化を抑制し、回転軸を
特別な部品とせず、クラッチ装置を油室の油で効率よく
冷却できるクラッチディスク装置を提供する。 【解決手段】本発明は、油室25に収容される回転軸2
0にリテーナ66aを介して支持した複数のクラッチデ
ィスク67aと、クラッチディク間に介装される摩擦板
65を支持するクラッチハウジング62aとを有して構
成されるクラッチ装置のクラッチハウジング端を半径方
向内方に向かって延ばしその先端部を回転軸の外周面全
周に周接して油室内をクラッチディスクが収容される第
1分室39,75とその他の第2分室38,73とに区
切り、かつ先端部の内周面に一端が第1分室に開口し他
端が第2分室に開口する螺旋溝78を形成して、第2分
室内の油を第1分室内へ送り込むようにして、回転軸に
螺旋溝を設けずに潤滑油72の流動およびクラッチ装置
60の冷却を行うようにした。
特別な部品とせず、クラッチ装置を油室の油で効率よく
冷却できるクラッチディスク装置を提供する。 【解決手段】本発明は、油室25に収容される回転軸2
0にリテーナ66aを介して支持した複数のクラッチデ
ィスク67aと、クラッチディク間に介装される摩擦板
65を支持するクラッチハウジング62aとを有して構
成されるクラッチ装置のクラッチハウジング端を半径方
向内方に向かって延ばしその先端部を回転軸の外周面全
周に周接して油室内をクラッチディスクが収容される第
1分室39,75とその他の第2分室38,73とに区
切り、かつ先端部の内周面に一端が第1分室に開口し他
端が第2分室に開口する螺旋溝78を形成して、第2分
室内の油を第1分室内へ送り込むようにして、回転軸に
螺旋溝を設けずに潤滑油72の流動およびクラッチ装置
60の冷却を行うようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦(係合)によ
り高温となるクラッチディスクおよび摩擦板の冷却を効
率よく行えるようにしたクラッチディスク装置に関す
る。
り高温となるクラッチディスクおよび摩擦板の冷却を効
率よく行えるようにしたクラッチディスク装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】差動装置の差動機能を制限するリミテッ
ド・スリップ機構(LSD)や差動装置の差動機能を利
用して左右輪のトルクの配分率を調整するトルク調整装
置などでは、例えば多板クラッチ装置(クラッチディス
ク装置)を用いて、左右輪に必要な駆動力を伝えること
が行われている。
ド・スリップ機構(LSD)や差動装置の差動機能を利
用して左右輪のトルクの配分率を調整するトルク調整装
置などでは、例えば多板クラッチ装置(クラッチディス
ク装置)を用いて、左右輪に必要な駆動力を伝えること
が行われている。
【0003】こうしたクラッチ装置は、クラッチハウジ
ングに支持されているクラッチディスクと、回転軸と一
体に回転するリテーナに支持されている摩擦板とを摩擦
接触(係合)させて駆動力を回転軸に伝える構造上、動
力伝達の際、発熱が伴う。
ングに支持されているクラッチディスクと、回転軸と一
体に回転するリテーナに支持されている摩擦板とを摩擦
接触(係合)させて駆動力を回転軸に伝える構造上、動
力伝達の際、発熱が伴う。
【0004】そのため、クラッチ装置の本体部分を冷却
することが求められる。従来、こうした冷却には、クラ
ッチディスク、摩擦板が在る本体部分を油室内に収め、
この油室内に本体部分が浸漬されるよう潤滑油を貯溜さ
せる構造が採用されている。
することが求められる。従来、こうした冷却には、クラ
ッチディスク、摩擦板が在る本体部分を油室内に収め、
この油室内に本体部分が浸漬されるよう潤滑油を貯溜さ
せる構造が採用されている。
【0005】この冷却は、クラッチディスク,摩擦板を
含む各部が、油室内の潤滑油に浸りながら回転すると
き、クラッチディスク,摩擦板の熱が潤滑油で奪われる
ことで行われる。
含む各部が、油室内の潤滑油に浸りながら回転すると
き、クラッチディスク,摩擦板の熱が潤滑油で奪われる
ことで行われる。
【0006】ところが、潤滑油中をクラッチディスク,
摩擦板を含む各部が通過するだけなので、油室内の潤滑
油はクラッチディスク,摩擦板を含む各部と接触する部
位だけが局所的に高温で、他の部位が低温となるような
温度分布となる。
摩擦板を含む各部が通過するだけなので、油室内の潤滑
油はクラッチディスク,摩擦板を含む各部と接触する部
位だけが局所的に高温で、他の部位が低温となるような
温度分布となる。
【0007】これでは、クラッチ装置の冷却は効率よく
行われない。そこで、効率のよい冷却を行うために、回
転軸の外周面に螺旋溝を設けて、回転軸の回転を利用し
た螺旋溝の潤滑油の送りにより、油室内の潤滑油全体を
流動させて、クラッチ装置の本体部分を冷却・潤滑する
ことが提案されている(実公平4−47453号公報な
ど)。
行われない。そこで、効率のよい冷却を行うために、回
転軸の外周面に螺旋溝を設けて、回転軸の回転を利用し
た螺旋溝の潤滑油の送りにより、油室内の潤滑油全体を
流動させて、クラッチ装置の本体部分を冷却・潤滑する
ことが提案されている(実公平4−47453号公報な
ど)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クラッチ装
置につながる回転軸は、駆動力に耐える剛性などを確保
しつつ、装置のコンパクト化のために細径であることが
求められる。ところが、上記のように回転軸に設けた螺
旋溝で油室内に貯溜されている潤滑油を流動させる構造
だと、確かに冷却効率は高められるものの、回転軸の剛
性などが螺旋溝の形成によって低下する。
置につながる回転軸は、駆動力に耐える剛性などを確保
しつつ、装置のコンパクト化のために細径であることが
求められる。ところが、上記のように回転軸に設けた螺
旋溝で油室内に貯溜されている潤滑油を流動させる構造
だと、確かに冷却効率は高められるものの、回転軸の剛
性などが螺旋溝の形成によって低下する。
【0009】このため、この低下分を補償するために、
回転軸には大きな外径の部品を用いることが余儀なくさ
れる不都合が出てきた。しかも、回転軸は、螺旋溝を特
別に付けたクラッチ装置の専用の部品となるので、コス
ト的な負担が多く、改善が求められている。
回転軸には大きな外径の部品を用いることが余儀なくさ
れる不都合が出てきた。しかも、回転軸は、螺旋溝を特
別に付けたクラッチ装置の専用の部品となるので、コス
ト的な負担が多く、改善が求められている。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、回転軸の大径化を抑制し
つつ、かつ回転軸を特別な部品とせずに、クラッチ装置
を油室内の油で効率よく冷却できるクラッチディスク装
置を提供することにある。
で、その目的とするところは、回転軸の大径化を抑制し
つつ、かつ回転軸を特別な部品とせずに、クラッチ装置
を油室内の油で効率よく冷却できるクラッチディスク装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、少なくとも一部が油室に
収容される回転軸と、油室内において回転軸に外嵌し回
転軸と一体に回転するリテーナと、リテーナの外周に支
持され軸線方向に配列されたリング状の複数のクラッチ
ディスクと、クラッチディスクの間に介装され外部から
の軸方向への押圧力によりクラッチディスクと係合する
摩擦板と、回転軸に相対回転可能に外嵌し摩擦板の外周
を支持するとともに同摩擦板とクラッチディスクとを収
容する筒状のクラッチハウジングとを有し、クラッチハ
ウジングは、その軸線方向一端において半径方向内方に
向かって延び、その先端部が回転軸の外周面全周に接し
て油室内をクラッチディスクが収容される第1分室とそ
の他の第2分室とに区切るとともに、先端部は軸線方向
に延びその内周面には、一端が第1分室に開口し他端が
第2分室に開口するとともに第2分室内の油を第1分室
内へ送り込む螺旋溝を形成して、クラッチディスク装置
を構成したことにある。
に請求項1に記載した発明は、少なくとも一部が油室に
収容される回転軸と、油室内において回転軸に外嵌し回
転軸と一体に回転するリテーナと、リテーナの外周に支
持され軸線方向に配列されたリング状の複数のクラッチ
ディスクと、クラッチディスクの間に介装され外部から
の軸方向への押圧力によりクラッチディスクと係合する
摩擦板と、回転軸に相対回転可能に外嵌し摩擦板の外周
を支持するとともに同摩擦板とクラッチディスクとを収
容する筒状のクラッチハウジングとを有し、クラッチハ
ウジングは、その軸線方向一端において半径方向内方に
向かって延び、その先端部が回転軸の外周面全周に接し
て油室内をクラッチディスクが収容される第1分室とそ
の他の第2分室とに区切るとともに、先端部は軸線方向
に延びその内周面には、一端が第1分室に開口し他端が
第2分室に開口するとともに第2分室内の油を第1分室
内へ送り込む螺旋溝を形成して、クラッチディスク装置
を構成したことにある。
【0012】請求項1のクラッチディスク装置による
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区切ってい
る一端部先端に在る螺旋溝が回転する。
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区切ってい
る一端部先端に在る螺旋溝が回転する。
【0013】すると、螺旋溝を利用した油の送りが行わ
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
【0014】これにより、クラッチ装置の本体部分は、
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、油を送り出す螺旋溝が回転軸に無いので、
大径な回転軸を用いずにクラッチ装置の冷却・潤滑が効
率よく行えるようになり、装置のコンパクト化が図れる
ようになる。
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、油を送り出す螺旋溝が回転軸に無いので、
大径な回転軸を用いずにクラッチ装置の冷却・潤滑が効
率よく行えるようになり、装置のコンパクト化が図れる
ようになる。
【0015】しかも、回転軸は、特別(専用)な部品で
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。特に、ク
ラッチディスクを外周部で支持する、リテーナの円筒部
材を、クラッチハウジングと回転軸との摺接面よりも外
径方向に離れた位置に設け、回転軸に形成されるギヤ装
置を第2分室内に収容させて、このギヤ装置でクラッチ
ハウジングが駆動されて第2分室内の油を螺旋溝で送り
込ませるようにすると、油は円筒部材の内周面に飛散し
て、円筒部材の内周面に設けた孔を通じ、クラッチディ
スクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッチ装置
が冷却されるようになる。
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。特に、ク
ラッチディスクを外周部で支持する、リテーナの円筒部
材を、クラッチハウジングと回転軸との摺接面よりも外
径方向に離れた位置に設け、回転軸に形成されるギヤ装
置を第2分室内に収容させて、このギヤ装置でクラッチ
ハウジングが駆動されて第2分室内の油を螺旋溝で送り
込ませるようにすると、油は円筒部材の内周面に飛散し
て、円筒部材の内周面に設けた孔を通じ、クラッチディ
スクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッチ装置
が冷却されるようになる。
【0016】同じく上記目的を達成するために請求項2
に記載した発明は、少なくとも一部が油室に収容される
回転軸と、油室内において回転軸に相対回転可能に外嵌
され一端にギヤ装置を備えた円筒状の回転部材と、回転
部材の他端側の外周に支持され軸線方向に配列されたリ
ング状の複数のクラッチディスクと、クラッチディスク
の間に介装され外部からの軸方向への押圧力によりクラ
ッチディスクと係合する摩擦板と、摩擦板の外周を支持
し摩擦板とクラッチディスクとを収容するとともに軸線
方向一端部に回転軸との連結部が形成された有底筒状の
クラッチハウジングとを有し、クラッチハウジングは他
端側において半径方向内方に向かって延び、その先端部
が回転部材の近傍に至り油室内をクラッチディスクが収
容される第1分室とその他の第2分室とに区画するとと
もに、先端部は軸線方向に延びて回転部材と協力して軸
線方向に広がる周接面を形成し、該周接面には、一端が
第1分室に開口し他端が第2分室に開口するとともに第
2分室内の油を第1分室内へ送り込む螺旋溝を形成し
て、クラッチディスク装置を構成したことにある。
に記載した発明は、少なくとも一部が油室に収容される
回転軸と、油室内において回転軸に相対回転可能に外嵌
され一端にギヤ装置を備えた円筒状の回転部材と、回転
部材の他端側の外周に支持され軸線方向に配列されたリ
ング状の複数のクラッチディスクと、クラッチディスク
の間に介装され外部からの軸方向への押圧力によりクラ
ッチディスクと係合する摩擦板と、摩擦板の外周を支持
し摩擦板とクラッチディスクとを収容するとともに軸線
方向一端部に回転軸との連結部が形成された有底筒状の
クラッチハウジングとを有し、クラッチハウジングは他
端側において半径方向内方に向かって延び、その先端部
が回転部材の近傍に至り油室内をクラッチディスクが収
容される第1分室とその他の第2分室とに区画するとと
もに、先端部は軸線方向に延びて回転部材と協力して軸
線方向に広がる周接面を形成し、該周接面には、一端が
第1分室に開口し他端が第2分室に開口するとともに第
2分室内の油を第1分室内へ送り込む螺旋溝を形成し
て、クラッチディスク装置を構成したことにある。
【0017】請求項2のクラッチディスク装置による
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区画してい
る一端部先端に在る螺旋溝が、回転軸に外嵌されている
回転部材上を回転する。
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区画してい
る一端部先端に在る螺旋溝が、回転軸に外嵌されている
回転部材上を回転する。
【0018】すると、螺旋溝を利用した油の送りが行わ
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
【0019】これにより、クラッチ装置の本体部分は、
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、請求項1のときと同様、油を送り出す螺旋
溝が回転軸に無いので、大径な回転軸を用いずにクラッ
チ装置の冷却・潤滑が効率よく行えるようになり、装置
のコンパクト化が図れるようになる。
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、請求項1のときと同様、油を送り出す螺旋
溝が回転軸に無いので、大径な回転軸を用いずにクラッ
チ装置の冷却・潤滑が効率よく行えるようになり、装置
のコンパクト化が図れるようになる。
【0020】しかも、回転軸は、特別(専用)な部品で
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。特に、回
転部材の他端に、クラッチディスクを外周部で支持する
円筒部材のリテーナを設け、このリテーナをクラッチハ
ウジングと回転軸との周接面よりも外径方向に離れた位
置に配置させ、回転軸に形成されるギヤ装置を第2分室
内に収容させて、ギヤ装置の回転に伴うクラッチハウジ
ングの回転により第2分室内の油が螺旋溝に送り込まれ
て螺旋溝を通るようにすると、油は円筒部材の内周面に
飛散して、円筒部材の内周面に設けた孔を通じ、クラッ
チディスクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッ
チ装置が冷却されるようになる。
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。特に、回
転部材の他端に、クラッチディスクを外周部で支持する
円筒部材のリテーナを設け、このリテーナをクラッチハ
ウジングと回転軸との周接面よりも外径方向に離れた位
置に配置させ、回転軸に形成されるギヤ装置を第2分室
内に収容させて、ギヤ装置の回転に伴うクラッチハウジ
ングの回転により第2分室内の油が螺旋溝に送り込まれ
て螺旋溝を通るようにすると、油は円筒部材の内周面に
飛散して、円筒部材の内周面に設けた孔を通じ、クラッ
チディスクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッ
チ装置が冷却されるようになる。
【0021】しかも、加えて増速または減速機構によ
り、クラッチハウジングと回転部材との間で積極的に相
対回転が行われるようにすると、効率の良い給送が行わ
れるようになる。
り、クラッチハウジングと回転部材との間で積極的に相
対回転が行われるようにすると、効率の良い給送が行わ
れるようになる。
【0022】また周接面はクラッチハウジングの先端部
と回転部材とが接する面であり、螺旋溝は先端部又は回
転部材のどちらに形成されていてもよい。同じく上記目
的を達成するために請求項3に記載した発明は、少なく
とも一部が油室に収容される回転軸と、油室内において
回転軸に相対回転可能に外嵌するとともに一端部にギヤ
装置が設けられている第1回転部材と、油室内において
第1回転部材に相対回転可能に外嵌するとともに一端部
にギヤ装置が設けられている第2回転部材と、第1回転
部材の他端側の外周に支持され軸線方向に配列されたリ
ング状の複数の第1クラッチディスクと、第1クラッチ
ディスクに隣接して第2回転部材の一端側の外周に支持
され軸線方向に配列されたリング状の複数の第2クラッ
チディスクと、複数の第1クラッチディスクの間に介装
され外部からの軸方向への押圧力により第1クラッチデ
ィスクと係合する第1摩擦板と、複数の第2クラッチデ
ィスクの間に介装され外部からの軸方向への押圧力によ
り第2クラッチディスクと係合する第2摩擦板と、第1
摩擦板と第2摩擦板の外周を支持し第1および第2摩擦
板と第1および第2クラッチディスクとを収容するとと
もに軸線方向一端部に回転軸との連結部が形成された有
底筒状のクラッチハウジングとを有し、クラッチハウジ
ングは他端側において半径方向内方に向かって延び、そ
の先端部が第2回転部材の近傍に至り油室内を第1クラ
ッチディスクおよび第2クラッチディスクが収容される
第1分室とその他の第2分室とに区画するとともに、先
端部は軸線方向に延びて第2回転部材と協力して軸線方
向に広がる周接面を形成し、該周接面には、一端が第1
分室に開口し他端が第2分室に開口するとともに第2分
室内の油を第1分室内へ送り込む螺旋溝を形成して、ク
ラッチディスク装置を構成したことにある。
と回転部材とが接する面であり、螺旋溝は先端部又は回
転部材のどちらに形成されていてもよい。同じく上記目
的を達成するために請求項3に記載した発明は、少なく
とも一部が油室に収容される回転軸と、油室内において
回転軸に相対回転可能に外嵌するとともに一端部にギヤ
装置が設けられている第1回転部材と、油室内において
第1回転部材に相対回転可能に外嵌するとともに一端部
にギヤ装置が設けられている第2回転部材と、第1回転
部材の他端側の外周に支持され軸線方向に配列されたリ
ング状の複数の第1クラッチディスクと、第1クラッチ
ディスクに隣接して第2回転部材の一端側の外周に支持
され軸線方向に配列されたリング状の複数の第2クラッ
チディスクと、複数の第1クラッチディスクの間に介装
され外部からの軸方向への押圧力により第1クラッチデ
ィスクと係合する第1摩擦板と、複数の第2クラッチデ
ィスクの間に介装され外部からの軸方向への押圧力によ
り第2クラッチディスクと係合する第2摩擦板と、第1
摩擦板と第2摩擦板の外周を支持し第1および第2摩擦
板と第1および第2クラッチディスクとを収容するとと
もに軸線方向一端部に回転軸との連結部が形成された有
底筒状のクラッチハウジングとを有し、クラッチハウジ
ングは他端側において半径方向内方に向かって延び、そ
の先端部が第2回転部材の近傍に至り油室内を第1クラ
ッチディスクおよび第2クラッチディスクが収容される
第1分室とその他の第2分室とに区画するとともに、先
端部は軸線方向に延びて第2回転部材と協力して軸線方
向に広がる周接面を形成し、該周接面には、一端が第1
分室に開口し他端が第2分室に開口するとともに第2分
室内の油を第1分室内へ送り込む螺旋溝を形成して、ク
ラッチディスク装置を構成したことにある。
【0023】請求項3のクラッチディスク装置による
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区画してい
る他端側先端に在る螺旋溝が、回転軸に相対回転可能に
外嵌されている第2回転部材上を回転する。
と、回転するクラッチハウジングに伴い、同クラッチハ
ウジングの油室内を第1分室と第2分室とに区画してい
る他端側先端に在る螺旋溝が、回転軸に相対回転可能に
外嵌されている第2回転部材上を回転する。
【0024】すると、螺旋溝を利用した油の送りが行わ
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
れ、クラッチ装置から離れた第2分室内で貯溜されてい
る低温の油が、クラッチディスク、摩擦板を収容してい
る第1分室内に送り込まれ、同第1分室内で貯溜されて
いる油を流動させる。
【0025】これにより、クラッチ装置の本体部分は、
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、請求項1、請求項2のときと同様、油を送
り出す螺旋溝が回転軸に無いので、大径な回転軸を用い
ずにクラッチ装置の冷却・潤滑が効率よく行えるように
なり、装置のコンパクト化が図れるようになる。
低温の油によって、冷却・潤滑されるようになる。こう
した冷却は、請求項1、請求項2のときと同様、油を送
り出す螺旋溝が回転軸に無いので、大径な回転軸を用い
ずにクラッチ装置の冷却・潤滑が効率よく行えるように
なり、装置のコンパクト化が図れるようになる。
【0026】しかも、回転軸は、特別(専用)な部品で
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。そのう
え、油を送る構造は、同心状に結合された回転軸と複数
の回転部材との結合構造を活用しているから、冷却の効
率化とコンパクト化の双方が両立される。
ない、すなわち通常、各種機器に用いられる部品が共用
できるようになるため、コストも抑制される。そのう
え、油を送る構造は、同心状に結合された回転軸と複数
の回転部材との結合構造を活用しているから、冷却の効
率化とコンパクト化の双方が両立される。
【0027】特に、クラッチディスクを外周部で支持す
る第1および第2回転部材に円筒部材のリテーナを設
け、このリテーナをクラッチハウジングとの周接面より
も外径方向に離れた位置に配置させ、ギヤ装置が回転す
ることにより第2分室内の油が螺旋溝に送り込まれて螺
旋溝を通るようにすると、油はリテーナの内周部に飛散
し、それぞれリテーナに設けた孔を通じ、クラッチディ
スクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッチ装置
が冷却されるようになる。
る第1および第2回転部材に円筒部材のリテーナを設
け、このリテーナをクラッチハウジングとの周接面より
も外径方向に離れた位置に配置させ、ギヤ装置が回転す
ることにより第2分室内の油が螺旋溝に送り込まれて螺
旋溝を通るようにすると、油はリテーナの内周部に飛散
し、それぞれリテーナに設けた孔を通じ、クラッチディ
スクに送り込まれるので、一層、効率よくクラッチ装置
が冷却されるようになる。
【0028】しかも、加えて増減速機構により、第2回
転部材とクラッチハウジングとの間で積極的に相対回転
が行われるようにすると、効率の良い給送が行われるよ
うになる。また周接面はクラッチハウジングの先端部と
第2回転部材とが接する面であり、螺旋溝は先端部又は
第2回転部材のどちらに形成されていてもよい。
転部材とクラッチハウジングとの間で積極的に相対回転
が行われるようにすると、効率の良い給送が行われるよ
うになる。また周接面はクラッチハウジングの先端部と
第2回転部材とが接する面であり、螺旋溝は先端部又は
第2回転部材のどちらに形成されていてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、請求項3に係わる本発明を
図1ないし図7に示す一実施形態にもとづいて説明す
る。図1は、本発明を適用した前二輪駆動車(FF車)
の動力推進装置の平断面を示していて、図1中1は同前
二輪駆動車のエンジンルーム(図示しない)に横置きに
搭載されるエンジンである。
図1ないし図7に示す一実施形態にもとづいて説明す
る。図1は、本発明を適用した前二輪駆動車(FF車)
の動力推進装置の平断面を示していて、図1中1は同前
二輪駆動車のエンジンルーム(図示しない)に横置きに
搭載されるエンジンである。
【0030】このエンジン端に形成された周囲に張り出
るフライホイールハウジング1aには、例えばトルクコ
ンバータ2(T/C)を介して自動変速用のトランスミ
ッション3(T/M)が連設されている。
るフライホイールハウジング1aには、例えばトルクコ
ンバータ2(T/C)を介して自動変速用のトランスミ
ッション3(T/M)が連設されている。
【0031】トランスミッション3の出力部は、カウン
タシャフト4およびカウンタギヤ4aを介して、トルク
コンバー2と隣接して前後方向に配置されたフロントデ
フ装置5に接続されている。そして、フロントデフ装置
5は、トランスミッション3のミッションケース3aか
ら延びて形成されたデフハウジング6内に収容してあ
る。
タシャフト4およびカウンタギヤ4aを介して、トルク
コンバー2と隣接して前後方向に配置されたフロントデ
フ装置5に接続されている。そして、フロントデフ装置
5は、トランスミッション3のミッションケース3aか
ら延びて形成されたデフハウジング6内に収容してあ
る。
【0032】デフハウジング6は、図3にも示されるよ
うに例えばトルクコンバータ2の取付面2aと隣接する
該取付面2aを延長した線上(同一面)まで延びてい
る。この取付面2aと同一な面を形成する壁部6aに
は、中央にインロー形の通孔8aを有する略円形な取付
面8が形成してある。
うに例えばトルクコンバータ2の取付面2aと隣接する
該取付面2aを延長した線上(同一面)まで延びてい
る。この取付面2aと同一な面を形成する壁部6aに
は、中央にインロー形の通孔8aを有する略円形な取付
面8が形成してある。
【0033】このエンジン1からデフハウジング6まで
のレイアウトは、四輪駆動車で用いられる動力推進装置
をそのまま流用してある。具体的には、四輪駆動車の動
力推進装置は、図4(a)に示されるように前二輪駆動
車と同じレイアウトで、横置きのエンジン1、エンジン
端と連設するトルクコンバータ2、トランスミッション
3、フロント・リヤ側へ駆動力を分配するセンタデフ装
置9を設け、このセンタデフ装置9を収容しているデフ
ハウジング6に形成された側方の取付面8に、センタデ
フ装置9によりフロント側に分配された駆動力を前二輪
(左右輪)に分配するフロントデフ装置10のハウジン
グ10aを取り付けて、四輪駆動を成立させている。な
お、10bはフロントデフ装置10を含むトランスファ
装置を示す。
のレイアウトは、四輪駆動車で用いられる動力推進装置
をそのまま流用してある。具体的には、四輪駆動車の動
力推進装置は、図4(a)に示されるように前二輪駆動
車と同じレイアウトで、横置きのエンジン1、エンジン
端と連設するトルクコンバータ2、トランスミッション
3、フロント・リヤ側へ駆動力を分配するセンタデフ装
置9を設け、このセンタデフ装置9を収容しているデフ
ハウジング6に形成された側方の取付面8に、センタデ
フ装置9によりフロント側に分配された駆動力を前二輪
(左右輪)に分配するフロントデフ装置10のハウジン
グ10aを取り付けて、四輪駆動を成立させている。な
お、10bはフロントデフ装置10を含むトランスファ
装置を示す。
【0034】前二輪駆動車の動力推進装置は、この四輪
駆動車の動力推進装置のうち、センタデフ装置9の代わ
りにフロントデフ装置5をデフハウジング6内に収容
(置換)させている。
駆動車の動力推進装置のうち、センタデフ装置9の代わ
りにフロントデフ装置5をデフハウジング6内に収容
(置換)させている。
【0035】そして、デフハウジング6の取付面8に
は、図4(b)および図7に示されるように同取付面
8、さらには通孔8a、通孔8aの周りにある複数の固
定用ねじ孔8b(図7に図示)をそのまま共用して、ト
ランスファ装置10b(フロントデフ装置10を含む)
の代わりに、クラッチ装置60を内蔵した駆動力調整装
置11(クラッチディスク装置に相当)が取り付けら
れ、図2および図4(c)に示されるような駆動力調整
機能が付いた前二輪駆動車用の動力推進装置のレイアウ
トを成立させている。
は、図4(b)および図7に示されるように同取付面
8、さらには通孔8a、通孔8aの周りにある複数の固
定用ねじ孔8b(図7に図示)をそのまま共用して、ト
ランスファ装置10b(フロントデフ装置10を含む)
の代わりに、クラッチ装置60を内蔵した駆動力調整装
置11(クラッチディスク装置に相当)が取り付けら
れ、図2および図4(c)に示されるような駆動力調整
機能が付いた前二輪駆動車用の動力推進装置のレイアウ
トを成立させている。
【0036】詳しくは、センタデフ装置9に置き代わる
フロントデフ装置5には、軸心をエンジン前後方向に向
けてデフハウジング6内に配設した遊星歯車構造が用い
られている。
フロントデフ装置5には、軸心をエンジン前後方向に向
けてデフハウジング6内に配設した遊星歯車構造が用い
られている。
【0037】具体的には、図1および図2に示されるよ
うにフロントデフ装置5は、デフハウジング6内にサン
ギヤ13と内周面にリングギヤ14が形成された筒形の
デフケース15とを同心円状に配設し、これらサンギヤ
13とリングギヤ14との間にプラネタリピニオン17
a,17bを噛み合わせて構成される。
うにフロントデフ装置5は、デフハウジング6内にサン
ギヤ13と内周面にリングギヤ14が形成された筒形の
デフケース15とを同心円状に配設し、これらサンギヤ
13とリングギヤ14との間にプラネタリピニオン17
a,17bを噛み合わせて構成される。
【0038】そして、左前輪につながる伝達軸18は、
デフハウジング6の左壁部を通じて、プラネタリピニオ
ン17a,17aを枢支しているプラネタリキャリア1
9に接続(スプライン嵌合)される。また右前輪につな
がる伝達軸20(回転軸に相当)は、通孔8aを貫通し
てサンギヤ13に接続(スプライン嵌合)される。
デフハウジング6の左壁部を通じて、プラネタリピニオ
ン17a,17aを枢支しているプラネタリキャリア1
9に接続(スプライン嵌合)される。また右前輪につな
がる伝達軸20(回転軸に相当)は、通孔8aを貫通し
てサンギヤ13に接続(スプライン嵌合)される。
【0039】デフケース15には、カウンタギヤ4aと
噛み合う大径なファイナルギヤ15a(最終減速機を構
成)が設けられていて、トランスミッション3からの出
力でリングギヤ14が回転するようにしてある。そし
て、この回転をプラネタリピニオン17a,17bに
て、両伝達軸18,20に分配しつつその回転差を許容
するようにしている。すなわち、リングギヤ14が回転
すると、プラネタリピニオン17a,17bが自転しな
がらサンギヤ13の周りを公転して伝達軸18へ駆動力
を伝えるとともに、このプラネタリピニオン17a,1
7bの公転と自転との釣り合いにしたがい伝達軸20へ
駆動力を伝えるようにしてある。
噛み合う大径なファイナルギヤ15a(最終減速機を構
成)が設けられていて、トランスミッション3からの出
力でリングギヤ14が回転するようにしてある。そし
て、この回転をプラネタリピニオン17a,17bに
て、両伝達軸18,20に分配しつつその回転差を許容
するようにしている。すなわち、リングギヤ14が回転
すると、プラネタリピニオン17a,17bが自転しな
がらサンギヤ13の周りを公転して伝達軸18へ駆動力
を伝えるとともに、このプラネタリピニオン17a,1
7bの公転と自転との釣り合いにしたがい伝達軸20へ
駆動力を伝えるようにしてある。
【0040】サンギヤ13から通孔8aへ至る伝達軸2
0の外周部には、プラネタリキャリア19につながる筒
状の伝達軸21が回転自在に外嵌されている。なお、伝
達軸21の先端部外周にはスプライン21aが形成して
ある。
0の外周部には、プラネタリキャリア19につながる筒
状の伝達軸21が回転自在に外嵌されている。なお、伝
達軸21の先端部外周にはスプライン21aが形成して
ある。
【0041】一方、デフハウジング6の取付面8に据え
付けられる駆動力調整装置11には、図1および図2に
示されるような構造が採用されている。この駆動力調整
装置11を説明すると、25は駆動力調整装置11を構
成する本体ケースである。
付けられる駆動力調整装置11には、図1および図2に
示されるような構造が採用されている。この駆動力調整
装置11を説明すると、25は駆動力調整装置11を構
成する本体ケースである。
【0042】この本体ケース25は、図6にも示される
ように壁状部26の両側に、同壁状部26を挟むように
略椀状の前・後ケース27,28を組合わせて構成され
る。このうち前ケース27は、デフハウジング6の取付
面8の外形と対応した端板部で構成される取付座29を
有している。この取付座29の中央には、取付面8の通
孔8a内に差込み可能な筒形の差込部30が形成してあ
る。また取付座29の周縁部には、デフハウジング6の
取付面8をそのまま流用して固定ができるよう、当該取
付面8に形成してあるねじ孔8b、さらにはピン8c
(図1、図2にだけに図示)などと対応して、図6およ
び図7に示されように通孔31が形成してある。
ように壁状部26の両側に、同壁状部26を挟むように
略椀状の前・後ケース27,28を組合わせて構成され
る。このうち前ケース27は、デフハウジング6の取付
面8の外形と対応した端板部で構成される取付座29を
有している。この取付座29の中央には、取付面8の通
孔8a内に差込み可能な筒形の差込部30が形成してあ
る。また取付座29の周縁部には、デフハウジング6の
取付面8をそのまま流用して固定ができるよう、当該取
付面8に形成してあるねじ孔8b、さらにはピン8c
(図1、図2にだけに図示)などと対応して、図6およ
び図7に示されように通孔31が形成してある。
【0043】取付座29の外周部からは、差込部30と
は反対側に向かって延びる筒状のハウジング部32が形
成されている。なお、32bはハウジング端に形成され
た結合用のフランジ部を示す。
は反対側に向かって延びる筒状のハウジング部32が形
成されている。なお、32bはハウジング端に形成され
た結合用のフランジ部を示す。
【0044】また後ケース28は、端壁部28aの中央
に貫通孔33aを形成してなる有底筒状のハウジング部
33から構成される。なお、34はハウジング端に形成
された結合用のフランジ部を示す。
に貫通孔33aを形成してなる有底筒状のハウジング部
33から構成される。なお、34はハウジング端に形成
された結合用のフランジ部を示す。
【0045】壁状部26は、中央に貫通孔26aを有
し、両側面にフランジ部32b,34(前・後ケース2
7,28)と重合可能な重合面35a,35bを有する
円板状部材から構成される。
し、両側面にフランジ部32b,34(前・後ケース2
7,28)と重合可能な重合面35a,35bを有する
円板状部材から構成される。
【0046】そして、壁状部26の重合面35a,35
bに、前ケース27、後ケース28のフランジ部32
b,34を重ね合わせて、壁状部26とフランジ部34
同士、壁状部26とフランジ部32b同士を固定、例え
ばボルト36で結合することにより、本体ケース25を
構成してある。
bに、前ケース27、後ケース28のフランジ部32
b,34を重ね合わせて、壁状部26とフランジ部34
同士、壁状部26とフランジ部32b同士を固定、例え
ばボルト36で結合することにより、本体ケース25を
構成してある。
【0047】また本体ケース25は、デフハウジング6
の通孔8aに前ケース27の差込部30を差し込み、前
ケース27の取付座29をデフハウジング6の取付面8
に突き合わせて、図3および図7に示されるように取付
面8と取付座29同士をボルト37で結合することによ
り、四輪駆動車で使用するデフハウジング6に固定して
ある。
の通孔8aに前ケース27の差込部30を差し込み、前
ケース27の取付座29をデフハウジング6の取付面8
に突き合わせて、図3および図7に示されるように取付
面8と取付座29同士をボルト37で結合することによ
り、四輪駆動車で使用するデフハウジング6に固定して
ある。
【0048】ここで、トルクコンバータ2の取付面2a
とデフハウジング6の取付面8とは、同一面上で近接し
て配置されているから、本体ケース25がエンジン1側
から張り出ているフライホイールハウジング1aと干渉
するおそれがある。
とデフハウジング6の取付面8とは、同一面上で近接し
て配置されているから、本体ケース25がエンジン1側
から張り出ているフライホイールハウジング1aと干渉
するおそれがある。
【0049】そこで、これを避けるために前ケース27
のハウジング部32には、図3および図7に示されるよ
うに張り出たフライホイールハウジング部分を逃がすよ
う、一部、凹陥した凹陥部32aが形成してある。
のハウジング部32には、図3および図7に示されるよ
うに張り出たフライホイールハウジング部分を逃がすよ
う、一部、凹陥した凹陥部32aが形成してある。
【0050】そして、このケース構造を利用して、本体
ケース25内の空間部分全体を油室とし、前ケース27
と壁状部26とで囲まれる空間をギヤ室38、壁状部2
6と後ケース28とで囲まれる空間をクラッチ室39に
定めてある。
ケース25内の空間部分全体を油室とし、前ケース27
と壁状部26とで囲まれる空間をギヤ室38、壁状部2
6と後ケース28とで囲まれる空間をクラッチ室39に
定めてある。
【0051】またデフハウジング6から延びる伝達軸2
0が、本体ケース25の各貫通孔、すなわち差込部30
の内腔、貫通孔26a、貫通孔33aを貫通して、右前
輪側へ突き出ている。
0が、本体ケース25の各貫通孔、すなわち差込部30
の内腔、貫通孔26a、貫通孔33aを貫通して、右前
輪側へ突き出ている。
【0052】そして、図1〜図3、図6、図7に示され
るようにギヤ室38には増減速機構40が配設され、ま
たクラッチ室39にはクラッチ装置60が配設され、左
右輪へのトルク配分を調整する駆動力調整機構11aを
構成している。
るようにギヤ室38には増減速機構40が配設され、ま
たクラッチ室39にはクラッチ装置60が配設され、左
右輪へのトルク配分を調整する駆動力調整機構11aを
構成している。
【0053】ここで、増減速機構40を説明すれば、図
中41はギヤ室38のうち、伝達軸20を挟むエンジン
1側と反対側のエンジン1から逃げた(離れた)部位に
配設された増減速ギヤ(1つ)である。
中41はギヤ室38のうち、伝達軸20を挟むエンジン
1側と反対側のエンジン1から逃げた(離れた)部位に
配設された増減速ギヤ(1つ)である。
【0054】増減速ギヤ41は、前ケース27の取付座
裏面部とこれに向き合う壁状部材26の側面にそれぞれ
形成された軸受部42によって、両端が支持された軸部
43に回転自在に支持されている。軸部43は、伝達軸
20の軸線と平行に設けられている。また増減速ギヤ4
1は、フロントデフ装置5側から順に、入力ギヤ44、
この入力ギヤ44より歯数が多い増速ギヤ45、入力ギ
ヤ44より歯数が少ない減速ギヤ46が一体に設けられ
ている。
裏面部とこれに向き合う壁状部材26の側面にそれぞれ
形成された軸受部42によって、両端が支持された軸部
43に回転自在に支持されている。軸部43は、伝達軸
20の軸線と平行に設けられている。また増減速ギヤ4
1は、フロントデフ装置5側から順に、入力ギヤ44、
この入力ギヤ44より歯数が多い増速ギヤ45、入力ギ
ヤ44より歯数が少ない減速ギヤ46が一体に設けられ
ている。
【0055】そして、入力ギヤ44が、伝達軸20の外
周部に回転自在に外挿された中継軸47に噛み合ってい
る。具体的には、中継軸47は、取付座29に設けた軸
受48によって、伝達軸20と同軸なすように回転自在
に支持してある。そして、クラッチ室39側の端部には
入力ギヤ44と噛み合うカウンタギヤ49が一体に設け
てある。またフロントデフ装置5側の端部には、フロン
トデフ装置5から突き出ている第2の伝達軸21のスプ
ライン21aと挿脱自在なスプライン部47aが形成さ
れている。このスプライン部47aの先端部は、差込部
30の先端近くまで配置されていて、本体ケース25の
差込部30をデフハウジング6の通孔8aに差し込む
と、通孔8aに臨んでいる伝達軸21のスプライン21
aに噛み合うようにしてある。
周部に回転自在に外挿された中継軸47に噛み合ってい
る。具体的には、中継軸47は、取付座29に設けた軸
受48によって、伝達軸20と同軸なすように回転自在
に支持してある。そして、クラッチ室39側の端部には
入力ギヤ44と噛み合うカウンタギヤ49が一体に設け
てある。またフロントデフ装置5側の端部には、フロン
トデフ装置5から突き出ている第2の伝達軸21のスプ
ライン21aと挿脱自在なスプライン部47aが形成さ
れている。このスプライン部47aの先端部は、差込部
30の先端近くまで配置されていて、本体ケース25の
差込部30をデフハウジング6の通孔8aに差し込む
と、通孔8aに臨んでいる伝達軸21のスプライン21
aに噛み合うようにしてある。
【0056】このつながる伝達軸21、中継軸47を通
じて、左前輪へ伝達される駆動力を増減速ギヤ41へ入
力させるようにしてある。また増速ギヤ45は、カウン
タギヤ49と隣接して伝達軸20の外周部に回転自在に
設けた増速用のギヤ部50と噛み合い、ギヤ装置をなし
ている。さらに減速ギヤ46は、ギヤ部50と隣接して
伝達軸20の外周部に回転自在に設けた減速用のギヤ部
51と噛み合い、ギヤ装置をなしている。
じて、左前輪へ伝達される駆動力を増減速ギヤ41へ入
力させるようにしてある。また増速ギヤ45は、カウン
タギヤ49と隣接して伝達軸20の外周部に回転自在に
設けた増速用のギヤ部50と噛み合い、ギヤ装置をなし
ている。さらに減速ギヤ46は、ギヤ部50と隣接して
伝達軸20の外周部に回転自在に設けた減速用のギヤ部
51と噛み合い、ギヤ装置をなしている。
【0057】このうち増速用のギヤ部50は、伝達軸2
0の外周部に回転自在(相対回転可能)に外嵌された筒
形の回転部材52(第1回転部材に相当)の左端部に設
けられている。減速用のギヤ部51は、この回転部材5
2の外周部に回転自在(相対回転可能)に外嵌された筒
形の回転部材53(第2回転部材に相当)の左端部に設
けられている。
0の外周部に回転自在(相対回転可能)に外嵌された筒
形の回転部材52(第1回転部材に相当)の左端部に設
けられている。減速用のギヤ部51は、この回転部材5
2の外周部に回転自在(相対回転可能)に外嵌された筒
形の回転部材53(第2回転部材に相当)の左端部に設
けられている。
【0058】そして、これら回転部材52,53は、壁
状部26の貫通孔26aを貫通して、右前輪側に有るク
ラッチ室39へ延びていて、噛み合う各ギヤの組合わせ
にしたがい増速あるいは減速された回転をクラッチ装置
60へ出力させるようにしてある。
状部26の貫通孔26aを貫通して、右前輪側に有るク
ラッチ室39へ延びていて、噛み合う各ギヤの組合わせ
にしたがい増速あるいは減速された回転をクラッチ装置
60へ出力させるようにしてある。
【0059】このクラッチ装置60には、例えば湿式多
板構造を採用した油圧駆動の二連形のクラッチ装置が用
いられている。クラッチ装置60について説明すれば、
図中61は、伝達軸20と同心でクラッチ室39の外周
側に配置された、例えばクラッチ室39の円形断面より
若干小さい外径に定められた円筒状のハウジング部、6
2は例えば後ケース28の端壁部を貫通する伝達軸部分
にスプライン嵌合で結合されたボス部(連結部に相当)
である。ハウジング部61の右前輪側の端部は、同部分
から伝達軸側に向かって延びている端壁部63aを介
し、ボス部62に一体に連結され、有底筒状のクラッチ
ハウジング62aを構成している。なお、ボス部62
は、後ケース28の端壁部28aに設けた軸受64によ
り、伝達軸20と共に回転自在に支持されていて、伝達
軸20からの駆動力をハウジング部61に伝えるように
してある。
板構造を採用した油圧駆動の二連形のクラッチ装置が用
いられている。クラッチ装置60について説明すれば、
図中61は、伝達軸20と同心でクラッチ室39の外周
側に配置された、例えばクラッチ室39の円形断面より
若干小さい外径に定められた円筒状のハウジング部、6
2は例えば後ケース28の端壁部を貫通する伝達軸部分
にスプライン嵌合で結合されたボス部(連結部に相当)
である。ハウジング部61の右前輪側の端部は、同部分
から伝達軸側に向かって延びている端壁部63aを介
し、ボス部62に一体に連結され、有底筒状のクラッチ
ハウジング62aを構成している。なお、ボス部62
は、後ケース28の端壁部28aに設けた軸受64によ
り、伝達軸20と共に回転自在に支持されていて、伝達
軸20からの駆動力をハウジング部61に伝えるように
してある。
【0060】またハウジング部61の増減速機構11側
の端部には、同部分から半径方向内方に向かい回転部材
53の近傍まで延びる端壁部63bが形成してある。ハ
ウジング部61の内周面には、幅方向両側に位置して、
例えば複数枚のリング状の摩擦板65の外周部を軸方向
に移動可能に支持してなる二組の摩擦板ユニット65
a,65b(第1摩擦板、第2摩擦板に相当)が設けら
れている。
の端部には、同部分から半径方向内方に向かい回転部材
53の近傍まで延びる端壁部63bが形成してある。ハ
ウジング部61の内周面には、幅方向両側に位置して、
例えば複数枚のリング状の摩擦板65の外周部を軸方向
に移動可能に支持してなる二組の摩擦板ユニット65
a,65b(第1摩擦板、第2摩擦板に相当)が設けら
れている。
【0061】また回転部材52の延出端の外周部には、
リテーナ66bを介して、軸線方向に並ぶ(配列)リン
グ状の複数のクラッチディスク67b(第1クラッチデ
ィスクに相当)が支持されている。
リテーナ66bを介して、軸線方向に並ぶ(配列)リン
グ状の複数のクラッチディスク67b(第1クラッチデ
ィスクに相当)が支持されている。
【0062】さらに回転部材53の延出端の外周部に
も、リテーナ66aを介して、軸線方向に並ぶ(配列)
リング状の複数のクラッチディスク67a(第2クラッ
チディスクに相当)が支持されている。
も、リテーナ66aを介して、軸線方向に並ぶ(配列)
リング状の複数のクラッチディスク67a(第2クラッ
チディスクに相当)が支持されている。
【0063】そして、クラッチディスク67b間には摩
擦板ユニット65bの摩擦板65が介装されている。ま
た端壁部63aには摩擦板群に軸方向への押圧力を与え
るピストン部材、例えば油圧ピストン68bが設けられ
ていて、油圧ピストン68bで摩擦板65とクラッチデ
ィスク67bとをスリップ(係合)させることにより、
「速度の速い側から遅い側へトルクが伝達される」とい
う原理で、フロントデフ装置5の差動機能を利用して、
左前輪へ配分されたトルクを右前輪へ移動させるように
している。
擦板ユニット65bの摩擦板65が介装されている。ま
た端壁部63aには摩擦板群に軸方向への押圧力を与え
るピストン部材、例えば油圧ピストン68bが設けられ
ていて、油圧ピストン68bで摩擦板65とクラッチデ
ィスク67bとをスリップ(係合)させることにより、
「速度の速い側から遅い側へトルクが伝達される」とい
う原理で、フロントデフ装置5の差動機能を利用して、
左前輪へ配分されたトルクを右前輪へ移動させるように
している。
【0064】クラッチディスク67a間には摩擦板ユニ
ット65aの摩擦板65が介装されている。また端壁部
63bには摩擦板群に軸方向への押圧力を与える油圧ピ
ストン68aが設けられていて、油圧ピストン68aで
摩擦板65とクラッチディスク67aとをスリップ(係
合)させることにより、同じ原理で、フロントデフ装置
5の差動機能を利用して、右前輪へ配分されたトルクを
左前輪へ移動させるようにしてある。
ット65aの摩擦板65が介装されている。また端壁部
63bには摩擦板群に軸方向への押圧力を与える油圧ピ
ストン68aが設けられていて、油圧ピストン68aで
摩擦板65とクラッチディスク67aとをスリップ(係
合)させることにより、同じ原理で、フロントデフ装置
5の差動機能を利用して、右前輪へ配分されたトルクを
左前輪へ移動させるようにしてある。
【0065】さらに述べれば、油圧ピストン68a,6
8bと対向する壁状部26の側面部分と、後ケース28
の端壁部28aの裏面部分には、油圧を受け入れる例え
ばリング状の油圧室69a,69b、同油圧室69a,
69bに加わる油圧にて油圧ピストン68a,68bを
押圧するアクチュエータ70a,70bが設けられてい
て、油圧室69aあるいは油圧室69bに導入される油
圧により、先のトルク移動の調整に必要な制御が行われ
るようにしてある。
8bと対向する壁状部26の側面部分と、後ケース28
の端壁部28aの裏面部分には、油圧を受け入れる例え
ばリング状の油圧室69a,69b、同油圧室69a,
69bに加わる油圧にて油圧ピストン68a,68bを
押圧するアクチュエータ70a,70bが設けられてい
て、油圧室69aあるいは油圧室69bに導入される油
圧により、先のトルク移動の調整に必要な制御が行われ
るようにしてある。
【0066】一方、端壁部63bの先端部は、貫通孔2
6aを貫通している回転部材53の軸部分に摺動自在に
嵌挿された円筒状のボス部77に一体に連結されてい
る。そして、ボス部77は、ボス部77の外周面と貫通
孔26aの内周面との間に介装された軸受79で回転自
在に支持されていて、ギヤ室38とクラッチ室39との
間を区切っている。この区切りにより、図3および図7
に示されるようにギヤ室38の内底部に、増減速ギヤ4
1を含む例えば伝達軸20まで部位を浸漬するよう潤滑
油72を貯溜しておく油溜め部73を区画形成してあ
る。またこの油溜め部73は、例えば壁状部26の下部
を厚み方向に沿って貫通する戻り通路74(図2に図
示)を通じて、クラッチ室39の内底部と連通してい
て、図7に示されるようにクラッチ室39の下側にも潤
滑油72を溜め、図3中の二点鎖線でも示されるように
クラッチ室39内に収容されている摩擦板65a,65
b、クラッチディスク67a,67bの一部を浸漬させ
て、油溜め部73およびクラッチ室39の下部に形成さ
れた油溜め部75の潤滑油72で、増減速ギヤ41の噛
合部等の潤滑、クラッチ装置60の冷却等が行われるよ
うにしている。
6aを貫通している回転部材53の軸部分に摺動自在に
嵌挿された円筒状のボス部77に一体に連結されてい
る。そして、ボス部77は、ボス部77の外周面と貫通
孔26aの内周面との間に介装された軸受79で回転自
在に支持されていて、ギヤ室38とクラッチ室39との
間を区切っている。この区切りにより、図3および図7
に示されるようにギヤ室38の内底部に、増減速ギヤ4
1を含む例えば伝達軸20まで部位を浸漬するよう潤滑
油72を貯溜しておく油溜め部73を区画形成してあ
る。またこの油溜め部73は、例えば壁状部26の下部
を厚み方向に沿って貫通する戻り通路74(図2に図
示)を通じて、クラッチ室39の内底部と連通してい
て、図7に示されるようにクラッチ室39の下側にも潤
滑油72を溜め、図3中の二点鎖線でも示されるように
クラッチ室39内に収容されている摩擦板65a,65
b、クラッチディスク67a,67bの一部を浸漬させ
て、油溜め部73およびクラッチ室39の下部に形成さ
れた油溜め部75の潤滑油72で、増減速ギヤ41の噛
合部等の潤滑、クラッチ装置60の冷却等が行われるよ
うにしている。
【0067】また端壁部63bの先端部となるボス部7
7には、クラッチ装置60の回転を利用した油給送ポン
プ76が設けられている。油給送ポンプ76は、軸線方
向に延びるボス部77と回転部材53との協力で構成さ
れている。
7には、クラッチ装置60の回転を利用した油給送ポン
プ76が設けられている。油給送ポンプ76は、軸線方
向に延びるボス部77と回転部材53との協力で構成さ
れている。
【0068】具体的には、貫通孔26の空間内で軸心方
向に延びるボス部77と回転部材53との間には、ボス
部77の内周面と回転部材53の外周面とが接するとと
もに軸線方向に広がる面(周接面)が形成されている。
またこの周接面を形成する片側の部材、例えばボス部7
7の内周面には軸方向に連続して延びる螺旋溝78が形
成されている。この螺旋溝78の一端は増減速機構40
を収容している油溜め部73とギヤ室38(いずれも第
2分室に相当)に開口し、他端は摩擦板65、クラッチ
ディスク67a,67b、クラッチハウジング62aを
収容している油溜め部75とクラッチ室39(いずれも
第1分室に相当)に開口している。
向に延びるボス部77と回転部材53との間には、ボス
部77の内周面と回転部材53の外周面とが接するとと
もに軸線方向に広がる面(周接面)が形成されている。
またこの周接面を形成する片側の部材、例えばボス部7
7の内周面には軸方向に連続して延びる螺旋溝78が形
成されている。この螺旋溝78の一端は増減速機構40
を収容している油溜め部73とギヤ室38(いずれも第
2分室に相当)に開口し、他端は摩擦板65、クラッチ
ディスク67a,67b、クラッチハウジング62aを
収容している油溜め部75とクラッチ室39(いずれも
第1分室に相当)に開口している。
【0069】ここで、螺旋溝78は、伝達軸20に伝わ
る駆動力でクラッチハウジング62aが回転すると、全
体が伝達軸20の軸線回りに回転するようになってい
る。油溜め部73内の潤滑油72は、ギヤ室38の回転
部材52,53(ギヤ部50,51)、増減速ギヤ41
などの回転により螺旋溝78のギヤ室38側開口部に送
り込まれ、ボス部77が回転(相対回転)することによ
り螺旋溝78を通りクラッチ室39側開口部より、クラ
ッチ室39の油溜め部75へ排出されるようになってい
る。
る駆動力でクラッチハウジング62aが回転すると、全
体が伝達軸20の軸線回りに回転するようになってい
る。油溜め部73内の潤滑油72は、ギヤ室38の回転
部材52,53(ギヤ部50,51)、増減速ギヤ41
などの回転により螺旋溝78のギヤ室38側開口部に送
り込まれ、ボス部77が回転(相対回転)することによ
り螺旋溝78を通りクラッチ室39側開口部より、クラ
ッチ室39の油溜め部75へ排出されるようになってい
る。
【0070】また回転部材53のリテーナ66aは、ボ
ス部77と回転部材53との周接面よりも外径方向に離
れた部位に、摩擦板65を支持する円筒部66cを有し
て構成されていて、螺旋溝78で圧送される潤滑油72
をリテーナ66aの内周部に飛散させるようにしてあ
る。
ス部77と回転部材53との周接面よりも外径方向に離
れた部位に、摩擦板65を支持する円筒部66cを有し
て構成されていて、螺旋溝78で圧送される潤滑油72
をリテーナ66aの内周部に飛散させるようにしてあ
る。
【0071】さらにこのリテーナ66aの円筒部66c
には、摩擦板側とリテーナ66aの内周部とを連通する
通孔56が設けられていて、リテーナ66aの内周部で
飛散した潤滑油72を、熱発生源となる摩擦板65、ク
ラッチディスク67aへ導出させるようにしてある。ま
たリテーナ66aの円筒部66cと支持部とをつなぐ端
壁部66dには、隣接するリテーナ66bへ、リテーナ
66aの内周部で飛散した潤滑油72を導出させる通孔
56bも設けてある。
には、摩擦板側とリテーナ66aの内周部とを連通する
通孔56が設けられていて、リテーナ66aの内周部で
飛散した潤滑油72を、熱発生源となる摩擦板65、ク
ラッチディスク67aへ導出させるようにしてある。ま
たリテーナ66aの円筒部66cと支持部とをつなぐ端
壁部66dには、隣接するリテーナ66bへ、リテーナ
66aの内周部で飛散した潤滑油72を導出させる通孔
56bも設けてある。
【0072】また回転部材52のリテーナ66bも、リ
テーナ66aと同様、ボス部77と回転部材53との周
接面よりも外径方向に離れた部位に、摩擦板65を支持
する円筒部66eを有して構成されていて、リテーナ6
6aから導出された潤滑油72をリテーナ66bの内周
部に飛散させるようにしてある。
テーナ66aと同様、ボス部77と回転部材53との周
接面よりも外径方向に離れた部位に、摩擦板65を支持
する円筒部66eを有して構成されていて、リテーナ6
6aから導出された潤滑油72をリテーナ66bの内周
部に飛散させるようにしてある。
【0073】このリテーナ66bの円筒部66eにも、
摩擦板側とリテーナ66bの内周部とを連通する通孔5
6cが設けられていて、リテーナ66bの内周部で飛散
した潤滑油72を、熱発生源となる摩擦板65、クラッ
チディスク67bへ導出させるようにしてある。
摩擦板側とリテーナ66bの内周部とを連通する通孔5
6cが設けられていて、リテーナ66bの内周部で飛散
した潤滑油72を、熱発生源となる摩擦板65、クラッ
チディスク67bへ導出させるようにしてある。
【0074】この油給送により、クラッチ装置60を効
率よく冷却させるとともに油溜め部73,75内の潤滑
油72を流動させるようにしてある。つぎに、このよう
に構成された前二輪駆動車の動力推進装置の作用につい
て説明する。
率よく冷却させるとともに油溜め部73,75内の潤滑
油72を流動させるようにしてある。つぎに、このよう
に構成された前二輪駆動車の動力推進装置の作用につい
て説明する。
【0075】エンジン1(E/G)から出力された回転
は、トルクコンバータ2(T/C)、トランスミッショ
ン3(T/M)を通じ、カウンタシャフト4へ出力され
る。この回転は、カウンタギヤ4aからファイナルギヤ
15aを経て、フロントデフ装置5の入力要素となるリ
ングギヤ14へ入力される。
は、トルクコンバータ2(T/C)、トランスミッショ
ン3(T/M)を通じ、カウンタシャフト4へ出力され
る。この回転は、カウンタギヤ4aからファイナルギヤ
15aを経て、フロントデフ装置5の入力要素となるリ
ングギヤ14へ入力される。
【0076】そして、このリングギヤ14の回転が、フ
ロントデフ装置5の一方の出力要素となる自転・公転運
動をなすプラネタリピニオン17a,17b、プラネタ
リキャリア19を経て、伝達軸18から左前輪へ出力さ
れる。
ロントデフ装置5の一方の出力要素となる自転・公転運
動をなすプラネタリピニオン17a,17b、プラネタ
リキャリア19を経て、伝達軸18から左前輪へ出力さ
れる。
【0077】またリンクギヤ14の回転は、プラネタリ
ピニオン17a,17bを通じて、フロントデフ装置5
の他方の出力要素となるサンギヤ13を経て、伝達軸1
8から右前輪へ出力される。
ピニオン17a,17bを通じて、フロントデフ装置5
の他方の出力要素となるサンギヤ13を経て、伝達軸1
8から右前輪へ出力される。
【0078】こうしたフロントデフ装置5の動きによ
り、均等、具体的には50:50の割合で、左右輪に均
等なトルクを伝達しつつ(左右輪分配)、左右輪の回転
(速度)差をプラネタリピニオン17a,17bの挙動
で許容する。
り、均等、具体的には50:50の割合で、左右輪に均
等なトルクを伝達しつつ(左右輪分配)、左右輪の回転
(速度)差をプラネタリピニオン17a,17bの挙動
で許容する。
【0079】そして、このときのプラネタリキャリア1
9から出力される回転とサンギヤ13から出力される回
転が、デフハウジング6の通孔8aを介して、エンジン
1と隣接して設置してある駆動力調整装置11へ伝わ
る。
9から出力される回転とサンギヤ13から出力される回
転が、デフハウジング6の通孔8aを介して、エンジン
1と隣接して設置してある駆動力調整装置11へ伝わ
る。
【0080】詳しくは、プラネタリキャリア19の回転
は、伝達軸21、中継軸47、カウンタギヤ49を経
て、増減速ギヤ41の入力ギヤ44からへ伝達される。
この回転は、噛み合う増速ギヤ45と増速用のギヤ部5
0とによって構成される増速機構で増速されて、回転部
材52、ディスク支持体66bを経て、クラッチディス
ク67bへ出力される。と同時にプラネタリキャリア1
9の回転は、噛み合う減速ギヤ46と減速用のギヤ部5
1とによって構成される減速機構で減速されて、回転部
材53、ディスク支持体66aを経て、クラッチディス
ク67aへ出力される。
は、伝達軸21、中継軸47、カウンタギヤ49を経
て、増減速ギヤ41の入力ギヤ44からへ伝達される。
この回転は、噛み合う増速ギヤ45と増速用のギヤ部5
0とによって構成される増速機構で増速されて、回転部
材52、ディスク支持体66bを経て、クラッチディス
ク67bへ出力される。と同時にプラネタリキャリア1
9の回転は、噛み合う減速ギヤ46と減速用のギヤ部5
1とによって構成される減速機構で減速されて、回転部
材53、ディスク支持体66aを経て、クラッチディス
ク67aへ出力される。
【0081】またサンギア13の回転は、伝達軸20、
端壁部63a、クラッチハウジング62aを経て、2組
の摩擦板ユニット65a,65bの摩擦板65に一度に
伝達される。
端壁部63a、クラッチハウジング62aを経て、2組
の摩擦板ユニット65a,65bの摩擦板65に一度に
伝達される。
【0082】このとき、摩擦板ユニット65a,65b
がオフ状態(摩擦板65とクラッチディスク67a,6
7bとが非係合)であれば、通常にフロントデフ装置5
の差動機能が発揮され、操舵される左・右輪を均等なト
ルクで駆動する。
がオフ状態(摩擦板65とクラッチディスク67a,6
7bとが非係合)であれば、通常にフロントデフ装置5
の差動機能が発揮され、操舵される左・右輪を均等なト
ルクで駆動する。
【0083】ここで、油圧室69bに油圧を供給し、油
圧ピストン68bを押動させて、摩擦板ユニット65b
をオン状態にすれば、右輪に伝わるトルクが増加するよ
うトルク配分が調整される。
圧ピストン68bを押動させて、摩擦板ユニット65b
をオン状態にすれば、右輪に伝わるトルクが増加するよ
うトルク配分が調整される。
【0084】すなわち、油圧ピストン68bが押動する
と、摩擦板ユニット65bの摩擦板65とクラッチディ
スク67bとの相互の摩擦面が密接していく。このと
き、クラッチディスク67bは、増速機構によって増速
されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。
と、摩擦板ユニット65bの摩擦板65とクラッチディ
スク67bとの相互の摩擦面が密接していく。このと
き、クラッチディスク67bは、増速機構によって増速
されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。
【0085】ここで、トルクは速度の速い側から遅い側
へ伝達されるから、クラッチディスク67bから摩擦板
65へトルクは移る。これにより、伝達軸20のトルク
は増加する。
へ伝達されるから、クラッチディスク67bから摩擦板
65へトルクは移る。これにより、伝達軸20のトルク
は増加する。
【0086】またこのトルクの増加分、リングギヤ14
からプラネタリキャリア19を介して伝達軸18に分配
されるトルクは減少する。これにより、右輪に伝わるト
ルクが「増」、左輪に伝わるトルクが「減」となるトル
クの配分率に調整される。
からプラネタリキャリア19を介して伝達軸18に分配
されるトルクは減少する。これにより、右輪に伝わるト
ルクが「増」、左輪に伝わるトルクが「減」となるトル
クの配分率に調整される。
【0087】また油圧室69aに油圧を供給し、油圧ピ
ストン68aを押動させて、摩擦板ユニット65aをオ
ン状態にすれば、逆に左輪に伝わるトルクが増加するよ
う配分される。
ストン68aを押動させて、摩擦板ユニット65aをオ
ン状態にすれば、逆に左輪に伝わるトルクが増加するよ
う配分される。
【0088】すなわち、油圧ピストン68aが押動する
と、今度は摩擦板ユニット65aの摩擦板65とクラッ
チディスク67aとの摩擦面が密接していく。このと
き、クラッチディスク67aは、減速機構によって減速
されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。
と、今度は摩擦板ユニット65aの摩擦板65とクラッ
チディスク67aとの摩擦面が密接していく。このと
き、クラッチディスク67aは、減速機構によって減速
されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。
【0089】そして、このとき「トルクは速度の速い側
から遅い側へ伝達される」という原理から、伝達軸20
のトルクは、回転の遅いクラッチディスク67a、増減
速ギヤ41、中継軸47、第2の伝達軸21を通じて、
フロントデフ装置5のプラネタリキャリア19から伝達
軸18に伝達されていく。
から遅い側へ伝達される」という原理から、伝達軸20
のトルクは、回転の遅いクラッチディスク67a、増減
速ギヤ41、中継軸47、第2の伝達軸21を通じて、
フロントデフ装置5のプラネタリキャリア19から伝達
軸18に伝達されていく。
【0090】これにより、左輪に伝わるトルクが
「増」、右輪に伝わるトルクが「減」となるトルクの配
分率に調整される。このようにして行われる操舵輪(前
二輪)へのトルク配分の調整により、前二輪駆動車の運
動性能が高められる。
「増」、右輪に伝わるトルクが「減」となるトルクの配
分率に調整される。このようにして行われる操舵輪(前
二輪)へのトルク配分の調整により、前二輪駆動車の運
動性能が高められる。
【0091】またこうしたトルク配分の調整の際、スリ
ップにより発熱するクラッチ装置60の摩擦板65、ク
ラッチディスク67a,67bは油溜め部73,75に
溜まっている潤滑油72で冷却されていく。
ップにより発熱するクラッチ装置60の摩擦板65、ク
ラッチディスク67a,67bは油溜め部73,75に
溜まっている潤滑油72で冷却されていく。
【0092】具体的には、摩擦板65、クラッチディス
ク67a,67bは、油溜め部75の潤滑油72に浸り
ながら回転して、このとき摩擦板65、クラッチディス
ク67a,67bの熱が潤滑油72で奪われていく。
ク67a,67bは、油溜め部75の潤滑油72に浸り
ながら回転して、このとき摩擦板65、クラッチディス
ク67a,67bの熱が潤滑油72で奪われていく。
【0093】このとき、潤滑油中をハウジング部61、
摩擦板65、クラッチディスク67a,67bを含めた
ユニット全体が通過するだけだと、油溜め部75の潤滑
油72は、同ユニットと接する部位だけが局所的に高温
で、他の部位が低温となるような温度分布が生じて、効
率のよいクラッチ装置65の冷却が行われにくい。
摩擦板65、クラッチディスク67a,67bを含めた
ユニット全体が通過するだけだと、油溜め部75の潤滑
油72は、同ユニットと接する部位だけが局所的に高温
で、他の部位が低温となるような温度分布が生じて、効
率のよいクラッチ装置65の冷却が行われにくい。
【0094】そこで、これをクラッチハウジング端に在
る油給送ポンプ76で解消している。すなわち、螺旋溝
78を有するボス部77は、増減速機構40で増・減速
回転を発生させているとき(エンジン1の動力がフロン
トデフ装置5に伝達されているとき)、伝達軸20から
クラッチハウジング部62aへ伝わる回転力で駆動され
ている。
る油給送ポンプ76で解消している。すなわち、螺旋溝
78を有するボス部77は、増減速機構40で増・減速
回転を発生させているとき(エンジン1の動力がフロン
トデフ装置5に伝達されているとき)、伝達軸20から
クラッチハウジング部62aへ伝わる回転力で駆動され
ている。
【0095】これにより、ボス部77は、減速回転して
いる回転部材53の外周面上を軸線回りに相対回転す
る。すると、クラッチ装置60から離れた油溜め部73
内の潤滑油72が、回転運動する螺旋溝78の入口(油
溜め部73側の開口端)から取込まれ、螺旋溝78を通
して、隣接するクラッチ室39、油溜め部75へ圧送さ
れる。
いる回転部材53の外周面上を軸線回りに相対回転す
る。すると、クラッチ装置60から離れた油溜め部73
内の潤滑油72が、回転運動する螺旋溝78の入口(油
溜め部73側の開口端)から取込まれ、螺旋溝78を通
して、隣接するクラッチ室39、油溜め部75へ圧送さ
れる。
【0096】この圧送により、油溜め部75内の潤滑油
72には流動が起き、対流が促進される。すると、油溜
め部75内の潤滑油72には、低温の澱んだ部位(停滞
している低温部位)がなくなり、常に低温の潤滑油72
でクラッチ装置65を冷却するようになる。なお、クラ
ッチ室側の油溜め部75は、戻り通路74を通じて、ギ
ヤ室側の油溜め部73に戻る。
72には流動が起き、対流が促進される。すると、油溜
め部75内の潤滑油72には、低温の澱んだ部位(停滞
している低温部位)がなくなり、常に低温の潤滑油72
でクラッチ装置65を冷却するようになる。なお、クラ
ッチ室側の油溜め部75は、戻り通路74を通じて、ギ
ヤ室側の油溜め部73に戻る。
【0097】こうした冷却は、伝達軸20(回転軸)に
油を送り出す螺旋溝78が不要なので、伝達軸20の剛
性などが損なわれることがない。それ故、大径な回転軸
を用いずにクラッチ装置60の冷却・潤滑を効率よく行
うことができる。特に増減速機構40からの回転伝達
で、回転部材53とクラッチハウジング62aとの間で
相対回転が行われるようにすると、効率の良い給送が期
待できる。
油を送り出す螺旋溝78が不要なので、伝達軸20の剛
性などが損なわれることがない。それ故、大径な回転軸
を用いずにクラッチ装置60の冷却・潤滑を効率よく行
うことができる。特に増減速機構40からの回転伝達
で、回転部材53とクラッチハウジング62aとの間で
相対回転が行われるようにすると、効率の良い給送が期
待できる。
【0098】この結果、装置のコンパクト化を図ること
ができる。しかも、伝達軸20(回転軸)は、通常、各
種機器に用いられる軸部品が共用できるようになるた
め、コストも抑制できる。
ができる。しかも、伝達軸20(回転軸)は、通常、各
種機器に用いられる軸部品が共用できるようになるた
め、コストも抑制できる。
【0099】しかも、潤滑油72を流動させるだけでな
く、圧送された潤滑油72をクラッチ装置内部で飛散さ
せ、一部を熱発生源となる摩擦板65、クラッチディス
ク67a,67bへ導出させるリテーナ構造を採用した
ので、効率のよいクラッチ装置60の冷却が期待でき
る。
く、圧送された潤滑油72をクラッチ装置内部で飛散さ
せ、一部を熱発生源となる摩擦板65、クラッチディス
ク67a,67bへ導出させるリテーナ構造を採用した
ので、効率のよいクラッチ装置60の冷却が期待でき
る。
【0100】すなわち、圧送された潤滑油72は、螺旋
溝78の出口(油溜め部75側の開口端)からリテーナ
66aの内周部(円筒部66a、スプライン支持された
支持部、端壁部66dで囲まれた空間部分)へ飛散さ
れ、高温となっているリテーナ66aを冷却するととも
に潤滑する。と同時に飛散した潤滑油72は、通孔56
aを通じて、摩擦板65、クラッチディスク67aへ送
り込まれ、両部材を冷却する。
溝78の出口(油溜め部75側の開口端)からリテーナ
66aの内周部(円筒部66a、スプライン支持された
支持部、端壁部66dで囲まれた空間部分)へ飛散さ
れ、高温となっているリテーナ66aを冷却するととも
に潤滑する。と同時に飛散した潤滑油72は、通孔56
aを通じて、摩擦板65、クラッチディスク67aへ送
り込まれ、両部材を冷却する。
【0101】また飛散した潤滑油72は、通孔56aか
ら後側に在るリテーナ66bの内周部(円筒部66e、
スプライン支持された支持部で囲まれた空間部分)へ飛
散され、高温となっているリテーナ66bを冷却すると
ともに潤滑する。
ら後側に在るリテーナ66bの内周部(円筒部66e、
スプライン支持された支持部で囲まれた空間部分)へ飛
散され、高温となっているリテーナ66bを冷却すると
ともに潤滑する。
【0102】そして、一部が通孔56cを通じて摩擦板
65、クラッチディスク67bへ送り込まれ、両部材を
冷却する。つまり、潤滑油72を流動させる挙動を利用
して、クラッチ装置60の深部を冷却するので、一層、
効率のよいクラッチ装置60の冷却が行われる。
65、クラッチディスク67bへ送り込まれ、両部材を
冷却する。つまり、潤滑油72を流動させる挙動を利用
して、クラッチ装置60の深部を冷却するので、一層、
効率のよいクラッチ装置60の冷却が行われる。
【0103】加えて、油給送ポンプ構造は、同心状に結
合された伝達軸20と複数の回転部材52,53との結
合構造を活用しているから、コンパクトであり、この構
造によって冷却の効率化とコンパクト化の双方を両立で
きる。
合された伝達軸20と複数の回転部材52,53との結
合構造を活用しているから、コンパクトであり、この構
造によって冷却の効率化とコンパクト化の双方を両立で
きる。
【0104】なお、本実施形態のおいて、前輪駆動車
(FF車)に採用した例を挙げたが、特開平5−345
5351号公報に開示されている後輪駆動車(FR車、
4WD車)に採用しても同等の効果が得られるのは言う
までもない。
(FF車)に採用した例を挙げたが、特開平5−345
5351号公報に開示されている後輪駆動車(FR車、
4WD車)に採用しても同等の効果が得られるのは言う
までもない。
【0105】図8および図9は、請求項1に係わる本発
明の一実施形態を示す。本実施形態は、例えばリヤデフ
装置に組込まれた湿式多板式のリミテッド・スリップ機
構(LSD)に、上記実施形態で述べたクラッチハウジ
ングの回転を利用して潤滑油を流動させる構造を適用し
たものである。
明の一実施形態を示す。本実施形態は、例えばリヤデフ
装置に組込まれた湿式多板式のリミテッド・スリップ機
構(LSD)に、上記実施形態で述べたクラッチハウジ
ングの回転を利用して潤滑油を流動させる構造を適用し
たものである。
【0106】具体的には、図8に示されるリアデフ装置
は、デフキャリア90内に、クラウンギヤ91とハイポ
イドギヤ92とで構成される最終減速機93を有し、ク
ランギヤ91の側部に、側方に延びる有底筒状のデフケ
ース94を有し、このデフケース94内に複数のベベル
ギヤ95aを噛合わせてなるベベルギヤセット95を有
し、ベベルギヤセット95から左右輪(図示しない)へ
伝達軸96,97(回転軸)が延びている。そして、べ
べルギヤセット95にて、両伝達軸96,97に駆動力
を分配しつつその回転差を許容できるようにしてある。
は、デフキャリア90内に、クラウンギヤ91とハイポ
イドギヤ92とで構成される最終減速機93を有し、ク
ランギヤ91の側部に、側方に延びる有底筒状のデフケ
ース94を有し、このデフケース94内に複数のベベル
ギヤ95aを噛合わせてなるベベルギヤセット95を有
し、ベベルギヤセット95から左右輪(図示しない)へ
伝達軸96,97(回転軸)が延びている。そして、べ
べルギヤセット95にて、両伝達軸96,97に駆動力
を分配しつつその回転差を許容できるようにしてある。
【0107】そして、デフケース94を延長してなるハ
ウジング部98(クラッチハウジングに相当)内に、伝
達軸97とデフケース94から入力される入力回転とを
接続する湿式多板式のクラッチ装置99を設けて、ベベ
ルギヤセット95で得られる差動を制限する構造にして
ある。
ウジング部98(クラッチハウジングに相当)内に、伝
達軸97とデフケース94から入力される入力回転とを
接続する湿式多板式のクラッチ装置99を設けて、ベベ
ルギヤセット95で得られる差動を制限する構造にして
ある。
【0108】具体的には、クラッチ装置99は、伝達軸
97と一体に回転する該軸97に外嵌してあるリテーナ
100、このリテーナ100の外周に支持された軸線方
向に並ぶ(配列)リング状の複数のクラッチディスク1
01、これらクラッチディスク101の間に介装される
摩擦板102を有している。
97と一体に回転する該軸97に外嵌してあるリテーナ
100、このリテーナ100の外周に支持された軸線方
向に並ぶ(配列)リング状の複数のクラッチディスク1
01、これらクラッチディスク101の間に介装される
摩擦板102を有している。
【0109】さらに摩擦板102は、外周がハウジング
部98の内面で支持されて、クラッチディスク101と
共にデフケース94内に収容されている。そして、ハウ
ジング部98のの端壁に設けてあるピストン部材、例え
ば油圧ピストン103で、外部から摩擦板102を押圧
してクラッチディスク101に圧着(係合)させること
により、ベベルギヤセット95で行われる差動を制限さ
せるようにしてある。
部98の内面で支持されて、クラッチディスク101と
共にデフケース94内に収容されている。そして、ハウ
ジング部98のの端壁に設けてあるピストン部材、例え
ば油圧ピストン103で、外部から摩擦板102を押圧
してクラッチディスク101に圧着(係合)させること
により、ベベルギヤセット95で行われる差動を制限さ
せるようにしてある。
【0110】こうした湿式多板式のリミテッド・スリッ
プ機構(LSD)でも、通常、「従来の技術」の項で述
べたようにデフキャリア90内に潤滑油104を伝達軸
付近まで油面が到達するよう貯溜させてクラッチ装置9
9を冷却しているが、先にも述べたようにデフキャリア
90の潤滑油104は、同ユニットと接する部位だけが
局所的に高温で、他の部位が低温となるような温度分布
が生じて、効率のよい冷却が行われにくい。
プ機構(LSD)でも、通常、「従来の技術」の項で述
べたようにデフキャリア90内に潤滑油104を伝達軸
付近まで油面が到達するよう貯溜させてクラッチ装置9
9を冷却しているが、先にも述べたようにデフキャリア
90の潤滑油104は、同ユニットと接する部位だけが
局所的に高温で、他の部位が低温となるような温度分布
が生じて、効率のよい冷却が行われにくい。
【0111】そこで、伝達軸97の大径化を抑制しつ
つ、かつ特別な部品とせずに、潤滑油104で効率よく
冷却できるよう、先の請求項1に係わる一実施形態と同
様な構造を湿式多板式のリミテッド・スリップ機構に採
用した。
つ、かつ特別な部品とせずに、潤滑油104で効率よく
冷却できるよう、先の請求項1に係わる一実施形態と同
様な構造を湿式多板式のリミテッド・スリップ機構に採
用した。
【0112】具体的には、図9に示されるようにハウジ
ング部98の軸線方向一端となる部位に、同部位から半
径方向内方に向かって延びる端壁105を形成する。こ
の端壁105のの先端部は、伝達軸97の外周面全周に
摺接して、デフケース94内をクラッチディスク10
1、摩擦板102が収容される第1分室106とその他
の差動ギヤ装置が収容される第2分室107とに区切っ
ている。この先端部は軸線方向に延びるボス状に形成さ
れていて、軸線方向に広がる周接面105aを形成して
いる。またボス状部の内周面には、一端が第1分室10
6に開口し他端が第2分室107に開口する螺旋溝10
8が形成してある。
ング部98の軸線方向一端となる部位に、同部位から半
径方向内方に向かって延びる端壁105を形成する。こ
の端壁105のの先端部は、伝達軸97の外周面全周に
摺接して、デフケース94内をクラッチディスク10
1、摩擦板102が収容される第1分室106とその他
の差動ギヤ装置が収容される第2分室107とに区切っ
ている。この先端部は軸線方向に延びるボス状に形成さ
れていて、軸線方向に広がる周接面105aを形成して
いる。またボス状部の内周面には、一端が第1分室10
6に開口し他端が第2分室107に開口する螺旋溝10
8が形成してある。
【0113】したがって、リアデフ装置から入力される
回転でデフケース94が回転駆動されると、螺旋溝10
8が伝達軸97の軸線回りに回転して、伝達軸97との
間で相対回転が生じると、先に説明した請求項1に係わ
る一実施形態で述べたのと同様、クラッチ装置99から
離れた第2分室107内の潤滑油104を取込み、螺旋
溝108を通して、隣接する第1分室106へ圧送す
る。
回転でデフケース94が回転駆動されると、螺旋溝10
8が伝達軸97の軸線回りに回転して、伝達軸97との
間で相対回転が生じると、先に説明した請求項1に係わ
る一実施形態で述べたのと同様、クラッチ装置99から
離れた第2分室107内の潤滑油104を取込み、螺旋
溝108を通して、隣接する第1分室106へ圧送す
る。
【0114】この圧送による潤滑油104の流動によ
り、第1分室106内の潤滑油104には、低温の澱ん
だ部位(停滞している低温部位)がなくなり、常に低温
の潤滑油104でクラッチ装置99を冷却するようにな
る。
り、第1分室106内の潤滑油104には、低温の澱ん
だ部位(停滞している低温部位)がなくなり、常に低温
の潤滑油104でクラッチ装置99を冷却するようにな
る。
【0115】つまり、湿式多板式のリミテッド・スリッ
プ機構(LSD)でも、先の請求項1に係わる一実施形
態で述べたのと同様の効果を奏する。しかも、図9中に
示されるようにリテーナ100の円筒部材100aを、
周接面105aよりも外径方向に離れた位置に設け、第
2分室107内に収容した差動ギヤ装置でハウジング部
98を回転駆動して第2分室107内の潤滑油104を
螺旋溝108で送り込ませるようにしたので、潤滑油1
04がリテーナ100の内周面に飛散して、クラッチ装
置99を効率よく冷却できる。そのうえ、円筒部材10
0aに設けた通孔109を通して、飛散された潤滑油1
04をクラッチディスク102、摩擦板102に導出さ
せているので、クラッチディスク102、摩擦板102
が、通孔109から導出される潤滑油104でも冷却さ
れるようになり、一層、効率よくクラッチ装置99を冷
却することができる。
プ機構(LSD)でも、先の請求項1に係わる一実施形
態で述べたのと同様の効果を奏する。しかも、図9中に
示されるようにリテーナ100の円筒部材100aを、
周接面105aよりも外径方向に離れた位置に設け、第
2分室107内に収容した差動ギヤ装置でハウジング部
98を回転駆動して第2分室107内の潤滑油104を
螺旋溝108で送り込ませるようにしたので、潤滑油1
04がリテーナ100の内周面に飛散して、クラッチ装
置99を効率よく冷却できる。そのうえ、円筒部材10
0aに設けた通孔109を通して、飛散された潤滑油1
04をクラッチディスク102、摩擦板102に導出さ
せているので、クラッチディスク102、摩擦板102
が、通孔109から導出される潤滑油104でも冷却さ
れるようになり、一層、効率よくクラッチ装置99を冷
却することができる。
【0116】なお、本発明をベベル式以外の差動機構と
組合うリミテッド・スリップ機構にも適用してもよい。
図10および図11は、請求項2の係わる本発明の一実
施形態を示す。
組合うリミテッド・スリップ機構にも適用してもよい。
図10および図11は、請求項2の係わる本発明の一実
施形態を示す。
【0117】本実施形態は、例えば先の図8および図9
に示すリアデフ装置の差動ギヤ装置[最終減速機93、
ベベルギヤセット95で構成される部位(クラッチ装置
99が無い構造のリアデフの差動部をいう)]の両側に
一対、具体的には勝手反対の同じ構造の減速(増速)機
構120a,120bと同じくクラッチ装置127a,
127bとを組込んだ駆動力調整装置121に、上記請
求項1の一実施形態で述べたクラッチハウジングの回転
を利用して潤滑油を流動させる構造を適用したものであ
る。
に示すリアデフ装置の差動ギヤ装置[最終減速機93、
ベベルギヤセット95で構成される部位(クラッチ装置
99が無い構造のリアデフの差動部をいう)]の両側に
一対、具体的には勝手反対の同じ構造の減速(増速)機
構120a,120bと同じくクラッチ装置127a,
127bとを組込んだ駆動力調整装置121に、上記請
求項1の一実施形態で述べたクラッチハウジングの回転
を利用して潤滑油を流動させる構造を適用したものであ
る。
【0118】そこで、まず、駆動力調整装置121につ
いて説明する。なお、リアデフ装置の差動機構の構造
は、図8に示した構造と同じであるので、同一符号を付
してその説明を省略する。
いて説明する。なお、リアデフ装置の差動機構の構造
は、図8に示した構造と同じであるので、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0119】駆動力調整装置121を構成する減速機構
120bは、デフケース94の回転を、同デフケース9
4を貫通した伝達軸部分に設けた小ギヤ122bに伝
え、これを周囲の大ギヤ123bへ伝えて減速、さらに
大ギヤ123bと同軸に連結される小ギヤ124bか
ら、小ギヤ123bと隣接する大ギヤ125b(ギヤ装
置に相当)へ伝えて減速し、これを伝達軸97に相対回
転可能に外嵌した円筒状の回転部材126bを通じて、
デフキャリア90(油室に相当)の端側に収容されてい
るクラッチ装置127bに伝えるように構成されてい
る。
120bは、デフケース94の回転を、同デフケース9
4を貫通した伝達軸部分に設けた小ギヤ122bに伝
え、これを周囲の大ギヤ123bへ伝えて減速、さらに
大ギヤ123bと同軸に連結される小ギヤ124bか
ら、小ギヤ123bと隣接する大ギヤ125b(ギヤ装
置に相当)へ伝えて減速し、これを伝達軸97に相対回
転可能に外嵌した円筒状の回転部材126bを通じて、
デフキャリア90(油室に相当)の端側に収容されてい
るクラッチ装置127bに伝えるように構成されてい
る。
【0120】デフキャリア90の内面から半径方向内方
へ突き出た壁部90aを挟んで減速機構120bと反対
側に収容されているクラッチ装置127bは、図11に
示されるように回転部材126bの他端側の外周に、円
筒状のリテーナ128bを介して、軸線方向に並ぶ(配
列)リング状の複数のクラッチディスク129bを有し
ていて、これらクラッチディスク129bの間に摩擦板
130bが介装してある。
へ突き出た壁部90aを挟んで減速機構120bと反対
側に収容されているクラッチ装置127bは、図11に
示されるように回転部材126bの他端側の外周に、円
筒状のリテーナ128bを介して、軸線方向に並ぶ(配
列)リング状の複数のクラッチディスク129bを有し
ていて、これらクラッチディスク129bの間に摩擦板
130bが介装してある。
【0121】これらクラッチディスク129b、摩擦板
130bの周囲には、左端(左輪側)の端壁部131b
がボス部132b(連結部に相当)を介して伝達軸97
に連結されてなる有底筒状のクラッチハウジング133
bが設けられていて、クラッチディスク129b、摩擦
板130bを収容している。
130bの周囲には、左端(左輪側)の端壁部131b
がボス部132b(連結部に相当)を介して伝達軸97
に連結されてなる有底筒状のクラッチハウジング133
bが設けられていて、クラッチディスク129b、摩擦
板130bを収容している。
【0122】摩擦板130bの外周は、このクラッチハ
ウジング133bの内面で支持されていて、外部から摩
擦板130bを押圧してクラッチディスク129bにス
リップ(係合)させれば、「速度の速い側から遅い側へ
トルクが伝達される」という原理で、ベベルギヤセット
95の差動機能を利用して、右輪へ配分されたトルクを
左輪へ移動させることができるようにしてある。
ウジング133bの内面で支持されていて、外部から摩
擦板130bを押圧してクラッチディスク129bにス
リップ(係合)させれば、「速度の速い側から遅い側へ
トルクが伝達される」という原理で、ベベルギヤセット
95の差動機能を利用して、右輪へ配分されたトルクを
左輪へ移動させることができるようにしてある。
【0123】この構造の減速機構120b、クラッチ装
置127bが、差動ギヤ装置の反対側に反対の向きで、
減速機構120a、クラッチ装置127aとして設置さ
れ、左輪へ配分されたトルクを右輪へ移動させることが
できるようにしている。
置127bが、差動ギヤ装置の反対側に反対の向きで、
減速機構120a、クラッチ装置127aとして設置さ
れ、左輪へ配分されたトルクを右輪へ移動させることが
できるようにしている。
【0124】こうした駆動力調整装置121でも、通
常、「従来の技術」の項で述べたようにデフキャリア9
0内に潤滑油104を伝達軸付近まで油面が到達するよ
う貯溜させてクラッチ装置127a,127bを冷却し
ているが、先にも述べたようにデフキャリア90の潤滑
油104は、同ユニットと接する部位だけが局所的に高
温で、他の部位が低温となるような温度分布が生じて、
効率のよい冷却が行われにくい。
常、「従来の技術」の項で述べたようにデフキャリア9
0内に潤滑油104を伝達軸付近まで油面が到達するよ
う貯溜させてクラッチ装置127a,127bを冷却し
ているが、先にも述べたようにデフキャリア90の潤滑
油104は、同ユニットと接する部位だけが局所的に高
温で、他の部位が低温となるような温度分布が生じて、
効率のよい冷却が行われにくい。
【0125】そこで、伝達軸97の大径化を抑制しつ
つ、かつ特別な部品とせずに、潤滑油104で効率よく
冷却できるよう、先の請求項1に係わる一実施形態と同
様な構造をクラッチ装置127a,127bに採用し
た。
つ、かつ特別な部品とせずに、潤滑油104で効率よく
冷却できるよう、先の請求項1に係わる一実施形態と同
様な構造をクラッチ装置127a,127bに採用し
た。
【0126】クラッチ装置127a、クラッチ装置12
7b側とも同じ構造なので、このうちクラッチ装置12
7b側の構造について説明すれば、図11に示されるよ
うにクラッチハウジング133bの減速機構側の端部
(他端側)には、同部分から半径方向内方に向かって延
びる端壁134bが形成されている。なお、端壁134
bにはクラッチディスク129bと摩擦板130bとを
係合させるためのピストン部材、例えば油圧ピストン1
43bが設けてある。
7b側とも同じ構造なので、このうちクラッチ装置12
7b側の構造について説明すれば、図11に示されるよ
うにクラッチハウジング133bの減速機構側の端部
(他端側)には、同部分から半径方向内方に向かって延
びる端壁134bが形成されている。なお、端壁134
bにはクラッチディスク129bと摩擦板130bとを
係合させるためのピストン部材、例えば油圧ピストン1
43bが設けてある。
【0127】この端壁134bの先端部には、伝達軸9
7の外周面全周に周接しているボス部138bが連結さ
れている。そして、ボス部138bの外周部と壁部90
aとの間に介装された軸受139bと協同して、クラッ
チハウジング133b内をクラッチディスク129b、
摩擦板130bが収容される第1分室140とその他の
差動機構、減速機構120bが収容される第2分室14
1とに区画している。なお、伝達軸97とデフキャリア
90との間には軸受150が設けてある。
7の外周面全周に周接しているボス部138bが連結さ
れている。そして、ボス部138bの外周部と壁部90
aとの間に介装された軸受139bと協同して、クラッ
チハウジング133b内をクラッチディスク129b、
摩擦板130bが収容される第1分室140とその他の
差動機構、減速機構120bが収容される第2分室14
1とに区画している。なお、伝達軸97とデフキャリア
90との間には軸受150が設けてある。
【0128】そして、軸線方向に延びるボス部138b
にて、回転部材126bとの間で軸線方向に広がる周接
面141bを形成している。このボス部138bの内周
面には、一端が第1分室140に開口し他端が第2分室
141に開口する螺旋溝142が形成してある。
にて、回転部材126bとの間で軸線方向に広がる周接
面141bを形成している。このボス部138bの内周
面には、一端が第1分室140に開口し他端が第2分室
141に開口する螺旋溝142が形成してある。
【0129】したがって、リアデフ装置から入力される
回転でデフケース94が回転駆動されると、螺旋溝14
2が伝達軸97の軸線回りに回転して、クラッチハウジ
ング133bとの間に相対回転が生じると、先の請求項
1に係わる一実施形態で述べたのと同様、クラッチ装置
129bから離れた第2分室141内の潤滑油104を
取込み、螺旋溝142を通して、第1分室140へ圧送
する。
回転でデフケース94が回転駆動されると、螺旋溝14
2が伝達軸97の軸線回りに回転して、クラッチハウジ
ング133bとの間に相対回転が生じると、先の請求項
1に係わる一実施形態で述べたのと同様、クラッチ装置
129bから離れた第2分室141内の潤滑油104を
取込み、螺旋溝142を通して、第1分室140へ圧送
する。
【0130】この圧送による潤滑油104の流動によ
り、第1分室140内の潤滑油104には、低温の澱ん
だ部位(停滞している低温部位)がなくなり、常に低温
の潤滑油104でクラッチ装置129bを冷却するよう
になる。
り、第1分室140内の潤滑油104には、低温の澱ん
だ部位(停滞している低温部位)がなくなり、常に低温
の潤滑油104でクラッチ装置129bを冷却するよう
になる。
【0131】つまり、差動機構の両側に減速(増速)機
構120a,120bと共にクラッチ装置127a,1
27bを組付けた駆動調整装置121でも、先の請求項
1に係わる一実施形態で述べたのと同様の効果を奏す
る。
構120a,120bと共にクラッチ装置127a,1
27bを組付けた駆動調整装置121でも、先の請求項
1に係わる一実施形態で述べたのと同様の効果を奏す
る。
【0132】むろん、図11に示されるようにリテーナ
128bの円筒部144bを、周接面141bよりも外
径方向に離れた位置に設け、第2分室141内に収容し
た差動ギヤ装置でクラッチハウジング133bを回転駆
動して第2分室141内の潤滑油104を螺旋溝142
で送り込ませたので、潤滑油104がリテーナ128b
の内周面に飛散して、クラッチ装置129bを効率よく
冷却できる。そのうえ、円筒部144bに設けた通孔1
45を通して、飛散された潤滑油104をクラッチディ
スク129b、摩擦板130bに導出させたので、クラ
ッチディスク102、摩擦板102が、通孔145から
導出される潤滑油104でも冷却されるようになり、一
層、効率よくクラッチ装置127bを冷却することがで
きる。
128bの円筒部144bを、周接面141bよりも外
径方向に離れた位置に設け、第2分室141内に収容し
た差動ギヤ装置でクラッチハウジング133bを回転駆
動して第2分室141内の潤滑油104を螺旋溝142
で送り込ませたので、潤滑油104がリテーナ128b
の内周面に飛散して、クラッチ装置129bを効率よく
冷却できる。そのうえ、円筒部144bに設けた通孔1
45を通して、飛散された潤滑油104をクラッチディ
スク129b、摩擦板130bに導出させたので、クラ
ッチディスク102、摩擦板102が、通孔145から
導出される潤滑油104でも冷却されるようになり、一
層、効率よくクラッチ装置127bを冷却することがで
きる。
【0133】もちろん、上記した構造を減速機構の代わ
りに増速機構を採用した駆動力調整装置に適用しても、
同様の効果を奏する。なお、本発明を駆動力調整装置、
リミテッド・スリップ機構に適用したが、それ以外のク
ラッチ装置が装備される動力伝達装置などにおいても適
用できることはいうまでもない。
りに増速機構を採用した駆動力調整装置に適用しても、
同様の効果を奏する。なお、本発明を駆動力調整装置、
リミテッド・スリップ機構に適用したが、それ以外のク
ラッチ装置が装備される動力伝達装置などにおいても適
用できることはいうまでもない。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、請求項
2、請求項3に記載の発明によれば、クラッチハウジン
グの回転運動を利用して、回転軸に螺旋溝を設けずに、
クラッチディスク、摩擦板を浸している油を流動させる
ことができるので、回転軸の大径化を抑制しつつ、かつ
回転軸を特別な部品とせずに、クラッチ装置を油室内の
油で効率よく冷却できる。
2、請求項3に記載の発明によれば、クラッチハウジン
グの回転運動を利用して、回転軸に螺旋溝を設けずに、
クラッチディスク、摩擦板を浸している油を流動させる
ことができるので、回転軸の大径化を抑制しつつ、かつ
回転軸を特別な部品とせずに、クラッチ装置を油室内の
油で効率よく冷却できる。
【0135】しかも、請求項3の発明によれば、こうし
た効果に加え、同心状に結合された回転軸と複数の回転
部材との結合構造を活用して油を送る構造を構成してい
るから、油を送る構造はコンパクトであり、冷却の効率
化と両立できるという効果も奏する。
た効果に加え、同心状に結合された回転軸と複数の回転
部材との結合構造を活用して油を送る構造を構成してい
るから、油を送る構造はコンパクトであり、冷却の効率
化と両立できるという効果も奏する。
【図1】請求項3に係わる本発明の一実施形態の二輪駆
動車の動力推進装置を、同動力推進装置に装着した駆動
力調整装置と共に示す一部断面した平面図。
動車の動力推進装置を、同動力推進装置に装着した駆動
力調整装置と共に示す一部断面した平面図。
【図2】同駆動力調整装置を拡大して示す平断面図。
【図3】図2中のA−A線に沿う駆動力調整装置の断面
図。
図。
【図4】四輪駆動車の動力推進装置をベースとして、駆
動力調整装置が付いた二輪駆動車が製作されるまでを説
明するための図。
動力調整装置が付いた二輪駆動車が製作されるまでを説
明するための図。
【図5】駆動力調整装置が、フロントデフ装置から分解
された状態を示す断面図。
された状態を示す断面図。
【図6】駆動力調整装置の分解した状態を示す断面図。
【図7】ベースとなる四輪駆動車の動力推進装置の取付
面を共用して、駆動力調整装置の本体ケースが取り付け
られることを説明するための図。
面を共用して、駆動力調整装置の本体ケースが取り付け
られることを説明するための図。
【図8】請求項1に係わる本発明の一実施形態のリミテ
ッド・スリップ機構が付いたデフ装置の構成を説明する
ための概略構成図。
ッド・スリップ機構が付いたデフ装置の構成を説明する
ための概略構成図。
【図9】図8中のB部の油給送構造を拡大して示す断面
図。
図。
【図10】請求項2に係わる本発明の一実施形態の駆動
力調整機構が付いたデフ装置の構成を説明するための概
略構成図。
力調整機構が付いたデフ装置の構成を説明するための概
略構成図。
【図11】図10中のC部の油給送構造を拡大して示す
断面図。
断面図。
20…伝達軸(回転軸) 25…本体ケース(油室) 62a…クラッチハウジング 38,73…ギヤ室,油溜め部(第2分室) 39,75…クラッチ室,油溜め部(第1分室) 65…摩擦板 66a,66b…リテーナ 67a,67b…クラッチディスク 72…潤滑油(油) 78…螺旋溝。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも一部が油室に収容される回転
軸と、 前記油室内において前記回転軸に外嵌し回転軸と一体に
回転するリテーナと、 前記リテーナの外周に支持され軸線方向に配列されたリ
ング状の複数のクラッチディスクと、 前記クラッチディスクの間に介装され外部からの軸方向
への押圧力により前記クラッチディスクと係合する摩擦
板と、 前記回転軸に相対回転可能に外嵌し前記摩擦板の外周を
支持するとともに同摩擦板と前記クラッチディスクとを
収容する筒状のクラッチハウジングと、 を有し、 前記クラッチハウジングは、その軸線方向一端において
半径方向内方に向かって延び、その先端部が前記回転軸
の外周面全周に接して前記油室内を前記クラッチディス
クが収容される第1分室とその他の第2分室とに区切る
とともに、 前記先端部は軸線方向に延びその内周面には、一端が前
記第1分室に開口し他端が前記第2分室に開口するとと
もに前記第2分室内の油を前記第1分室内へ送り込む螺
旋溝が形成されていることを特徴とするクラッチディス
ク装置。 - 【請求項2】 少なくとも一部が油室に収容される回転
軸と、 前記油室内において前記回転軸に相対回転可能に外嵌さ
れ一端にギヤ装置を備えた円筒状の回転部材と、 前記回転部材の他端側の外周に支持され軸線方向に配列
されたリング状の複数のクラッチディスクと、 前記クラッチディスクの間に介装され外部からの軸方向
への押圧力により前記クラッチディスクと係合する摩擦
板と、 前記摩擦板の外周を支持し前記摩擦板と前記クラッチデ
ィスクとを収容するとともに軸線方向一端部に前記回転
軸との連結部が形成された有底筒状のクラッチハウジン
グと、 を有し、 前記クラッチハウジングは他端側において半径方向内方
に向かって延び、その先端部が前記回転部材の近傍に至
り前記油室内を前記クラッチディスクが収容される第1
分室とその他の第2分室とに区画するとともに、 前記先端部は軸線方向に延びて前記回転部材と協力して
軸線方向に広がる周接面を形成し、該周接面には、一端
が前記第1分室に開口し他端が前記第2分室に開口する
とともに前記第2分室内の油を前記第1分室内へ送り込
む螺旋溝が形成されていることを特徴とするクラッチデ
ィスク装置。 - 【請求項3】 少なくとも一部が油室に収容される回転
軸と、 前記油室内において前記回転軸に相対回転可能に外嵌す
るとともに一端部にギヤ装置が設けられている第1回転
部材と、 前記油室内において前記第1回転部材に相対回転可能に
外嵌するとともに一端部にギヤ装置が設けられている第
2回転部材と、 前記第1回転部材の他端側の外周に支持され軸線方向に
配列されたリング状の複数の第1クラッチディスクと、 前記第1クラッチディスクに隣接して前記第2回転部材
の一端側の外周に支持され軸線方向に配列されたリング
状の複数の第2クラッチディスクと、 前記複数の第1クラッチディスクの間に介装され外部か
らの軸方向への押圧力により前記第1クラッチディスク
と係合する第1摩擦板と、 前記複数の第2クラッチディスクの間に介装され外部か
らの軸方向への押圧力により前記第2クラッチディスク
と係合する第2摩擦板と、 前記第1摩擦板と第2摩擦板の外周を支持し前記第1お
よび第2摩擦板と前記第1および第2クラッチディスク
とを収容するとともに軸線方向一端部に前記回転軸との
連結部が形成された有底筒状のクラッチハウジングと、 を有し、 前記クラッチハウジングは他端側において半径方向内方
に向かって延び、その先端部が前記第2回転部材の近傍
に至り前記油室内を前記第1クラッチディスクおよび第
2クラッチディスクが収容される第1分室とその他の第
2分室とに区画するとともに、 前記先端部は軸線方向に延びて前記第2回転部材と協力
して軸線方向に広がる周接面を形成し、該周接面には、
一端が前記第1分室に開口し他端が前記第2分室に開口
するとともに前記第2分室内の油を前記第1分室内へ送
り込む螺旋溝が形成されていることを特徴とするクラッ
チディスク装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15434796A JPH102349A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | クラッチディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15434796A JPH102349A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | クラッチディスク装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH102349A true JPH102349A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15582185
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15434796A Pending JPH102349A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | クラッチディスク装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH102349A (ja) |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP15434796A patent/JPH102349A/ja active Pending
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US7210565B2 (en) | Torque transmission apparatus and case structure | |
| US4926713A (en) | Multiple gear-ratio automatic transmission | |
| CN108374846A (zh) | 用于传动系的离合器组件及具有此离合器组件的传动组件 | |
| CN105531136B (zh) | 用于混合动力车辆的动力传递装置 | |
| JP2000343966A (ja) | ドライブトレイン | |
| WO1999029533A1 (fr) | Unite motrice hybride | |
| EP1403558A2 (en) | Lubricating oil supply structure in a planetary transmission | |
| US4283968A (en) | Housing assembly for electric vehicle transaxle | |
| JP2003127688A (ja) | 動力伝達装置 | |
| JPS61140672A (ja) | 4輪駆動車の自動変速機 | |
| CN115875425A (zh) | 一种内齿圈轴、输入轴总成、混合动力电驱动总成及车辆 | |
| US8409041B2 (en) | Pump cover inlet porting and seal for hybrid transmission | |
| JPH0117023B2 (ja) | ||
| JPH0648204Y2 (ja) | ディファレンシャル装置の潤滑構造 | |
| JP4165107B2 (ja) | 無段変速機構を用いた変速装置 | |
| JPH102349A (ja) | クラッチディスク装置 | |
| CN113048196B (zh) | 具有两个离合器的动力传动系 | |
| JPH0819996B2 (ja) | 車両用遊星歯車式自動変速機 | |
| JP2746993B2 (ja) | 多板クラッチの潤滑構造 | |
| JP5039647B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP4516655B2 (ja) | 発進クラッチ | |
| JP3106867B2 (ja) | 車両用左右駆動力調整装置 | |
| JPH106793A (ja) | 左右駆動力配分装置 | |
| JP4677650B2 (ja) | 車両用遊星歯車装置 | |
| US20250334173A1 (en) | Sub-assembly for e-axle |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990706 |