JPH1024235A - 高カロリーガス製造用触媒およびその製造方法 - Google Patents

高カロリーガス製造用触媒およびその製造方法

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JPH1024235A
JPH1024235A JP8199735A JP19973596A JPH1024235A JP H1024235 A JPH1024235 A JP H1024235A JP 8199735 A JP8199735 A JP 8199735A JP 19973596 A JP19973596 A JP 19973596A JP H1024235 A JPH1024235 A JP H1024235A
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JP
Japan
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catalyst
ruthenium
carrier
producing
calorie gas
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JP8199735A
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English (en)
Inventor
Takashi Suzuki
崇 鈴木
Hikoichi Iwanami
彦一 岩波
Takashi Yoshizawa
隆 吉澤
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素等を水蒸気改質して高カロリーの代
替天然ガスを製造するプロセスに使用する触媒を提供す
る。 【解決手段】 (a)酸化アルミニウムと、(b)周期
表2族、3族およびランタノイド金属の酸化物よりなる
群から選択される少なくとも1種と、(c)オキシ酸と
を含有する原料を成型した担体基材を500〜600℃
で焼成して得らた活性アルミナ複合体担体に、ルテニウ
ムを1.5〜4重量%担持し、80〜500℃で還元処
理してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素等を水蒸
気改質して高カロリーの代替天然ガスを製造するプロセ
スに使用する触媒およびその触媒の製造方法に関する。
【0002】
【技術背景】上記の代替天然ガス(substitut
e natural gas)は、天然ガスに代わる発
熱量約40,000kJ/mの高カロリー燃料ガスで
あり、一般にSNGと略称されている。
【0003】我国における都市ガス供給は、高カロリー
化(熱量変換)に向かっており、SNGの需要が増加し
つつある。従って、都市ガス原料としてナフサや液化石
油ガス(LPG)等の軽質石油留分を用いる場合には、
これらをガス化してSNGを製造する必要がある。
【0004】これらの軽質石油留分からのSNG製造プ
ラントには、ニッケル系触媒を用いる水蒸気改質法が多
く採用されている。このプラントにおいては、運転条件
を適宜調整することによって、水素を主成分とする発熱
量の低いガス、メタンおよび水素を主成分とする発熱量
の比較的高いガス、あるいは殆どメタンよりなるSNG
等を製造することができる。
【0005】上記のニッケル系触媒としては、アルミナ
等の担体にニッケルを担持させた触媒が広く用いられて
いる。しかし、現状のニッケル系触媒は、触媒上に炭素
析出を起こし易く、活性が低下し易い。これを防ぐため
に、実際のプラントでは、通常、数1に示す改質反応時
の「水蒸気のモル数」と「原料炭化水素中の炭素モル
数」との比(以下、S/C比と記す)を高く設定して、
化1に示す反応により炭素析出を抑制している。
【0006】
【数1】
【0007】
【化1】
【0008】炭化水素の水蒸気改質によるSNG製造の
観点からは、メタン収率を高くする必要がある。このと
きの水蒸気改質の温度は、熱力学的平衡を考えると、4
00〜500℃付近の低温領域がよい。この温度領域
は、水素製造を目的とする通常の水蒸気改質反応のおよ
そ1/2と低く、炭素析出反応が極めて起こり易い温度
領域であるため、高活性かつ高選択性を示す触媒が不可
欠となっている。この観点から、ニッケル系触媒におい
ても、炭素析出を抑制する試みが積極的に行われてお
り、アルカリ金属やアルカリ土類金属を触媒系に添加す
る方法等が知られている。
【0009】一方、コストを低減させるためと、メタン
収率を高めるために、水蒸気原単位(製品単位量あたり
の水蒸気使用量)を下げる必要があり、低S/C比での
運転が強く望まれている。しかし、このような低温およ
び低S/C比での運転条件においては、従来のニッケル
系触媒では、その活性や寿命に限界があり、実用的な使
用に問題が生じて来ている。
【0010】最近、ルテニウム系触媒が、炭素析出を抑
制する効果があり、低S/C比(ニッケル系触媒を使用
する場合と比較して1/2程度)で運転できる点で注目
されている。ルテニウム系触媒としては、アルミナまた
はシリカ担体にルテニウムを担持したもの(特開昭57
−4232号公報)、高純度アルミナにルテニウムを担
持したもの(特開平4−59048号公報)、アルカリ
金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物に酸化セリウ
ムを添加した担体を使用したもの(特開平4−2651
56号公報)、ルテニウム前駆体としてルテニウム酸ソ
ーダ等のアルカリ金属塩を使用したもの(特開昭60−
227834号公報)、安定化または部分安定化ジルコ
ニア担体に担持したもの(特開平2−286787号公
報)等が報告されている。
【0011】しかし、ルテニウム系触媒は、硫化水素等
の硫黄分によって容易に被毒される(触媒35巻、22
4頁(1993))こと、および硫黄分による触媒被毒
が起こると炭素が触媒上に析出し易くなり活性を低下さ
せることが知られている(International
Gas Research Conference,
予稿集,4巻、124頁(1989))。すなわち、ル
テニウム系触媒は、炭素析出抑制効果を持っているが、
原料中に含まれる硫化水素等の硫黄分によって被毒され
ると、折角の長所が活かされなくなり、工業化する上で
大きな障害となる。
【0012】以上のように、炭化水素の低温水蒸気改質
によるSNG製造にあっては、400〜500℃程度の
反応温度で、充分な反応活性が得られ、かつ選択性も高
いことが、触媒に求められる。この温度領域は、炭素析
出が起こり易く、触媒の活性低下を引き起し易い領域に
あたる。また、原料中の硫黄分を含有する不純物や、原
料に添加されている着臭剤等の硫黄化合物によって、触
媒が被毒される可能性が高く、しかも硫黄被毒に起因す
る炭素析出の併発が懸念される。
【0013】これらの点を踏まえて、本発明者等は、先
に、第三成分(活性金属以外の成分)として希土類金属
またはアルカリ土類金属を含有させたアルミナ担体に、
活性金属成分であるルテニウムを高分散させた触媒を提
案している(特願平6−189404号、第25回石油
・石油化学討論会予稿集(石油学会編),366頁(1
995))。
【0014】ところで、工業的SNG製造における水蒸
気改質触媒は、400〜500℃の反応温度の下で、長
時間、水蒸気に曝されるため、充分な機械的強度を有す
ることが必要である。機械的強度の面だけであれば、圧
縮成型や高温焼成を行えば足りるが、これらの手法で
は、比表面積の著しい減少や、細孔の閉塞を招く虞れが
ある。従って、工業的SNG製造の観点からは、比表面
積や細孔容積を損なうことのない機械的強度の向上、耐
硫黄被毒性および耐炭素析出性を持たせるための第三成
分の添加、担持金属の分散性の向上が重要になる。
【0015】担持金属の分散性の向上については、担持
金属量の減少により容易に達成できるが、担持金属量の
減少は、活性点数の減少となり、400〜500℃の温
度領域で充分な活性を得ることができない他、一部の活
性点の被毒が触媒全体の活性低下を招き易い。このよう
なことから、SNG製造用触媒には、第三成分を添加し
た触媒担体の比表面積や細孔容積を損なわずに機械的強
度を向上させ、かつ充分な活性金属量を高分散させると
いう緻密な設計が要求される。
【0016】
【発明の目的】本発明は、以上の要求に応えるもので、
機械的強度に優れ、耐硫黄被毒性および耐炭素析出性に
優れ、長時間に亘り活性低下が少なく、効率良く高カロ
リーガスを製造することができる触媒と、その製造方法
とを提供することを目的とする。
【0017】
【発明の概要】本発明者等は、上記の目的を達成するた
めに、先に、(a)水酸化アルミニウムと、(b)周期
表2族、3族およびランタノイド金属よりなる群から選
択される少なくとも1種の炭酸塩と、(c)オキシ酸と
を含む原料を成型した担体基材を焼成して得らた活性ア
ルミナ複合体担体に、ルテニウムを担持し、還元処理し
た触媒を提案している(特願平8−99266号参
照)。
【0018】ただし、この先提案の触媒においては、
(a)成分の水酸化アルミニウムおよび(b)成分の炭
酸塩が比較的高価である上、触媒製造の際に水分を避け
る必要がある。すなわち、触媒製造の際に水分が多く存
在すると、(b)成分の炭酸塩と(c)成分のオキシ酸
とが室温付近の低温で反応を起こす可能性が高く、所望
の触媒を得ることができなくなる虞れがある。工業レベ
ルで触媒の製造を行う場合、水分を避けるために、原料
管理等に何らかの方策が必要になる。
【0019】本発明は、上記のような先提案の触媒にお
ける懸念を解消するために、上記の方策として、例え
ば、原料同士が水分により簡単に反応し難い、しかも比
較的安価な原料を使用することに着目し、さらに検討を
重ねて、(a)成分として水酸化アルミニウムよりも安
価な酸化アルミニウムを使用し、しかも(b)成分とし
て(b)周期表2族、3族およびランタノイド金属の炭
酸塩に代えて酸化物を使用すれば、先提案のものより安
価に、しかも触媒製造時の水分回避や温度制御を要せ
ず、先提案のものと同等の活性を有する触媒を得ること
ができるとの知見を得た。
【0020】本発明の高カロリーガス製造用触媒は、上
記の知見に基づくもので、(a)酸化アルミニウムと、
(b)周期表2族、3族およびランタノイド金属の酸化
物よりなる群から選択される少なくとも1種と、(c)
オキシ酸とを含有する原料を成型した担体基材を500
〜600℃で焼成して得らた活性アルミナ複合体担体
に、ルテニウムを1.5〜4重量%担持し、80〜50
0℃で還元処理してなることを特徴とする。上記触媒に
おいて、ルテニウム分散性が60%以上、一酸化炭素吸
着量が、50℃において、標準状態換算で2.0ml/
g以上であることが好ましい。
【0021】また、本発明の高カロリーガス製造用触媒
の製造方法は、(a)酸化アルミニウムと、(b)周期
表2族、3族およびランタノイド金属の酸化物よりなる
群から選択される少なくとも1種と、(c)オキシ酸と
を含有する原料を成型した担体基材を500〜600℃
で焼成して得られる活性アルミナ複合体担体に、ルテニ
ウムを1.5〜4重量%担持した後、アルカリ水溶液に
てルテニウムを不溶・固定化し、次いで80〜500℃
で還元処理することを特徴とする。上記製造方法におい
て、80〜500℃での還元処理に先立ち、100℃以
下で、減圧または常圧下で乾燥することが好ましい。
【0022】本発明の触媒は、(a)酸化アルミニウム
(活性アルミナ)と、(b)周期表2族(以下、2族と
記す)金属の酸化物、周期表3族(以下、3族と記す)
金属の酸化物およびランタノイド金属の酸化物よりなる
群から選ばれる少なくとも1種と、(c)オキシ酸から
選ばれる少なくとも1種とを含有する担体原料を使用す
る。
【0023】(a)成分の酸化アルミニウムとしては、
通常のアルミナが好ましく使用できるが、α−アルミナ
等の極端に比表面積が小さいものは避けることが望まし
い。具体的には、比表面積が60m/g程度以下のア
ルミナは好ましくない。
【0024】(b)成分中、2族金属酸化物としては、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ラジウムの酸化物が使用できるが、特に
マグネシウム、バリウムの酸化物が好ましい。3族金属
酸化物としては、スカンジウムやイットリウムの酸化物
が使用できるが、イットリウムの酸化物が好ましい。ラ
ンタノイド金属酸化物としては、ランタン、セリウム、
プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム等
の酸化物を使用できるが、セリウム、ランタンの酸化物
が好ましい。
【0025】これら(b)成分の2族、3族およびラン
タノイド金属の酸化物は、いずれかを1種単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。た
だし、組み合わせによる相乗効果は余り無く、1種単独
で使用することで目的とする触媒性能を得ることができ
る。
【0026】(c)成分のオキシ酸としては、グリコー
ル酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリ
セリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸
等の脂肪族オキシ酸;サリチル酸、m−オキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロ
バ酸等の芳香族オキシ酸;これら脂肪族オキシ酸や芳香
族オキシ酸をアルキル化処理したもの(オキシ酸のカル
ボキシル基の一部をメチル化等のアルキル化処理したも
の);等、種々のオキシ酸を使用できる。これらは、1
種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。2種以上を混合する場合には、脂肪族オキシ酸と
芳香族オキシ酸とを用いてもよい。
【0027】(c)成分として、オキシ酸や、これらの
アルキル化物(本発明では、これらをまとめてオキシ酸
と記す)を使用する理由は、担体の多孔質化にあるが、
これは、主に熱分解による脱炭酸を起こし、担体の多孔
質化を促進させるためである。
【0028】(c)成分は、粉末状で用い(a),
(b)成分の粉末と機械的混合(drymixing)
してもよいし、オキシ酸を解離しない有機溶媒や分散媒
等に分散させて、これを(a),(b)成分の粉末と混
合してもよい。
【0029】上記の有機溶媒や分散媒としては、飽和・
不飽和炭化水素、芳香族化合物、脂環式有機化合物等の
極性の低いものがよく、また加熱、焼成時に残渣が残ら
ないもの、腐食性ガスや有害ガスの発生が無いものを選
ぶべきである。
【0030】上記(a)〜(c)成分を含む担体原料中
における各成分の配合量は、次の通りである。
【0031】(b)成分の2族金属酸化物、3族金属酸
化物、ランタノイド金属酸化物は、担体基材焼成後のこ
れら金属の酸化物として、触媒基準で、5〜20重量
%、好ましくは7〜18重量%、より好ましくは7.5
〜12重量%とする。
【0032】(b)成分が5重量%未満では、耐硫黄性
に関して充分な効果が得られ難く、従って硫黄被毒、さ
らには炭素析出を伴うようになり、触媒性能を長期間安
定に保つことはできない。酸化物としての含有量が適切
であれば、原料に含まれる硫黄化合物は、2族、3族、
ランタノイド金属酸化物に吸着・吸収されるため、活性
成分であるルテニウムの被毒が起こり難くなり、寿命が
延長する。(b)成分が20重量%を超えると、(a)
成分であるアルミナの含有量が相対的に低下してしま
う。アルミナは、触媒の機械的強度や比表面積の向上に
寄与しており、含有量が極端に低下すると、実用に耐え
る強度が得られなくなるばかりか、活性成分を高分散さ
せることも困難となる。
【0033】(c)成分は、担体基材焼成後の活性アル
ミナ複合体担体の重量に対して、1〜70重量%、好ま
しくは3〜50重量%、より好ましくは7〜35重量%
である。1重量%未満では、担体の多孔質化が充分に進
まず、所望量のルテニウムの担持ができなくなるばかり
か、分散性をも低下させる。70重量%を超えると、多
孔質化は改善されるが、マクロ孔が生じたり、不完全燃
焼によるカーボン残渣が見られる等、触媒性能を損ねる
要因が増える。
【0034】担体を調製する際の(a)〜(c)成分の
混合順序は、特に限定されず、(a)成分と(b)成分
とを充分混合し、これに(c)成分を加えてもよいし、
(a)成分と(c)成分とを充分混合し、これに(b)
成分を加えてもよいし、(a)〜(c)成分を同時に加
えて混合してもよい。
【0035】なお、上記の担体原料には、本発明の効果
を損ねない範囲で、他の金属酸化物等の他の成分を添加
することを妨げない。
【0036】上記の担体原料は、担体基材に成型され、
焼成して活性アルミナ複合体担体にされるが、担体基材
の成型に際しては、担体原料が溶媒または分散媒を含む
場合は、これらを完全に除去することが好ましい。除去
するには、常圧または減圧下で、常温または加熱下にお
いて乾燥すればよい。加熱乾燥する場合には、オキシ酸
の性状を変化させない観点から90〜100℃を上限と
するのが好ましい。
【0037】また、成形に先立ち、担体原料は、均一に
混合し、微粉末にするのが好ましい。粉末は、50メッ
シュ、好ましくは100メッシュ、より好ましくは20
0メッシュの篩を通過するものが適する。
【0038】成型は、加圧成型、押出成型等の種々の方
法が適応できるが、加圧成型が好ましい。加圧成型とし
ては、打錠成型、射出成型、プレス成型等が挙げられる
が、反応条件を考慮すると、打錠成型が好ましい。成型
する形状は、球状、楕円球状、紡錘状、角柱状、円柱
状、中空状、打錠状等の各種粒状体の他に、膜、その他
の各種形状でよく、特に限定されるものではないが、一
般の水蒸気改質反応に用いられるような円柱状、中空
状、打錠状の粒状体とするのがよい。
【0039】成型した担体基材は、空気中で焼成して活
性アルミナ複合体担体となる。焼成温度は650℃以
下、好ましくは450〜600℃、焼成時間は1〜20
時間が適している。
【0040】以上のようにして得られる活性アルミナ複
合体担体の比表面積は、150m/g以上、細孔容積
は0.2〜0.4ml/gが好ましい。担体の比表面積
や細孔容積が、これらの数値に満たない場合には、所望
量のルテニウムを担持できなくなる他、ルテニウムの分
散性も低下する。
【0041】以上の活性アルミナ複合体担体にルテニウ
ムを担持させるには、次の方法が好ましい。先ず、ルテ
ニウムを担持させるに先立ち、担体の飽和給水量を求め
る。すなわち、予め担体を秤量し、これに水をビュレッ
トにて適下して担体内部まで充分水を吸収させ、飽和給
水量を測定する。次いで、この飽和給水量と等量のイオ
ン交換水もしくは蒸留水に所定量の三塩化ルテニウム水
和物を溶解させた水溶液を、活性アルミナ複合体担体に
吸収させる。
【0042】その後、7〜10Nのアンモニア水をルテ
ニウム濃度に対し過剰量適下し、化2に示すようにルテ
ニウム塩化物を水酸化物に変換して、ルテニウムを担体
上に不溶・固定化させる。この方法は、塩素アニオンが
水溶性の塩化アンモニウムになるため、洗浄の過程で脱
塩素を効率的に行うことができると言う利点をも有して
いる。
【0043】
【化2】RuCl+3NHOH→Ru(OH)
3NHCl
【0044】上記の塩化ルテニウム水和物水溶液の液温
は、塩化ルテニウムの加水分解を避けるため、50℃未
満、好ましくは室温で行う。
【0045】なお、ルテニウム源としては、上記の三塩
化ルテニウム水和物に限らず、三塩化ルテニウム無水
物、ルテニウム酸カリウム等のルテニウム酸塩、硝酸ル
テニウム等のルテニウム化合物を使用することもでき
る。また、ルテニウムの不溶・固定化も、アンモニア水
の他、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、炭酸水素ナトリウ
ム(重曹)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ水溶液を使用して行うことができる。ただし、こ
れらのアルカリ塩を使用する場合は、洗浄時にアルカリ
カチオンの残存が懸念されるので、アンモニア水が最も
取扱い易い。
【0046】ルテニウムの担持量は、還元処理後の触媒
基準で、1.5〜4重量%、好ましくは2〜4重量%、
より好ましくは2.3〜3重量%である。活性金属の分
散性のみを改善するのであれば、前記したように、担持
金属量を減ずればよいが、本発明のSNG製造を目的と
する炭化水素の低温水蒸気改質反応に用いる触媒にあっ
ては、所望レベルの活性点量と分散性を兼ね備えること
が重要である。ルテニウムの担持量が1.5重量%未満
では、分散性は所望レベルとなるものの、活性点量は所
望レベルとならず、初期活性は充分であっても、運転中
のS/C比の変動、GHSVの変化、運転温度の変化等
の運転条件に些細な変化や変動が起こると、活性低下を
起こす虞れがある。また、4重量%を超えると、活性金
属微粒子の間隔が狭まるため、シンタリング等を起こす
虞れがある。
【0047】触媒の担体として従来から広く用いられて
いる活性アルミナや活性アルミナ複合体担体において
は、比表面積、多孔質性が小さいことから、これらの担
体に上記のような多量のルテニウムを一度に担持するこ
とはできなかった。このため、従来は、二段含浸法や三
段含浸等の多段含浸法か、あるいは高濃度の塩化ルテニ
ウム水溶液を用いる含浸等が必要であった。ただし、こ
れらの方法によっても、ルテニウムが触媒上に蒸発乾固
する率が高く、触媒性能を損ねる問題が懸念されてい
た。
【0048】これに対し、本発明の活性アルミナ複合体
担体においては、上記の含浸の際に用いるルテニウム化
合物を溶解させた水溶液中のルテニウムの量(仕込量、
モル数)の95%以上が一段含浸で担持でき(これをル
テニウム保持率と言う)、しかも所望担持量のルテニウ
ムを、60%以上もの高い分散性で担持することができ
る。
【0049】なお、上記のように、本発明では、ルテニ
ウム溶液の含浸操作の後、アンモニア水等のアルカリ水
溶液による不溶・固定化の操作を行うが、この不溶・固
定化の際に、担体上に担持されないルテニウム種とアル
カリ種との錯体(例えば、アンミン錯体《紅色》)を生
じることはなく、このことからも、本発明の活性アルミ
ナ複合体担体においては、ルテニウム担持が効率的に行
われていることが分かる。
【0050】ルテニウムを不溶・固定化した担体は、還
元処理に先立ち、100℃以下、好ましくは90℃以
下、より好ましくは50℃以下で、減圧または常圧下で
乾燥することが望ましい。これは、触媒表面上の水酸化
ルテニウムの酸化を抑制するためである。還元処理の際
に酸化物が存在すると、還元度が不均一になること、酸
化物は還元され難いため酸化物のまま触媒表面に残存す
ること等が予想され、還元度の不均一や酸化物の残存
は、ルテニウムの分散性を損ねる原因になることがあ
る。従って、不溶・固定化の後、直ちに還元処理を行う
のではなく、上記のような温度領域での乾燥を行うこと
が好ましい。
【0051】また、乾燥の際には、ヘリウム、アルゴン
等の希ガス、あるいは窒素等の不活性ガス気流中であれ
ば極めて理にかなうが、上記のように100℃以下で操
作すれば、空気中であっても酸化物の生成量は僅少であ
り問題にならない。空気中での操作では、乾燥温度は低
ければ低いほど、酸化物生成を抑制する点で有利になる
が、乾燥温度が低すぎると、乾燥時間が著しく長くなる
ため、現実的でない。乾燥時間は、乾燥温度、乾燥対象
物の量等の条件に応じて適宜選定すればよいが、通常
は、1〜20時間程度が好ましい。
【0052】このようにして得られるルテニウム担持触
媒を比較的低温で還元処理すると、含浸により均一に
(すなわち、高い分散状態で)担持させたルテニウム
が、そのままの状態(すなわち、分散性の高い状態)を
保つことができる。還元温度は、80〜500℃、好ま
しくは100〜480℃、より好ましくは120〜45
0℃である。このような比較的低い温度領域で還元した
場合、ルテニウムの高分散性を安定して保つことができ
る。
【0053】還元処理前のルテニウムは、水酸化物とし
て存在しており、ルテニウム水酸化物は、60〜80℃
程度の温度域でRu(metallic stat
e)まで還元される。従って、通常の水蒸気改質触媒で
は、700℃前後の高温での還元を必要とするのに対
し、本発明の触媒では、このような60〜80℃の極め
て低い温度で還元できる特徴を有し、担持金属(Ru)
の分散性を高く保つことができる。
【0054】分散性の低下は、シンタリング(焼結)に
よって起こるのが一般的である。シンタリングには、少
なくとも2つの原因を挙げることができる。1つは、担
体自体のシンタリングで、折角活性金属が高分散してい
ても、熱履歴による担体のシンタリングにより、活性金
属の粒子間隔が狭まり、分散性が低下する。もう1つ
は、活性金属自体のシンタリングによるものである。
【0055】本発明の触媒では、担体の焼成温度を水蒸
気改質温度以上とすると共に、活性金属として融点が高
いルテニウム(金属Ruの融点は2450℃)を選択す
ることで、水蒸気改質反応中における担体および活性金
属の熱履歴を受け難くしている。
【0056】なお、本発明において、触媒の還元は、理
論的には、上記した60〜80℃と言う極く低い温度で
可能であるが、極めて微粒子状の活性金属の場合、極く
一部の活性点が熱履歴を受けることも考えられるため、
実プラントで長期間安定した触媒性能が得られるよう
に、上記の温度範囲(80〜500℃)とする。
【0057】還元用ガスとしては、水素ガス、水素・水
蒸気混合ガス、一酸化炭素等を用いることができ、中で
も、水素ガスや水素・水蒸気混合ガスが好ましく、水素
ガスが特に好ましい。還元時間は、還元温度、還元用ガ
スの通気量等の条件に応じて適宜選択すればよいが、1
〜20時間程度が実用的である。
【0058】以上のようにして得られる本発明の触媒
は、比表面積が160〜180m/g、一酸化炭素
(以下、COと記すこともある)吸着量が、50℃にお
いて、標準状態換算で2.0ml/g以上、ルテニウム
金属の分散性が60%以上と極めて優れた値となる。こ
れは、ルテニウム金属活性点が触媒表面上に充分存在し
ていること、および複合体担体が触媒表面上に充分露出
していること(すなわち、微粒子ルテニウムが高分散状
態で担持された触媒では、担体の表面露出に与えるルテ
ニウム粒子の影響は小さく、担体が触媒表面に充分露出
することになるのに対し、微粒子ルテニウムがシンタリ
ング等により積層状や塊状になった触媒では、これら積
層状や塊状のルテニウムに覆われた分だけ、担体の表面
露出が減少する)を意味する。従って、水蒸気改質原料
に含まれる硫黄分は、効果的に担体側に吸着・吸収され
る。仮に、一部のルテニウムが被毒された場合や、運転
条件の変動等による触媒への負荷がかかった場合であっ
ても、活性点が多いため、触媒性能は長期間安定して持
続される。
【0059】本発明におけるルテニウム分散性は、製品
触媒(還元処理後の触媒)の吸着COモル数のルテニウ
ムモル数に対する百分率であり、数2の式で表される。
また、ルテニウム保持率は、ICP分析により得られる
製品触媒に含まれるルテニウムモル数の含浸の際に用い
るルテニウム水溶液に含まれるルテニウムモル数に対す
る百分率であり、数2の式で表され、この数字が高いほ
ど無駄無く担持されていることを意味する。
【0060】
【数2】
【0061】すなわち、ルテニウム分散性(%)は、C
Oが金属Ru(Ru)に選択的に化学吸着(chem
isorption)する性質を利用し、触媒中に含ま
れるルテニウムの内、実際の触媒反応に関与できる活性
点(Ru)の割合を百分率で示したものである。従っ
て、シンタリングや蒸発乾固等によって表面から隠れた
ルテニウムや、金属の凝縮等によって表面に露出できな
いルテニウムがあれば、COの吸着は生じず、分散性の
値は低くなる。
【0062】本発明の触媒では、1.5〜4重量%のル
テニウムの内、60%以上が反応に寄与できる活性点に
なる。これは、触媒表面上に数多くの活性点が存在して
いること、および活性アルミナ複合体担体も触媒表面に
充分露出していることを示している。従って、本発明の
触媒によれば、SNG製造を目的とした炭化水素の低温
水蒸気改質反応を、低S/C比の条件において、長期間
安定して持続することができる。また、原料中に硫黄分
が含まれていたり、S/C比や原料供給量が変動して
も、ルテニウムの分散性が60%以上あれば、活性点が
多いため、これらの影響は受け難く、触媒性能は損なわ
れ難い。
【0063】逆に、ルテニウムの分散性が60%未満で
あると、活性点数が少ないため、見掛けの反応速度は低
下する。また、活性アルミナ複合体担体が、触媒表面上
に露出し難くなるため、担体効果が薄れる。さらに、活
性点が少ないことから、原料中の硫黄分や運転条件の変
動等によって触媒性能が悪化することが懸念される。
【0064】以上の本発明の触媒は、充分な機械的強度
を有すると共に、耐硫黄被毒性に優れ、平衡添加率に近
い良好な反応成績を示す。従って、本発明の触媒は、硫
黄化合物を含む原料であっても良好な水蒸気改質活性を
示す。
【0065】本発明の触媒により高カロリーガスの製造
を行う際の原料の主成分となる炭化水素としては、炭素
数2〜16、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜
8を用いるのがよい。反応温度は350〜500℃、好
ましくは400〜450℃、反応圧力は20kg/cm
G以下、好ましくは常圧〜15kg/cmG、より
好ましくは8〜10kg/cmG、GHSVは600
〜1200(v/v)h−1とするのが好適である。反
応系に加える水蒸気は、S/C比で0.7〜10となる
量が好ましい。反応方式は、固定床あるいは移動床反応
装置を利用するバッチ式、半連続式、あるいは連続式操
作が好ましい。
【0066】
【実施例】以下の実施例において、生成物の分析は、ス
テンレス(SUS)製管(内径3mmφ×2m)に、6
0〜80メッシュの充填剤(Unibeads−C、G
Lサイエンス社製商品名)を充填した分離カラムを取付
けた、熱伝導度型検出器(TCD)付きガスクロマトグ
ラフ(GC−9A、島津製作所製商品名)により行っ
た。担体および触媒の比表面積ならびに細孔容積は、表
面積測定装置(ベルソープ28、ベルジャパン社製商品
名)により、CO吸着量は、TCDガスクロマトグラフ
を内蔵したガス自動吸着装置(R6015,大倉理研製
商品名)により測定した。触媒の破壊強度(DWL:d
ead weight load)は、木屋式硬度計
(木屋製作所製)にて測定した。触媒のルテニウム担持
量は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP分析)によっ
て確認した。
【0067】実施例1 酸化セリウム(CeO,関東化学製)粉末3.75
g、活性アルミナ粉末(Al,メルク製)45.
5g、および酒石酸(C,関東化学製)粉末
21.4gを、メノウ乳鉢にて充分混合した。この粉末
(200メッシュ)を、打錠成型器(FK−1型,シス
テムズエンジニアリング社製商品名)にて、成型圧20
トン/cmで、直径3.2mmφの円柱状(ペレッ
ト)に成型し、マッフル炉を用い空気中で600℃にて
3時間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼成中に発
生したガスは、マッフル炉に排気管を設け水流ポンプを
用いてドラフトチャンバー内に排気した。このようにし
て得られた複合体担体の比表面積は210m/g、細
孔容積は0.35ml/gであった。
【0068】三塩化ルテニウム一水和物(三津和化学
製、ルテニウム含量44〜45wt%)3gを水に溶解
して100mlとし、この水溶液25ml中に上記の担
体ペレット22.1gを室温で1時間漬浸した。水溶液
から取りだしたペレットを、残液除去後、ロータリーエ
バポレーターによる約2.7kPa(約20mmHg)
程度の真空下で、赤外線式ホットプレートで約40℃に
加温しながら水分を除いた。このペレットを、約1リッ
トルの7〜10Nアンモニア水中(市販試薬特級の約2
倍希釈)に移し、30℃に保ちつつ、スターラーで2時
間ゆっくり撹拌し、ルテニウムを不溶・固定化した。こ
のペレットを、ブフナー漏斗を用いてアンモニア水中か
ら回収した。
【0069】回収したペレットは、イオン交換水で充分
洗浄した。洗浄は、濾液の一部に希硝酸銀水溶液を滴下
し、塩化銀の沈殿(白または灰色)が生じなくなるまで
行った。洗浄したペレットは、真空乾燥器中40〜45
℃で8〜10時間乾燥した。乾燥後のペレット10ml
を、通常の加圧流通系反応装置に充填し、圧力0.78
MPa(8kg/cmG)、還元温度150℃、GH
SV900(v/v)h−1で8時間、マスフローコン
トローラーで流量調節した水素で還元し、触媒Aを得
た。
【0070】触媒Aは、ルテニウム1.5wt%,酸化
セリウム7.5wt%、残りアルミナからなり、比表面
積は205m/g、破壊強度(DWL)は26.0k
gであった。CO吸着量は2.7ml/g(STP:標
準状態換算値)であった。ルテニウムを担持しない担体
のみにはCO吸着が見られないことから、この値はルテ
ニウム上への吸着量を示している。ルテニウム分散性
は、数2の式を用いて計算した結果、80%であった。
以上の触媒Aの性状を表1にまとめて示した。
【0071】次に、触媒Aを充填した反応器に、市販L
PGガス(コスモ石油製商品名コスモブタンシルバー,
C3:3vol%,iso−C4:32vol%,n−
C4:65vol%)に硫化水素を10ppm添加した
ものを、水蒸気と共に導入し、該LPGガスの水蒸気改
質反応を行いSNGの製造を行った。反応条件は、圧力
0.78MPa(8kg/cmG),反応温度450
℃,GHSV600(v/v)h−1,S/C比1で行
った。反応結果を表2に示した。
【0072】実施例2 酸化セリウム粉末3.75g、活性アルミナ粉末(実施
例1と同じもの)45.1g、および酒石酸粉末(実施
例1と同じもの)5.56gを使用した以外は、実施例
1と同様にして複合体担体(ペレット)を調製した。得
られた複合体担体の比表面積は190m/g、細孔容
積は0.36ml/gであった。
【0073】上記の担体ペレット22gに、三塩化ルテ
ニウム一水和物(実施例1と同じもの)1.15gを含
む水25mlを浸漬し、還元温度を450℃とした以外
は、実施例1と同様にして触媒Bを調製した。触媒B
は、ルテニウム2.3wt%,酸化セリウム7.5wt
%、残りアルミナからなり、比表面積180m/g、
破壊強度26.0kg、CO吸着量4.1ml/g(S
TP)、ルテニウム分散性80%であった。触媒Bの性
状を表1にまとめて示し、触媒Bを用いて行った実施例
1と同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0074】実施例3 酸化イットリウム(Y,添川化学製)粉末2.5
g、活性アルミナ粉末(実施例1と同じもの)46.4
g、および酒石酸粉末(実施例1と同じもの)3.68
gを使用した以外は、実施例1と同様にして複合体担体
(ペレット)を調製した。得られた複合体担体の比表面
積は220m/g、細孔容積は0.37ml/gであ
った。
【0075】上記の担体ペレット22gに、三塩化ルテ
ニウム一水和物(実施例1と同じもの)1.15gを含
む水25mlを浸漬し、還元温度を80℃にした以外
は、実施例1と同様にして触媒Cを調製した。触媒C
は、ルテニウム2.3wt%,酸化イットリウム5wt
%、残りアルミナからなり、比表面積209m/g、
破壊強度27.5kg、CO吸着量3.9ml/g(S
TP)、ルテニウム分散性77%であった。触媒Cの性
状を表1にまとめて示し、触媒Cを用いて行った実施例
1と同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0076】実施例4 酸化ランタン(La,和光純薬製)粉末6g、活
性アルミナ粉末(実施例1と同じもの)42.5g、お
よび酒石酸粉末(実施例1と同じもの)0.49gを使
用した以外は、実施例1と同様にして(ペレット)を調
製した。得られた複合体担体の比表面積は171m
g、細孔容積は0.34ml/gであった。
【0077】上記の担体ペレット22gに、三塩化ルテ
ニウム一水和物(実施例1と同じもの)1.51gを含
む水25mlを浸漬し、還元温度を400℃にした以外
は、実施例1と同様にして触媒Dを調製した。触媒D
は、ルテニウム3wt%,酸化ランタン12wt%、残
りアルミナからなり、比表面積163m/g、破壊強
度27.5kg、CO吸着量4.8ml/g(ST
P)、ルテニウム分散性72%であった。触媒Dの性状
表1にまとめて示し、触媒Dを用いて行った実施例1と
同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0078】実施例5 酸化マグネシウム(MgO,和光純薬製)粉末10g、
活性アルミナ粉末(実施例1と同じもの)38g、およ
び酒石酸粉末(実施例1と同じもの)50gを使用した
以外は、実施例1と同様にして(ペレット)を調製し
た。得られた複合体担体の比表面積は215m/g、
細孔容積は0.38ml/gであった。
【0079】上記の担体ペレット22gに、三塩化ルテ
ニウム一水和物(実施例1と同じもの)2.03gを含
む水25mlを浸漬し、還元温度を450℃にした以外
は、実施例1と同様にして触媒Eを調製した。触媒E
は、ルテニウム4wt%,酸化マグネシウム20wt
%、残りアルミナからなり、比表面積207m/g、
破壊強度25.0kg、CO吸着量5.5ml/g(S
TP)、ルテニウム分散性62%であった。触媒Eの性
状表1にまとめて示し、触媒Eを用いて行った実施例1
と同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0080】実施例6 酸化バリウム(BaO,和光純薬製)粉末3.75g、
活性アルミナ粉末(実施例1と同じもの)44.3g、
および酒石酸粉末(実施例1と同じもの)116.7g
を使用した以外は、実施例1と同様にして(ペレット)
を調製した。得られた複合体担体の比表面積は217m
/g、細孔容積は0.41ml/gであった。
【0081】上記の担体ペレット22gに、三塩化ルテ
ニウム一水和物(実施例1と同じもの)2.03gを含
む水25mlを浸漬し、還元温度を500℃にした以外
は、実施例1と同様にして触媒Fを調製した。触媒F
は、ルテニウム4wt%,酸化バリウム7.5wt%、
残りアルミナからなり、比表面積210m/g、破壊
強度24.5kg、CO吸着量5.3ml/g(ST
P)、ルテニウム分散性60%であった。触媒Fの性状
表1にまとめて示し、触媒Fを用いて行った実施例1と
同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0082】比較例1 活性アルミナ粉末(実施例1と同じもの)35gを実施
例1と同様にして3.2mmφのペレットに打錠成形
し、実施例1と同様にして焼成し、比表面積110m
/g,細孔容積0.18ml/gのアルミナ担体を得
た。この担体22.3gに、三塩化ルテニウム一水和物
(実施例1と同じもの)1.75gを含む水25mlを
浸漬し、残液除去後、純水で洗浄し、110℃で5時間
乾燥して、触媒Gを調製した。触媒Gは、ルテニウム
2.3wt%、残りアルミナからなり、比表面積49m
2/g、破壊強度24.5kg、CO吸着量1.8ml
/g、ルテニウム分散性35%であった。触媒Gの性状
表1にまとめて示し、触媒Gを用いて行った実施例1と
同様の水蒸気改質反応の結果を表2に示した。
【0083】表2に示した転化率および選択率は、数3
に示す式より算出した。
【0084】
【数3】
【0085】
【表1の1】
【0086】
【表1の2】
【0087】
【表2の1】
【0088】
【表2の2】
【0089】表1から明らかなように、ルテニウム分散
性は、比較例1では35%であるのに対し、実施例1〜
6では60〜85%と、1.7倍以上向上している。ま
た、比表面積は、比較例1では49m/gであるのに
対し、実施例1〜6では160m/g以上と、3倍以
上の改善効果が見られる。これらから、従来の触媒で
は、触媒表面に担持されたルテニウムが、還元され難い
塩化物や酸化物の形で存在するため、水素還元処理を経
ても、Ruになり難く、加えてRu種は相当密に存在
していることが窺え、Ruの分散性が低くなってい
る。これに対し、本発明の触媒では、容易にRuまで
還元されるRu(OH)の形で不溶・固定化されてい
ること、さらに不溶・固定化処理の際に塩素アニオンが
可溶性塩(塩化アンモニウム)で除去されているため、
残存塩素の影響は殆どない。しかも、担体原料にオキシ
酸を加えたことにより、担体が多孔質になっており、R
の分散性が高くなっている。
【0090】表2から明らかなように、従来の触媒で
は、転化率、選択率は低い。これは、上記のように活性
点(Ru)が少ないため、原料中に添加した硫化水素
により、容易に被毒されたためである。単に活性点が少
ないだけであれば、転化率のみの低下が見られる筈であ
るが、表2では選択率が50%台まで低下している。こ
れは、硫化水素によりRuが被毒され、これが引き金
となって、炭素析出が起こった結果である。これに対
し、本発明の触媒では、担体成分にアルミナの他に2
族、3族およびランタノイド金属の酸化物を添加してい
るため、これが硫黄化合物を吸着・吸収し活性点を保護
しているため、転化率も選択率も高くなっているものと
考えられる。
【0091】このように、本発明では、実用レベルの強
度を持たせた担体に所望量のRuを高分散担持すること
ができると共に、担体側には硫黄化合物を吸収・吸着す
る機能を持たせることができる。従って、本発明の触媒
を用いれば、SNGの製造を長期間安定して実施するこ
とが可能である。また、活性点数が充分あるため、運転
条件の変動やプラントのシャットダウン等に対しても充
分な対応が可能である。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、実用レベルの強度を有
すると共に、耐硫黄被毒性能と耐炭素析出性能を兼ね備
えた触媒を提供することができるため、炭化水素からS
NGを製造する工業的プロセスにおいて、高選択率、高
転化率の優れた反応成績を長期間安定して持続させるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 隆 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)酸化アルミニウムと、(b)周期
    表2族、3族およびランタノイド金属の酸化物よりなる
    群から選択される少なくとも1種と、(c)オキシ酸と
    を含有する原料を成型した担体基材を500〜600℃
    で焼成して得らた活性アルミナ複合体担体に、ルテニウ
    ムを1.5〜4重量%担持し、80〜500℃で還元処
    理してなる高カロリーガス製造用触媒。
  2. 【請求項2】 ルテニウム分散性が60%以上である請
    求項1記載の高カロリーガス製造用触媒。
  3. 【請求項3】 触媒上への一酸化炭素吸着量が、50℃
    において、標準状態換算で2.0ml/g以上である請
    求項1〜2記載の高カロリーガス製造用触媒。
  4. 【請求項4】 (a)酸化アルミニウムと、(b)周期
    表2族、3族およびランタノイド金属の酸化物よりなる
    群から選択される少なくとも1種と、(c)オキシ酸と
    を含有する原料を成型した担体基材を500〜600℃
    で焼成して得られる活性アルミナ複合体担体に、ルテニ
    ウムを1.5〜4重量%担持した後、アルカリ水溶液に
    てルテニウムを不溶・固定化し、次いで80〜500℃
    で還元処理する高カロリーガス製造用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 還元処理に先立ち、100℃以下で、減
    圧または常圧下で乾燥する請求項4記載の高カロリーガ
    ス製造用触媒の製造方法。
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