JPH10247586A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH10247586A
JPH10247586A JP9050637A JP5063797A JPH10247586A JP H10247586 A JPH10247586 A JP H10247586A JP 9050637 A JP9050637 A JP 9050637A JP 5063797 A JP5063797 A JP 5063797A JP H10247586 A JPH10247586 A JP H10247586A
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conductor
choke
admittance
frequency heating
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和浩 古田
Tatsuya Nakagawa
達也 中川
Toshio Kakizawa
俊夫 柿沢
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    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/76Prevention of microwave leakage, e.g. door sealings
    • HELECTRICITY
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    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/76Prevention of microwave leakage, e.g. door sealings
    • H05B6/763Microwave radiation seals for doors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、所望の電波シール性能を有し且つ
小型で耐久性に優れたチョーク構造を実現することを目
的とする。 【解決手段】 アドミッタンス素子4を、チョーク溝壁
を構成する導体接触片1の外周縁からチョーク溝10の
内部に延びる導体片2の先端縁に取り付けた導体板もし
くは導体棒の何れかにより構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波加熱装置、
特にその電波シール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波加熱装置の電波シール構造の第1
の従来技術として、例えば図10〜図12に示すような
チョーク溝構造がある。まず、図10は、高周波加熱装
置の全体構成を示しており、本体21には、被加熱物を
収納して高周波が供給されオーブン22が設けられ、そ
の前面部に、被加熱物を出し入れするための扉24が開
閉自在に設けられている。23は本体21前面の周囲部
に設けられた前板であり、この前板23に対向した扉2
4部分にチョーク溝25が形成されている。図11は、
チョーク溝25部分の拡大断面図、図12は、チョーク
溝25部分の拡大斜視図であり、チョーク溝25には、
前板23と対向しチョーク溝壁を構成する導体接触片2
6とこの導体接触片26の外周縁からチョーク溝25の
内部に延びる導体片27が形成されている。28はチョ
ーク溝25の開口部である。このようなチョーク溝25
の構造において電波シールとして機能するためには、そ
のチョーク溝25の入力インピーダンスZinが、Zin=
∞の条件となる必要がある。いま、チョーク溝25の特
性インピーダンスがZ0 で一定のとき、終端面短絡とし
たときの入力インピーダンスZinは、 Zin=jZ0 tan (β・l) …(1) となる。βは位相定数、lはチョーク溝22の深さであ
る。ここで、l=λ/4とすることで、β・l=(2π
/λ)・(λ/4)=π/2、Zin=jZ0 tan(π/
2)=∞となり、Zin=∞となる条件を満たすことがで
きる。しかし、この第1の従来技術では、チョーク溝2
5にインピーダンス調整用のアドミッタンス素子がない
ため、チョーク溝25の性能は、その構造寸法にそのま
ま影響される。このため、この構造でチョーク溝25を
小型化すると電波シール性能が劣化してしまう。
【0003】これに対し、高周波加熱装置の電波シール
構造の第2の従来技術として、図13に示すように、チ
ョーク溝25の外壁面を周期構造体29としたチョーク
構造がある(特公昭62−49715号公報)。このチ
ョーク構造はチョーク溝25を構成する外壁面そのもの
に周期構造体29を形成し、これをインピーダンス調整
素子として長手方向に配列している。この周期構造体2
5は、いわば疑似誘電体線路を構成しており、周期構造
体25の疑似誘電体線路に電磁界が巻き付くようにし
て、電波が伝播する。この作用によって電波シール性能
を持たせているのであるが、周期構造体25の疑似誘電
体線路に電磁界が巻き付くように分布しているため、チ
ョーク溝25の外側にある程度の範囲にも電界が存在し
てしまう。そのため、この構造では、チョーク構造の構
造体の外側にある程度のスペースが必要となり、チョー
ク構造全体の小型化は難しい。
【0004】また、電波シール構造の第3の従来技術と
して、図14に示すようなチョーク溝構造がある(実公
平4−13521号公報)。このチョーク構造は、前板
23と対向する導体接触片26そのものにスリット部3
0を形成し、これをインピーダンス調整素子とした構造
になっている。これは、導体接触片26を周期構造体と
した構造であるが、扉を閉めた場合に、この導体接触片
26が直接前板23に接触するため、インピーダンス調
整素子としてのスリット部30が剥き出しになる。この
ため、使用中に異物等の混入及び変形等により電波シー
ル性能が劣化するおそれがある。また、このスリット部
30を覆うように誘電体等で構成したカバーを取り付け
ると、それが例え薄いカバーであっても扉隙間が広くな
り、電波シール性能を劣化させる。扉の隙間の広さは電
波シール性能に大きく影響する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高周波加熱
装置(電子レンジ)は、被加熱物を入れるオーブンの有
効体積を広くとることができ、また、オーブンの有効体
積が同じの場合は、本体の外形寸法を小さくして設置場
所の省スペース化を図ることができ、さらには外部因子
による電波シール性能の劣化を防止して連続して実使用
に耐え得るチョーク構造を持つものが切望されている。
【0006】しかしながら、第1の従来技術では、チョ
ーク溝にインピーダンス調整用のアドミッタンス素子が
ないため、チョーク溝の性能は、その構造寸法にそのま
ま影響される。このため、この構造でチョーク溝を小型
化して電波シール構造が占有していたスペースを小さく
しようとすると、電波シール性能が劣化してしまうとい
う問題点があった。第2の従来技術では、周期構造体の
疑似誘電体線路に電磁界が巻き付くように分布している
ため、チョーク溝の外側のある程度の範囲にも電界が存
在してしまう。そのため、この構造では、チョーク構造
の構造体の外側にある程度のスペースが必要となり、チ
ョーク構造全体の小型化は難しいという問題点があっ
た。また、第3の従来技術では、インピーダンス調整素
子としてのスリット部が剥き出しになっていたため、使
用中に異物等の混入及び変形等により電波シール性能が
劣化するおそれがある。また、このスリット部を覆うよ
うに誘電体等で構成したカバーを取り付けると、それが
例え薄いカバーであっても扉隙間が広くなり、電波シー
ル性能が劣化してしまうという問題点があった。
【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
所望の電波シール性能を有し且つ小型で耐久性に優れた
チョーク構造を実現することができる高周波加熱装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、内部に高周波が供給される
本体と該本体に開閉自在に設けられた扉との対向する部
分の少なくとも一方に、電波シール用のチョーク溝を設
け、該チョーク溝内の長手方向に当該チョーク溝の入力
インピーダンス調整用のアドミッタンス素子を配置して
なる高周波加熱装置であって、前記アドミッタンス素子
は、前記チョーク溝壁を構成する導体接触片の外周縁か
ら前記チョーク溝の内部に延びる導体片の先端縁に取り
付けた導体板もしくは導体棒の何れかにより構成してな
ることを要旨とする。この構成により、漏洩電磁波は、
チョーク溝内に取り込まれてチョーク溝内を伝播する。
このチョーク溝内を伝播する電波に対し、チョーク溝内
に配置されたアドミッタンス素子で入力インピーダンス
が効果的に調整されて良好な電波シール性能が得られ
る。
【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、前記チョーク溝の長手方向
に複数個配列した前記アドミッタンス素子の各幅は、配
列ピッチの1/2を超えない大きさにしてなることを要
旨とする。この構成により、アドミッタンス素子が、チ
ョーク溝内を伝播する電磁波に対し、導波管におけるス
タブ構造と同等の効果を発揮して入力インピーダンスを
調整する上で非常に効果的に作用する。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、前記チョーク溝は、開口部
以外の壁面が全て導体面で囲まれ、前記アドミッタンス
素子以外の構成部分で長手方向に導波管構造をなすこと
を要旨とする。この構成により、チョーク溝内を伝播す
る電磁波は、チョーク溝を構成する壁面の内側に閉じ込
められて確実にチョーク溝内を伝播する。
【0011】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、複数個配列した前記アドミ
ッタンス素子の長手方向の配列ピッチは、発振高周波の
自由空間波長の1/4より長くしてなることを要旨とす
る。この構成により、チョーク溝空間を伝播する電磁波
の管内波長は、一般に発振高周波の自由空間波長よりも
長くなることから、配列ピッチが最適化されて電波シー
ル性能が向上する。
【0012】請求項5記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、複数個の前記アドミッタン
ス素子は、前記本体の周囲部に対応した各辺の中央付近
を基点として配置してなることを要旨とする。この構成
により、オーブン内には、その各辺に注目すると、辺の
長さの整数等分の長さを半波長とする定在波が励振さ
れ、各辺の中央付近に、その定在波の腹もしくは節が位
置する。このことから、漏洩電磁波も辺の中央付近が基
点となって分布するので、より効果的に入力インピーダ
ンスを調節することが可能となる。
【0013】請求項6記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、複数個の前記アドミッタン
ス素子は、前記本体の周囲部に対応した各辺ごとに異な
るピッチで配列してなることを要旨とする。この構成に
より、オーブン開口の横幅と縦幅は一般には等しくない
ため、辺ごとにオーブン内の定在波の波長が異なる。各
辺のアドミッタンス素子の配列ピッチを調節すること
で、電波シール性能が一層改善される。
【0014】請求項7記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、前記チョーク溝の開口部に
誘電体製のカバーを設置してなることを要旨とする。こ
の構成により、アドミッタンス素子が外因から完全に保
護され、異物の混入、外因による変形等の電波シール性
能の劣化要因から完全に守られる。
【0015】請求項8記載の発明は、上記請求項1記載
の高周波加熱装置において、前記導体接触片、該導体接
触片の外周縁から前記チョーク溝の内部に延びる導体片
及び該導体片の先端縁に取り付けた導体板もしくは導体
棒の何れかからなる前記アドミッタンス素子は、折り曲
げ構造により形成してなることを要旨とする。この構成
により、チョーク構造の小型化可能に加えて容易製造性
が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、図9の(a),(b)を用
いて、入力インピーダンス調整用のアドミッタンス素子
が配置されたチョーク溝の原理的な構成及び作用から説
明する。図9(a)において、3は本体全面の周囲部に
設けられた前板であり、この前板3に対向した扉部分に
チョーク溝10が形成されている。そして、このチョー
ク溝10の電気的な深さの中間位置にアドミッタンス素
子4が挿入されているとする。図では一般的に特性イン
ピーダンスをZ01,Z02と記号を違えて示してあるが、
勿論Z01=Z02であってもよい。β,lについても同様
である。チョーク溝10にアドミッタンス素子4を挿入
することで、任意の特性インピーダンスZ01,Z02
β,lで構成された任意寸法のチョーク溝10を、この
アドミッタンス素子4の値を調整することだけで、所望
の電波シール性能を持たせることができる。これを図9
(b)の電気的等価回路図を用いて説明する。
【0017】チョーク溝10にアドミッタンス素子4を
挿入することで、電気的等価回路において伝送線路中に
並列にアドミッタンスYを挿入したことになる。このと
きのチョーク溝10の入力端からみた入力インピーダン
スZinを以下に求める。
【0018】四端子網回路の考え方から、入力電圧、入
力電流、出力電圧、出力電流をそれぞれE1 ,I1 ,E
2 ,I2 としたとき、入力インピーダンスZinは四端子
定数a,b,c,dを用いて、
【数1】 となって、入力インピーダンスZinは、Zin=E1 /I
1 =b/dとなる。
【0019】次に、図9(b)の等価回路の四端子定数
を求める。伝送線路の中間部に並列にアドミッタンスY
が挿入されているので、次のような数式4となる。
【0020】
【数2】 ここで、Z01,Z02は、線路の特性インピーダンス、β
1 ,β2 は位相定数である。いま、一般式として記述し
ているため、伝送線路の並列アドミッタンスYの挿入位
置の前と後で、特性インピーダンス及び位相定数を違う
記号で表しているが、Z01=Z02,β1 =β2 の場合も
当然含まれる。これより、入力インピーダンスZinは、
【数3】 Zin=b/d =〔−Y・Z01・Z02tan β1 1 ・tan β2 2 +j(Z01tan β1 1 +Z02tan β2 2 )〕 /〔(1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 ) +jY・Z02tan β2 2 〕 …(5) となる。この数式5においてZin=∞の条件とするため
には、分母が0となればよい。
【0021】Y=0の場合;Y=0の場合は、前記第
1の従来技術の場合に相当する。即ちアドミッタンス素
子を挿入していない場合である。このとき、Zin=∞の
条件とするためには、
【数4】 1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 =0 …(6) を満たす必要があり、特性インピーダンスZ01,Z02
位相定数β1 ,β2 等を調整しなければならず、インピ
ーダンスマッチングが比較的困難である。また、Y=0
且つZ01=Z02,β1 =β2 の場合は、数式5は数式1
と同じ式となり、l1 +l2 =λ/4のときにのみZin
=∞の条件を満たす。
【0022】アドミッタンス素子4を挿入した場合Y
≠0;一方、本実施の形態では、並列アドミッタンスY
を挿入した場合に、Zin=∞の条件を導くには、数式5
の分母が0となればよいから、
【数5】 (1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 +jY・Z02tan β2 2 =0 …(7) を満たせばよい。よって、これから、
【数6】 Y=j(1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 ) /Z02tan β2 2 …(8) を満たす並列アドミッタンスYを挿入すれば、任意の特
性インピーダンス、位相定数及びチョーク溝物理長をも
つチョーク溝構造に対して、そのチョーク溝10を電波
シール性能を持つZin=∞の条件に導くことができる。
即ち、任意に構成されたチョーク溝10に対して、数式
8を満たすアドミッタンス素子4を挿入することによ
り、チョーク溝10のZin=∞となる条件を満たすこと
ができるのである。
【0023】いま、具体的に、並列に挿入するアドミッ
タンスYの値を、コンダクタンスGとサセプタンスB
で、 Y=G+jB …(9) と表したとき、数式8は、
【数7】 Y=G+jB =j(1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 ) /Z02tan β2 2 …(10) G=0 B=(1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 ) /Z02tan β2 2 …(11) となる。一般的にコンダクタンスGは小さい値であり、
Gは略0として無視できる。いまサセプタンスBを、容
量性リアクタンスωCと誘導性リアクタンス1/ωL
で、B=〔ωC−(1/ωL)〕と表すと、数式10
は、
【数8】 Y=jB =j〔ωC−(1/ωL)〕 =j〔(1−(Z02/Z01)・tan β1 1 ・tan β2 2 ) /Z02tan β2 2 〕 …(12) となる。チョーク溝10をZin=∞となる条件に導くに
は、数式12を満たせばよいことになる。即ち、数式1
1を満たすアドミッタンスY=jB=j〔ωC−(1/
ωL)〕を、チョーク溝10の電気的深さ方向の中間部
に挿入することで、任意のチョーク溝10の入力インピ
ーダンスをZin=∞の条件に導くことができる。
【0024】次に、本発明の実施の形態を図1乃至図8
を用いて説明する。
【0025】図1は、本実施の形態の電波シール構造を
示している。本件発明者は、チョーク溝の開口部以外の
構成壁面を全て連続した導体板で構成し、チョーク溝の
長手方向にチョークが導波管構造を構成する形状とし、
このチョーク溝内を伝播する電波に対してインピーダン
スを調整するためのアドミッタンス素子を挿入すること
で、シール性能を向上させることができることを見出だ
した。即ち、図1に示すように、アドミッタンス素子4
が、前板3と対向しチョーク溝壁を構成する導体接触片
1の外周縁からチョーク溝10の内部に延びる導体片2
の先端に取り付けられた導体板もしくは導体棒により構
成されている。5はチョーク溝10の開口部である。こ
の機構は、前記第2の従来例のチョーク構造の長手方向
の電波伝播機構とは異なる。第2の従来例ではチョーク
溝の外側壁面自体を周期構造体として、その周期構造体
の線路群が疑似誘電体線路を構成し、電波がこの周期構
造体に巻き付くようにして伝播する。したがって、導波
管の概念はない。このため、第2の従来例では、周期構
造体に巻き付いた電界がチョーク構造体の外側にも分布
しているため、チョーク溝構造の外側のある程度の範囲
にも電界が分布してしまう。これに対し、本実施の形態
では、チョーク溝10内部の空間を導波管として電波が
伝播する構造としたため、第2の従来例のようにチョー
ク構造体の外側に電界が分布することがなく、チョーク
溝10を構成する各壁面内において閉じた空間を構成
し、チョーク溝10内を伝播する電波は、チョーク溝を
構成する壁面の内側に閉じ込められる。そのため、チョ
ーク溝構造体の外側にスペースが不要となり、チョーク
構造を小型化することができる。その結果、チョーク構
造に対応するオーブン開口部周辺の前板3部分の幅も小
さくすることができ、その分オーブン庫内を広くするこ
とができる。例えば、従来の高周波加熱装置(電子レン
ジ)の有効体積率(本体の外形寸法体積に対するオーブ
ン内の有効体積の割合)は、35%程度であったが、本
実施の形態では約45%まで向上させることができる。
これを、さらに具体的数値例で示すと、本体の外形寸法
が、横幅W=470mm、高さT=290mm、奥行き
D=380mm(51.8 liter)のとき、従来は前板
幅37mmであり、オーブン寸法は、W=310mm、
T=187mm、D=310mm(17.8 liter)
で、有効体積率は約35%である。これに対し、本実施
の形態では、前板幅は25mmまで小さくすることがで
き、オーブン寸法は、W=334mm、T=211m
m、D=334mm(23.5 liter)となり、有効体
積率は約45%まで向上する。
【0026】図2には、アドミッタンス素子4の幅と電
波シール性能の関係を示す。アドミッタンス素子4の幅
を長手方向のピッチPの1/2よりも狭くすることで、
チョーク溝10内を伝播する電波に対して、導波管でい
うスタブ構造と同等の効果を発揮し、インピーダンスを
調整する上で非常に効果的に作用することを見出だし
た。図2は、その実験値を示している。同図は、扉チョ
ーク構造と対向する前板3の幅を25mmまで小さくし
たときの実験値である。アドミッタンス素子4の幅を長
手方向のピッチPの1/2よりも狭くすることで、前板
3の幅を25mmまで狭くしたときでも、JISによっ
て定められた規定値を満足できる。さらに、好ましくは
アドミッタンス素子4の幅を7mm以下とすると、より
一層効果を発揮する。アドミッタンス素子4の幅を7m
m以下とすることで、JIS規定値の1/√2までシー
ル性能を向上させることができる。また、図2のアドミ
ッタンス素子4の幅が0mmのとき(即ち、アドミッタ
ンス素子を挿入しない場合→第1の従来技術図12に相
当する)は、前板幅が25mmまで狭くなると、シール
性能がJIS規定値を満足することができなくなる。イ
ンピーダンス調整素子がないとチョーク溝の構造寸法が
そのままシール性能に影響するため、前板幅25mmま
でチョーク構造を小型化すると、チョーク溝の構造寸法
も小さくなり、シール性能が劣化してしまうのである。
アドミッタンス素子4の幅を7mmよりもさらに狭くし
ていくとシール性能はさらに向上するが、幅が0mmに
極近付くと急激にシール性能が劣化する。アドミッタン
ス素子4の幅の下限値は、製造性もしくは構造強度の点
から決まる。
【0027】図3には、アドミッタンス素子4の配列ピ
ッチと電波シール性能の関係を示す。チョーク溝空間を
伝播する電波の管内波長は、一般に発振電波の自由空間
波長よりも長くなるため、その伝播電波に効果的にアド
ミッタンス素子4を配置するためには、管内波長の1/
4ピッチで配置すればよいため、結果的にアドミッタン
ス素子4の長手方向の配列ピッチの最適値は、自由空間
波長の1/4よりも長くなる。図3は、その実験値を示
している。
【0028】図4は、オーブン内の定在波を説明するた
めの図である。アドミッタンス素子4の長手方向の配列
方法について、各辺の中央付近に基点となるアドミッタ
ンス素子4を設置し、それを基点として長手方向にアド
ミッタンス素子4を配列するのが効果的である。これ
は、以下のような理由から言える。電子レンジのオーブ
ン内には、マイクロ波の3次元の定在波が励振されるた
め、一辺に注目してみると、両壁面の位置では、定在波
の節もしくは腹となり、辺の長さの整数等分の長さを半
波長とする定在波が励振されている。図4は、その一例
を示している。図4の例では、オーブンの横幅方向に5
次の定在波が励振されている。辺の中央をみると、定在
波の腹の位置となっている。同様に考えると、辺の中央
付近には定在波の腹もしくは節が位置することになり、
このオーブン内の定在波がチョーク溝10に進入するた
め、結局、漏洩電波も辺の中央付近が基点となって分布
している。これに対して、同様に、この辺の中央付近を
基点にアドミッタンス素子4を配列すれば、より効果的
に入力インピーダンスを調節することができるのであ
る。
【0029】図5には、アドミッタンス素子4の各辺ご
とに配列ピッチと電波シール性能の関係を示す。チョー
ク溝10の各辺(上辺、下辺、左辺、右辺)のアドミッ
タンス素子4の配列ピッチをそれぞれ調節することで、
さらに電波シール性能の改善を図ることができることを
見いだした。図5は、その実験値を示しており、上下辺
ピッチをa、左右辺ピッチをbに調節した場合に電波シ
ール性能が最も良好になることを示している。全周ピッ
チa又は全周ピッチbとは、全周ピッチを一律にa又は
bにしたときであり、この場合、電波シール性能は上記
に比べて劣化する。これは、オーブン開口の横幅と縦幅
が一般には等しくないため、辺ごとにオーブン内の定在
波の波長が異なり、それに対するチョーク構造内のアド
ミッタンス素子の最適の配列ピッチも辺ごとに異なるた
めである。
【0030】図6、図7には、チョーク溝10の開口部
に誘電体製のカバー6を取り付けた状態を示す。第1の
実施の形態のチョーク構造において、チョーク溝10の
開口部5に誘電体のカバー6を取り付けることで、イン
ピーダンス調整用のアドミッタンス素子4は外因に対し
て完全に保護され、異物の混入及び外因による変形等の
シール性能を劣化させる要因から完全に守られ、耐久性
の優れたチョーク構造を実現できる。また、第1の実施
の形態のチョーク構造によれば、インピーダンス調整用
のアドミッタンス素子4の作用がチョーク溝10内の閉
じた空間で完結しているため、チョーク溝10を伝播す
る電波はチョーク構造を構成する壁面の内側に全て取り
込まれる。このため、チョーク構造を構成する壁面の外
側にスペースが不要となり、チョーク構造全体の省スペ
ース化が可能となる。また、図7は、この誘電体カバー
6の取り付け方法の一例を示したものである。誘電体カ
バー6がチョーク溝10内に落ち込まないように引っ掛
け部7を設け、また逆に外側に外れないようチョーク構
造体に固定するための爪8を設けている。誘電体カバー
6がチョーク溝10内に落ち込まないように誘電体カバ
ー6の一部を延ばしてチョーク溝10の底部に接触させ
て固定する方法もある。
【0031】図8には、導体接触片1、導体片2及びア
ドミッタンス素子4等の製造方法例を示す。チョーク構
造の製造方法について、導体接触片1からアドミッタン
ス素子4にかけては、従来は図8(a)のような型か
ら、プレスによる製造方法をとっていた。これに対し、
本実施の形態では、新たに折り曲げ構造による製造方法
を採用している。図8(b)は、この製造方法を示して
いる。丁度、コーナー部分9の曲げ部分を削除した形状
である。11は折り曲げ部、12はパンチングメタルで
ある。こうすることで、従来に比べて製造方法を簡素化
することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、アドミッタンス素子は、チョーク溝壁を構
成する導体接触片の外周縁から前記チョーク溝の内部に
延びる導体片の先端縁に取り付けた導体板もしくは導体
棒の何れかにより構成したため、漏洩電磁波はチョーク
溝内に取り込まれてチョーク溝内を伝播し、入力インピ
ーダンスがアドミッタンス素子で効果的に調整されるの
で、チョーク構造体の外側に電界が分布することがな
く、チョーク構造体の外側にスペースが不要となって、
小型のチョーク構造で所望の電波シール性能を持たせる
ことができる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、前記チョー
ク溝の長手方向に複数個配列した前記アドミッタンス素
子の各幅は、配列ピッチの1/2を超えない大きさにし
たため、アドミッタンス素子が導波管におけるスタブ構
造と同等の効果を発揮して入力インピーダンスを調整す
る上で非常に効果的に作用するので、チョーク構造体の
一層の小型化が可能となる。
【0034】請求項3記載の発明によれば、前記チョー
ク溝は、開口部以外の壁面が全て導体面で囲まれ、前記
アドミッタンス素子以外の構成部分で長手方向に導波管
構造をなすようにしたため、チョーク溝内を伝播する電
磁波をチョーク溝を構成する壁面の内側に閉じ込めて確
実にチョーク溝内を伝播させることができる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、複数個配列
した前記アドミッタンス素子の長手方向の配列ピッチ
は、発振高周波の自由空間波長の1/4より長くしたた
め、チョーク溝空間を伝播する電磁波の管内波長は、一
般に発振高周波の自由空間波長よりも長くなることか
ら、配列ピッチを最適化して電波シール性能を一層向上
させることができる。
【0036】請求項5記載の発明によれば、複数個の前
記アドミッタンス素子は、前記本体の周囲部に対応した
各辺の中央付近を基点として配置したため、漏洩電磁波
は辺の中央付近が基点となって分布することから、より
効果的に入力インピーダンスを調節することができる。
【0037】請求項6記載の発明によれば、複数個の前
記アドミッタンス素子は、前記本体の周囲部に対応した
各辺ごとに異なるピッチで配列したため、オーブン開口
の横幅と縦幅は一般には等しくなく、辺ごとにオーブン
内の定在波の波長が異なることから、配列ピッチを一層
最適化して電波シール性能をさらに向上させることがで
きる。
【0038】請求項7記載の発明によれば、前記チョー
ク溝の開口部に誘電体製のカバーを設置したため、アド
ミッタンス素子が外因から完全に保護されて、耐久性の
優れたチョーク構造を実現することができる。
【0039】請求項8記載の発明によれば、前記導体接
触片、該導体接触片の外周縁から前記チョーク溝の内部
に延びる導体片及び該導体片の先端縁に取り付けた導体
板もしくは導体棒の何れかからなる前記アドミッタンス
素子は、折り曲げ構造により形成したため、チョーク構
造の小型化等の可能に加えて容易製造性を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波加熱装置の実施の形態にお
けるチョーク溝部分の構成を示す斜視図である。
【図2】上記実施の形態におけるアドミッタンス素子の
幅と電波シール性能の関係を示す図である。
【図3】上記実施の形態におけるアドミッタンス素子の
配列ピッチと電波シール性能の関係を示す図である。
【図4】上記実施の形態におけるオーブン内の定在波を
説明するための図である。
【図5】上記実施の形態におけるアドミッタンス素子の
各辺ごとの配列ピッチと電波シール性能の関係を示す図
である。
【図6】上記実施の形態においてチョーク溝の開口部に
誘電体製のカバーを取り付けた状態を示す斜視図であ
る。
【図7】上記図6において誘電体製のカバーの他の取り
付け方法を示す斜視図である。
【図8】上記実施の形態におけるチョーク構造の製造方
法を説明するための図である。
【図9】上記実施の形態におけるチョーク溝の原理的な
構成及び作用を説明するための図である。
【図10】第1の従来技術である高周波加熱装置の扉開
放時の外観図である。
【図11】上記第1の従来技術におけるチョーク構造を
図10のA−A′の拡大断面で示す図である。
【図12】上記第1の従来技術におけるチョーク溝部分
の構成を示す拡大斜視図である。
【図13】高周波加熱装置の第2の従来技術におけるチ
ョーク溝部分の構成を示す斜視図である。
【図14】高周波加熱装置の第3の従来技術におけるチ
ョーク溝部分の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 導体接触片 2 導体片 3 前板 4 アドミッタンス素子 5 開口部 6 誘電体製のカバー 10 チョーク溝 11 折り曲げ部
フロントページの続き (72)発明者 柿沢 俊夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に高周波が供給される本体と該本体
    に開閉自在に設けられた扉との対向する部分の少なくと
    も一方に、電波シール用のチョーク溝を設け、該チョー
    ク溝内の長手方向に当該チョーク溝の入力インピーダン
    ス調整用のアドミッタンス素子を配置してなる高周波加
    熱装置であって、前記アドミッタンス素子は、前記チョ
    ーク溝壁を構成する導体接触片の外周縁から前記チョー
    ク溝の内部に延びる導体片の先端縁に取り付けた導体板
    もしくは導体棒の何れかにより構成してなることを特徴
    とする高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記チョーク溝の長手方向に複数個配列
    した前記アドミッタンス素子の各幅は、配列ピッチの1
    /2を超えない大きさにしてなることを特徴とする請求
    項1記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記チョーク溝は、開口部以外の壁面が
    全て導体面で囲まれ、前記アドミッタンス素子以外の構
    成部分で長手方向に導波管構造をなすことを特徴とする
    請求項1記載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】 複数個配列した前記アドミッタンス素子
    の長手方向の配列ピッチは、発振高周波の自由空間波長
    の1/4より長くしてなることを特徴とする請求項1記
    載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】 複数個の前記アドミッタンス素子は、前
    記本体の周囲部に対応した各辺の中央付近を基点として
    配置してなることを特徴とする請求項1記載の高周波加
    熱装置。
  6. 【請求項6】 複数個の前記アドミッタンス素子は、前
    記本体の周囲部に対応した各辺ごとに異なるピッチで配
    列してなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 前記チョーク溝の開口部に誘電体製のカ
    バーを設置してなることを特徴とする請求項1記載の高
    周波加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記導体接触片、該導体接触片の外周縁
    から前記チョーク溝の内部に延びる導体片及び該導体片
    の先端縁に取り付けた導体板もしくは導体棒の何れかか
    らなる前記アドミッタンス素子は、折り曲げ構造により
    形成してなることを特徴とする請求項1記載の高周波加
    熱装置。
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