JPH10247601A - Ntcサーミスタ素子 - Google Patents

Ntcサーミスタ素子

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JPH10247601A
JPH10247601A JP9049256A JP4925697A JPH10247601A JP H10247601 A JPH10247601 A JP H10247601A JP 9049256 A JP9049256 A JP 9049256A JP 4925697 A JP4925697 A JP 4925697A JP H10247601 A JPH10247601 A JP H10247601A
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electrodes
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政彦 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低抵抗であり、かつ抵抗値のばらつきの少な
いNTCサーミスタ素子を得る。 【解決手段】 少なくとも1つの内部電極が、ギャップ
を隔てて同一平面上において対向配置された第1,第2
の対向電極3a,3bを有し、第1の対向電極3aの少
なくとも一部がサーミスタ層を介して異なる高さ位置の
反対電位に接続される内部電極の第1の対向電極4aに
厚み方向に重なり合うように構成されているサーミスタ
素体2を有し、サーミスタ素体2の両端面に外部電極
7,8が形成されているNTCサーミスタ素子1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負の抵抗温度係数
を有するNTCサーミスタ素子に関し、より詳細には、
サーミスタ素体内に複数の内部電極を配置してなるNT
Cサーミスタ素子の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】NTCサーミスタ素子は、雰囲気温度、
固体や液体等の温度を検出するため、あるいは温度によ
る回路や部品特性の変化を補償するために幅広く用いら
れている。
【0003】従来、チップ型NTCサーミスタ素子とし
て、電極を同一平面上において対向配置してなる対向
型、並びに複数の内部電極をサーミスタ素体内において
積層してなる積層型のものが知られている(特願平2−
250050号、特願昭60−279913号など)。
これらのNTCサーミスタ素子の構造を、図11〜図1
3を参照して説明する。
【0004】図11は、対向型の従来のNTCサーミス
タ素子を示す断面図である。NTCサーミスタ素子61
は、例えば酸化ニッケルや酸化コバルトなどの遷移金属
元素酸化物を複数種用いて得られた焼結体からなるサー
ミスタ素体62を有する。サーミスタ素体62内には、
ある高さ位置に、内部電極として対向電極63,64が
所定のギャップを隔てて対向配置されている。
【0005】サーミスタ素体62の一方端面には外部電
極65が、他方端面には外部電極66が形成されてい
る。外部電極65は対向電極63に、外部電極66は対
向電極64に接続されている。このNTCサーミスタ素
子61では、対向電極63,64間のギャップにより抵
抗値が決定される。また、同一平面上に対向電極63,
64を形成すればよいため、サーミスタ素体62を得る
際に用いられるグリーンシート上において正確に対向電
極63,64を形成すれば、抵抗値を高精度に制御する
ことができる。
【0006】図12は、従来の対向型NTCサーミスタ
素子の他の例を示す断面図である。NTCサーミスタ素
子67では、サーミスタ素体62内に、複数の内部電極
として、対向電極63,64に加えて、対向電極68
a,68b〜70a,70bが形成されている。すなわ
ち、サーミスタ素体62内において4つの高さ位置にお
いて、それぞれ、対向電極63,64〜70a,70b
が形成されている。
【0007】図13は、従来の積層型NTCサーミスタ
素子を示す断面図である。NTCサーミスタ素子71
は、サーミスタ素体72内に、複数の内部電極73〜7
5をサーミスタ層を介して重なり合うように配置した構
造を有する。内部電極73,75はサーミスタ素体72
の一方端面に形成された外部電極76に接続されてい
る。内部電極74はサーミスタ素体72の他方端面に形
成された外部電極77に接続されている。
【0008】NTCサーミスタ素子71では、内部電極
73,75と内部電極74との間で抵抗値が決定され、
従って小さな抵抗値を有するNTCサーミスタ素子71
を提供することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の対向型NTCサ
ーミスタ素子61,67では、抵抗値を高精度にコント
ロールし得るものの、低抵抗化に限度があった。すなわ
ち、対向電極63,64間、あるいは対向電極63,6
4〜70a,70b間の上記ギャップの幅を小さくすれ
ば抵抗値を小さくし得るものの、ギャップの幅が小さく
なると短絡が生じ易くなる。従って、低抵抗化に限度が
あり、抵抗値が小さなNTCサーミスタ素子を作製する
ことが困難であった。
【0010】加えて、外部電極65,66のサーミスタ
素体62の両端面を結ぶ方向に延びる寸法が、外部電極
65,66間の抵抗値が対向電極63,64〜70a,
70bと並列抵抗となることより、得られる抵抗値に少
なからず影響するという問題もあった。
【0011】他方、積層型NTCサーミスタ素子71で
は、内部電極73〜75の積層数を増大させることによ
り低抵抗化を果たすことができるものの、製造に際して
のグリーンシートの厚みばらつき及び内部電極73〜7
5が形成されているグリーンシートの重ね合わせ精度な
どによって、抵抗値がばらつくという問題があった。従
って、低抵抗のNTCサーミスタ素子を提供し得るもの
の、低抵抗化すればする程上記工程上の要因による抵抗
値のばらつきが問題となっていた。本発明の目的は、抵
抗値のばらつきが少なく、かつ低抵抗のNTCサーミス
タ素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、NTCサーミスタ材料よりなるサーミスタ素体と、
前記サーミスタ素体内においてサーミスタ層を介して隔
てられて積層された複数の内部電極と、前記サーミスタ
素体の外表面に形成された第1,第2の外部電極とを備
えるNTCサーミスタ素子において、少なくとも1つの
内部電極が、ギャップを隔てられて同一平面上で対向さ
れ、それぞれの一端が前記第1,第2の外部電極の各一
方に接続された第1,第2の対向電極を有し、前記第1
の対向電極の少なくとも一部が、サーミスタ層を介して
隔てられた異なる高さ位置の反対電位に接続される第1
の対向電極もしくは内部電極と厚み方向に重なるように
位置されていることを特徴とする、NTCサーミスタ素
子である。
【0013】請求項1に記載の発明では、好ましくは、
請求項2に記載のように、第1,第2の対向電極からな
る内部電極が、複数層の内部電極のうち最上層と最下層
の一方または両方に配置されている。
【0014】請求項1または2に記載の発明に係るNT
Cサーミスタ素子では、好ましくは、請求項3に記載の
ように、全ての内部電極がギャップを隔てられて同一平
面上で対向された第1,第2の対向電極を有し、各第1
の対向電極の少なくとも一部がサーミスタ層を隔てられ
て異なる高さ位置の反対電位に接続される第1の対向電
極と厚み方向に重なり合うように位置されている。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の発明におけるNTCサーミスタ素子にお
いて、第1の外部電極がサーミスタ素子の第1の端面
に、第2の外部電極がサーミスタ素子の第2の端面に形
成されており、第1または第2の外部電極に接続された
対向電極が、第2または第1の外部電極と厚み方向にお
いて重ならないように配置されていることを特徴とす
る。
【0016】また、請求項5に記載の発明に係るNTC
サーミスタ素子は、請求項1〜4の何れかに記載のNT
Cサーミスタ素子において、前記第1,第2の対向電極
を有する内部電極において、第1または第2の外部電極
と、第2または第1の外部電極に接続された内部電極と
の距離が、該内部電極の第1,第2の対向電極間の前記
ギャップの大きさよりも大きくされていることを特徴と
する。
【0017】請求項6に記載の発明に係るNTCサーミ
スタ素子は、請求項1〜5の何れかに記載のNTCサー
ミスタ素子において、第1の対向電極の幅が、サーミス
タ素子を介して厚み方向に重なり合うように配置された
他の内部電極の幅と異ならされていることを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0019】(第1の実施例)図1は、本発明の第1の
実施例に係るNTCサーミスタ素子の断面図である。N
TCサーミスタ素子1は、直方体状のサーミスタ素体2
を用いて構成されている。サーミスタ素体2は、例え
ば、ニッケル、コバルト、銅などの遷移金属元素の酸化
物を複数種用いて構成された焼結体である。サーミスタ
素体2は、後述の内部電極を上面に形成してなるセラミ
ックグリーンシート及び内部電極が形成されていないセ
ラミックグリーンシートを複数枚積層し、得られた積層
体を焼成することにより得られる。
【0020】サーミスタ素体2内には、第1,第2の対
向電極を同一平面上において所定のギャップを隔てて対
向配置してなる複数の内部電極が形成されている。すな
わち、ある高さ位置に、第1の対向電極3aと、第2の
対向電極3bとからなる内部電極が形成されており、そ
の下方に、それぞれ、第1の対向電極4a,第2の対向
電極4b、第1の対向電極5a,第2の対向電極5b及
び第1の対向電極6a,第2の対向電極6bからなる各
内部電極が形成されている。
【0021】各内部電極においては、第1の対向電極3
a,4a,5a,6aと、第2の対向電極3b,4b,
5b,6bとが同一平面上においてギャップを隔てて対
向配置されている。従って、ギャップ寸法g、すなわち
第1,第2の対向電極間の対向距離で決定される抵抗値
は、セラミックグリーンシート上に、例えば第1,第2
の対向電極3a,3bを導電ペーストの印刷により形成
すれば、高精度に保ち得る。
【0022】他方、第1の対向電極3aは、セラミック
層2aを隔てて厚み方向に隣接する内部電極の第1の対
向電極4aと重なり合っている。同様に、第1の対向電
極4aは、下方の第1の対向電極5aにも重なり合って
いる。また、第1の対向電極5aは、その下方の第1の
対向電極6aにも重なり合っている。
【0023】上記のように、第1の対向電極3a〜6a
が部分的にセラミック層2a,2b,2cを隔てて重な
り合わされているため、図1の記号Bで示す部分におい
ては、この対向電極3a〜6aにおいて積層型サーミス
タ素子と同様にして抵抗が取り出される。
【0024】よって、NTCサーミスタ素子1におい
て、低抵抗化を図る場合、第1の対向電極3a〜6aの
積層数を増大させることにより、抵抗値を小さくするこ
とができる。また、上記のようにAで示す対向型部分で
は、ギャップにより抵抗値が取り出されるが、このギャ
ップ寸法gは高精度に制御し得るため、抵抗値のばらつ
きを低減し得る。
【0025】すなわち、従来の対向型NTCサーミスタ
素子の構造と、積層型NTCサーミスタ素子の構造とを
組み合わせることにより、抵抗値が小さく、かつ抵抗値
のばらつきの小さなNTCサーミスタ素子1が提供され
得る。
【0026】NTCサーミスタ素子1の製造に際して
は、NTCサーミスタとして機能するサーミスタ材料よ
りなる複数枚のセラミックグリーンシートを用意する。
これらのセラミックグリーンシートの一部を図2に斜視
図で示す。
【0027】平面形状が矩形のセラミックグリーンシー
ト9aの上面には、電極は印刷されていない。セラミッ
クグリーンシート9b上には、第1の対向電極3a及び
第2の対向電極3bを形成するために、該対向電極3
a,3bに応じて例えばAg−Pd粉末含有導電ペース
トが印刷されている。同様に、セラミックグリーンシー
ト9c,9d上には、第1の対向電極4a,5a及び第
2の対向電極4b,5bが印刷されている。なお、図2
では図示していないが、図1に示した対向電極6a,6
bについても、同様のセラミックグリーンシート上に印
刷される。
【0028】次に、図3に示すように、複数枚のセラミ
ックグリーンシート9a,9b,9c,9d……を積層
し、一体焼成することによりサーミスタ素体2を得る。
この場合、図2に示した内部電極の印刷されていないセ
ラミックグリーンシート9aは、サーミスタ素体2の上
方及び下方において適宜の枚数用いられる。
【0029】次に、図1のサーミスタ素体2の第1の端
面2dを覆うように第1の外部電極7を、第2の端面2
eを覆うように第2の外部電極8を形成する。外部電極
7,8の形成は、例えば、Agのような導電性粉末含有
導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより行われ
る。この場合、第1,第2の外部電極7,8は、サーミ
スタ素体2の端面2d,2eだけでなく、端面2d,2
eを結んでいる上面、下面及び両側面にも至るように形
成される。図1では、外部電極7,8の上面及び下面に
至っている部分が図示されている。この上面及び下面並
びに両側面に至っている部分を以下、外部電極の被り部
7a,8aとする。
【0030】第1の対向電極3a,5a及び第2の対向
電極4b,6bが第1の外部電極7に接続されており、
第1の対向電極4a,6a及び第2の対向電極3b,5
bが第2の外部電極8に電気的に接続されている。
【0031】なお、図2では、第1の対向電極3a,4
a,5aは、全て等しい幅を有するように構成されてい
る。なお、ここで第1の対向電極の幅とは、サーミスタ
素体2の両端面2d,2eを結ぶ方向と直交する方向の
第1の対向電極の寸法をいうものとする。
【0032】これに対して、より好ましくは、サーミス
タ層を介して重なり合う第1の対向電極の幅を異ならせ
ることにより、得られる抵抗値のばらつきをより一層低
減することができる。すなわち、図4(a)及び(b)
に示すように、第1の対向電極5aの幅を、第1の対向
電極5aとサーミスタ層を介して重なり合う第1の対向
電極6aの幅よりも広くした場合、幅方向における積層
ずれに起因する抵抗値のばらつきを低減することができ
る。すなわち、積層や対向電極5a,6aの印刷に際
し、幅方向に印刷ずれや積層ずれが生じた場合であって
も、第1の対向電極6aが第1の対向電極5aを下方に
投影した領域内に位置する限り、第1の対向電極5a,
6a間の重なり面積が変動しないため、上記印刷ずれや
積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを防止することが
できる。
【0033】また、図5(a)に示すように、第1,第
2の対向電極3a,3bの形成にあたり、セラミックグ
リーンシート9bの端縁に連なる部分において、セラミ
ックグリーンシートの全幅に至る接続部3a1 ,3b1
を設けてもよい。このように、接続部3a1 ,3b1
設けることにより、第1,第2の対向電極3a,3bの
外部電極7,8との電気的接続の信頼性を高め得る。し
かも、第1,第2の対向電極3a,3bの主要部分は、
セラミックグリーンシート9bよりも幅が狭くされてい
るため、耐湿性も高められる。
【0034】さらに、図5(b)に示すように、第1,
第2の対向電極3a,3bが、先端側に互いに間挿し合
う電極指3a2 ,3b2 を有するくし歯状としてもよ
い。このように第1,第2の対向電極3a,3bをくし
歯状に対向させることにより、より一層低抵抗化を図り
得る。
【0035】次に、具体的な実験例に基づき、第1の実
施例のNTCサーミスタ素子によれば、低抵抗化を図っ
た場合でも抵抗値のばらつきを低減し得ることを示す。
サーミスタ素体2を構成するために、Mn,Ni,Co
の酸化物を主体とする複数枚のセラミックグリーンシー
トを用意し、その上面に第1,第2の対向電極3a,3
b〜6a,6bをそれぞれ印刷してなるセラミックグリ
ーンシートを作製した。第1,第2の対向電極が印刷さ
れたセラミックグリーンシート9a〜9d(図3)を積
層し、さらに対向電極を印刷していない適宜の枚数のセ
ラミックグリーンシート9aを上下に積層した。
【0036】上記のようにして得られた積層体を焼成
し、得られたサーミスタ素体に、Agよりなる電極を塗
布し、焼き付けることにより外部電極7,8を形成し
た。上記のようにして、第1の実施例のNTCサーミス
タ素子を作製し、かつ第1,第2の対向電極からなる内
部電極の積層数を種々異ならせ、第1の実施例に従った
NTCサーミスタ素子を種々作製した。また、このよう
にして得られたNTCサーミスタ素子の抵抗値及び抵抗
ばらつきを評価した。結果を下記の表1に示す。
【0037】比較のために、上記実施例のNTCサーミ
スタ素子と同じ材料を用い、かつ同寸法の従来の対向型
NTCサーミスタ素子67及び積層型NTCサーミスタ
素子71を作製した。この従来の対向型NTCサーミス
タ素子67及び積層型NTCサーミスタ素子71におい
ても、内部電極の積層数を変化させ、種々の枚数の内部
電極を有するものを作製し、かつ抵抗値及び抵抗ばらつ
きを評価した。結果を下記の表1に併せて示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、対向型NTCサ
ーミスタ素子では、ギャップにより抵抗値が決定される
ため、抵抗ばらつきR3CV を小さくし得る。これに対し
て、積層型NTCサーミスタ素子では、内部電極の積層
ずれ、印刷ずれ及びマザーのセラミックグリーンシート
からの切断ずれ等の種々の要因により、抵抗ばらつきR
3CV が非常に大きいことがわかる。
【0040】また、表1から明らかなように、第1の実
施例に従って作製されたNTCサーミスタ素子では、内
部電極の積層数が同一であれば、対向型NTCサーミス
タ素子に比べて抵抗値が非常に小さいNTCサーミスタ
素子を提供し得ることがわかる。
【0041】なお、対向型NTCサーミスタ素子では、
内部電極数を増大させることにより低抵抗化を図り得る
ものの、1kΩ以下と抵抗値を低めるには、かなりの数
の内部電極を積層しなければならず、従って厚み寸法が
増大することがわかる。
【0042】また、第1の実施例に係るNTCサーミス
タ素子において、第1,第2の対向電極からなる内部電
極の数を種々変化させて、抵抗値及び抵抗ばらつきR
3CV を測定した。結果を図6,図7に示す。
【0043】図6及び図7から明らかなように、内部電
極の枚数を増大させることにより、本発明によれば抵抗
値を著しく低下させ得ることがわかる。従って、用途に
応じて、第1,第2の対向電極を有する内部電極の数を
増減することにより、所望の抵抗値を有する、特に低抵
抗のNTCサーミスタ素子を高精度に製造し得ることが
わかる。
【0044】第1の実施例のNTCサーミスタ素子1で
は、第1,第2の外部電極7,8の被り部7a,8a
が、好ましくは、下方電位に接続される対向電極と厚み
方向において重なり合わないように構成されており、そ
れによって抵抗値のばらつきがより一層低減される。こ
れを、図1及び図8を参照して、説明する。
【0045】NTCサーミスタ素子1において、第2の
外部電極8の被り部8aは、図1に示すように、他方電
位に接続される第1の対向電極3aと厚み方向において
重なり合わないように配置されている。この構造におい
て、被り部8aの長さL、すなわち第2の外部電極8の
端面2e上の外表面から被り部8aの先端P1 までの距
離、並びに被り部8aの先端と第1の対向電極3aとの
水平方向距離を、下記の表2に示すように変化させ、抵
抗値R、抵抗のばらつきR3CV 及び抵抗変化率を評価し
た。なお抵抗変化率とは、上記重なり長さが−0.2m
mである場合を基準とした値である。
【0046】また、比較のために、図8に示すように、
被り部8aが第1の対向電極3aと厚み方向においてX
=+0.1mmの長さで重なり合っているNTCサーミ
スタ素子11を作製し、同様に、抵抗値R、抵抗ばらつ
きR3CV を測定し、かつ抵抗変化率を評価した。結果を
表2に併せて示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2から明らかなように、図8に示したN
TCサーミスタ素子11では、外部電極8の被り部8a
が、他方電位に接続される第1の対向電極3aと厚み方
向において重なり合っているため、抵抗値が重なり合っ
ていない場合に比べて大きく変化することがわかる。言
い換えれば、外部電極8の被り部8aが他方電位に接続
される対向電極3aと厚み方向において重なり合ってい
る場合、該被り部8aの長さ寸法がばらつくと抵抗値が
大きくばらつくことがわかる。
【0049】従って、好ましくは、上記のように、外部
電極8の被り部8aを、他方電位に接続される対向電極
3aと厚み方向において重なり合わないように配置する
ことにより、抵抗値R及び抵抗ばらつきR3CV をより一
層低減し得ることがわかる。
【0050】また、第1の実施例のNTCサーミスタ素
子1では、外部電極8の被り部8aの先端P1 と、他方
電位に接続される対向電極3aの先端P2 との間の距離
が、抵抗値のばらつきに影響することを見出した。好ま
しくは、本発明においては、上記P1 ,P2 間の距離
は、同一内部電極の第1の対向電極3aと第2の対向電
極3bとの間のギャップの寸法gよりも大きくされ、そ
れによって抵抗ばらつきR3CV の低減を果たすことがで
きる。
【0051】第1の実施例のNTCサーミスタ素子1に
おいて、ギャップの寸法gを0.25mmとし、第2の
外部電極8の被り部8aの長さLを0.3mm、第2の
対向電極3bの長さ寸法を0.05mmとし、対向電極
3aとサーミスタ素体2の上面との間のサーミスタ層の
厚みt(図1参照)を下記の表3に示すように変化させ
ることによりP1 ,P2 間の距離を変化させて、抵抗値
のばらつきを評価した。結果を下記の表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】表3から明らかなように、P1 ,P2 間の
距離が、ギャップの長さ寸法gよりも大きい場合、抵抗
ばらつきR3CV を小さくし得ることがわかる。
【0054】(第2の実施例)図9は、本発明の第2の
実施例に係るNTCサーミスタ素子を示す断面図であ
る。
【0055】NTCサーミスタ素子31では、直方体状
のサーミスタ素体2内に、4層の内部電極が構成されて
いる。もっとも、厚み方向中央に位置する内部電極3
2,33は、それぞれ、第1,第2の外部電極7,8に
接続されている。すなわち、図1に示したNTCサーミ
スタ素子1の第1,第2の対向電極4a,4b,5a,
5bに代えて、上記内部電極32,33が用いられてい
る。その他の点については、NTCサーミスタ素子1と
同様であるため、同一部分については、同一の参照番号
を付することにより、第1の実施例の説明を援用するこ
とにより省略する。
【0056】NTCサーミスタ素子31のように、全て
の内部電極が第1,第2の対向電極で形成される必要は
必ずしもなく、第1,第2の対向電極で構成される内部
電極以外に、従来の積層型NTCサーミスタ素子の場合
と同様に交互に第1または第2の外部電極に接続された
内部電極を適宜の枚数組み合わせてもよい。
【0057】この場合においても、対向型NTCサーミ
スタ素子と同様に、ギャップgにより抵抗値のばらつき
を高精度に抑制することができ、かつ第1の対向電極と
他の高さ位置の第1の対向電極もしくは内部電極とによ
り構成される部分、並びに上記積層型NTCサーミスタ
部において積層数の増大により抵抗値の低減を図り得
る。
【0058】従って、NTCサーミスタ素子31のよう
に、第1,第2の対向電極と、積層型NTCサーミスタ
素子の内部電極とを適宜組み合わせることができ、その
組み合わせ方についても任意である。
【0059】もっとも、好ましくは、NTCサーミスタ
素子31のように、厚み方向最外層に、第1,第2の対
向電極3a,3b,6a,6bを配置することが望まし
い。積層型NTCサーミスタ素子の内部電極と同様に構
成されている内部電極32,33では、その先端と、他
方電位に接続される外部電極8または7との間の距離に
より抵抗値のばらつきが生じるのに対し、対向型内部電
極3a,3b,6a,6bでは、このような原因による
抵抗値のばらつきが生じ難い。
【0060】(第3の実施例)図10は、本発明の第3
の実施例に係るNTCサーミスタ素子を示す断面図であ
る。NTCサーミスタ素子41は、サーミスタ素体2内
に、2層の内部電極を配置した構成を有し、各内部電極
が、それぞれ第1,第2の対向電極を有する。すなわ
ち、上方に第1の対向電極42a,第2の対向電極42
bが形成されており、下方に第1の対向電極43aと第
2の対向電極43bとが形成されている。また、第1の
外部電極7に対向電極42a,43bが、第2の外部電
極8に対向電極42b,43aが接続されている。従っ
て、第1の実施例のNTCサーミスタ素子と同様に、抵
抗ばらつきの低減を果たし得るだけでなく、第1の対向
電極42aと第1の対向電極43aとがサーミスタ層を
介して重なり合っているため、低抵抗化も果たし得る。
すなわち、NTCサーミスタ素子41は、本発明のNT
Cサーミスタ素子の最も簡略化された例に相当するもの
である。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、少なく
とも1つの内部電極がギャップを隔てて同一平面内で対
向された第1,第2の対向電極を有し、第1の対向電極
の少なくとも一部が、サーミスタ層を介して隔てられた
異なる高さ位置の反対電位に接続される内部電極と厚み
方向に重なり合うように配置されているため、従来の対
向型NTCサーミスタ素子と同様に抵抗値のばらつきを
低減し得るだけでなく、上記第1の対向電極と他の内部
電極との重なりにより、従来の積層型NTCサーミスタ
素子と同様に抵抗値の低減を図り得る。
【0062】従って、高精度に低抵抗のNTCサーミス
タ素子を提供することが可能となり、かつ電極構造によ
り抵抗値及びそのばらつきの低減を図ることが可能とさ
れているため、同一のB定数のサーミスタ材料を用いて
広い範囲の抵抗値を得ることができる。言い換えれば、
同一の抵抗値用のNTCサーミスタ材料を用いて、種々
の抵抗値のNTCサーミスタ素子を供給することができ
るので、ユーザー側における回路設計上の自由度を効果
的に高め得る。
【0063】請求項2に記載の発明によれば、第1,第
2の対向電極からなる内部電極が、複数層の内部電極の
うち最上層と最下層の一方または両方に配置されている
ので、他方電位に接続される外部電極との間の距離によ
る抵抗値のばらつきが生じ難い。
【0064】請求項3に記載の発明によれば、全ての内
部電極が、上記第1,第2の対向電極を有するように構
成されているので、抵抗値のばらつきをより一層低減す
ることが可能となる。
【0065】請求項4に記載の発明によれば、第1また
は第2の外部電極に接続された対向電極が、第2または
第1の外部電極と厚み方向において重ならないように配
置されているので、これらの間の距離による抵抗値のば
らつきを低減することができ、より一層抵抗値のばらつ
きを低減することができる。
【0066】請求項5に記載の発明によれば、第1また
は第2の外部電極と、第2または第1の外部電極に接続
された内部電極との間の距離が、該内部電極の第1,第
2の対向電極間のギャップの大きさよりも大きくされて
いるので、さらに抵抗値のばらつきを低減することが可
能となる。
【0067】請求項6に記載の発明では、第1の対向電
極の幅がサーミスタ層を介して隔てられた内部電極の幅
と異ならされているため、製造工程における幅方向の積
層ずれや電極の印刷ずれに起因する抵抗値のばらつきを
効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るNTCサーミスタ
素子を示す断面図。
【図2】第1の実施例のNTCサーミスタ素子の製造工
程において用いられるセラミックグリーンシート及び電
極形状を示す分解斜視図。
【図3】第1の実施例のNTCサーミスタ素子の製造工
程において複数枚のセラミックグリーンシートを積層す
る工程を説明するための略図的斜視図。
【図4】(a)及び(b)は、対向電極の幅を異ならせ
た構造を説明するための各平面図。
【図5】(a)及び(b)は、対向電極の平面形状の変
形例を説明するための各斜視図。
【図6】第1の実施例のNTCサーミスタ素子におい
て、内部電極の積層数と抵抗値との関係を示す図。
【図7】第1の実施例のNTCサーミスタ素子におい
て、内部電極の積層数と抵抗値のばらつきR3CV との関
係を示す図。
【図8】外部電極被り部が対向電極と厚み方向において
重なり合っている比較のために用意した構造を説明する
ための断面図。
【図9】本発明の第2の実施例に係るNTCサーミスタ
素子を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施例に係るNTCサーミス
タ素子を示す断面図。
【図11】従来の対向型NTCサーミスタ素子の一例を
示す断面図。
【図12】従来の対向型NTCサーミスタ素子の他の例
を示す断面図。
【図13】従来の積層型NTCサーミスタ素子を示す断
面図。
【符号の説明】
1…NTCサーミスタ素子 2…サーミスタ素体 2a〜2c…サーミスタ層 2d,2e…端面 3a,4a,5a,6a…第1の対向電極 3b,4b,5b,6b…第2の対向電極 7,8…第1,第2の外部電極 7a,8a…外部電極の被り部 31…NTCサーミスタ素子 32,33…内部電極 41…NTCサーミスタ素子 42a,43a…第1の対向電極 42b,43b…第2の対向電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NTCサーミスタ材料よりなるサーミス
    タ素体と、 前記サーミスタ素体内においてサーミスタ層を介して隔
    てられて積層された複数の内部電極と、 前記サーミスタ素体の外表面に形成された第1,第2の
    外部電極とを備えるNTCサーミスタ素子において、 少なくとも1つの内部電極が、ギャップを隔てられて同
    一平面上で対向され、それぞれの一端が前記第1,第2
    の外部電極の各一方に接続された第1,第2の対向電極
    を有し、 前記第1の対向電極の少なくとも一部が、サーミスタ層
    を介して隔てられた異なる高さ位置の反対電位に接続さ
    れる第1の対向電極もしくは内部電極と厚み方向に重な
    るように位置されていることを特徴とする、NTCサー
    ミスタ素子。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の対向電極からなる内部
    電極が、前記複数層の内部電極のうち最上層と最下層の
    一方または両方に配置されている、請求項1に記載のN
    TCサーミスタ素子。
  3. 【請求項3】 全ての内部電極がギャップを隔てられて
    同一平面上で対向された第1,第2の対向電極を有し、
    各第1の対向電極の少なくとも一部がサーミスタ層を隔
    てられて異なる高さ位置の反対電位に接続される第1の
    対向電極と厚み方向に重なり合うように位置されてい
    る、請求項1または2に記載のNTCサーミスタ素子。
  4. 【請求項4】 第1の外部電極がサーミスタ素子の第1
    の端面に、第2の外部電極がサーミスタ素子の第2の端
    面に形成されており、第1または第2の外部電極に接続
    された対向電極が、第2または第1の外部電極と厚み方
    向において重ならないように配置されている、請求項1
    〜3の何れかに記載のNTCサーミスタ素子。
  5. 【請求項5】 前記第1,第2の対向電極を有する内部
    電極において、第1または第2の外部電極と、第2また
    は第1の外部電極に接続された内部電極との距離が、該
    内部電極の第1,第2の対向電極間の前記ギャップの大
    きさよりも大きくされている、請求項1〜4の何れかに
    記載のNTCサーミスタ素子。
  6. 【請求項6】 第1の対向電極の幅が、サーミスタ素子
    を介して厚み方向に重なり合うように配置された他の内
    部電極の幅と異ならされている、請求項1〜5の何れか
    に記載のNTCサーミスタ素子。
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