JPH1024831A - センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダ - Google Patents

センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダ

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JPH1024831A
JPH1024831A JP18250296A JP18250296A JPH1024831A JP H1024831 A JPH1024831 A JP H1024831A JP 18250296 A JP18250296 A JP 18250296A JP 18250296 A JP18250296 A JP 18250296A JP H1024831 A JPH1024831 A JP H1024831A
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日出光 春原
Akihiro Mutsukawa
明浩 六川
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピストンユニットを部品単位で交換やメンテ
ナンスできるようにする。又組付け作業性の向上を図る
他バルブシールのシール性能を良好に保つ。 【解決手段】 ピストン5の先端側に被着されるリテー
ナの筒状部15bに、内側へピストン装着用突部15f
と、外側へスプリング係止用突部15gとを設ける。先
端側軸部5aの先端外周面にフランジ5eを周設し、該
フランジ5eにピストン装着用突部15fの通過を許容
する複数の切欠き5fを設ける。切欠き5fを通過して
フランジ5eの内側へ位置したピストン装着用突部15
fを周方向へ回動し、ピストン装着用突部15fをバル
ブスプリング16の弾発力にてフランジ5eの内側面に
圧接して、リテーナ15をピストン5に装着する。リタ
ーンスプリング17の一端をリテーナ15のスプリング
係止用突部15gに係着して、リターンスプリング17
をピストン側に組付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や自動二・三輪
車を始めとする各種走行車両のブレーキやクラッチを液
圧で作動するセンタバルブ型の液圧マスタシリンダに係
り、詳しくはピストンの液圧室側にバルブステムやバル
ブシールを覆うリテーナと、液圧室内に縮設されるリタ
ーンスプリングとをピストンに取付けする構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ピストンの液圧室側に有底筒状のリテー
ナを装着し、該リテーナにてバルブステムとバルブシー
ルとを一体に覆うセンタバルブ型の車両用液圧マスタシ
リンダとして、例えば特開昭63―116972号公報
や実公平4−43412号公報に示されるものがある。
【0003】前者の液圧マスタシリンダは、リテーナの
筒状部に、リテーナ底壁側を筒状部の内方へ傾斜させた
複数の係止爪を形成し、ピストンの先端側外周面にリテ
ーナ係止孔を形成して、リテーナの筒状部をピストンの
先端へ差し込むことにより、係止爪とリテーナ係止孔と
を凹凸係合して、リテーナをピストンに装着するように
なっている。
【0004】また後者の液圧マスタシリンダでは、ピス
トンの液圧室側先端外周におねじを、該おねじに続いて
その奥部に平面周部を、更に平面周部に続いてその奥部
に平面周部よりも大径の周状段部をそれぞれ形成し、リ
テーナの筒状部の開口側内周に、前記ピストンの周状段
部と嵌合する支承部を、該支承部に続いてその内方に前
記ピストンのおねじと螺合するめねじをそれぞれ形成
し、前記リテーナをピストンへ組付けした際に、リテー
ナのめねじがピストンのおねじとの螺合を乗り越えて前
記平面部に位置した状態で、前記支承部を前記ピストン
の周状段部と嵌合させて、リテーナをピストンに装着す
るようにしており、いずれの構成もリテーナによって、
ピストンとバルブステム,バルブシール及びバルブスプ
リングとがピストンユニットとして一体化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
構成にあっては、リテーナの係止爪が片側へのみ傾斜す
る形状で、係止爪のリテーナ底壁側端が嵌合孔のピスト
ン先端側の面に当接してリテーナの抜けを規制するた
め、リテーナの取外しが頗る困難となり、リテーナ内の
バルブシールやバルブスプリングを単品単位で交換した
い場合にも、リテーナやバルブステム等を含むピストン
ユニットの全体を交換しなければならないことがあり、
甚だ不経済であった。
【0006】更に、係止爪のリテーナ底壁側端は、ピス
トンの外周面よりも筒状部の内方へ突出しているため、
リテーナの筒状部をピストンの先端へ差し込んだ際に、
係止爪のリテーナ底壁側端がピストンの外周面を削り取
り、バルブシールに削り粉やバリが付着して、弁座との
間に空隙を生じたりシール面を傷めるなどして、バルブ
シールのシール性能を低下させる虞がある。また、係止
爪を外側へ撓ませながらピストンの外周面を移動させる
ので、ピストンのリテーナ係止孔へ到達した係止爪が設
定と異なる角度に永久変形し、係止爪とリテーナ係止孔
との凹凸係合の荷重にバラ付きを生じることがあって好
ましくない。
【0007】また、後者の構成にあっては、リテーナの
取外しは比較的容易に行なえるものの、ピストンとリテ
ーナにおねじとめねじの切削加工を要するため、製作性
に劣り、しかもリテーナの筒状部には、めねじを形成す
るだけの厚みを必要とすることから、リテーナの重量が
増加し、また材料コストが高くなる等の不具合を生じ
る。更に、いずれの従来例も、リターンスプリングがピ
ストンユニットと別体であるめ、リターンスプリングの
組付けや取外しをピストンユニットとは別に行なう必要
があり、作業性に劣るものとなっていた。
【0008】本発明は、このような実情を背景にしてな
されたもので、その目的とするところは、ピストンユニ
ット内部の部品単位の交換やメンテナンスが可能で、更
にピストンユニットに液圧室のリターンスプリングをも
一体化して、組付け作業性の向上を図りつつ、リテーナ
の組付けにもバルブシールのシール性能を良好に保つこ
とのできるセンタバルブ型の車両用液圧マスタシリンダ
を安価に提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために、シリンダ孔に内挿されるピストンの中
心軸上に形成されたステム孔にバルブステムを内挿し、
該バルブステムの先端に装着されたバルブシールを、シ
リンダ孔の底部とピストンの先端との間に画成された液
圧室に突出配置し、該バルブシールを、ピストンの先端
に被着される有底筒状のリテーナで覆い、且つ該リテー
ナの底壁とバルブシールとの間に、これを互いに反対方
向へ弾発するバルブスプリングを縮設すると共に、前記
液圧室にピストンをシリンダ孔開口部方向へ弾発するリ
ターンスプリングを縮設したセンタバルブ型車両用液圧
マスタシリンダにおいて、前記リテーナの筒状部に、半
径方向内側へ突出する複数のピストン装着用突部と、同
じく半径方向外側へ突出する複数のスプリング係止用突
部とを設け、前記ピストンの先端側外周面にフランジを
周設して、該フランジに、複数の切欠きを、前記リテー
ナのピストン装着用突部が変形することなく通過するこ
とが可能な深さで形成し、該切欠きを通過して前記フラ
ンジよりも内側のピストン外周に位置したピストン装着
用突部を周方向へ移動して、該ピストン装着用突部を前
記バルブスプリングの弾発力にてフランジの内側面に圧
接し、前記リターンスプリングの一端を前記リテーナの
スプリング係止用突部に係着して、リターンスプリング
をピストン側に組付けしたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態例を図面に
基づいて説明する。センタバルブ型の液圧マスタシリン
ダ1は、有底のシリンダ孔2を有するシリンダボディ3
と、該シリンダボディ3の上部で作動液を貯留するリザ
ーバ4とを、隔壁3aを隔てて一体形成したリザーバ一
体型で、シリンダ孔2には、液圧発生用のピストン5が
シリンダ軸方向へ移動可能に内挿され、ピストン5とシ
リンダ孔2の底壁3bとの間に液圧室6が画成される。
【0011】上記ピストン5は、シリンダ孔2よりも小
径な先端側軸部5a及び中間軸部5bと、これら軸部5
a,5bの間に形成されるフランジ状の摺動ガイド部5
cと、中間軸部5bの後側に続く筒状の摺動ガイド部5
dとを持っている。先端側軸部5aは、先端側から小径
外周面と中径外周面と大径外周面の三段に形成されてお
り、小径外周面の先端外周にはフランジ5eが周設され
ている。
【0012】上記フランジ5eは、先端側軸部5aの中
径外周面と略同一径に形成されており、ピストン5の中
心軸を挟んで対向する2箇所には、切欠き5f,5fが
先端側軸部5aの小径外周面と面一の深さで形成されて
いる。中間軸部5bには、半径方向に貫通する細幅のガ
イド溝5gが略全長に亙って設けられ、中間軸部5bの
外周にはガイド溝5gに連通する給油室7が画成されて
いる。
【0013】摺動ガイド部5c,5dは、シリンダ孔2
よりも僅かに小径に形成されており、先端側軸部5aの
大径外周面と摺動ガイド部5dのシール溝に嵌着される
カップシール8をシリンダ孔2に弾接させて、液圧室6
と給油室7とを液密にシールしている。ガイド溝5gと
給油室7には、シリンダ孔2を半径方向に横切るストッ
パピン9が挿通され、またガイド溝5gと給油室7は、
隔壁3aを貫通する液通路10を介してリザーバ4と常
時連通している。
【0014】ピストン5の先端側軸部5aと摺動ガイド
部5cの中心軸上にはステム孔11が穿設されており、
該ステム孔11の外側に、3条の液通孔12が等間隔で
設けられている。ステム孔11と液通孔12は、それぞ
れ先端側軸部5aと摺動ガイド部5cとを貫通して液圧
室6とガイド溝5gとに開口しており、リザーバ4と液
圧室6とは、液通路10と給油室7,液通孔12及びガ
イド溝5gとを介して連通している。
【0015】ステム孔11には、バルブステム13の軸
部13aが挿通され、ステム孔11から液圧室6へ突出
するバルブステム13の頭部に、バルブシール14が被
着されている。バルブシール14は、その外側をピスト
ン5の先端側軸部5aに被着される有底筒状のリテーナ
15にて覆われており、バルブシール14とリテーナ1
5の底壁15aとの間にはバルブスプリング16が縮設
されている。バルブスプリング16は、リテーナ15を
シリンダ孔2の底部方向に、またバルブステム13をシ
リンダ孔2の開口部方向にそれぞれ付勢している。
【0016】バルブステム13の軸部13aは、ステム
孔11よりも長く形成されており、バルブシール14が
ピストン先端面の弁座5hに着座して、液圧室6とガイ
ド溝5gとの連通を遮断した際には、軸部13aの先端
がステム孔11からガイド溝5gに突出するようになっ
ている。シリンダ孔2の底壁3bとリテーナ15との間
にはリターンスプリング17が縮設されており、非作動
時のピストン5は、リターンスプリング17の弾発力に
よってシリンダ孔2の開口部方向へ付勢され、その後退
限を、摺動ガイド部5dの後端面とプッシュロッド18
との当接によって規制される(図2)。
【0017】バルブステム13は、ピストン5が図2の
後退限に到達する少し前に、軸部13aの先端がストッ
パピン9と当接して後退限が規制され、ピストン5が図
2の後退限に位置した際には、バルブシール14が弁座
5hから離間して、液圧室6と給油室7との連通を許容
する。また制動時に、プッシュロッド18の押動によっ
て、ピストン5がシリンダ孔2を液圧室方向へ押し込ま
れて行くと、バルブシール14がピストン5の弁座5h
に当接して液圧室6と給油室7との連通を遮断したの
ち、更にピストン5とバルブステム13とが液圧室方向
へ一体に移動して、密閉された液圧室6を徐々に縮小し
て行き、液圧室6内の作動液を昇圧する(図1)。
【0018】リテーナ15は、バルブシール14の先端
側を覆い、且つバルブスプリング16の一端を支承する
前述の底壁15aと、バルブシール14の周面外方を覆
い、且つピストン5の先端側軸部5aに装着される筒状
部15bとの有底円筒状に形成されており、筒状部15
bの開口部外周には、半径方向外側へ拡がるフランジ状
のスプリング受け15cと、該スプリング受け15cか
らシリンダ孔開口部方向へ突出するリング状のカップ抑
え15dとが連設されている。
【0019】リテーナ15の底壁15aには4個の液通
孔15eが穿設されており、これら液通孔15eを通し
て、リテーナ内外に作動液を流通させるようにしてい
る。また筒状部15bは、ピストン5の先端側軸部5a
のフランジ5eや中径外周面に被る大きさで形成されて
おり、筒状部15bの開口部側には、ピストン装着用突
部15fとスプリング係止用突部15gとが設けられて
いる。
【0020】ピストン装着用突部15fは、筒状部15
bの対向する2箇所に切込みを入れ、この切込み部分を
外側から押込んで、切込み片の先端側を底壁15a方向
へ傾斜させて形成したもので、ピストン5のフランジ5
eの切欠き5f,5fは、前述の如く先端側軸部5aの
小径外周面と面一で、且つピストン装着用突部15fを
変形させることなく通過可能な深さで形成されている。
また、スプリング係止用突部15gは、ピストン装着用
突部15f,15fを外れた90度間隔の4箇所を、ピ
ストン装着用突部15fを形成した後の抜き穴の底壁側
端近傍からスプリング受け15cに達する長さで外側に
突出させて形成したもので、各スプリング係止用突部1
5gは、リターンスプリング17のピストン側端17a
の内径よりも外側へ突出する高さで形成されている。
【0021】シリンダ孔2に組付けする前のピストン5
には、予めバルブステム13を装着し、また先端側軸部
5aにカップシール8を装着し、更にリテーナ15の底
壁15aとバルブシール14との間にバルブスプリング
16を介装して、リテーナ15のピストン装着用突部1
5f,15fをフランジ5eの切欠き5f,5fに位置
合わせして、バルブスプリング16を圧縮しながら、筒
状部15bを先端側軸部5aに差し込んで行く。フラン
ジ5eの切欠き5f,5fは、上述のように、ピストン
装着用突部15fを変形させない深さで形成されている
ため、ピストン装着用突部15fは、先端を切欠き5f
の底壁に接触させることなく切欠き5fを通過して、フ
ランジ5eよりも内側の小径外周面の外側に位置する。
【0022】次に、ピストン装着用突部15f,15f
を周方向へ回動し、ピストン装着用突部15f,15f
をフランジ5eの内側に移動したのちリテーナ15から
手を放すと、リテーナ15がバルブスプリング16の弾
発力によってピストン5の前部方向へ付勢され、ピスト
ン装着用突部15f,15fがフランジ5eの内側面に
バルブスプリング16の弾発力を以て圧接し、リテーナ
15がピストン5に仮組みされる。リテーナ15の仮組
み状態では、バルブスプリング16がピストン装着用突
部15f,15fをフランジ5eの内側面に圧接して、
リテーナ15が周方向へ回動しないよう規制するので、
リテーナ15がピストン5から妄りに脱落することはな
い。
【0023】そして、このようにして仮組みされたリテ
ーナ15の筒状部15bにリターンスプリング17のピ
ストン側端17aを差し込んで行き、ピストン側端17
aを4個のスプリング係止用突部15gに外挿する。ス
プリング係止用突部15gは、相対向する2個の外縁間
距離が、前述のようにピストン側端17aの内径よりも
長く設定されているため、ピストン側端17aが4個の
スプリング係止用突部15gに弾発力を以て確実に係止
される。
【0024】シリンダ孔2へ組付けする前のピストン5
には、このようにして、カップシール8とバルブステム
13,バルブシール14及びバルブスプリング16とが
リテーナ15によって予め仮組みされ、更にリテーナ1
5にリターンスプリング17を係着して、これらがピス
トンユニット19として一体化される。
【0025】ピストンユニット19は、リターンスプリ
ング17を先端側にしてシリンダ孔2へ差し込まれ、ピ
ストン5の摺動ガイド部5dの後端面とプッシュロッド
18との当接によって抜け止めされる。液圧室6に収容
されたリターンスプリング17には、シリンダ孔2の底
壁3bとの当接による反力がシリンダ孔開口部方向に発
生し、ピストン側端17aがリテーナ15のスプリング
受15cに当接してリテーナ15をピストン方向へ付勢
し、スプリング受15cが先端側軸部5aの中径外周面
と大径外周面との間の段部5iに圧接され、先端側軸部
5aの中径外周面に嵌着したカップシール8が、カップ
抑え15dによって摺動ガイド部5cの側面へ押し付け
られる(図1,図2)。この状態において、リテーナ1
5のピストン装着用突部15f,15fがピストン5の
フランジ5eを離れて、ピストン装着用突部15f,1
5fとフランジ5eとの圧接が解除されるが、リターン
スプリング17がリテーナ15のスプリング受15cを
先端側軸部5aの段部5iに圧接して、リテーナ15を
周方向へ回動しないよう規制するので、リテーナ15は
仮組みの場合と同様ピストン5から妄りに脱落すること
はない。
【0026】本形態例は、以上の構成によって、リテー
ナ15をピストン5の先端側軸部5aに簡単且つ確実に
被着することができる。また、リテーナ15内の部品の
交換やメンテナンスを行なう場合には、プッシュロッド
18を取り外してピストンユニット19をシリンダ孔2
から引き抜き、リターンスプリング17を引き抜き方向
へ牽引して、ピストン側端17aをスプリング係止用突
部15gから取外したのち、ピストン装着用突部15
f,15fをフランジ5eの内側から切欠き5f,5f
の内側へ移動して、リテーナ15を引き抜き方向へ牽引
することにより、リテーナ15がピストン5から取外さ
れる。
【0027】リテーナ15は、このようにして簡単に取
外しできるので、内部のバルブシール14やバルブスプ
リング16等の単品単位で交換したりメンテナンスを行
なうことができ、リテーナ内の一部品が消耗した場合に
も、ピストンユニットの全体を交換をしなければならな
かった従来品に較べると、必要な部品のみを単品単位で
交換できるので頗る経済的である。
【0028】更にリテーナ15の組付けにねじ螺合を使
用しないから、ねじ加工を不要にできて生産性の向上が
図れ、しかもリテーナ15の筒状部15bの内周面にめ
ねじを形成する必要がないから、リテーナ15の重量が
軽減され、単品単位の部品交換やメンテナンスと相俟っ
てコストの低減を図ることができる。
【0029】また、ピストン5のフランジ5eに、切欠
き5f,5fを、リテーナ15のピストン装着用突部1
5fを変形させることなく通過可能な深さで形成したこ
とにより、ピストン装着用突部15fの先端が切欠き5
fと接触することなく通過するので、従来のような削り
粉やバリの発生はなくなる。従って、バルブシール14
に削り粉やバリが付着して、弁座5hとの間に空隙を生
じたりシール面を傷めるなどの不具合はなくなり、バル
ブシール14のシール性能を良好に保つことができるよ
うになる。しかも、ピストン装着用突部15fに永久変
形を生じないから、リテーナ15をピストン5へ良好な
姿勢で装着することができ、リテーナ15をピストン5
へ仮組みしたり、リテーナ15をシリンダ孔2内に配置
した際にも、リテーナ15がピストン5から妄りに脱落
することはない。
【0030】更に、スプリング係止用突部15gを、リ
ターンスプリング17のピストン側端17aの内径より
も外側へ突出させているため、リターンスプリング17
を単にリテーナ15の筒状部15bに差し込んで行くだ
けで、ピストン側端17aが4個のスプリング係止用突
部15gに弾発力を以て確実に係止することができる。
そして、このようにリターンスプリング17をピストン
ユニット19の構成部材として一体に組付けするので、
リターンスプリング単独の着脱工程が不要となり、組付
け作業性の向上を図ることができる。
【0031】尚、上述の形態例では、リテーナのピスト
ン装着用突部を切込み片で説明したが、本発明のピスト
ン装着用突部は、ピストン側のフランジと当接してリテ
ーナを抜け止めできればよく、円弧状や角形の突部のほ
か突条等の他形状であっても差支えない。また、リテー
ナを被着するピストンの先端外周面は、形態例のような
段状にする必要はなく、少なくともリテーナのピストン
装着用突部を抜け止めするフランジを設ければよい。更
に、リテーナのスプリング係止用突部は、リターンスプ
リングのピストン側端を係着できればよく、ピストンの
中心軸を挟んだ他方のスプリング係止用突部との外縁間
距離が、リターンスプリングのピストン側端の内径と同
一であっても係着は可能である。リターンスプリングの
ピストン側端は、リテーナのスプリング係止用突部を乗
り越えて、スプリング係止用突部よりも内側のピストン
外周面に落し込むようにしてもよく、この場合には、ス
プリング係止用突部によってリターンスプリングのピス
トン側端が抜け止めされる。
【0032】
【発明の効果】本発明のセンタバルブ型車両用液圧マス
タシリンダは、以上のように構成したことにより、リテ
ーナをピストンの先端に簡単且つ確実に被着しながら、
取外しも容易にできるようにしたから、リターンスプリ
ングはもとより、リテーナやこのリテーナに覆われるバ
ルブシールやバルブスプリング等を単品単位で交換した
りメンテナンスを行なうことができ、リテーナ内の一部
品が消耗した場合にも、ピストンユニットの全体を交換
をしなければならなかった従来品に較べると、必要な部
品のみを単品単位で交換できるので頗る経済的である。
【0033】また、リテーナの組付けにねじ螺合を使用
しないから、ねじ加工を不要にできて生産性の向上が図
れ、しかもリテーナの筒状部内周面にめねじを形成する
必要がないから、リテーナを薄肉に形成できて重量の軽
減が図れ、単品単位の部品交換やメンテナンスと相俟っ
てコストの低減を図ることができる。
【0034】更に、液圧室に配設されるリターンスプリ
ングを、単にリテーナの筒状部に差し込んで行くだけの
簡単な作業で、リターンスプリングのピストン側端をス
プリング係止用突部に確実に係着することができ、しか
もこのようにしてリターンスプリングを係着したピスト
ンユニットをシリンダ孔へ一体に組付けするので、リタ
ーンスプリング単独の着脱工程が不要となり、組付け作
業性の向上を図ることができる。
【0035】また、リテーナのピストン装着用突部が、
ピストンのフランジの切欠きを接触することなく通過す
るので、従来のような削り粉やバリの発生はなく、バル
ブシールのシール性能を良好に保つことができるように
なり、しかもリテーナの筒状部やピストン装着用突部に
永久変形を与えないから、リテーナをピストンへ良好な
姿勢で装着することができ、リテーナをピストンへ仮組
みしたり、リテーナをシリンダ孔内に配置した際にも、
リテーナがピストンから妄りに脱落することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示す図2の要部拡大図
【図2】本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダの
断面正面図
【図3】本発明の一形態例を示す図1のIII −III 断面
図
【図4】本発明の一形態例を示すピストンユニットの分
解斜視図
【符号の説明】
1…センタバルブ型の液圧マスタシリンダ 2…シリンダ孔 3…シリンダボディ 3b…シリンダ孔2の底壁 4…リザーバ 5…ピストン 5a…先端側軸部 5b…中間軸部 5c,5d…摺動ガイド部 5e…フランジ 5f…切欠き 5g…ガイド溝 5h…弁座 5i…先端側軸部5aの中径外周面と大径外周面との間
の段部 6…液圧室 7…給油室 8…カップシール 9…ストッパピン 10…液通路 11…ステム孔 12…液通孔 13…バルブステム 13a…バルブステム13の軸部 14…バルブシール 15…リテーナ 15a…底壁 15b…筒状部 15c…スプリング受け 15d…カップ抑え 15e…液通孔 15f…ピストン装着用突部 15g…スプリング係止用突部 16…バルブスプリング 17…リターンスプリング 18…プッシュロッド 19…ピストンユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ孔に内挿されるピストンの中心
    軸上に形成されたステム孔にバルブステムを内挿し、該
    バルブステムの先端に装着されたバルブシールを、シリ
    ンダ孔の底部とピストンの先端との間に画成された液圧
    室に突出配置し、該バルブシールを、ピストンの先端に
    被着される有底筒状のリテーナで覆い、且つ該リテーナ
    の底壁とバルブシールとの間に、これを互いに反対方向
    へ弾発するバルブスプリングを縮設すると共に、前記液
    圧室にピストンをシリンダ孔開口部方向へ弾発するリタ
    ーンスプリングを縮設したセンタバルブ型車両用液圧マ
    スタシリンダにおいて、前記リテーナの筒状部に、半径
    方向内側へ突出する複数のピストン装着用突部と、同じ
    く半径方向外側へ突出する複数のスプリング係止用突部
    とを設け、前記ピストンの先端側外周面にフランジを周
    設して、該フランジに、複数の切欠きを、前記リテーナ
    のピストン装着用突部が変形することなく通過可能な深
    さで形成し、該切欠きを通過して前記フランジよりも内
    側のピストン外周に位置したピストン装着用突部を周方
    向へ移動して、該ピストン装着用突部を前記バルブスプ
    リングの弾発力にてフランジの内側面に圧接し、前記リ
    ターンスプリングの一端を前記リテーナのスプリング係
    止用突部に係着して、リターンスプリングをピストン側
    に組付けしたことを特徴とするセンタバルブ型車両用液
    圧マスタシリンダ。
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