JPH10249209A - 光触媒体及びそれを用いた空気調和装置 - Google Patents
光触媒体及びそれを用いた空気調和装置Info
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- JPH10249209A JPH10249209A JP9057524A JP5752497A JPH10249209A JP H10249209 A JPH10249209 A JP H10249209A JP 9057524 A JP9057524 A JP 9057524A JP 5752497 A JP5752497 A JP 5752497A JP H10249209 A JPH10249209 A JP H10249209A
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Abstract
性が良好で、且つ耐水性のある光触媒体、及びそれを用
いた空気調和装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 バインダー6と共に光触媒粒子5を基体
1上に接着させて基体1上に触媒膜を担持して成る光触
媒体において、バインダーにオルガノアルコキシシラン
を用いる。
Description
で有機物や臭気の分解を行う光触媒体、及び熱交換器を
有する装置に関するものである。
ルギーを持つ波長の光を照射すると、光励起により伝導
帯には電子を生じ、価電子帯には正孔を生じる。該電子
及び正孔は、強い還元力や酸化力により有機物や水の分
解などの働きを有することから、脱臭や抗菌などの作用
を持つ。一般に、このような光触媒は、基体の表面に微
粒子状の光触媒から成る触媒膜を担時した光触媒体とい
う形で用いられる。
には、ゾルゲル法やバインダー(接着剤)と共に光触媒粒
子を基体上に接着させる方法などがある。該ゾルゲル法
によると、1回の塗布作業で形成される膜厚は非常に僅
かなので作業効率が悪い。また、基体上に触媒膜を担持
するのに焼付を行った場合、焼付温度は触媒膜の強度を
得るために500℃以上にしなければならない。さら
に、この方法では光触媒の分解作用を高効率化する吸着
剤を添加することは不可能である。
ゾルゲル法のような問題点はみられないが、その一方で
上記バインダーに有機系のものを用いた場合、光触媒に
よって有機分が分解されてバインダーの役割が得られな
くなる(チョーキング現象)。そこで、光触媒によって分
解されにくい無機系のバインダー、一般的にはコロイダ
ルシリカなどが用いられている。
ダーにコロイダルシリカを用いて光触媒粒子を接着する
と、バインダーが水溶性であることから担持された触媒
膜には耐水性がなく、水中に浸漬させると約10分で光
触媒が基体より剥離し始める。これに対して、バインダ
ーの量を増やせば剥離を防止できるが、反対に光触媒活
性が失われてしまう。
であって、光触媒活性や触媒膜の基体への密着性が良好
で、且つ耐水性のある光触媒体、及びそれを用いた空気
調和装置を提供することを目的とする。
に請求項1の光触媒体は、バインダーと共に光触媒粒子
を基体上に接着させて前記基体上に触媒膜を担持して成
る光触媒体において、前記バインダーとしてオルガノア
ルコキシシランを用いたものである。バインダーにオル
ガノアルコキシシランを用いることで、触媒膜は耐水性
を有するものとなる。
光触媒体において、前記触媒膜における前記バインダー
の割合が20wt%〜90wt%のものである。このように、
バインダーの割合を20wt%〜90wt%をとすることで、
触媒膜は十分な光触媒活性と基体に対する密着性を有す
る。
光触媒体において、前記基体上に担持された前記触媒膜
に吸着剤を含むものである。該吸着剤は臭気や有機物、
及びこれらを分解する際に生じる中間生成物などを吸着
し、光触媒体はこの吸着された物質を分解する。
光触媒体において、前記触媒膜における前記バインダー
の割合が20wt%〜80wt%のものである。このように、
バインダーの割合を20wt%〜80wt%とすることで、触
媒膜は十分な光触媒活性と基体に対する密着性を有す
る。
項4に記載の光触媒体において、前記触媒膜中の前記光
触媒粒子及び前記吸着剤の重量の合計に対する前記光触
媒粒子の割合が、30wt%〜99wt%となるものである。
このように、光触媒粒子の割合を30wt%〜99wt%とす
ることで、触媒膜は一定の吸着性能を保持することがで
き、なおかつ光触媒活性を損なうことがない。
項5に記載の光触媒体において、前記バインダーにシリ
カを5部〜30部添加したものである。これによって、
基体に対する触媒膜の密着性が向上する。
項6に記載の光触媒体において、前記光触媒粒子として
酸化チタンを用いたものである。これによって、触媒膜
は安定した分解反応を行うものとなる。
項7に記載の光触媒体において、前記吸着剤として合成
ゼオライトであるZSM5のナトリウム基を銅置換した
Cu-ZSM5、銀置換したAg-ZSM5、パラジウム
置換したPd-ZSM5、及び水素置換したH-ZSM5
のうちの一つ、又は複数を組み合わせたものを用いたも
のである。これによって、活性炭を用いたものよりも触
媒膜の吸着性能は向上し、且つ基体を焼付ける際の焼付
温度を高く設定することができる。
項8に記載の光触媒体において、前記バインダー及び前
記光触媒粒子の接着した前記基体を焼付けて触媒膜を担
持したものである。これによって、触媒膜の形成に要す
る時間を短縮することができ、さらに触媒膜の密着性も
向上する。
のフィンと冷媒が通る管とで構成され、外部から取り入
れられた空気流が前記フィンの間を通過する際に、前記
空気流が前記冷媒と熱交換され、該熱交換された空気流
が送出される空気調和装置において、前記フィンと管の
少なくとも一方の表面に請求項1乃至請求項9のいずれ
かに記載の光触媒体が設けられたものである。このよう
な構成の空気調和装置では、光触媒体が熱交換器の役割
を果たして空気流を冷却又は加熱するだけでなく、光触
媒粒子によって光触媒体を通過する空気流を脱臭した
り、光触媒体自体に付着した汚れを分解するということ
ができる。
形態を説明するが、本発明は特にこれらの実施形態に限
られるものではない。尚、各図面において、構成が共通
する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してあ
る。
体に用いられる基体について説明する。基体の材料とし
て、光触媒により基体自体が分解するプラスチックなど
の有機物類や紙類を用いるのは望ましくない。また、本
実施形態では後述するように焼付を行うので、基体は少
なくとも150℃以上の耐熱性を必要とする。
媒の基本的な性能を評価しやすいよう、厚さ0.11mm
のアルミ板(耐熱温度400℃)を用いている。これを1
60mm×160mmに切断し、脱脂処理して基体とする。
脱脂処理は、2-プロパノール(以下、「IPA」とい
う。)で基体の表面を洗浄後、100℃の熱風乾燥炉に
て1時間乾燥させる方法を用いる。
塗液とは光触媒粒子やバインダーなどからなる混合液
で、上記基体の表面に塗布されるものである。本実施形
態では、光触媒粒子に石原テクノ(株)製の酸化チタンS
T-01を用いている。酸化チタンは、酸化基と還元基
が隣接しながら安定した状態を保っている物質なので、
光触媒として安定した分解反応を起こす。酸化チタンS
T-01は光触媒用に作製されており、アナターゼ型結
晶で平均粒径7μm、比表面積300m2/gである。
GS-90を用いている。該GS-90は、オルガノアル
コキシシランに硬化剤及びファイバー状のシリカが添加
されたものである。このときのシリカの添加量は約15
wt%であるが、この添加量はバインダーに対して5部〜
30部であれば好適である。これらはIPAを主成分と
するアルコールで希釈されており、加熱後残留量は1
4.8wt.%である。尚、GS-90のオルガノアルコキシ
シランは、下記に示す化1においてアルキル基にメチル
基が付いたもので、耐水性を有する。
-01を111g秤量する。これらを粒径5mmのアルミナ
ボールと共にポットミルに入れ、約6時間分散させて固
形分30.8%の塗液とする。この塗液によって、本実施
形態の触媒膜におけるバインダーと光触媒粒子の重量比
は40:60となる。このバインダーと光触媒粒子の重
量比は、目的とする光触媒体に必要な光触媒活性、膜
厚、及びコストなどに応じて調整できる。但し、得られ
た触媒膜におけるバインダーの重量が20wt%以下では
触媒膜を十分に担持することができないし、90wt.%以
上では光触媒活性が悪くなる。
液はスプレー法、ローラ塗布、刷毛塗り、含浸法、及び
引き上げ法(ディッピング法)などの様々な方法で塗布で
きる。但し、1回の塗布量には限界があり、その限界を
越えると基体から塗液が剥離する。また、フレキシブル
な基体でも塗布できるが、ノンフレキシブルなものより
も塗布量は少ない。
してから定速で引き上げる引き上げ法を用いている。こ
の方法では、一定量の塗液を基体の表面に塗布すること
ができ、且つスプレー法よりも塗着効率が高い。図1に
は該引き上げ法の概略を示している。即ち、基体1の一
側辺を2本のひも2の一端で固定し、ひも2の他端を巻
き上げモータ3の軸3aに取り付ける。基体1を浴槽4
中の塗液に全体が被るように入れ、これを1cm/minの速
度で引き上げる。
常温で塗液は硬化して触媒膜となる。しかし、塗液が硬
化するのに約15日を要することから、本実施形態では
塗液を塗布した基体を焼付けて触媒膜を形成する。この
ように、焼付工程を取り入れることで、触媒膜の形成時
間を短縮できるだけでなく、密着性をさらに向上させる
ことができる。尚、以下に示す全ての実施形態でも焼付
を行っているが、塗液に硬化剤が含有されておれば、特
にこの工程を行わなくても塗液は硬化して触媒膜とな
る。
1時間乾燥させてから、350℃にて1時間行う。焼付
温度が500℃以上であると、酸化チタンの結晶型がア
ナターゼ型からルチル型に変化し、光触媒活性を損なう
原因となるので、焼付温度は500℃以下が好適であ
る。
性や光触媒活性に遜色はないが、残留有機物によると思
われる臭いが残る。これは紫外線を照射していくとやが
て脱臭されるものであるが、なるべく300℃以上で焼
付けるのが望ましい。尚、200℃の焼付温度では、3
50℃の場合に比べて触媒膜の密着性及び光触媒活性に
特に変化はなかった。
媒膜の単位担持量が6.4g/cm2の光触媒体を得ることが
できた。図2は、本実施形態による光触媒体の表面を模
式的に示した図である。本実施形態の光触媒体では、光
触媒粒子5とバインダー6とが基体1上を被覆して触媒
膜を形成している。
体及び焼付は第1実施形態と同様とするのでその説明は
省略し、ここでは塗液及びその塗布について説明する。
本実施形態では、塗液に吸着剤として日産ガードラー
(株)製のCu-ZSM5を添加する。該Cu-ZSM5は
合成ゼオライトであるZSM5のナトリウム基を銅置換
したもので、この他にもZSM5のナトリウム基を銀置
換したAg-ZSM5、パラジウム置換したPd-ZSM
5、水素置換したH-ZSM5などがあり、このうちの
一つ、又は複数を組み合わせたものを用いるのが好まし
い。尚、光触媒粒子及びバインダーには、第1実施形態
と同様、酸化チタンST-01とGS-90を用いる。
ることで、形成された触媒膜ではまず吸着剤が有機物を
吸着する。光触媒粒子はこの吸着剤の表面で濃縮された
有機物を分解するので、空気中の有機物を分解するより
も効率が良い。また、吸着剤が臭気を吸着することによ
って、光触媒粒子が臭気の分解を行っていない場合でも
光触媒体は脱臭作用を有することになる。さらに、本実
施形態で用いた合成ゼオライトは、活性炭など他の吸着
剤と比較すると吸着性能が良好で、且つ焼付を行った場
合、大気中での焼付温度を500℃にまで上げることが
でき、焼付時間の短縮及び触媒膜の高硬度化に効果があ
る。
-01を55.5g、Cu-ZSM5を55.5g秤量する。
これらを粒径5mmのアルミナボールと共にポットミルに
入れ、約6時間分散させて固形分30.8%の塗液とす
る。この塗液によって、本実施形態の触媒膜におけるバ
インダー、光触媒粒子及び吸着剤の重量比は40:30:
30となる。
する光触媒体の性能などに応じて調整できる。但し、得
られた触媒膜におけるバインダーの重量が20wt%以下
では触媒膜を担持することができないし、80wt.%以上
では光触媒活性が悪くなる。また、塗液の塗布方法は第
1実施形態と同様に引き上げ法を用い、引き上げ速度を
20cm/minとする。
とで、触媒膜の単位担持量が10g/cm2の光触媒体を得
ることができた。ここでは上記製造方法を2回行って、
単位担持量を20g/cm2とした。図3は、本実施形態に
よる光触媒体の表面を模式的に示した図である。本実施
形態の光触媒体では、光触媒粒子5、バインダー6、及
び吸着剤7が基体1上を被覆して触媒膜を形成してい
る。
響を調べるための脱臭試験について示す。基体は寸法9
0×400×t20mmで、穴の数が200セルのアルミ
製のハニカムを用いる。この基体を2個用意し、共に第
2実施形態に準じて表面に触媒膜を担持させる。このと
き、一方のハニカムの触媒膜ではバインダー、光触媒粒
子及び吸着剤の重量比を40:59:1とし、他方のハニ
カムの触媒膜ではバインダーと光触媒粒子の重量比を4
0:60とする。つまり、前者の触媒膜には吸着剤が1
%含まれており、後者には吸着剤は含まれていない。こ
れらのハニカムの担持量は、いずれも50gである。
8は1m3のボックスで、その中心には電気集塵器10が
設置されており、側壁には空気中のアルデヒドの濃度を
検出するための検知管を差し込む挿入口9が設けられて
いる。また、図5は電気集塵器10を図4中のA−A′
線で切断したときの断面を示した図である。電気集塵器
10内に取り付けられたハニカム11には、ブラックラ
イト12からの紫外線が反射板13によって余すことな
く照射される。シロッコファン14が作動すると吸気口
15から空気が取り入れられ(図中、矢印は空気流を示
す。)、その空気はハニカム11を通り抜けて排気口16
から吹き出される。
を燃焼させる。予め触媒膜の担持したハニカム11は電
気集塵器10に組み込んであり、該電気集塵器10のイ
オン化線17及びハニカム11に逆電位で約6500V
印加してシロッコファン14を運転する。同時に、ブラ
ックライト12でハニカム11に紫外線を照射し、光触
媒の臭気の分解を開始する。そして、光触媒が臭気を分
解するときに生じる中間生成物、アセトアルデヒドの濃
度を前記検知管で所定時間毎に測定する。
カムの場合、測定開始から約30分後にアセトアルデヒ
ド濃度が上昇し、再び減少した。一方、吸着剤が1%含
有されているハニカムでは、このような変化はみられな
かった。これは吸着剤がアセトアルデヒドを吸着し、光
触媒がそれを直ちに分解するので、空気中にアセトアル
デヒドが放出されることがないからである。以上の脱臭
試験より、触媒膜に吸着剤を含有した光触媒体は、アセ
トアルデヒドを速やかに分解できることが分かった。
ニカムに対して、上記脱臭試験と同じ条件で臭気の分解
を繰り返し行わせる。このとき、脱臭試験を行う毎に、
ハニカムに3mW/cm2の紫外線を120時間(5日間)照射
する。その結果、触媒膜における光触媒粒子と吸着剤と
の合計重量に対して、光触媒粒子の重量が30wt.%以下
の場合、脱臭試験回数が増えていくにつれて触媒膜の吸
着性能が落ちていった。これは、吸着剤に対して光触媒
粒子の量が少ないことから、吸着した臭気や中間生成物
を分解しきれなくなり、吸着剤の表面が飽和してそれ以
上の吸着が行われなくなったからである。
焼付は第1実施形態と同様とするのでその説明は省略
し、ここでは塗液及びその塗布について説明する。本比
較例では、バインダーに日板研究所(株)製のGS-50
を用いている。該GS-50はシリカが添加されていな
い以外は第1実施形態のGS-90とほぼ同じ成分で、
加熱後残留分は12.2wt%である。尚、光触媒粒子及び
吸着剤には、第2実施形態と同様、酸化チタンST-0
1とCu-ZSM5を用いる。
-01を45.57g、Cu-ZSM5を45.57g秤量す
る。これらを粒径5mmのアルミナボールと共にポットミ
ルに入れ、約6時間分散させて固形分25.7%の塗液と
する。この塗液によって、本比較例の触媒膜におけるバ
インダー、光触媒粒子及び吸着剤の重量比は40:30:
30となる。また、塗液の塗布方法は第1実施形態と同
様に引き上げ法を用い、引き上げ速度を20cm/minとす
る。上述した光触媒体の製造方法を1回行うことで、触
媒膜の単位担持量が約7g/cm2の光触媒体を得ることが
できた。ここでは上記製造方法を3回行って、単位担持
量を22g/cm2とした。
付は第1実施形態と同様とするのでその説明は省略し、
ここでは塗液及びその塗布について説明する。本比較例
では、バインダーに日板研究所(株)製のG-401を用
いている。G-401は、ゾルゲル法により金属アルコ
キシド生成反応で生成した金属アルコキシドから成る
(化2参照)。該金属アルコキシドは金属にシリカとジル
コニアを用いており、シリカとジルコニアの割合は7
5:25である。また、加熱後残留分は21wt%である。
このG-401は、他のバインダーに比べて密着性があ
る割に光触媒活性が良いものである。尚、光触媒粒子及
び吸着剤には第2実施形態と同様、酸化チタンST-0
1とCu-ZSM5を用いる。
-01を78.75g、Cu-ZSM5を78.75g秤量す
る。これに、密着性強化のため5000メッシュのマイ
カを26.25g添加し、これらを粒径5mmのアルミナボ
ールと共にポットミルに入れ、約6時間分散させて固形
分42.2%の塗液とする。この塗液によって、触媒膜に
おけるバインダー、光触媒粒子及び吸着剤の重量比は4
0:30:30となる。また、塗液の塗布方法は、第1実
施形態と同様に引き上げ法を用い、引き上げ速度を31
cm/minとする。上述した光触媒体の製造方法によって、
触媒膜の単位担持量は20g/cm2の光触媒体を得ること
ができた。
及び2の光触媒体について、それぞれ触媒膜の基体への
密着性と光触媒活性の評価を行う。まず、密着性試験に
ついて説明する。ここでは、塗装などでよく用いられる
クロスカット試験において、触媒膜の密着性試験に合う
ようにその基準を変えたものを用いている。
触る。それで膜が剥離しない場合は、指の腹で触媒膜を
擦る。さらに膜が剥離しない場合は、カッターで碁盤の
目状に1mmおきに11本、約15mmの長さに傷を付け、
この傷の上にセロハンテープを張り付けて剥す。これら
の過程での触媒膜の剥離状態を5段階に分け、触媒膜の
基体に対する密着性を評価する。評価基準は表1に示
す。
図6は光触媒活性試験の概略を示した図である。8は2
7リットルのボックスで、その中心には各実施形態及び
比較例の光触媒体が取り付けられる試験装置20が設置
されており、天面には空気中のアルデヒドの濃度を検出
するための検知管を差し込む挿入口9が設けられてい
る。また、図7は試験装置20を図6中のB−B′線で
切断したときの断面を示した図である。
は、光触媒体21が取り付けられる。対向する光触媒体
21の間にはブラックライト12が設けられており、光
触媒体21に紫外線を照射する。また、試験装置20の
天面にはファン22が設けられており、ファン22が作
動すると試験装置20の下方に形成された吸気口15か
ら空気が入り(図中、矢印は空気流を示す。)、試験装置2
0内を通ってファン22から外へ抜ける。
体21を2枚取り付ける。ボックス8内にアセトアルデ
ヒドを約120ppm入れ、約2時間静置して安定させ
る。そして、前記検知管でボックス8内のアセトアルデ
ヒド濃度を測定した後、ブラックライト12で光触媒体
21に3mV/cm2の紫外線を照射する。所定の時間毎に検
知管にてアセトアルデヒドの濃度を測定し、アセトアル
デヒドの濃度が100ppmから10ppmに減衰する時間を
求める。
及び光触媒活性の評価を以下の表2に示す。
較例2に対して、オルガノアルコキシドを用いた第1及
び第2実施形態の触媒膜の密着性は良好で、なおかつ光
触媒活性も向上している。また、シリカを添加していな
い比較例1に対して、添加した第2実施形態の触媒膜の
密着性は良好である。従って、バインダーにオルガノア
ルコキシドを用いると耐水性を有するだけでなく、密着
性及び光触媒活性の良好な触媒膜が担持できることが分
かった。また、バインダーにシリカを添加することで、
触媒膜の密着性を向上させることが分かった。
10mW/cm2の紫外線を照射し、上記密着性試験を行う
と、紫外線を照射していないものと同じレベル1であっ
た。第2実施形態の光触媒体はアルキル基を有している
が、このアルキル基は光触媒に分解され得るので、触媒
膜の剥離の原因となるおそれがあった。しかし、紫外線
を長時間照射してもアルキル基が分解されず、触媒膜の
密着性が劣化しないので、十分に使用に耐え得るもので
あることが分かった。
体を熱交換器に適用し、エアコンの室内機に設けた場合
について示す。まず、熱交換器への触媒膜の担持方法に
ついて説明する。塗液及び焼付は第1実施形態と同様と
するのでその説明は省略し、ここでは基体及び塗液の塗
布方法について説明する。図11(イ)は基体として用
いられる熱交換器31の一部を示した図であり、図11
(ロ)は熱交換器31が設けられた室内機30の断面を示
した図である。該室内機30の構成については後述す
る。熱交換器31はアルミフィン31aと銅パイプ31
bより構成されたもので、寸法600×300×t30
mmである。
を窒素ガス雰囲気にした後、その両端を塞ぎ、表面を脱
脂処理する。これにより、銅パイプ31bの内部に塗液
が侵入せず、また焼付の際内部が酸化するのを防止す
る。脱脂処理は、該基体をIPAの中に浸漬させて、1
00℃の熱風乾燥炉で約3時間乾燥させる方法を用い
る。
様、引き上げ法による。図8には、塗液の塗布について
その概略を示している。即ち、熱交換器31の長辺を2
本のひも2の一端で固定し、ひも2の他端を巻き上げモ
ータ3の軸3aに取り付ける。浴槽4には、第1実施形
態の塗液の作製方法を数回繰り返して得た、合計10k
gの塗液が入っている。
るようにいれ、これを1cm/minの速度で引き上げる。熱
交換器31が液面に対して垂直になるように引き上げ
て、アルミフィン31a及び銅パイプ31bの表面全体
に塗液を付着させる。短辺の長さが30cmなので、引
き上げ時間は30分かかった。ここでは基体の形状が複
雑なので、引き上げ速度を遅くして均一に塗液が塗布さ
れるようにする。上述した触媒膜の担持方法によって、
触媒膜の単位担持量は7g/cm2の熱交換器を得ることが
できた。
コンの熱交換器は、結露した水分の飛散防止のためにそ
の表面が親水性であることが要求される。そこで、該熱
交換器にブラックライトで照射強度2.5mW/cm2、ピー
ク波長360nmの紫外線を4時間照射して、未照射時、
及び1、2、4時間後の熱交換器表面における水の接触
角を測定する。
示したグラフである。未照射時では接触角が140度で
あったものが、4時間後には15度となった。一般に親
水性とは接触角が約20度以下のことを指すので、熱交
換器の触媒膜は紫外線の照射によって疎水性から親水性
へ変化したことが確認できる。
う。図10は光触媒活性試験の概略を示した図である。
1m3のボックス8内には側壁の上方にエアコンの室内機
30が設置されている。他の側壁には、空気中のアルデ
ヒドなどのガスの濃度を検出するための検知管を差し込
む挿入口9が設けられている。
C′線で切断したときの断面を示した図である。室内機
30内には上述した熱交換器31が取り付けられ、ブラ
ックライト12から紫外線が照射されるようになってい
る。シロッコファン14が作動すると吸気口15から空
気が取り入れられ(図中、矢印は空気流を示す。)、静電フ
ィルター32を通って熱交換器31のアルミフィン31
aの間をを通過する。そして、吹出口16からボックス
8内へ送り出される。33は吹出口16から送り出す空
気の風向を調節するためのルーバーである。
ッコファン14を作動させるのみであるが、実際エアコ
ンとして使用する場合には、コンプレッサー(図示せず)
より冷媒が熱交換器31の銅パイプ31b内に送られて
いる。熱交換器31の左右両端には各銅パイプ31bと
連通したパイプ(図示せず)が設けられており、冷媒はこ
のパイプを通って順に他の銅パイプ31bへ移ってい
き、全ての銅パイプ31bを通る構成となっている。
の低い状態にあり、空気流がアルミフィン31aの間を
通ると、空気流の熱がアルミフィン31aを伝導して冷
媒に吸収されることで、空気流は冷却される。また、熱
交換器31の温度が高い状態であれば、その熱がアルミ
フィン31aを伝導して空気流に吸収されることで、空
気流は加熱される。
ックス8内で煙草を5本燃焼させた後、上記室内機30
のシロッコファン14のみを運転させる。シロッコファ
ンを作動させて30分後、熱交換器は煙草のタールによ
って黄色く汚れた。そこで、ブラックライトで熱交換器
に紫外線を48時間照射すると、熱交換器の汚れが取れ
て元の状態に戻った。これは、光触媒粒子によりタール
が分解されたからである。また、熱交換器に紫外線を長
時間照射しながらシロッコファンを運転することで、ボ
ックス内の臭気も除去することができた。
熱交換器で同様の試験を行うと、該熱交換器の表面には
オーバーコートが施されているのであまり汚れないが、
付着したタールは分解するなどして除去されることはな
いので、汚れたままである。つまり、本実施形態におけ
る熱交換器は防汚性を持っており、常に清浄な状態に保
つことのできるものなので、洗浄などのメンテナンスが
不必要である。また、従来のエアコンの室内機とほぼ同
じ構成でありながら脱臭機能も有する。
体を熱交換器に適用し、エアコンの室内器に設けた場合
について示す。まず、熱交換器への触媒膜の担持方法に
ついて説明する。基体及び焼付は第3実施形態と同様と
するのでその説明は省略する。また、塗布方法も第3実
施形態と同様、引き上げ法による。塗液は第2実施形態
のものを用い、引き上げ速度を5cm/minとする。短辺の
長さが30cmなので、引き上げ時間は6分かかった。
上述した触媒膜の担持方法を1回行うことで、触媒膜の
単位担持量が7g/cm2の光触媒体を得ることができた。
ここでは上記担持方法を3回行って、単位担持量を22
g/cm2とした。
の熱交換器と同様に、熱交換器にブラックライトで照射
強度2.5mW/cm2、ピーク波長360nmの紫外線を14
4時間(6日間)照射して、未照射時、及び24、48、
72、144時間後の熱交換器表面における水の接触角
を測定する。
を示したグラフである。未照射時では接触角が110度
であったものが、144時間後には18度となった。一
般に親水性とは接触角が約20度以下のことを指すの
で、熱交換器の触媒膜は紫外線の照射によって疎水性か
ら親水性へ変化したことが確認できる。尚、本実施形態
における熱交換器が第3実施形態のものと比べて親水性
化するのが遅いのは、塗液に吸着剤が添加されているか
らである。
う。この試験の条件は第3実施形態のものと同様である
が、ここでは脱臭について測定した。即ち、ボックス中
のアンモニア、アセトアルデヒド及び酢酸の濃度を、シ
ロッコファンの作動前と作動してから30分後とについ
てそれぞれ測定する。電気工業会の基準により、トータ
ル除去率ηは次の式で表される。η=(η1+2η2+
η3)/4このとき、η1はアンモニア除去率、η2はアセ
トアルデヒド除去率、η3は酢酸除去率を示している。
去率を求めたところ、84%であった。これは、ボック
ス内の臭気が吸着剤によって熱交換器に吸着したからで
ある。これに対して、触媒膜の担持されていない熱交換
器で同様の試験を行うと、トータル除去率はほぼ0%で
あった。
紫外線を照射し続け、同じ試験を再び行うと同様のトー
タル除去率が得られた。これは、先の試験で熱交換器に
吸着した臭気が光触媒によって分解されたので、新たに
臭気を吸着できたからである。従って、本実施形態の熱
交換器は脱臭機能を有し、その脱臭機能は紫外線を照射
することで常に保持されるものである。
実施形態と同様、表面にタールの汚れが付着したが、4
8時間紫外線を照射すると汚れは分解された。つまり、
本実施形態のエアコンの室内機は従来のものとほぼ同じ
構成でありながら脱臭機能も有するものであり、また熱
交換器は防汚性を有するものである。
施形態では、本発明の光触媒体をエアコンの熱交換器に
適用したが、この他にも空気清浄機や脱臭機のハニカム
などに適用することができる。
体では、バインダーとしてオルガノアルコキシシランを
用いていることから、触媒膜は耐水性を有するだけでな
く、基体への密着性や光触媒活性が向上したものとな
る。
バインダーの重量の割合が20wt.%〜90wt.%であるこ
とから、触媒膜は十分な光触媒活性と密着性を有するも
のとなる。
れた触媒膜に吸着剤を含むことから、吸着剤が含まれて
いないものよりも効率よく有機物の分解が行われる。ま
た、吸着剤が臭気を吸着するので、光触媒が分解を行っ
ていないときでも光触媒体は脱臭の作用を有することに
なる。
バインダーの重量の割合が20wt.%〜80wt.%であるこ
とから、触媒膜は十分な光触媒活性と密着性を有するも
のとなる。
粒子と吸着剤の合計の重量に対する光触媒粒子の割合が
30wt.%〜99wt.%であることから、紫外線を照射する
ことで常に光触媒体は一定の吸着性能が保持され、なお
かつ光触媒活性も良好となる。
シリカを5部〜30部添加することから、触媒膜の密着
性が向上する。
酸化チタンを用いていることから、光触媒は安定した分
解反応を行うものとなる。
ゼオライトであるZSM5のナトリウム基を銅置換した
Cu-ZSM5、銀置換したAg-ZSM5、パラジウム
置換したPd-ZSM5、及び水素置換したH-ZSM5
のうちの一つ、又は複数を組み合わせたものを用いたこ
とから、活性炭など他の吸着剤と比較すると吸着性能が
良好で、且つ焼付を行った場合、大気中での焼付温度を
500℃にまで上げることができ、焼付時間の短縮及び
触媒膜の高硬度化に効果がある。
触媒粒子の接着した基体を焼付けて触媒膜を担持したこ
とから、触媒膜の形成に要する時間は短縮され、基体へ
の密着性が向上する。
光触媒体であることより、該熱交換器は防汚性を有する
ので洗浄などのメンテナンスの必要がなくなる。また、
特別な脱臭のための部材を設けることなく、従来の空気
調和装置とほぼ同じ構成でありながら脱臭機能を備えた
ものとなる。
を示した概略図である。
図である。
図である。
子を示した概略図である。
面図である。
る。
図である。
を示した概略図である。
触媒体の水の接触角変化を示したグラフである。
子を示した概略図である。
(ロ)は図10におけるエアコンの室内機のC−C′線で
の断面図である。
光触媒体の水の接触角変化を示したグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 バインダーと共に光触媒粒子を基体上に
接着させて前記基体上に触媒膜を担持して成る光触媒体
において、前記バインダーにオルガノアルコキシシラン
を用いることを特徴とする光触媒体。 - 【請求項2】 前記触媒膜における前記バインダーの割
合が20wt%〜90wt%であることを特徴とする請求項1
に記載の光触媒体。 - 【請求項3】 前記基体上に担持された前記触媒膜に吸
着剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の光触媒
体。 - 【請求項4】 前記触媒膜における前記バインダーの割
合が20wt%〜80wt%であることを特徴とする請求項3
に記載の光触媒体。 - 【請求項5】 前記触媒膜において、前記光触媒粒子及
び前記吸着剤の重量の合計に対する前記光触媒粒子の割
合が30wt%〜99wt%であることを特徴とする請求項3
及び請求項4に記載の光触媒体。 - 【請求項6】 前記バインダーにシリカを5部〜30部
添加していることを特徴とする請求項1から請求項5に
記載の光触媒体。 - 【請求項7】 前記光触媒粒子として酸化チタンを用い
ることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の光触
媒体。 - 【請求項8】 前記吸着剤として合成ゼオライトである
ZSM5のナトリウム基を銅置換したCu-ZSM5、
銀置換したAg-ZSM5、パラジウム置換したPd-Z
SM5、及び水素置換したH-ZSM5のうちの一つ、
又は複数を組み合わせたものを用いたことを特徴とする
請求項3から請求項7に記載の光触媒体。 - 【請求項9】 前記バインダー及び前記光触媒粒子の接
着した前記基体を焼付けて触媒膜を担持したことを特徴
とする請求項1から8に記載の光触媒体。 - 【請求項10】 複数のフィンと冷媒が通る管とで構成
され、外部から取り入れられた空気流が前記フィンの間
を通過する際に、前記空気流が前記冷媒と熱交換され、
該熱交換された空気流が送出される空気調和装置におい
て、前記フィンと管の少なくとも一方の表面に請求項1
乃至請求項9のいずれかに記載の光触媒体が設けられて
いることを特徴とする空気調和装置。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05752497A JP3689751B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 光触媒体及びそれを用いた空気調和装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05752497A JP3689751B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 光触媒体及びそれを用いた空気調和装置 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004256960A Division JP2005052836A (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | 光触媒体及びそれを用いた空気調和装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10249209A true JPH10249209A (ja) | 1998-09-22 |
| JP3689751B2 JP3689751B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=13058140
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05752497A Expired - Lifetime JP3689751B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 光触媒体及びそれを用いた空気調和装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3689751B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-03-12 JP JP05752497A patent/JP3689751B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| US8480794B2 (en) | 2005-11-01 | 2013-07-09 | Johnson Matthey Public Limited Company | Adsorption of volatile organic compounds derived from organic matter |
| US9186649B2 (en) | 2005-11-01 | 2015-11-17 | Anglo Platinum Marketing Limited | Adsorption of volatile organic compounds derived from organic matter |
| US8900348B2 (en) | 2009-07-02 | 2014-12-02 | Johnson Matthey Public Limited Company | Adsorption of volatile organic compounds derived from organic matter |
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