JPH10251061A - 硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法 - Google Patents
硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法Info
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- JPH10251061A JPH10251061A JP9078872A JP7887297A JPH10251061A JP H10251061 A JPH10251061 A JP H10251061A JP 9078872 A JP9078872 A JP 9078872A JP 7887297 A JP7887297 A JP 7887297A JP H10251061 A JPH10251061 A JP H10251061A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 硼素が原子レベルで均一な連続相として組織
中に固溶して分布する組織性状を備え、優れた耐酸化性
を有する硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 硼素化合物を分散した熱硬化性樹脂の成
形体を焼成炭化して得られ、原子レベルの硼素がガラス
状カーボン組織中に0.1〜2重量%の割合で固溶して
均一な連続相として分布する組織性状を備えた硼素含有
ガラス状カーボン材。その製造方法は、硼素化合物を有
機溶媒あるいは水に溶解した硼素化合物溶液を熱硬化性
樹脂液に添加しながら撹拌混合し、硼素化合物が分散し
た熱硬化性樹脂液を真空脱泡処理して有機溶媒あるいは
水を除去したのち硬化成形し、次いで硬化成形体を非酸
化性雰囲気中で800℃以上の温度により焼成炭化処理
することを特徴とする。硼素化合物は好ましくは酸化硼
素又は硼酸が用いられる。
中に固溶して分布する組織性状を備え、優れた耐酸化性
を有する硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 硼素化合物を分散した熱硬化性樹脂の成
形体を焼成炭化して得られ、原子レベルの硼素がガラス
状カーボン組織中に0.1〜2重量%の割合で固溶して
均一な連続相として分布する組織性状を備えた硼素含有
ガラス状カーボン材。その製造方法は、硼素化合物を有
機溶媒あるいは水に溶解した硼素化合物溶液を熱硬化性
樹脂液に添加しながら撹拌混合し、硼素化合物が分散し
た熱硬化性樹脂液を真空脱泡処理して有機溶媒あるいは
水を除去したのち硬化成形し、次いで硬化成形体を非酸
化性雰囲気中で800℃以上の温度により焼成炭化処理
することを特徴とする。硼素化合物は好ましくは酸化硼
素又は硼酸が用いられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硼素が原子レベル
で均一な連続相として組織中に固溶して分布する組織性
状を備え、優れた耐酸化性を有する硼素含有ガラス状カ
ーボン材及びその製造方法に関する。
で均一な連続相として組織中に固溶して分布する組織性
状を備え、優れた耐酸化性を有する硼素含有ガラス状カ
ーボン材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス状カーボン材は、熱硬化性樹脂の
成形体を焼成炭化して得られる巨視的にガラス質の緻密
な組織構造を有する異質な炭素材料で、一般のカーボン
材に比べてガス不透過性、耐摩耗性、耐蝕性、自己潤滑
性、表面の平滑性および堅牢性などに優れることから、
その特性を生かして多様の分野で各種工業部材に有用さ
れている。近年では、組織から微小な炭素粒子が離脱す
ることのない非汚染性の材質性状に着目して、シリコン
ウエハーのプラズマエッチング用電極やイオン注入装置
用部材など汚染を嫌う半導体分野での実用が図られてい
る。
成形体を焼成炭化して得られる巨視的にガラス質の緻密
な組織構造を有する異質な炭素材料で、一般のカーボン
材に比べてガス不透過性、耐摩耗性、耐蝕性、自己潤滑
性、表面の平滑性および堅牢性などに優れることから、
その特性を生かして多様の分野で各種工業部材に有用さ
れている。近年では、組織から微小な炭素粒子が離脱す
ることのない非汚染性の材質性状に着目して、シリコン
ウエハーのプラズマエッチング用電極やイオン注入装置
用部材など汚染を嫌う半導体分野での実用が図られてい
る。
【0003】ところが、ガラス状カーボン材は材質的に
脆弱であるうえ、一般のカーボン材と同様に高温酸化雰
囲気中では速やかに酸化が進行して物性を損ねる炭素材
固有の材質的欠点がある。このため、従来からガラス状
カーボン組織中にセラミックス成分を複合させて物性の
改善を図る試みがなされている。初期の段階では、原料
となる熱硬化性樹脂に乾式もしくは湿式法でSiCのよ
うなセラミックス微粒子を混合し、これを硬化した成形
体を焼成炭化する方法が行われたが、この方法ではセラ
ミックス粒子を炭素組織に均一に分散させることができ
ず、またセラミックス粒子と炭素組織間に粒界が存在す
るため粒界から局部的に酸化が進行したり、過酷な使用
条件では材質破壊を起こしたり、更にセラミックス粒子
が離脱する現象等が生じる問題があった。
脆弱であるうえ、一般のカーボン材と同様に高温酸化雰
囲気中では速やかに酸化が進行して物性を損ねる炭素材
固有の材質的欠点がある。このため、従来からガラス状
カーボン組織中にセラミックス成分を複合させて物性の
改善を図る試みがなされている。初期の段階では、原料
となる熱硬化性樹脂に乾式もしくは湿式法でSiCのよ
うなセラミックス微粒子を混合し、これを硬化した成形
体を焼成炭化する方法が行われたが、この方法ではセラ
ミックス粒子を炭素組織に均一に分散させることができ
ず、またセラミックス粒子と炭素組織間に粒界が存在す
るため粒界から局部的に酸化が進行したり、過酷な使用
条件では材質破壊を起こしたり、更にセラミックス粒子
が離脱する現象等が生じる問題があった。
【0004】このため、熱硬化性樹脂に珪素含有化合物
を混合して原料系とすることにより均一組織のSi含有
ガラス状カーボン材を得る方法が提案されている。例え
ば特開昭61−6111号公報には、液状珪素化合物、
官能基を有し加熱により炭素化する液状有機化合物、お
よび重合または架橋用の触媒を溶化したSi、Oおよび
Cを含む前駆体物質を炭化して耐酸化性の炭素材料を製
造する方法が、また特開平5−43319号公報には、
熱硬化性樹脂と有機金属化合物を液状で均一に混合し、
加熱(焼成)して得られる超微細なセラミックスが高度
に分散した状態のガラス状炭素複合材料が開示されてい
る。しかしながら、SiやSiCは粒状体として組織中
に分散するために均質な連続相を呈するガラス状カーボ
ン組織とすることができない難点がある。
を混合して原料系とすることにより均一組織のSi含有
ガラス状カーボン材を得る方法が提案されている。例え
ば特開昭61−6111号公報には、液状珪素化合物、
官能基を有し加熱により炭素化する液状有機化合物、お
よび重合または架橋用の触媒を溶化したSi、Oおよび
Cを含む前駆体物質を炭化して耐酸化性の炭素材料を製
造する方法が、また特開平5−43319号公報には、
熱硬化性樹脂と有機金属化合物を液状で均一に混合し、
加熱(焼成)して得られる超微細なセラミックスが高度
に分散した状態のガラス状炭素複合材料が開示されてい
る。しかしながら、SiやSiCは粒状体として組織中
に分散するために均質な連続相を呈するガラス状カーボ
ン組織とすることができない難点がある。
【0005】そこで、本出願人はSi成分が粒界を生じ
ることなく連続相として均質に分布する組織性状のSi
含有ガラスカーボン材として、−O−Si−O−で架橋
された熱硬化性樹脂の成形体を焼成炭化して得られ、原
子レベルのSiがガラス状カーボン組織中に0.1〜1
5重量%の範囲で均一な連続相として分布する組織性状
を備えるSi含有ガラス状カーボン材、および熱硬化性
樹脂と1分子中に単一のSi原子を有するSiアルコキ
シドの加水分解物を有機溶媒中で撹拌混合し、架橋反応
により得られるゲル化物を硬化成形したのち、硬化成形
体を非酸化性雰囲気下で800℃以上の温度で焼成炭化
処理するSi含有ガラス状カーボン材の製造方法、を開
発提案した(特開平8−325059号公報)。
ることなく連続相として均質に分布する組織性状のSi
含有ガラスカーボン材として、−O−Si−O−で架橋
された熱硬化性樹脂の成形体を焼成炭化して得られ、原
子レベルのSiがガラス状カーボン組織中に0.1〜1
5重量%の範囲で均一な連続相として分布する組織性状
を備えるSi含有ガラス状カーボン材、および熱硬化性
樹脂と1分子中に単一のSi原子を有するSiアルコキ
シドの加水分解物を有機溶媒中で撹拌混合し、架橋反応
により得られるゲル化物を硬化成形したのち、硬化成形
体を非酸化性雰囲気下で800℃以上の温度で焼成炭化
処理するSi含有ガラス状カーボン材の製造方法、を開
発提案した(特開平8−325059号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ガラス
状カーボン材の耐酸化性機能の向上について引き続き研
究を進める中で硼素に着目した。硼素も炭素材の耐酸化
性を向上させる機能を有し、例えば炭素材や炭化し得る
原料粉末に炭化硼素粉末を混合して加熱処理し、耐酸化
性の向上した炭素−硼素複合材等が知られている。しか
しながら、この方法では粉体を均一に混合することが困
難であり、組織性状の均質性に劣る難点がある。そこ
で、炭素質基材に酸化ホウ素又はその水和化合物を含浸
せしめ、不活性ガスの加圧下、1500℃以上の条件下
で焼成を行って得られる炭素とホウ素を主成分としてな
る複合材料を使用した耐酸化性炭素材(特開平4−3002
47号公報)が提案されている。
状カーボン材の耐酸化性機能の向上について引き続き研
究を進める中で硼素に着目した。硼素も炭素材の耐酸化
性を向上させる機能を有し、例えば炭素材や炭化し得る
原料粉末に炭化硼素粉末を混合して加熱処理し、耐酸化
性の向上した炭素−硼素複合材等が知られている。しか
しながら、この方法では粉体を均一に混合することが困
難であり、組織性状の均質性に劣る難点がある。そこ
で、炭素質基材に酸化ホウ素又はその水和化合物を含浸
せしめ、不活性ガスの加圧下、1500℃以上の条件下
で焼成を行って得られる炭素とホウ素を主成分としてな
る複合材料を使用した耐酸化性炭素材(特開平4−3002
47号公報)が提案されている。
【0007】しかしながら、上記特開平4−30024
7号公報の耐酸化性炭素材は、炭素質基材の表面又は基
材中の微細な細孔内に酸化ホウ素やその水和化合物の融
液又は溶液を含浸するものであるから、組織性状は不均
質なものとなる欠点がある。また、対象とする炭素質基
材は黒鉛材あるいは炭素繊維強化炭素複合材であり、過
酷な酸化条件下では黒鉛粒子の脱落が生じて粒界界面か
らの酸化が進行し、充分な耐酸化性能を保持することが
できない問題点がある。更に、黒鉛材や炭素繊維強化炭
素複合材等とは異なり、表面平滑で内部に存在する微細
な細孔が極めて少ないガラス状カーボン材では酸化ホウ
素やその水和化合物の融液又は溶液を含浸することは困
難であり、特開平4−300247号公報の発明をその
ままガラス状カーボン材に適用することはできない。
7号公報の耐酸化性炭素材は、炭素質基材の表面又は基
材中の微細な細孔内に酸化ホウ素やその水和化合物の融
液又は溶液を含浸するものであるから、組織性状は不均
質なものとなる欠点がある。また、対象とする炭素質基
材は黒鉛材あるいは炭素繊維強化炭素複合材であり、過
酷な酸化条件下では黒鉛粒子の脱落が生じて粒界界面か
らの酸化が進行し、充分な耐酸化性能を保持することが
できない問題点がある。更に、黒鉛材や炭素繊維強化炭
素複合材等とは異なり、表面平滑で内部に存在する微細
な細孔が極めて少ないガラス状カーボン材では酸化ホウ
素やその水和化合物の融液又は溶液を含浸することは困
難であり、特開平4−300247号公報の発明をその
ままガラス状カーボン材に適用することはできない。
【0008】本発明者らは、ガラス状カーボン材を対象
にして、硼素成分を均一に分散させた熱硬化性樹脂を焼
成炭化することにより、硼素が原子レベルでガラス状カ
ーボン組織中に固溶した均一な連続相として分布し、耐
酸化性能が著しく向上できることを見い出した。
にして、硼素成分を均一に分散させた熱硬化性樹脂を焼
成炭化することにより、硼素が原子レベルでガラス状カ
ーボン組織中に固溶した均一な連続相として分布し、耐
酸化性能が著しく向上できることを見い出した。
【0009】本発明は上記の知見に基づいて完成したも
のであり、その目的は硼素が原子レベルで均一な連続相
として組織中に固溶して分布する組織性状を備え、優れ
た耐酸化性を有する硼素含有ガラス状カーボン材及びそ
の製造方法を提供することにある。
のであり、その目的は硼素が原子レベルで均一な連続相
として組織中に固溶して分布する組織性状を備え、優れ
た耐酸化性を有する硼素含有ガラス状カーボン材及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による硼素含有ガラス状カーボン材は、硼素
化合物を分散した熱硬化性樹脂の成形体を焼成炭化して
得られ、原子レベルの硼素がガラス状カーボン組織中に
0.1〜2重量%の割合で固溶した均一な連続相として
分布する組織性状を備えることを構成上の特徴とする。
めの本発明による硼素含有ガラス状カーボン材は、硼素
化合物を分散した熱硬化性樹脂の成形体を焼成炭化して
得られ、原子レベルの硼素がガラス状カーボン組織中に
0.1〜2重量%の割合で固溶した均一な連続相として
分布する組織性状を備えることを構成上の特徴とする。
【0011】また、本発明の硼素含有ガラス状カーボン
材の製造方法は、硼素化合物を有機溶媒あるいは水に溶
解した硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂液に添加しながら
撹拌混合し、硼素化合物が分散した熱硬化性樹脂液を真
空脱泡処理して有機溶媒あるいは水を除去したのち硬化
成形し、次いで硬化成形体を非酸化性雰囲気中で800
℃以上の温度により焼成炭化処理することを構成上の特
徴とする。
材の製造方法は、硼素化合物を有機溶媒あるいは水に溶
解した硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂液に添加しながら
撹拌混合し、硼素化合物が分散した熱硬化性樹脂液を真
空脱泡処理して有機溶媒あるいは水を除去したのち硬化
成形し、次いで硬化成形体を非酸化性雰囲気中で800
℃以上の温度により焼成炭化処理することを構成上の特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の硼素含有ガラス状カーボ
ン材は、硼素化合物、好ましくは酸化硼素や硼酸が熱硬
化性樹脂液中に分散した原料樹脂の硬化成形体を焼成炭
化して得られるもので、ガラス状カーボン組織中に硼素
が0.1〜2重量%の割合で均質に分散複合した組織性
状に特徴がある。この分散複合した組織性状とは原子レ
ベルの硼素がガラス状カーボン組織の炭素と置換した結
合構造であり、硼素が固溶され均一な連続相として分布
する組織状態を示し、実質的に硼素と炭素との粒界が存
在せず、透過型電子顕微鏡(TEM) の観察によっても硼素
成分が識別できない連続相として均質に分布している組
織状態を意味する。この組織性状において、ガラス状カ
ーボン組織中に分散する硼素量が0.1重量%未満では
耐酸化性の向上効果が充分でなく、一方2重量%を越え
るとガラス状カーボン組織中で硼素の凝集が生じ易くな
り均一な分散組織を得ることが困難となる。また、硼素
は熱硬化性樹脂の硬化反応を抑制する作用があるので硼
素の分散量は2重量%以下に設定される。
ン材は、硼素化合物、好ましくは酸化硼素や硼酸が熱硬
化性樹脂液中に分散した原料樹脂の硬化成形体を焼成炭
化して得られるもので、ガラス状カーボン組織中に硼素
が0.1〜2重量%の割合で均質に分散複合した組織性
状に特徴がある。この分散複合した組織性状とは原子レ
ベルの硼素がガラス状カーボン組織の炭素と置換した結
合構造であり、硼素が固溶され均一な連続相として分布
する組織状態を示し、実質的に硼素と炭素との粒界が存
在せず、透過型電子顕微鏡(TEM) の観察によっても硼素
成分が識別できない連続相として均質に分布している組
織状態を意味する。この組織性状において、ガラス状カ
ーボン組織中に分散する硼素量が0.1重量%未満では
耐酸化性の向上効果が充分でなく、一方2重量%を越え
るとガラス状カーボン組織中で硼素の凝集が生じ易くな
り均一な分散組織を得ることが困難となる。また、硼素
は熱硬化性樹脂の硬化反応を抑制する作用があるので硼
素の分散量は2重量%以下に設定される。
【0013】本発明の硼素含有ガラス状カーボン材は、
硼素化合物を分散した熱硬化性樹脂液を成形硬化し、成
形体を焼成炭化処理することにより製造される。硼素化
合物はメタノール、エタノール、グリセリン等の有機溶
媒あるいは水に溶解する酸化硼素(B2O3)又は硼酸(H3B
O3) が好ましく用いられ、これらの溶媒中に硼素化合物
を添加しながら超音波分散処理等により充分に撹拌して
所定濃度に溶解する。なお、溶媒を除去する必要がある
ために硼素化合物溶液の濃度は飽和溶液に近い濃度に設
定することが好ましい。
硼素化合物を分散した熱硬化性樹脂液を成形硬化し、成
形体を焼成炭化処理することにより製造される。硼素化
合物はメタノール、エタノール、グリセリン等の有機溶
媒あるいは水に溶解する酸化硼素(B2O3)又は硼酸(H3B
O3) が好ましく用いられ、これらの溶媒中に硼素化合物
を添加しながら超音波分散処理等により充分に撹拌して
所定濃度に溶解する。なお、溶媒を除去する必要がある
ために硼素化合物溶液の濃度は飽和溶液に近い濃度に設
定することが好ましい。
【0014】この硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂液に添
加し、撹拌混合して硼素化合物が均一に分散した熱硬化
性樹脂液を調製する。熱硬化性樹脂は焼成炭化処理によ
りガラス状カーボンに転化する炭素源となるもので、例
えばフェノール系樹脂、フラン系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリカルボジイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル
系樹脂、ピレン−フェナントレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂あるいはこれらの混合樹脂等
が用いられる。これらの熱硬化性樹脂は非酸化性雰囲気
下で800℃の温度により焼成したときに残留する残炭
率が45重量%以上のものが好ましく、また酸化硼素や
硼酸との親和性が高いフェノール系樹脂やフラン系樹脂
もしくはこれらの混合樹脂が好ましく使用される。
加し、撹拌混合して硼素化合物が均一に分散した熱硬化
性樹脂液を調製する。熱硬化性樹脂は焼成炭化処理によ
りガラス状カーボンに転化する炭素源となるもので、例
えばフェノール系樹脂、フラン系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリカルボジイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル
系樹脂、ピレン−フェナントレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂あるいはこれらの混合樹脂等
が用いられる。これらの熱硬化性樹脂は非酸化性雰囲気
下で800℃の温度により焼成したときに残留する残炭
率が45重量%以上のものが好ましく、また酸化硼素や
硼酸との親和性が高いフェノール系樹脂やフラン系樹脂
もしくはこれらの混合樹脂が好ましく使用される。
【0015】硼素化合物溶液は熱硬化性樹脂がガラス状
カーボンに転化し、最終的にガラス状カーボン組織中に
占める硼素含有量が0.1〜2重量%の量比になる割合
で熱硬化性樹脂液に添加される。ガラス状カーボン組織
中に分散する硼素量が0.1重量%未満では耐酸化性の
向上効果が充分でなく、一方2重量%を越えるとガラス
状カーボン組織中で硼素の凝集が生じ易く均一な分散組
織を得ることが困難となり、また熱硬化性樹脂の硬化反
応が円滑に進行しなくなるためである。
カーボンに転化し、最終的にガラス状カーボン組織中に
占める硼素含有量が0.1〜2重量%の量比になる割合
で熱硬化性樹脂液に添加される。ガラス状カーボン組織
中に分散する硼素量が0.1重量%未満では耐酸化性の
向上効果が充分でなく、一方2重量%を越えるとガラス
状カーボン組織中で硼素の凝集が生じ易く均一な分散組
織を得ることが困難となり、また熱硬化性樹脂の硬化反
応が円滑に進行しなくなるためである。
【0016】硼素化合物溶液が分散した熱硬化性樹脂液
は、真空下に所定時間保持して有機溶媒あるいは水が除
去される。これらの溶媒成分が残留すると、熱硬化性樹
脂を焼成炭化処理してガラス状カーボンに転化した際に
ガラス状カーボンの組織中に気孔が形成されて耐酸化性
が低下し、また組織の緻密性も低くなるためである。こ
の真空脱泡処理は、例えば10mmHg以下の真空下に常温
で適宜時間保持することにより行われ、この処理により
溶媒成分ばかりでなく、硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂
液に混合撹拌する過程で巻き込まれた空気も除去され
る。
は、真空下に所定時間保持して有機溶媒あるいは水が除
去される。これらの溶媒成分が残留すると、熱硬化性樹
脂を焼成炭化処理してガラス状カーボンに転化した際に
ガラス状カーボンの組織中に気孔が形成されて耐酸化性
が低下し、また組織の緻密性も低くなるためである。こ
の真空脱泡処理は、例えば10mmHg以下の真空下に常温
で適宜時間保持することにより行われ、この処理により
溶媒成分ばかりでなく、硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂
液に混合撹拌する過程で巻き込まれた空気も除去され
る。
【0017】真空脱泡処理した硼素化合物が分散した熱
硬化性樹脂液は通常の成形手段、例えば注型成形や遠心
成形等により成形され、また半硬化した段階では圧縮成
形、押出成形、射出成形等を適用して所定形状に成形し
たのち、70〜150℃の温度に加熱して硬化処理し、
硬化成形体が得られる。この硬化処理時に、硼素化合物
は熱硬化性樹脂と反応して樹脂成分に固定され、硼素化
合物の凝集が防止されるとともに熱硬化性樹脂中に均一
に分散することができる。例えば、熱硬化性樹脂にフェ
ノール樹脂、硼素化合物に硼酸を用いた場合には、下記
の化1で示す反応が進み、硼素がフェノール樹脂中に固
定される。
硬化性樹脂液は通常の成形手段、例えば注型成形や遠心
成形等により成形され、また半硬化した段階では圧縮成
形、押出成形、射出成形等を適用して所定形状に成形し
たのち、70〜150℃の温度に加熱して硬化処理し、
硬化成形体が得られる。この硬化処理時に、硼素化合物
は熱硬化性樹脂と反応して樹脂成分に固定され、硼素化
合物の凝集が防止されるとともに熱硬化性樹脂中に均一
に分散することができる。例えば、熱硬化性樹脂にフェ
ノール樹脂、硼素化合物に硼酸を用いた場合には、下記
の化1で示す反応が進み、硼素がフェノール樹脂中に固
定される。
【0018】
【化1】
【0019】次いで、硬化成形体を窒素、アルゴン等の
非酸化性雰囲気に保持された加熱炉に移し、800℃以
上の温度域、好ましくは1000〜2500℃の温度範
囲で焼成炭化処理を施して熱硬化性樹脂成分をガラス状
カーボンに転化する。このようにして原子レベルの硼素
がガラス状カーボン組織の炭素と置換した結合構造から
なり、硼素が固溶された均一な連続相として分布する組
織性状を備え、0.1〜2重量%の硼素を含有するガラ
ス状カーボン材が製造される。
非酸化性雰囲気に保持された加熱炉に移し、800℃以
上の温度域、好ましくは1000〜2500℃の温度範
囲で焼成炭化処理を施して熱硬化性樹脂成分をガラス状
カーボンに転化する。このようにして原子レベルの硼素
がガラス状カーボン組織の炭素と置換した結合構造から
なり、硼素が固溶された均一な連続相として分布する組
織性状を備え、0.1〜2重量%の硼素を含有するガラ
ス状カーボン材が製造される。
【0020】本発明の硼素含有ガラス状カーボン材は、
組織内に炭素と硼素の粒界が存在しないアロイ状の連続
固溶相を呈し、巨視的にはガラス状カーボン単独の組織
構造と実質的に相違が認められず、他方、微視的にはガ
ラス状カーボン組織の一部の炭素が硼素に置換された結
合構造からなる複合形態を示す。この独特の組織性状に
より硼素が0.1〜2重量%という僅かな含有量でも優
れた耐酸化性を付与することが可能となる。
組織内に炭素と硼素の粒界が存在しないアロイ状の連続
固溶相を呈し、巨視的にはガラス状カーボン単独の組織
構造と実質的に相違が認められず、他方、微視的にはガ
ラス状カーボン組織の一部の炭素が硼素に置換された結
合構造からなる複合形態を示す。この独特の組織性状に
より硼素が0.1〜2重量%という僅かな含有量でも優
れた耐酸化性を付与することが可能となる。
【0021】また、本発明の製造方法によれば酸化硼素
や硼酸等の硼素化合物を、エタノール、メタノール等の
有機溶媒あるいは水に溶解し、この溶液を熱硬化性樹脂
液に所定の量比で添加混合して得られた硼素化合物が分
散した熱硬化性樹脂液を、真空下に脱泡処理して溶媒を
除去した後硬化成形し、次いで硬化成形体を非酸化性雰
囲気中で800℃以上の温度で焼成炭化処理することに
より、上記の独特の組織性状を備える硼素含有ガラス状
カーボン材を製造することが可能となる。
や硼酸等の硼素化合物を、エタノール、メタノール等の
有機溶媒あるいは水に溶解し、この溶液を熱硬化性樹脂
液に所定の量比で添加混合して得られた硼素化合物が分
散した熱硬化性樹脂液を、真空下に脱泡処理して溶媒を
除去した後硬化成形し、次いで硬化成形体を非酸化性雰
囲気中で800℃以上の温度で焼成炭化処理することに
より、上記の独特の組織性状を備える硼素含有ガラス状
カーボン材を製造することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しなが
ら詳細に説明する。
ら詳細に説明する。
【0023】実施例1〜4、比較例1〜2 硼酸〔関東化学(株)製、鹿特級〕を常温で、エタノー
ル又は水に撹拌しながら混合溶解し、更に30分間超音
波処理して飽和溶液を作製した。この硼酸溶液をフェノ
ール樹脂液〔フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、住友
デュレズ(株)製 PR940〕に異なる量比で滴下しながら
撹拌混合して、硼酸が均一に分散したフェノール樹脂液
(硼酸−フェノール樹脂液)を調製した。次いで5mmHg
の真空度に調節された容器内に硼酸−フェノール樹脂液
を入れ、12時間保持して溶媒であるエタノールあるい
は水を揮散除去するとともに混合過程で巻き込んだ空気
を除去したのち成形型に流し込み、吸引脱気した後12
0℃の温度に加熱して硬化した。このようにして得られ
た硬化成形体を窒素雰囲気に保持された加熱炉に入れ、
10℃/hrの昇温速度で2000℃まで加熱して焼成炭
化処理した。このようにして硼素含有量の異なる硼素含
有ガラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を製造
した。
ル又は水に撹拌しながら混合溶解し、更に30分間超音
波処理して飽和溶液を作製した。この硼酸溶液をフェノ
ール樹脂液〔フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、住友
デュレズ(株)製 PR940〕に異なる量比で滴下しながら
撹拌混合して、硼酸が均一に分散したフェノール樹脂液
(硼酸−フェノール樹脂液)を調製した。次いで5mmHg
の真空度に調節された容器内に硼酸−フェノール樹脂液
を入れ、12時間保持して溶媒であるエタノールあるい
は水を揮散除去するとともに混合過程で巻き込んだ空気
を除去したのち成形型に流し込み、吸引脱気した後12
0℃の温度に加熱して硬化した。このようにして得られ
た硬化成形体を窒素雰囲気に保持された加熱炉に入れ、
10℃/hrの昇温速度で2000℃まで加熱して焼成炭
化処理した。このようにして硼素含有量の異なる硼素含
有ガラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を製造
した。
【0024】比較例3 硼酸を添加しないフェノール樹脂液〔フェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂、住友デュレズ(株)製 PR940〕を原
料樹脂として用いたほかは、実施例と同一の方法、条件
で成形、硬化および焼成炭化処理を行って、硼素含有ガ
ラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を製造し
た。
ムアルデヒド樹脂、住友デュレズ(株)製 PR940〕を原
料樹脂として用いたほかは、実施例と同一の方法、条件
で成形、硬化および焼成炭化処理を行って、硼素含有ガ
ラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を製造し
た。
【0025】比較例4 平均粒子径1.2μm の炭化硼素粉末を実施例と同じフ
ェノール樹脂液に添加混合し、更に三本ロールで混練し
て炭化硼素粉末をフェノール樹脂中に均一に分散させ
た。次いで、真空脱泡処理したのち、実施例と同一の方
法、条件で成形、硬化および焼成炭化処理を行って、硼
素含有ガラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を
製造した。
ェノール樹脂液に添加混合し、更に三本ロールで混練し
て炭化硼素粉末をフェノール樹脂中に均一に分散させ
た。次いで、真空脱泡処理したのち、実施例と同一の方
法、条件で成形、硬化および焼成炭化処理を行って、硼
素含有ガラス状カーボン材(縦横 200mm、厚さ 3mm)を
製造した。
【0026】得られた各ガラス状カーボン材から縦25m
m、横60mm、厚さ 2mmのサンプルを作製して曲げ強度お
よび耐酸化性能を評価し、その結果を硼素含有量等とと
もに表1に示した。なお、耐酸化性能は空気中で950
℃の温度に調節された電気炉中に60分間保持した時の
重量減少率で示した。
m、横60mm、厚さ 2mmのサンプルを作製して曲げ強度お
よび耐酸化性能を評価し、その結果を硼素含有量等とと
もに表1に示した。なお、耐酸化性能は空気中で950
℃の温度に調節された電気炉中に60分間保持した時の
重量減少率で示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、硼素含有量が0.1〜2
重量%の範囲にある実施例のガラス状カーボン材は酸化
消耗による重量減少率が低く耐酸化性能が向上してお
り、また曲げ強度も高位にあることが判る。これに対し
て硼素含有量が0.1%を下回る比較例1では酸化によ
る重量減少率が著しく大きく、また硼素含有量が2重量
%を越える比較例2では硼素の分散が不均質化するため
に曲げ強度が低下し、耐酸化性も劣ることが認められ
る。更に硼素成分を添加しない比較例3では耐酸化性が
著しく劣り、また炭化硼素粉末を混合した比較例4では
硼素含有量が2重量%であるにも係わらず、耐酸化性お
よび曲げ強度とも低位にあることが明らかである。
重量%の範囲にある実施例のガラス状カーボン材は酸化
消耗による重量減少率が低く耐酸化性能が向上してお
り、また曲げ強度も高位にあることが判る。これに対し
て硼素含有量が0.1%を下回る比較例1では酸化によ
る重量減少率が著しく大きく、また硼素含有量が2重量
%を越える比較例2では硼素の分散が不均質化するため
に曲げ強度が低下し、耐酸化性も劣ることが認められ
る。更に硼素成分を添加しない比較例3では耐酸化性が
著しく劣り、また炭化硼素粉末を混合した比較例4では
硼素含有量が2重量%であるにも係わらず、耐酸化性お
よび曲げ強度とも低位にあることが明らかである。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の硼素含有ガラス
状カーボン材によれば、0.1〜2重量%の硼素を原子
レベルで均一な連続相としてガラス状カーボンの組織中
に固溶して分布する独特な組織性状により、優れた耐酸
化性能を備えるガラス状カーボン材を提供することが可
能となる。また、本発明の製造方法によれば、この硼素
含有ガラス状カーボン材を容易に製造することができ、
高温酸化性雰囲気下で使用される各種工業用部材及びそ
の製造方法として極めて有用である。
状カーボン材によれば、0.1〜2重量%の硼素を原子
レベルで均一な連続相としてガラス状カーボンの組織中
に固溶して分布する独特な組織性状により、優れた耐酸
化性能を備えるガラス状カーボン材を提供することが可
能となる。また、本発明の製造方法によれば、この硼素
含有ガラス状カーボン材を容易に製造することができ、
高温酸化性雰囲気下で使用される各種工業用部材及びそ
の製造方法として極めて有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 硼素化合物を分散した熱硬化性樹脂の成
形体を焼成炭化して得られ、原子レベルの硼素がガラス
状カーボン組織中に0.1〜2重量%の割合で固溶した
均一な連続相として分布する組織性状を備えることを特
徴とする硼素含有ガラス状カーボン材。 - 【請求項2】 硼素化合物が酸化硼素又は硼酸である請
求項1記載の硼素含有ガラス状カーボン材。 - 【請求項3】 硼素化合物を有機溶媒あるいは水に溶解
した硼素化合物溶液を熱硬化性樹脂液に添加しながら撹
拌混合し、硼素化合物が分散した熱硬化性樹脂液を真空
脱泡処理して有機溶媒あるいは水を除去したのち硬化成
形し、次いで硬化成形体を非酸化性雰囲気中で800℃
以上の温度により焼成炭化処理することを特徴とする硼
素含有ガラス状カーボン材の製造方法。 - 【請求項4】 硼素化合物を、最終的にガラス状カーボ
ン組織中に占める硼素含有量が0.1〜2重量%になる
量比で熱硬化性樹脂液に添加混合する請求項3記載の硼
素含有ガラス状カーボン材の製造方法。 - 【請求項5】 硼素化合物が酸化硼素又は硼酸である請
求項3又は4記載の硼素含有ガラス状カーボン材の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9078872A JPH10251061A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9078872A JPH10251061A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10251061A true JPH10251061A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13673924
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9078872A Pending JPH10251061A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 硼素含有ガラス状カーボン材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10251061A (ja) |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP9078872A patent/JPH10251061A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050228 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051209 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060428 |