JPH10252379A - 鋼製立坑における坑口等の開口周りの凍結工法及びこ れに用いる凍結装置 - Google Patents

鋼製立坑における坑口等の開口周りの凍結工法及びこ れに用いる凍結装置

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JPH10252379A
JPH10252379A JP5889097A JP5889097A JPH10252379A JP H10252379 A JPH10252379 A JP H10252379A JP 5889097 A JP5889097 A JP 5889097A JP 5889097 A JP5889097 A JP 5889097A JP H10252379 A JPH10252379 A JP H10252379A
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治 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立坑ケーシングに開ける発進または到達用の
坑口に対応する位置の地山を確実に凍土化して坑口を開
ける作業の際の地山の崩壊及び土砂のケーシング内への
流れ込みを防止すること。 【解決手段】 低温液化ガスまたは循環使用可能な冷却
流体が供給されるハウジング2をケーシング1の発進坑
口1aに対応するようにこのケーシング1に一体に設け
ておき、ケーシング1を地盤中に圧入した後に低温液化
ガスまたは冷却流体をハウジング2に送り込むことによ
って、発進坑口1aの周縁の地山を集中的に凍土化可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば下水道管
渠や地中電線管の施設工事として採用されている推進工
法におけるケーシング立坑の発進坑口や到達坑口及びケ
ーシング立坑から行う短いトンネルの狸堀りの周りの地
山を凍結させて凍土化させる凍結工法及びこれに用いる
凍結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工的に地盤を凍結して各種の土木工事
を施工するための地盤凍結工法が従来から知られてお
り、たとえばシールド工法においても多用されている。
この凍結工法は、凍土化する地盤中に凍結管を地上から
差し込み、凍結管に凍結用のたとえば液体窒素等を注入
することによって、凍土化するというものである。
【0003】図9は円形ケーシングを土留め壁とし構築
するケーシング立坑に対して、推進工法のための発進坑
口周りの地山を凍土化し、発進坑口からの土砂の流入を
防止する低温液化ガス方式の概略図である。
【0004】図において、下端にコンクリート底版52
を装着した鋼製の円形の立坑ケーシング51が地盤中に
発進用立坑として圧入され、その周りを凍土化した後に
開口処理される発進坑口53をケーシング51の周壁に
開けている。
【0005】立坑ケーシング51周りの地山の崩落によ
る発進坑口53からの土砂の流れ込みを防止するための
地山の凍結処理は、ボーリングロッドでケーシング51
に沿って複数のボーリング孔54を削孔してその下端を
ケーシング51の発進坑口53の近傍に位置させ、この
ボーリング孔54に凍結管56を挿入し、エバポレータ
57から液体窒素を注入することによって行う。このよ
うな液体窒素注入の操作により、図中の斜線で示す部分
の地盤を凍土化し、これによって、発進坑口53を開く
ときの土砂の流れ込みを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
薬液注入の工法では、ボーリング作業から始めることに
なるので、この作業のためのボーリングマシン55を地
上側に設置するほか液体窒素注入のためのエバポレータ
57や凍結管56等を設備しなければならない。このた
め、地上側に配置する機器が大がかりとなり、施工性及
び作業負担の面での障害が大きい。
【0007】また、ボーリングロッドの下端の位置を発
進坑口53に合わせて削孔することが必要である。この
場合、削孔深度を計測しながらボーリングすればよい
が、鉛直姿勢の立坑ケーシング51に対してボーリング
ロッドが斜めに打設されてしまうような地盤構造である
と、薬液の注入点がずれてしまい、発進坑口53周りの
凍土化に失敗する恐れもある。
【0008】更に、発進坑口53が開口し所定止水器が
取り付けられた後に推進機への障害を防ぐために、凍結
管56は抜去する必要がある。この凍結管56の抜去の
時期は、未だ凍土が解凍していないことが多く、抜去に
はボーリングマシン55を使用して強力なトルクと引き
抜き力とを与えて行うことになり、地盤に対する作用力
も大きい。このため、凍結の強度が大きい場合には、凍
結管56の抜去によって地山の漏れが生じることもあ
り、路面の陥没防止のためにボーリング孔54に土砂を
充填する作業も必要となる。
【0009】また、凍結管56による地山凍土化におけ
る冷却・抜熱は、凍結管56から地山へそして地山から
立坑ケーシング51の順での冷却及び逆の順序での抜熱
が進む。このような伝熱形態では、一番肝心なケーシン
グ51と地山の間の凍土との肌付きが不十分となる事態
も生じてしまいやすいので、漏水する恐れもある。
【0010】また、地山の条件次第ではボーリング削孔
が崩落しやすくて自立しない場合もある。この場合で
は、凍結管56を地盤中に直に打撃または圧入する施工
となるので、これらの打撃や圧入のための設備装置を地
上側に配置しなければならず、設備が大がかりとなって
しまう。
【0011】本発明は、ボーリング削孔に投入する凍結
管による凍土化に代えて、ケーシング等の鋼製立坑に開
ける坑口等の開口部分に整合した地山を確実に凍土化で
きるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の坑口等の開口周
りの凍結工法は、鋼製の立坑を地盤中に圧入した後にこ
の立坑内の土砂を掘削・排土し、必要に応じて開口を所
定の部位に開ける施工において、開口付近の周辺地山を
照準域として、立坑が地山に臨む部分によって局所的に
冷却して凍土化することを特徴とする。
【0013】この凍結工法においては、開口を発進や到
達用の坑口または既設管への接続口用とし、開口付近の
周辺地山に対応する立坑の部位に冷却流体を供給または
循環させることによって、周辺地山を局所的に冷却する
ようにしてもよい。そして、周辺地山の凍土化の後に、
立坑に発進または到達用の坑口や既設管との配管接続の
ための接続口等の開口を立坑に開けるように作業すれ
ば、開口を開ける作業中またはその後の一定期間の間を
通じて土砂の開口から立坑内への流入がない。
【0014】また、本発明の坑口等の開口周りの凍結装
置は、立坑の開口部位に装着され、少なくとも一部が地
山との間に臨む伝熱面とした中空のハウジングと、この
ハウジングに立坑の内部側から冷却流体を供給または循
環させる冷却流体の供給系とを備えてなることを特徴と
する。
【0015】このような凍結装置の構成においては、ハ
ウジングを、開口に対応する位置の立坑の外面に装着し
たり、開口に対応する位置の立坑の内面に装着し、地山
に臨む伝熱面を立坑の外周面内に含ませたり、立坑の肉
厚と同じ容量幅としてこの立坑の坑口形成部分に装着し
たりすることができる。
【0016】更に、ハウジングの内部には、冷却流体が
伝熱面を沿う流れの流線長さを蛇行状にして延長させる
ガイドを備えたものとしてもよい。
【0017】なお、本発明において、鋼製の立坑とは、
たとえば円形のケーシングやシートパイル及びライナー
更には鋼矢板等を含むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は円形ケーシングを用いた立
坑に推進工法用の発進坑口を開ける作業に本発明の凍結
工法を適用した例を示す概略図である。
【0019】図において、立坑の土留めとして設ける円
形のケーシング1が立坑の下端に形成した底版コンクリ
ート21に接合した状態で地盤中に沈設されている。ケ
ーシング1は、従来からの円形ケーシング工法による立
坑の施工に利用されている一般的なものであり、下端側
の周壁であって発進坑口1aを開ける部分に相当する位
置に凍結装置のハウジング2を一体に備えている。
【0020】この凍結装置2は、図2に示すように、発
進坑口1aの開口軸線方向に見て円形の断面形状を持つ
もので、発進坑口1aよりも外径が小さなリング2aと
これに接合した面板2bとによって構成され、リング2
aをケーシング1の外周面に突き当てて、溶接法によっ
てこのケーシング1に一体に接合されている。そして、
このハウジング2のリング2aに囲まれたケーシング1
の周壁には、2ヵ所に冷媒の流入口1b及び流出口1c
を開けている。これらの流入口1b及び流出口1cは図
1に示すように、ハウジング2内において下側及び上側
に配置されたものである。
【0021】流入口1bから供給される冷媒を、ハウジ
ング1内をほぼ一様の流量分布で流出口1cへ流すため
及び伝熱面積の増大のために、図2に示すようにハウジ
ング1内には複数のフィン状のガイド2cをケーシング
1の周方向に間隔をおいて配列している。これらのガイ
ド2cは、面板2bの内壁側にそれぞれ溶接法によって
一体に接合されたものであり、これによって流入口1b
から流出口1cまでの流路はガイド2cどうしの間の複
数の流路に分割される。
【0022】凍結装置に供給する冷媒は、図示の例で
は、たとえば液体窒素等の低温液化ガスであり、この低
温液化ガスを供給するコールドエバポレータ3を地上側
に設置する。このコールドエバポレータ3は、従来の液
体窒素を利用した急速凍結工法に利用されてきた一般的
なものが利用でき、断熱構造を持つ容器内に液体窒素を
封入しておき、この容器内で発生する気化ガスの圧力を
外部に逃がすと同時にこの圧力を利用して封入液体窒素
を加圧可能とした構成を持つ。
【0023】コールドエバポレータ3と凍結装置のハウ
ジング2の流入口1bとの間には冷媒供給管4を配管す
るとともに、流出口1cには放出管5を接続する。冷媒
供給管4は、液体窒素等の低温液化ガスの内部流路での
気化を防ぐための断熱材4aを周りに設けるとともに、
コールドエバポレータ3からの低温液化ガス供給・停止
及び流量調整等のためのバルブユニット4bを配置した
ものである。また、放出管5はケーシング1から地上側
に突き出る長さを持ち、その上端を大気に開放したもの
である。なお、これらの冷媒供給管4及び放出管5は、
ケーシング1を地盤中に沈設した後に、このケーシング
1内の空間を利用して配管され、凍結工事が完了すれば
ケーシング1から撤去される。
【0024】更に、凍結装置のハウジング2に対してケ
ーシング1の半径方向に対向する位置には、ケーシング
1の地盤への圧入の際の直進性を保つためのダミーブロ
ック6を設ける。このダミーブロック6は、ハウジング
2の外郭形状及び嵩と全く同じものとしたものであり、
これをケーシング1の外周面に備えることによって、ケ
ーシング1を旋回または揺動式で地盤中に圧入していく
ときに、ケーシング1周りでの抵抗負荷を一様化でき、
圧入方向の直進性が維持される。
【0025】なお、図示の例では、ハウジング2もダミ
ーブロック6をその外郭のコーナ部分が直角状の角形と
しているが、ケーシング1の旋回または揺動圧入及び撤
去をしやすくするために、それぞれのケーシング1から
の外側への突き出し方向に向けて先細りするテーパ状と
することが好ましい。すなわち、ハウジング2及びダミ
ーブロック6を円錐台状に近い形状とすることによっ
て、旋回または揺動圧入及び撤去時の地盤からの抵抗を
少なくすることができる。
【0026】以上の構成において、ケーシング1を地盤
中に圧入した後に、冷媒供給管4及び放出管5をケーシ
ング1内に引き込み、これらをそれぞれ流入口1b及び
流出口1cに接続する。この配管後に、コールドエバポ
レータ4から液体窒素等の低温液化ガスをハウジング2
内にほぼ定量ずつ供給すると、図2に示すように低温液
化ガスがハウジング2内にほぼ一定のレベルに保たれた
状態に維持することができる。
【0027】すなわち、ハウジング2内は放出管5を介
して大気に開放しているので、供給された低温液化ガス
はハウジング2内で気化してその気化ガス分が放出管5
から大気に放出される。したがって、ハウジング2内の
容量及び放出管5の流路面積によって決まる気化ガスの
発生量及び放出量に見合うようにコールドエバポレータ
3から低温液化ガスを供給することによって、ハウジン
グ2内での液レベルをほぼ一定としながら気化させるこ
とができる。なお、ハウジング2内での液レベルは、図
2において半分以下程度に低いことが好ましく、気化ガ
スがガイド2cに沿って複数流とすること及び伝熱面積
の増加を図ることで、抜熱効果を上げることができる。
【0028】このようにして、ハウジング2内で低温液
化ガスを気化させてこれを放出管5から大気中に放出す
ることにより、この気化による気化熱及び顕熱を利用し
て地盤の地山を冷却することができる。そして、これら
の気化熱及び顕熱による抜熱は、ハウジング2を伝熱面
とすると同時にこのハウジン2に熱伝達可能に一体に接
合された近傍のケーシング1の周面も伝熱面として作用
する。したがって、低温液化ガスの供給開始後には、図
1において地山中の斜線を施した部分がケーシング1に
近い部分から次第に凍結していく。
【0029】以上のように、ケーシング1に予め凍結装
置のハウジング2を発進坑口1aの位置に相当して一体
に設けておくことによって、ハウジング2に低温液化ガ
スを送り込むだけで、発進坑口1a周りの地山を凍結硬
化させることができる。
【0030】図3は冷媒として従来周知のブラインを循
環させることによって凍結操作を可能とした例であり、
ケーシング1の発進坑口1aに対するハウジング2の配
置やダミーブロック6を設ける点は先の例と同様であ
り、同じ部材については共通の符号で指示する。
【0031】凍結装置のハウジング2内には、図4に示
すように、横向きの姿勢のフィン状のガイド2dを流入
口1bから流出口1cに向かうブラインを蛇行させるよ
うに左右に違えた配置として組み込んでいる。そして、
ブラインは流入口1bに接続した供給管7a及び流出口
1cに接続した還流管7bを介して地上側に配置したブ
ライン冷却ユニット8とハウジング2内との間を循環す
る。なお、供給管7a及び還流管7bは、先の例と同様
に断熱材によって断熱されたものである。
【0032】ブライン冷却ユニット8は、タンク8a,
ポンプ8b,冷却器8c,凝縮器8d,コンプレッサ8
e及びその駆動用のモータ8fを備えた従来周知のもの
である。そして、ブラインは塩化カルシウム溶液等の零
下30℃程度の不凍液を利用したもので、コンプレッサ
8eによって圧縮された冷媒が凝縮器8dによって液化
され冷却器8cによってブラインと熱交換してブライン
を冷却して供給管7aによってハウジング2内に送り込
んで後、還流管7bから回収される。
【0033】このようなブラインの循環によっても、零
下30℃程度の流体がハウジング2内を通過するとき
に、このハウジング2の周囲の地山と熱交換して凍土化
させる。そして、図4に示したようなガイド2dの配列
とすることで、流入口1bから流出口1cに向かうブラ
インの流れを蛇行化させることによって、ブライン流線
を長くすることができ、面板2bによる地山に対する伝
熱を促進させて凍結時間を短縮させることができる。
【0034】図5の例は、凍結装置のハウジングをケー
シング1の肉厚にほぼ含まれるように組み込んだ例であ
る。なお、この例は図1及び図2に示した低温液化ガス
を冷媒としたものであり、同じ部材については共通の符
号で示す。
【0035】ケーシング1には予め発進坑口1aを開け
ておき、この中に凍結装置のハウジング9を予め嵌め込
むことによってハウジング9を一体としてケーシング1
を地盤中に圧入する。ハウジング9は、図1及び図2に
示したものと同様に外側に臨む面板9bとその外周に接
合されて発進坑口1aの中に嵌合固定される環状のリン
グ9aを備えるとともに、リング9aの一端側であって
ケーシング1の内部に臨む面に内板9cを接合したもの
である。そして、この内板9cには、図2で示したもの
と同様に、下側に冷媒供給管4を接続する流入口9d及
び上側に放出管5を接続する流出口9eを開けて低温液
化ガスのハウジング9内への受け入れ及び放出管9eに
よる外気へのガスの排気を可能とする。なお、ハウジン
グ9内には、図2で示したものと同様に複数のフィン状
のガイドを設けている。
【0036】ここで、ハウジング9は図示の例ではケー
シング1の外周面から少し外に突き出たものとなってい
るが、その外面をケーシング1の表面に一致させた配置
とすることも無論可能である。また、ハウジング9はケ
ーシング1の内周面からも内側に突き出ているが、これ
も同様にハウジング9の内板9cをケーシング1の内周
面に一致させた形状とすることもできる。すなわち、ケ
ーシング1に対するハウジング9の配置は、先の例で述
べたように外側に突き出して地山に対する伝熱面積を大
きくするだけでなく、ケーシング1の肉厚が適切であっ
てハウジング9内に供給される低温液化ガスの流量も地
山の冷却に十分なものが確保できるという条件を満たし
さえすれば、ケーシング1の肉厚断面内に納まる嵩とす
ることができる。
【0037】このようなケーシング1に対するハウジン
グ9の組込みにおいては、面板9aがケーシング1の外
側に突き出ない配置としておけば、地盤中への圧入時に
はハウジング9が抵抗として作用しないので、先の例の
ようにダミーブロックを設ける必要がなくなる。また、
ケーシング1の内周面に内板9cを合わせるようにする
と、ケーシング1内に掘削バケットを投入して掘削する
ときでもハウジング9がこのバケットに接触することが
なく、その損傷を免れる。
【0038】この例においても、ハウジング9に低温液
化ガスを供給することによって、ハウジング9の面板9
b及びハウジング9周りのケーシング1自体が冷却され
て、その周囲の地山から抜熱して図中の斜線で示した部
分の地盤を凍土化することができる。そして、この凍土
化の後には、冷媒供給管4及び放出管5の配管を外すと
ともにハウジング9自体をガス切断によってケーシング
1の内側に取り外せば、この部分を発進坑口1aとして
そのまま開口させることができる。
【0039】図6及び図7(a)〜(c)は図5のハウ
ジング9を用いたケーシング1を地盤中に圧入して発進
坑口を施工する要領を順に示す概略図である。
【0040】立坑掘削機31に連接した揺動バンド32
に保持されたハウジング9一体のケーシング1が地中に
圧入された後に、このケーシング1内の土砂をハイドロ
グラブ33によって掘削する。そして、発進坑口の向き
を調整してケーシング1の姿勢を決めた後に、ケーシン
グ1の下端にコンクリート底版21を打設施工した後
に、ケーシング1内に残っている水をポンプで揚水して
排出する。
【0041】この後、図5に示したようにコールドエバ
ポレータ3からの冷媒供給管4及び地上側に上端を開放
させた放出管5をそれぞれ流入口9d及び流出口9eに
接続して、低温液化ガスをハウジング9に供給すれば、
図7の(a)に示すように発進坑口1a周りの地山が凍
結して凍土41化される。この凍土41化の完了後に
は、配管を外すと共にハウジング9自体も図7の(a)
に示すように発進坑口1aからガス切断する。このガス
切断の際には、発進坑口1aの内周を新たに切断し直し
て整形すると同時に、凍土41の中をくり抜いて堀込み
42を入れ、この堀込み42の中に坑口金具43を差し
込んでケーシング1に溶接接合することによって、発進
坑口の取付けの施工が完了する。
【0042】以上の各例において、ハウジング2,9は
いずれもケーシング1の外周に被さっているので遮水壁
を構成することができ、ケーシング1の圧入後の掘削時
や凍結操作時においても外部からケーシング1内への水
の浸入を防止でき、揚水作業の負担が軽減される。ま
た、ハウジング2,9をコアとするようにしてその周囲
の地山を集中的に凍結させるので、従来例で示したよう
な凍結管による凍土化に比べると発進坑口1aに適正に
対応した地山の凍土化が可能であり、地山凍結のための
冷媒の供給量の低減及び凍結時間の短縮が図れる。
【0043】また、特に図5及び図6に示したハウジン
グ9は、地山の凍土化の工程が終わればケーシング1か
ら取り外すことでその部分を発進坑口1aとしてそのま
ま利用できるので、作業性が向上するだけでなく、取り
外したハウジング9を別のケーシングに取り付けて再利
用することができ、設備費用の低減も可能となる。
【0044】図8は更に別の例であって、これはケーシ
ング1の外周に設けた凍結装置のハウジング10に対し
てボンベ15から液化窒素ガスを送り込むようにし、地
上側の設備を一切省略できるようにしたものである。
【0045】ハウジング10は、たとば図1に示したも
のと同様に面板10bとフランジ10aとを備えてその
内部を液化窒素ガスの供給空間としたものであり、この
空間に含まれる部分のケーシング1には2個の供給口1
d,1eとガス抜き孔1fを開けている。供給口1d,
1eは同図の(c)に示すようにハウジング10によて
囲まれる部分の左右の両端に配置され、ガス抜き孔1f
はその中央に位置している。そして、ハウジング10の
内部には、図中の矢印に示す方向に液化窒素ガスが流れ
るようにガイドを配列し、ガスを蛇行させながらガス抜
き孔1fから排出させるようにする。
【0046】このようなボンベ15を利用するもので
は、その2本のホース15a,15bを供給口1d,1
eに接続して液化窒素ガスをハウジング10内に供給す
れば、このハウジング10内で気化した後にガス抜き孔
1fから排出され、このガス流れによってハウジング1
0周りの地山が先の例と同様に凍土化される。
【0047】なお、以上の例では発進坑口周りの凍土化
について説明したが、到達坑口についても全く同様の操
作で施工することができる。
【0048】また、推進工法に適用できるだけでなく、
たとえば地下に設けられた既設の下水道管等の配管の近
傍にマンホールを割り込み式として新設するような場合
でも、マンホールを円形の立坑ケーシングで構築した後
に、既設配管への接続口を開ける部分に本発明の凍結装
置を配置すれば、この接続口と既設配管までの間の地山
を凍土化することができる。したがって、接続口を開口
させた後にこの凍土化された地山を狸堀りする施工を行
えば、マンホールと既設配管との間に接続管を差し込む
孔を地山に開けることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明では、たとえば円形ケーシング等
の鋼製立坑に開ける発進用または到達用の坑口や既設配
管との接合口等の開口に対応させて周辺地山を局所的に
冷却するので、従来の薬液注入による地山の凍結に比べ
ると、坑口周りを確実に凍土化することができるととも
に冷媒薬液消費量も少なくて済み、凍土は溶解後に元の
地山に完全に復帰するので、公害の発生も防止できる。
【0050】また、立坑に装着した冷却用のハウジング
に低温液化ガスやブラインを送って凍土化することによ
って、従来の凍結管を用いる凍結処理よりも設備が簡単
になり、施工性の向上及び作業負担の軽減が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円形ケーシングを用いた立坑に推進工法用の
発進坑口を開ける作業に際して本発明の凍結工法を適用
した例を示す概略図である。
【図2】 ハウジングに連通する流入口,流出口及びガ
イドの配置を示すためのハウジングの断面図である。
【図3】 ブラインを冷却流体としてハウジングに対し
て循環供給する例を示す概略図である。
【図4】 図3の例におけるハウジングの要部を示す断
面図である。
【図5】 ハウジングをケーシングの肉厚内のほぼ中央
に収める例とした概略図である。
【図6】 立坑ケーシングの施工状況であって立坑掘削
機によりケーシングを地盤中に圧入した状態を示す断面
図である。
【図7】 図6の施工において坑口形成までの工程を示
す図であって、(a)は坑口周りの凍土化の工程、
(b)は凍土に堀込みを入れる工程及び(c)は坑口金
具を取付ける最終工程を示す。
【図8】 ケーシングの外周に凍結装置のハウジングを
備えてこれにボンベから低温液化ガスを供給する例であ
って、(a)はその概略図、(b)はハウジングとケー
シングの要部縦断面図、(c)はハウジング内のガス流
れを示す図である。
【図9】 従来の凍結管による凍土化の施工を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ケーシング 1a 発進坑口 1b 流入口 1c 流出口 1d,1e 供給口 1f ガス抜き孔 2 ハウジング 2a リング 2b 面板 2e,2d ガイド 3 コールドエバポレータ 4 冷媒供給管 5 放出管 6 ダミーブロック 7a 供給管 7b 還流管 8 ブライン供給ユニット 9 ハウジング 9a リング 9b 面板 9c 内板 9d 流入口 9e 流出口 10 ハウジング 10a リング 10b 面板 10c ガイド 21 コンクリート底版 31 立坑掘削機 32 揺動バンド 33 ハイドログラブ 41 凍土 42 堀込み 43 坑口金具

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製の立坑を地盤中に圧入した後にこの
    立坑内の土砂を掘削・排土し、必要に応じて開口を所定
    の部位に開ける施工において、開口付近の周辺地山を照
    準域として、立坑が地山に臨む部分によって局所的に冷
    却して凍土化する鋼製立坑における坑口等の開口周りの
    凍結工法。
  2. 【請求項2】 開口を発進や到達用の坑口または既設管
    への接続口用とし、開口付近の周辺地山に対応する立坑
    の部位に冷却流体を供給または循環させることによっ
    て、周辺地山を局所的に冷却する請求項1記載の鋼製立
    坑における坑口等の開口周りの凍結工法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の凍結工法に用い
    る凍結装置であって、立坑の開口部位に装着され少なく
    とも一部が地山との間に臨む伝熱面とした中空のハウジ
    ングと、このハウジングに立坑の内部側から冷却流体を
    供給または循環させる冷却流体の供給系とを備えてなる
    鋼製立坑における坑口等の開口周りの凍結装置。
  4. 【請求項4】 ハウジングを、開口に対応する位置の立
    坑の外面に装着してなる請求項3記載の鋼製立坑におけ
    る坑口等の開口周りの凍結装置。
  5. 【請求項5】 ハウジングを、開口に対応する位置の立
    坑の内面に装着し、地山に臨む伝熱面を立坑の外周面内
    に含ませてなる請求項3記載の鋼製立坑における坑口等
    の開口周りの凍結装置。
  6. 【請求項6】 ハウジングを、立坑の肉厚と同じ容量幅
    としてこの立坑の坑口形成部分に着脱可能に装着してな
    る請求項3記載の鋼製立坑における坑口等の開口周りの
    凍結装置。
  7. 【請求項7】 ハウジングの内部には、冷却流体が伝熱
    面を沿う流れの流線長さを蛇行状にして延長させるガイ
    ドを備えてなる請求項3から6のいずれかに記載の鋼製
    立坑における坑口等の開口周りの凍結装置。
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