JPH10252632A - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃焼制御装置

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JPH10252632A
JPH10252632A JP5201797A JP5201797A JPH10252632A JP H10252632 A JPH10252632 A JP H10252632A JP 5201797 A JP5201797 A JP 5201797A JP 5201797 A JP5201797 A JP 5201797A JP H10252632 A JPH10252632 A JP H10252632A
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knocking
crank position
circuit
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Kazuhiko Matsuda
一彦 松田
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Fuji Heavy Industries Ltd
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】点火プラグを介して検出したイオン電流波形に
基づき最適点火時期を設定する。 【解決手段】火花放電期間後に点火プラグ1に流れるイ
オン電流波形をイオン電流検出回路4で検出し、このイ
オン電流波形をローパスフィルタ回路21及びハイパスフ
ィルタ回路22で信号処理し、制御回路23ではローパスフ
ィルタ回路21で処理したイオン電流値に基づき燃焼圧と
相関のあるイオン電流値を検出すると共にハイパスフィ
ルタ回路22で処理したイオン電流値に基づきノッキング
と相関のあるイオン電流振動値を算出する。そして、イ
オン電流振動値に基づきノッキングの有無を判別し、ノ
ッキング非検出状態のときはイオン電流のピーク値に基
づいて算出した最大燃焼圧クランク位置から得られる実
際の点火時期が最適点火クランク位置に近づくように点
火進角度を進角させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼の際の点火プ
ラグに流れるイオン電流を検出し、該検出値に基づき最
大燃焼圧クランク位置を算出すると共に最適点火時期を
設定するエンジンの燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などの車両に搭載されてい
るエンジンの燃焼状態を、燃焼の際の点火プラグに流れ
るイオン電流を計測し、その計測値に基づいて評価する
技術が知られている。
【0003】例えば、特開平6−159208号公報、
或いは特開平6−33855号公報には燃焼時の点火プ
ラグに流れるイオン電流を計測し、このイオン電流の特
性やイオン電流が最大値となる時間とから最大トルクを
得るように点火時期を制御する、いわゆるMBT(Mini
mum Spark Advance for Best Torque)制御の技術が開
示されている。
【0004】又、特開平5−149230号公報には、
点火後の特定時期、或いは特定クランク位置において点
火プラグに流れるイオン電流を検出し、このイオン電流
値が設定レベル以上のときはノッキング発生と判定する
技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イオン電流は
機械振動等によるノイズの影響を受けて変化しやすく、
イオン電流に基づき点火時期を制御する技術では、上記
ノイズの影響の少ない定速運転領域でのみMBT制御が
可能で、例えば加速走行などの過渡運転時には行うこと
ができず、MBT制御を行う運転領域が限定される。
【0006】同様に、点火後の特定時期、或いは特定ク
ランク角におけるイオン電流値の大きさでノッキング発
生の有無を判定する技術においても、上記ノイズの影響
で上記イオン電流波形が変化しやすいため、ノッキング
発生の有無を正確に検出することが困難である。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、機械振動等に
よるノイズの影響を受けることなく、イオン電流波形に
基づいて、常にMBT制御を行うことができると共に、
ノッキング発生の有無を正確に検出することのできるエ
ンジンの燃焼制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による第1のエンジンの燃焼制御装置は、点火プ
ラグにイオン電流検出用電圧を印加し、燃焼反応によっ
て生成されたイオンが上記点火プラグの両電極に移動す
るときに流れるイオン電流を検出するイオン電流検出回
路と、上記イオン電流検出回路で検出したイオン電流か
ら特定周波数成分を除去するフィルタ回路とを備えるも
のにおいて、制御回路に、上記点火プラグによる火花放
電期間後の特定期間の上記フィルタ回路を通過したイオ
ン電流波形に基づきイオン電流値を特定周期毎に検出す
ると共に記憶回路に格納する手段と、上記記憶回路に格
納されている上記イオン電流値を最初のデータから最後
のデータ方向へ検索する手段と、検索した上記データの
中から2度目の上記イオン電流値のピーク値を検出する
手段と、上記ピーク値に対応するクランク位置を算出す
る手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】本発明による第2のエンジンの燃焼制御装
置は、点火プラグにイオン電流検出用電圧を印加し、燃
焼反応によって生成されたイオンが上記点火プラグの両
電極に移動するときに流れるイオン電流を検出するイオ
ン電流検出回路と、上記イオン電流検出回路で検出した
イオン電流から特定周波数成分を除去するフィルタ回路
とを備えるものにおいて、制御回路に、上記点火プラグ
による火花放電期間後の特定期間の上記フィルタ回路を
通過したイオン電流波形に基づきイオン電流値を特定周
期毎に検出すると共に記憶回路に格納する手段と、上記
記憶回路に格納されているイオン電流値を最後のデータ
から最初のデータ方向へ検索する手段と、検索した上記
データの中から最初のイオン電流値のピーク値を検出す
る手段と、上記ピーク値に対応するクランク位置を算出
する手段とを設けたことを特徴とする。
【0010】本発明による第3のエンジンの燃焼制御装
置は、第1或いは第2のエンジンの燃焼制御装置におい
て、前記制御回路では検出した前記クランク位置をエン
ジン運転領域毎に加重平均処理して最大燃焼圧クランク
位置を算出することを特徴とする。
【0011】本発明による第4のエンジンの燃焼制御装
置は、第1或いは第2のエンジンの燃焼制御装置におい
て、前記制御回路では検出した前記クランク位置をエン
ジン運転領域毎に移動平均処理して最大燃焼圧クランク
位置を算出することを特徴とする。
【0012】第5のエンジンの燃焼制御装置は、点火プ
ラグにイオン電流検出用電圧を印加し、燃焼反応によっ
て生成されたイオンが上記点火プラグの両電極に移動す
るときに流れるイオン電流を検出するイオン電流検出回
路と、上記イオン電流検出回路で検出したイオン電流か
ら特定周波数成分を除去するフィルタ回路とを備えるも
のにおいて、制御回路に、上記点火プラグによる火花放
電期間後の特定期間の上記フィルタ回路を通過したイオ
ン電流波形に基づきイオン電流振動値を特定周期毎に記
憶すると共に記憶回路に格納する手段と、上記記憶回路
に格納されているイオン電流振動値を最初のデータから
最後のデータ方向へ検索する手段と、検索した上記デー
タ間の変化量に基づきノッキング値を設定する手段と、
上記ノッキング値に基づいてノッキング発生の有無を判
別する手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】本発明による第6のエンジンの燃焼制御装
置は、第1のエンジンの燃焼制御装置において、前記制
御回路に、上記点火プラグによる火花放電期間後の特定
期間の上記フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基
づきイオン電流振動値を特定周期毎に検出すると共に記
憶回路に格納する手段と、上記クランク位置をエンジン
運転領域毎に平均化処理して最大燃焼圧クランク位置を
算出する手段と、上記記憶回路に記憶した上記イオン電
流振動値を最後のデータから最初のデータ方向へ検索す
る手段と、検索したデータ間の変化量の積算値からノッ
キング値を算出する手段と、上記ノッキング値に基づき
ノッキング発生の有無を検出する手段と、ノッキング発
生時は点火時期マップの領域に格納されている点火進角
度を遅角補正した値で更新し、又ノッキング非検出時は
上記最大燃焼圧クランク位置を上記点火時期マップの領
域に格納されている点火進角度を進角補正した値で更新
し点火時期が最大トルクを得る点火時期に近づくように
補正する手段とを設けたことを特徴とする。
【0014】本発明による第7のエンジンの燃焼制御装
置は、第1或いは第2のエンジンの燃焼制御装置におい
て、前記制御回路に、上記点火プラグによる火花放電期
間後の特定期間の上記フィルタ回路を通過したイオン電
流波形に基づきイオン電流振動値を特定周期毎に検出す
ると共に記憶回路に格納する手段と、上記クランク位置
をエンジン運転領域毎に平均化処理して最大燃焼圧クラ
ンク位置を算出する手段と、上記記憶回路に記憶した上
記イオン電流振動値を最後のデータから最初のデータ方
向へ検索する手段と、検索したデータ間の変化量の積算
値からノッキング値を算出する手段と、上記ノッキング
値を加重平均処理してノッキング頻度を算出する手段
と、上記ノッキング頻度に基づきノッキング発生の有無
を検出する手段と、ノッキング発生時は点火時期マップ
の領域に格納されている点火進角度を遅角補正した値で
更新し、又ノッキング非検出時は上記最大燃焼圧クラン
ク位置を上記点火時期マップの領域に格納されている点
火進角度を進角補正した値で更新し点火時期が最大トル
クを得る点火時期に近づくように補正する手段とを設け
たことを特徴とする。
【0015】本発明による第8のエンジンの燃焼制御装
置は、第6或いは第7のエンジンの燃焼制御装置におい
て、前記最大燃焼圧クランク位置を算出する際に実行さ
れる平均化処理が加重平均処理であることを特徴とす
る。
【0016】本発明による第9のエンジンの燃焼制御装
置は、第6或いは第7のエンジンの燃焼制御装置におい
て、前記最大燃焼圧クランク位置を算出する際に実行さ
れる平均化処理が移動平均処理であることを特徴とす
る。
【0017】すなわち、第1のエンジンの燃焼制御装置
では、点火プラグによる火花放電期間後の特定期間にお
ける特定周波数成分を除去したイオン電流波形に基づき
イオン電流値を特定周期毎に記憶し、記憶したイオン電
流値を最初のデータから最後のデータ方向へ検索して最
大燃焼圧と相関のある2度目の上記イオン電流値のピー
ク値を検出し、該ピーク値に対応するクランク位置を算
出する。
【0018】第2のエンジンの燃焼制御装置では、点火
プラグによる火花放電期間後の特定期間における特定周
波数成分を除去したイオン電流波形に基づきイオン電流
値を特定周期毎に記憶し、記憶したイオン電流値を最後
のデータから最初のデータ方向へ検索して最大燃焼圧と
相関のある最初の上記イオン電流値のピーク値を検出
し、該ピーク値に対応するクランク位置を算出する。
【0019】第3のエンジンの燃焼制御装置では、第1
或いは第2のエンジンの燃焼制御装置において、前記ク
ランク位置をエンジン運転領域毎に加重平均処理し、そ
の値を最大燃焼圧クランク位置とする。
【0020】第4のエンジンの燃焼制御装置では、第1
或いは第2のエンジンの燃焼制御装置において、前記ク
ランク位置をエンジン運転領域毎に移動平均処理し、そ
の値を最大燃焼圧クランク位置とする。
【0021】第5のエンジンの燃焼制御装置では、点火
プラグによる火花放電期間後の特定期間における特定周
波数成分を除去したイオン電流波形に基づきイオン電流
振動値を特定周期毎に記憶し、記憶したイオン電流振動
値を最後のデータから最初のデータ方向へ検索して該イ
オン電流振動値の変化量を設定し、この変化量からノッ
キング値を算出し、該ノッキング値に基づいてノッキン
グ発生の有無を判別する。
【0022】第6のエンジンの燃焼制御装置では、第1
のエンジンの燃焼制御装置において、上記点火プラグに
よる火花放電期間後の特定期間の上記フィルタ回路を通
過したイオン電流波形に基づきイオン電流振動値を特定
周期毎に検出すると共に記憶回路に格納し、又、上記ピ
ーク値に対応するクランク位置をエンジン運転領域毎に
平均化処理して最大燃焼圧クランク位置を算出すると共
に、上記記憶回路に記憶した上記イオン電流振動値を最
後のデータから最初のデータ方向へ検索して該イオン電
流振動値の変化量の積算値を算出し、該積算値に基づき
ノッキング値を設定し、該ノッキング値に基づきノッキ
ング発生の有無を検出し、ノッキング発生時は点火時期
マップの領域に格納されている点火進角度を遅角補正し
た値で更新し、又ノッキング非検出時は上記最大燃焼圧
クランク位置を上記点火時期マップの領域に格納されて
いる点火進角度を進角補正した値で更新し点火時期が最
大トルクを得る点火時期に近づくように補正すること
で、エンジン運転領域毎の最適点火進角度を設定する。
【0023】第7のエンジンの燃焼制御装置では、第1
或いは第2のエンジンの燃焼制御装置において、上記点
火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記フィル
タ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン電流振
動値を特定周期毎に検出すると共に記憶回路に格納し、
又、上記ピーク値に対応するクランク位置をエンジン運
転領域毎に平均化処理して最大燃焼圧クランク位置を算
出すると共に、上記記憶回路に記憶した上記イオン電流
振動値を最後のデータから最初のデータ方向へ検索して
該イオン電流振動値の変化量の積算値に基づきノッキン
グ値を算出した後、該ノッキング値を加重平均処理して
ノッキング頻度を算出し、このノッキング頻度に基づき
ノッキング発生の有無を検出し、ノッキング発生時は点
火時期マップの領域に格納されている点火進角度を遅角
補正した値で更新し、又ノッキング非検出時は上記最大
燃焼圧クランク位置を上記点火時期マップの領域に格納
されている点火進角度を進角補正した値で更新し点火時
期が最大トルクを得る点火時期に近づくように補正する
ことで、エンジン運転領域毎の最適点火進角度を設定す
る。
【0024】第8のエンジンの燃焼制御装置では、第6
或いは第7のエンジンの燃焼制御装置において、前記ク
ランク位置をエンジン運転領域毎に加重平均処理し、そ
の値を最大燃焼圧クランク位置とする。
【0025】第9のエンジンの燃焼制御装置では、第6
或いは第7のエンジンの燃焼制御装置において、前記ク
ランク位置をエンジン運転領域毎に移動平均処理し、そ
の値を最大燃焼圧クランク位置とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図1〜図7に本発明の第1実施
の形態を示す。
【0027】図1の符号1は多気筒エンジン(本実施の
形態では4気筒エンジン)の各気筒に各々配設されてい
る点火プラグ、2は各点火プラグ1に2次巻線側を各々
接続する点火コイル、3は該点火コイル2の1次巻線側
に接続して1次電流を遮断するパワートランジスタであ
り、後述する制御回路23から出力されるドエル信号に
よりON動作し、点火信号によりOFF動作される。
又、上記各点火コイル2の2次巻線側にイオン電流検出
回路4が接続され、更に、このイオン電流検出回路4に
信号処理回路5が接続されている。
【0028】上記イオン電流検出回路4の符号6はダイ
オードで、そのカソードが各点火コイル2の2次巻線側
に接続され、アノード側が接地されている。又、符号7
はイオン電流検出用電圧を供給するDC−DCコンバー
タ等の電力供給源で、抵抗8、該抵抗8にアノード側を
接続するダイオード9を介して上記各点火コイル2の二
次巻線側に接続されている。
【0029】更に、上記抵抗8、ダイオード9間に、直
列接続された高抵抗値を有する抵抗10,11が分圧接
続され、この両抵抗10,11間に増幅器12の非反転
入力端子が分圧接続されている。この増幅器12は出力
端子を負帰還接続したバッファ回路を構成しており、こ
の増幅器12の非反転入力端子側に、アノード側を接地
するツェナダイオード14のカソード側が分圧接続され
ている。
【0030】又、上記抵抗8とダイオード9との間に抵
抗13を介して、上記点火プラグ1に印加する電圧値を
切換える電圧切換手段の一例であるパワーMOSFET
(Metal Oxide Semiconductor Feld Effetct Transisto
r)15のドレイン側が接続され、このパワーMOSF
ET15のソース側がアースされている。又、このパワ
ーMOSFET15のゲート側にゲート抵抗16を介し
て上記増幅器12の出力端子が接続されていると共に、
一端を接地する抵抗17の他端が分圧接続されている。
尚、上記抵抗13,16,17及び上記パワーMOSF
ET15で電圧変換回路が構成されている。
【0031】上記信号処理回路5は上記イオン電流検出
回路4の増幅器12から出力される電圧を処理する1次
処理回路としてのローパスフィルタ回路21と、このロ
ーパスフィルタ回路21によって処理された電圧を処理
する2次処理回路としてのハイパスフィルタ回路22と
で構成されている。
【0032】又、符号23は制御回路であり、この制御
回路23の信号入力ポートに、上記両フィルタ回路2
1,22、及びクランク角度センサ24、カムセンサ2
5、冷却水温センサ26、吸入空気量センサ27、過給
圧センサ28、アクセル開度センサ29等の各センサ類
が接続され、信号出力ポートに上記パワートランジスタ
3のベースが接続されている。更に、この制御回路23
にRAM等からなる記憶回路30がバスラインを介して
接続されている。
【0033】上記クランク角センサ24はエンジン回転
数に同期して設定クランク角毎にクランクパルスを出力
し、又、上記カムセンサ25は特定気筒の気筒判別パル
スを出力する。
【0034】尚、本実施の形態で採用するエンジンは、
スロットル弁とアクセルペダルとが機械的に連設してお
らず、スロットル弁は併設する電動モータ、油圧モータ
等のスロットルアクチュエータの回動によりアクセル開
度センサ29で検出したアクセル開度等に基づいて開度
設定される。勿論、スロットル弁とアクセルペダルとが
機械的に連設している場合には、上記アクセル開度セン
サ29に代えてスロットル開度センサを採用し、このス
ロットル開度センサによりスロットル弁の開度を検出す
る。
【0035】又、上記クランク角センサ24はクランク
シャフトと同期回転するシグナルプレートに設けた特定
クランク角を示す突起或いはスリットを検出してクラン
クパルスを出力し、又、上記カムセンサ25は上記クラ
ンクシャフトに対し1/2の速さで回転するカムシャフ
トに同期して回転するシグナルプレートに設けた突起或
いはスリットを検出してカムパルスを出力する。
【0036】すなわち、本実施の形態では、図7に示す
ようにエンジンの点火順序が#1→#2→#3→#4で
あり、上記クランク角センサ24では、少なくとも圧縮
上死点前(BTDC)97°CA(クランク角度)のク
ランクパルスを出力し、又、上記カムセンサ25では、
例えば#1気筒の圧縮上死点後(ATDC)20°CA
のカムパルスを出力するように設定されており、上記制
御回路23では上記クランクパルスに対する上記カムパ
ルスの割り込みで気筒判別を行い、又、クランクパルス
の入力間隔時間からエンジン回転数を算出する。
【0037】上記制御回路23では、冷却水温センサ2
6の出力信号に基づき冷却水温を算出し、吸入空気量セ
ンサ27の出力信号に基づき吸入空気量を算出し、過給
圧センサ28の出力信号に基づきスロットル弁下流の吸
気管圧力を算出し、アクセル開度センサ29の出力信号
に基づきアクセル開度を算出する。
【0038】又、記憶回路30には所定時間毎に計測し
たイオン電流値、及びイオン電流振動値を気筒毎に順次
記憶する。
【0039】そして、上記制御回路23において、上記
吸入空気量、冷却水温、アクセル開度に基づきマップを
補間計算付で参照して実際の吸入空気量(実吸入空気
量)を設定し、上記記憶回路30に記憶されているイオ
ン電流値、イオン電流振動値に基づき最大燃焼圧力、及
びノッキング発生の有無等を気筒毎に演算すると共に最
大燃焼圧力を示すクランク角を算出する。
【0040】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。制御回路23から点火対象気筒のパワートランジス
タ3にドエル信号を出力すると、該パワートランジスタ
3がONし、点火コイル2の1次巻線側に1次電流が通
電され、次いで上記制御回路23から点火信号を出力す
ると上記パワートランジスタ3がOFFし、上記1次電
流が遮断され、点火コイル2の2次巻線側に高電圧が誘
起され、点火プラグ1の両電極に放電電流が流れ、筒内
に充填されている混合気に着火する。
【0041】一方、イオン電流検出回路4から上記点火
プラグ1に対しては、電力供給源7からイオン電流検出
用電圧(本実施の形態では300V)が抵抗8、ダイオー
ド9を介してエンジン運転中は常時印加されている。
【0042】図5(a)に示すように、上記点火プラグ
1の放電期間(t0〜t1)においては、ダイオード6か
ら点火コイル2の二次巻線側を通り、点火プラグ1へ電
流が供給されるため、抵抗8をセンシング抵抗とし、そ
の端子電圧を検出する接続点a(図1参照)の電圧はほ
ぼ0[V]となり、従って、増幅器12の出力側の端子
電圧が1[V]以下になるためパワーMOSFET15
のゲートに印加されるバイアス電圧が低く、このパワー
MOSFET15がOFFする。
【0043】その結果、上記点火プラグ1に対しては、
電力供給源7から抵抗8,10,11によって分圧され
た高電圧のイオン電流検出用電圧VHが印加される。
【0044】又、放電期間経過後(t1以降)は、抵抗
8、ダイオード9、点火コイル2の二次巻線側を経て点
火プラグ1に、該点火プラグ1の周辺に燃焼によって発
生したイオン量に相関の有る電流(イオン電流)が流れ
る(図5(b)参照)。すなわち、筒内に充填されてい
る混合気が点火プラグ1の火花放電により着火して燃焼
すると、電離作用によりイオンが発生し、このイオンが
上記点火プラグ1の両電極に移動するためである。
【0045】放電期間経過後(t1以降)の上記接続点
aの電圧は、図5(a)に示すよう上昇し、従って、増
幅器12の出力側の端子電圧が上昇し、上記パワーMO
SFET15のゲートに印加されるバイアス電圧が高く
なり、このパワーMOSFET15がON動作し、上記
点火プラグ1に対しては、抵抗8,10,11,13に
よって分圧された低い電圧のイオン電流検出用電圧VL
が印加される。
【0046】そして、上記点火プラグ1の電極間にイオ
ン電流が流れると上記抵抗8の両端に電圧が発生し、こ
の電圧を抵抗10,11間に非反転入力端子を分圧接続
する増幅器12で増幅し、ローパスフィルタ回路21で
機械振動等によるノイズである高周波成分を除去した
後、制御回路23及びハイパスフィルタ回路22へ出力
する。この制御回路23では、入力された上記イオン電
流値に基づきイオン電流Ixを計測する。
【0047】図5(b)に上記ローパスフィルタ回路2
1で処理し上記制御回路23で計測したイオン電流波形
を示す。同図に示すように、イオン電流検出領域では、
イオン電流のピークが火花放電期間経過直後(t3)
と、圧縮上死点(TDC)経過後(t5)との2度検出
される。最初のピーク(電流値I1)は着火直後の火炎
の外輪が点火プラグ1の外側電極に差し掛ったときと考
えられ、二度目のピーク(電流値I2)は火炎が成長
し、その外輪がピストン表面及びシリンダヘッド内壁面
に対して最大の面積で接触したときと考えられ、この二
度目のピーク(電流値I2)を検出したときのクランク
位置と、燃焼圧力の最大値を示すクランク位置とは、極
めて強い相関がある。
【0048】又、上記ハイパスフィルタ回路22に入力
された電圧は、この電圧に重畳されている通常燃焼によ
って発生する圧力振動波成分が除去され、上記制御回路
23へ出力されてイオン電流振動波形が計測される。
【0049】図6(a)にハイパスフィルタ回路22で
処理した電圧波形を示し、同図(b)に該電圧波形に基
づき制御回路23で計測されたイオン電流波形を示す。
例えば、燃焼行程においてノッキングが発生した場合、
同図(b)に示すように、イオン電流に激しい振動波が
重畳される。これはノッキングに基づく圧力振動によっ
て点火プラグ1の電極付近のイオン濃度が変動し、イオ
ン電流に乱れを生じさせたためと考えられる。
【0050】尚、イオン電流検出時において、点火プラ
グの両電極には火花放電期間に印加された高電圧のイオ
ン電流検出用電圧により多量のイオンが移動されている
ため、放電期間経過後も放電が持続され、その結果、イ
オン電流の発生が持続される。又、イオン電流検出時に
は上記イオン電流検出用電圧が低電圧に切換えられてい
るため、上記イオン電流を高感度に検出することができ
る。
【0051】上記制御回路23では、計測したイオン電
流値、及びイオン振動電流波形に基づき各気筒の点火時
期制御を行う。
【0052】以下、図2〜図4に示すフローチャートに
基づき上記制御回路23で実行する点火時期制御につい
て説明する。
【0053】図2には最大燃焼圧クランク位置検出ルー
チンが示されている。先ず、ステップS1でクランクパ
ルスと該クランクパルスに対するカムパルスの割り込み
信号とに基づき点火対象気筒である計測気筒X(X=#
1,#2,#3,#4)が何れの気筒であるかの気筒判
別を行い、ステップS2へ進む。
【0054】ステップS2では当該計測気筒Xの圧縮上
死点前(BTDC)97°CAを示すクランクパルスが
入力されたか否かを判別し、入力されたときステップS
3へ進み、イオン電流値Ixを読込み、記憶回路30の
所定アドレスにイオン電流値データIx(1)として記憶し
た後、ステップS4へ進み、次の計測気筒XのBTDC
97°CAを示すクランクパルスが入力されたかを判別
する。
【0055】そして、未だ、次の計測気筒XのBTDC
97°CAを示すクランクパルスが入力されていないと
きは、サンプリング周期Δt経過後にステップS4へ戻
り、次のイオン電流値Ixを読込み、記憶回路30の別
のアドレスにイオン電流値データIx(2)として記憶す
る。このように、ステップS3では、当該計測気筒Xの
BTDC97°CAから次の計測気筒XのBTDC97
°CAまでのイオン電流値Ixをサンプリング周期Δt
毎に読込んで、記憶回路30にイオン電流値データIx
(0),Ix(1),Ix(2)…Ix(n)として順次記憶し、次の
計測気筒XのBTDC97°CAを示すクランクパルス
が検出されたとき、ステップS5へ進む。
【0056】その結果、図7に示すように上記計測気筒
Xに対するイオン電流値Ixの計測区間θ#xは、当該計
測気筒XのBTCD97°CAから次の計測気筒XのB
TDC97°CA間での180°CAとなる。
【0057】次いで、ステップS5へ進むと、上記記憶
回路30に記憶されているイオン電流値Ix(1),Ix(2)
…Ix(n)を最初に記憶したデータから順に読出し、火花
放電期間(図5(b)のt0〜t1)経過後を判定するスラ
イスレベルHとを比較し、0<Ix≦Hを示す最初のイ
オン電流値IxHを検索する。
【0058】そして、0<Ix≦Hを示す最初のイオン
電流値IxHが検索されたとき、ステップS6へ進み、記
憶回路30に記憶されている上記イオン電流値IxH以後
のイオン電流値Ixを古いデータ(old)から新しいデータ
(new)へ順次読出し、その差分からイオン電流変化量Δ
Ix(ΔIx←Ix(new)−Ix(old))を算出し、このイオ
ン電流変化量ΔIxが、ΔIx<0からΔIx≧0へ変化
したとき(図5(b)のt2,t4)、ステップS7へ進
み、それ以後のイオン電流変化量ΔIxを順次算出し、
ΔIx≧0からΔIx<0へ変化したときステップS8へ
進む。
【0059】ステップS8では、上記イオン電流変化量
ΔIxのΔIx≧0からΔIx<0への変化が2回目かを
判別し、1回目のときはステップS6へ戻り、2回目の
ときはステップS9へ進み、そのときのクランク位置A
xを、当該計測気筒Xの最大燃焼圧クランク位置APXma
xとして上記記憶回路30に記憶し(APXmax←Ax)、
ステップS1へ戻る。
【0060】図5(b)に示すように、イオン電流値I
xの波形特性は、火花放電期間経過後(t1以降)に一旦
急激に低下し、次いで、圧縮上死点(TDC)を挟んで
二度ピーク値を示す。上記ステップS5ではイオン電流
値IxとスライスレベルHとを比較することで、火花放
電期間(t0〜t1)を経過したか否かを判別し、ステッ
プS6では、イオン電流値が低下した状態から上昇へ転
じた時点を検出し、次いでステップS7で上記イオン電
流値が上昇した状態から下降へ転じた時点、すなわち、
イオン電流値Ixのピーク値を検出する。
【0061】次に、図3に示すフローチャートに基づき
ノッキング値設定ルーチンについて説明する。先ず、ス
テップS11でクランクパルス及び該クランクパルスに
対するカムパルスの割り込み信号に基づき点火対象気筒
である計測気筒Xを判別し、ステップS12で、当該計
測気筒Xの圧縮上死点前(BTDC)97°CAを示す
クランクパルスが入力されたか否かを判別し、入力され
たときステップS13へ進み、ハイパスフィルタ回路2
2から出力された電圧に基づいて計測したイオン電流振
動値IDxを読込み、記憶回路30に記憶した後、ステ
ップS14へ進み、次の計測気筒XのBTDC97°C
Aを示すクランクパルスが入力されたか否かを判別す
る。
【0062】そして、未だ、次の計測気筒XのBTDC
97°CAを示すクランクパルスが入力されていないと
きは、サンプリング周期Δt経過後にステップS13へ
戻り、次のイオン電流振動値IDxを読込み、記憶回路
30に記憶する。このように、ステップS13では、当
該計測気筒XのBTDC97°CAから次の計測気筒X
のBTDC97°CAまでのイオン電流振動値IDxを
サンプリング周期Δt毎に読込んで、記憶回路30に順
次記憶し、次の計測気筒XのBTDC97°CAを示す
クランクパルスが検出されたとき、ステップS14から
ステップS15へ進む。
【0063】その結果、図7に示すように上記計測気筒
Xに対するイオン電流振動値IDxの計測区間θ#xは、
当該計測気筒XのBTCD97°CAから次の計測気筒
XのBTDC97°CA間での180°CAとなる。
【0064】ステップS15では、上記記憶回路30に
記憶したイオン電流振動値IDxを最新のデータから順
に任意の時間Τ分だけ読込み、次式に基づきノッキング
値IKxを算出する。 IKx←(Σ|IDx(n)−IDx(n-1)|)/T すなわち、本実施の形態では、イオン電流振動値IDx
のサンプリング周期Δt当たりのイオン電流振動変化量
を絶対値で算出し、このイオン電流振動変化量の絶対値
の設定時間T当たりの積算値の平均値をノッキング値I
Kxとしている。ノッキングは圧縮上死点TDCを挟む
区間で発生し易く、上記設定時間Tは予め設定され、或
いはエンジン回転数などをパラメータとしてテーブル検
索により設定される。
【0065】上記最大燃焼圧クランク位置APXmax、及
びノッキング値IKxは、図4に示す点火時期設定ルー
チンにおいて読込まれる。このルーチンでは、先ずステ
ップS21で、今回の計測気筒Xを判別し、ステップS
22で、吸入空気量、冷却水温、アクセル開度に基づき
マップを補間計算付で参照して設定した実吸入空気量と
エンジン回転数とをパラメータとして点火時期マップの
領域を決定する。
【0066】次いで、ステップS23で、記憶回路30
に記憶されている同一運転領域における当該計測気筒X
に対応する最大燃焼圧クランク位置APXmax、及びノッ
キング値IKxとを読込み、ステップS24で、上記ノ
ックキング値IKxとノックキング判定値Kとを比較
し、IKx>Kのノッキング検出のときはステップS2
5へ進み、上記点火時期マップの領域に格納されている
点火進角度θIGを設定角θk分遅角補正した値で更新
し、ステップS21へ戻る。
【0067】又、上記ステップS24で、IKx≦Kの
ノッキング不検出のときはステップS26へ進み、上記
最大燃焼圧クランク位置APXmaxから得られる実際の点
火時期(点火クランク位置)が予め設定した最適点火ク
ランク位置θAPより遅れているかを判定し、遅れている
ときはステップS27へ進み、上記点火時期マップの領
域に格納されている点火進角度θIGを設定角θk分進
角補正した値で更新し、ステップS21へ戻る。又、上
記最大燃焼圧クランク位置APXmaxから得られる実際の
点火時期が予め設定した最適点火クランク位置θAPに対
して遅れていないときは、そのままステップS21へ戻
る。
【0068】その結果、上記点火時期マップの各領域に
格納されている点火進角度θIGがエンジンの運転領域
毎に更新され、全ての領域において最大トルクを得る最
適点火進角度(MBT点火時期)が設定される。
【0069】尚、上記点火時期マップに格納されている
点火進角度θIGは、点火時期制御の際に、エンジン回
転数と実吸入空気量とをパラメータとして読込まれ、エ
ンジン運転領域毎に最適な点火時期が設定される。
【0070】このように、本実施の形態では、ローパス
フィルタ回路21により機械振動等によるノイズを除去
したイオン電流値に基づいて最大燃焼圧力を計測するよ
うにしたので、定常走行は勿論のこと加速走行などの過
渡運転状態であっても該最大燃焼圧力示すクランク位置
を高精度に検出することができ、常に、最適な点火時期
を設定することができる。
【0071】又、図8に本発明の第2実施の形態による
最大燃焼圧クランク位置検出ルーチンを示す。尚、図2
と同一のステップについては同一の符号を付して説明を
省略する。
【0072】本実施の形態では、最大燃焼圧クランク位
置APXmaxを最大燃焼圧クランク位置マップの領域毎に
格納し、この各領域に格納されている最大燃焼圧クラン
ク位置APXmaxを加重平均処理することで順次更新す
る。
【0073】先ず、ステップS1で点火対象気筒である
計測気筒Xを判別し、ステップS31で、吸入空気量と
冷却水温とアクセル開度とに基づきマップを補間計算付
で参照して設定した実吸入空気量と、エンジン回転数と
をパラメータとして点火時期マップの領域を決定する。
【0074】次いで、ステップS2〜S8でイオン電流
値Ixの2度目のピーク値を計測したときのクランク位
置Axを算出し、ステップS32で、今回算出したクラ
ンク位置Axと前回算出した同一運転領域のクランク位
置Ax(old)とに基づき、次式に示す加重平均処理により
今回の最大燃焼圧クランク位置APXmaxを算出する。 APXmax←(α・Ax(old)+β・Ax)/(α+β) ここで、α、βは加重平均の重みを設定する係数であ
る。
【0075】そして、ステップS33で、上式から算出
された最大燃焼圧クランク位置APXmaxで上記最大燃焼
圧クランク位置マップの上記ステップS31で決定した
領域に格納されている最大燃焼圧クランク位置データを
更新し、ステップS1へ戻る。
【0076】このように、本実施の形態によれば最大燃
焼圧クランク位置APXmaxを加重平均処理により算出す
るので、点火時期制御の際に上記最大燃焼圧クランク位
置APXmaxを最大燃焼クランク位置マップから読込んで
も、前回の点火時期と今回の点火時期とが急激に変化す
ることがなく、点火時期を無理なく制御することができ
る。
【0077】図9に本発明の第3実施の形態による最大
燃焼圧クランク位置検出ルーチンを示す。尚、図8と同
一のステップについては同一の符号を付して説明を省略
する。上述した第2実施の形態では、最大燃焼圧クラン
ク位置APXmaxを加重平均処理により求めているが、本
実施の形態では上記最大燃焼圧クランク位置APXmaxを
移動平均処理により求める。
【0078】すなわち、図8に示すフローチャートと同
様ステップS8でイオン電流値Ixの2度目のピーク値
を計測してステップS36へ進むと、今回のイオン電流
値Ixのピーク値を示すクランク位置Axと、同一運転領
域のテーブルに格納されている前回までの所定数nのイ
オン電流値Ix(n)とに基づき次式に示す移動平均処理に
より、今回の最大燃焼圧クランク位置APXmaxを算出す
る。
【数1】 ここで、αは任意の係数である。
【0079】そして、ステップS37で、上記テーブル
に格納されている前回までのクランク位置データAx
(0),Ax(1)…Ax(n-2),Ax(n-1)をひとつずつ繰り上
げて格納すると共に、最新のクランク位置データAx(0)
を今回算出したクランク位置Axで更新して、ステップ
S1へ戻る。
【0080】又、図10に本発明の第4実施の形態によ
る最大燃焼圧クランク位置検出ルーチンを示す。上述し
た第1実施の形態、及び第2実施の形態では最大燃焼圧
クランク位置APXmaxを火花放電期間経過後の設定時間
Δt毎に記憶したイオン電流値Ixの変化量ΔIxを最初
のデータIx(0)から最後のデータIx(n)方向へ順に算出
しているが、本実施の形態では、上記変化量ΔIxを最
後のデータIx(n)から最初のデータIx(0)へ順に算出
し、この変化量ΔIxが負の値から正の値へ変化したと
きをイオン電流値Ixのピーク値とし、そのときのクラ
ンク位置Axを最大燃焼クランク位置APXmaxとするも
のである。
【0081】すなわち、ステップS1〜ステップS3で
計測気筒XのBTDC97°CAから次の計測気筒Xの
BTDC97°CAの区間のイオン電流値Ixを設定時
間Δt間隔で計測した後、ステップS41へ進むと、最
新のイオン電流値データIIx(n)から最初のイオン電流
値データIIx(0)の方向へ順に新しいデータ(new)と古
いデータ(old)とを読出し、その差分からイオン電流変
化量ΔIx(ΔIx←Ix(new)−Ix(old))を算出し、こ
のイオン電流変化量ΔIxが、ΔIx<0からΔIx≧0
へ変化したとき(図5(b)のt5)、ステップS9へ進
み、そのときのクランク位置Axを、当該計測気筒Xの
最大燃焼圧クランク位置APXmaxとして上記記憶回路3
0に記憶し(APXmax←Ax)、ステップS1へ戻る。
【0082】このように、本実施の形態によれば記憶回
路30に記憶されているイオン電流値Ixを最新のデー
タから最初のデータの方向へ読出して、変化量ΔIxを
算出するようにしたので、イオン電流値Ixのピーク値
を早期に検出することができ、制御回路23の演算負担
が軽減される。
【0083】又、図11、図12に本発明の第5の実施
の形態を示す。上述した第1実施の形態では、イオン電
流振動値IDxのサンプリング周期Δt当たりの平均値
から算出したノッキング値IKxに基づいてノッキング
発生の有無を判別しているが、本実施の形態では、上記
ノッキング値IKxを加重平均処理して得られたノッキ
ング頻度IKHxに基づいてノッキング発生の有無を判
別するものである。
【0084】図11に示すノッキング値設定ルーチンで
は、ステップS11で計測気筒Xを判別した後、ステッ
プS46へ進むと、吸入空気量と冷却水温とアクセル開
度とに基づきマップを補間計算付で参照して設定した実
吸入空気量と、エンジン回転数とをパラメータとしてノ
ッキング頻度マップの領域を決定する。
【0085】次いで、ステップS12〜S14で、当該
計測気筒XのBTCD97°CAから次の計測気筒Xの
BTDC97°CA間での区間の設定時間Δt毎にイオ
ン電流振動値IDxを計測し、ステップS15でこのイ
オン電流振動値IDxの変化の積算値からノッキング値
IKxを算出した後、ステップS47へ進むと、今回算
出したノッキング値IKxと前回算出した同一運転領域
のノッキング値IKx(old)とに基づき、次式に示す加重
平均処理により今回のノッキング頻度IKHxを算出す
る。 IKHx←(α・IKx(old)+β・IKx)/(α+β) ここで、α、βは加重平均の重みを設定する係数であ
る。
【0086】そして、ステップS48で、上式から算出
されたノッキング頻度IKHxで上記ノッキング頻度マ
ップの上記ステップS46で決定した領域に格納されて
いる最大燃焼圧クランク位置データを更新し、ステップ
S11へ戻る。
【0087】上記ノッキング頻度IKHxは、図12に
示す点火時期設定ルーチンにおいて読込まれる。すなわ
ち、ステップS21で今回の計測気筒Xを判別し、ステ
ップS22で実吸入空気量とエンジン回転数とをパラメ
ータとして点火時期マップの領域を決定した後、ステッ
プS51へ進む。
【0088】ステップS51では、記憶回路30に記憶
されている同一運転領域における当該計測気筒Xに対応
する最大燃焼圧クランク位置APXmax、及びノッキング
頻度IKHxとを読込み、ステップS52で上記ノック
キング頻度IKHxとノックキング頻度判定値KHとを
比較し、IKHx>KHのノッキング検出のときはステ
ップS25へ進み、又、IKHx≦KHのノッキング不
検出のときはステップS26へ進む。
【0089】そして、ステップS25,S26で第1実
施の形態と同様に点火進角度θIGを設定した後、ステ
ップS21へ戻る。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、火花放電
期間後に検出するイオン電流波形をフィルタ回路を通し
て特定周波数成分を除去し、この除去したイオン電流値
に基づいて燃焼圧と相関のあるイオン電流値の火花放電
期間後から2度目のピーク値を検出するようにしたの
で、機械振動等によるノイズが除去されたイオン電流値
に基づき当該ピーク値を正確に検出することができ、従
って、このピーク値に対応するクランク位置を算出する
ことで、最大燃焼圧クランク位置を正確に検出すること
ができる。
【0091】請求項2記載の発明によれば、火花放電期
間後に検出するイオン電流波形をフィルタ回路を通して
特定周波数成分を除去し、この除去したイオン電流値に
基づいて燃焼圧と相関のあるイオン電流値の特定検出区
間の最新のデータから遡って最初のピーク値を検出する
ようにしたので、機械振動等によるノイズが除去された
イオン電流値に基づき当該ピーク値を正確に検出するこ
とができ、従って、このピーク値に対応するクランク位
置を算出することで、最大燃焼圧クランク位置を正確に
検出することができる。
【0092】この場合、請求項1或いは2記載の発明で
は、請求項3或いは請求項4に記載されているように、
検出したクランク位置をエンジン運転領域毎に加重平
均、或いは移動平均処理して最大燃焼圧クランク位置を
算出することで、最大燃焼圧の一時的な変化に対処する
ことができる。
【0093】請求項5記載の発明によれば、火花放電期
間後に検出するイオン電流波形をフィルタ回路を通して
特定周波数成分を除去し、この除去したイオン電流値に
基づいてノッキング発生時の振動波と相関のあるイオン
電流振動値の変化量を算出し、該変化量に基づきノッキ
ング値を設定するようにしたので、機械振動等によるノ
イズが除去されたイオン電流振動値に基づきノッキング
値を正確に算出することができ、該ノッキング値に基づ
きノッキング発生の有無を高精度に判別することができ
る。
【0094】請求項6記載の発明によれば、上記イオン
電流振動値の変化量の積算値に基づきノッキング値を設
定し、該ノッキング値に基づきノッキング発生の有無を
判別するようにしたので、ノッキングの発生を高精度に
検出することができると共に、ノッキング発生時は点火
進角度を所定量遅角補正し、又、ノッキング非検出時は
最大燃焼圧クランク位置を点火時期マップの領域に格納
されている点火進角度を進角補正した値で後進し点火時
期が最大トルクを得る点火時期に近づくように補正した
ので、ノッキングを有効に回避しつつ、常にMBT制御
を行うことができる。
【0095】請求項7記載の発明によれば、請求項1或
いは2記載の発明において、上記積算値を加重平均処理
した値に基づきノッキング発生の有無を判別するように
したので、イオン電流振動波形にノイズが一時的に重畳
された場合であっても、ノッキングの発生を誤判定する
ことなく、適正なノッキング制御を行うことができる。
【0096】この場合、請求項6或いは7記載の発明で
は、請求項8或いは9に記載されているように、検出し
たクランク位置をエンジン運転領域毎に加重平均、或い
は移動平均処理して最大燃焼圧クランク位置を算出する
ことで、最大燃焼圧の一時的な変化に対処することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による燃焼制御装置の回路図
【図2】同、最大燃焼圧クランク位置検出ルーチンを示
すフローチャート
【図3】同、ノッキング値設定ルーチンを示すフローチ
ャート
【図4】同、点火時期設定ルーチンを示すフローチャー
【図5】同、ローパスフィルタ回路を通したイオン電流
波形と電圧との関係を示す図表
【図6】同、ハイパスフィルタ回路を通したイオン電流
波形と電圧との関係を示す図表
【図7】同、イオン電流検出区間を示すタイミングチャ
ート
【図8】第2実施の形態による最大燃焼圧クランク位置
検出ルーチンを示すフローチャート
【図9】第3実施の形態による最大燃焼圧クランク位置
検出ルーチンを示すフローチャート
【図10】第4実施の形態による最大燃焼圧クランク位
置検出ルーチンを示すフローチャート
【図11】第5実施の形態によるノッキング値設定ルー
チンを示すフローチャート
【図12】同、点火時期設定ルーチンを示すフローチャ
ート
【符号の説明】
1…点火プラグ 4…イオン電流検出回路 21,22…フィルタ回路 23…制御回路 30…記憶回路 APxmax…最大燃焼圧クランク位置 Ax…クランク位置 IDx…イオン電流振動値 IKx…ノッキング値 IKHx…ノッキング頻度 Ix…イオン電流値 t0〜t1…火花放電期間 Δt…周期 θAP…最適点火クランク位置 θIG…点火進角度

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火プラグにイオン電流検出用電圧を印加
    し、燃焼反応によって生成されたイオンが上記点火プラ
    グの両電極に移動するときに流れるイオン電流を検出す
    るイオン電流検出回路と、 上記イオン電流検出回路で検出したイオン電流から特定
    周波数成分を除去するフィルタ回路とを備えるエンジン
    の燃焼制御装置において、 制御回路に、 上記点火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記
    フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン
    電流値を特定周期毎に検出すると共に記憶回路に格納す
    る手段と、 上記記憶回路に格納されている上記イオン電流値を最初
    のデータから最後のデータ方向へ検索する手段と、 検索した上記データの中から2度目の上記イオン電流値
    のピーク値を検出する手段と、 上記ピーク値に対応するクランク位置を算出する手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンの燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】点火プラグにイオン電流検出用電圧を印加
    し、燃焼反応によって生成されたイオンが上記点火プラ
    グの両電極に移動するときに流れるイオン電流を検出す
    るイオン電流検出回路と、 上記イオン電流検出回路で検出したイオン電流から特定
    周波数成分を除去するフィルタ回路とを備えるエンジン
    の燃焼制御装置において、 制御回路に、 上記点火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記
    フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン
    電流値を特定周期毎に検出すると共に記憶回路に格納す
    る手段と、 上記記憶回路に格納されているイオン電流値を最後のデ
    ータから最初のデータ方向へ検索する手段と、 検索した上記データの中から最初のイオン電流値のピー
    ク値を検出する手段と、 上記ピーク値に対応するクランク位置を算出する手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンの燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御回路では検出した前記クランク位
    置をエンジン運転領域毎に加重平均処理して最大燃焼圧
    クランク位置を算出することを特徴とする請求項1或い
    は2に記載のエンジンの燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御回路では検出した前記クランク位
    置をエンジン運転領域毎に移動平均処理して最大燃焼圧
    クランク位置を算出することを特徴とする請求項1或い
    は2に記載のエンジンの燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】点火プラグにイオン電流検出用電圧を印加
    し、燃焼反応によって生成されたイオンが上記点火プラ
    グの両電極に移動するときに流れるイオン電流を検出す
    るイオン電流検出回路と、 上記イオン電流検出回路で検出したイオン電流から特定
    周波数成分を除去するフィルタ回路とを備えるエンジン
    の燃焼制御装置において、 制御回路に、 上記点火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記
    フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン
    電流振動値を特定周期毎に記憶すると共に記憶回路に格
    納する手段と、 上記記憶回路に格納されているイオン電流振動値を最初
    のデータから最後のデータ方向へ検索する手段と、 検索した上記データ間の変化量に基づきノッキング値を
    設定する手段と、 上記ノッキング値に基づいてノッキング発生の有無を判
    別する手段とを設けたことを特徴とするエンジンの燃焼
    制御装置。
  6. 【請求項6】前記制御回路に、 上記点火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記
    フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン
    電流振動値を特定周期毎に検出すると共に記憶回路に格
    納する手段と、 上記クランク位置をエンジン運転領域毎に平均化処理し
    て最大燃焼圧クランク位置を算出する手段と、 上記記憶回路に記憶した上記イオン電流振動値を最後の
    データから最初のデータ方向へ検索する手段と、 検索したデータ間の変化量の積算値からノッキング値を
    算出する手段と、 上記ノッキング値に基づきノッキング発生の有無を検出
    する手段と、 ノッキング発生時は点火時期マップの領域に格納されて
    いる点火進角度を遅角補正した値で更新し、又ノッキン
    グ非検出時は上記最大燃焼圧クランク位置を上記点火時
    期マップの領域に格納されている点火進角度を進角補正
    した値で更新し点火時期が最大トルクを得る点火時期に
    近づくように補正する手段とを設けたことを特徴とする
    請求項1或いは2記載のエンジンの燃焼制御装置。
  7. 【請求項7】前記制御回路に、 上記点火プラグによる火花放電期間後の特定期間の上記
    フィルタ回路を通過したイオン電流波形に基づきイオン
    電流振動値を特定周期毎に検出すると共に記憶回路に格
    納する手段と、 上記クランク位置をエンジン運転領域毎に平均化処理し
    て最大燃焼圧クランク位置を算出する手段と、 上記記憶回路に記憶した上記イオン電流振動値を最後の
    データから最初のデータ方向へ検索する手段と、 検索したデータ間の変化量の積算値からノッキング値を
    算出する手段と、 上記ノッキング値を加重平均処理してノッキング頻度を
    算出する手段と、 上記ノッキング頻度に基づきノッキング発生の有無を検
    出する手段と、 ノッキング発生時は点火時期マップの領域に格納されて
    いる点火進角度を遅角補正した値で更新し、又ノッキン
    グ非検出時は上記最大燃焼圧クランク位置を上記点火時
    期マップの領域に格納されている点火進角度を進角補正
    した値で更新し点火時期が最大トルクを得る点火時期に
    近づくように補正する手段とを設けたことを特徴とする
    請求項1記載のエンジンの燃焼制御装置。
  8. 【請求項8】前記最大燃焼圧クランク位置を算出する際
    に実行される平均化処理が加重平均処理であることを特
    徴とする請求項6或いは7記載のエンジンの燃焼制御装
    置。
  9. 【請求項9】前記最大燃焼圧クランク位置を算出する際
    に実行される平均化処理が移動平均処理であることを特
    徴とする請求項6或いは7記載のエンジンの燃焼制御装
    置。
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