JPH10253573A - 銀・塩化銀参照電極およびその製造方法 - Google Patents

銀・塩化銀参照電極およびその製造方法

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JPH10253573A
JPH10253573A JP5536197A JP5536197A JPH10253573A JP H10253573 A JPH10253573 A JP H10253573A JP 5536197 A JP5536197 A JP 5536197A JP 5536197 A JP5536197 A JP 5536197A JP H10253573 A JPH10253573 A JP H10253573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、銀・塩化銀参照電極およびその製
造方法に関し、基板上に電気化学反応の起こらない密着
用の絶縁層、電極となる導電性パターン、銀パターン、
および絶縁層を形成した後に側面から銀パターンの一部
を塩化銀に変化させて、塩素イオンを含む水溶液に浸漬
したときの安定性の向上および従来の密着層のクロム/
チタンが溶けだして特性不良となる欠点を無くすことな
どを目的とする。 【解決手段】 基板1上に形成した絶縁層と、この絶縁
層上に形成した電極となる導電性パターンと、この導電
性パターンの上から形成した銀パターンと、この銀パタ
ーンの上から形成した上部絶縁層と、銀パターンについ
て側面からその一部を変化させた塩化銀パターンとを備
える銀・塩化銀参照電極およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀・塩化銀参照電
極およびその製造方法であって、多くの電気化学実験あ
るいは電気化学的原理に基づく化学センサ、バイオセン
サに用いられる参照電極およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】参照電極は、電位設定あるいは電位測定の
基準となる電極であり、電気化学の基礎研究においては
なくてはならない重要な構成要素である。電気化学を応
用したアンペロメトリックセンサにおいては、この電極
を基準に作用極電位が設定され、目的とする測定対象物
質の濃度に応じて電流が流れ、これを指標として目的と
する物質を測定することができる。また、ポテンショメ
トリックセンサにおいては、化学物質測定用電極の電位
がこの参照電極の電位を基準に測られ、この電位を指標
として化学物質の濃度が測られる。
【0003】
【従来の技術】参照電極は上述したように電気化学的セ
ンサにおいて、基本的かつ非常に重要なものである。
【0004】近年、半導体加工技術による化学センサ、
バイオセンサの微小化が進むに伴い、微小で安定な電位
を与えることができる参照電極が求められるようになっ
た。このような微小な参照電極として、薄膜状の銀・塩
化銀電極が多く用いられている。図11はその基本的な
構造を示したものである。例えば密着層として基板51
の上にクロムまはたチタンの層52を形成した上に銀層
53を形成し、その表面を部分的に塩化銀層54に変え
る。また、場合によっては銀の密着性を更に向上させた
り、センサの構造上あるいはプロセス上の都合により、
密着層と銀との間に金や白金などの中間層を介在させる
ことがある。通常、この構造体は、フォトリソグラフィ
によりパターニングして形成する。この構造体は、これ
までの多くのマイクロ化学センサ、マイクロバイオセン
サに用いられてきたが、この基本構造には、ほとんど手
が加えられていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その特
性を詳細に検討してみると、問題のあることが判明し
た。図12はこの構造体をさまざまな濃度の塩化カリウ
ムを含む水溶液(塩化銀は飽和していない)に浸漬し、
市販されている液絡付きの銀・塩化銀参照電極と電位を
比較したものである。0.1M(モル/リットル)程度
の比較的に低濃度の時には、少なくとも24時間安定に
動作するが、塩化カリウム(KCl)の濃度が増加する
に伴いこの構造体の与える電位は不安定になり、あると
ころで急激な電位変化を示して壊れる。壊れるまでの時
間は塩化カリウムの濃度が増加するに伴い短くなり、塩
化カリウムが飽和している溶液中では、ほぼ溶液に浸漬
した瞬間から異常を示すという問題があった。
【0006】また、参照電極は場合によっては対極を兼
ねることにより、さまざまなセンサ中で2極構成で用い
ることができる。この場合、参照電極はカソードにもア
ノードにもなりうる。特にそれがアノードとして用いら
れる場合、密着用金属として用いられているクロムやチ
タンが溶けだし、銀薄膜の密着性が失われるだけではな
く、検出電極となるカソード上で還元され、残余電流の
原因となってしまう問題があった。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するため、
基板上に電気化学反応の起こらない密着用の絶縁層、電
極となる導電性パターン、銀パターン、および絶縁層を
形成した後に側面から銀パターンの一部を塩化銀に変化
させて、塩素を含む水溶液に浸漬したときの安定性の向
上および従来の密着層のクロム/チタンが溶けだして特
性不良となる欠点を無くすことなどを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1、図5および図9を
参照して課題を解決するための手段を説明する。図1、
図5および図9において、基板1は、本発明に係る参照
電極を形成する基板であって、シリコン基板、ガラス基
板、プラスチック基板、セラミックス基板などの基板で
ある。
【0009】絶縁層2は、基板1上に形成する絶縁層で
あって、基板1と銀パターン4とを密着させるものであ
り、例えばポリイミドを形成した層である。導電性パタ
ーン3は、電極となるパターンであって、例えば金パタ
ーンである。
【0010】銀パターン4は、銀を形成したパターンで
ある。上部絶縁層5は、銀パターン4を覆う絶縁層であ
って、例えばポリイミドを形成した層である。
【0011】塩化銀パターン6は、銀パターン4の外周
部を塩化銀に変化させたものである。次に、製造方法を
説明する。
【0012】図1に示すように、基板1上に絶縁層2を
形成し、この絶縁層2の上に電極となる導電性パターン
3を形成し、導電性パターン3の上から銀パターン4を
形成し、この銀パターン4の上から上部絶縁層5を形成
し、銀パターン4について側面から塩化銀パターン6を
形成し、銀・塩化銀参照電極を製造するようにしてい
る。
【0013】また、図9に示すように、シリコン基板1
1(図1の基板1に相当)に凹部を形成し、この凹部上
に絶縁層2、導電性パターン3、銀パターン4、上部絶
縁層5、および塩化銀パターン6を形成し、当該凹部上
に他の基板で蓋をして固定するようにしている。
【0014】また、導電性パターン3、銀パターン4、
上部絶縁層5、および塩化銀パターン6とからなる構造
体を複数構成し、これらを導電性パターン3あるいは銀
パターン4で接続するようにしている。
【0015】また、導電性パターン3の無い部分の銀パ
ターン4上の所定箇所の上部絶縁層5を無くし、当該部
分から塩化銀パターン6を形成するようにしている。ま
た、銀パターン4の上に形成した上部絶縁層5の一部が
銀パターン4の外側まで形成して基板1あるいは絶縁層
2と密着して固定するようにしている。
【0016】また、導電性パターン3の無い部分で銀パ
ターン4に貫通孔を設けて上部絶縁層5と基板1あるい
は絶縁層2と密着して固定するようにしている。また、
基板1をシリコン基板、ガラス基板、プラスチック基
板、セラミックス基板とするようにしている。
【0017】従って、基板1上に電気化学反応の無い密
着用の絶縁層2、電極となる導電性パターン3、銀パタ
ーン4、および上部絶縁層5を形成した後に側面から銀
パターンの一部を塩化銀パターン6に変化させるなどす
ることにより、塩素を含む水溶液に浸漬したときの安定
性の向上および従来の密着層のクロム/チタンが溶けだ
して特性不良となる欠点を無くすことなどが可能となっ
た。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、図2から図12を用いて本
発明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
【0019】図2は、本発明の製造方法フローチャート
(その1)を示す。これは、図1の構造を持つ素子を製
造するときの製造方法フローチャートである。図2にお
いて、S1は、酸化層を形成する。これは、図1の基板
1として例えばシリコン基板(3インチ、400μm
厚)を用いた場合、1050°Cでウエット酸化し、表
面にSiO2層を形成する。シリコン基板の替わりにガ
ラス基板、セラミック基板を用いる場合には、シリコン
基板のときのSiO2層の酸化層の形成は不要である。
【0020】S2は、感光性下地ポリマー層の形成を行
う(図4の(a)参照)。基板1上に図1(a)の絶縁
層2として感光性のポリマー層の形成を行う。これは、
電極となる導電性パターン3である金パターン自身は、
SiO2、ガラス、セラミックなどの基板1との密着性
が悪いため、従来はクロムやチタン等の密着用金属膜を
用いていたが、本発明ではこれを用いずに、密着用とし
てポリマー層を形成する。ポリマー層としては、ポリイ
ミド層を用いた。ポリイミドプレポリマー(東レ製、フ
ォトニースUR−3100)を塗布し、1時間ベーキン
グ後、絶縁層2のパターンを露光し、その後、150°
Cで30分、200°Cで30分、300°Cで1時間
キュアした。キュア後のポリイミドの膜厚は2.5μm
であった。ポリイミド層は基板全面に形成してもよい
し、図4の(a)に示すようにパターニングしてもよ
い。ポリイミド層を基板と後述する導電性パターン3と
の密着用に用いた場合には、従来のクロムやチタンを用
いた時よりも劣るが、SiO2、ガラス、セラミック等
の基板1に直接に形成した場合よりも強く、実用に耐え
る密着度が得られた。
【0021】S3は、全面に金のスパッタによる成膜お
よびフォトレジストによるパターニング、金エッチング
とフォトレジストの除去を行う(図4の(b)参照)。
これは、図1の(a)の導電性パターン3として、 全面に金をスパッタして約200nm厚に形成 ポジ型フォトレジスト(東京応化製、OFPR−8
00)を全面に塗布、金パターンを露光、現像して金パ
ターン以外の部分のレジストを除去 金のエッチング液(ヨウ化カリウム10gとヨウ素
2.5gを純水100mlに溶解した液)中でレジスト
の無い部分の金膜をエッチングして除去 不要なレジストをアセトン中で剥離し洗浄し、金パ
ターンを形成する。ここで、金パターンの他に、自身電
極反応でおかされにくい白金などの他の導電性材料を用
いてもよい。
【0022】S4は、全面に銀層を形成する。これは、
S3で電極となる導電性パターン3である金パターンを
図4の(b)に示すように形成した上に、全面に銀を約
300nmの厚さにスパッタして形成する。
【0023】S5は、感光性ポリマー層の形成およびパ
ターニングする。基板1上に図1(a)の上部絶縁層5
として感光性のポリマー層の形成を行う。これは、S4
で銀を全面にスパッタした上からポリイミドプレポリマ
ー(東レ製、フォトニースUR−3140)を塗布し、
1時間ベーキング後、上部絶縁層5のパターンを露光
し、その後、150°Cで15分、200°Cで15
分、300°Cで30分キュアした。キュア後のポリイ
ミドの膜厚は9.5μmであった。このポリイミド層は
銀パターン4が残るべき部分だけに形成した。
【0024】S6は、銀エッチングを行う。これは、S
5のポリマー層をマスクとして、以下に示すエッチング
液中で銀パターン4をエッチングした後、純水で洗浄
し、乾燥窒素を吹き付けて乾燥させた。
【0025】銀のエッチング液:29%アンモニア水:
31%過酸化水素:純水=1:1:20 S7は、塩化銀層の形成を行う。これは、図1の(b)
の塩化銀パターン6の形成を行うものであって、KCl
−HCl緩衝液中で電解して銀パターン4の周辺部から
塩化銀層を形成して塩化銀パターン6を形成する(図3
を用いて後述する)。
【0026】以上の工程によって、基板1上に多数の参
照電極を一度に製造することが可能となる。本発明の参
照電極は塩素イオン活量一定の電界液中に浸漬すること
により、安定な基準電位を与えることができる。
【0027】次に、図3のフローチャートを用いて、図
2のS7の塩化銀層の形成について詳細に説明する。図
3は、本発明の製造方法フローチャート(その2)を示
す。
【0028】図3において、S11は、完成した参照電
極をKCl−HCl緩衝液に浸漬する。S12は、所定
電圧で電解する。
【0029】S13は、銀の約1/3が塩化銀に変わっ
た時点で終了する。ここで、S11ないしS13の手順
について具体的に説明すると、市販の参照電極(例えば
堀場製作所製、2010A−06T)と白金板とともに
0.1MKClを含むKCl−HCl緩衝液(pH2.
2、25°C)中に浸漬し、市販の参照電極に対し微小
参照電極に一定電圧を印加することにより、銀パターン
4の周辺部から塩化銀層を形成して塩化銀パターン6を
形成した。印加電圧は、−0.5V(vs.銀パターン
4/塩化銀パターン6)とし、10分間印加した。尚、
+0.5V印加前に−0.5Vを20秒間印加した。こ
の工程により、微小な銀パターン4/微小な塩化銀パタ
ーン6が完成した(図4の(d)参照)。
【0030】S14は、洗浄する。以上の工程によっ
て、図1の(a)の構造中の銀パターン4について外周
から塩化銀パターン6を図1の(b)に示すように電解
できたこととなる。
【0031】図4は、本発明の説明図(その1)を示
す。図4の(a)は、基板1上に絶縁層2としてポリマ
ー層を形成した状態を示す。これは、既述した図2のS
2で感光性の下地のポリマー層を形成した後の状態を示
す(感光性のポリマー層を全面に塗布、露光、現像した
後の状態を示す)。
【0032】図4の(b)は、導電性パターン3である
金パターンを形成した後の状態を示す。これは、既述し
た図2のS3で金パターンをパターニングした後の状態
を示す。
【0033】図4の(c)は、上部絶縁層5を形成して
銀パターン4をエッチングした後の状態を示す。これ
は、既述した図2のS6で上部絶縁層5であるポリマー
層を形成し、当該ポリマー層をマスクにして銀パターン
4をエッチングした後の状態を示す。
【0034】図4の(d)は、塩化銀パターン6を形成
した後の状態を示す。これは、既述した図2のS7(図
3)で銀パターン4の外周部から塩化銀パターン6を変
換した後の状態を示す。
【0035】図5は、本発明の説明図(その2)を示
す。図5の(a)は銀パターン4を上部絶縁層5よりも
若干大きくエッチングした例を示し、図5の(a−1)
はBB’断面図を示す。これは、既述した図2のS6で
上部絶縁層5をマスクに銀パターン4をエッチングする
と、塩化銀パターン6の形成がうまく進まないことがあ
る。この場合には、もう1枚フォトマスクを用意し、図
5の(a)に示すように銀パターン4を上部絶縁層5の
サイズよりも若干大きめにエッチングし、塩化銀パター
ン6の形成がスムーズに進むようにする。
【0036】図5の(b)は上部絶縁層5を塩化銀パタ
ーン6の外側に一部分はみ出させて形成しての部分で
基板1あるいは絶縁層2と固定した状態を示し、図5の
(b−1)、(b−2)はそのCC’、DD’断面図を
それぞれ示す。これは、図1の(b)に示すように、塩
化銀パターン6の形成された部分は、基板1と上部絶縁
層5との間の密着性が悪くなり、塩化銀が溶出し易くな
り、寿命が短くなる。そのため、図5の(b)に示すよ
うに、上部絶縁層5であるポリイミド層を一部分外側に
の箇所ではみ出させ、塩化銀パターンの形成が進んで
も、基板1と上部絶縁層5との間の密着性が損なわれな
いようにいわば周囲を固定したものである(上部絶縁層
5と基板1(あるいは絶縁層2)とを周囲で固定したも
のである)。
【0037】図5の(c)は銀パターン4の一部に貫
通孔を設け、上部絶縁層5と絶縁層2とを固定した状態
を示し、図5の(c−1)、(c−2)はそのEE’、
FF’断面図をそれぞれ示す。これは、図1の(b)に
示すように、塩化銀パターン6の形成された部分は、基
板1と上部絶縁層5との間の密着性が悪くなり、塩化銀
が溶出し易くなり、寿命が短くなる。そのため、図5の
(c)に示すように、銀パターン4の一部に貫通孔を
設けて上部絶縁層5であるポリイミド層と絶縁層2とを
部分的に固定し、塩化銀パターンの形成が進んでも、基
板1と上部絶縁層5との間の密着性が損なわれないよう
にいわば部分的に固定したものである。
【0038】図6は、本発明の説明図(その3)を示
す。これは、本発明に係る銀・塩化銀参照電極をアノー
ドとして用いた場合、カソードに対してアノードの面積
比が大きいと、塩化銀パターン6がなかなか形成され
ず、アノード電位が安定しない場合がある。本発明で
は、塩化銀の形成は、上部絶縁層5で覆われた部分にも
既述したように進行する。このため、安定化時間の短縮
と長寿命化の問題を両立できる。また、アノードとなる
場合も含め、微小な銀・塩化銀参照電極がアンペロメト
リックセンサの対極として用いられる場合など、そのコ
ンダクタンスが問題となったり、電位の安定性が不十分
な場合がある。このような場合、既述した本発明の構造
のパターンを長くすることが有効であるが、それでも不
十分な時は、図6の(a)に示すように、複数個を並列
に配列し、これを導電性パターン3で接続した構造にす
ればよい。また、図6の(b)に示すように、下に導電
性パターン3のない部分の銀パターン4のところの上部
絶縁層5であるポリマー層にスリットを設け、この
スリットの部分から塩化銀パターン6を形成することに
より、コンダクタンスをより小さくして問題を解決する
ことができる。
【0039】図7は、本発明の実験例を示す。これは、
既述した本願発明の銀・塩化銀参照電極を使用したとき
の実験例を示す。本願発明の銀・塩化銀参照電極は、そ
のままむき出しで試料液に接触した状態で使用する場合
には、塩素イオンの活量によって電極電位が変動するた
め、一定の塩素イオン活量の溶液中で使用することにな
る。例えば、Clark型酸素電極やSevering
haus型二酸化炭素電極等、電解液が外部と隔離され
ている場合や、FIAに適用する場合にはキャリヤ溶液
中の塩素イオンの活量を一定にしておけば良いので、問
題なく使用することができる。
【0040】本発明によって作製した微小な銀・塩化銀
参照電極について、既述した従来の図12の銀・塩化銀
参照電極と同様な実験を行った実験結果の例を図7に示
す。第7の実験結果は、従来の図12に比して顕著な改
善が判明した。特に電解液中に塩化銀を飽和させた場合
でも、すぐには破損せず、3時間程度安定な電位を維持
できるようになった。ここで、更に塩化銀を飽和させた
場合には寿命はさらに伸びて、8時間程度安定な電位を
維持できた。従来の図12の構造では1.5分程度であ
った図8は、本発明の製造方法フローチャート(その
3)を示す。図7までのものは一定の塩素イオン濃度下
でしか使用できなかったが、どのような塩素イオン濃度
下でも使用できるようにしたのが、図8、図9のもので
ある。
【0041】図8において、S21は、シリコン上にS
iO2層を形成する。これは、基板となる(100)面
シリコン基板を過酸化水素とアンモニアを含む加熱した
溶液中で洗浄後、1050°Cでウエット酸化し、表面
に1.4μm厚のSiO2を形成する。
【0042】S22は、レジスト塗布、露光、現像す
る。これは、S21で形成した基板上にネガ型フォトレ
ジスト(東京応化製、OMR−85)をスピンコート
し、80°Cで30分間ベーキングを施した後、裏面に
も同様に同じレジストをスピンコートし、更に30分間
ベーキングを施した。ベーキング後、フォトマスクを通
してまず片面に露光した後、裏面にもフォトマスクを通
して露光し、現像、リンスを順に施した。この後、15
0°Cで30分ベーキングを施した。
【0043】S23は、フッ酸溶液中でSiO2層を除
去する。これは、S22で作製した基板を、50%フッ
酸:40%フッ化アンモニウム=1:6溶液中に浸漬
し、S22でフォトレジストで被われていない部分のS
iO2層をエッチングで除去する。エッチング後にレジ
ストを硫酸:過酸化水素水=2:1溶液中に浸漬し、除
去した(図9の(a)参照)。
【0044】S24は、レジストを除去する。S25
は、シリコンをアルカリ中でエッチングする。これは、
SiO2膜で保護されていない部分のシリコンに異方性
エッチングを施す。これは、S24でレジストを除去し
たシリコン基板をよく撹拌した0.1%(v/v)2−
propanolを含む35%水酸化カリウム(80°
C)に浸漬することにより行った。エッチング完了後、
純水で充分に洗浄後、乾燥窒素を吹き付けて両面を乾燥
させて、後述する図9の(b)に示すようにした。異方
性エッチングをシリコン基板の両面から行い、液絡部の
先端部と電解液注入口付近を貫通させた。
【0045】S26は、SiO2層を除去する。これ
は、マスクとして使用したSiO2層を、基板を10%
フッ酸中に浸漬することにより除去した。以上によっ
て、後述する図9の(b)に示す容器を製造できたこと
となる。
【0046】S27は、ガラス全面にクロム層を形成す
る。これは、7740ガラス基板(3インチ、500μ
m厚)を加熱した31%過酸化水素:29%アンモニ
ア:純水=1:1:4溶液中および加熱した純水中で洗
浄した。この洗浄したガラス基板の片面にクロム層20
0nmをスパッタした S28は、レジスト塗布、パターニングする。これは、
S27でガラス基板上にクロム層を形成し、その上にネ
ガ型フォトレジスト(東京応化製、OMR−85)を全
面にスピンコートし、80°Cで30分間ベーキング
後、フォトマスクを通して、露光、現像、リンスを施し
た。
【0047】S29は、クロムエッチングする。これ
は、S28で形成したフォトレジストをパターニングし
たガラス基板について、下記のクロムエッチング液中
で、ネガ型フォトレジストで保護されていない部分のク
ロムを除去した。
【0048】クロムエッチング液:フェリシアン化カリ
ウム25gと水酸化ナトリウム12.5gを100ml
の純水に溶かした液 S30は、ガラスをフッ酸溶液中でエッチングする。こ
れは、S29で作製したクロムパターンを形成したガラ
ス基板を氷で冷やした50%フッ酸中に浸漬してクロム
マスクで保護されていない部分のガラスをエッチングす
る。この際、エッチングは、実験では、15秒毎に中断
して純水で洗浄を行うことを繰り返し、最終的にフッ酸
中でのエッチングを計2分行い、エッチングにより形成
された凹部16の深さは7μmであった。
【0049】S31は、レジストとクロムを除去する。
これは、硫酸:31%過酸化水素水=1:1溶液中にて
レジストを除去した後、上記クロクエッチング液でクロ
ムを除去した。この後、ガラス基板をよく洗浄し、乾燥
窒素ガスにより乾燥した。
【0050】S32は、凹部の底に参照電極を形成する
(既述した図2のS1ないしS8)。これは、既述した
図2のS1ないしS8によって、図9の(d)に示すよ
うに、凹部16の底に参照電極を形成する。
【0051】以上によって、ガラス基板14の凹部の底
に参照電極が形成されたこととなる。S33は、容器と
参照電極基板を貼り合わせる。これは、S21からS2
6までで作製した容器と、S27からS32までで作製
したガラス基板の凹部の底に参照電極を持つ参照電極基
板(ガラス基板)とを図9の(e)に示すようにした状
態で250°Cに加熱し、ガラス基板側を負として1K
V印加し2枚の板を強固に接着した。そして、ダイシン
グにより基板より参照電極を切り出す。
【0052】S34では、容器内に一定濃度(活量)の
塩素イオンを含む電解液を満たす。これはチップを電解
液中に浸漬し、真空に引くことによって行うことができ
る。好ましくは塩化カリウムを飽和させた電解液を用い
る。また、常に塩化カリウムを容器内に飽和させておく
ために、前記脱気操作と乾燥の工程を繰り返し、容器内
に塩化カリウムを析出させておくと効果的である。更に
電解液内に塩化銀も飽和させておくと、参照電極の寿命
をさらに延ばすことができる。外部の電解液とは液絡1
8を通して接触させる。
【0053】図9は、本発明の説明図(その4)を示
す。図9の(a)は、シリコン基板11上にSiO2層
12、ネガ型フォトレジスト13を塗布、露光、現像し
た後、フッ酸でSiO2を除去した状態を示す。
【0054】図9の(b)は、SiO2層をマスクにシ
リコン基板11をアルカリ中でエッチングして凹部を形
成した後の容器を示す。図9の(c)は、ガラス基板1
4上にクロム層をパターニングし、フッ酸溶液中でガラ
ス基板14を溶解して凹部16を形成した状態を示す。
【0055】図9の(d)は、ガラス基板14の凹部の
底に参照電極を形成した様子を示す。図9の(e)は、
作製した容器(シコリン基板11)と、参照電極基板
(ガラス基板14)とを張り合わせた状態を示す。図9
の(e)の左側は正面断面を示し、図9の(e)の右側
は側面断面図を示す。
【0056】図10は、本発明の説明図(その5)を示
す。これは、ガラス基板14上に既述した図2のS1な
いしS7によって参照電極17を形成し、蓋に相当する
既述した図9の(a)、(b)の順番に作製したシリコ
ン基板11を位置合わせして載せ、接着剤で固定した例
を示す。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板1上に電気化学反応の起こらない密着用の絶縁層
2、電極となる導電性パターン3、銀パターン4、およ
び上部絶縁層5を形成した後に側面から銀パターンの一
部を塩化銀パターン6に変化させて参照電極を形成する
構成を採用しているため、塩素イオンを含む水溶液に浸
漬したときの安定性を向上させることができると共に、
従来の図11の密着層のクロム/チタンが溶けだして特
性不良となる欠点を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図である。
【図2】本発明の製造方法フローチャート(その1)で
ある。
【図3】本発明の製造方法フローチャート(その2)で
ある。
【図4】本発明の説明図(その1)である。
【図5】本発明の説明図(その2)である。
【図6】本発明の説明図(その3)である。
【図7】本発明の実験例である。
【図8】本発明の製造方法フローチャート(その3)で
ある。
【図9】本発明の説明図(その4)である。
【図10】本発明の説明図(その5)である。
【図11】従来技術の説明図(その1)である。
【図12】従来技術の説明図(その2)である。
【符号の説明】
1:基板 2:絶縁層 3:導電性パターン 4:銀パターン 5:上部絶縁層 6:塩化銀パターン 11:シコリン基板 12:SiO2 13:ネガ型フォトレジスト 14:ガラス基板 16:凹部 17:参照電極 18:液絡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 軽部 征夫 神奈川県川崎市宮前区東有馬1丁目3番地 16 (72)発明者 鈴木 博章 茨城県つくば市竹園3丁目6番地305棟103 号 (72)発明者 石川 省吾 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 加藤 純子 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 佐々木 勇 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板1上に形成した絶縁層と、 この絶縁層上に形成した電極となる導電性パターンと、 この導電性パターンの上から形成した銀パターンと、 この銀パターンの上から形成した上部絶縁層と、 上記銀パターンについて側面からその一部を変化させた
    塩化銀パターンとを備えたことを特徴とする銀・塩化銀
    参照電極。
  2. 【請求項2】基板1上に絶縁層を形成するステップと、 この絶縁層上に電極となる導電性パターンを形成するス
    テップと、 この導電性パターンの上から銀パターンを形成するステ
    ップと、 この銀パターンの上から上部絶縁層を形成するステップ
    と、 上記銀パターンについて側面から塩化銀層を形成するス
    テップとからなることを特徴とする銀・塩化銀参照電極
    の製造方法。
  3. 【請求項3】基板に形成した凹部と、 この基板の凹部上に形成した上記請求項1記載の上記絶
    縁層、上記導電性パターン、上記銀パターン、上記上部
    絶縁層、上記塩化銀パターンと、 この基板の凹部上に、蓋となる他の基板を重ねて固定し
    たことを特徴とする銀・塩化銀参照電極。
  4. 【請求項4】基板に凹部を形成するステップと、 この基板の凹部上に上記請求項2記載の各ステップと、 この基板の凹部上に、他の基板で蓋をして固定するステ
    ップとからなることを特徴とする銀・塩化銀参照電極の
    製造方法。
  5. 【請求項5】上記請求項2記載の上記絶縁層、上記導電
    性パターン、上記銀パターン、上記上部絶縁層、上記塩
    化銀パターンを形成する各ステップと、 他の基板上に、上記素子が入るように凹部を形成するス
    テップと、 上記基板上に形成した素子の上に、蓋となる上記凹部を
    持つ他の基板を重ねて固定するステップとからなること
    を特徴とする銀・塩化銀参照電極の製造方法。
  6. 【請求項6】上記絶縁製、上記導電性パターン、上記銀
    パターン、上記上部絶縁層、および上記塩化銀パターン
    とからなる構造体を複数構成し、これらが上記導電性パ
    ターンあるいは上記銀パターンで接続したことを特徴と
    する請求項1あるいは請求項3記載の銀・塩化銀参照電
    極。
  7. 【請求項7】上記絶縁層、上記導電性パターン、上記銀
    パターン、上記上部絶縁層、および上記塩化銀パターン
    とからなる構造体を複数構成し、これらが上記導電性パ
    ターンあるいは上記銀パターンで接続したことを特徴と
    する請求項2、請求項4、請求項5記載のいずれかの銀
    ・塩化銀参照電極の製造方法。
  8. 【請求項8】上記導電性パターンの無い部分の上記銀パ
    ターン上の所定箇所の上記上部絶縁層を無くし、当該部
    分から上記塩化銀パターンを形成したことを特徴とする
    請求項1、請求項3、請求項6記載のいずれかの銀・塩
    化銀参照電極。
  9. 【請求項9】上記導電性パターンの無い部分の上記銀パ
    ターン上の所定箇所の上記上部絶縁層を無くし、当該部
    分から上記塩化銀パターンを形成したことを特徴とする
    請求項2、請求項4、請求項5、請求項7記載のいずれ
    かの銀・塩化銀参照電極の製造方法。
  10. 【請求項10】上記銀パターンの上に形成した上記上部
    絶縁層の一部が当該銀パターンの外側まで形成して上記
    基板あるいは上記絶縁層と密着して固定したことを特徴
    とする請求項1、請求項3、請求項6、請求項8記載の
    いずれかの銀・塩化銀参照電極。
  11. 【請求項11】上記銀パターンの上に形成した上記上部
    絶縁層の一部が当該銀パターンの外側まで形成して上記
    基板あるいは上記絶縁層と密着して固定したことを特徴
    とする請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求
    項9記載のいずれかの銀・塩化銀参照電極の製造方法。
  12. 【請求項12】上記導電性パターンの無い部分で上記銀
    パターンに貫通孔を設けて上記上部絶縁層と上記基板あ
    るいは上記絶縁層と密着して固定したことを特徴とする
    請求項1、請求項3、請求項6、請求項8、請求項10
    記載のいずれかの銀・塩化銀参照電極。
  13. 【請求項13】上記導電性パターンの無い部分で上記銀
    パターンに貫通孔を設けて上記上部絶縁層と上記基板あ
    るいは上記絶縁層と密着して固定したことを特徴とする
    請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求項9、
    請求項11記載のいずれかの銀・塩化銀参照電極の製造
    方法。
  14. 【請求項14】上記基板をシリコン基板、ガラス基板、
    プラスチック基板、あるいはセラミックス基板としたこ
    とを特徴とする請求項1、請求項3、請求項6、請求項
    8、請求項10、請求項12記載のいずれかの銀・塩化
    銀参照電極。
  15. 【請求項15】上記基板をシリコン基板、ガラス基板、
    プラスチック基板、あるいはセラミックス基板としたこ
    とを特徴とする請求項2、請求項4、請求項5、請求項
    7、請求項9、請求項11、請求項13記載のいずれか
    の銀・塩化銀参照電極の製造方法。
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