JPH1025375A - 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを使用した空気入りタイヤ、ホース - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びこれを使用した空気入りタイヤ、ホース

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JPH1025375A
JPH1025375A JP8183683A JP18368396A JPH1025375A JP H1025375 A JPH1025375 A JP H1025375A JP 8183683 A JP8183683 A JP 8183683A JP 18368396 A JP18368396 A JP 18368396A JP H1025375 A JPH1025375 A JP H1025375A
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JP
Japan
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component
elastomer
thermoplastic resin
thermoplastic
resin component
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JP8183683A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawaguchi
剛 川口
Noriaki Kuroda
紀明 黒田
Tetsuji Kawamo
哲司 川面
Osamu Ozawa
小沢  修
Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Yoshihiro Aoyanagi
嘉宏 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エラストマー比率でエラストマー成分を不
連続相とし、熱可塑性樹脂成分を連続相とすることがで
き、そのため柔軟性に富み、耐気体透過性に優れた熱可
塑性エラストマー組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)空気透過係数が25×10-12 cc・cm
/cm2 ・sec ・cmHg以下である少なくとも一種の熱可塑
性樹脂成分及び(B)空気透過係数が1.0 ×10-1 0 cc・
cm/cm2 ・sec ・cmHg以下である少なくとも一種のエラ
ストマー成分を含み、かつ、混練温度における前記
(A)成分の溶融粘度(ηm )と前記(B)成分の溶融
粘度(ηd )が、次式の関係を満たす熱可塑性エラスト
マー組成物。 【数1】 (式中、ΔSP:エラストマー成分と熱可塑性樹脂成分
との溶解性パラメータの差、φm :熱可塑性樹脂成分の
体積分率)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー成分
を不連続相、熱可塑性樹脂成分を連続相とすることがで
き、かつ高エラストマー成分比率を達成できるために柔
軟性に富み、耐気体透過性に優れた熱可塑性エラストマ
ー組成物に関し、更に詳しくは、空気入りタイヤのイン
ナーライナー層やホースの内管などの気体透過防止層を
薄くしてこれらの軽量化を図ることができるように前記
熱可塑性エラストマー組成物を気体(ガス)透過防止層
に使用した空気入りタイヤ及び低透過性ホースに関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料消費率の低減は自動車における大き
な技術的課題の一つであり、この対策の一環として空気
入りタイヤや、フロンガス等を使用するホース及び低分
子量炭化水素化合物を使用する燃料輸送用ホースの軽量
化に対する要求も益々強いものになってきている。
【0003】ところで、空気入りタイヤの内面には、タ
イヤ空気圧を一定に保持するためにブチルゴム、ハロゲ
ン化ブチルゴムなどのような低気体透過性のゴムからな
るインナーライナー層が設けられている。しかしなが
ら、ハロゲン化ブチルゴムはヒステリシス損失が大きい
ため、タイヤの加硫後に、カーカスコード間の間隙にお
いて、カーカス層の内面ゴム及びインナーライナー層に
波打ちが生じた場合、カーカス層の変形とともにインナ
ーライナーゴム層が変形するので、転動抵抗が増加する
という問題がある。このため、一般に、インナーライナ
ー層(ハロゲン化ブチルゴム)とカーカス層の内面ゴム
との間にヒステリシス損失が小さいタイゴムと呼ばれる
ゴムシートを介して両者を接合している。従って、ハロ
ゲン化ブチルゴムのインナーライナー層の厚さに加え
て、タイゴムの厚さが加算され、層全体として1mm(1
000μm)を超える厚さになり、結果的に製品タイヤ
の重量を増大させる原因の一つになっていた。
【0004】空気入りタイヤのインナーライナー層とし
てブチルゴムなどの低気体透過性ゴムに代えて種々の材
料を用いる技術が提案されている。例えば、特公昭47
−31761号公報には、加硫タイヤの内面に、空気透
過係数[cm3 (標準状態)/cm・sec ・mmHg]が30℃
で10×10-13 以下、70℃で50×10-13 以下
の、ポリ塩化ビニリデン、飽和ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂などの合成樹脂の溶液又は分散液を0.1mm
以下で塗布することが開示されている。
【0005】しかしながら、この公報に開示の技術は、
加硫タイヤのカーカス内周面に、もしくはインナーライ
ナー内周面に、特定の空気透過係数を有する合成樹脂の
被覆層を設けて合成樹脂被覆層の厚さを0.1mm以下に
することが記載されているが、この公報に記載された空
気入りタイヤはゴムと合成樹脂との接着性に問題があ
り、またインナーライナー層が耐湿性(又は耐水性)に
劣るという欠点を有する。
【0006】特開平5−330307号公報には、タイ
ヤ内面をハロゲン化処理(従来から知られている塩素化
処理用液、臭素溶液、ヨウ素溶液を使用)し、その上に
メトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレ
タンとポリ塩化ビニリデンのブレンド、ポリウレタンと
ポリフッ化ビニリデンのブレンドのポリマー皮膜(膜厚
10〜200μm)を形成することが開示されている。
【0007】更に、特開平5−318618号公報に
は、メトキシメチル化ナイロンの薄膜をインナーライナ
ーとする空気入りタイヤが開示されており、この技術に
よれば、グリーンタイヤ内面にメトキシメチル化ナイロ
ンの溶液又はエマルジョンを散布又は塗布し、次いでタ
イヤを加硫するか、或いは加硫後タイヤ内面にメトキシ
メチル化ナイロンの溶液又はエマルジョンを散布又は塗
布することによって空気入りタイヤを製造している。し
かしながら、これらの公報に開示の技術においても薄膜
の耐水性に劣る欠点に加えて、膜厚の均一性を保持する
ことが困難な欠点を有している。
【0008】更に、特開平6−40207号公報には、
ポリ塩化ビニリデンフィルムまたはエチレンビニルアル
コール共重合体フィルムから成る低空気透過層と、ポリ
オレフィン系フィルム、脂肪族ポリアミドフィルム、ま
たは、ポリウレタンフィルムから成る接着層を有した多
層フィルムをタイヤの空気透過防止層として使用してい
る例がある。しかしながら、この系では低空気透過層が
柔軟性に欠け、タイヤ走行時の材料の伸縮にフィルムが
追従できず、亀裂を発生することがあった。
【0009】更に、特開平5−508435号公報に
は、タイヤインナーライナー用組成物としてC4 〜C7
イソモノオレフィンとp−アルキルスチレンのハロゲン
含有コポリマーにカーボンブラック、可塑剤油及び加硫
剤を含む組成物をタイヤインナーライナーに使用するこ
とが提案されているが、かかるインナーライナーは空気
透過係数が不十分で更なるタイヤの軽量化には適当でな
い。
【0010】一方、冷媒輸送用または燃料輸送用ホース
として、冷媒や燃料の透過防止策の施されたホースを用
いることは、環境保護対策上重要である。このような用
途に用いられるホースが有すべき重要な特性を挙げる
と、HFC134a等のフレオンガス、燃料、潤滑油、
軽油等の炭化水素ガス等のガス透過性が低いこと、柔軟
性に優れること、熱時における物性保持率が高いこと
(金具部のもれ防止のため)等がある。
【0011】ところで、従来は、冷媒輸送用の低透過性
ホースとして、内管がニトリルゴム製、外管がクロロプ
レンゴム製のホース等が用いられていたが、近年は、前
記重要な特性を満足するホースである、内管が二層構造
となっており、内管内層として耐ガス透過性に優れるポ
リアミド系樹脂層を有する低透過性ホースに移行してい
る。この様な低透過性ホースに求められる諸特性を具体
的に説明すると、以下の通りである。
【0012】 フレオンガス、炭化水素ガス等のガス
透過性低減に関して 当該ホースは、基本的に、従来ゴムホース(NBR内
管、CR外管が例示できる)のガス洩れ量改善、ひいて
は、これらガスのホース内部から透過したガスの空気中
への拡散による環境汚染およびオゾン層破壊の防止を目
的とし、特に、冷媒輸送用ホースの場合は、ガスの交換
周期10年のメンテナンス・フリー化をも目的として開
発されたものである。
【0013】従来ゴムホースのガス洩れ量は、20〜2
5gf/m/72時間(at 100℃)(72時間当り
のガス洩れ量)であり、また、冷媒交換周期は2年であ
る。従って、メンテナンス・フリー化のためには、ガス
洩れ量が5gf/m/72時間(at 100℃)以下で
あることが必要である。
【0014】また、冷媒は、従来、ジクロロジフルオロ
メタン(以下、CFC12と記す)が主として使用され
ていたが、近年、オゾン層破壊能の小さいトリフルオロ
モノフルオロエタン(以下、HFC134aと記す)
が、代替品の1つとして登場した。従って、冷媒として
当該HFC134aを使用した場合でも、前述の理由に
より、ガス洩れ量が5gf/m/72時間(at 100
℃)以下であることが必要である。
【0015】 ホース柔軟性に関して 当該ホースは、冷媒等の輸送を目的とするが、同時に、
エンジンとボディー間の振動吸収も重要な役割であり、
従って、ホースの柔軟性は重要である。従来ゴムホース
は、目的に合致した柔軟性を有していると言える。従っ
て、近年のガス透過性等が改善されたホースにおいて
も、従来ゴムホースと同等の曲げ力、即ち2.0kgf 以
下の曲げ力のものが必要である。
【0016】 金具部のもれ防止について 当該ホースは、システムと接続するため、ホース両端部
を金具にて加締め、接続と同時に接続部での冷媒等の漏
洩を防止している。かかる加締(接続)部において、ホ
ース構成材料の熱時物性保持率が低い場合、加締部に加
えられた初期応力は、使用時、熱によって低減し、残留
応力は激減するため、ついには加締部より冷媒が漏洩し
てしまう。従って、当該ホースとして、熱時応力保持率
の高いもの程良いといえる。
【0017】この様な低透過性ホースのうち、内管内層
としてポリアミド系樹脂層を有し、内管外層および外管
にゴム層を有する低透過性ホースは、前記諸特性を満足
し、性能は優れているが、加硫工程が不可欠であるため
に、製造コストはかなり高いという欠点がある。
【0018】そこで、この欠点を解消するホースとし
て、内管を単管とし、ポリアミド系樹脂等の耐ガス透過
性に優れる材料で構成し、外管はフッ素系樹脂等の耐水
分透過性に優れる樹脂材料で構成した、製造工程数が少
なく、かつ、加硫不要のために製造コストの低い低透過
性ホースが提案されたが、このホースは、柔軟性に乏し
く、かつ、熱時に軟化するために金具部からのもれが発
生し、実用に供することはできなかった。またかかる問
題を解決する提案として、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂などの熱可塑性樹脂中に加硫ゴムを分散させた熱可塑
性エラストマーを用いたホースがある(例えば特開平6
−64102号公報参照)。しかし、これらの熱可塑性
エラストマーでは特に耐ガス透過性、柔軟性のバランス
の点で目標の特性を得ることができず、ホース用途には
実用に供することは出来なかった。このように、現在、
所望の特性、機能を有し、かつ、製造コストの低い低透
過性ホースは知られていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑み、また、産業上の要請に応えてなされたものであ
り、高エラストマー比率で、かつ熱可塑性樹脂成分をマ
トリックス相とすることができ、よって、柔軟性に富
み、耐気体(ガス)透過性に優れる熱可塑性エラストマ
ー組成物を提供することを目的とし、更に、本発明で
は、空気入りタイヤの空気圧保持性を損なうことなく、
タイヤの軽量化を可能にし、かつ、エラストマー層との
接着性、空気入りタイヤの空気透過防止層用として最適
のタイヤ用ポリマー組成物及びそれを用いて空気透過防
止層を構成した空気入りタイヤを提供すること、また、
低透過性ホースに求められる諸特性を満足し、軽量で、
かつ、加硫工程が不要である為に製造コストの低い、低
透過性ホースの提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、(A)
空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cm
Hg以下である少なくとも一種の熱可塑性樹脂成分及び
(B)空気透過係数が1.0×10-10 cc・cm/cm2
sec ・cmHg以下である少なくとも一種のエラストマー成
分を含み、かつ、混練温度における前記(A)の熱可塑
性樹脂成分の溶融粘度(ηm )と前記(B)のエラスト
マー成分の溶融粘度(ηd )及びエラストマー成分
(A)と熱可塑性樹脂成分(B)の溶解度パラメーター
の差が、次式(1)の関係を満たし、エラストマー成分
(B)が不連続相で熱可塑性樹脂成分(A)が連続相で
ある熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
【数3】 (式中、ΔSP:(B)のエラストマー成分と(A)の
熱可塑性樹脂成分との溶解性パラメータの差 φm :(A)の熱可塑性樹脂成分の体積分率 a=−0.0518,b=0.90)
【0021】一方、本発明に従えば、(A)ガス透過係
数が5.0mg・mm/24h・cm2 以下である少なくとも
一種の熱可塑性樹脂成分及び(B)ガス透過係数が3
0.0mg・mm/24h・cm2 以下である少なくとも一種
のエラストマー成分を含み、かつ、混練温度における前
記(A)の熱可塑性樹脂成分の溶融粘度(ηm )と前記
(B)のエラストマー成分の溶融粘度(ηd )及びエラ
ストマー成分と熱可塑性樹脂成分の溶解性パラメーター
の差が、次式(1)の関係を満たし、エラストマー成分
(B)が不連続相で熱可塑性樹脂成分(A)が連続相で
ある熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
【数4】 (式中、ΔSP:(B)のエラストマー成分と(A)の
熱可塑性樹脂成分との溶解性パラメーターの差 φm :(A)の熱可塑性樹脂成分の体積分率 a=−0.0518,b=0.90)
【0022】また、本発明に従えば、前記熱可塑性エラ
ストマー組成物を空気透過防止層に使用した空気入りタ
イヤ及び該熱可塑性エラストマー組成物をガス透過防止
層に使用した低透過性ホースが提供される。
【0023】本発明によれば、熱可塑性エラストマー組
成物として、そのエラストマー成分(B)と熱可塑性樹
脂成分(A)の溶融粘度比並びにΔSP値と熱可塑性樹
脂成分(A)の体積分率との関係を前記式(1)を満足
するように規定することにより、高エラストマー比率で
かつ熱可塑性樹脂成分(A)をマトリックス相とするこ
とができる。
【0024】本発明に従った熱可塑性エラストマー組成
物に(A)成分として配合される熱可塑性樹脂は、空気
透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以
下、好ましくは0.05×10-12 〜10×10-12 cc
・cm/cm2 ・sec ・cmHgの任意の熱可塑性樹脂を用いる
ことができ、その配合量は、本発明によると、熱可塑性
樹脂成分(A)及びエラストマー成分(B)を含む全ポ
リマー成分の合計重量当り15〜80重量%、柔軟性の
点でより好ましくは15〜60重量%である。
【0025】また、本発明に従った熱可塑性エラストマ
ー組成物に(A)成分として配合される熱可塑性樹脂
は、ガス透過係数が5.0mg・mm/24h・cm2 以下
で、好ましくは2.0mg・mm/24h・cm2 以下の任意
の熱可塑性樹脂を用いることができ、その配合量は、エ
ラストマー成分を含む全ポリマー成分の合計重量当り
で、前記空気透過性制御の場合と同様な比率で用いるこ
とができる。
【0026】前記熱可塑性樹脂の量がエラストマー成分
を含む全ポリマー成分の合計重量に対して、80重量%
超であれば混合は可能であるが、得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物の柔軟性に欠け好ましくなく、また、1
5重量%未満であればエラストマー成分を含む連続相を
形成せしめるのに充分でなく、熱可塑性エラストマー組
成物を形成できなくなる。
【0027】そのような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、以下のような熱可塑性樹脂及びこれらの又はこれら
を含む任意の熱可塑性樹脂混合物を挙げることができ
る。ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナ
イロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイ
ロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロ
ン610(N610)、ナイロン612(N612)、
ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6
/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイ
ロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6
/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロ
ン66/PPS共重合体)、ポリエステル系樹脂(例え
ばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレ
ート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレ
ート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PB
N)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミ
ド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳
香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリ
アクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリ
ル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メ
タクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニト
リル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリ
レート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PMM
A)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂
(例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(E
VOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体)、
セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セ
ルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリク
ロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエ
チレン/エチレン共重合体(ETFE))、イミド系樹
脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))などを挙げるこ
とができる。
【0028】本発明に従った熱可塑性エラストマー組成
物に(B)成分として配合されるエラストマー成分は、
空気透過係数が1.0×10-10 cc・cm/cm2 ・sec ・
cmHg以下または、フレオンガス(HFC134a)等の
ガス透過係数30.0mg・mm/24h・cm2 以下の任意
のエラストマーもしくはこれらにエラストマーの分散性
や耐熱性などの改善その他のために一般的にエラストマ
ーに配合される補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化
防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加したエラス
トマー組成物で、その配合量は、本発明によると、熱可
塑性樹脂(A)及びエラストマー成分(B)を含むポリ
マー成分の合計重量当り20〜85重量%であり、好ま
しくは40〜85重量%である。
【0029】前記エラストマー成分の量が、熱可塑性樹
脂成分を含むポリマー成分の合計重量当り20%未満で
あれば、本発明の熱可塑性エラストマーに必要な柔軟性
を与えるのに充分ではなく、また、85重量%超では、
連続相をなす熱可塑性樹脂成分の量が十分ではなく、混
練及び成形ができなくなるため好ましくない。
【0030】そのようなエラストマー成分を構成するエ
ラストマー材料としては、例えば以下のようなものを挙
げることができる。C4 〜C7 イソモノオレフィンとP
−アルキルスチレン共重合体のハロゲン化物、特に、臭
素化イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体(Br
−IPMS)、水素化NBR、アクリロニトリルブタジ
エンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、エピクロル
ヒドリンゴム(CHC,CHR)、塩素化ブチルゴム
(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−II
R)。
【0031】本発明に係るエラストマー組成物には、さ
らに一般的にエラストマー配合物に配合される充填剤
(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボ
ンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可
塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等を上記空気
透過率又はガス透過率の要件を損なわない限り任意に配
合することもできる。また、前記エラストマー成分は、
熱可塑性樹脂との混合の際にエラストマー成分を動的に
加硫することもできる。エラストマー成分を動的に加硫
する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)
等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決
定すればよく、特に限定されるものではない。
【0032】加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架
橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系加
硫剤としては、粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イ
オウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリン
ジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等
を例示でき、例えば、0.5〜4phr (エラストマー成
分(ポリマー)100重量部当りの重量部)程度用いる
ことができる。
【0033】また、有機過酸化物系の加硫剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜20phr 程度用いることができる。更に、フェノー
ル樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の
臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナ
ーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等
が例示でき、例えば、1〜20phr 程度用いることがで
きる。その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸化マグ
ネシウム(4phr 程度)、リサージ(10〜20phr 程
度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノン
ジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−
p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、メチレ
ンジアニリン(0.2〜10phr 程度)が例示できる。
【0034】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr 程度用いる
ことができる。具体的には、アルデヒド・アンモニア系
加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グ
アニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン
等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジ
ルジサルファイド(DM),2−メルカプトベンゾチア
ゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、ス
ルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシル
ベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS),N−オ
キシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイ
ド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェン
アマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾ
ール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチル
チウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチ
ウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサル
ファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテト
ラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、
Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジ
チオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバ
メート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、T
e−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチ
オカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、
ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレ
ア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチ
ルチオウレア等を挙げることができる。また、加硫促進
助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いること
ができ、例えば、亜鉛華(5phr 程度)、ステアリン酸
やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr 程度)等
が使用できる。
【0035】前記した特定の熱可塑性樹脂成分(A)と
エラストマー成分(B)との相溶性が異なる場合は、第
3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させ
るのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、
熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下
し、その結果、分散相を形成しているエラストマー粒子
径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現
されることになる。そのような相溶化剤としては、一般
的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方
の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラ
ストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、
ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有
した共重合体の構造をとるものとすることができる。こ
れらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種
類によって選定すれば良いが、通常使用されるものに
は、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体
(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM,E
PDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラ
フト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マ
レイン酸共重合体、反応性フェノキシ樹脂等を挙げるこ
とができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はな
いが、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラス
トマー成分の総和)100重量部に対して、0.5〜2
0重量部が良い。
【0036】本発明において気体(ガス)透過防止層を
構成する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予
め前記式(1)の条件を満足するように選んだ熱可塑性
樹脂とエラストマー成分とを2軸混練押出機等で溶融混
練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー
成分を分散させることによる。エラストマー成分を加硫
する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー
成分を動的加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂また
はエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)
は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混
合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマ
ー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はな
く、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2
軸混練押出機等が挙げられる。中でも熱可塑性樹脂とエ
ラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加
硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さら
に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよ
い。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融
する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は
1000〜7500 Sec-1であるのが好ましい。混練全
体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場
合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが
好ましい。
【0037】この様な熱可塑性樹脂成分を連続相とし、
エラストマー成分を分散相とする熱可塑性エラストマー
組成物を得るために、熱可塑性樹脂成分とエラストマー
成分を溶融状態に混練しても、必ずしも目的とする分散
構造の熱可塑性エラストマーを得られることにはなら
ず、上記混練条件に加えて、さらに使用する両成分の分
率(特に、柔軟性のためには)を目的とするエラストマ
ー分率に制御すること、もしくは、可能な最大エラスト
マー分率を目的とした両成分の特性の制御が重要とな
る。両成分の比率の制御には、使用する熱可塑性樹脂成
分とエラストマー成分の個有の混練時の溶融粘度ととも
に、さらに、両成分の相溶性(溶解性パラメーター)と
の間に(式(1)に示す)一定の関係が成立し、これら
の特性の相互関係の制御により混練可能なエラストマー
成分を最大に、もしくは一定エラストマー比率で目的と
する熱可塑性エラストマーの分散構造に制御できる。本
発明では、両成分の溶融粘度と相溶性の制御が可能とな
ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0038】なお、こゝで、溶融粘度とは、混練加工時
の任意の温度、成分の溶融粘度をいい、各ポリマー材料
の溶融粘度は、温度、剪断速度(sec -1)及び剪断応力
の依存性があるため、一般に細管中を流れる溶融状態に
ある任意の温度、特に混練時の温度領域でのポリマー材
料の応力と剪断速度を測定し、下式(2)より溶融粘度
を測定する。
【数5】 なお、溶融粘度の測定には、東洋精機社製キャピラリー
レオメーターキャピログラフ1Cを使用した。
【0039】また、本発明では、熱可塑性樹脂成分とエ
ラストマー成分、各成分の溶融粘度、および相溶性パラ
メーターは、単一成分でなくとも良く、各々二種以上の
ポリマーを使用する場合には、相溶性パラメーターにつ
いては、各々のポリマー成分の加重平均値を、また、溶
融粘度は、構成する熱可塑性樹脂成分又はエラストマー
成分として各ポリマー成分任意の混練温度での溶融粘度
の加重平均値を使用して算出することができる。
【0040】上記方法及び熱可塑性樹脂成分(A)とエ
ラストマー成分(B)の物理的、化学的特性の制御によ
って作製された熱可塑性エラストマー組成物は、次に、
押出し成形またはカレンダー成形によってフィルム化さ
れる。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良
い。
【0041】このようにして得られる薄膜は、熱可塑性
樹脂(A)のマトリックス中に高エラストマー比率でエ
ラストマー成分(B)が不連続相として分散した構造を
とる。かかる状態の分散構造をとることにより柔軟性と
耐空気透過性のバランスを付与することが可能で、か
つ、耐熱変形性改善、耐水性向上等の効果も得ることが
出来、かつ、熱可塑性エラストマー組成物の加工が可能
となるため通常の樹脂用成形機、即ち押出し成形また
は、カレンダー成形によって、フィルム化することが可
能となる。
【0042】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
の薄膜から成る空気透過防止層を有する空気入りタイヤ
の製造方法について、インナーライナー層をカーカス層
の内側に配置する場合の一例を説明すると、予め本発明
の熱可塑性エラストマー組成物を所定の幅と厚さの薄膜
状に押し出し、それをタイヤ成型用ドラム上に円筒に貼
り着ける。その上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベ
ルト層、トレッド層等の通常のタイヤ製造に用いられる
部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイ
ヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って
加熱加硫することにより、所望の軽量化空気入りタイヤ
を製造することができる。なお、カーカス層の外周面に
空気透過防止層を設ける場合にも、これに準じて行うこ
とができる。
【0043】また、本発明に係る熱可塑性エラストマー
組成物を用いて内管、補強層及び外管から成るホースを
製造する方法について、以下に説明する。まず、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを使用し、予
め離型剤を塗布したマンドレル上に、樹脂押出機により
クロスヘッド押出方式で、熱可塑性エラストマー組成物
を押し出し、内管を形成する。さらに内管上に他の本発
明の又は一般の熱可塑性エラストマーを押し出し内管外
層を形成してもよい。次に、内管上に必要に応じ、接着
剤を塗布、スプレー等によりほどこす。さらに、内管上
に、編組機を使用して、補強糸又は補強鋼線を編組す
る。必要に応じ補強層上に、外管との接着のために接着
剤を塗布した後、本発明の、又は他の一般的な熱可塑性
エラストマー組成物と同様にクロスヘッドの樹脂用押出
機により押し出し、外管を形成する。最後にマンドレル
を引き抜くと、本発明の低透過性ホースが得られる。内
管上、又は補強層上に塗布する接着剤としては、イソシ
アネート系、ウレタン系、フェノール樹脂系、レゾルシ
ン系、塩化ゴム系、HRH系等が挙げられるが、イソシ
アネート系、ウレタン系が特に好ましい。上記製造方法
では、マンドレルを使用しているが、通常のゴムホース
又はゴム/樹脂複合ホースの製造時に必要な加硫の工程
がないため、加硫時の熱による収縮変形及び加硫時の圧
力による変形等がなく、ホースの寸法精度を維持し易い
ので、特に厳密な寸法精度を必要としなければ、マンド
レルを使用せずに製造することもできる。
【0044】なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、気体(ガス・空気等)の透過制御に係わるゴム製
品、例えば、防舷材、ゴム袋、燃料タンク等に使用する
ことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に具体的に
説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0046】実施例1〜3及び比較例1〜5 下記の表Iに示すエラストマーと架橋助剤を予めハンバ
リーミキサーで混合し、ゴム用ロールで2mmにシート出
しした後、ゴム用ペレタイザーでペレット化し、次の熱
可塑性樹脂成分との2軸混練用の架橋剤を除くエラスト
マー成分として供した。
【0047】
【表1】
【0048】表IIに示す熱可塑性樹脂成分のペレットと
上記で得られたエラストマー成分のペレットを、2軸混
練押出機にて第1の投入口より熱可塑性樹脂成分を添加
し、第2の投入口よりエラストマー成分を添加して、分
散、混練した。混練時の温度は、対応する熱可塑性樹脂
の溶融温度から+40℃までの温度に制御し、剪断速度
を1000sec -1〜3000sec -1に制御した。エラス
トマー成分の架橋剤は、エラストマー100重量部当り
上記表Iに示す配合になるように熱可塑性樹脂成分との
配合比率に応じ調整し、第3の投入口より添加し、熱可
塑性樹脂成分中に分散したエラストマー成分を混練中
に、即ち動的に架橋(加硫)せしめるように添加した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を2軸混練押出機
の吐出口よりストランド状に押出し、該ストランドを水
冷した後、樹脂用ペレタイザーでペレット化した。
【0049】このペレットを用いて、樹脂用プレス成形
機で使用した熱可塑性樹脂の溶融温度より40℃高い温
度でプレス成形し、透過型電子顕微鏡(TEM)による
分散状態の確認及び物性測定用のシートを作成して、こ
のシートを用いてマトリックス相の確定とヤング率の測
定を行った。また、空気透過係数、ガス透過係数の測定
には、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレット
をTダイヘッドを装置した樹脂用1軸押出機を用いて厚
さ150mmのフィルム状に成形し、該シートを使用して
所定の空気又はHFC134aガス透過試験を実施し
た。
【0050】さらに、上記で得られた熱可塑性エラスト
マー組成物の150μm厚さのフィルムを使用し、タイ
ヤ成形用のドラムに巻き、その上に以下の配合(I)の
ゴムをコートしたカーカス、サイドベルト、トレッド等
のタイヤ部材を積層させ、インフレートさせてグリーン
タイヤとした。グリーンタイヤは、加硫機で180℃、
10分間加硫させ、タイヤサイズ165SR13の図1
に示すようなタイヤに仕上げた。
【0051】 ゴム組成物の配合(I) 重量部 天然ゴム RSS#3 80 SBR 20 ニッポール1502 日本ゼオン社製 FEFカーボンブラック 50 HTC#100 中部カーボン(株)社製 ステアリン酸 2 ビーズステアリン酸NY 日本油脂社製 ZnO 3 3号亜鉛華 硫黄 3 粉末硫黄 軽井沢精錬所 加硫促進剤(BBS) 1 N−t−ブチル−2−ベンゾ チアジルスルフェンアミド アロマオイル 2 デソレックス3号 昭和シェル石油(株)社製
【0052】一方、比較例4として、上記タイヤ構造に
て、カーカス内層に本発明の熱可塑性エラストマー組成
物の150μm厚さの層を有しないタイヤを同一寸法で
タイヤに仕上げた。そして、これらのタイヤを使用し
て、長期耐久性試験及び空気漏れ性能試験を実施した。
【0053】さらにまた、実施例1〜3で得られた熱可
塑性エラストマー組成物のペレットを使用し、クロスヘ
ッド構造を有する樹脂用1軸押出機を用い、該熱可塑性
エラストマー組成物を予め離型剤を塗布した外径11mm
のナイロン11のマンドレル上に内径が2mm、内厚が1
50μmとなる様にチューブ状に押し出した。しかる
後、クロスヘッド構造を有するゴム用押出機を用いて上
記ナイロン11のマンドレル上に熱可塑性エラストマー
組成物を被覆した部材の上に、更に以下の配合(II)の
未加硫の臭素化ブチルゴム組成物を2.0mmの厚さに押
し出し成形した。この成形物の上に、更に編組機を使用
してRFLディップ処理を施したポリエステル繊維(東
レ社製テトロン、1500d/2)の補強糸を編組し、
補強層を形成した。補強層上に、更にクロスヘッド構造
を有するゴム用押出機を用い、更に以下のゴム配合(I
I)の未加硫の臭素化ブチルゴム組成物を1.5mmの厚
さに押し出し外管を形成した。かかる未加硫のホース構
造の上に、ナイロン布のラッピングテープにて二重に巻
き上げ、このホースを加硫缶にて153℃×60分加圧
加硫した。加硫後、ラッピングテープを除去し、更にマ
ンドレルを引き抜いて図2に示すような供試ホースを得
た。
【0054】 ゴム組成物の配合(II) 重量部 臭素ブチルゴム 100 エクソンブロモブチル2244 エクソンケミカル社製 カーボンブラックHAF 30 シーストN 東海カーボン社製 ZnO 3 亜鉛華3号 正同化学 硫黄 2 粉末硫黄 軽井沢精錬所 DM 1 ノクセラーDM 大内新興化学 ステアリン酸 1 ビーズステアリン酸NY 日本油脂社製
【0055】一方、比較例5として、上記ホース構造に
て、内管内層に本発明の熱可塑性エラストマー組成物の
150μmの厚さの層を有しないゴムホースを同一の寸
法で作成し、同様にホースの透過性、柔軟性及び耐久性
を測定した。
【0056】なお、上記の例において使用した測定法、
評価方法は、以下の通りである。
【0057】マトリックス相の確認法 凍結切片法により作成した試料を用いて、透過型電子顕
微鏡観察を行って確認した。
【0058】フィルムのヤング率の測定法 JIS K6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じ
た。 試験片:各例で作成したフィルムサンプルをフィルムの
押出成型時の樹脂の押出方向に平行に、JIS3号ダン
ベルで打ち抜いた。得られた応力〜ひずみ曲線の初期ひ
ずみ領域の曲線に接線を引き、その接線の傾きよりヤン
グ率を求めた。
【0059】フィルムの空気透過係数測定法 JIS K7126「プラスチックフィルム及びシート
の気体透過度試験方法(A法)」に準じた。 試験片 :各例で作成したフィルムサンプルを用いた。 試験気体:空気(N2 :O2 =8:2) 試験温度:30℃
【0060】熱可塑性エラストマー組成物材料のガス透
過係数測定法 図3に示すステンレス製カップに、カップ容量の1/2
の冷媒(CFC12またはHFC134a)を入れる。
ステンレス製カップの上部に、材料特性測定用試験用
に、押し出したシートまたはホース内管の場合には該内
管を切り開いてシート状とした試料を載せ、その上に焼
結金属板をのせ、ボルトとナットで締める。これを、1
00℃の雰囲気下に放置し、24時間ごとに全体の重量
を測定し、その減少量を算出し、さらに、下式より、ガ
ス透過度を算出する。 ガス透過係数(mg・mm/24h・cm2 )=M・t/T・
A ただし、A(cm2 ):透過面積 T(day ):試験を行った時間 M(gf):減少重量 t(mm):試験片の厚さ
【0061】インナーライナー層の耐久性試験法 165SR13スチールラジアルタイヤを作製し、13
×4 1/2−Jサイズのリムにリム組みし、空気圧を
200kPa として、1500ccクラスの乗用車に装着し
て、4名乗車時相当荷重(65kg/人)を与え、実路上
を2万km走行する。走行後に、タイヤをリムから外し、
タイヤ内面のライナー層を目視観測する。ライナー層に
クラック、目視出来るしわ、ライナー層の剥離・浮き上
りがあるものを不合格、ないものを合格と判定する。
【0062】空気洩れ試験法(圧力低下率) 初期圧力200kPa 、室温21℃、無負荷条件にて3ケ
月間放置する。内圧の測定間隔は4日毎とし、測定圧力
Rt、初期圧力Po、経過日数tとして、 式 Pt/Po=exp(−αt) に回帰してα値を求める。得られたαを用い、t=30
(日)を代入し、 β=[1−exp(−αt)]×100 1ケ月当たりの空気圧低下率β(%/月)を得る。
【0063】ホース柔軟性 所定の半径を有する円弧に沿ってホースを曲げ、曲げ力
を測定する。曲げ半径は、ホース外径の10倍(10
D)から測定し初め、3倍まで順次曲げ力を測定する
(n=2)。この結果得られた曲げ力と曲げ半径との関
係をプロットした曲線より、規定の半径(4倍)の時の
数値を読みとる。一般に、従来ゴムホースの柔軟低は
2.0kgf のレベルであり、樹脂チューブ構造のホース
では、6〜7kgf のレベルにあるものがある。このよう
な樹脂チューブ構造のホースでは、エンジン・ルーム等
の狭いスペースにおいて機器へホースを装着させる場
合、明らかに作業性が悪く、経験的に、曲げ力3.5kg
f 以下であれば作業性が良好となる。また、振動吸収性
も柔軟性と相関があるが、この関係は非線型であり、曲
げ力が3.5kgf 程度以上になると、急激に反力が増大
し、振動吸収性が極端に悪くなる。従って、ホースの曲
げ力は、3.5kgf 以下が好ましく、2.0kgf がさら
に好ましい。
【0064】ホースガス透過性 JRA規格(日本冷凍空調工業会規格)のJRA200
1に準ずる。ホース長0.45mの金具アセンブリホー
スに、冷媒(HFC134a)をホース内容積1cm3
り0.6±0.1グラム封入する。温度100℃に96
時間放置し、24時間後と96時間後の間の減量(ガス
透過量)を測定し、gf/m/72時間に数値を換算す
る。従来、ゴムホースのCFC12ガスの漏れ量は20
〜25gf/m/72時間であり、また、ゴムホースの冷
媒交換周期は約2年である。一方、メンテナンス・フリ
ー化のためには、交換周期10年が必要とされる。従っ
て、メンテナンス・フリー化のためには、ガスの種類に
かかわらず、ガス漏れ量が5gf/m/72時間以下であ
ることが必要である。
【0065】インパルス耐久性 JIS K6375 7.7頁に準拠した衝撃圧力試験
(インパルステスト)を行った。試験油としてJIS
K2213(タービン油)に規定する2種に相当する鉱
物油を用い、油温93℃、最高圧力200kgf /cm2
矩形波をくり返し加え、破壊に到る回数を測定して、ホ
ース構造体として内管内層の剥離破壊に起因した破壊を
しない場合は20万回で打ち切った。
【0066】結果を表IIに示す。ここで、表IIの比較例
1〜3については、熱可塑性樹脂成分の溶融温度以上の
いかなる条件で成型しても熱可塑性樹脂を連続相として
エラストマー成分を分散相とした目的とする熱可塑性エ
ラストマーの構造が得られないため、熱可塑性の特性を
示さず、従って流水性が不十分で物性測定用シート及び
フィルムが得られなかった。
【0067】
【表2】
【表3】
【0068】表IIの実施例1〜3(エラストマー成分/
熱可塑性樹脂成分=60/40)において、高エラスト
マー成分比率となした熱可塑性エラストマー組成物で
も、前記式(1)の条件を満足するものである場合に
は、熱可塑性樹脂成分が連続相でエラストマー成分が分
散相を形成するものが得られ、かつ、その特性として柔
軟性(ヤング率)及び空気及びフレオンガス(HFC1
34a)透過性が得られることがわかる。これに比し
て、比較例1〜3の場合のように、混練する熱可塑性樹
脂成分とエラストマー成分の溶融粘度の比率及び相互の
相溶性の違い(ΔSP)との関係を示す前記式(1)を
満足しない場合には、所望の熱可塑性樹脂を連続相とす
る熱可塑性エラストマーが得られないことがわかる。さ
らに、比較例4及び5との対比において、本発明により
得られた熱可塑性エラストマー組成物(実施例1〜3)
は、フィルムとして、タイヤ及びホースとして加熱、成
形後も性能を保持し、各々の製品の特性を改善し、目的
を達成していることがわかる。
【0069】実施例4〜6、比較例6〜7 表III に示す熱可塑性エラストマー組成物を、上記表II
の場合と同様な手順で2軸混練押出機にてペレットを作
成し、同様に物性測定用プレスシート及び透過係数測定
用150μmのフィルムをTダイシート成型機で作成
し、さらにこのフィルムを用いて同様の条件でタイヤ及
びホースを作成した。そして、これらの供試体を用い
て、表IIの場合と同様な測定、試験に付した。なお、こ
れらの例において使用した測定法、評価方法も前記の例
の場合と同様である。
【0070】結果を表III に示す。
【0071】
【表4】
【表5】
【0072】表III の実施例4〜6の結果より、エラス
トマー成分と熱可塑性樹脂成分の比率を60/40より
さらに70/30,80/20とエラストマー成分量を
多くしていっても、前記式(1)を満足する両成分の溶
融粘度及び相溶性(ΔSP)の関係を維持する限り、目
的とする構造の熱可塑性エラストマー組成物が得られ、
かつ、柔軟性、透過性(空気、ガス)の制御が可能であ
り、さらにまた、この熱可塑性エラストマー組成物を使
ったタイヤ及びホースは、新規の目的を満足するものが
得られることがわかる。また、比較例6及び7に示され
るように、エラストマー成分と熱可塑性樹脂成分の比率
が70/30であっても、各々の成分の溶融粘度及び相
溶性(ΔSP)の関係が前記式(1)を満足しない場合
には、目的とする分散構造の熱可塑性エラストマー組成
物が得られないことがわかる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エラストマー成分が不連続相(分散相)、熱可塑性樹脂
成分が連続相(マトリックス相)とすることができ、か
つ、高エラストマー成分比率を達成できるために、柔軟
性に富み、耐気体(空気、ガス)透過性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物を得ることができ、これを空気入
りタイヤの空気透過防止層やホースの内管及び/又は外
管のガス透過防止層に用いればそれらをより薄膜化でき
るので、空気入りタイヤ及びホースの軽量化に寄与する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性エラストマーをインナーライ
ナー層に使用した空気入りタイヤの構造を示す子午線方
向平断面図である。
【図2】本発明の熱可塑性エラストマーをホースの内管
に使用したホースの断面図である。
【図3】本発明におけるフレオンガス透過係数の測定に
用いるカップの断面図である。
【符号の説明】
1…ビードコア 2…カーカス層 3…インナーライナー層 4…サイドウォール 5…内管内層 6…内管外層 7…補強層 8…外管 9…低透過性ホース 10…カップ 11…フロンガス 12…試料シート 13…焼結金属板 14…固定部材 15…ボルト 16…ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LSZ C08L 101/00 LSZ // B29D 30/06 B29D 30/06 B29K 21:00 (72)発明者 小沢 修 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 渡邊 次郎 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 青柳 嘉宏 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)空気透過係数が25×10-12 cc
    ・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下である少なくとも一種の熱
    可塑性樹脂成分及び(B)空気透過係数が1.0×10
    -10 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下である少なくとも一
    種のエラストマー成分を含み、かつ、混練温度における
    前記(A)の熱可塑性樹脂成分の溶融粘度(ηm )と前
    記(B)のエラストマー成分の溶融粘度(ηd )及びエ
    ラストマー成分と熱可塑性樹脂成分の溶解性パラメータ
    ーの差が、次式(1)の関係を満たし、エラストマー成
    分(B)が不連続相で、熱可塑性樹脂成分(A)が連続
    相である熱可塑性エラストマー組成物。 【数1】 (式中、ΔSP:(B)のエラストマー成分と(A)の
    熱可塑性樹脂成分との溶解性パラメータの差 φm :(A)の熱可塑性樹脂成分の体積分率 a=−0.0518,b=0.90)
  2. 【請求項2】 前記エラストマー成分相が架橋剤を含有
    し、少なくとも一部が架橋されている、請求項1に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物を空気透過防止層に使用した空気入りタ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 (A)ガス透過係数が5.0mg・mm/2
    4h・cm2 以下である少なくとも一種の熱可塑性樹脂成
    分及び(B)ガス透過係数が30.0mg・mm/24h・
    cm2 以下である少なくとも一種のエラストマー成分を含
    み、かつ、混練温度における前記(A)の熱可塑性樹脂
    成分の溶融粘度(ηm )と前記(B)のエラストマー成
    分の溶融粘度(ηd )及びエラストマー成分と熱可塑性
    樹脂成分の溶解性パラメーターの差が次式(1)の関係
    を満たし、エラストマー成分(B)が不連続相で、熱可
    塑性樹脂成分(A)が連続相である熱可塑性エラストマ
    ー組成物。 【数2】 (式中、ΔSP:(B)のエラストマー成分と(A)の
    熱可塑性樹脂成分との溶解性パラメーターの差 φm :(A)の熱可塑性樹脂成分の体積分率 a=−0.0518,b=0.90)
  5. 【請求項5】 前記エラストマー成分相が架橋剤を含有
    し、少なくとも一部が架橋されている、請求項4に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物をガス透過防止層に使用したホース。
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