JPH10254148A - 電荷輸送層用組成物及びこの組成物を用いた電子写真感光体 - Google Patents

電荷輸送層用組成物及びこの組成物を用いた電子写真感光体

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JPH10254148A
JPH10254148A JP5674797A JP5674797A JPH10254148A JP H10254148 A JPH10254148 A JP H10254148A JP 5674797 A JP5674797 A JP 5674797A JP 5674797 A JP5674797 A JP 5674797A JP H10254148 A JPH10254148 A JP H10254148A
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transport layer
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JP5674797A
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Koji Ogoshi
浩次 大越
Seiji Miyaoka
清二 宮岡
Susumu Kaneko
進 金子
Susumu Sakio
進 崎尾
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境保護の立場からハロゲン系溶剤を必要と
せず、かつ印刷画像の高画質化、高耐刷寿命化及び速い
光応答性に優れる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 一般式化1(I) 【化1】 (nは重合度で正の整数を表わす)で示される繰り返し
構造単位を有するフェノキシ樹脂及びアミノ樹脂を含有
してなる電荷輸送層用組成物及びこの電荷輸送層用組成
物を用いた電荷輸送層を有する電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カールソン法によ
る電子写真装置(プリンター、複写機等)に搭載されて
使用される、機能分離型有機電子写真感光体の電荷輸送
層用の組成物及びこの組成物を用いた電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機光導電性化合物を使用した電子写真
感光体は、可とう性、軽量性、表面平滑性、価格などの
点において有利であることから、最近、広く研究されて
いる。その中でも、光吸収により電荷担体を生成する電
荷発生層と、生成した電荷担体を電界により輸送する電
荷輸送層を設けた機能分離型電子写真感光体は、従来、
有機光導電性化合物を使用した電子写真感光体の大きな
欠点であった光応答性、感度などを大幅に向上させるこ
とができるため、最近、急速な進歩を遂げつつある。
【0003】機能分離型有機電子写真感光体は、導電性
の基体上に光導電性物質を主たる構成材とする電荷発生
層と、電荷輸送性物質とバインダ樹脂とからなる電荷輸
送層を備えている。電荷輸送層は、感光体として最外層
となるため、化学的に安定であり、現像、クリーニング
プロセスなどによる機械的摩耗にも耐えなければならな
い。
【0004】従来、電子写真感光体の電荷輸送層のバイ
ンダー樹脂としては、透明性、機械的強度の点から下記
構造式化2で示されるビスフェノールA型ポリカーボネ
ート樹脂が最も一般的に利用されている。
【化2】 電荷輸送層用組成物は、電荷輸送性物質、バインダー樹
脂であるビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂及び
可塑剤、流動性付与剤、ピンホール制御剤等の必要に応
じて使用される添加剤を溶剤に均一に溶解又は分散させ
て調製される。
【0005】そして、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ート樹脂は、上記した構造からも分かるように溶解性に
劣るため、塩化メチレン、1,2−ジクロルメタン、
1,1,2−トリクロルメタン等のハロゲン系溶剤単独
あるいはそれらの混合物又はハロゲン系溶剤と非ハロゲ
ン系の混合溶剤を用いているのが実情である。
【0006】また、高速光応答性を得るためには、電荷
輸送層用組成物中の電荷輸送性物質を増加させるのが一
般的である。
【0007】しかしながら、最近、複写機、レーザービ
ームプリンタ等の電子写真装置で得られる印刷画像の高
画質化及び電子写真装置の小型化による印刷速度の高速
化により、電子写真感光体には、得られる印刷画像の高
画質化、高耐刷寿命化及び速い光応答性が益々強く要求
されるようになってきている。
【0008】電荷輸送性物質を増量した電荷輸送層用組
成物は、溶液状態では電荷輸送性物質とビスフェノール
A型ポリカーボネート樹脂が均一に溶解しているが、こ
れを乾燥し、溶剤を除去して形成した固相状態の電荷輸
送層では、電荷輸送性物質とビスフェノールA型ポリカ
ーボネート樹脂が相分離し、塗膜が形態的にも組成的に
も不均一となる傾向があり、このような電荷輸送層用組
成物を用いて電子写真感光体の形成を行うと、使用時の
初期から、かぶり、黒点、白抜け等の画像欠陥を生じ、
高速光応答性と高画質を満足する電子写真感光体を得る
ことができない、耐摩耗性が劣るために、繰り返して使
用すると感光体の膜厚が薄くなり、かぶりや黒点等の画
像欠陥が発生する、繰り返し使用するうちに、現像剤
(トナー)が被着して、いわゆるフィルミング現象を生
じ、画像にスジ状の欠陥を生ずる等の問題が発生するこ
とがあり、耐刷寿命が充分でない。一方、地球環境保護
の運動が強まり、オゾン層を破壊するフロンの全廃、地
下水を汚染するハロゲン系溶剤の規制が強まってきてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、環境保護の立場からハロゲン系溶
剤を必要とせず、かつ印刷画像の高画質化、高耐刷寿命
化及び速い光応答性に優れる電子写真感光体を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電荷輸送層用
組成物に特定の繰り返し構造単位を有するフェノキシ樹
脂とアミノ樹脂とを用いることによって上記の目的を達
成したものである。
【0011】すなわち、本発明は、一般式化3(I)
【化3】 (nは重合度で、正の整数を表わす)で示される繰り返
し構造単位を有するフェノキシ樹脂及びアミノ樹脂を含
有してなる電荷輸送層用組成物に関する。本発明は、ま
た、上記フェノキシ樹脂を溶解しうる非ハロゲン溶剤を
含む電荷輸送層用組成物に関する。本発明は、また、こ
れらの電荷輸送層用組成物を用いた電荷輸送層を有する
電子写真感光体に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる前記一般式化3(I)で示される繰
り返し構造単位を有するフェノキシ樹脂の分子量は、ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフで測定したポリスチ
レン換算重量平均分子量Mwで20,000〜900,
000であり、30,000〜250,000であるの
が好ましい。分子量が20,000未満であると、電荷
輸送層の耐摩耗性が低下する傾向があり、900,00
0を超えると、均一な膜厚形成が困難になる傾向があ
る。
【0013】本発明に用いられるアミノ樹脂は既に公知
の樹脂であり、る商業的に入手できる。例えば、メラミ
ン、ベンゾグアナミン等のアミノ原料とホルムアルデヒ
ドとの付加反応物を炭素数が1〜4のアルコールでアル
キルエーテル化したものが挙げられる。アミノ樹脂は、
フェノキシ樹脂との架橋、アミノ樹脂同士の架橋によ
り、塗膜の硬度を高め、耐摩耗性を向上させる。
【0014】本発明において、前記一般式化3(I)で
表されるフェノキシ樹脂とアミノ樹脂の配合割合は、フ
ェノキシ樹脂100重量部に対して、アミノ樹脂1〜1
00重量部とするのが好ましく、フェノキシ樹脂100
重量部に対して、アミノ樹脂2〜30重量部とするのが
より好ましい。アミノ樹脂が1重量部より少ないと耐摩
耗性が劣り、100重量部より多いと、電荷輸送層の成
膜性が悪くなり、均一な塗膜が得られない。
【0015】本発明の電荷輸送層用組成物は、さらに電
荷輸送性物質を含有する。電荷輸送性物質としては、公
知の各種のものを用いることができる。電荷輸送性物質
としては、フルオレン、フルオレノン、2,7−ジニト
ロ−9−フルオレノン、4H−インデノ(1,2,6)
チオフェン−4−オン、3,7−ジニトロ−ジベンゾチ
オフェン−5−オキシド、1−ブロモピレン、2−フェ
ニルピレン、カルバゾール、3−フェニルカルバゾー
ル、2−フェニルインドール、2−フェニルナフタリ
ン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾ
ール、トリフェニルアミン、イミダゾール、クリセン、
テトラフェン、アクリデン、各種ヒドラゾン類、スチリ
ル化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化
ポリ−N−ビニルカルバゾール、1−フェニル−3−
(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン、ポリビニルピレン、2−
フェニル−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリビニルインドロキノキサリ
ン、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ポリビニル
ベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニ
ルアクリジン、ベンジジン、ポリビニルピラゾリン、こ
れらの誘導体等がある。
【0016】本発明の電荷輸送層用組成物においては、
溶剤として、非ハロゲン溶剤が用いられる。溶剤の沸点
は、低すぎても高すぎても、浸漬塗工を行った場合に塗
膜の厚さむらが生じ、得られた感光体の位置による特性
のばらつきが生ずるので、実用上問題である。したがっ
て、沸点が35℃〜170℃である溶剤が好ましく、沸
点が40℃〜155℃の溶剤がより好ましい。
【0017】また、塗膜を形態的にも組成的にも均一に
するためには、溶剤は、前記一般式化3(I)で示され
る繰り返し構造単位を有するフェノキシ樹脂、アミノ樹
脂及び上述した電荷輸送性物質を溶解できることが必要
である。こうした溶剤としては、例えば、テラトヒドロ
フラン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの非ハロゲン溶剤が挙げられる。これらは、
単一でも2種類以上混合して使用してもよい。これらの
溶剤の使用量は、電荷輸送性物質及び前記一般式化3
(I)で示される繰り返し構造単位を有するフェノキシ
樹脂とアミノ樹脂の総量100重量部に対して300〜
900重量部の範囲で用いることが好ましい。300重
量部未満では、組成物の粘度が高すぎ均一な塗膜を形成
することが困難となる傾向がある。一方、900重量部
を超えると、組成物の粘度が低すぎ、塗膜の膜厚が薄く
なりすぎる傾向がある。
【0018】本発明の電荷輸送層用組成物において、前
記一般式化3(I)で示される繰り返し構造単位を有す
るフェノキシ樹脂とアミノ樹脂との総量は、電子写真特
性を低下させない点及び皮膜特性の点から、電荷輸送性
物質100重量部に対して50〜450重量部の範囲で
用いることが好ましい。
【0019】さらに、本発明の電荷輸送層用組成物に
は、公知の可塑剤、流動性付与剤、ピンホール制御剤な
どの添加剤を必要に応じて含有させることができる。こ
れらの添加剤は、各々、電荷輸送性物質100重量部に
対して5重量部以下で使用するのが好ましい。
【0020】本発明は、さらに、上記のようにして調合
した電荷輸送層用組成物を用いて形成した電荷輸送層を
有する電子写真感光体に関する。以下に、この感光体の
製造方法を詳細に説明する。
【0021】電子写真感光体は、導電性基体上に必要に
応じて下引き層を設けた後に電荷発生層及び電荷輸送層
を形成することによって得られるものである。導電性基
体としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル等の金
属、導電処理した紙又はプラスチックが、フィルム、シ
ート又はシームレスベルトの形態で使用される。また、
アルミニウム等の金属箔を積層したプラスチックフィル
ム、シート及びシームレスベルトも使用できる。金属
は、ドラムとしても使用できる。
【0022】上記のような導電性基体上に、通常使用さ
れるような公知の下引き層を設けることができる。下引
き層としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、
チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウ
ム等の微粒子、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼ
イン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ポリビニルブチ
ラール樹脂等の成分を使用することができる。これらの
微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合して使用するこ
とができる。特に、微粒子と樹脂を併用すると、微粒子
に樹脂が吸着され、平滑な皮膜を得ることができるた
め、微粒子と樹脂を併用することが望ましい。
【0023】下引き層を形成する方法として、前記微粒
子及び/又は樹脂を溶剤に分散、溶解した溶液を導電性
基体上に浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、
アプリケータ塗工法、ワイヤバー塗工法などの塗工法を
用いて塗工し、乾燥して形成することができる。
【0024】このとき用いる溶剤としては、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、トル
エン、キシレン、セロソルブ、メタノール、イソプロピ
ルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアル
コールなどの溶剤が挙げられる。下引き層の厚さは、通
常、0.01〜20.0μm、好ましくは0.1〜3.
0μmである。この厚さが0.01μm未満であると、
下引き層を均一に形成するのが困難になり、20.0μ
mを超えると、電子写真特性が低下する傾向にある。
【0025】上記のようにして下引き層を形成した後、
この層の上に電荷発生層及び電荷輸送層を、順次積層
し、形成する。
【0026】本発明において、電荷発生層に用いられる
光導電性物質としては、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ
系、トリスアゾ系、ベンゾイミダゾール系、多環式キノ
リン系、インジゴイド系、キナクリドン系、フタロシア
ニン系、ナフタロシアニン系、ピロロピロール系、ペリ
レン系、メチン系等の光照射により電荷を発生する公知
の有機顔料が挙げられる。
【0027】電荷発生層を前記光導電性物質のみを用い
て形成する場合には、真空蒸着法等が用いられ、また、
電荷発生層を前記光導電性物質と他の成分とを用いて形
成する場合には、前記光導電性物質、結合剤及び可塑剤
並びに硬化触媒、流動性付与剤、ピンホール制御剤など
の必要な応じて使用される添加剤を、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチル、セロソルブ、メタノール、イソプ
ロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチル
アルコール等の溶剤及びこれらの混合溶剤に均一に溶解
又は分散させた電荷発生層形成用塗液を調製し、該塗液
を下引き層の上に浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロール
塗工法、アプリケータ塗工法、ワイヤバー塗工法などの
塗工法等を用いて塗工し、乾燥して形成することができ
る。
【0028】結合剤としては、例えば、シリコーン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイ
ソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エ
チルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹
脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステルカーボネート
樹脂などが挙げられる。また、熱及び/又は光硬化性樹
脂も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常の
状態で皮膜を形成しうる樹脂であれば、特に制限はな
い。
【0029】上記のように、電荷発生層を前記光導電性
物質と他の成分とを用いて形成する場合には、電荷発生
層中の結合剤樹脂は、光導電性物質100重量部に対し
て5〜200重量部とすることが好ましく、10〜10
0重量部とすることがより好ましい。5重量部未満で
は、電荷発生層の皮膜が不均一となりやすく、画質が劣
る傾向がある。200重量部を超えると、感度が低下
し、残留電位が高くなる傾向がある。
【0030】可塑剤としては、ハロゲン化パラフィン、
ジメチルナフタリン、ジブチルフタレート等が挙げられ
る。硬化触媒としては、メタンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等
のスルホン酸系が挙げられる。また、流動性付与剤とし
ては、モダフロー(モンサントケミカル社商品名)、ア
クロナール4F(バスフ社商品名)等が挙げられる。さ
らに、ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、ジメチ
ルフタレート等が挙げられる。これらは、おのの、前記
光導電性物質に対して5重量部以下で使用するのが好ま
しい。
【0031】電荷発生層の厚さは、通常、0.01〜
0.2μm、好ましくは0.1〜0.8μmである。こ
の厚さが0.01μm未満であると、電荷発生層を均一
に形成するのが困難になりやすく、2.0μmを超える
と、電子写真特性が低下する傾向がある。上記のように
して電荷発生層を形成した後、この層の上に、さらに上
記のようにして製造した電荷輸送層用組成物を浸漬塗工
法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリケータ塗工
法、ワイヤバー塗工法等の塗工法を用いて塗工し、乾燥
して形成する。電荷輸送層の厚さは、通常5〜50μ
m、好ましくは8〜35μmである。この厚さが5μm
未満であると、初期に電位が低くなりやすく、50μm
を超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
【0032】本発明に係る電子写真感光体において、耐
摩耗性の点から、電荷輸送層の上にさらに保護層を形成
してもよい。保護層の膜厚は、0.01〜10μm、好
ましくは0.1〜3μmである。この厚さが0.01μ
m未満では、保護層の効果がなく、耐久性に劣り、10
μmを超えると、感度が低下し、残留電位が増大する傾
向がある。
【0033】本発明に係る電子写真感光体を用いて印字
を行う場合には、従来と同様に帯電露光を行った後、現
像を行い、普通紙上に画像を転写し、定着すればよい。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれによって制限されるものではない。
【0035】以下の例中に用いる各材料を次に列記す
る。括弧内にはその略号を示す。 (a)電荷を発生する光導電性物質 τ型無金属フタロシアニン(τ−H2Pc)(東洋イン
キ製造株式会社製)
【0036】(b)電荷輸送性物質
【化4】
【0037】(A)下引き層用 MX1970(MX1970) 固形分100重量%(日本リルサン株式会社製) メラン2000(ML2000)(結合ホルムアルデヒ
ド数4.0、メチロール基数1.0のブチル化メラミン
樹脂)、固形分50重量%(日立化成工業株式会社製)
【0038】(B)電荷発生層用バインダ樹脂 ブロム化フェノキシ樹脂 YPB−43(YPB−43)、固形分40重量%(東
都化成株式会社製)
【0039】(C)電荷輸送層用バインダ樹脂 下記構造を有するポリカーボネート樹脂
【化5】 レキサン141−111(L141)、固形分100重
量%(GE社製)、下記構造を有する、GPCでポリス
チレン換算の分子量が53,000のフェノキシ樹脂、
PKHH、固形分100重量%(フェノキシ・アソシエ
ーツ社製)
【化6】 下記の繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂、T
S−2050(TS−2050)、固形分100重量%
(帝人化成株式会社製)
【化7】
【0040】アミノ樹脂 メラン2000(ML200
0)(下引き層用と同じ。) アミノ樹脂 メラン365W、固形分60重量%(日立
化成工業株式会社製)
【0041】実施例1 70gのMX1970、140gのML2000及び
4.2gのトリメリット酸をメチルエチルケトン360
0gに完全に溶解させた。この溶液をアルミニウムドラ
ム(外径120mm、長さ486mm、厚さ4mm)の上に浸
漬塗工法で塗工し、120℃で30分乾燥して膜厚0.
3μmの下引き層を形成した。
【0042】次に、100gのτ−H2Pc、200g
のYPB−43及びテトラヒドロフラン3700gを超
音波分散機を用いて80時間分散した。得られた電荷発
生層用塗工液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工
し、140℃で30分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発
生層を形成した。
【0043】次に、140gのPBD、234gのPK
HH及び43gのML2000をテトラヒドロフラン2
400gに溶解した。この溶液を浸漬塗工法により、前
記下引き層を有する電荷発生層上に塗工し、100℃で
30分乾燥して膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電
子写真感光体を形成した。
【0044】実施例2 実施例1に示した物質及び操作を用いて、アルミドラム
上に、下引き層と電荷発生層を形成した。次に、140
gのPBD、234gのPKHH及び43gのML36
5Wをテトラヒドロフラン2400gに溶解した。この
溶液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発
生層上に塗工し、100℃で30分乾燥して膜厚18μ
mの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0045】実施例3 実施例1に示した物質及び操作を用いて、アルミドラム
上に、下引き層と電荷発生層を形成した。次に、140
gのPBD、182gのPKHH及び130gのML3
65Wをテトラヒドロフラン2400gに溶解した。こ
の溶液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷
発生層上に塗工し、100℃で30分乾燥して膜厚18
μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成し
た。
【0046】比較例1 実施例1に示した物質及び操作を用いて、アルミドラム
上に、下引き層と電荷発生層を形成した。次に、140
gのPBD及び260gのL141をテトラヒドロフラ
ン2400gに溶解した。この溶液を浸漬塗工法によ
り、前記下引き層を有する電荷発生層上に塗工し、10
0℃で30分乾燥して膜厚17μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を形成した。
【0047】比較例2 実施例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(外径120mm、長さ486mm、厚さ4mm)の上
に膜厚0.3μmの下引き層を形成した。次いで、実施
例1に示した物質及び操作を用いて、上記下引き層上に
膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0048】次に、140gのPBD及び260gのT
S−2050をテトラヒドロフラン2400gに溶解し
た。この溶液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有す
る電荷発生層上に塗工し、100℃で30分乾燥して膜
厚16μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形
成した。
【0049】比較例3 実施例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(外径120mm、長さ486mm、厚さ4mm)の上
に膜厚0.3μmの下引き層を形成した。次いで、実施
例1に示した物質及び操作を用いて、上記下引き層上に
膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0050】次に、140gのPBD及び260gのP
KHHをテトラヒドロフラン2400gに溶解した。こ
の溶液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷
発生層上に塗工し、100℃で30分乾燥して膜厚18
μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成し
た。
【0051】前記比較例及び実施例で得られた電子写真
感光体の光応答性、画質(初期及び100kP印字後)を
下記の方法で評価した。
【0052】光応答性は、光減衰測定(緑屋電気社製、
シンシア30)を用いて、表面電位が−700Vとなる
ようにコロナ帯電させておき、波長780nmの光を20
ms照射した場合に、V0が−350Vになるのに要する
時間で評価した。
【0053】画質は、画像評価機(負帯電、反転現像方
式)を用いて初期及び100kP印字後のかぶり、黒点、
白抜け、フィルミング、黒地の画像濃度で評価した。表
面電位を−700V、バイアス電位を−600Vとし
た。黒地の画像濃度は、マクベス反射濃度計(A Divisi
on of Kollmorgen Corporation社製)で評価した。これ
らの評価結果をまとめて表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】電荷輸送層にビスフェノールA型ポリカー
ボネート樹脂を用いた場合(比較例1)、光応答性は1
8msであった。初期の画像は、かぶり、黒点、白ヌケが
多く発生し、画像濃度は1.2であった。このため、こ
の感光体は100kP印字試験は行わなかった。電荷輸送
層にビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を用いた
場合(比較例2)、光応答性は17msであった。初期の
画像は、かぶり、黒点、白ヌケ、また、電荷輸送層表面
のトナーフィルミングに起因する画像スジがなく良好で
あり、画像濃度は1.4であった。しかし、100kP印
字試験後の画像には、フィルミングに起因する黒いスジ
状欠陥が発生していた。また、100kP印字試験後の膜
厚減少量は4.0μmと大きかった。電荷輸送層は前記
式(I)で示されるフェノキシ樹脂のみを用いた場合
(比較例3)、光応答性は18msであった。初期と10
0kP印字試験後の画像は、良好であったが、100kP印
刷後の膜厚減少量は4.2μmと大きかった。
【0056】これに対して、本発明になる電子写真感光
体(実施例1,2及び3)は、いずれも光応答性は18
msであった。初期の画像は、かぶり、黒点、白ヌケ、ま
た、電荷輸送層表面のトナーフィルミングに起因する画
像スジがなく良好であり、画像濃度は1.4であった。
100kP印字試験後の画像にも、かぶり、黒点、白ヌケ
に起因する黒いスジ状欠陥がなく良好であり、画像濃度
は1.4であった。また、100kP印字試験後の膜厚減
少量が2μm以下と小さく、耐摩耗性に優れることがわ
かった。
【0057】
【発明の効果】本発明の電荷輸送層用組成物及び該組成
物を用いた電子写真感光体は、電荷輸送層中の電荷輸送
性物質と結合剤のフェノキシ樹脂とアミノ樹脂との混合
状態が均一と考えられるため、高速プリンタを用いて連
続印字した場合に、かぶり、黒点、白ヌケ、フィルミン
グのない優れた画質を生じ、かつ、耐摩耗性の優れた高
耐刷寿命の感光体である。したがって、本発明の電子写
真感光体は、高速応答性、高画質、高印字枚数を必要と
するプリンタへ極めて有利に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 崎尾 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式化1(I) 【化1】 (nは重合度で正の整数を表わす)で示される繰り返し
    構造単位を有するフェノキシ樹脂及びアミノ樹脂を含有
    してなる電荷輸送層用組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、請求項1記載のフェノキシ樹脂
    を溶解しうる非ハロゲン溶剤を含む請求項1記載の電荷
    輸送層用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電荷輸送層用組成
    物を用いた電荷輸送層を有する電子写真感光体。
JP5674797A 1997-03-11 1997-03-11 電荷輸送層用組成物及びこの組成物を用いた電子写真感光体 Pending JPH10254148A (ja)

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