JPH10260164A - レーザー超音波検査装置 - Google Patents
レーザー超音波検査装置Info
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- JPH10260164A JPH10260164A JP9065108A JP6510897A JPH10260164A JP H10260164 A JPH10260164 A JP H10260164A JP 9065108 A JP9065108 A JP 9065108A JP 6510897 A JP6510897 A JP 6510897A JP H10260164 A JPH10260164 A JP H10260164A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 検査対象に損傷を与えることなく、高いSN
比で欠陥から反射又は散乱される超音波を検出する新た
な手法に基づくレーザー超音波検査装置を提供する。 【解決手段】 マルチチャンネル音響光学素子の各チャ
ンネルから出射した8本のレーザービームは、鋼材16
の表面上の正方形の各頂点A,C,F,H及び各辺の中
点B,D,E,Gに照射される。これらの点は、正方形
の中央の点であってレーザー干渉計からミラー21を介
して超音波検出用のレーザービームが照射される点Oか
ら僅かに隔たった点である。このように所定の点に各レ
ーザービームを照射することは、例えばマルチチャンネ
ル音響光学素子の各チャンネルの音響光学素子を適当な
位置に設けることによって可能となる。
比で欠陥から反射又は散乱される超音波を検出する新た
な手法に基づくレーザー超音波検査装置を提供する。 【解決手段】 マルチチャンネル音響光学素子の各チャ
ンネルから出射した8本のレーザービームは、鋼材16
の表面上の正方形の各頂点A,C,F,H及び各辺の中
点B,D,E,Gに照射される。これらの点は、正方形
の中央の点であってレーザー干渉計からミラー21を介
して超音波検出用のレーザービームが照射される点Oか
ら僅かに隔たった点である。このように所定の点に各レ
ーザービームを照射することは、例えばマルチチャンネ
ル音響光学素子の各チャンネルの音響光学素子を適当な
位置に設けることによって可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検査対象にレーザ
ービームを照射して超音波を発生させ、検査対象を伝播
した後のこの超音波を検出することにより、検査対象の
状態を検査するレーザー超音波検査装置に関連する。
ービームを照射して超音波を発生させ、検査対象を伝播
した後のこの超音波を検出することにより、検査対象の
状態を検査するレーザー超音波検査装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】各種材料の内部欠陥等を検出する方法の
一つとして、いわゆるレーザー超音波法と呼ばれるもの
がある。これについては、例えば「超音波TECHNO
5月号」(vol.5, No.5, p38 (1993) 日本工業出版)に
おいて説明されている。この方法は、レーザービームを
用いて超音波を検出するので、接触して検査することが
できない材料等の内部状態を調べる非接触の検査に用い
ることができる。したがって、製鉄工程における品質検
査、鉄骨加工における溶接の検査、セラミックス材料の
品質検査、航空機部品の内部検査、その他金属、複号材
料の品質検査等への応用が期待されている。
一つとして、いわゆるレーザー超音波法と呼ばれるもの
がある。これについては、例えば「超音波TECHNO
5月号」(vol.5, No.5, p38 (1993) 日本工業出版)に
おいて説明されている。この方法は、レーザービームを
用いて超音波を検出するので、接触して検査することが
できない材料等の内部状態を調べる非接触の検査に用い
ることができる。したがって、製鉄工程における品質検
査、鉄骨加工における溶接の検査、セラミックス材料の
品質検査、航空機部品の内部検査、その他金属、複号材
料の品質検査等への応用が期待されている。
【0003】代表的なレーザー超音波検査装置は、一例
として、検査対象内部に超音波を励起させるためのレー
ザー光源(例えばQスイッチYAGレーザー)と、検査
対象中を伝播する超音波を検出するプローブ用レーザー
光源(例えばHe−Neレーザー)を備えている。適当
な励起用レーザービームを検査対象に照射すると、熱的
応力又は蒸発反力によって検査対象中に超音波が発生す
る。この超音波は検査対象の中を伝播する際に、内部に
欠陥があればそこで反射又は散乱される。検査対象の中
を伝播する超音波の検出は、検査対象の表面の超音波変
位によるプローブ用レーザービームの位相変化やドップ
ラーシフトを観測することによって行うことができる。
そして、超音波の発生位置から検出位置までに超音波が
伝播するのに要した時間や振幅の変化等から、内部の欠
陥の存否あるいは欠陥の存在する位置を推定することが
可能となる。
として、検査対象内部に超音波を励起させるためのレー
ザー光源(例えばQスイッチYAGレーザー)と、検査
対象中を伝播する超音波を検出するプローブ用レーザー
光源(例えばHe−Neレーザー)を備えている。適当
な励起用レーザービームを検査対象に照射すると、熱的
応力又は蒸発反力によって検査対象中に超音波が発生す
る。この超音波は検査対象の中を伝播する際に、内部に
欠陥があればそこで反射又は散乱される。検査対象の中
を伝播する超音波の検出は、検査対象の表面の超音波変
位によるプローブ用レーザービームの位相変化やドップ
ラーシフトを観測することによって行うことができる。
そして、超音波の発生位置から検出位置までに超音波が
伝播するのに要した時間や振幅の変化等から、内部の欠
陥の存否あるいは欠陥の存在する位置を推定することが
可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、欠陥で反射
又は散乱される超音波の強度は非常に弱く、このため高
いSN比でこの信号を検出することは難しい。特に、検
査対象が鋼材の場合、結晶粒と結晶粒の境界である粒界
で超音波が様々な方向へ反射又は散乱され、これがグレ
インノイズとして信号波に重畳されるので、検出された
超音波信号の中で本来の欠陥からの信号を峻別すること
が困難となる。また、欠陥で反射又は散乱される超音波
の強度を高める方法として、励起用レーザーの出力を上
げて発生する超音波の強度を高めることが考えられる。
しかし検査対象の表面の一か所に集中して照射する励起
用レーザービームの出力を上げると、検査対象の表面に
はレーザービームに起因する損傷が生じるため、励起用
レーザーの出力を上げることには限界がある。
又は散乱される超音波の強度は非常に弱く、このため高
いSN比でこの信号を検出することは難しい。特に、検
査対象が鋼材の場合、結晶粒と結晶粒の境界である粒界
で超音波が様々な方向へ反射又は散乱され、これがグレ
インノイズとして信号波に重畳されるので、検出された
超音波信号の中で本来の欠陥からの信号を峻別すること
が困難となる。また、欠陥で反射又は散乱される超音波
の強度を高める方法として、励起用レーザーの出力を上
げて発生する超音波の強度を高めることが考えられる。
しかし検査対象の表面の一か所に集中して照射する励起
用レーザービームの出力を上げると、検査対象の表面に
はレーザービームに起因する損傷が生じるため、励起用
レーザーの出力を上げることには限界がある。
【0005】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、検査対象に損傷を与えることなく、高いSN比
で欠陥から反射又は散乱される超音波を検出する新たな
手法に基づくレーザー超音波検査装置を提供することを
目的とする。
であり、検査対象に損傷を与えることなく、高いSN比
で欠陥から反射又は散乱される超音波を検出する新たな
手法に基づくレーザー超音波検査装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は、励起用レーザー光源と、前記励起用レー
ザー光源より発せられたレーザービームを複数のレーザ
ービームとするビーム分割手段と、少なくとも前記複数
のレーザービームと同数のチャンネルを有し、各チャン
ネルごとに独立して設けられた音響光学素子に前記複数
のレーザービームを通過させる音響光学手段と、前記音
響光学手段から出射した複数のレーザービームを、それ
ぞれが検査対象表面の異なる所定位置に照射されるよう
制御する照射位置制御手段と、前記音響光学手段の各チ
ャンネルの音響光学素子に対し、前記音響光学手段の各
チャンネルから所定の順番及び時間間隔で各レーザービ
ームを出射するよう制御する電気信号を供給する信号発
生手段と、前記検査対象の表面に照射されたレーザービ
ームによって前記検査対象に生じた超音波を検出する超
音波検出手段と、前記超音波検出手段によって検出され
たそれぞれのレーザービームに対応する超音波信号に基
づいて検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出する処理を
行う信号処理手段とを具備することを特徴とする。
めに本発明は、励起用レーザー光源と、前記励起用レー
ザー光源より発せられたレーザービームを複数のレーザ
ービームとするビーム分割手段と、少なくとも前記複数
のレーザービームと同数のチャンネルを有し、各チャン
ネルごとに独立して設けられた音響光学素子に前記複数
のレーザービームを通過させる音響光学手段と、前記音
響光学手段から出射した複数のレーザービームを、それ
ぞれが検査対象表面の異なる所定位置に照射されるよう
制御する照射位置制御手段と、前記音響光学手段の各チ
ャンネルの音響光学素子に対し、前記音響光学手段の各
チャンネルから所定の順番及び時間間隔で各レーザービ
ームを出射するよう制御する電気信号を供給する信号発
生手段と、前記検査対象の表面に照射されたレーザービ
ームによって前記検査対象に生じた超音波を検出する超
音波検出手段と、前記超音波検出手段によって検出され
たそれぞれのレーザービームに対応する超音波信号に基
づいて検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出する処理を
行う信号処理手段とを具備することを特徴とする。
【0007】本発明は、上記より、検査対象に励起用の
レーザービームが照射されると、そこで発生した超音波
は検査対象の内部へ伝播し、欠陥がある場合にはそこで
反射又は散乱されて表面に戻って超音波検出手段によっ
て検出される。この検出された超音波信号には、グレイ
ンノイズが重畳している。検査対象の表面で励起用のレ
ーザービームの照射位置を変えた場合、内部の欠陥で反
射又は散乱されて表面に戻る超音波の強度はそれほど変
わらないのに対し、グレインノイズの場合は、その強度
がレーザービームの照射位置によって大きく変わるとい
う性質がある。したがって、複数の励起用のレーザービ
ームを、それぞれが検査対象表面の異なる所定位置に照
射し、それぞれのレーザービームに基づいて検出された
複数の超音波信号に対して所定の処理を行うことによっ
て検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出することがで
き、SN比を高めることができる。
レーザービームが照射されると、そこで発生した超音波
は検査対象の内部へ伝播し、欠陥がある場合にはそこで
反射又は散乱されて表面に戻って超音波検出手段によっ
て検出される。この検出された超音波信号には、グレイ
ンノイズが重畳している。検査対象の表面で励起用のレ
ーザービームの照射位置を変えた場合、内部の欠陥で反
射又は散乱されて表面に戻る超音波の強度はそれほど変
わらないのに対し、グレインノイズの場合は、その強度
がレーザービームの照射位置によって大きく変わるとい
う性質がある。したがって、複数の励起用のレーザービ
ームを、それぞれが検査対象表面の異なる所定位置に照
射し、それぞれのレーザービームに基づいて検出された
複数の超音波信号に対して所定の処理を行うことによっ
て検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出することがで
き、SN比を高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態
のレーザー超音波検査装置の全体構成を示した概略図、
図2はマルチチャンネル音響光学素子の概略図、図3は
検査対象である鋼材の表面上におけるレーザービームの
照射位置及び超音波の検出位置を示した図、図4は音響
光学素子における光の回折を説明するための図、図5は
CO2 レーザーの1パルスとマルチチャンネル音響光学
素子の各チャンネルから鋼材の表面に照射される各パル
スとの関係を示した図、図6は超音波検出部のレーザー
干渉計から出力された信号を処理する回路のブロック
図、図7はレーザービームの照射位置の違いによってグ
レインノイズの強度が変化することを説明するための
図、図8は処理する前の入力信号のSN比をパラメータ
として、信号処理に用いる波形の数を横軸、SN比の変
化を縦軸にとってプロットしたグラフである。
実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態
のレーザー超音波検査装置の全体構成を示した概略図、
図2はマルチチャンネル音響光学素子の概略図、図3は
検査対象である鋼材の表面上におけるレーザービームの
照射位置及び超音波の検出位置を示した図、図4は音響
光学素子における光の回折を説明するための図、図5は
CO2 レーザーの1パルスとマルチチャンネル音響光学
素子の各チャンネルから鋼材の表面に照射される各パル
スとの関係を示した図、図6は超音波検出部のレーザー
干渉計から出力された信号を処理する回路のブロック
図、図7はレーザービームの照射位置の違いによってグ
レインノイズの強度が変化することを説明するための
図、図8は処理する前の入力信号のSN比をパラメータ
として、信号処理に用いる波形の数を横軸、SN比の変
化を縦軸にとってプロットしたグラフである。
【0009】図1に示すように、第1実施形態のレーザ
ー超音波検査装置は、検査対象である鋼材16に超音波
を発生させる超音波発生部1と、鋼材16の内部を伝播
し欠陥で反射又は散乱された超音波を検査対象の表面で
検出する超音波検出部2を有する。超音波発生部1は、
レーザー光源10、ビームセパレータ12、マルチチャ
ンネル音響光学素子13、そしてマルチチャンネル音響
光学素子13に所定の信号を供給する発振器15を有す
る。超音波検出部2は、レーザー干渉計20、ミラー2
1などを使って鋼材16の表面の超音波変位を検出す
る。
ー超音波検査装置は、検査対象である鋼材16に超音波
を発生させる超音波発生部1と、鋼材16の内部を伝播
し欠陥で反射又は散乱された超音波を検査対象の表面で
検出する超音波検出部2を有する。超音波発生部1は、
レーザー光源10、ビームセパレータ12、マルチチャ
ンネル音響光学素子13、そしてマルチチャンネル音響
光学素子13に所定の信号を供給する発振器15を有す
る。超音波検出部2は、レーザー干渉計20、ミラー2
1などを使って鋼材16の表面の超音波変位を検出す
る。
【0010】超音波発生部1のレーザー光源10は超音
波励起用のレーザー光源であり、本実施形態ではパルス
幅が200μsec程度のCO2 レーザーを使用する。
但し、200μsec程度以上のパルス幅があるレーザ
ーであれば、CO2 レーザーに限らず、他のレーザーを
使用することもできる。レーザー光源10から発せられ
たレーザービーム11はビームセパレータ12に入れ、
ここで多数の平行なレーザービームに分割される。本実
施形態では、このレーザービームの数を8本とする。ビ
ームセパレータ12としては、光学研磨された平行平面
基板の両面に誘電体あるいは金属体をコーティングした
膜による反射・透過によってレーザービームを複数に分
割するようにした市販の光学素子を利用することができ
る。分割されたそれぞれのレーザービームは、図2に示
すように、少なくともこのビーム数と同数のチャンネル
を有するマルチチャンネル音響光学素子13のそれぞれ
のチャンネルに入射する。マルチチャンネル音響光学素
子13は、例えば8チャンネルの独立した音響光学素子
からなるもので、信号発生手段である発振器15からそ
れぞれの音響光学素子に所定の信号を供給することによ
り、各チャンネルの音響光学素子がそのチャンネルに入
射したレーザービームに対して後述する作用を及ぼす。
波励起用のレーザー光源であり、本実施形態ではパルス
幅が200μsec程度のCO2 レーザーを使用する。
但し、200μsec程度以上のパルス幅があるレーザ
ーであれば、CO2 レーザーに限らず、他のレーザーを
使用することもできる。レーザー光源10から発せられ
たレーザービーム11はビームセパレータ12に入れ、
ここで多数の平行なレーザービームに分割される。本実
施形態では、このレーザービームの数を8本とする。ビ
ームセパレータ12としては、光学研磨された平行平面
基板の両面に誘電体あるいは金属体をコーティングした
膜による反射・透過によってレーザービームを複数に分
割するようにした市販の光学素子を利用することができ
る。分割されたそれぞれのレーザービームは、図2に示
すように、少なくともこのビーム数と同数のチャンネル
を有するマルチチャンネル音響光学素子13のそれぞれ
のチャンネルに入射する。マルチチャンネル音響光学素
子13は、例えば8チャンネルの独立した音響光学素子
からなるもので、信号発生手段である発振器15からそ
れぞれの音響光学素子に所定の信号を供給することによ
り、各チャンネルの音響光学素子がそのチャンネルに入
射したレーザービームに対して後述する作用を及ぼす。
【0011】マルチチャンネル音響光学素子13の各チ
ャンネルから出射した8本のレーザービームは、図3に
示すように、鋼材16の表面上の正方形の各頂点A,
C,F,H及び各辺の中点B,D,E,G,に照射され
る。これらの点は、正方形の中央の点であってレーザー
干渉計20から超音波検出用のレーザービームが照射さ
れる点Oから僅かに隔たった点である。このように所定
の点に各レーザービームを照射することは、マルチチャ
ンネル音響光学素子13の各チャンネルの音響光学素子
を適当な位置に設けることによって可能となる。あるい
は、マルチチャンネル音響光学素子13の後に適当な光
学手段(不図示)を配置し、これを用いて鋼材表面の複
数の所定位置にそれぞれのレーザービームを照射するよ
う制御することも可能である。
ャンネルから出射した8本のレーザービームは、図3に
示すように、鋼材16の表面上の正方形の各頂点A,
C,F,H及び各辺の中点B,D,E,G,に照射され
る。これらの点は、正方形の中央の点であってレーザー
干渉計20から超音波検出用のレーザービームが照射さ
れる点Oから僅かに隔たった点である。このように所定
の点に各レーザービームを照射することは、マルチチャ
ンネル音響光学素子13の各チャンネルの音響光学素子
を適当な位置に設けることによって可能となる。あるい
は、マルチチャンネル音響光学素子13の後に適当な光
学手段(不図示)を配置し、これを用いて鋼材表面の複
数の所定位置にそれぞれのレーザービームを照射するよ
う制御することも可能である。
【0012】レーザービームが照射されると、鋼材16
上でレーザービームが照射された点には、熱的応力又は
蒸発反力によって超音波が発生する。この超音波には鋼
材16の内部へ伝播してゆくものと鋼材16の表面を伝
播するものがある。本実施形態では、このうち内部に伝
播してゆく超音波を欠陥検出に用いる。鋼材16の内部
へ伝播してゆく超音波が欠陥に当たると、超音波は反射
又は散乱され、欠陥部分を源とする超音波が生じる。こ
の超音波が鋼材16の表面へ戻ったときに生じる鋼材表
面の超音波変位を超音波検出部2で計測することによっ
て超音波を検出する。また、鋼材16の裏面に達した超
音波もそこで反射されて表面に戻ってくるが、鋼材16
の厚さ及び鋼材16を伝播する超音波の音速は予め分か
っているので、検出された超音波が欠陥に基づくものな
のか裏面で反射したものなのかは簡単に区別できる。ま
た、レーザービームを照射したタイミングと超音波を検
出したタイミングから、欠陥が存在する場合にはその欠
陥の深さを知ることができる。
上でレーザービームが照射された点には、熱的応力又は
蒸発反力によって超音波が発生する。この超音波には鋼
材16の内部へ伝播してゆくものと鋼材16の表面を伝
播するものがある。本実施形態では、このうち内部に伝
播してゆく超音波を欠陥検出に用いる。鋼材16の内部
へ伝播してゆく超音波が欠陥に当たると、超音波は反射
又は散乱され、欠陥部分を源とする超音波が生じる。こ
の超音波が鋼材16の表面へ戻ったときに生じる鋼材表
面の超音波変位を超音波検出部2で計測することによっ
て超音波を検出する。また、鋼材16の裏面に達した超
音波もそこで反射されて表面に戻ってくるが、鋼材16
の厚さ及び鋼材16を伝播する超音波の音速は予め分か
っているので、検出された超音波が欠陥に基づくものな
のか裏面で反射したものなのかは簡単に区別できる。ま
た、レーザービームを照射したタイミングと超音波を検
出したタイミングから、欠陥が存在する場合にはその欠
陥の深さを知ることができる。
【0013】次に、図2及び図4を参照してマルチチャ
ンネル音響光学素子13の原理について簡単に説明す
る。音響光学素子は、テルライトガラスやモリブデン酸
鉛単結晶などの音響光学媒体に圧電素子を接着したもの
で、各チャンネル用の発振器151 〜158 から圧電素
子に電気信号を供給して音響光学媒体中に超音波を発生
させると、光弾性効果によって音響光学媒体中に周期的
な屈折率変化が生じ、これを回折格子として作用させる
ものである。光と超音波の相互作用距離をL(図4参
照)、真空中での光の波長をλ0 、媒体の音速をV、超
音波周波数(駆動周波数)をfa 、媒体の屈折率をnと
すると、 2πλ0 Lfa 2 /nV2 >4π (1) が成立するときにブラッグ回折が生じ、回折を受けない
0次光のほか、図4に示す光強度の高い一次回折光を得
る。この一次回折光の方向(回折角)θB は、媒体の光
入出射面での屈折を考慮すると、 θB = sin-1(λ0 fa /2V) (2) で与えられる。ブラッグ回折では光入射角をθB とした
ときに最も高い回折効率か得られる。
ンネル音響光学素子13の原理について簡単に説明す
る。音響光学素子は、テルライトガラスやモリブデン酸
鉛単結晶などの音響光学媒体に圧電素子を接着したもの
で、各チャンネル用の発振器151 〜158 から圧電素
子に電気信号を供給して音響光学媒体中に超音波を発生
させると、光弾性効果によって音響光学媒体中に周期的
な屈折率変化が生じ、これを回折格子として作用させる
ものである。光と超音波の相互作用距離をL(図4参
照)、真空中での光の波長をλ0 、媒体の音速をV、超
音波周波数(駆動周波数)をfa 、媒体の屈折率をnと
すると、 2πλ0 Lfa 2 /nV2 >4π (1) が成立するときにブラッグ回折が生じ、回折を受けない
0次光のほか、図4に示す光強度の高い一次回折光を得
る。この一次回折光の方向(回折角)θB は、媒体の光
入出射面での屈折を考慮すると、 θB = sin-1(λ0 fa /2V) (2) で与えられる。ブラッグ回折では光入射角をθB とした
ときに最も高い回折効率か得られる。
【0014】一次回折光の強度I1 は媒体中の超音波の
パワーPa に依存し、その関係式は、 I1 ∝ sin2 (K1 (MePa )1/2 /λ0 ) (3) となる。ここで、Meは音響光学媒体の物性値で決まる
定数で、この値が大きいほど高い回折効率が得られ、媒
体の性能指数と呼ばれる。また、K1 は素子による定数
である。尚、以上の音響光学素子に関する説明は、HO
YA−SCHOTT株式会社の光応用製品のカタログに
基づくものである。
パワーPa に依存し、その関係式は、 I1 ∝ sin2 (K1 (MePa )1/2 /λ0 ) (3) となる。ここで、Meは音響光学媒体の物性値で決まる
定数で、この値が大きいほど高い回折効率が得られ、媒
体の性能指数と呼ばれる。また、K1 は素子による定数
である。尚、以上の音響光学素子に関する説明は、HO
YA−SCHOTT株式会社の光応用製品のカタログに
基づくものである。
【0015】上記(2)式から分かるように、一次回折
光の回折角θB は、超音波の周波数fa に依存する。し
たがって、fa を変えることによって一次回折光の角度
θBを制御することができる。また、上記(3)式から
分かるように、音響光学媒体中の超音波のパワーPaが
ある値のとき、すなわち音響光学媒体中に超音波が発生
しているときは一次回折光の強度I1 もその超音波のパ
ワーにPa に応じたある値を有するが、超音波のパワー
Pa がゼロのとき、すなわち音響光学媒体中に超音波が
発生していないときは一次回折光の強度I1 もゼロであ
る。そして、この音響光学媒体中の超音波は圧電素子に
電力を供給することによって発生する。
光の回折角θB は、超音波の周波数fa に依存する。し
たがって、fa を変えることによって一次回折光の角度
θBを制御することができる。また、上記(3)式から
分かるように、音響光学媒体中の超音波のパワーPaが
ある値のとき、すなわち音響光学媒体中に超音波が発生
しているときは一次回折光の強度I1 もその超音波のパ
ワーにPa に応じたある値を有するが、超音波のパワー
Pa がゼロのとき、すなわち音響光学媒体中に超音波が
発生していないときは一次回折光の強度I1 もゼロであ
る。そして、この音響光学媒体中の超音波は圧電素子に
電力を供給することによって発生する。
【0016】本実施形態では、このことを利用して、鋼
材16の表面に照射されるレーザービームのオン・オフ
を切り換える。具体的には、発振器15からマルチチャ
ンネル音響光学素子13に供給する電気的な信号によっ
て、マルチチャンネル音響光学素子13の各チャンネル
に同時に入射させた超音波励起用のレーザーパルスを、
このパルスの持続時間の範囲内で、所定の順番で、且つ
所定の時間間隔で各チャンネルから出射させ、鋼材16
の表面に順番に照射するよう制御する。
材16の表面に照射されるレーザービームのオン・オフ
を切り換える。具体的には、発振器15からマルチチャ
ンネル音響光学素子13に供給する電気的な信号によっ
て、マルチチャンネル音響光学素子13の各チャンネル
に同時に入射させた超音波励起用のレーザーパルスを、
このパルスの持続時間の範囲内で、所定の順番で、且つ
所定の時間間隔で各チャンネルから出射させ、鋼材16
の表面に順番に照射するよう制御する。
【0017】ここで、マルチチャンネル音響光学素子1
3の各チャンネルから鋼材16へ照射するレーザービー
ムの時間間隔について説明する。本実施形態では、検査
対象として厚さが50mmの鋼材16を用いる。鋼材内
部の超音波の音速は約6mm/μsecであるので、鋼
材16の表面で発生した超音波が裏面で反射され、再び
戻ってくるまでの時間tは、 t=100(mm)÷6(mm/μsec)≒16.7
μsec となる。したがって、これよりも長い時間間隔で各チャ
ンネルのレーザービームを照射すれば、それぞれのレー
ザービームに起因する超音波信号が相互に影響し合うこ
とはない。
3の各チャンネルから鋼材16へ照射するレーザービー
ムの時間間隔について説明する。本実施形態では、検査
対象として厚さが50mmの鋼材16を用いる。鋼材内
部の超音波の音速は約6mm/μsecであるので、鋼
材16の表面で発生した超音波が裏面で反射され、再び
戻ってくるまでの時間tは、 t=100(mm)÷6(mm/μsec)≒16.7
μsec となる。したがって、これよりも長い時間間隔で各チャ
ンネルのレーザービームを照射すれば、それぞれのレー
ザービームに起因する超音波信号が相互に影響し合うこ
とはない。
【0018】図5は、CO2 レーザーの1パルスとマル
チチャンネル音響光学素子13の各チャンネルから鋼材
16の表面に照射される各パルスとの関係を示した図で
ある。上述のように、本実施形態で使用するCO2 レー
ザーのパルス幅は約200μsecである。各チャンネ
ルのレーザーパルスを照射する時間間隔を余裕を見て2
0μsecとすると、8本のレーザービームを照射する
場合には最初のパルスをAに照射してから最後のパルス
をHに照射するまでの時間は140μsecである。C
O2 レーザーの200μsec幅のパルスのうち強度が
均一な中央部分の140μsecを選んで、マルチチャ
ンネル音響光学素子13の各チャンネルをオン・オフす
る。これにより、鋼材16の表面のAからHまでの各点
に対して均一な強度の超音波励起用レーザーを20μs
ec間隔で順番に照射できる。各チャンネルから鋼材1
6の表面に照射された超音波励起用レーザーによって発
生した超音波は、超音波検出部2によっでそれぞれ個別
に検出される。
チチャンネル音響光学素子13の各チャンネルから鋼材
16の表面に照射される各パルスとの関係を示した図で
ある。上述のように、本実施形態で使用するCO2 レー
ザーのパルス幅は約200μsecである。各チャンネ
ルのレーザーパルスを照射する時間間隔を余裕を見て2
0μsecとすると、8本のレーザービームを照射する
場合には最初のパルスをAに照射してから最後のパルス
をHに照射するまでの時間は140μsecである。C
O2 レーザーの200μsec幅のパルスのうち強度が
均一な中央部分の140μsecを選んで、マルチチャ
ンネル音響光学素子13の各チャンネルをオン・オフす
る。これにより、鋼材16の表面のAからHまでの各点
に対して均一な強度の超音波励起用レーザーを20μs
ec間隔で順番に照射できる。各チャンネルから鋼材1
6の表面に照射された超音波励起用レーザーによって発
生した超音波は、超音波検出部2によっでそれぞれ個別
に検出される。
【0019】次に、超音波検出部2によって検出された
超音波信号に対して行う信号処理について説明する。図
6は、超音波検出部2のレーザー干渉計20から出力さ
れた信号を処理する回路のブロック図である。同図にお
いて、「A信号」とあるのは、図3の鋼材16上のA点
に照射したレーザービームによって生じた超音波を検出
した信号を意味する。「B信号」、・・・、「H信号」
についても同様である。これらの各信号は信号処理部3
0に送られ、後述の処理が行われる。
超音波信号に対して行う信号処理について説明する。図
6は、超音波検出部2のレーザー干渉計20から出力さ
れた信号を処理する回路のブロック図である。同図にお
いて、「A信号」とあるのは、図3の鋼材16上のA点
に照射したレーザービームによって生じた超音波を検出
した信号を意味する。「B信号」、・・・、「H信号」
についても同様である。これらの各信号は信号処理部3
0に送られ、後述の処理が行われる。
【0020】一般に鋼材のような鉄の内部を伝播する超
音波は、伝播する途中で粒界で反射や散乱を受け、様々
な方向へ様々な強度で超音波が広がる。そして、このよ
うな超音波は、欠陥から反射又は散乱された本来検出し
たい超音波にグレインノイズとして重畳する。欠陥が微
小になると、欠陥から反射又は散乱される超音波の強度
も小さくなってグレインノイズと区別できなくなるた
め、高い精度で欠陥を検出することが困難となる。とこ
ろで、グレインノイズは、上記のような原因で発生する
ため、超音波の発生源の位置が僅かでも変わると、表面
の同じ位置で検出されるノイズの強度が大きく変化する
という性質がある。これに対して欠陥で反射又は散乱さ
れる超音波は、超音波の発生源の位置が多少変わっただ
けでは、検出される信号強度はグレインノイズほどには
変化しない。
音波は、伝播する途中で粒界で反射や散乱を受け、様々
な方向へ様々な強度で超音波が広がる。そして、このよ
うな超音波は、欠陥から反射又は散乱された本来検出し
たい超音波にグレインノイズとして重畳する。欠陥が微
小になると、欠陥から反射又は散乱される超音波の強度
も小さくなってグレインノイズと区別できなくなるた
め、高い精度で欠陥を検出することが困難となる。とこ
ろで、グレインノイズは、上記のような原因で発生する
ため、超音波の発生源の位置が僅かでも変わると、表面
の同じ位置で検出されるノイズの強度が大きく変化する
という性質がある。これに対して欠陥で反射又は散乱さ
れる超音波は、超音波の発生源の位置が多少変わっただ
けでは、検出される信号強度はグレインノイズほどには
変化しない。
【0021】したがって、図3に示した八つの点A〜H
に励起用レーザービームを照射し、これらの点をそれぞ
れ超音波の発生源としたときに検出される八つの信号を
比べた場合に、鋼材内部に欠陥があるとすれば、この欠
陥で反射又は散乱される超音波は、どの点にレーザービ
ームを照射した場合についてもその信号強度がほぼ同じ
く、且つ励起用レーザービームを照射してから検出され
るまでの時間も同じはずであり、一方、グレインノイズ
については、励起用レーザービームを照射する場所によ
って、同じ時刻に検出したものであってもその強度が大
きく変化すると予想される。図7は、このことを説明す
るための図である。同図(a)(b)(c)は、それぞ
れ僅かに異なる位置にレーザービームを照射したときに
同じ位置で検出された超音波信号の概略波形を示してい
る。これらの信号波形のうち、時刻t1 の前後の大きな
振幅の波形は欠陥からの寄与であり、この部分の振幅及
び位相はほぼ揃っている。これに対して、その他の部分
の波形はグレインノイズによるものであり、例えば時刻
t2 で見てみると、三つの波形の値が大きく異なってい
る。
に励起用レーザービームを照射し、これらの点をそれぞ
れ超音波の発生源としたときに検出される八つの信号を
比べた場合に、鋼材内部に欠陥があるとすれば、この欠
陥で反射又は散乱される超音波は、どの点にレーザービ
ームを照射した場合についてもその信号強度がほぼ同じ
く、且つ励起用レーザービームを照射してから検出され
るまでの時間も同じはずであり、一方、グレインノイズ
については、励起用レーザービームを照射する場所によ
って、同じ時刻に検出したものであってもその強度が大
きく変化すると予想される。図7は、このことを説明す
るための図である。同図(a)(b)(c)は、それぞ
れ僅かに異なる位置にレーザービームを照射したときに
同じ位置で検出された超音波信号の概略波形を示してい
る。これらの信号波形のうち、時刻t1 の前後の大きな
振幅の波形は欠陥からの寄与であり、この部分の振幅及
び位相はほぼ揃っている。これに対して、その他の部分
の波形はグレインノイズによるものであり、例えば時刻
t2 で見てみると、三つの波形の値が大きく異なってい
る。
【0022】このような考察にたって、図6の信号処理
部30では次のような処理を行う。まず、入力されたA
信号〜H信号を、超音波周波数よりも十分に高いサンプ
リング周波数でA/D変換して八つのディジタル信号波
形r1(r),・・・,r8(t)とする。そして、それぞれの
サンプリング時刻における八つの信号波形のディジタル
値を比較し、そのうち絶対値が最も小さいもの、すなわ
ち min{|rj (t) |,j=1,2,・・・,8}を選
択し、この元の値、すなわち符号も含めた値s(t) (|
s(t) |= min{|rj (t) |,j=1,2,・・・,
8})をその時刻における信号の値とする。そしてすべ
てのサンプリング時刻の値に基づいて一つの信号波形を
再構成する。このようにして得られた信号波形は、欠陥
からの寄与がある部分では振幅がほぼ元のままで、グレ
インノイズによる部分では振幅が小さくなる。すなわち
SN比の高い信号波形が得られたことと等価である。
部30では次のような処理を行う。まず、入力されたA
信号〜H信号を、超音波周波数よりも十分に高いサンプ
リング周波数でA/D変換して八つのディジタル信号波
形r1(r),・・・,r8(t)とする。そして、それぞれの
サンプリング時刻における八つの信号波形のディジタル
値を比較し、そのうち絶対値が最も小さいもの、すなわ
ち min{|rj (t) |,j=1,2,・・・,8}を選
択し、この元の値、すなわち符号も含めた値s(t) (|
s(t) |= min{|rj (t) |,j=1,2,・・・,
8})をその時刻における信号の値とする。そしてすべ
てのサンプリング時刻の値に基づいて一つの信号波形を
再構成する。このようにして得られた信号波形は、欠陥
からの寄与がある部分では振幅がほぼ元のままで、グレ
インノイズによる部分では振幅が小さくなる。すなわち
SN比の高い信号波形が得られたことと等価である。
【0023】次に、上記のような処理を行った場合にS
N比がどの程度向上するかについて、統計的な手法を用
いて定量的に評価する。前提として、ノイズ信号はガウ
ス分布のランダム信号で、その平均値はゼロとする。そ
してσ2 を分散、真の欠陥からの信号強度をm、信号処
理に用いた波形(図3のレーザービーム数と同じ)の数
をNとすると、SN比は、
N比がどの程度向上するかについて、統計的な手法を用
いて定量的に評価する。前提として、ノイズ信号はガウ
ス分布のランダム信号で、その平均値はゼロとする。そ
してσ2 を分散、真の欠陥からの信号強度をm、信号処
理に用いた波形(図3のレーザービーム数と同じ)の数
をNとすると、SN比は、
【0024】
【数1】
【0025】で与えられる。この式で「erf」は誤差
関数である。尚、この点については、Ultrasomics, 199
0, Vol.28, March, p.90-96 及び J. Acoust. Soc. Am
(87)2, February 1990 p.728-736 などを参照するこ
とができる。上記(4)式のSN比の変化を、信号処理
に用いる波形の数を横軸、SN比の改善率を縦軸にと
り、処理する前の入力信号のSN比(SNin) をパラメ
ータとしてプロットすると、図8のようになる。尚、同
図の点線は、単純平均化処理を行った場合のSN比改善
の様子を比較のために示したものである。図8から分か
るように、本実施形態の処理を行うと、信号処理に用い
る波形の数が増えるに従ってSN比は大きく改善され、
例えば入力信号のSN比が1の場合でも、波形の数が1
0個程度では単純平均化処理とほぼ同程度の改善しかみ
られないが、波形の数が10個よりも多いところでは、
単純平均化処理よりもはるかにSN比は向上する。一
方、入力信号のSN比が2の場合には、本実施形態と同
じ歯係数が8のときでも、SN比は10倍程度向上す
る。
関数である。尚、この点については、Ultrasomics, 199
0, Vol.28, March, p.90-96 及び J. Acoust. Soc. Am
(87)2, February 1990 p.728-736 などを参照するこ
とができる。上記(4)式のSN比の変化を、信号処理
に用いる波形の数を横軸、SN比の改善率を縦軸にと
り、処理する前の入力信号のSN比(SNin) をパラメ
ータとしてプロットすると、図8のようになる。尚、同
図の点線は、単純平均化処理を行った場合のSN比改善
の様子を比較のために示したものである。図8から分か
るように、本実施形態の処理を行うと、信号処理に用い
る波形の数が増えるに従ってSN比は大きく改善され、
例えば入力信号のSN比が1の場合でも、波形の数が1
0個程度では単純平均化処理とほぼ同程度の改善しかみ
られないが、波形の数が10個よりも多いところでは、
単純平均化処理よりもはるかにSN比は向上する。一
方、入力信号のSN比が2の場合には、本実施形態と同
じ歯係数が8のときでも、SN比は10倍程度向上す
る。
【0026】以上から、複数のレーザービームを僅かに
位置を変えて鋼材に照射し、得られた信号について上記
のような処理を行うことによって、欠陥からの超音波を
高いSN比で検出できることが分かる。このことは、鋼
材内部の微小な欠陥についても、高い精度で検出できる
ことを意味する。また、複数のレーザービームを照射す
ることによってSN比が向上するので、一つ一つのレー
ザービームの強度はそれほど高くする必要がなく、した
がってレーザービームの照射によって鋼材の表面に与え
るダメージも小さく抑えることができる。
位置を変えて鋼材に照射し、得られた信号について上記
のような処理を行うことによって、欠陥からの超音波を
高いSN比で検出できることが分かる。このことは、鋼
材内部の微小な欠陥についても、高い精度で検出できる
ことを意味する。また、複数のレーザービームを照射す
ることによってSN比が向上するので、一つ一つのレー
ザービームの強度はそれほど高くする必要がなく、した
がってレーザービームの照射によって鋼材の表面に与え
るダメージも小さく抑えることができる。
【0027】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能で
ある。上記実施形態では、8本の超音波励起用レーザー
ビームを用いたが、この数は必要とする検出精度等に依
存するものであり、必ずしも8本には限られない。ま
た、上記実施形態では8本の超音波励起用レーザービー
ムの照射位置が正方形の各頂点及び各辺の中点となるよ
うにしたが、これには限られず、例えば検出位置を中心
とする円周上に等間隔に超音波励起用レーザービームを
照射するようにしてもよい。その場合も、マルチチャン
ネル音響光学素子の各音響光学素子を適当な位置に配置
することによって、円周上にレーザービームを照射する
こともできる。また、マルチチャンネル音響光学素子の
後段に適当な光学手段を設け、これによって各レーザー
ビームの照射位置が円周上に乗るように制御するように
してもよい。
ものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能で
ある。上記実施形態では、8本の超音波励起用レーザー
ビームを用いたが、この数は必要とする検出精度等に依
存するものであり、必ずしも8本には限られない。ま
た、上記実施形態では8本の超音波励起用レーザービー
ムの照射位置が正方形の各頂点及び各辺の中点となるよ
うにしたが、これには限られず、例えば検出位置を中心
とする円周上に等間隔に超音波励起用レーザービームを
照射するようにしてもよい。その場合も、マルチチャン
ネル音響光学素子の各音響光学素子を適当な位置に配置
することによって、円周上にレーザービームを照射する
こともできる。また、マルチチャンネル音響光学素子の
後段に適当な光学手段を設け、これによって各レーザー
ビームの照射位置が円周上に乗るように制御するように
してもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検査対象の表面の異なる所定位置に照射された複数のレ
ーザービームに基づいて検出された複数の超音波信号か
ら検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出する処理を行う
ことによってSN比を高めることができるので、検査対
象内の微小な欠陥も高い精度で検出することが可能とな
り、また、複数のレーザービームを用いてSN比を高め
ることができるので、それぞれのレーザービームの強度
を低く抑えることができ、したがって検査対象にレーザ
ービームの照射に基づく損傷を与えることのないレーザ
ー超音波検査装置を提供することができる。
検査対象の表面の異なる所定位置に照射された複数のレ
ーザービームに基づいて検出された複数の超音波信号か
ら検査対象内の欠陥に基づく信号を抽出する処理を行う
ことによってSN比を高めることができるので、検査対
象内の微小な欠陥も高い精度で検出することが可能とな
り、また、複数のレーザービームを用いてSN比を高め
ることができるので、それぞれのレーザービームの強度
を低く抑えることができ、したがって検査対象にレーザ
ービームの照射に基づく損傷を与えることのないレーザ
ー超音波検査装置を提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態のレーザー超音波検査装置
の全体構成を示した概略図である。
の全体構成を示した概略図である。
【図2】マルチチャンネル音響光学素子の概略図であ
る。
る。
【図3】検査対象である鋼材の表面上にけるレーザービ
ームの照射位置及び超音波の検出位置を示した図であ
る。
ームの照射位置及び超音波の検出位置を示した図であ
る。
【図4】音響光学素子における光の回折を説明するため
の図である。
の図である。
【図5】CO2 レーザーの1パルスとマルチチャンネル
音響光学素子の各チャンネルから鋼材の表面に照射され
る各パルスとの関係を示した図である。
音響光学素子の各チャンネルから鋼材の表面に照射され
る各パルスとの関係を示した図である。
【図6】超音波検出部のレーザー干渉計から出力された
信号を処理する回路の付ロック図である。
信号を処理する回路の付ロック図である。
【図7】レーザービームの照射位置の違いによってグレ
インノイズの強度が変化することを説明するための図で
ある。
インノイズの強度が変化することを説明するための図で
ある。
【図8】処理する前の入力信号のSN比をパラメータと
して、信号処理に用いる波形の数を横軸、SN比の変化
を縦軸にとってプロットしたグラフである。
して、信号処理に用いる波形の数を横軸、SN比の変化
を縦軸にとってプロットしたグラフである。
1 超音波発生部 2 超音波検出部 10 レーザー光源 12 ビームセパレータ 13 マルチチャンネル音響光学素子 15 発振器 16 鋼材 20 レーザー干渉計 21 ミラー 30 信号処理部
Claims (3)
- 【請求項1】 励起用レーザー光源と、 前記励起用レーザー光源より発せられたレーザービーム
を複数のレーザービームとするビーム分割手段と、 少なくとも前記複数のレーザービームと同数のチャンネ
ルを有し、各チャンネルごとに独立して設けられた音響
光学素子に前記複数のレーザービームを通過させる音響
光学手段と、 前記音響光学手段から出射した複数のレーザービーム
を、それぞれが検査対象表面の異なる所定位置に照射さ
れるよう制御する照射位置制御手段と、 前記音響光学手段の各チャンネルの音響光学素子に対
し、前記音響光学手段の各チャンネルから所定の順番及
び時間間隔で各レーザービームを出射するよう制御する
電気信号を供給する信号発生手段と、 前記検査対象の表面に照射されたレーザービームによっ
て前記検査対象に生じた超音波を検出する超音波検出手
段と、 前記超音波検出手段によって検出されたそれぞれのレー
ザービームに対応する超音波信号に基づいて検査対象内
の欠陥に基づく信号を抽出する処理を行う信号処理手段
と、 を具備することを特徴とするレーザー超音波検査装置。 - 【請求項2】 前記励起用レーザー光源はCO2 レーザ
ーであり、前記信号発生手段は前記CO2 レーザーの1
パルスの持続時間内に前記複数のレーザービームが検査
対象の前記所定位置に順次照射されるような信号を前記
音響光学手段に供給するものである請求項1記載のレー
ザー超音波検査装置。 - 【請求項3】 前記信号処理手段は、入力されたそれぞ
れの超音波信号のそれぞれを、その超音波周波数よりも
高いサンプリング周波数でA/D変換し、それぞれのサ
ンプリング時刻におけるそれぞれの信号波形のディジタ
ル値を比較し、そのうち絶対値が最も小さいものを選択
し、その選択されたものの元の値をそのサンプリング時
刻における信号の値とし、各サンプリング時刻の値に基
づいて一つの信号波形を再構成する処理を行うものであ
る請求項1記載のレーザー超音波検査装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9065108A JPH10260164A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | レーザー超音波検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9065108A JPH10260164A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | レーザー超音波検査装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10260164A true JPH10260164A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13277385
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9065108A Withdrawn JPH10260164A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | レーザー超音波検査装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10260164A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20190011160A (ko) * | 2017-07-24 | 2019-02-01 | 전남대학교산학협력단 | 굴곡 구조를 포함하는 대상체의 손상 검출 시스템 및 방법 |
| JPWO2018143410A1 (ja) * | 2017-02-03 | 2019-11-07 | 三菱電機株式会社 | 超音波接合装置、超音波接合検査方法および超音波接合部の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP9065108A patent/JPH10260164A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2018143410A1 (ja) * | 2017-02-03 | 2019-11-07 | 三菱電機株式会社 | 超音波接合装置、超音波接合検査方法および超音波接合部の製造方法 |
| US11631653B2 (en) | 2017-02-03 | 2023-04-18 | Mitsubishi Electric Corporation | Ultrasonic bonding apparatus, ultrasonic bonding inspection method and ultrasonically-bonded portion fabrication method |
| KR20190011160A (ko) * | 2017-07-24 | 2019-02-01 | 전남대학교산학협력단 | 굴곡 구조를 포함하는 대상체의 손상 검출 시스템 및 방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |