JPH10263620A - 表面光沢に優れるステンレス鋼帯の冷間圧延方法 - Google Patents
表面光沢に優れるステンレス鋼帯の冷間圧延方法Info
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- JPH10263620A JPH10263620A JP9069614A JP6961497A JPH10263620A JP H10263620 A JPH10263620 A JP H10263620A JP 9069614 A JP9069614 A JP 9069614A JP 6961497 A JP6961497 A JP 6961497A JP H10263620 A JPH10263620 A JP H10263620A
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- stainless steel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ステンレス鋼帯の冷間圧延方法に関し、特に
光沢性に優れたステンレス鋼帯を得るための圧延方法に
関する。 【解決手段】 本発明の請求項1は、多段圧延機により
ステンレス鋼帯を冷間圧延する方法において、少なくと
も最終仕上げパスにおいて、前方および後方の張力負荷
比を0.5以上、好ましくは0.6以上として圧延する
ことを特徴とするステンレス鋼帯の冷間圧延方法で、た
だし、張力負荷比は前方あるいは後方の張力を被圧延材
の耐力で除した値であり、本発明の請求項2は、鋼帯の
急峻度を1.5%以上4.0%未満になるよう形状制御
して圧延することを特徴とする請求項1のステンレス鋼
帯の圧延方法である。
光沢性に優れたステンレス鋼帯を得るための圧延方法に
関する。 【解決手段】 本発明の請求項1は、多段圧延機により
ステンレス鋼帯を冷間圧延する方法において、少なくと
も最終仕上げパスにおいて、前方および後方の張力負荷
比を0.5以上、好ましくは0.6以上として圧延する
ことを特徴とするステンレス鋼帯の冷間圧延方法で、た
だし、張力負荷比は前方あるいは後方の張力を被圧延材
の耐力で除した値であり、本発明の請求項2は、鋼帯の
急峻度を1.5%以上4.0%未満になるよう形状制御
して圧延することを特徴とする請求項1のステンレス鋼
帯の圧延方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の冷
間圧延方法に関し、特に光沢性に優れたステンレス鋼帯
を得るための圧延方法に関する。
間圧延方法に関し、特に光沢性に優れたステンレス鋼帯
を得るための圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光沢の優れたステンレス鋼の冷
間圧延には、小径ワーク口ールを用いたクラスタータイ
プの多段圧延機が用いられている。光沢はステンレス製
品の品質として重要な項目であり、鏡面仕上げのワーク
口ールを用いるなど様々な工夫によって高光沢な製品が
製造されている。
間圧延には、小径ワーク口ールを用いたクラスタータイ
プの多段圧延機が用いられている。光沢はステンレス製
品の品質として重要な項目であり、鏡面仕上げのワーク
口ールを用いるなど様々な工夫によって高光沢な製品が
製造されている。
【0003】また、このようなクラスタータイプの多段
圧延機には板の形状を制御するために様々な形状制御端
が設けられている。代表的な例としてはセンジミアミル
の分割バックアップ口ールにAS−U機構を設け、ロー
ル偏心によって分割バックアップロールのロールクラウ
ンを制御する方法や、多段圧延機の中間ロールに所望の
ロールプロフィルパターンをつけた中間ロールを用い、
この中間ロールを軸方向にシフトさせる方法や、中間ロ
ールをメタルチョック形式で対応して中間ロールをベン
ディングさせる中間ロールベンダー方式等が一般的に知
られている。
圧延機には板の形状を制御するために様々な形状制御端
が設けられている。代表的な例としてはセンジミアミル
の分割バックアップ口ールにAS−U機構を設け、ロー
ル偏心によって分割バックアップロールのロールクラウ
ンを制御する方法や、多段圧延機の中間ロールに所望の
ロールプロフィルパターンをつけた中間ロールを用い、
この中間ロールを軸方向にシフトさせる方法や、中間ロ
ールをメタルチョック形式で対応して中間ロールをベン
ディングさせる中間ロールベンダー方式等が一般的に知
られている。
【0004】このようなクラスタータイプの多段圧延機
において、高光沢なステンレス製品を製造するために、
一般には特開昭53−106365号公報に開示されて
いるように、圧延パススケジユールのワークロール粗度
を調整した上で、圧延潤滑油の粘度を低下させたり、最
終仕上げパスの圧延速度を低下させたりしている。しか
しながら、圧延潤滑油の粘度を低下させると、圧延速度
を上げた場合にヒートスクラッチと呼ばれる焼付き疵が
発生しやすくなるため、全パスに於いて圧延速度を上げ
ることができず、生産性を阻害するという問題があり、
最終仕上げパスの圧延速度を低下することも同様に生産
性の低下をもたらすという問題がある。
において、高光沢なステンレス製品を製造するために、
一般には特開昭53−106365号公報に開示されて
いるように、圧延パススケジユールのワークロール粗度
を調整した上で、圧延潤滑油の粘度を低下させたり、最
終仕上げパスの圧延速度を低下させたりしている。しか
しながら、圧延潤滑油の粘度を低下させると、圧延速度
を上げた場合にヒートスクラッチと呼ばれる焼付き疵が
発生しやすくなるため、全パスに於いて圧延速度を上げ
ることができず、生産性を阻害するという問題があり、
最終仕上げパスの圧延速度を低下することも同様に生産
性の低下をもたらすという問題がある。
【0005】このような問題を解決する方法として例え
ば、特開平3−133503号公報に開示されているよ
うに、圧延中の先進率を負の状態にして圧延する方法が
あるが、この方法ではロールバイト内の材料とワークロ
ールの相対滑り速度が増大し、摩擦係数が増加するので
ヒートスクラッチが発生しやすくなるし、また、張力制
御による板厚制御が不安定になるため、板厚精度が低下
するという問題がある。さらに、特開平5−50103
号公報に開示されているように、らせん状に研磨したワ
ークロールを用いたクロス圧延方法が有るが、ワークロ
ールのスラスト力を支持するための装置の改造が必要で
あったり、ワークロールの表面性状が仕上げ圧延時に一
般的に用いられる鏡面研磨したワークロールと異なるた
め、光沢の優れた鋼帯を得ることが期待できない等の問
題がある。
ば、特開平3−133503号公報に開示されているよ
うに、圧延中の先進率を負の状態にして圧延する方法が
あるが、この方法ではロールバイト内の材料とワークロ
ールの相対滑り速度が増大し、摩擦係数が増加するので
ヒートスクラッチが発生しやすくなるし、また、張力制
御による板厚制御が不安定になるため、板厚精度が低下
するという問題がある。さらに、特開平5−50103
号公報に開示されているように、らせん状に研磨したワ
ークロールを用いたクロス圧延方法が有るが、ワークロ
ールのスラスト力を支持するための装置の改造が必要で
あったり、ワークロールの表面性状が仕上げ圧延時に一
般的に用いられる鏡面研磨したワークロールと異なるた
め、光沢の優れた鋼帯を得ることが期待できない等の問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、高光沢
なステンレス鋼帯を製造する圧延方法が提案されている
が、最終仕上げ圧延時には圧延速度を低減する方法では
生産性の低下を招いていたり、また、クロス圧延をする
方法では設備コストに多くを要し、所望の光沢を得られ
ないなどの問題がある。本発明は、上記の問題に鑑み生
産性に優れ、かつ低コストで高光沢なステンレス鋼帯を
得るための圧延方法を提供するものである。
なステンレス鋼帯を製造する圧延方法が提案されている
が、最終仕上げ圧延時には圧延速度を低減する方法では
生産性の低下を招いていたり、また、クロス圧延をする
方法では設備コストに多くを要し、所望の光沢を得られ
ないなどの問題がある。本発明は、上記の問題に鑑み生
産性に優れ、かつ低コストで高光沢なステンレス鋼帯を
得るための圧延方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、多
段圧延機によりステンレス鋼帯を冷間圧延する方法にお
いて、少なくとも最終仕上げパスにおいて、前方および
後方の張力負荷比を0.5以上、好ましくは0.6以上
として圧延することを特徴とするステンレス鋼帯の冷間
圧延方法で、ただし、張力負荷比は前方あるいは後方の
張力を被圧延材の耐力で除した値であり、本発明の請求
項2は、鋼帯の急峻度を1.5%以上4.0%未満にな
るよう形状制御して圧延することを特徴とする請求項1
記載のステンレス鋼帯の圧延方法である。
段圧延機によりステンレス鋼帯を冷間圧延する方法にお
いて、少なくとも最終仕上げパスにおいて、前方および
後方の張力負荷比を0.5以上、好ましくは0.6以上
として圧延することを特徴とするステンレス鋼帯の冷間
圧延方法で、ただし、張力負荷比は前方あるいは後方の
張力を被圧延材の耐力で除した値であり、本発明の請求
項2は、鋼帯の急峻度を1.5%以上4.0%未満にな
るよう形状制御して圧延することを特徴とする請求項1
記載のステンレス鋼帯の圧延方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例である図1
を用いて詳細に説明する。図1は12段の多段圧延機の
側面の概要図であり、ステンレス鋼ストリップ1が圧延
されている。図1において、一対の小径ワークロ一ル
2、2′は上下2対の4本の中間ロール3a、3a′、
3b、3b′で支持され、これらの中間ロールは上下3
対の6本の分割バックアッフロール4a、4a′、4
b、4b′、4c、4c′で支持されている。上側にあ
るサイド分割バックアップロール(4a、4c)にはA
S一U機構が設置されており、各分割バックアッフロー
ルのベアリング位置を回転させて偏心させることによっ
て、上側の分割バックアップロールプロフィルを任意に
変化させることが可能である。また、下側にあるサイド
分割バックアップロール4a′、4c′は主軸を回転さ
せて偏心させることによって、下側の分割バックアップ
ロールプロフィルをあるパターンを持って変化させるこ
とができる。また、上下2対の4本の中間ロール3a、
3a′、3b、3b′の片側にはそれぞれロールクラウ
ンが設けられており、各ロールはロールシフト装置(図
示しない)によってロール軸方向に各々独立に移動可能
となっている。
を用いて詳細に説明する。図1は12段の多段圧延機の
側面の概要図であり、ステンレス鋼ストリップ1が圧延
されている。図1において、一対の小径ワークロ一ル
2、2′は上下2対の4本の中間ロール3a、3a′、
3b、3b′で支持され、これらの中間ロールは上下3
対の6本の分割バックアッフロール4a、4a′、4
b、4b′、4c、4c′で支持されている。上側にあ
るサイド分割バックアップロール(4a、4c)にはA
S一U機構が設置されており、各分割バックアッフロー
ルのベアリング位置を回転させて偏心させることによっ
て、上側の分割バックアップロールプロフィルを任意に
変化させることが可能である。また、下側にあるサイド
分割バックアップロール4a′、4c′は主軸を回転さ
せて偏心させることによって、下側の分割バックアップ
ロールプロフィルをあるパターンを持って変化させるこ
とができる。また、上下2対の4本の中間ロール3a、
3a′、3b、3b′の片側にはそれぞれロールクラウ
ンが設けられており、各ロールはロールシフト装置(図
示しない)によってロール軸方向に各々独立に移動可能
となっている。
【0009】多段圧延機出側には軸方向に分割され、ス
テンレス鋼ストリップと接触する複数のスリーブから構
成されたロールがあり、各スリーブにかかる圧力を検出
することによって板形状を測定する接触式の形状検出器
5が設けられており、圧延されたステンレス鋼ストリッ
プの張力分布が検出され信号処理されて急峻度分布(伸
び率分布)が形状表示装置6によって表示されている。
テンレス鋼ストリップと接触する複数のスリーブから構
成されたロールがあり、各スリーブにかかる圧力を検出
することによって板形状を測定する接触式の形状検出器
5が設けられており、圧延されたステンレス鋼ストリッ
プの張力分布が検出され信号処理されて急峻度分布(伸
び率分布)が形状表示装置6によって表示されている。
【0010】上述した多段圧延機を用いて最終の仕上げ
パスにて圧延する場合おいて、ステンレス鋼を鉱油ベー
スの低粘度(40℃で約10cSt の粘度)の圧延潤滑油
のエマルション潤滑で、通常の仕上圧延速度である約1
00m/min の低速圧延速度で鏡面研磨されたワークロー
ルを用いて前方および後方張力を変化させて圧延実験を
行い、圧延時の被圧延材とワークロールとの摩擦係数お
よび圧延荷重、圧延後の鋼帯の表面光沢を調査し以下の
知見を得た。
パスにて圧延する場合おいて、ステンレス鋼を鉱油ベー
スの低粘度(40℃で約10cSt の粘度)の圧延潤滑油
のエマルション潤滑で、通常の仕上圧延速度である約1
00m/min の低速圧延速度で鏡面研磨されたワークロー
ルを用いて前方および後方張力を変化させて圧延実験を
行い、圧延時の被圧延材とワークロールとの摩擦係数お
よび圧延荷重、圧延後の鋼帯の表面光沢を調査し以下の
知見を得た。
【0011】図2はその結果を示すものであり、図2の
(a)は摩擦係数と張力の関係を示す図であり、(b)
は圧延荷重と張力の関係を示す図であり、(c)は光沢
度と張力の関係を示す図である。図2において前方張力
負荷比αは、入側張力を圧延機入側における材料の0.
2%耐力で除した値であり、後方張力負荷比βは出側張
力を圧延機出側における材料の0.2%耐力で除した値
である。
(a)は摩擦係数と張力の関係を示す図であり、(b)
は圧延荷重と張力の関係を示す図であり、(c)は光沢
度と張力の関係を示す図である。図2において前方張力
負荷比αは、入側張力を圧延機入側における材料の0.
2%耐力で除した値であり、後方張力負荷比βは出側張
力を圧延機出側における材料の0.2%耐力で除した値
である。
【0012】一般に、前方張力負荷比および後方張力負
荷比は板破断を防止するため通常0.3〜0.4で圧延
される。また、表面光沢は光沢計を用いてGS45度で
測定した値であり、通常650以上になるように操業管
理され、この値よりも表面光沢度が低い場合には品質グ
レードが落ちてしまう。図2の(a)は摩擦係数と前方
張力負荷比αおよび後方張力負荷比βとの関係を示して
いるが、通常の張力負荷比レベルの圧延では摩擦係数に
及ぼす張力の影響はほとんど認められないが、前方張力
負荷比および後方張力負荷比が共に0.5以上になると
急激に摩擦係数は増大する。これは、張力が増大し、ロ
ールバイト内のオイルピットが発生しにくくかつ既に存
在していたステンレス鋼ストリップの表面の凹部が平滑
化された結果、境界潤滑領域が急激に増大するためであ
る。
荷比は板破断を防止するため通常0.3〜0.4で圧延
される。また、表面光沢は光沢計を用いてGS45度で
測定した値であり、通常650以上になるように操業管
理され、この値よりも表面光沢度が低い場合には品質グ
レードが落ちてしまう。図2の(a)は摩擦係数と前方
張力負荷比αおよび後方張力負荷比βとの関係を示して
いるが、通常の張力負荷比レベルの圧延では摩擦係数に
及ぼす張力の影響はほとんど認められないが、前方張力
負荷比および後方張力負荷比が共に0.5以上になると
急激に摩擦係数は増大する。これは、張力が増大し、ロ
ールバイト内のオイルピットが発生しにくくかつ既に存
在していたステンレス鋼ストリップの表面の凹部が平滑
化された結果、境界潤滑領域が急激に増大するためであ
る。
【0013】また、圧延潤滑油の粘度を変えて上述した
ものと同様な実験調査を行った結果、上述した現象は4
0℃で約20cSt 以下の低粘度の圧延潤滑油を用いた場
合のように、境界潤滑が主流を占める場合に顕著に生じ
る現象であり、冷間タンデム圧延に使用されている牛脂
油やパーム油のような潤滑油の粘度が高い圧延油ではそ
の効果はほとんど認められないことが分かった。
ものと同様な実験調査を行った結果、上述した現象は4
0℃で約20cSt 以下の低粘度の圧延潤滑油を用いた場
合のように、境界潤滑が主流を占める場合に顕著に生じ
る現象であり、冷間タンデム圧延に使用されている牛脂
油やパーム油のような潤滑油の粘度が高い圧延油ではそ
の効果はほとんど認められないことが分かった。
【0014】図2の(b)は圧延荷重と前方張力負荷比
および後方張力負荷比との関係を示しているが、一般に
言われているように張力レベルが増大するほど圧延荷重
は減少し、その効果は前方張力よりも後方張力の方が大
きいことが分かる。ここで、前方張力負荷比および後方
張力負荷比が0.5以上になって、図2(b)に示した
ように摩擦係数が増大しているにも関わらず圧延荷重が
減少しているのは、摩擦係数の増大による圧延荷重の増
加効果よりも、張力の増大による圧延荷重の減少効果の
方が大きいためである。
および後方張力負荷比との関係を示しているが、一般に
言われているように張力レベルが増大するほど圧延荷重
は減少し、その効果は前方張力よりも後方張力の方が大
きいことが分かる。ここで、前方張力負荷比および後方
張力負荷比が0.5以上になって、図2(b)に示した
ように摩擦係数が増大しているにも関わらず圧延荷重が
減少しているのは、摩擦係数の増大による圧延荷重の増
加効果よりも、張力の増大による圧延荷重の減少効果の
方が大きいためである。
【0015】図2の(c)は表面光沢と前方張力負荷比
および後方張力負荷比との関係を示しているが、通常の
張力負荷比レベルの圧延では表面光沢に及ぼす張力の影
響はほとんど認められないが、前方張力負荷比および後
方張力負荷比が共に0.5以上になると急激に表面光沢
は向上することが判明した。
および後方張力負荷比との関係を示しているが、通常の
張力負荷比レベルの圧延では表面光沢に及ぼす張力の影
響はほとんど認められないが、前方張力負荷比および後
方張力負荷比が共に0.5以上になると急激に表面光沢
は向上することが判明した。
【0016】以上のことから、本発明においては、多段
圧延機によりステンレス鋼帯を冷間圧延する際、前方お
よび後方張力負荷比を0.5以上、また好ましくは0.
6以上として圧延するものである。すなわち、被圧延材
の耐力を引張試験などから把握する一方、多段圧延機に
おいて鋼帯を巻き取る巻き取りリールおよび鋼帯を巻き
戻す巻き戻しリール等のトルクを調整することによって
前方あるいは後方の張力を制御し、張力負荷比が上記の
範囲となるようにするものである。この張力負荷比の制
御は最終仕上げパスにおいて行うが、最終パスの前段の
パスにおいても上記の張力負荷比の範囲に制御すること
も好ましい。
圧延機によりステンレス鋼帯を冷間圧延する際、前方お
よび後方張力負荷比を0.5以上、また好ましくは0.
6以上として圧延するものである。すなわち、被圧延材
の耐力を引張試験などから把握する一方、多段圧延機に
おいて鋼帯を巻き取る巻き取りリールおよび鋼帯を巻き
戻す巻き戻しリール等のトルクを調整することによって
前方あるいは後方の張力を制御し、張力負荷比が上記の
範囲となるようにするものである。この張力負荷比の制
御は最終仕上げパスにおいて行うが、最終パスの前段の
パスにおいても上記の張力負荷比の範囲に制御すること
も好ましい。
【0017】一般に、圧延速度を増大するとロールバイ
ト内に導入される圧延潤滑油の量が増大するためオイル
ピットが生じやすくなり表面光沢は減少する。従って、
所定以上の表面光沢を確保するためには圧延速度を予め
同一圧延条件で圧延速度だけを変化させて光沢度と圧延
速度の関係を調査し、光沢度が650以上になる限界の
圧延速度よりも遅い速度で圧延する必要がある。しか
し、本発明を適用することによって前述した実験的に求
めた所望の光沢度が得られる限界の速度よりも圧延速度
を増大しても所望する表面光沢を得ることができる。ま
た、一般には、圧延速度の増大および摩擦係数の増大に
よってヒートスクラッチが発生しやすくなるものと予想
されるが、前方張力負荷比および後方張力負荷比を0.
5以上にすることによって、圧延荷重が減少し摩擦発熱
が減少するので実質的な問題はない。ヒートスクラッチ
限界が発生する圧延速度よりも所定の表面光沢が低下す
る圧延速度の方が早いことを実験によって確認してい
る。
ト内に導入される圧延潤滑油の量が増大するためオイル
ピットが生じやすくなり表面光沢は減少する。従って、
所定以上の表面光沢を確保するためには圧延速度を予め
同一圧延条件で圧延速度だけを変化させて光沢度と圧延
速度の関係を調査し、光沢度が650以上になる限界の
圧延速度よりも遅い速度で圧延する必要がある。しか
し、本発明を適用することによって前述した実験的に求
めた所望の光沢度が得られる限界の速度よりも圧延速度
を増大しても所望する表面光沢を得ることができる。ま
た、一般には、圧延速度の増大および摩擦係数の増大に
よってヒートスクラッチが発生しやすくなるものと予想
されるが、前方張力負荷比および後方張力負荷比を0.
5以上にすることによって、圧延荷重が減少し摩擦発熱
が減少するので実質的な問題はない。ヒートスクラッチ
限界が発生する圧延速度よりも所定の表面光沢が低下す
る圧延速度の方が早いことを実験によって確認してい
る。
【0018】このように高張力で圧延することによって
表面光沢は向上するが、高張力下で圧延することによっ
て板の破断の可能性もある。板破断は板端部の欠陥、例
えば、ノートリム材を使用した場合には熱間圧延時の板
幅方向のクラックやトリム材を使用した場合には、多パ
スの冷間圧延を行うことによって生じる板端部のクラッ
クに起因する。すなわち、張力を増大すると上述した欠
陥部に応力集中が生じ、欠陥部を起点にストリップが引
き裂かれ板破断が発生する可能性が生じる。
表面光沢は向上するが、高張力下で圧延することによっ
て板の破断の可能性もある。板破断は板端部の欠陥、例
えば、ノートリム材を使用した場合には熱間圧延時の板
幅方向のクラックやトリム材を使用した場合には、多パ
スの冷間圧延を行うことによって生じる板端部のクラッ
クに起因する。すなわち、張力を増大すると上述した欠
陥部に応力集中が生じ、欠陥部を起点にストリップが引
き裂かれ板破断が発生する可能性が生じる。
【0019】そこで、図1に示した圧延機を用い前方張
力負荷比および後方張力負荷比ならびに板形状(急峻
度)を変えて、板形状(急峻度)と板破断の発生の有無
を実験した。図3は鋼帯端部の急峻度から鋼帯中央部の
急峻度を減じた急峻度と板破断の関係を示す図である。
図3(a)には前方張力負荷比と板形状が板破断の発生
の有無に及ぼす影響を、図3(b)には後方張力負荷比
と板形状が板破断の発生の有無に及ぼす影響を示す。な
お、鋼帯の急峻度は前述した形状検出器で測定したもの
であり、板形状は上側の分割バックアップロールのロー
ル偏心の偏心量及び中間ロールシフトのシフト量をそれ
ぞれ変えることによって制御した。図3中の記号○は板
破断が生じなかったもの、記号×は板破断が生じたりも
しくはクラックが成長したものあるいは絞りが生じたも
のを示す。したがって、好ましくはこの様な板破断の可
能性をなくすために本発明の範囲、すなわち張力負荷比
が0.5以上では急峻度が1.5%以上4.0%以下に
板形状を制御するものである。
力負荷比および後方張力負荷比ならびに板形状(急峻
度)を変えて、板形状(急峻度)と板破断の発生の有無
を実験した。図3は鋼帯端部の急峻度から鋼帯中央部の
急峻度を減じた急峻度と板破断の関係を示す図である。
図3(a)には前方張力負荷比と板形状が板破断の発生
の有無に及ぼす影響を、図3(b)には後方張力負荷比
と板形状が板破断の発生の有無に及ぼす影響を示す。な
お、鋼帯の急峻度は前述した形状検出器で測定したもの
であり、板形状は上側の分割バックアップロールのロー
ル偏心の偏心量及び中間ロールシフトのシフト量をそれ
ぞれ変えることによって制御した。図3中の記号○は板
破断が生じなかったもの、記号×は板破断が生じたりも
しくはクラックが成長したものあるいは絞りが生じたも
のを示す。したがって、好ましくはこの様な板破断の可
能性をなくすために本発明の範囲、すなわち張力負荷比
が0.5以上では急峻度が1.5%以上4.0%以下に
板形状を制御するものである。
【0020】このように形状を制御するには、前述のよ
うに多段圧延機のバックアップロールを分割型とし、こ
れにAS−U機構を設けてバックアップロールのロール
クラウンを制御する方法、あるいは、多段圧延機の中間
ロールにロールクラウンパターンを付与しロールシフト
機構を設けてこれを軸方向ヘシフトさせる方法、あるい
は中間ロールをベンディングさせるロールベンデインク
方法などの形状制御端を制御する方法を採用することが
できる。
うに多段圧延機のバックアップロールを分割型とし、こ
れにAS−U機構を設けてバックアップロールのロール
クラウンを制御する方法、あるいは、多段圧延機の中間
ロールにロールクラウンパターンを付与しロールシフト
機構を設けてこれを軸方向ヘシフトさせる方法、あるい
は中間ロールをベンディングさせるロールベンデインク
方法などの形状制御端を制御する方法を採用することが
できる。
【0021】これらの場合、多段圧延機の出側に、例え
ば接触式の形状検出器を設け、この信号に基づいて上記
の形状制御端である分割バックアップロールのロール偏
心量、中間ロールのシフト位置、中間ロールのベンディ
ング力等を制御することが好ましい。
ば接触式の形状検出器を設け、この信号に基づいて上記
の形状制御端である分割バックアップロールのロール偏
心量、中間ロールのシフト位置、中間ロールのベンディ
ング力等を制御することが好ましい。
【0022】
(実施例1)使用した多段圧延機は図1に示したものと
同じ圧延機であり、圧延条件を表1に示す。圧延潤滑油
は鉱油ベースのものであり、その粘度は40℃で10cS
t 程度である。
同じ圧延機であり、圧延条件を表1に示す。圧延潤滑油
は鉱油ベースのものであり、その粘度は40℃で10cS
t 程度である。
【0023】先ず通常の圧延条件である、後方張力負荷
比β=0.35、前方張力負荷比α=0.35で、圧延
速度を増大して行った結果、圧延速度が125m・mi
n-1以上になると圧延後の表面光沢は650よりも小さ
くなり、所望とする光沢は得られなくなった。従って、
従来技術では圧延速度を125m・min-1よりも遅い
速度で圧延せざるを得ず、生産性の低下を招いていた。
比β=0.35、前方張力負荷比α=0.35で、圧延
速度を増大して行った結果、圧延速度が125m・mi
n-1以上になると圧延後の表面光沢は650よりも小さ
くなり、所望とする光沢は得られなくなった。従って、
従来技術では圧延速度を125m・min-1よりも遅い
速度で圧延せざるを得ず、生産性の低下を招いていた。
【0024】次に本発明を適用し、後方張力負荷比β=
0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧延速度を
増大して行った結果、圧延速度が415m・min-1以
上になると、圧延後の表面光沢は650よりも小さくな
り、所望とする光沢は得られなくなった。従って、本発
明を適用することによって、最終仕上げパスの生産性は
約3.3倍に向上した。
0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧延速度を
増大して行った結果、圧延速度が415m・min-1以
上になると、圧延後の表面光沢は650よりも小さくな
り、所望とする光沢は得られなくなった。従って、本発
明を適用することによって、最終仕上げパスの生産性は
約3.3倍に向上した。
【0025】(実施例2)使用した多段圧延機は図1に
示したものと同じ圧延機であり、圧延条件を表1に示
す。圧延潤滑油は鉱油べースのものであり、その粘度は
40℃で10cSt 程度である。
示したものと同じ圧延機であり、圧延条件を表1に示
す。圧延潤滑油は鉱油べースのものであり、その粘度は
40℃で10cSt 程度である。
【0026】先ず、板形状制御をせずに後方張力負荷比
β=0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧延速
度を増大して行った結果、圧延速度が415m・min
-1以上になると、圧延後の表面光沢は650よりも小さ
くなり、所望とする光沢は得られなくなった。従って、
板形状制御をせずに後方張力負荷比β=0.60、前方
張力負荷比α=0.60で、圧延速度が400m・mi
n-1で30コイル冷間圧延をした。この時の板破断の発
生率は0.8回/コイル程度発生していた。
β=0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧延速
度を増大して行った結果、圧延速度が415m・min
-1以上になると、圧延後の表面光沢は650よりも小さ
くなり、所望とする光沢は得られなくなった。従って、
板形状制御をせずに後方張力負荷比β=0.60、前方
張力負荷比α=0.60で、圧延速度が400m・mi
n-1で30コイル冷間圧延をした。この時の板破断の発
生率は0.8回/コイル程度発生していた。
【0027】次に、本発明を適用し圧延後の板の急峻度
が3%になるように形状検出器の出力を見ながら手動で
分割バックアップロールのAS−U機構を操作しなが
ら、後方張力負荷比β=0.60、前方張力負荷比α=
0.60で、圧延速度を増大して行った結果、圧延速度
が415m・min-1以上になると、圧延後の表面光沢
は650よりも小さくなり、所望とする光沢は得られな
くなった。従って、板形状制御をしながら、後方張力負
荷比β=0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧
延速度が400m・min-1で60コイル冷間圧延をし
た。この時の板破断の発生率は0回/コイルであった。
が3%になるように形状検出器の出力を見ながら手動で
分割バックアップロールのAS−U機構を操作しなが
ら、後方張力負荷比β=0.60、前方張力負荷比α=
0.60で、圧延速度を増大して行った結果、圧延速度
が415m・min-1以上になると、圧延後の表面光沢
は650よりも小さくなり、所望とする光沢は得られな
くなった。従って、板形状制御をしながら、後方張力負
荷比β=0.60、前方張力負荷比α=0.60で、圧
延速度が400m・min-1で60コイル冷間圧延をし
た。この時の板破断の発生率は0回/コイルであった。
【0028】これらの結果、圧延機の稼働率を上昇する
ことや製品品質が損われる発生率を減少することができ
た。
ことや製品品質が損われる発生率を減少することができ
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の圧延方法を用いることにより、
ステンレスストリップを生産する小径ワークロールの圧
延機において圧延機の稼働率を上昇させ製造コストを低
減することや製品品質が損われる発生率を減少すること
により歩留を向上させることが可能となる。
ステンレスストリップを生産する小径ワークロールの圧
延機において圧延機の稼働率を上昇させ製造コストを低
減することや製品品質が損われる発生率を減少すること
により歩留を向上させることが可能となる。
【図1】本発明を実施するに使用した多段圧延機を示す
図。
図。
【図2】(a)は摩擦係数と前方張力負荷比および後方
張力負荷比との関係を示す図、(b)は圧延荷重と前方
張力負荷比および後方張力負荷比との関係を示す図、
(c)は表面光沢と前方張力負荷比および後方張力負荷
比との関係を示す図。
張力負荷比との関係を示す図、(b)は圧延荷重と前方
張力負荷比および後方張力負荷比との関係を示す図、
(c)は表面光沢と前方張力負荷比および後方張力負荷
比との関係を示す図。
【図3】(a)は急峻度と板破断に及ぼす前方張力負荷
比の関係を示す図、(b)は急峻度と板破断に及ぼす後
方張力負荷比の関係を示す図。
比の関係を示す図、(b)は急峻度と板破断に及ぼす後
方張力負荷比の関係を示す図。
1:ステンレスストリップ 2、2′:ワーク
ロール 4a、4a′、4b、4b′4c、4c′:分割バック
アップロール 5:形状検出器 6:形状表示装置
ロール 4a、4a′、4b、4b′4c、4c′:分割バック
アップロール 5:形状検出器 6:形状表示装置
Claims (2)
- 【請求項1】 多段圧延機によりステンレス鋼帯を冷間
圧延する方法において、少なくとも最終仕上げパスにお
いて、前方および後方の張力負荷比を0.5以上、好ま
しくは0.6以上として圧延することを特徴とするステ
ンレス鋼帯の冷間圧延方法。ただし、張力負荷比は前方
あるいは後方の張力を被圧延材の耐力で除した値 - 【請求項2】 鋼帯の急峻度を1.5%以上4.0%未
満になるよう形状制御して圧延することを特徴とする請
求項1記載のステンレス鋼帯の冷間圧延方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9069614A JPH10263620A (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 表面光沢に優れるステンレス鋼帯の冷間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9069614A JPH10263620A (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 表面光沢に優れるステンレス鋼帯の冷間圧延方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10263620A true JPH10263620A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13407926
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9069614A Withdrawn JPH10263620A (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 表面光沢に優れるステンレス鋼帯の冷間圧延方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10263620A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101230118B1 (ko) | 2010-12-28 | 2013-02-05 | 주식회사 포스코 | 티타늄 판재 및 이의 제조방법 |
| KR101230160B1 (ko) * | 2010-12-28 | 2013-02-05 | 주식회사 포스코 | 마르텐사이트계 스테인리스강 및 이의 제조 방법 |
| CN112275804A (zh) * | 2020-08-31 | 2021-01-29 | 山西太钢不锈钢精密带钢有限公司 | 用于精密不锈带钢表面色差的控制方法 |
-
1997
- 1997-03-24 JP JP9069614A patent/JPH10263620A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101230118B1 (ko) | 2010-12-28 | 2013-02-05 | 주식회사 포스코 | 티타늄 판재 및 이의 제조방법 |
| KR101230160B1 (ko) * | 2010-12-28 | 2013-02-05 | 주식회사 포스코 | 마르텐사이트계 스테인리스강 및 이의 제조 방법 |
| CN112275804A (zh) * | 2020-08-31 | 2021-01-29 | 山西太钢不锈钢精密带钢有限公司 | 用于精密不锈带钢表面色差的控制方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |