JPH10263794A - 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 - Google Patents
球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法Info
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- JPH10263794A JPH10263794A JP9296397A JP9296397A JPH10263794A JP H10263794 A JPH10263794 A JP H10263794A JP 9296397 A JP9296397 A JP 9296397A JP 9296397 A JP9296397 A JP 9296397A JP H10263794 A JPH10263794 A JP H10263794A
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Landscapes
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 肉厚変動の大きい自動車の足廻り鋳物におい
て、厚肉部に冷し金を中子として用いることによって、
薄肉部と同様に黒鉛が微細化し、さらに基地組織もフェ
ライト化するため、靭性が高く疲労強度および切削性に
も優れた球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法を提供する。 【解決手段】 肉厚変動の大きい足廻り鋳物の肉厚部鋳
型キャビティー内に、冷し金を中子として用いることを
骨子とし、冷し金によって共晶凝固開始温度直上100
Kから共晶凝固温度までの平均冷却速度を大きくするた
め、薄肉部と同様な微細黒鉛が得られる。また、モジュ
ラス設計した冷し金によって共析変態点通過速度も制御
できるため、厚肉部においてもフェライト基地中に薄肉
部と同様25μm以下に微細化した球状黒鉛が分散した
組織の鋳物が得られる。
て、厚肉部に冷し金を中子として用いることによって、
薄肉部と同様に黒鉛が微細化し、さらに基地組織もフェ
ライト化するため、靭性が高く疲労強度および切削性に
も優れた球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法を提供する。 【解決手段】 肉厚変動の大きい足廻り鋳物の肉厚部鋳
型キャビティー内に、冷し金を中子として用いることを
骨子とし、冷し金によって共晶凝固開始温度直上100
Kから共晶凝固温度までの平均冷却速度を大きくするた
め、薄肉部と同様な微細黒鉛が得られる。また、モジュ
ラス設計した冷し金によって共析変態点通過速度も制御
できるため、厚肉部においてもフェライト基地中に薄肉
部と同様25μm以下に微細化した球状黒鉛が分散した
組織の鋳物が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状黒鉛鋳鉄鋳物
の製造方法に関するものであり、より詳しく述べるなら
ば、肉厚変動の大きい自動車足廻り部品用球状黒鉛鋳鉄
鋳物の製造法に関するものである。
の製造方法に関するものであり、より詳しく述べるなら
ば、肉厚変動の大きい自動車足廻り部品用球状黒鉛鋳鉄
鋳物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車輪を支持するナック
ル、ロアーアーム等の足廻り部材は球状黒鉛鋳鉄により
鋳造される場合が多く、必要によってシェル鋳型によっ
て作成した中子を鋳型にセットし、この鋳型に溶湯を注
湯後自然放熱により凝固冷却させて製造している。しか
し、ナックル、ロアーアーム等の足廻り部材は肉厚変動
の大きい鋳物であるため、鋳造後の黒鉛粒径も鋳物の肉
厚に対応したものになっている。また従来の球状黒鉛鋳
鉄の製造方法では、鋳型内への溶湯の注湯後鋳物の全体
を自然放熱により凝固冷却させるのが一般的である。こ
の場合の冷却速度及び鋳造組織を図1〜4を参照して説
明する。ここで厚肉部は厚さが20〜30mm、薄肉部
は厚さが3〜4mmの試片に球状黒鉛鋳鉄を砂型で鋳造
した。図1は冷し金中子を使用しない従来技術での薄肉
部と厚肉部の冷却曲線を、図2は共晶凝固部の冷却曲線
をそれぞれ示す。
ル、ロアーアーム等の足廻り部材は球状黒鉛鋳鉄により
鋳造される場合が多く、必要によってシェル鋳型によっ
て作成した中子を鋳型にセットし、この鋳型に溶湯を注
湯後自然放熱により凝固冷却させて製造している。しか
し、ナックル、ロアーアーム等の足廻り部材は肉厚変動
の大きい鋳物であるため、鋳造後の黒鉛粒径も鋳物の肉
厚に対応したものになっている。また従来の球状黒鉛鋳
鉄の製造方法では、鋳型内への溶湯の注湯後鋳物の全体
を自然放熱により凝固冷却させるのが一般的である。こ
の場合の冷却速度及び鋳造組織を図1〜4を参照して説
明する。ここで厚肉部は厚さが20〜30mm、薄肉部
は厚さが3〜4mmの試片に球状黒鉛鋳鉄を砂型で鋳造
した。図1は冷し金中子を使用しない従来技術での薄肉
部と厚肉部の冷却曲線を、図2は共晶凝固部の冷却曲線
をそれぞれ示す。
【0003】薄肉部と厚肉部における冷却曲線および組
織の違いは図3、4から明らかであり、薄肉部では凝固
速度が大きいため、黒鉛は微細化しているが、共析変態
点通過速度も大きいため、パーライト量も大きくなって
いる;一方、厚肉部では、全フェライトに近い基地組織
になっているが、黒鉛は粗大化している。これらの図か
ら肉厚変動の大きい足廻り球状黒鉛鋳鉄鋳物では黒鉛粒
径は小さくなり、一方薄肉部は冷却速度が大きいため黒
鉛が微細になるが、厚肉部は冷却速度が比較的小さいた
め肉厚部には粗大化した黒鉛が晶出することが理解され
よう。さらに、厚肉部では引け巣等の内部欠陥も発生し
やすくなる。
織の違いは図3、4から明らかであり、薄肉部では凝固
速度が大きいため、黒鉛は微細化しているが、共析変態
点通過速度も大きいため、パーライト量も大きくなって
いる;一方、厚肉部では、全フェライトに近い基地組織
になっているが、黒鉛は粗大化している。これらの図か
ら肉厚変動の大きい足廻り球状黒鉛鋳鉄鋳物では黒鉛粒
径は小さくなり、一方薄肉部は冷却速度が大きいため黒
鉛が微細になるが、厚肉部は冷却速度が比較的小さいた
め肉厚部には粗大化した黒鉛が晶出することが理解され
よう。さらに、厚肉部では引け巣等の内部欠陥も発生し
やすくなる。
【0004】以上まとめると、肉厚変動の大きいナック
ルやロアーアーム等の足廻り部材を球状黒鉛鋳鉄で製造
する場合は、比較的厚肉部の冷却速度(共晶凝固)は小
さいため、球状黒鉛の粒径が大きくなり、微細な球状黒
鉛の組織が得られず、引け巣等の内部欠陥も大きくなる
という問題があった。そのため、その部分の強度および
疲労強度が低いものとなっていた。典型的には厚肉部の
溶湯及び凝固金属における冷却速度は約2K/secで
あり、又球状黒鉛粒径は約50μmである。引け巣等の
内部欠陥対策については、従来からの技術として、冷し
金をセットし指向性凝固を促進させることによって押湯
効果を向上させる方法があるが、組織の改善までには至
ってない。
ルやロアーアーム等の足廻り部材を球状黒鉛鋳鉄で製造
する場合は、比較的厚肉部の冷却速度(共晶凝固)は小
さいため、球状黒鉛の粒径が大きくなり、微細な球状黒
鉛の組織が得られず、引け巣等の内部欠陥も大きくなる
という問題があった。そのため、その部分の強度および
疲労強度が低いものとなっていた。典型的には厚肉部の
溶湯及び凝固金属における冷却速度は約2K/secで
あり、又球状黒鉛粒径は約50μmである。引け巣等の
内部欠陥対策については、従来からの技術として、冷し
金をセットし指向性凝固を促進させることによって押湯
効果を向上させる方法があるが、組織の改善までには至
ってない。
【0005】一方、特開平1−91956号に記述され
ているように、鋳造品の厚肉部には加工後ブッシュやス
ピンドル等の組付け用の部品を圧入することも多いが、
その圧入荷重は非常に大きいための圧入時にクラックが
発生するという問題があり、また球状黒鉛の粒径が大き
いので、ブッシュやスピンドル等の組付け用の部品をセ
ットする孔を旋削あるいは研削したりするときの切削性
が悪くなるという問題もあった。
ているように、鋳造品の厚肉部には加工後ブッシュやス
ピンドル等の組付け用の部品を圧入することも多いが、
その圧入荷重は非常に大きいための圧入時にクラックが
発生するという問題があり、また球状黒鉛の粒径が大き
いので、ブッシュやスピンドル等の組付け用の部品をセ
ットする孔を旋削あるいは研削したりするときの切削性
が悪くなるという問題もあった。
【0006】以上の問題を解決すべく、特開平1−91
956号には、貫通孔を形成した中子と冷却流体の通路
を形成した鋳型を用い、この鋳型内の通路と中子の貫通
孔が連通するようにして中子を鋳型にセットし、少なく
とも溶湯の鋳込み後この貫通孔に冷却流体を流し、鋳物
の中空孔の近傍部を冷却するので、凝固時の冷却速度が
その他の部分の冷却速度に比べ大きくなり黒鉛粒子の粗
大化が抑制され黒鉛粒子が微細化し、その部分の強度並
びに疲労強度を高め且つ切削性を改善することができる
ことが開示されている。
956号には、貫通孔を形成した中子と冷却流体の通路
を形成した鋳型を用い、この鋳型内の通路と中子の貫通
孔が連通するようにして中子を鋳型にセットし、少なく
とも溶湯の鋳込み後この貫通孔に冷却流体を流し、鋳物
の中空孔の近傍部を冷却するので、凝固時の冷却速度が
その他の部分の冷却速度に比べ大きくなり黒鉛粒子の粗
大化が抑制され黒鉛粒子が微細化し、その部分の強度並
びに疲労強度を高め且つ切削性を改善することができる
ことが開示されている。
【0007】しかしながら、上記の技術では、現有設備
での対応は大変困難であり、冷却流体圧送設備のための
大幅なライン改造が必要である。
での対応は大変困難であり、冷却流体圧送設備のための
大幅なライン改造が必要である。
【0008】一方、大幅なライン改造の必要がなく、工
業的に黒鉛を微細化する方法として、従来から、インモ
ールド法があった。しかし、インモールド法では、製品
にドロスが巻き込みやすいため、湯口方案が難しく工夫
が必要であり、複雑な鋳造方案になってしまうため、重
量歩留が低下しコスト的に不利であった。また、鋳型1
枠毎の球状化処理であるため、球状化処理後の球状化率
を全数測定するため、球状化率測定装置の導入が必要に
なり、その検査だけでも大幅な工数増となり、操業上の
問題もあった。
業的に黒鉛を微細化する方法として、従来から、インモ
ールド法があった。しかし、インモールド法では、製品
にドロスが巻き込みやすいため、湯口方案が難しく工夫
が必要であり、複雑な鋳造方案になってしまうため、重
量歩留が低下しコスト的に不利であった。また、鋳型1
枠毎の球状化処理であるため、球状化処理後の球状化率
を全数測定するため、球状化率測定装置の導入が必要に
なり、その検査だけでも大幅な工数増となり、操業上の
問題もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、以
上のような操業上の問題を有せず、鋳型内への溶湯の注
湯後、鋳物の全体を自然放熱により凝固冷却させる一般
的な手段だけで、肉厚部の黒鉛粒径が薄肉部の黒鉛粒径
と同様に微細化し、厚肉部の強度並びに疲労強度を高め
且つ切削性の改善も図ることが可能な球状黒鉛鋳鉄の製
造方法を提供することを目的とする。
上のような操業上の問題を有せず、鋳型内への溶湯の注
湯後、鋳物の全体を自然放熱により凝固冷却させる一般
的な手段だけで、肉厚部の黒鉛粒径が薄肉部の黒鉛粒径
と同様に微細化し、厚肉部の強度並びに疲労強度を高め
且つ切削性の改善も図ることが可能な球状黒鉛鋳鉄の製
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、肉厚変動の大
きい足廻り球状黒鉛鋳鉄鋳物を鋳造する製造方法におい
て、厚肉部鋳型キャビティー内に、モジュラス設計した
冷し金を中子としてセットし、鋳物の厚肉部を冷却させ
ようとするものである。すなわち、本発明は、貫通孔が
形成された厚肉部と薄肉部を有する自動車用足廻部品を
球状黒鉛鋳鉄鋳物により製造する方法において、厚肉部
の黒鉛粒径を微細化させるための冷し金を中子としてセ
ットした厚肉部を有する鋳型キャビティー内に球状黒鉛
鋳鉄溶湯を鋳造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物
の製造方法を提供するものである。より好ましくは、共
晶凝固開始温度直上100Kから共晶凝固温度までの平
均冷却速度が5K/sec〜10K/secになり、さ
らに、共析変態点通過速度も1.0K/sec以下に調
整する。さらに、厚肉部の厚さ(t1 )は10〜60m
mであり、薄肉部の厚さ(t2)は3〜5mmであり、
t1 /t2 =2〜20である鋳物の製造に本発明法は好
適である。
きい足廻り球状黒鉛鋳鉄鋳物を鋳造する製造方法におい
て、厚肉部鋳型キャビティー内に、モジュラス設計した
冷し金を中子としてセットし、鋳物の厚肉部を冷却させ
ようとするものである。すなわち、本発明は、貫通孔が
形成された厚肉部と薄肉部を有する自動車用足廻部品を
球状黒鉛鋳鉄鋳物により製造する方法において、厚肉部
の黒鉛粒径を微細化させるための冷し金を中子としてセ
ットした厚肉部を有する鋳型キャビティー内に球状黒鉛
鋳鉄溶湯を鋳造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物
の製造方法を提供するものである。より好ましくは、共
晶凝固開始温度直上100Kから共晶凝固温度までの平
均冷却速度が5K/sec〜10K/secになり、さ
らに、共析変態点通過速度も1.0K/sec以下に調
整する。さらに、厚肉部の厚さ(t1 )は10〜60m
mであり、薄肉部の厚さ(t2)は3〜5mmであり、
t1 /t2 =2〜20である鋳物の製造に本発明法は好
適である。
【0011】
【作用】本発明に係る球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法にお
いては、貫通孔を有する厚肉部鋳型キャビティー内に、
セットする中子を冷し金とすることにより、(イ)溶湯
の凝固速度を大きくして、球状黒鉛粒径を小さくし、
(ロ)さらに冷し金に蓄熱された溶湯の熱による保温作
用によって共析変態点の通過速度は小さくなるため、フ
ェライト量を確保でき、厚肉部においても機械的特性に
優れた金属組織とし、(ハ)厚肉部と薄肉部における凝
固完了時間差を少なくすることによって引け巣を少なく
することができる。より好ましくは、共晶凝固開始温度
直上100Kから共晶凝固温度までの平均冷却速度が5
K/sec〜10K/secになり、さらに、共析変態
点通過速度も1.0K/sec以下になるようにモジュ
ラス設計した冷し金を中子としてセットすると、黒鉛を
微細化し厚肉部の基地もフェライトにすることができ
る。
いては、貫通孔を有する厚肉部鋳型キャビティー内に、
セットする中子を冷し金とすることにより、(イ)溶湯
の凝固速度を大きくして、球状黒鉛粒径を小さくし、
(ロ)さらに冷し金に蓄熱された溶湯の熱による保温作
用によって共析変態点の通過速度は小さくなるため、フ
ェライト量を確保でき、厚肉部においても機械的特性に
優れた金属組織とし、(ハ)厚肉部と薄肉部における凝
固完了時間差を少なくすることによって引け巣を少なく
することができる。より好ましくは、共晶凝固開始温度
直上100Kから共晶凝固温度までの平均冷却速度が5
K/sec〜10K/secになり、さらに、共析変態
点通過速度も1.0K/sec以下になるようにモジュ
ラス設計した冷し金を中子としてセットすると、黒鉛を
微細化し厚肉部の基地もフェライトにすることができ
る。
【0012】
【発明の実施形態】図5に示すナックル鋳物の側面図及
び図6、7に示す鋳造方案模式図を参照して本発明の実
施態様を説明する。図5において、1はナックル部材、
2はアッパーアーム取付厚肉部、3はロワーアーム取付
厚肉部、4はタイロット取付部、5はベアリングボス部
である。図6は平面図を示す砂鋳型13において、7は
湯口、8は押湯、9、10は冷し金中子である。図示の
ように、冷し金中子9、10はアッパーアームもしくは
ロワーアーム取付の厚肉部2、3に設置されている。
又、14、15はナックル鋳物の軽量化のために設けら
れた貫通穴である。図7は図6のVII−VII線に沿
った鋳型の断面図である。図中で13aは上型、13b
は下型、14は湯口、15は湯道、16は幅木である。
続いて、鋳造実験例に基づいて、共晶凝固温度までの平
均冷却速度及び共析変態点通過速度限定の意義を説明す
る。
び図6、7に示す鋳造方案模式図を参照して本発明の実
施態様を説明する。図5において、1はナックル部材、
2はアッパーアーム取付厚肉部、3はロワーアーム取付
厚肉部、4はタイロット取付部、5はベアリングボス部
である。図6は平面図を示す砂鋳型13において、7は
湯口、8は押湯、9、10は冷し金中子である。図示の
ように、冷し金中子9、10はアッパーアームもしくは
ロワーアーム取付の厚肉部2、3に設置されている。
又、14、15はナックル鋳物の軽量化のために設けら
れた貫通穴である。図7は図6のVII−VII線に沿
った鋳型の断面図である。図中で13aは上型、13b
は下型、14は湯口、15は湯道、16は幅木である。
続いて、鋳造実験例に基づいて、共晶凝固温度までの平
均冷却速度及び共析変態点通過速度限定の意義を説明す
る。
【0013】
【実施例】表1に示す組成を目標とする供試材を50K
g高周波溶解炉で溶解し、球状化処理剤および接種剤の
添加を調整し、1799K〜1790Kで出湯した。図
8において、21は湯口、22、23、24は押湯、2
5は試験片20の外側壁面から鋳型キャビティ極近傍ま
で突入して、請求項2、3の冷却速度を測定する熱電対
である。又砂鋳型20の単純丸棒形状を有する中空部に
は図示されていない冷し金中子を軸方向にかつ全長に延
在させた。この径を変化させることによりモジュラスを
調整した。
g高周波溶解炉で溶解し、球状化処理剤および接種剤の
添加を調整し、1799K〜1790Kで出湯した。図
8において、21は湯口、22、23、24は押湯、2
5は試験片20の外側壁面から鋳型キャビティ極近傍ま
で突入して、請求項2、3の冷却速度を測定する熱電対
である。又砂鋳型20の単純丸棒形状を有する中空部に
は図示されていない冷し金中子を軸方向にかつ全長に延
在させた。この径を変化させることによりモジュラスを
調整した。
【0014】図8において溶湯の鋳型20への注湯温度
は1690〜1680Kであった。熱電対25により共
晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの平均冷
却速度および共析変態点の通過速度を測定した。冷し金
の径を変えることによって、冷し金の体積を表面積で割
った値に等しいモジュラスを変化させ(試験片内部から
冷却速度を変化させた)鋳造し、組織および切削性の評
価をおこなった。なお、冷し金の材質は任意であるが、
通常は普通黒鉛鋳鉄を用いることができる。
は1690〜1680Kであった。熱電対25により共
晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの平均冷
却速度および共析変態点の通過速度を測定した。冷し金
の径を変えることによって、冷し金の体積を表面積で割
った値に等しいモジュラスを変化させ(試験片内部から
冷却速度を変化させた)鋳造し、組織および切削性の評
価をおこなった。なお、冷し金の材質は任意であるが、
通常は普通黒鉛鋳鉄を用いることができる。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】上述の試験片1〜5について、冷し金のモ
ジュラスと冷却曲線から得られた共晶開始温度直上10
0Kから共晶開始温度までの平均冷却速度および共析変
態点の通過速度の関係を図9に示す。この図より、本製
法材において冷し金のモジュラスを大きくすることによ
って共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの
平均冷却速度は大きくなるが、共析変態点の通過、速度
は大きく変化しないことがわかる。一方、冷却曲線を測
定したサンプルについて、鋳造のまま(熱処理を施して
いない)の状態で、切断、研磨を行ない、画像解析装置
を用いて測定した平均黒鉛粒径(μm)との関係を図1
0に示す。この図より、比較材の平均黒鉛粒径は50μ
m以上であるのに対し、本製法材2〜4においては平均
黒鉛粒径が25μm以下のものが得られることがわか
る。
ジュラスと冷却曲線から得られた共晶開始温度直上10
0Kから共晶開始温度までの平均冷却速度および共析変
態点の通過速度の関係を図9に示す。この図より、本製
法材において冷し金のモジュラスを大きくすることによ
って共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの
平均冷却速度は大きくなるが、共析変態点の通過、速度
は大きく変化しないことがわかる。一方、冷却曲線を測
定したサンプルについて、鋳造のまま(熱処理を施して
いない)の状態で、切断、研磨を行ない、画像解析装置
を用いて測定した平均黒鉛粒径(μm)との関係を図1
0に示す。この図より、比較材の平均黒鉛粒径は50μ
m以上であるのに対し、本製法材2〜4においては平均
黒鉛粒径が25μm以下のものが得られることがわか
る。
【0018】また、冷却曲線を測定したサンプルについ
て、鋳造のまま(熱処理を施していない)の状態で、切
断、研磨を行ない、画像解析装置を用いて測定したフェ
ライト率(%)との関係を図11に示す。冷し金のモジ
ュラスは2以上が好ましく、より好ましくは4.0〜
7.5である。足廻り部品の貫通孔の直径及び長さは組
付部品の寸法により決まるので、冷し金のモジュラスも
組付部品の寸法により決まる。もし冷し金のモジュラス
が上記好ましい値の範囲内に入らない場合は冷し金を例
えば銅などに材質変更することができる。
て、鋳造のまま(熱処理を施していない)の状態で、切
断、研磨を行ない、画像解析装置を用いて測定したフェ
ライト率(%)との関係を図11に示す。冷し金のモジ
ュラスは2以上が好ましく、より好ましくは4.0〜
7.5である。足廻り部品の貫通孔の直径及び長さは組
付部品の寸法により決まるので、冷し金のモジュラスも
組付部品の寸法により決まる。もし冷し金のモジュラス
が上記好ましい値の範囲内に入らない場合は冷し金を例
えば銅などに材質変更することができる。
【0019】平均黒鉛粒径が25μm以下になるように
作成した試験片におけるフェライト率と伸びの関係を図
12に示す。図11、12から本製法材1〜3において
は、足廻り部品として必要な伸び15%以上が得られる
ことがわかる。図10より、本製法材2〜4において
は、平均黒鉛粒径は25μm以下に微細化し、図11、
図12より、本製法材2、3において、足廻り部品とし
て必要な伸び15%以上が得られることがわかる。
作成した試験片におけるフェライト率と伸びの関係を図
12に示す。図11、12から本製法材1〜3において
は、足廻り部品として必要な伸び15%以上が得られる
ことがわかる。図10より、本製法材2〜4において
は、平均黒鉛粒径は25μm以下に微細化し、図11、
図12より、本製法材2、3において、足廻り部品とし
て必要な伸び15%以上が得られることがわかる。
【0020】図13に本製法材3の冷却曲線を示すが、
共晶凝固の冷却速度が大きくなっているにもかかわらず
共析変態の冷却速度は、比較材の厚肉部と同様な傾向を
示していることがわかる。図14に本製法材3の組織写
真を示すが、基地組織の大部分がフェライトであり、黒
鉛も微細化していることがわかる。
共晶凝固の冷却速度が大きくなっているにもかかわらず
共析変態の冷却速度は、比較材の厚肉部と同様な傾向を
示していることがわかる。図14に本製法材3の組織写
真を示すが、基地組織の大部分がフェライトであり、黒
鉛も微細化していることがわかる。
【0021】次に、切削性を評価した結果について述べ
る。切削性評価試験は、丸棒試験片30の鋳肌面を除去
して、図15に示すように、スローアゥエー式のバイト
チップ31を用いた乾式旋削(切削速度;115m/m
in、送り;0.2mm/rev、切り込み;0.25
mm)により3分力を測定し、比切削抵抗の評価をおこ
なった。
る。切削性評価試験は、丸棒試験片30の鋳肌面を除去
して、図15に示すように、スローアゥエー式のバイト
チップ31を用いた乾式旋削(切削速度;115m/m
in、送り;0.2mm/rev、切り込み;0.25
mm)により3分力を測定し、比切削抵抗の評価をおこ
なった。
【0022】図16は、比較材と本製法材について(フ
ェライト率は同程度)、黒鉛粒径と比切削抵抗の関係を
示したものである。比較材の比切削抵抗は約1550N
/cm2 であるのに対し、本製法材3は約1350N/
cm 2と切削性が改善されていることがわかる。従っ
て、共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの
平均冷却速度が5K/s〜10K/s、さらに、共析変
態点通過速度も1.0K/sec以下になるように冷し
金のモジュラス設計した冷し金を中子としてセットする
ことによって、黒鉛粒を微細化し、その部分の強度なら
びに疲労強度を高め切削性も改善することができる。
ェライト率は同程度)、黒鉛粒径と比切削抵抗の関係を
示したものである。比較材の比切削抵抗は約1550N
/cm2 であるのに対し、本製法材3は約1350N/
cm 2と切削性が改善されていることがわかる。従っ
て、共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの
平均冷却速度が5K/s〜10K/s、さらに、共析変
態点通過速度も1.0K/sec以下になるように冷し
金のモジュラス設計した冷し金を中子としてセットする
ことによって、黒鉛粒を微細化し、その部分の強度なら
びに疲労強度を高め切削性も改善することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
法によれば、以上に説明したように、厚肉部鋳型キャビ
ティー内に冷し金を中子としてセットするという簡単な
方法によって、厚肉部の冷却速度を大きくして黒鉛粒を
微細化し、その部分の強度ならびに疲労強度を高め切削
性も改善し、さらに基地組織もフェライト化するため靭
性も向上することができる。
法によれば、以上に説明したように、厚肉部鋳型キャビ
ティー内に冷し金を中子としてセットするという簡単な
方法によって、厚肉部の冷却速度を大きくして黒鉛粒を
微細化し、その部分の強度ならびに疲労強度を高め切削
性も改善し、さらに基地組織もフェライト化するため靭
性も向上することができる。
【図1】 冷し金中子を使用しない従来技術での、薄肉
部と厚肉部の冷却曲線を示すグラフである。
部と厚肉部の冷却曲線を示すグラフである。
【図2】 図1における共晶凝固の冷却曲線を示すグラ
フである。
フである。
【図3】 従来技術での厚肉部の金属顕微鏡組織(ナイ
タル腐食)を示す写真である。
タル腐食)を示す写真である。
【図4】 薄肉部について図3と同様の写真である。
【図5】 ナックルの側面図である。
【図6】 本発明法を実施する一例に係る鋳型の平面図
である。
である。
【図7】 鋳型の断面図である。
【図8】 単純丸棒試験片の鋳造方案および冷却速度を
測定するための熱電対の挿入位置を示す図である。
測定するための熱電対の挿入位置を示す図である。
【図9】 冷し金のモジュラスと冷却曲線から得られた
共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの平均
冷却速度および共析変態点通過速度の関係を示す図であ
る。
共晶開始温度直上100Kから共晶開始温度までの平均
冷却速度および共析変態点通過速度の関係を示す図であ
る。
【図10】 冷し金モジュラスと平均黒鉛粒径(μm)
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図11】 冷し金のモジュラスとフェライト率(%)
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図12】 平均黒鉛粒径が25μm以下になるように
作成した試験片におけるフェライト率と伸びの関係を示
す図で方法である。
作成した試験片におけるフェライト率と伸びの関係を示
す図で方法である。
【図13】 本製法材と比較材の冷却曲線を比較した図
である。
である。
【図14】 本製法材の顕微鏡組織を示す図である。
【図15】 切削性評価試験の模式図である。
【図16】 比較材と本製法材について(フェライト率
は同程度)、黒鉛粒径と比切削抵抗の関係を示す図であ
る。
は同程度)、黒鉛粒径と比切削抵抗の関係を示す図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 貫通孔が形成された厚肉部と薄肉部を有
する自動車用足廻部品を球状黒鉛鋳鉄鋳物により製造す
る方法において、厚肉部の黒鉛粒径を微細化させるため
の冷し金を中子としてセットした厚肉部を有する鋳型キ
ャビティー内に球状黒鉛鋳鉄溶湯を鋳造することを特徴
とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。 - 【請求項2】 前記厚肉部における共晶凝固開始温度直
上100Kから共晶凝固温度までの溶湯の平均冷却速度
を前記冷し金により5K/sec〜10K/secに制
御とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。 - 【請求項3】 前記厚肉部における球状黒鉛鋳鉄の共析
変態点通過速度を、前記冷し金により1.0K/sec
以下に制御する球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。 - 【請求項4】 前記厚肉部の厚さ(t1 )が10〜60
mmであり、前記薄肉部の厚さ(t2 )が3〜5mmで
あり、かつt1 /t2 比率が2〜20である請求項3記
載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。 - 【請求項5】 前記冷し中子のモジュラスが4.0〜
7.5mmである請求項4記載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製
造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の方法によって製造
され、かつ厚肉部の球状黒鉛粒径が薄肉部の球状黒鉛粒
径とほぼ同じである球状黒鉛鋳鉄製足まわり部品。 - 【請求項7】 厚肉部の基地がフェライトである請求項
6記載の球状黒鉛鋳鉄製足まわり部品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9296397A JPH10263794A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9296397A JPH10263794A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10263794A true JPH10263794A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=14069095
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9296397A Pending JPH10263794A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10263794A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101024358B1 (ko) | 2010-08-27 | 2011-03-30 | 태경연주(주) | 구상 흑연 주철의 연속 주철 주조 방법 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9296397A patent/JPH10263794A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101024358B1 (ko) | 2010-08-27 | 2011-03-30 | 태경연주(주) | 구상 흑연 주철의 연속 주철 주조 방법 |
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