JPH10264334A - 農業用多層フィルム - Google Patents

農業用多層フィルム

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JPH10264334A
JPH10264334A JP9093062A JP9306297A JPH10264334A JP H10264334 A JPH10264334 A JP H10264334A JP 9093062 A JP9093062 A JP 9093062A JP 9306297 A JP9306297 A JP 9306297A JP H10264334 A JPH10264334 A JP H10264334A
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ethylene
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olefin copolymer
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Kiyomaro Sudo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、引裂強度、衝撃強度、引張強度に優
れた農業用多層フィルムの提供。 【解決手段】 内層/中間層/外層の少なくとも3層の
積層構造を有する農業用多層フィルムであって、内層と
外層を形成するエチレン−α−オレフィン共重合体と、
中間層を形成するエチレン−α−オレフィン共重合体と
は、いずれもメルトフローレート、密度、示差走査熱量
測定法による融解ピークの補外融解終了温度(Tem)
に関し特定の範囲内の数値又は特定の関係式を満足し、
かつ中間層を形成するエチレン−α−オレフィン共重合
体にはMg、Ca、Al、及びSiからなる群より選ば
れる少なくとも1種の原子を含有する無機化合物が特定
量配合されていることを特徴とする農業用多層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた透明性、引
裂強度、衝撃強度、引張強度を有する農業用多層フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】農業上の促成栽培を目的としたハウス栽
培、トンネル栽培及びマルチ栽培などでは、一般に被覆
資材として各種熱可塑性樹脂からなる農業用フィルムが
多量に使用されている。主に使用されているフィルムと
して、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン
フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が
あり、なかでもポリ塩化ビニルフィルムは、透明性、強
靭性、保温性等に優れており最も多く使用されている。
【0003】しかしながら、ポリ塩化ビニルフィルムの
場合は、同一体積でのフィルム重量が重く、かつベタツ
キがあると言うことから、ハウス展張作業性の面で劣る
上、可塑剤への塵埃付着によりフィルムの透明性が悪化
する、いわゆる防塵性が劣るという問題や廃棄焼却時に
有毒ガスを発生するという問題がある。
【0004】また、ポリエチレンフィルムの場合は、ポ
リ塩化ビニルフィルムに比べ、価格、展張作業性、防塵
性及び廃棄処理の点で優れているものの、透明性、強靭
性、保温性が劣るという問題がある。
【0005】一方、エチレン−酢酸ビニル共重合を主成
分とするフィルムを農業用フィルムに適用した場合は、
上記ポリエチレンフィルムに比べると、透明性、保温性
が改善されるものの、ポリ塩化ビニルフィルムに比べる
と、依然として及ばないという問題がある。
【0006】これらの問題を有するポリエチレンやエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を農業用フィルムとして用い
る場合、赤外線吸収能の高い無機添加剤を添加すること
によりそのフィルムの保温性を改良しようとする試みが
これまでになされ、例えば、無機添加剤としては、シリ
カ粉末(特公昭47−13853号公報)、マグネシウ
ム化合物(特公平3−50791号公報)、ハイドロタ
ルサイト(特公昭62−31744号公報)等が提案さ
れている。
【0007】しかしながら、このようなポリエチレンや
エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなポリエチレン系
樹脂からなる農業用フィルムは、そのフィルムの保温性
は改良されているものの、依然としてポリ塩化ビニルフ
ィルムに比べ、透明性、強靭性が不充分である。
【0008】このようなポリエチレン系樹脂フィルムの
強靭性を改善するため、近年直鎖状低密度ポリエチレン
の強靭性を利用する農業用フィルムが考案されるように
なってきている。例えば、特開昭58−160146号
公報には、直鎖状低密度ポリエチレンを主体とする基材
層と従来の製造法によるポリエチレン系樹脂層とを積層
してなる農業用多層フィルムが提案されている。この農
業用多層フィルムは、ある程度強靭性の面で改善してい
るものの、インフレーションフィルム成形加工時の欠点
である折り目部強度に関し、なお改善が不充分であるこ
とに加え、透明性において、ポリ塩化ビニルフィルムに
比べ劣るという問題がある。
【0009】また、特開平1−182037号公報に
は、外層が直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を
主成分とするポリエチレン系樹脂で形成され、内層がエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするポリエチレ
ン系樹脂で形成されている農業用多層フィルムが提案さ
れている。該公報記載の農業用多層フィルムも、前述の
特開昭58−160146号公報記載の多層フィルムと
同様に、強靭性、透明性において充分満足できるもので
ないことに加え、結晶化度の異なる二層フィルムである
ことから、フィルム製品にカールが発生するという問題
がある。
【0010】したがって、これらの問題を解消するた
め、上述した従来の農業用多層フィルムと比べ、ポリ塩
化ビニルフィルムと同等程度の透明性を有し、かつ、そ
れを上回る強靭性を有した農業用フィルムの出現が望ま
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、引裂強度、衝撃強度、引張強度に優れた農業用多層
フィルムを提供することにある。
【0012】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、特定の性状を有する2
種類のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層を
少なくとも3層積層してなる多層ポリエチレン系樹脂フ
ィルムにより、上記目的を達成できることを見い出し
た。
【0013】本発明は、これらの知見に基づいて完成す
るに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内層
(A1)/中間層(B)/外層(A2)の少なくとも3層
の積層構成を有する農業用多層フィルムであって、
(1)内層(A1)及び外層(A2)が、 メルトフローレートが0.1〜50g/10分の範囲
内で、 密度(D1)が0.900〜0.928g/cm3の範
囲内で、 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解
ピークの補外融解終了温度(Tem)が70〜130℃
の範囲内であり、かつ、 該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関
係が関係式 Tem≦286D1−137 を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)か
ら形成され、(2)中間層(B)が、 メルトフローレートが0.1〜50g/10分の範囲
内で、 密度(D2)が0.880〜0.924g/cm3の範
囲内で、 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解
ピークの補外融解終了温度(Tem)が70〜130℃
の範囲内であり、かつ、 該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関
係が関係式 Tem≦286D2−137 を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(b)か
ら形成され、(3)内層(A1)及び外層(A2)を形成
するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)の密度
(D1)が、B層を形成するエチレン−α−オレフィン
共重合体(b)の密度(D2)よりも大きく、かつ、
(4)中間層(B)を形成するエチレン−α−オレフィ
ン共重合体(b)には、Mg、Ca、Al及びSiから
なる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無
機化合物が1〜20重量%の割合で充填されていること
を特徴とする農業用多層フィルムが提供される。
【0015】また本発明によれば、各層を形成するエチ
レン−α−オレフィン共重合体(a)及び(b)が、い
ずれもメタロセン触媒を用いて製造されたポリマーであ
ることを特徴とする上記の農業用多層フィルムが提供さ
れる。
【0016】更に本発明によれば、各層を形成するエチ
レン−α−オレフィン共重合体(a)及び(b)が、い
ずれもエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン共重
合体であることを特徴とする上記の農業用多層フィルム
が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 1.内層(A1)と外層(A2)のポリマーの物性 本発明の内層(A1)と外層(A2)に用いらるエチレン
−α−オレフィン共重合体(a)は、以下の〜の物
性を示す。
【0018】MFR そのJIS−K7210による190℃、荷重2.16
kgでのMFR(メルトフローレート:溶融流量)は、
0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜20g/
10分、より好ましくは0.5〜8g/10分である。
該MFRが上記範囲より大きいと、強度が低下し、フィ
ルムの成膜が不安定となる。また、該MFRが上記範囲
より小さいと、樹脂圧力が高くなり、成形加工性が悪く
なる。
【0019】密度 そのJIS−K7112による密度は、0.900〜
0.928g/cm3、好ましくは0.903〜0.9
26g/cm3、より好ましくは0.905〜0.92
4g/cm3である。該密度が上記範囲より大きいと、
透明性、衝撃強度が不良となる。また、密度が小さすぎ
ると、フィルムの腰が悪化したり、フィルム表面にベタ
つきが生じるので好ましい。
【0020】示差走査熱量測定法(DSC)による融解
ピークの補外融解終了温度(Tem) 本発明の内層(A1)と外層(A2)に用いられるエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の場合、示差走査熱量測定
法(DSC)によって得られる微分融解曲線に見られる
融解ピークは1つであり、該融解ピークの補外融解終了
温度(Tem)は70〜130℃、好ましくは80〜1
27℃、特に好ましくは90〜124℃である。更に該
温度(Tem)と該共重合体自体の密度(D1)との関
係については、次の関係式、Tem≦286D1−13
7を満たすことが必要である。好ましくはTem≦42
9D1−271、最も好ましくはTem≦571D1−4
04を満たすことが望ましい。
【0021】上記微分融解曲線にピークがない場合は、
フィルムにしたときにベタつきが生じるので好ましくな
い。上記微分融解曲線のピークは、好ましくは1本であ
り、ピークが2つ以上の場合は、透明性、衝撃強度、引
張強度が不良となるので好ましくない。
【0022】上記ピークの補外融解終了温度(Tem)
が上記範囲より小さい場合は、フィルムにしたときにブ
ロッキングが生じ易くなる。また該温度が上記範囲より
大きい場合は、透明性、衝撃強度、引張強度が不良とな
るので好ましくない。
【0023】尚、該ピークの融解温度以外において融解
する成分が認められる場合があるが、非常に融解挙動が
緩やかであるものはピークとして認めない。 2.中間層(B)のポリマー 本発明の中間層(B)に用いられるエチレン−α−オレ
フィン共重合体(b)は、以下の〜の物性を示す。
【0024】MFR そのJIS−K7210による190℃、荷重2.16
kgでのMFR(メルトフローレート:溶融流量)は、
0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜20g/
10分、より好ましくは0.5〜8g/10分である。
該MFRが上記範囲より大きいと、強度が低下し、フィ
ルムの成膜が不安定となる。また、該MFRが上記範囲
より小さいと、樹脂圧力が高くなり、成形加工性が悪く
なる。
【0025】密度 そのJIS−K7112による密度は、0.880〜
0.924g/cm3、好ましくは0.885〜0.9
20g/cm3、より好ましくは0.890〜0.91
5g/cm3である。該密度が上記範囲より大きいと、
透明性、衝撃強度が不良となる。また、密度が小さすぎ
ると、フィルムの腰が悪化したり、フィルム表面にベタ
つきが生じるので好ましい。
【0026】示差走査熱量測定法(DSC)による融解
ピークの補外融解終了温度(Tem) 本発明の中間層(B)に用いられるエチレン−α−オレ
フィン共重合体の場合、示差走査熱量測定法(DSC)
によって得られる微分融解曲線に見られる融解ピークは
1つであり、該融解ピークの補外融解終了温度(Te
m)は50〜130℃、好ましくは60〜122℃、特
に好ましくは70〜118℃の範囲である。更に該温度
(Tem)と該共重合体自体の密度(D2)との関係に
ついては、次の関係式、Tem≦286D2−137を
満たすことが必要である。好ましくはTem≦429D
2−271、最も好ましくはTem≦571D2−404
を満たすことが望ましい。
【0027】上記微分融解曲線にピークがない場合は、
フィルムにしたときにベタつきが生じるので好ましくな
い。上記微分融解曲線のピークは、好ましくは1本であ
り、ピークが2つ以上の場合は、透明性、衝撃強度、引
張強度が不良となるので好ましくない。
【0028】上記ピークの補外融解終了温度(Tem)
が上記範囲より小さい場合は、フィルムにしたときにブ
ロッキングが生じ易くなる。また該温度が上記範囲より
大きい場合は、透明性、衝撃強度、引張強度が不良とな
るので好ましくない。
【0029】尚、該ピークの融解温度以外において融解
する成分が認められる場合があるが、非常に融解挙動が
緩やかであるものはピークとして認めない。 3.製造法 本発明の内層(A1)と外層(A2)及び中間層(B)に
用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は、種々
の方法により製造することができるが、好ましくは特開
昭58−19309号、特開昭59−95292号、特
開昭60−35005号、特開昭60−35006号、
特開昭60−35007号、特開昭60−35008
号、特開昭60−35009号、特開昭61−1303
14号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッ
パ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第
5,055,438号明細書、および国際公開公報W0
91/04257号明細書等に記載されているようなメ
タロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒を使用し
たり、または、例えば国際公開公報W092/0712
3号明細書等に開示されている様なメタロセン化合物と
該メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合
物とからなる触媒を使用したりして、主成分のエチレン
と従成分のα−オレフィンとを共重合させることにより
製造できる。 4.メタロセン触媒 メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物
とは、カチオンとアニオンのイオン対から形成されるイ
オン性化合物又は親電子性化合物であり、これらは、メ
タロセン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活
性種を形成する。このうち、イオン性化合物は、下記式
(I)で表わされる。
【0030】 [Q]m+[Y]m- (mは1以上の整数) 式中のQは、イオン性化合物のカチオン成分であり、例
えば、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、
アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホ
ニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等や、更には、
それ自身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽
イオン等が挙げられる。
【0031】これらのカチオンは、特表平1−5019
50号公報等に開示されているようなプロトンを与える
ことができるカチオンだけでなく、プロトンを与えない
カチオンでも良い。これらのカチオンの具体例として
は、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウ
ム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエ
チルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブ
チルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジ
プロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ピリリウムの外、銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等が挙げられる。
【0032】一方、式中のYは、イオン性化合物のアニ
オン成分である。これは、メタロセン化合物と反応して
安定なアニオンとなる成分であって、有機ホウ素化合物
アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリ
ウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ
素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が
挙げられる。これらに該当するものとしては、具体的に
はテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,5−ト
リフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス〔3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル〕ホウ素、テトラキス
〔3,5−ジ(t−ブチル)フェニル〕ホウ素、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフェニ
ルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオ
ロフェニル)アルミニウム、テトラキス〔3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル〕アルミニウム、テト
ラキス〔3,5−ジ(t−ブチル)フェニル〕アルミニ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニ
ウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕ガリウ
ム、テトラキス〔3,5−ジ(t−ブチル)フェニル〕
ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリ
ウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等が挙げられる。
【0033】親電子性化合物としては、ルイス酸化合物
として知られているもののうち、メタロセン化合物と反
応して安定なイオンとなって重合活性種を形成するもの
が用いられ、種々のハロゲン化金属化合物や個体酸とし
て知られている金属酸化物等が挙げられる。これらに該
当するものとしては、具体的にハロゲン化マグネシウム
やルイス酸性無機化合物等が例示される。 5.α−オレフィン α−オレフィンとしては、多くの場合、炭素数3〜18
のα−オレフィンが用いられる。具体的には、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペン
テン等が挙げられるが、これらα−オレフィンの中で、
好ましくは炭素数4〜12のもの、特に好ましくは炭素
数6〜10のものが望ましい。このα−オレフィンは、
多くの場合、上記のものを1種選んで用いられるが、所
望に応じて2種以上を同時に併用することもできる。ま
た該α−オレフィンをエチレンと共重合させる場合に
は、該α−オレフィン2〜50重量%、好ましくは3〜
35重量%、特に好ましくは5〜25重量%と、エチレ
ン50〜98重量%、好ましくは75〜97重量%、特
に好ましくは75〜95重量%とを共重合させるのが望
ましい。 6.共重合 共重合の方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、
高圧イオン重合法等を挙げることができる。これらの中
では、溶液法および高圧イオン重合法が好ましく、本発
明の効果を更に大きく発揮することができる高圧イオン
重合体が特に好ましい。
【0034】この高圧イオン重合法とは、特開昭56−
18607号、特開昭58−225106号の各公報に
記載されている方法であり、具体的には、圧力が100
kg/cm2以上、好ましくは300〜2,000kg/
cm2、温度が125℃以上、好ましくは130〜25
0℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下に
て行われるエチレン系重合体の製造方法である。 7.積層構造 本発明の多層フィルムは、内層(A1)/中間層(B)
/外層(A2)の少なくとも3層の積層構造体を有する
ものであり、必要に応じて公知の基材層や保護層等を設
けることができる。この中では、A1/B/A2の3層構
造とすることが好ましい。
【0035】内層(A1)と外層(A2)に用いられるエ
チレン−α−オレフィン共重合体(a)は、前述したよ
うに、MFR、密度及びTemに関し特定の要件を満た
すことが必要とされるが、この要件さえ満たせば、同一
のものであっても異なったものであってもよく、適宜用
途に応じ層毎に選定することができる。
【0036】また、上記エチレン−α−オレフィン共重
合体(a)の密度(D1)は、中間層に用いられるエチ
レン−α−オレフィン共重合体(b)の密度(D2)よ
りも大きいことが必要である。なぜならば、上記した密
度(D1)が密度(D2)以下であると、フィルム同士の
ブロッキングが悪くなり好ましくない。 8.その他の添加剤及び成分 本発明の中間層(B)に用いられるエチレン−α−オレ
フィン共重合体(b)には、Mg、Ca、Al及びSi
からなる群から選ばれる少なくとも1つの原子を含有す
る無機化合物添加される。この無機化合物としては、そ
の酸化物、水酸化物又は玉合化合物のいずれの形態でも
よく、具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、Ca
O、Al(OH)3、Mg(OH)2、Ca(OH)2、
または以下の一般式(II)で表される化合物や、その焼
成物でハイドロタルサイト類と称される物質等が挙げら
れる。
【0037】 一般式 M2+ 1-XAlX(OH)2(An-)x/n・mH2O (II) 式中M2+はMg、CaおよびZnよりなる群から選ばれ
た二価金属イオンを示し、そしてxおよびmは、次の条
件を満足するものである。
【0038】0<x<0.5、0≦m≦2 これらの中でも、好ましくはハイドロタルサイト類、特
に好ましくは上記一般式(II)で表される化合物の焼成
物(通常200〜300℃焼成)である。これらの無機
化合物は、1つまたは2つ以上を併用することができ
る。これらの無機化合物は、平均粒径が10μm以下、
好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下であ
るのが望ましい。平均粒径が大きすぎると、フィルムの
透明性が損なわれるので好ましくない。
【0039】本発明の多層フィルムを形成するエチレン
−α−オレフィン共重合体(a)及び(b)には、必要
に応じて一般に樹脂組成物用として用いられている公知
の各種補助添加成分、例えば、酸化防止剤(中でも、フ
ェノール系およびリン系酸化防止剤が好ましい)、光安
定剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤、顔料、核剤等
を配合することができる。また、防曇剤については、公
知のフィルム表面塗布型の防曇剤を多層フィルム上に塗
布することができる。
【0040】また、フィルムを成形する際の成形性をよ
り良好なものとするために、エチレン重合体、例えば、
高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等を必要に応じ添加することができる。この場合、
その添加量は、ベースとなるエチレン−α−オレフィン
共重合体の強靭性を実用上損なわない範囲として、5〜
15重量%が好ましい。 9.農業用多層フィルムの製造 本発明の農業用多層フィルムは、所定の添加剤を配合し
たエチレン−α−オレフィン共重合体(a)及び(b)
を公知の成形方法により成形加工して製造することがで
きる。その製造方法としては、積層数に応じた押出機と
通常のフィードブロックタイプ、マルチマニホールドタ
イプ、マルチスロットタイプの接合・合流部を有する空
冷インフレーションフィルム成形、Tダイフィルム成
形、水冷インフレーションフィルム成形等が挙げられ、
これらのいずれかの方法により好適なフィルムを得るこ
とができる。
【0041】多層構成比としては、外層の厚みが5〜1
00μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましく
は15〜60μmの範囲にあり、中間層の厚みが10〜
150μm、好ましくは20〜120μm、さらに好ま
しくは30〜100μmの範囲にあり、内層の厚みが、
5〜100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好
ましくは15〜60μmの範囲にあり、かつ、これらの
層全体の厚みが30〜200μm、好ましくは50〜1
80μm、さらに好ましくは70〜150μmの範囲に
あるものが望ましい。
【0042】本発明のフィルムには、必要に応じてコロ
ナ放電処理、フレーム処理、延伸処理、液剤塗布処理等
の各種処理を行うことができる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。 〔I〕物性の測定方法と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。
【0044】(1)物性の測定方法 (a)MFR:JIS−K7210に準拠して測定し
た。 (b)密度 :JIS−K7112に準拠して測定し
た。 (c)示差走査熱量測定法(DSD)による融解ピーク
の補外融解終了温度(Tem):熱プレスによって成形
した100μmのフィルムから5mgの試料を秤量し、
それをセイコー電子工業(株)製RDC 220 示差
走査熱量測定装置にセットし、170℃に昇温してその
温度で5分間保持した後、降温速度10℃/分で−10
℃まで冷却した。次に1分間保持した後、昇温速度10
℃/分で170℃まで昇温して測定を行った。その結
果、−10℃から170℃に昇温してDSC曲線を得
た。JIS−K7121に準拠し、DSC曲線の高温側
のベースラインを低温側に延長した線と、融解ピークの
高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交
点の温度を補外融解終了温度(Tem)とした。
【0045】(2)評価方法 (a)初期ヘイズ:JIS−K7105に準拠して測定
した。 (b)暴露後ヘイズ:フィルムを12ヶ月間屋外で暴露
した後、JIS−K7105に準拠して測定した。 (c)タテ引張破断点強度:JIS−K6781に準拠
して測定した。 (d)タテエルメンドルフ引裂強度:JIS−Z170
2に準拠して測定した。 (e)打ち抜き衝撃強度:JIS−P8134に準拠
し、振り子の弧状の腕の先端に13.0mmの半球状の
鏡面光沢を持った金属製の貫通部を取り付けて測定し
た。 (f)ブロッキング:温度45℃、荷重15kgの下で
フィルムの内面と外面を合わせた後、7日間放置し、フ
ィルム同士の密着を促進させた。次に、接着面が500
mm×500mmとなるようカットし、手で接着面を剥
離させブロッキングを以下の基準で評価した。 ○:抵抗がなく滑らかに剥離できる。 ×:抵抗があり滑らかに剥離できない。 実施例1 (1)成分Aの調製 (a)触媒の調製 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー
製メチルアルモキサンを、該錯体に対し1,000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を
調製した。 (b)重合 内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反
応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキ
センの組成が75重量%となるように供給し、反応器内
の圧力を1300kg/cm2に保ち、150℃の温度
で反応を行った。
【0046】反応終了後、MFRが2.2g/10分、
密度が0.910g/cm3で、示差走査熱量測定法
(DSC)による融解ピークが1つであり、補外融解終
了温度(Tem)が108℃であるエチレン−1−ヘキ
セン共重合体を得た。 (c)配合 得られた共重合体に、酸化防止剤としてイルガノックス
1076(チバガイギー社製)およびP−EPQ(サン
ド社製)を適当量配合し、成分Aを調製した。 (2)成分Bの調製 (1)と同様の触媒、反応器を用いて、1−ヘキセンの
供給量、反応器内の圧力、温度を変更して重合を行い、
MFRが2.2g/10分、密度が0.895g/cm
3で、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピーク
が1つであり、補外融解終了温度(Tem)が98℃で
あるエチレン−1−ヘキセン共重合体を得た。
【0047】得られた共重合体に、酸化防止剤としてイ
ルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−
EPQ(サンド社製)を適当量配合し、成分Bを調製し
た。 (3)成分Cの調製 (1)と同様の触媒、反応器を用いて、1−ヘキセンの
供給量、反応器内の圧力、温度を変更して重合を行い、
MFRが2.2g/10分、密度が0.905g/cm
3で、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピーク
が1つであり、補外融解終了温度(Tem)が105℃
であるエチレン−1−ヘキセン共重合体を得た。
【0048】得られた共重合体に、酸化防止剤としてイ
ルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−
EPQ(サンド社製)を適当量配合し、成分Cを調製し
た。 (4)成分Dの調製 上記成分Bに用いられるエチレン−1−ヘキセン共重合
体に、協和化学(株)製ハイドロタルサイト焼成処理品
(商品名:DHT−4A−2、平均粒径0.4μm)
を、該エチレン−1−ヘキセン共重合体に対して40重
量%の割合となるように配合し、二軸押出機で200℃
の押出温度にて造粒して、成分D(無機物質マスターバ
ッチ)を調製した。 (5)フィルム成形、評価 成分A、成分B、成分C、成分Dの樹脂ペレットを適宜
用い、180℃の温度で三菱化学エンジニアリング
(株)製多層インフレーション成形機にて成形すること
により、内層(成分A、100重量%)17μm、中間
層(成分B、78重量%と成分D、22重量%との混合
物)66μm及び外層(成分C、100重量%)17μ
mからなる三層インフレーションフィルムを得た。内
層、外層には、アンチブロッキング剤としてダイカライ
ト・ホワイトフィラー(ラサ商事社製)を0.8重量
%、スリップ剤としてオレイン酸アミド(日本化成社
製))を0.2重量%配合した。
【0049】この三層フィルムについて評価を行った。
その結果を表1に示す。 実施例2 外層に用いる樹脂ペレットを成分A 100重量%とし
た点を除き、実施例1と同様に成形し、評価した。その
結果を表1に示す。 実施例3 内層に用いる樹脂ペレットを成分C 100重量%と
し、外層に用いる樹脂ペレットを成分A 100重量%
とした点を除き、実施例1と同様に成形し、評価した。
その結果を表1に示す。 実施例4 内層及び外層に用いる樹脂成分を、MFRが2.0g/
10分、密度が0.915g/cm3で、示差走査熱量
測定法(DSC)による融解ピークが1つであり、補外
融解終了温度(Tem)が113℃であるエチレン−1
−ヘキセン共重合体100重量%とした点を除き、実施
例1と同様に成形し、評価した。その結果を表1に示
す。 実施例5 中間層に用いる樹脂ペレットを成分B 70重量%と成
分D 30重量%との混合物とした点を除き、実施例1
と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。 実施例6 中間層に用いる樹脂ペレットを成分B 63重量%と成
分D 37重量%との混合物とした点を除き、実施例1
と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。 比較例1 (1)成分Eの調製 日本ポリケム(株)製ノバテック(登録商標)EVAの
LV420グレード(酢酸ビニル含有量が15重量%、
MFRが0.5g/10分のエチレンー酢酸ビニル共重
合体樹脂)に、協和化学(株)製ハイドロサイト焼成処
理品(商品名:DHT−4A−2、平均粒径0.4μ
m)を、該樹脂に対して40重量%の割合となるように
配合し、それを二軸押出機で200℃の押出温度にて造
粒して、成分E(無機物質マスターバッチ)を調製し
た。 (2)フィルム成形、評価 中間層に用いる樹脂ペレットを上記(1)と同じ日本ポ
リケム(株)製ノバテック(登録商標)EVAのLV4
20グレード 78重量%と成分E 22重量%との混
合物とした点を除き、実施例1と同様に成形、評価し
た。その結果を表2に示す。 比較例2 内層及び外層に用いる樹脂成分を、MFRが2.0g/
10分、密度が0.935g/cm3で、示差走査熱量
測定法(DSC)による融解ピークが1であり、補外融
解終了温度(Tem)が131℃であるエチレン−1−
ヘキセン共重合体 100重量%とした点を除き、実施
例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。 比較例3 中間層に用いる樹脂ペレットを成分C 78重量%と成
分D 22重量%との混合物とし、外層に用いる樹脂ペ
レットを成分B =100重量%とした点を除き、実施
例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。 比較例4 内層及び外層に用いる樹脂成分を日本ポリケム(株)製
ノバテック(登録商標)LV120 100重量%と
し、中間層に用いる樹脂ペレットを日本ポリケム(株)
製ノバテックLV420 78重量%と成分E 22重
量%との混合物とした点を除き、実施例1と同様に成
形、評価した。その結果を表2に示す。 比較例5 市販のポリ塩化ビニルフィルムについて実施例1と同様
に評価した。その結果を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明のフィルムは、従来の農業用多層
フィルムと比べ、永きにわたり使用されてきたポリ塩化
ビニルフィルムと同等程度の優れた透明性を有し、か
つ、それを上回る強靭性を有するものである。具体的に
は、特定の性状を有する2種類のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体からなる層を少なくとも3層積層すること
により、優れた透明性、引裂強度、衝撃強度及び引張強
度を有する農業用多層フィルムが得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層(A1)/中間層(B)/外層
    (A2)の少なくとも3層の積層構成を有する農業用多
    層フィルムであって、(1)内層(A1)及び外層
    (A2)が、 メルトフローレートが0.1〜50g/10分の範囲
    内で、 密度(D1)が0.900〜0.928g/cm3の範
    囲内で、 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解
    ピークの補外融解終了温度(Tem)が70〜130℃
    の範囲内であり、かつ、 該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関
    係が関係式 Tem≦286D1−137 を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)か
    ら形成され、(2)中間層(B)が、 メルトフローレートが0.1〜50g/10分の範囲
    内で、 密度(D2)が0.880〜0.924g/cm3の範
    囲内で、 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解
    ピークの補外融解終了温度(Tem)が70〜130℃
    の範囲内であり、かつ、 該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関
    係が関係式 Tem≦286D2−137 を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体(b)か
    ら形成され、(3)内層(A1)及び外層(A2)を形成
    するエチレン−α−オレフィン共重合体(a)の密度
    (D1)が、B層を形成するエチレン−α−オレフィン
    共重合体(b)の密度(D2)よりも大きく、かつ、
    (4)中間層(B)を形成するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体(b)には、Mg、Ca、Al及びSiから
    なる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無
    機化合物が1〜20重量%の割合で充填されていること
    を特徴とする農業用多層フィルム。
  2. 【請求項2】 各層を形成するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体(a)及び(b)が、いずれもメタロセン触
    媒を用いて製造されたポリマーであることを特徴とする
    請求項1記載の農業用多層フィルム。
  3. 【請求項3】 各層を形成するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体(a)及び(b)が、いずれもエチレンと炭
    素数3〜18のα−オレフィン共重合体であることを特
    徴とする請求項1または2記載の農業用多層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000062115A (ja) * 1998-08-25 2000-02-29 Japan Polychem Corp 積層体
JP2009148267A (ja) * 2008-12-25 2009-07-09 Mitsubishi Plastics Inc 農業用多層フィルム
JP2020184955A (ja) * 2019-05-16 2020-11-19 タキロンシーアイ株式会社 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

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