JPH10265293A - 単結晶の育成方法および装置 - Google Patents

単結晶の育成方法および装置

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JPH10265293A
JPH10265293A JP7532897A JP7532897A JPH10265293A JP H10265293 A JPH10265293 A JP H10265293A JP 7532897 A JP7532897 A JP 7532897A JP 7532897 A JP7532897 A JP 7532897A JP H10265293 A JPH10265293 A JP H10265293A
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美能留 今枝
Katsuhiro Imai
克宏 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ引下げ法によって単結晶を連続的に育
成するのに際して、単分域化した単結晶を育成しうるよ
うにすることであり、これによって育成後の単結晶を単
分域化する必要をなくすることである。 【解決手段】単結晶材料の溶融物をルツボ7から引下げ
つつ、冷却して単結晶14を生成させる。単結晶14の
冷却過程で、キュリー点付近において、単結晶14に温
度勾配を設けることによって、単結晶を引き下げるのと
共に連続的に単分域化させることを特徴とする。キュリ
ー点付近において単結晶14に温度勾配を設けるための
温度制御機構12A、12Bを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ引下げ法
による単結晶の育成方法およびその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近、酸化物単結晶を育成する方法とし
て、いわゆるマイクロ引下げ法によって単結晶ファイバ
ーを形成する方法が注目を集めている。「電総研ニュー
ス」1993年7月号(522号)の4〜8頁、特開平
4−280891号公報、特開平6−345588号公
報には、この方法によってニオブ酸・カリウム・リチウ
ム(K3 Li2-2xNb5+x 15+x、以下、KLNと記載
する。)等の単結晶ファイバーを育成した経緯が、開示
されている。
【0003】「電総研ニュース」の前記記事によれば、
白金製のセルないしルツボに電力を供給し、抵抗加熱す
る。このセルの底部に、溶融液の引出し口を形成し、こ
の引出し口の中に、融液フィーダーと呼ばれる棒状体を
挿通し、これによって溶融液の引出し口への供給量と、
固相液相界面の状態とを共に制御する。溶融液引出し口
の口径、フィーダーの太さ、引出し口からのフィーダー
の突出長さ等を調整することによって、細径のKLN単
結晶ファイバーを連続的に形成している。このμ引下げ
法によれば、直径1mm以下の単結晶ファイバーを形成
でき、熱歪みの低減、溶融液内の対流の制御、単結晶フ
ァイバーの直径の制御を容易に行うことができ、特に青
色第二高調波発生用に適した小型の高品質単結晶を生産
できるという特徴を有している。また、同様にして、青
色第二高調波発生用デバイス、光通信用導波路デバイ
ス、表面弾性波フィルターデバイス用等に用いられる。
LiNbO3 、LiTaO3 等についても、育成が可能
であることが知られている。
【0004】また、マイクロ引下げ法における単結晶育
成において、従来は、育成した結晶を冷却する過程につ
いて、育成直後の歪みによる冷却クラック等の発生を抑
えるために、育成点とその近傍の温度制御(温度勾配や
アニール等)をすることについては検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えばLiN
bO3 、LiTaO3 、KLNの様な強誘電体化合物か
らなる単結晶ファイバーを育成した場合には、得られた
単結晶ファイバーが多分域構造となったり、あるいは偶
然に単分域構造となったりして、再現性の良い結果が得
られないことが判明した。こうした単結晶ファイバーを
使用して第二高調波(SHG)発生素子を製造し、その
SHG発生効率等を評価してみると、全体的に大きな効
率が得られなかった。このため、いったん育成した単結
晶を、別途に単分域処理することが必要不可欠であっ
た。
【0006】しかし、強誘電体単結晶に対して単分域処
理を施すには、例えばLiNbO3 、LiTaO3 、K
LNの粉末を媒介させ、白金板電極により電圧を印加す
ることが必要である。この単分域化処理の間に単結晶の
結晶性に劣化が生じる。また、電圧を印加するときの条
件によっては、単結晶にクラック等が発生するなどのダ
メージがある。更に、複雑な単分域化処理のためのプロ
セスを実施する必要があり、全体の製造装置も複雑にな
る。
【0007】本発明の課題は、マイクロ引下げ法によっ
て単結晶を連続的に育成するのに際して、単分域化した
単結晶を育成しうるようにすることであり、これによっ
て育成後の単結晶を単分域化する必要をなくすることで
ある。また、これによって、極めて結晶性の良好な単分
域化された単結晶が得られるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、単結晶材料の
溶融物をルツボから引下げつつ、冷却して単結晶を生成
させる、単結晶の育成方法であって、前記単結晶の冷却
過程で、キュリー点付近において前記単結晶に温度勾配
を設けることによって、前記単結晶を引き下げるのと共
に連続的に単分域化させることを特徴とする、単結晶の
育成方法に係るものである。
【0009】また、本発明は、単結晶材料の溶融物を収
容し、かつ溶融物を引き下げるための引出し口を備えて
いるルツボと、ルツボ内の前記単結晶材料を溶融させる
ための加熱機構と、このルツボから単結晶を引き下げる
ための駆動機構とを備えている単結晶の育成装置であっ
て、キュリー点付近において単結晶に温度勾配を設ける
ための加熱機構を備えていることを特徴とする、単結晶
の育成装置に係るものである。
【0010】本発明者は、マイクロ引下げ法によってL
iNbO3 、LiTaO 3 、KLN等の単結晶ファイバ
ーを育成する実験、更には特開平8−259375号公
報において開示したように、マイクロ引下げ法によって
LiNbO3 、LiTaO3 、KLN等の単結晶プレー
トを連続的に育成するための実験を行ってきた。この研
究の過程において、製造条件を一定にして実験を行って
も、単結晶ファイバーやプレートの内部が多分域化した
り、あるいはほとんど単分域化したりして、その分域構
造が一定しないことを発見した。
【0011】本発明者はこの原因を突き止めるべく研究
を重ねていたが、ルツボの引出し口から引き下げられた
溶融物が冷却されて固化し、更に下方へと引き下げられ
る過程で、キュリー温度を通過するが、特にこの温度領
域で単結晶の周囲の温度が一定しないことが原因である
との着想を得た。つまり、このときに単結晶内にある程
度の温度勾配が発生していると、この温度勾配に従って
単分域化が進行し、単結晶内部における温度勾配が少な
いか、あるいは存在しないときには、ランダムに分域構
造が発生して多分域構造が生成するものと推定した。
【0012】この推定に基づき、実際に少なくともキュ
リー温度の近辺で、単結晶内に温度勾配が生ずるような
条件で加熱機構を制御してみると、単結晶が常に一定し
て単分域化することを発見し、本発明に到達した。
【0013】具体的には、単結晶それ自体の内部の温度
勾配を制御するために、引き下げられている状態の単結
晶の両面の温度差が10℃以上となるようにすることに
よって、安定して単分域構造の単結晶を育成できること
を見出した。つまり、育成された単結晶プレート等の両
面に、10℃以上の温度差をつけるようにキュリー点付
近の温度勾配を制御することにより、低温側がマイナス
面で高温側がプラス面である単分域構造の単結晶が得ら
れることを見いだした。この観点からは、更にこの温度
差を50℃以上とすることが好ましい。
【0014】一方、この温度差を300℃以下とするこ
とによって、単結晶の内部の応力による結晶性の劣化や
クラックの発生を防止することができる。この観点から
一層単結晶の結晶性を向上させるためには、この温度差
を200℃以下とすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法および装置は、ファ
イバー状の単結晶とプレート状の単結晶との双方に対し
て適用できる。ただし、ファイバー状の単結晶よりも、
板状ないしプレート状の単結晶の方が、単分域化が一層
確実に進行していた。具体的には、所定条件の下では、
育成された単結晶プレートの両面が一層高い確実性、信
頼性をもって、マイナスの分極となることがわかった。
【0016】本発明は、固溶体単結晶を製造する場合
に、特に適している。固溶体単結晶としては、例えば、
LiNbO3 、LiTaO3 、Li(Nb、Ta)
3 、KLN(K3 Li2-2xNb5+x 15+x)、KLT
N〔K3 Li2-2x(Ta y Nb1-y 5+x 15+x〕、B
1-X SrX Nb2 6 を中心としたタングステンブロ
ンズの構造を例示することができる。
【0017】LiNbO3 、LiTaO3 、KLN単結
晶は、最近、光材料として注目を集めており、特に半導
体レーザー用の青色光第二高調波発生(SHG)素子用
の単結晶として注目されている。これは、390nmの
紫外光領域まで発生することが可能であるので、こうし
た短波長の光を利用することで、光ディスクメモリー
用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が
可能である。
【0018】また、本発明は、組成偏析する酸化物単結
晶の育成に対して適用できる。例えば、LiNbO3
対してネオジムを固溶させる場合、その偏析係数が1で
ないことによって、溶融物の組成におけるネオジムの量
よりも少ない量のネオジムしか単結晶中に入らない。例
えば、溶融物内では1.0モル程度のネオジムが含有さ
れていても、単結晶中には0.3モル程度しか入らな
い。しかし、溶融物をノズル部内で急速に冷却すること
によって、偏析を招くことなく、溶融物の組成と同様の
組成を有する単結晶を製造することができる。これは、
他のレーザー単結晶、例えば、Nd、Er、Ybによっ
て置換されたYAG、Nd、Er、Ybによって置換さ
れたYVO4 に対しても、適用することができる。
【0019】本発明において、単結晶、特には酸化物単
結晶の育成方法は、マイクロ引下げ法であれば特に限定
はされない。ただし、育成装置が、キュリー点付近にお
いて、単結晶に温度勾配を設けるための温度制御機構を
備えていることが必要である。こうした単結晶のキュリ
ー点付近における温度制御は、具体的にはキュリー点±
150℃の範囲内で実施する必要がある。こうした温度
制御機構も特に限定はされないが、量産性の観点からは
次のものを好適に例示できる。
【0020】(1)育成炉の下部の冷却ゾーンにおい
て、単結晶プレートの左右にそれぞれヒーターを設け
る。各ヒーターにおいては、それぞれヒーターの上下方
向における各部分の温度勾配を、自由に設定できる構造
とする。
【0021】(2)育成炉の下部の冷却ゾーンにおい
て、単結晶プレートの左右にそれぞれヒーターを設け
る。そして、単結晶の一方の面側では、このヒーターの
外側に補助ヒーターを設け、補助ヒーターを発熱させる
ことによって、単結晶の一方の面側の温度を、これと反
対側の他方の面側の温度よりも10℃以上高くする。
【0022】(3)育成炉の下部の冷却ゾーンにおい
て、単結晶プレートの左右にそれぞれヒーターを設け
る。ヒーターと単結晶の一方の面側との間隔を相対的に
小さくし、ヒーターと単結晶とを近づける。これと共
に、ヒーターと単結晶の他方の面側との間隔を相対的に
大きくし、ヒーターと単結晶とを遠ざける。これによっ
て、単結晶の一方の面側の温度を、これと反対側の他方
の面側の温度よりも10℃以上高くする。
【0023】なお、単結晶ファイバーの場合にも(1)
〜(3)の方法を採用できる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、更に詳細に本発明
の実施例を説明する。図1は、単結晶育成用の製造装置
を示す概略断面図である。
【0025】炉体の内部には、ルツボ7が設置されてい
る。ルツボ7およびその上側空間5を包囲するように、
上側炉1が設置されており、上側炉1内にはヒーター2
が埋設されている。ルツボ7の下端部から下方向へと向
かってノズル部13が延びており、ノズル部13の下端
部に引出し口13aが形成されている。ノズル部13お
よびその周囲の空間6を包囲するように下側炉3が設置
されており、下側炉3の中にヒーター4が埋設されてい
る。ルツボ7およびノズル部13は、いずれも耐食性の
導電性材料によって形成されている。むろんこの加熱炉
の形態自体は、種々変更することができ、例えば図1に
おいては加熱炉を2ゾーンに分割しているが、加熱炉を
3ゾーン以上に分割することもできる。
【0026】ルツボ7の位置Aに対して、電源10の一
方の電極が電線9によって接続されており、ルツボ7の
下端Bに対して、電源10の他方の電極が接続されてい
る。ノズル部13の位置Cに対して、電源10の一方の
電極が電線9によって接続されており、ノズル部13の
下端Dに対して他方の電極が接続されている。これらの
各通電機構は、共に分離されており、独立してその電圧
を制御できるように構成されている。
【0027】ルツボ7内で、取り入れ管11が上方向へ
と向かって延びており、この取り入れ管11の上端に取
り入れ口22が設けられている。この取り入れ口22
は、溶融物8の底部から若干突き出している。この溶融
物の取り入れ口は、ルツボの底部から突き出さないよう
に、ルツボの底に形成することもできる。この場合に
は、取り入れ管11は設けない。ノズル部13を包囲す
るように、間隔を置いて、空間6内にアフターヒーター
を設けることができる。
【0028】上側炉1、下側炉3およびアフターヒータ
ーを発熱させて空間5、6の温度分布を適切に定め、溶
融物の原料をルツボ7内に供給し、ルツボ7およびノズ
ル部13に電力を供給して発熱させる。この状態では、
ノズル部13の下端部にある単結晶育成部18では、開
口13aから溶融物が僅かに突出し、その表面張力によ
って保持されて、比較的に平坦な表面が形成されてい
る。
【0029】この結果、種結晶15の上側に単結晶プレ
ート14が連続的に形成され、下方向へと向かって引き
出されてくる。本実施例では、この種結晶15および単
結晶プレート14を、ローラー16によって送ってい
る。
【0030】単結晶プレート14は、ノズル部13から
下へと向かうのにつれて冷却されていくが、本実施例で
は、更に単結晶プレート14の両側にヒーター12A、
12Bが設置されている。この領域を通過する間の単結
晶プレート14の温度は、通常キュリー温度±200℃
以内、好ましくは150℃以内となるように設定されて
いる。各ヒーター12A、12Bの各温度を制御するこ
とによって、単結晶14の一方の面14aと14bとの
温度差を前記のように調整する。
【0031】図2(a)はこの単結晶14の側面図であ
り、図2(b)は平面図である。このプレート14は、
例えば、矢印E方向へと単分域化した状態で育成され
る。
【0032】なお、図1において単結晶ファイバー20
を育成させた場合にも、図2(c)に示すようにファイ
バー20内で矢印E方向へと単分域化する。
【0033】図3は、他の実施例に係る製造装置を概略
的に示す概略断面図である。図1の装置と同じ部分には
同じ符号を付け、その説明は省略する。また、図1に示
した上側炉、下側炉といった周辺部分は、図3において
は図示を省略した。図3の装置においては、ルツボ7の
上端Fと略中央部Gとに対して、電源10Aの電極が接
続されており、ルツボ7の略中央部Gと下端部Hとに対
して、電源10Bの電極が接続されており、ルツボ7の
下端部Hとノズル部の上端部Iとに対して、交流電源1
0Cの電極が接続されている。ノズル部13に対して
は、交流電源10Dが接続されている。これらの各通電
機構は、共に分離されており、独立してその電圧を制御
できるように構成されている。
【0034】単結晶プレート14は、ノズル部13から
下へと向かうのにつれて冷却されていくが、本実施例で
は、更に単結晶プレート14の両側にヒーター12A、
12Bが設置されている。この領域を通過する間の単結
晶プレート14の温度は、通常キュリー温度±200℃
以内、好ましくは150℃以内となるように設定されて
いる。更にヒーター12Aの外側に補助ヒーター19を
設けてある。各ヒーター12A、12B、19の各温度
を制御することによって、単結晶14の一方の面14a
と14bとの温度差を前記のように調整する。
【0035】また、図4は、本発明の他の実施例に係る
装置を示す模式的断面図であり、図3に示した部材と同
じ部材には同じ符号を付ける。単結晶プレート14の両
側にヒーター25A、25Bが設置されている。この領
域を通過する間の単結晶プレート14の温度は、通常キ
ュリー温度±200℃以内、好ましくは150℃以下と
なるように設定されている。単結晶プレート14の一方
の面14a側では、プレート14とヒーター25Aとの
距離mを相対的に小さくし、プレート14の他方の面1
4b側では、プレート14とヒーター25Bとの距離l
を相対的に大きくする。これによって、面14aと面1
4bとの温度差を一定範囲に調節することができる。
【0036】次に、単結晶プレートを製造するために特
に好適なノズル部の形態について説明する。本発明者
は、μ引下げ法において、ノズル部の先端に、単結晶プ
レートの横断面に対応する平面形状の平坦面を形成し、
このノズル部に複数列の溶融物流通孔を形成し、各溶融
物流通孔から同時に溶融物を引き下げ、各流通孔から引
き下げられた溶融物を平坦面に沿って一体化することに
よって単結晶プレートを形成できることを確認した。
【0037】この態様においては、ノズル部の全体を平
板形状とすることができる。また、管状のノズル部の先
端に拡張部を設け、この拡張部の先端面を前記のような
平坦面とすることができる。または、ノズル部を複数の
管状部材によって構成し、各管状部材を互いに接合して
一体化し、各管状部材の先端面によって一体の平坦面を
形成することができる。
【0038】
【実施例】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。図1に示すような単結晶製造装置を使用し、本発明
に従って、LiNbO3 単結晶プレート14を製造し
た。上側炉1と下側炉3とによって炉内全体の温度を制
御した。ノズル部13に対する電力供給とアフターヒー
ターの発熱とによって、単結晶育成部18近辺の温度勾
配を制御できるように構成した。単結晶プレート14の
引下げ機構としては、垂直方向に2〜100mm/時間
の範囲内で、引下げ速度を均一に制御しながら、単結晶
プレート14を引き下げる機構を搭載した。
【0039】炭酸リチウムおよび酸化ニオブを、50:
50の組成比率で調合して原料粉末を製造した。この原
料粉末約50gを、白金製のルツボ7内に供給し、この
ルツボ7を所定位置に設置した。上側炉1内の空間5の
温度を1250〜1350℃の範囲に調整し、ルツボ7
内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、
700℃〜1000℃に制御した。ルツボ7、ノズル部
13およびアフターヒーターに対して所定の電力を供給
し、単結晶成長を実施した。この際、単結晶育成部の温
度を1200℃〜1300℃とすることができ、単結晶
育成部における温度勾配を10〜150℃/mmに制御
することができた。
【0040】ノズル部13の外側の横断面の形状は長方
形とし、その寸法は1.0mm×30mmとした。ノズ
ル部13の長さは20mmとした。ノズル部13内に溶
融物流通孔を30個設けた。各溶融物流通孔の直径は
0.2mmとした。ルツボ7の平面形状は円形とし、そ
の直径は30mmとし、その高さは30mmとした。
【0041】単結晶プレート14の面14aと14bと
の温度差を50℃に設定した。幅50mm、厚さ1.0
mmの単結晶プレートを、20mm/時間の速度でa軸
方向に引き下げた。1150℃付近から1000℃付近
まで冷却する80mmの冷却ゾーンを設け、育成速度2
0mm/時間で約4時間かけてこのゾーンを通過させ
た。
【0042】また、この単結晶プレートを、フッ化水素
酸と硝酸との3:1混合液で、180℃で1時間、加熱
分解した。この結果、プラス側が全くエッチングされて
いないのに対し、マイナス側が約10μmエッチングさ
れており、結晶性の悪い部分ではエッチピットが認めら
れた。この結果、完全な単分域の結晶が得られているこ
とを確認した。
【0043】また、このLiNbO3 単結晶のSHG発
生効率を測定したところ、従来の単分域化処理を施した
単結晶と比較して、約30%向上していた。この原因と
しては、基板の歪みの減少、例えばX線ロッキングカー
ブが半値幅で約20%小さくなって結晶性が向上したこ
とが関連している。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
イクロ引下げ法によって単結晶を連続的に育成するのに
際して、単分域化した単結晶を育成でき、育成後の単結
晶の単分域化処理を不要にできる。これによって、極め
て結晶性の良好な単分域化された単結晶が得られるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る、単結晶育成用の製造装
置を示す概略断面図である。
【図2】(a)は、単結晶プレート14の側面図であ
り、(b)は単結晶プレート14の平面図であり、
(c)は、単結晶ファイバー20の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る単結晶育成用の製造
装置の要部を示す概略断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例に係る単結晶育成用の
製造装置の要部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 上側炉,2 上側炉1のヒーター,3 下側炉,4
下側炉3のヒーター,7 ルツボ,10、10A、1
0B、10C、10D 電源,12A、12B 2ゾー
ンヒーター,13 ノズル部,13a 引出し口,14
単結晶プレート,15 種結晶,18 単結晶育成部,
20 単結晶ファイバー,19 補助ヒーター,25、
25A ヒーター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶材料の溶融物をルツボから引下げつ
    つ、冷却して単結晶を生成させる、単結晶の育成方法で
    あって、前記単結晶の冷却過程で、キュリー点付近にお
    いて前記単結晶に温度勾配を設けることによって、前記
    単結晶を引き下げるのと共に連続的に単分域化させるこ
    とを特徴とする、単結晶の育成方法。
  2. 【請求項2】前記単結晶を引き下げる際の前記単結晶の
    同じ引下げ位置における温度差が、10℃〜300℃で
    あることを特徴とする、請求項1記載の単結晶の育成方
    法。
  3. 【請求項3】前記単結晶が強誘電体であることを特徴と
    する、請求項1記載の単結晶の育成方法。
  4. 【請求項4】単結晶材料の溶融物を収容し、かつ前記溶
    融物を引き下げるための引出し口を備えているルツボ
    と、前記ルツボ内の前記単結晶材料を溶融させるための
    溶融加熱機構と、このルツボから前記単結晶を引き下げ
    るための駆動機構とを備えている単結晶の育成装置であ
    って、キュリー点付近において前記単結晶に温度勾配を
    設けるための温度制御機構を備えていることを特徴とす
    る、単結晶の育成装置。
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