JPH10265341A - 育毛薬剤検定方法 - Google Patents

育毛薬剤検定方法

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JPH10265341A
JPH10265341A JP9091532A JP9153297A JPH10265341A JP H10265341 A JPH10265341 A JP H10265341A JP 9091532 A JP9091532 A JP 9091532A JP 9153297 A JP9153297 A JP 9153297A JP H10265341 A JPH10265341 A JP H10265341A
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JP
Japan
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hair
medium
growth
cells
hair follicle
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JP9091532A
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English (en)
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Eriko Takeoka
永里子 武岡
Chika Hamada
千加 浜田
Jun Suzuki
順 鈴木
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精度が高くかつ簡便で、しかも短期間で毛髪に
おける成長期の延長効果をin vitroで検定する手段の提
供。 【解決手段】無血清培地中で毛包上皮系培養細胞に対象
物質を接触させて、その細胞の増殖活性の有無及び/又
は強弱を特定することにより、その対象物質の毛周期に
おける成長期を維持若しくは延長する効果を検定する育
毛薬剤検定方法、特に対象物質の毛周期における成長期
を維持若しくは延長する効果の有無及び/又は強弱を特
定する手段として、アラマーブルーアッセイ法を用いた
上記育毛薬剤検定方法では、精度が高くかつ簡便で、し
かも短期間で毛髪における成長期の延長効果をin vitro
で検定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛周期における成
長期を延長する効果を特定するための育毛薬剤検定方法
に関する技術分野に属する発明である。より詳細には、
毛包上皮系培養細胞に対象物質を接触させて、その細胞
における増殖活性の有無及び強弱を特定することで、毛
周期における成長期を維持又は延長する効果を特定す
る、in vitroの育毛薬剤検定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】毛髪の一本一本は、成長期,退行期及び
休止期を経る、いわゆる「毛周期」と呼ばれるサイクル
に従って成長と脱落を繰り返すものであり、正常な毛周
期を営んでいる頭皮では成長期毛と休止期毛の割合が一
定に保たれている。これに対して、例えば男性型脱毛症
の場合は、様々な原因で成長期(毛髪が伸長している期
間,すなわち毛髪上皮系細胞が分裂又は増殖している期
間を指す)が短くなったり、毛包が収縮したりする結
果、相対的に休止期毛の割合が多くなって、毛が細くな
ったり、長く伸びることができなくなったりする結果、
見た目の毛髪量が減少し、脱毛等を生じるものである。
【0003】高齢化社会、ストレス社会といわれる現代
社会では、頭部毛髪が上記脱毛等の危機にさらされる機
会がますます多くなっている。それに対応して、現在ま
で種々の育毛剤が種々の観点から提供されており、今後
もその傾向が続くことは明らかである。そして、当然開
発されつつある育毛剤は、ヒトの投与に先立ち動物に対
する育毛効果等を検討するのが常であり、現在マウスや
ウサギの体毛に覆われている部分を毛刈りして、その部
分に育毛剤を塗布して、発毛、すなわち成長期の誘導効
果を検討することが多く行われている。しかしながら、
この方法は成長期の誘導効果を検討することに対しては
適しているが、育毛剤の効果の本質的な効果の一つであ
る「成長期の維持又は延長効果」を検討することは煩雑
であり、また困難でもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、簡便かつ精度良く毛周期における成長期の延長効果
を検定する手段として、「ヌードマウスに対象物質を投
与し,このヌードマウスの体表の発毛部位の状態を特定
して,対象物質の毛周期における成長期を延長する効果
を検定する育毛薬剤検定方法」をすでに提供した。
【0005】この検定方法は、in vivo で成長期の延長
効果を検定する手段としては、上記の課題を十分に果た
すものである。しかしながら、近年の動物愛護の風潮か
ら、実験動物を可能な限り用いずに、しかも精度が高く
かつ簡便な毛髪における成長期の延長効果を検定する手
段の確立が望まれている面も否定できない。さらに、こ
in vivo の育毛薬剤検定方法は、成長期を延長させる
効果を検討するためのある程度の期間を必要とすること
から、より短期間で延長効果を検定することができる育
毛薬剤検定方法が提供されることが望まれていることも
見逃せない。
【0006】そこで、本発明が解決すべき課題は、精度
が高くかつ簡便で、しかも短期間で毛髪における成長期
の延長効果をin vitroで検定する手段を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、成長期は毛
髪が伸長している期間であることから、毛髪の伸長に直
接的に関係する毛包上皮系細胞に着目し、増殖因子や脳
下垂体エキス等を含まない無血清培地において増殖活性
が維持されている毛包上皮系細胞の培養細胞を用いるこ
とによって、所望する毛周期における成長期を維持又は
延長する効果を特定する、in vitroの育毛薬剤検定方法
が提供されることを見出して本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は無血清培地中で毛包上
皮系培養細胞に対象物質を接触させて、その細胞の増殖
活性の有無及び/又は強弱を特定することにより、その
対象物質の毛周期における成長期を維持若しくは延長す
る効果を検定する育毛薬剤検定方法を提供する。
【0009】また、対象物質の毛周期における成長期を
維持若しくは延長する効果の有無及び/又は強弱を特定
する手段として、アラマーブルーアッセイ法を用いるこ
とが好ましく、本発明は特にこの態様の上記の育毛薬剤
検定方法をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明育毛薬剤検定方法における指標とし
て用いる「毛包上皮系培養細胞」は、動物の毛包上皮系
細胞を単離して得た培養細胞である。毛包上皮系細胞
は、特に毛根近傍の外毛根鞘細胞とマトリクス細胞等の
上皮系細胞のことを指し、内側の間葉系毛乳頭細胞とそ
れを覆う基底膜部分は除外される。
【0011】毛周期における成長期は、まさにこの毛髪
の伸長が行われている,すなわち毛包上皮系細胞の増殖
が行われている時期であり、同退行期及び休止期は、こ
れが鈍化して休止する時期である。つまり、毛包上皮系
細胞の増殖を促進する物質は、毛周期における成長期を
維持する物質,すなわち同成長期を延長する物質である
ことが結論付けられる。
【0012】毛包上皮系培養細胞を得るためには、毛包
上皮系細胞を採取する必要がある。この採取方法は、概
ね以下のようになる(具体的工程は、後述する実施例に
おいて記載する)。毛包上皮系細胞は動物(ヒトを含
む,以下同様である)から採取される。採取される対象
となる動物は特に限定されず、例えばヒトをはじめ,ラ
ット,マウス,ウサギ,モルモット,サル等を例示する
ことができるが、これらに限定されるものではない。な
お、細胞の大量確保や継代が容易であるという点からは
ラットを、ヒトでの育毛作用を検定するという点からは
ヒトを毛包上皮細胞の採取対象として挙げることができ
る。
【0013】また、採取の対象となる動物は、可能な限
り増殖刺激に対して敏感であり,かつ継代が容易な毛包
上皮系細胞を得ることがより好ましいことを鑑みて、生
後間もない動物であることが好ましい。具体的には、生
後3〜4日令程度の動物を選択する対象とすることが好
ましい。なお、ヒトの毛包上皮系細胞を採取する際に
は、成人のものであっても問題なく、育毛の主な対象が
成人であることを鑑みるとむしろ成人の毛包上皮系細胞
を用いることが好ましいという面がある。
【0014】毛包上皮系細胞は、動物の皮膚から分離し
た真皮層から採取する。真皮層を分離する手段として
は、例えば採取した動物の皮膚をプロテアーゼ処理する
こと等を挙げることができる。このプロテアーゼとして
は、例えばトリプシンを用いることができる。このプロ
テアーゼ処理した皮膚から表皮をはぎ取ることにより、
所望する真皮層を得ることができる。なお、このプロテ
アーゼ処理条件は、用いるプロテアーゼの至適pH及び
至適温度に応じて設定することができる。
【0015】次に、得られた真皮層から毛包を単離す
る。この単離手段としては、真皮層中の結合組織を分解
し,線維芽細胞等と毛包を分離する活性を有する酵素、
具体的には例えばコラゲナーゼによる処理を挙げること
ができる。なお、真皮層を予めこの酵素反応が効率的に
行われ得る懸濁液等の形態にする処理を予め行っておく
ことが好ましい。また、この酵素処理条件も用いるコラ
ゲナーゼ等の至適pH及び至適温度に応じて設定するこ
とができるのは勿論である。
【0016】このコラゲナーゼ等の酵素処理工程におい
て、真皮層における線維芽細胞や脂肪分を除去して、毛
包を得ることができる。さらに、この毛包から毛包上皮
系細胞を得るために、再度上記のトリプシン等のプロテ
アーゼ処理を行って毛包から毛包上皮系細胞を分離す
る。
【0017】このような酵素処理工程により、所望の毛
包上皮系細胞を得ることができる。なお、得られた毛包
上皮系細胞はこの段階で凍結保存によりストックするこ
とも可能である。また、可能な限り線維芽細胞等の夾雑
物を除去するために、対象物質のアッセイを行う前に、
さらに前培養や酵素処理を行い、夾雑物を除去すること
が好ましい。
【0018】このようにして調製した毛包上皮系培養細
胞に対象物質を接触させて、無血清培地中で対象物質の
アッセイを行う。このアッセイは、対象物質を含有する
毛包上皮系細胞培養培地と、この対象物質を含有しない
同培養培地を調製して、これらの培地における毛包上皮
系培養細胞の増殖度を特定することにより行う。
【0019】毛包上皮系細胞培養培地として少なくとも
対象物質添加時においては、対象物質以外の添加物の毛
包上皮系培養細胞の増殖に対する影響を除去するため
に、牛脳下垂体エキスや増殖因子等の毛包上皮系培養細
胞の増殖に影響を与えると考えられる物質を含まない基
礎培地〔例えばKBM培地(クローネティックス社
製),Keratinocyte−SFM(GIBCO社製)等〕が
用いられる。
【0020】なお、対象物質を添加する際には、一般培
地から対象物質添加培地への培地交換を行うが、この培
地交換に際して、例えば一般培地をアスピレーター等
で抜いた後に,ウエル上から対象物質添加培地を添加す
る方法、ウエルを倒立させて一般培地を除去して,1
/2量のコントロール培地を添加した後,対象物質をを
2倍濃度含有する対象物質添加培地を1/2量添加する
方法、及びウエルを倒立させて一般培地を除去して,
細胞を一旦コントロール培地で洗浄して,このコントロ
ール培地を再びウエルを倒立させて除去してから,1/
2量のコントロール培地を添加した後,対象物質をを2
倍濃度含有する対象物質添加培地を1/2量添加する方
法等を挙げることができる。これらの培地交換法のう
ち、可能な限り一般培地の対象物質添加後における影響
を除外し得るという点において、上記の方法を選択す
ることが好ましい。また、毛包上皮系培養細胞の培養条
件は、一般的な動物由来の培養細胞に準じて設定するこ
とができる。
【0021】通常は、対象物質を添加してから2日間程
度経過した培養系の毛包上皮系培養細胞に対して細胞増
殖評価を行う。この細胞増殖評価法は、毛包上皮系培養
細胞が系における増殖の有無や程度を評価することがで
きる方法である限り特に限定されず、例えばアラマーブ
ルー(alamar blue) アッセイ法,MTTアッセイ法,各
種のDNA定量法等の細胞増殖評価法等を例示すること
ができる。これらの中でも、アラマーブルーアッセイ法
は、簡便かつ毛包上皮系細胞の数と相関が高いという点
において、選択するのに特に好ましいアッセイ法であ
る。
【0022】このアラマーブルーアッセイ法は、ヒトや
動物のいろいろな細胞,バクテリア,菌類の増殖を定量
的に測定するために開発されたされたバイオアッセイ法
である。アラマーブルーは、その還元に細胞への取込み
を必要とする酸化還元色素であり〔酸化型(無蛍光・
青)から還元型(蛍光・赤)に変化する〕、増殖が長く
続く場合は還元作用が働き、増殖しないか又は阻害され
ると酸化型のままである。
【0023】本発明においてはこのアラマーブルーを毛
包上皮系培養細胞に取り込ませ、この細胞の成長による
培地の化学的な還元に対応する蛍光と色調の変化を特定
することによって、毛包上皮系培養細胞の増殖活性の有
無及び/又は強弱を特定することができる。
【0024】アラマーブルーの酸化還元電位は、チトク
ロームよりも高く、細胞の電子伝達系におけるチトクロ
ームの酸化から最終段階でのO2 の還元段階におけるま
でのすべての酸化還元反応を媒介することが通常可能で
あり、アラマーブルーを添加することにより電子の流れ
がトラップされてしまうことがない。アラマーブルー
は、この点において毛包上皮系培養細胞の増殖活性の有
無及び/又は強弱を特定する上で極めて好ましい酸化還
元色素である。
【0025】また、アラマーブルーは水溶性であり、他
の一般的な細胞増殖アッセイでは必要とされる洗浄・固
定及び抽出操作が不要なため、容易に細胞増殖アッセイ
を行うことができるという点においても好ましい。毛包
上皮系培養細胞の増殖活性による酸化還元反応の測定
は、蛍光を測定して行うことも可能であり,吸光を測定
して行うことも可能である。蛍光は530〜560nmの
励起波長と590nmの検出波長でモニターされ、吸光は
570nmと600nmでモニターされる。
【0026】このアラマーブルーアッセイ法は、市販の
キットを用いて行うことができる。このように本発明育
毛薬剤検定方法においては、毛包上皮系培養細胞に対象
物質を接触させることにより、その細胞の増殖活性の有
無及び/又は強弱を特定して、その対象物質の毛周期に
おける成長期を延長する効果を検定することが可能であ
る。
【0027】なお、本発明育毛薬剤検定方法によって、
毛包上皮系培養細胞の増殖活性が有ることが認められた
対象物質は、少なくとも毛包上皮系細胞の分裂増殖活性
を維持することで毛髪の成長期を延長させる「毛髪成長
期延長剤」の有効成分の極めて有力な候補物質として扱
うことができる。また、この候補物質が他の育毛作用を
有する場合は「総合育毛剤」の有効成分の候補とするこ
とができる。
【0028】さらに、仮に対象物質に毛周期における成
長期を延長する作用のみ認められた場合においても、他
の作用機序の育毛物質と組み合わせることにより、この
対象物質を「総合育毛剤」の有効成分とすることが可能
である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例等を用いてさらに具体
的に説明するが、この実施例等により本発明の技術的範
囲が限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下
の実施例等において「%」と表示され,かつ内容量を示
すものは、特に断らない限り重量%を意味する。
【0030】A.ヒト毛包上皮系細胞 1.ヒト毛包上皮系細胞の採取 外科手術の副産物として得られたヒト男性頭皮から毛周
期における成長期の毛包を実体顕微鏡下で機械的に採取
した。この成長期の毛包を1000 U/ml dispase・0.2 %
コラゲナーゼを含むダルベッコの改変MEM(DME
M)で30分間,37℃で処理し、注射針の先を用いて
dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮組織を除
去して、0.05%トリプシン・0.02%EDTAを含むリン
酸緩衝液〔PBS(−):(−)とはカルシウムイオン
やマグネシウムイオンを含まない意味である〕で5分
間,37℃で処理した。次にコラーゲン(Type I)コー
ティングした培養皿に毛包を静置し、外殖片培養を行っ
た。なおこの際の培地は、無血清培地〔Keratinocyte G
rowth Medium(KGM)〕を用いた(Keratinocyte Ser
um Free Mediumを用いることもできる)。
【0031】この培養の4〜5日後に、毛包の培養皿へ
の接着及び細胞の増殖が確認できた時点で培地を交換
し、これ以降2日おきに培地交換を行った。このように
して増殖させた細胞を、0.05wt%トリプシン-0.02 %E
DTAで37℃で5分間処理した後、等量の0.1 %トリ
プシンインヒビターで反応を停止させ、遠心処理(800×
g,5 分間) を施して細胞を回収した。
【0032】次に、細胞を上記の無血清培地に浮遊させ
て、5000 cells/cm2の密度でコラーゲンコーティング
(Type I)した培養皿に播種し、細胞がsubconfluentに
なるまで2日おきに培地交換を行い、再び0.05wt%トリ
プシン-0.02 %EDTAで37℃で5分間処理した後、
等量の0.1 %トリプシンインヒビターで反応を停止さ
せ、遠心処理(800×g,5 分間) を施して、これにより得
られたヒト毛包上皮系細胞に細胞凍結液(セルバンカ
ー:ダイヤトロン製)を添加し、1.0×106 cell/m
l の濃度に調整して、各凍結チューブに1.0×106
cellずつ入れ、これを凍結保存した。なお、これらの細
胞数は、血球算定板で算出した。
【0033】2.対象物質のアッセイ 上記工程により得た毛包上皮系細胞の線維芽細胞混入率
(FB混入率)を測定(3000倍,5視野)し、その
結果FB混入率が3%以上のものは、アッセイの対象か
ら除外した。そして、この毛包上皮系細胞を培養フラス
コ中に播種後、これを0.05%トリプシンと0.02
%EDTAで処理した後、0.1%トリプシンインヒビ
ターで反応を停止後、系を1500rpm で5分間遠心処
理を施し、上清を除去し、残渣にKGM培地20mlを添
加して、細胞懸濁液を調製した。
【0034】0.2ml/well の割合で、96well-plate
(I型コラーゲンコーティングプレート:ファルコン社
製)に播種し(1.0×104cell/well)、細胞がウエ
ルの底に沈むまで約20分間室温下で放置した。その
後、37℃,5%CO2 で1日間培養を行い、所望する
ヒト毛包上皮系培養細胞を得た。
【0035】B.ラット毛包上皮系細胞 1.ラット毛包上皮系細胞の採取: (1)毛包の採取 新生児(3〜4日令)のラットをエタノールで消毒後、
二酸化炭素で屠殺し、これらのラットの背部皮膚をハサ
ミで採取した。次いで、この採取した背部皮膚を1%P
SF含有PBS(−)に2枚ずつ浸した。その後、皮膚
脂肪層から下の皮下脂肪や皮膜等を解剖用ハサミで除去
した。 次いで、再びこの背部皮膚を1%PSF含有P
BS(−)に浸し、さらにこれを0.25%トリプシン
含有PBS(−)(0.02%EDTA含む。以下、同
様である。)中に4℃で一晩浸した。
【0036】このトリプシン溶液中における浸漬後、背
部皮膚の真皮層と表皮層をピンセットで剥がした後、真
皮層を0.35%のコラゲナーゼを含有させたHam'
sF12培地〔組成(mg/L):l-Alanin(8.9),l-Arginine
(HCl:211),l-Asparagine(13.2),l-Asparatic acid(13.
3),l-Cysteine (HCl:31.5),l-Glutamic acid(14.7),l-
Glutamine(146),Glycine(7.5),l-Histidine (HCl:19),
l-Isoleucine(3.9),l-leucine(13.1),l-Lysine(HCl:36.
5),l-Methionine(4.5),l-Phenylalanin(5.0),Proline(3
4.5),l-Serine(10.5),l-Threonine(11.9),l-Tryptophan
e(2.0),l-Tyrosine(5.4),l-Valine(11.7),Biotine(0.00
73),Choline(Cl:14.0),VitaminB12(1.36),葉酸(1.32),I
nositol(18.0),Nicotinamide(0.037),パントテン酸(Ca:
0.477),VitaminB6(HCl:0.062),VitaminB2(0.038),Vitam
inB1(HCl:0.337),CaCl2(2H2O:44.0),CuSO4・5H2O(0.002
5),FeSO4・7H2O(0.834),KCl(224.0),MgCl2(6H2O:122),
"Proc.Natl.Acad.Sci.USA,53,288(1965)" 以下同様であ
る〕が入った100 mm dish 移し、ハサミで裁断した。こ
の裁断物を含む培地を37℃で35分間浸透を行った
(60rpm )。浸透後、このコラゲナーゼ反応物中に塊
状のものが見えなくなるまでピペッティングを行い、こ
れを50ml遠沈管に移し、DNase (10000unit) を含
有させたHam's F12培地を添加し、5分間放置し
た。
【0037】放置後、得られた懸濁液をさらにピペッテ
ィングした後、ナイロンメッシュ(Nytex 157 mesh) で
濾過し、これを50ml遠沈管に移した。懸濁液を半量ず
つに分け、それぞれについてPBS(−)を容量が30
mlになるまで懸濁液を希釈し、次いでこの希釈した懸濁
液に遠心処理を施した(4℃,400rpm ,5分間)。
遠心後、上清を除いて脂肪分を系から除去した。次い
で、残渣にPBS(−)を25ml添加して懸濁後、これ
にさらに遠心処理を施した〔(4℃,400rpm ,5分
間)×3回〕。この遠心操作により得られた残渣が、ラ
ットの背部皮膚における毛包である。
【0038】(2)毛包上皮系細胞の採取 上記操作により得られた毛包に、0.25%トリプシン
含有PBS(−)を5ml添加して、細胞懸濁液を37℃
で5分間インキュベートした。インキュベート終了後、
5mlの等量の牛胎児血清(FBS)とHam's F12
培地を添加して、細胞懸濁液をセルストレーナー(100
μm Nalgene 社製)で濾過後、50ml遠沈管に入れて、
この細胞懸濁液に遠心処理を施した(4℃,1500rp
m ,5分間)。この系から上清を除去して、残渣として
所望する毛包上皮系細胞を得た。
【0039】この毛包上皮系細胞に細胞凍結液(セルバ
ンカー:ダイヤトロン製)を添加し、1.5×107 ce
ll/ml の濃度に調整して、各凍結チューブに1.5×1
7cellずつ入れ、これを凍結保存した。なお、これら
の細胞数は、血球算定板で算出した。
【0040】2.毛包上皮系細胞の前培養:系に混入し
ている線維芽細胞を可能な限り系から除去するために、
上記工程により得られた毛包上皮系細胞の前培養を行っ
た。以下、その手順について説明する。37℃の恒温槽
で、上記工程により得た凍結細胞を融解した。次いでF
AD培地〔Ham's F12培地(後述)とMEN培地
を容量比で3対1で混合したものに、インシュリン(5.0
μg/ml),ハイドロコルチゾン(0.45μg/ml),エピダ
ーマルグロウスファクター(EGF)(10.0ng/ml),コレラト
キシン(10-9M)及びウシ胎児血清(10 %) を含有させ
た培地、以下同様である〕を10ml添加し、細胞溶液を
希釈して系に遠心処理を施した(10℃以下,1500
rpm ,5分間)。遠心後、上清を除去し、系にFAD培
地を10ml添加して、細胞塊が認められなくなるまでピ
ペッティングを繰り返した。
【0041】得られた細胞数を血球算定板で算出し、F
AD培地で2.5×105 cell/mlの濃度になるように
調整した。I型コラーゲンでコーティングした75cm3
のフラスコに細胞を播種して、これを37℃,5%CO
2 で一晩培養した。培養後、系をPBS(−)10mlで
2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を
2ml添加して、これを37℃,5%CO2 で4分間イン
キュベートした。次に、系に牛胎児血清(FBS)を2
ml添加して、1回軽くゆすった後で上清を除去して、系
に混入している線維芽細胞を除去した。
【0042】さらに、系にKGM培地〔表皮角化細胞基
礎培地(Keratinocyto growth medium):Keratinocyto b
asal medium (KBM培地(改変MCDB153培地
(クローネティックス社製)))に,ウシ脳下垂体エキ
ス(BPE)(0.4vol%),インシュリン(0.5μm/ml),ハイドロ
コルチゾン(0.5μm/ml),h-EGF(0.1 ng/ml)を添加した培
地、以下同様である〕を15ml添加し、37℃,5%C
2 で3日間培養した。
【0043】3.対象物質のアッセイ 上記工程により得た毛包上皮系細胞を播種した培養フラ
スコの線維芽細胞混入率(FB混入率)を測定(300
0倍,5視野)し、その結果FB混入率が3%以上のも
のは、アッセイの対象から除外した。系をPBS(−)
10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS
(−)を2ml添加して、これを37℃で3分間インキュ
ベートした。次いで上皮系細胞と線維芽細胞とのトリプ
シンに対する反応性の違いを利用して,系から線維芽細
胞を除去するために、トリプシンを除去し、再び0.2
5%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加して、37
℃,20rpm で5分間振盪した。
【0044】次いで、細胞のはがれを顕微鏡下で確認し
た後、10%FBS含有DMEM培地を10ml添加し
て、50ml遠心チューブ中でピペッティングを行い、系
を1500rpm で5分間遠心処理を施した。上清を除去
し、KGM培地20mlを添加して、細胞塊がなくなるま
でピペッティングを行った。
【0045】懸濁液をセルストレーナー(100 μm Nalg
ene 社製)で濾過後、50ml遠沈管に入れて、懸濁液中
の生細胞数を血球算定板で算出し、系にKGM培地を添
加して、系の中の細胞濃度が5.0×104cell/mlにな
るように調整した。次いで、0.2ml/well の割合で、
96well-plate(I型コラーゲンコーティングプレー
ト:ファルコン社製)に播種し(1.0×104cell/we
ll)、細胞がウエルの底に沈むまで約20分間室温下で
放置した。その後、37℃,5%CO2 で1日間培養を
行い、所望するヒト毛包上皮系培養細胞を得た。
【0046】C.試験培地の調製: (1)対象物質添加培地の調製 対象物質が生薬抽出物である場合には、これを約1.5
mgスクリュー管に秤量し、有機溶剤(DMSO)で0.
2%溶液になるように調製した。また、対象物質が単純
化合物である場合には、これを有機溶剤(DMSO)で
0.5%溶液になるように調製した。次いで、上記の生
薬抽出物のDMSO溶液を1000倍量の改変MCDB
153培地(クローネティックス社製)に添加した〔抽
出物濃度:2.0×10-4%(DMSO 0.1
%)〕。
【0047】なお、対象物質として用いた生薬抽出物
は、コンフリー抽出物,アルニカ抽出物,ハッカ末,ダ
イズ抽出物,キナ抽出物,スギナ抽出物,チョウジ抽出
物,ホップ抽出物,シソ抽出物,アセンヤク抽出物,ア
ズキ末,サイシン抽出物,チンピ抽出物,ケイヒ抽出
物,ブクリョウ抽出物,アロエ抽出物,レイシ抽出物,
ゲンチアナ抽出物,カンゾウ抽出末,ショウブ根.ウコ
ン抽出物,トウヒ抽出物,ステビア抽出物,サンザシ抽
出物,センキュウ抽出物,タイソウ抽出物,サフラン抽
出物,ヒキオコシ抽出物,ヨクイニン抽出物,アンズ核
粒抽出物,ローヤルゼリー,コリアンダー抽出物及びカ
ンゾウフラボノイド抽出物であった。
【0048】これらの対象物質添加培地0.2mlを、
0.1%DMSO含有KBM培地1.8mlに添加し、対
象物質の濃度を2.0×10-5%になるように調製した
(10倍希釈)。
【0049】(2)コントロール培地の調製 ・ネガティブコントロール:KBM培地2mlに、DMS
Oを 2μl 添加して調製した(DMSO 0.1
%)。・ポジティブコントロール:ネガティブコントロ
ール培地に、インシュリン(5mg/ml)を2μl ,ハイド
ロコーチゾン(0.5mg/ml)を2μl 添加して調製し
た。
【0050】D.対象物質培地交換:上記A,Bにおい
てヒト毛包上皮系培養細胞及びラット毛包上皮系培養細
胞を調製した96well-plate中のKGM培地を上記Cに
おいて調製した、対象物質添加培地及びコントロール培
地(200μl/well)と交換して、交換後37℃,5%
CO2 で2日間培養した。
【0051】なお、この培地の交換はウエル内のKGM
培地を,底面に付着している細胞を傷つけないように留
意しつつアスピレーターで抜いて、その後速やかに対象
物質添加培地等をウエルの両端から添加することにより
行った。
【0052】E.細胞増殖の測定:アラマーブルー(ala
mar blue:アラマーバイオサイエンス社製) を培地量
(容量)に対して、1/10量を添加して、37℃(5
%CO2 )で6時間インキュベートした。インキュベー
ト後、系の595nm及び570nmでの吸光度をマイクロ
プレートリーダー(Micro plate reader:Bio RAD社製)
を用いて測定し、下記計算式に従って,細胞増殖度を算
出した。
【0053】
【数1】 さらに細胞増殖促進指標を、下記計算式に従って算出し
た。
【0054】
【数2】
【0055】F.結果:測定した上記各対象物質におけ
る、上記細胞増殖促進指標を下記第1表に示す。
【表1】
【0056】この結果より、本発明育毛薬剤検定方法を
用いると、簡便かつ的確に対象物質の毛包上皮系培養細
胞の増殖活性の有無及び/又は強弱を特定することが可
能であり、その対象物質の毛周期における成長期を維持
又は延長する効果をin vitroで検定することが可能であ
ることが明らかになった。
【0057】
【発明の効果】本発明により、精度が高くかつ簡便で、
しかも短期間で毛髪における成長期の延長効果をin vit
roで検定する手段が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】B.ラット毛包上皮系細胞 1.ラット毛包上皮系細胞の採取: (1)毛包の採取 新生児(3〜4日令)のラットの背部皮膚を採取し、こ
の採取した背部皮膚を1%PSF含有PBS(−)に2
枚ずつ浸した。その後、皮膚脂肪層から下の皮下脂肪や
皮膜等を解剖用ハサミで除去した。次いで、再びこの背
部皮膚を1%PSF含有PBS(−)に浸し、さらにこ
れを0.25%トリプシン含有PBS(−)(0.02
%EDTA含む。以下、同様である。)中に4℃で一晩
浸した。
フロントページの続き (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無血清培地中で毛包上皮系培養細胞に対象
    物質を接触させて、その細胞の増殖活性の有無及び/又
    は強弱を特定することにより、その対象物質の毛周期に
    おける成長期を維持若しくは延長する効果を検定する育
    毛薬剤検定方法。
  2. 【請求項2】対象物質の毛周期における成長期を延長す
    る効果の有無及び/又は強弱を特定するための手段とし
    て、アラマーブルーアッセイ法を用いる請求項1記載の
    育毛薬剤検定方法。
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