JPH1052405A - 育毛検定方法 - Google Patents

育毛検定方法

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JPH1052405A
JPH1052405A JP22779696A JP22779696A JPH1052405A JP H1052405 A JPH1052405 A JP H1052405A JP 22779696 A JP22779696 A JP 22779696A JP 22779696 A JP22779696 A JP 22779696A JP H1052405 A JPH1052405 A JP H1052405A
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英一 豊田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】養毛剤等の養毛物の簡便かつ確実な毛周期にお
ける成長期の延長効果のインビボの検定手段を提供する
こと。 【解決手段】ヌードマウス、特に原則的には無毛である
が、その体表に経時的にその発毛部位が移動する特徴的
な発毛をするヌードマウス(例えば、balbc nu
/nu等)に育毛物を投与し、このヌードマウスの体表
の発毛部位の状態を特定して、育毛物の毛周期における
成長期を延長する効果を検定する育毛検定方法を提供す
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛物の毛周期に
おける成長期を延長する効果を特定するための育毛検定
方法に関する技術分野に属する。より詳細には、その体
表に特徴的な発毛をするヌードマウスを用いて、その発
毛部位の状態を特定することで育毛物の毛周期における
成長期を延長する効果を検定する育毛検定方法に関する
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】毛髪の一本一本は、成長期,退行期及び
休止期を経る、いわゆる「毛周期」と呼ばれるサイクル
に従って成長、脱落を繰り返すものであり、正常の毛周
期を営んでいる頭皮では成長期毛と休止期毛の割合が一
定以上に保たれている。これに対して、例えば男性型脱
毛症の場合は、様々な原因で成長期が短くなったり、毛
包が縮小したりする結果、相対的に休止期毛の割合が多
くなって、毛が細くなったり、長く伸びることができな
くなったりする結果、見た目の毛髪量が減少し、脱毛等
を生じるものである。高齢化社会、ストレス社会といわ
れる現代社会では、頭部毛髪が上記脱毛等の危機にさら
される機会がますます多くなっている。
【0003】それに対応して、現在までに種々の養毛剤
が種々の観点から提供されており、今後もその傾向は続
くことは明らかである。これらの養毛剤の多くは、毛周
期における成長期を延長させたり、成長期への誘導を促
進させたりするものである。そして、当然開発されつつ
ある養毛剤は、ヒトへの投与に先立ち動物に対する育毛
効果等を検討するのが常であり、現在マウスやウサギの
体毛に覆われている部分を毛刈りして、その部分に養毛
剤を塗布して、発毛、すなわち成長期の誘導効果を検討
することが多く行われている。しかしながら、この方法
は成長期の誘導効果を検討することに対しては適してい
るが、成長期の延長効果を検討することは煩雑であり、
また困難である。また、ヌードマウスの免疫寛容性を利
用して植毛試験も行われているが、この方法は、非常に
手間がかかる上に、植毛した毛自体の性質(感受性)の
ばらつきにより、大量の薬剤の評価法としては不適当な
点は否めない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
すべき課題は、養毛剤等の養毛物の簡便かつ確実な毛周
期における成長期の延長効果のインビボの検定手段を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、その背部に
特徴的な発毛をするヌードマウスを用いて、その発毛部
位の状態を特定することで養毛剤等の養毛物の毛周期に
おける成長期を延長する効果を検定する育毛検定方法を
提供し得ることを見出した。
【0006】すなわち、本発明者は本願において、ヌー
ドマウスに育毛物を投与し、このヌードマウスの体表の
発毛部位の状態を特定して、育毛物の毛周期における成
長期を延長する効果を検定する育毛検定方法を提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、ヌードマウスを用いた育毛検定
方法に関する。ヌードマウスとは、N.R.Grist によって
アルビノ系のマウス集落で発見された無毛のマウスのこ
とをいい、一般的にはこの無毛と共に胸腺の先天的欠損
が報告されているマウスのことをいう。本発明において
は、胸腺の先天的欠損の有無に関わらず、先天的に外観
上無毛のマウスのことをヌードマウスという。
【0008】本発明に適用可能なヌードマウスは、原則
的には無毛であるが、その体表に経時的にその発毛部位
が移動する特徴的な発毛をするヌードマウスである。例
えば、ヌードマウスbalb c nu/nuは、ある
期間(毛周期の成長期に伴って)、ごく狭い範囲で帯状
の発毛が見られ、発毛した毛は2〜3日程度で順次抜け
落ち、その結果、発毛部位は頭から尾の方へ向かって経
時的に移動して行く。このヌードマウスにおいて、発毛
部位の広さと発毛部位の移動速度を特定,あるいは特定
部位での発毛期間を測定することによって、毛周期の成
長期の長さを検定することができる。
【0009】本発明の育毛検定方法を適用することが可
能な育毛物は、特に限定されず、育毛効果が認められた
物質を直接用いることも可能であり、市販用又は病院用
に処方された育毛剤を用いることも可能である。そし
て、本発明の育毛検定方法は、毛周期の延長効果を検定
する必要性に応じて本発明育毛検定方法を用いることが
できる。また、企図する育毛物の投与方法に応じて、本
発明育毛検定方法におけるヌードマウスへの投与方法を
選択することができる。すなわち、上記ヌードマウスに
対しては、外皮に対する塗布,散布等の投与方法を採る
ことは勿論、経口投与,皮内投与,筋注,静注等の投与
方法も採ることができる。
【0010】以下、上記ヌードマウスbalb c n
u/nuを用いた本発明育毛検定方法について例示す
る。このヌードマウスを用いた本発明育毛検定方法は、
例えば発毛部位の面積及び状態並びに発毛維持日数を具
体的な指標にすることで、育毛物の毛周期における成長
期を延長する効果を検定することを目的とした、ヌード
マウスの体表の発毛部位の状態の特定を行うことができ
る。
【0011】(1)発毛部位の面積及び状態の把握につ
いて:試験期間中の発毛部位の面積を把握することによ
り、育毛物の発毛効果若しくは成長期延長効果を把握す
ることができる。すなわち、試験期間を通じての発毛部
位が大きければ、育毛物の発毛効果若しくは成長期延長
効果が大きいことを示し、逆に小さければこれらの効果
が小さいことを示す。
【0012】この発毛部位の面積は、マウスの背部全体
に対する発毛部位の面積の比として把握するのが簡便で
ある。発毛部位の状態を解析して把握することにより、
育毛物の毛の伸長に及ぼす効果の大きさを把握すること
も可能である。
【0013】すなわち、例えば発毛部位の面積を一定と
したとき、短い毛が非常に疎にしか生えていない場合に
は、育毛物の毛の伸長に及ぼす効果が小さく、逆に発毛
部位の面積が狭くても、長い毛が密に生えている場合に
はこの効果が大きいと判断され得る。このようにして、
把握した発毛部位の面積及び状態を数値化して、例えば
両者の数値の積を、例えば発毛評価ポイントとして数値
化して、投与した養毛物を総合的に評価することができ
る。
【0014】(2)発毛維持日数の把握について:発毛
維持日数、すなわち背部皮膚表面上に発毛が認められて
から休止期に入って脱落するまでの日数を把握すること
によって、投与する養毛物の毛周期における成長期の延
長効果を把握することができる。この発毛維持日数の把
握は、例えば発毛部位の一定距離における移動期間を把
握して発毛部位の移動速度を求めて、この移動速度と発
毛部位の平均幅とにより行うことができる。
【0015】この移動速度が速い程、発毛維持日数が短
く、成長期から退行期への移行が早く、逆に遅い程、毛
が成長期に止まる期間が長く、成長期が延長しているこ
とを示すものである。また、さらにマウスの肩のライン
から背中線を引き、そのある一点〔例えば、その背中線
の長さを1としたときの中点(0.5)等〕における発
毛維持期間を求めることにより、それを発毛維持日数と
することができる。このようにして、発毛維持日数を把
握して、投与した養毛物による毛の成長期の延長作用を
検定することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲が限
定して解釈されるべきものではない。 〔実施例〕 サイクロスポリンAによる養毛作用の検定 本発明育毛検定方法により、発毛作用が認められている
サイクロスポリンAの養毛作用を検討した。
【0017】試験条件 ヌードマウス: balb c nu/nu 上記マウス性別; 雄 上記マウス週齢: 6週(試験開始時) 上記マウス匹数: 5匹/群 投与薬剤:1%又は5%サイクロスポリンAエタノー
ル溶液 エタノール(対照)
【0018】試験方法 上記ヌードマウスの背部に、各投与薬剤0.1mlずつを
毎日1回塗布した。2〜3日毎に外観発毛状態を写真撮
影により観察した。
【0019】(1)発毛面積比と発毛状態の評価による
発毛評価 発毛面積比の測定 ヌードマウス(以下、単にマウスともいう)の肩のライ
ンから尾までの背中の面積に対する発毛部面積の割合を
算出した。すなわち、サイクロスポリンAを塗布したマ
ウスの背部において、 式(発毛面積比)=(発毛部面積)/(背部面積) により、発毛面積比を算出した。
【0019】第1図に各群におけるマウスの個体毎の発
毛面積比の経時的変化を示した。また、第2図に各群に
おけるマウスの発毛面積比の平均値の変化を示した。さ
らに、第3図には、各群におけるマウスの発毛面積比の
試験期間中の平均値を示した。
【0020】第1図〜第3図を通じて、用量依存的な養
毛効果が認められているサイクロスポリンAの投与量に
対して用量依存的に発毛面積比が大きくなっていること
は明らかである。
【0021】特に、第3図において、試験期間中の発毛
面積比の平均がサイクロスポリンAの用量に依存して増
加していたことにより、試験期間中を通じて発毛部位の
幅がサイクロスポリンAの用量に依存して増大し、その
結果サイクロスポリンAの投与により発毛維持期間が延
長することが示された。
【0023】よって、上記の試験系で発毛面積比を算出
することにより、ヌードマウスでの発毛効果、特に毛の
成長期が延長したことを示す発毛維持日数の延長をを的
確に判定できることが示された。
【0024】(2)発毛維持日数の評価による成長期延
長の評価 発毛部位の位置の測定及び発毛部幅の算出 マウスの背部の中心線上の肩の位置を0及び尾の位置を
1として、この座標軸上での発毛部先端(尾側)と後端
(首側)との位置を測定し、発毛部幅を(先端の位置)
−(後端の位置)より算出した。
【0025】発毛維持期間の算出(1) 発毛部先端が、座標上の0ポイント及び1ポイントを通
過するときの日数(0ポイント:a,1ポイント:b)
をそれぞれ求め、「発毛部先端が0ポイントから1ポイ
ントへと移動するのに要する期間」である(b−a)及
び「発毛部の移動速度」である〔1/(b−a)〕を算
出し、さらに「発毛維持期間」として、(発毛部幅)/
〔1/(b−a)〕を算出した。その結果を第1表に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】第1表より発毛維持期間は、エタノール投
与群(EtOH)で約2日,1%サイクロスポリンA投
与群(1% CysA)で約5日という、サイクロスポ
リンAの養毛効果を的確に示す結果が得られた。よっ
て、この方法によりヌードマウスでの毛の成長期が延長
したことを示す発毛維持期間の延長をを的確に判定でき
ることが示された。
【0028】発毛維持期間の算出(2) 薬剤投与60日齢付近(発毛サイクルの2サイクル目に
相当する)における発毛部先端及び後端が0.5ポイン
トを通過するときの日数(c,d)を求め、「0.5ポ
イントでの発毛維持期間」である(d−c)を算出し
た。その結果を第2表に示す。
【0029】
【表2】
【0030】第2表より、発毛維持期間は、エタノール
投与群(EtOH)では約2日,1%サイクロスポリン
A投与群(1% CysA)で約5日,5%サイクロス
ポリンA投与群(5% CysA)で約7日であり、サ
イクロスポリンAの濃度に依存して発毛維持期間が延長
し、サイクロスポリンAの養毛効果を的確に示す結果が
得られた。また、この結果は上記の発毛維持期間の算出
法(1)とほぼ一致していたことから、これらの発毛維
持期間の算出法は両者とも信頼性が認められるものであ
ることが示された。なお、念のために発毛促進効果が既
に認められているレチノール(0.1%)についても、
この系で発毛維持期間を算出したところ、本来レチノー
ルに備わっている発毛促進効果が確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明により、養毛剤等の養毛物の簡便
かつ確実な毛周期における成長期の延長効果のインビボ
の検定手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】各群におけるマウスの個体毎の発毛面積比の経
時的変化を示した図である。
【図2】各群におけるマウスの発毛面積比の平均値の変
化を示した図である。
【図3】各群におけるマウスの発毛面積比の試験期間中
の平均値を示した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】各群におけるマウスの個体毎の発毛面積比の経
時的変化を示した図である。
【図2】各群におけるマウスの個体毎の発毛面積比の経
時的変化を示した図である。
【図3】各群におけるマウスの発毛面積比の平均値の変
化を示した図である。
【図4】各群におけるマウスの発毛面積比の試験期間中
の平均値を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 英一 東京都品川区西五反田3丁目9番1号 株 式会社資生堂ビューティーサイエンス研究 所内 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヌードマウスに育毛物を投与し、このヌー
    ドマウスの体表の発毛部位の状態を特定して、育毛物の
    毛周期における成長期を延長する効果を検定する育毛検
    定方法。
  2. 【請求項2】ヌードマウスが、原則的には無毛である
    が、その体表に経時的にその発毛部位が移動する特徴的
    な発毛をするヌードマウスである請求項1記載の育毛検
    定方法。
  3. 【請求項3】ヌードマウスが、balb c nu/n
    uである請求項1又は請求項2記載の育毛検定方法。
  4. 【請求項4】ヌードマウスの体表の発毛部位の状態の特
    定手段が、発毛部位の面積及び/又は状態の把握ある請
    求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の育毛検定
    方法。
  5. 【請求項5】発毛部位の状態の把握手段が、毛の長短及
    び/又は発毛密度の把握である請求項4記載の育毛検定
    方法。
  6. 【請求項6】ヌードマウスの体表の発毛部位の状態の特
    定手段が、発毛部位の発毛維持日数の把握である請求項
    1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の育毛検定方
    法。
  7. 【請求項7】発毛部位の発毛維持日数の把握手段が、発
    毛部位の一定距離における移動期間を把握して発毛部位
    の移動速度を求めて、この移動速度と発毛部位の平均幅
    を指標とする方式である請求項6記載の育毛検定方法。
  8. 【請求項8】発毛部位の発毛維持日数の把握手段が、マ
    ウスの背部の一点における発毛維持期間を指標とする方
    式である請求項6記載の育毛検定方法。
  9. 【請求項9】マウスの背部の一点が、マウスの肩のライ
    ンからの背中線の一点である請求項8記載の育毛検定方
    法。
  10. 【請求項10】マウスの肩のラインからの背中線の一点
    が、その背中線の中点である請求項9記載の育毛検定方
    法。
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