JPH10270438A - 高純度水蒸気製造用燃焼装置及び高純度水蒸気製造方法 - Google Patents

高純度水蒸気製造用燃焼装置及び高純度水蒸気製造方法

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JPH10270438A
JPH10270438A JP9172097A JP9172097A JPH10270438A JP H10270438 A JPH10270438 A JP H10270438A JP 9172097 A JP9172097 A JP 9172097A JP 9172097 A JP9172097 A JP 9172097A JP H10270438 A JPH10270438 A JP H10270438A
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耕一 白石
Hiroto Ikuno
浩人 生野
Yoshinobu Nagamine
義展 長峯
Yoshinori Fujimoto
昌憲 藤本
Hiroshi Tomita
寛 冨田
Yoshio Kasai
良夫 笠井
Keiki Nagai
圭希 永井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素を燃焼して高純度水蒸気を製造する燃焼
装置、特に、そのガス噴出ノズルの剥離、溶損等を防止
して安定した耐久性を示すと共に、半導体製造工程の酸
化処理に好適なアルカリ金属等の不純物含有量が著しく
低減された水蒸気を製造する燃焼装置の提供。 【解決手段】 燃焼室と水素ガス供給管及び酸素ガス供
給管からなるガス供給管を有する高純度水蒸気製造用燃
焼装置において、そのガス供給管のガス噴出ノズル先端
部の溶損防御機構を具備してなることを特徴とする水蒸
気製造用燃焼装置。溶損防御機構が、前記ガス供給管の
ガス噴出ノズル導入部に配設した放熱手段で、ガス供給
管のガス噴出ノズル導入部の水素ガス及び酸素ガスの間
に介在して、冷却媒体を流通可能に形成した石英ガラス
製の冷却部であることが好ましい。また、溶損防御機構
が、ガス供給管を3重管または4重管に形成し、少なく
とも水素ガスと酸素ガスとが、中間に不活性ガスを介し
て燃焼室に供給されるように配置されたガス供給管であ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度水蒸気製造用
燃焼装置及び高純度水蒸気製造方法に関し、特に、半導
体製造プロセスの酸化工程に使用される高純度水蒸気ガ
スを製造する燃焼装置であって、ガス噴出ノズルの溶損
を防止し、生成される水蒸気ガス中の不純物の低減を図
ると共に耐久性に優れる高純度水蒸気製造用燃焼装置及
び高純度水蒸気製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスの酸化膜形成工程に
おいて、酸化膜形成方法の一つとして、ウエハを高温水
蒸気ガスと接触させる方法がある。この酸化膜形成に使
われる水蒸気ガスは、半導体ウエハを汚染するアルカリ
金属等の不純物ができるかぎり低減された高純度なもの
が望まれ、一般に、高純度の水素ガスと酸素ガスとを接
触させ水素ガスを燃焼させて製造されている。水素ガス
の燃焼方式として、例えば特開昭56−62326号公
報に開示されるように、加熱炉内に被酸化ウエハをセッ
トし、加熱炉内に、直接、水素ガス及び酸素ガスを導入
して燃焼させ水蒸気を発生させる方式がある。しかし、
この方式は、加熱炉内温度が火炎によって左右され酸化
処理条件を一定にすることが難しいという問題点があっ
た。
【0003】上記問題を解決するため、例えば特開昭5
7−18328号公報に開示されるように、ウエハ酸化
炉とは別に外部に燃焼装置を設けて水素ガスを燃焼させ
て水蒸気をガスを生成し、得られる水蒸気ガスを炉内に
導入する方式が提案された。この外部燃焼方式で水蒸気
ガスを製造する場合は、半導体製造工程の酸化処理条件
が安定することから、現在、この方式が多く採用されて
いる。この外部燃焼方式の水素ガス燃焼装置は、通常、
例えば図7に概略構成図及び図8にそのD−D線断面に
おける端面図を拡大して示したように、燃焼室72、燃
焼室72で発生した高純度水蒸気を外部のウエハ熱処理
炉等に供給する水蒸気供給管73と水素及び酸素ガスを
供給するガス供給管74を有しており、主に石英ガラス
材を用いて構成される。燃焼室72の外周部には例えば
水冷筒等の冷却装置79が配設され、ガス供給管74の
外周部には、スタート時に供給する水素及び酸素ガスを
加熱して自然着火させるための着火用の予熱用ヒータ8
0が配設される。ガス供給管74は、2重円管からなり
中心部に水素ガス供給管75が配置され、その外周に環
状に酸素ガス供給管76が配置され、水素ガス供給管7
5及び酸素ガス供給管76には、それぞれ水素ガス導入
管77及び酸素ガス導入管78が接続される。また、ガ
ス供給管74の先端部に連続してガス噴出ノズルが配備
され、ガス供給管74の先端部の外周部には、通常、断
熱材81が配設される。水素及び酸素ガスは、予熱用ヒ
ータ80で加熱されガス噴出ノズルから燃焼室に噴出さ
れ、燃焼室内で接触し自然着火した後、水素ガスが酸化
され燃焼して水蒸気を製造する。
【0004】上記のように構成される燃焼装置は、前記
したように一般に石英ガラス材で形成されている。この
場合、特に、燃焼時の高温によりガス噴出ノズル先端が
溶損消耗したり、また、ガス噴出ノズル先端や燃焼室内
壁が結晶化し剥離、脱落して破損するという問題が生じ
ている。これらは、水蒸気を発生する燃焼装置の寿命が
短いという耐久性の問題だけでなく、生成する水蒸気ガ
ス中に上記溶損等により発生するパーティクルや石英ガ
ラス材中の不純物が混入するため、水蒸気で酸化処理す
る半導体シリコンウエハを汚染するおそれがある。この
ため、最終的にはこれらの水蒸気を用いる半導体製造工
程の半導体素子製造の歩留まりを低下させる原因ともな
る。また、最近の半導体ウエハの大口径化に伴い、水蒸
気製造量の増大が望まれているが、そのために供給ガス
量を増加することは、ガス噴出ノズル先端及び燃焼室内
をより高温とすることになり、ノズル先端の溶損等を一
層増大させることから実施は難しい。
【0005】外部燃焼方式の上記問題を解決する方法と
して、例えば特開平6−267932号公報では、酸素
ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも燃焼室
(容器)内方向に突出させると同時に、酸素ガスを広範
囲に分散させて噴出させる複数の噴出孔を形成した分散
型酸素ガス噴出ノズルを提案している。この方法は、前
記特公昭63−60528号公報等に記載の従来の外部
燃焼方式のガス供給管で一般的であった2重円管構造
(中心管に水素ガス、外周管に酸素ガスを供給)のもの
と比較し、水素ガス噴出ノズルから遠い離れた位置で、
且つ、広い範囲で酸素ガスを噴出させることで、酸素ガ
ス噴出ノズル部に太い火炎を形成させるようにしたもの
である。これにより、従来のガス噴出ノズルに比し、水
素ガス噴出ノズル先端が加熱されず、また燃焼室内温度
が高温になることも防止できる。そのため、水素及び酸
素ガスの供給量を増大させて従来より大量の高純度水蒸
気ガスが製造でき、大口径化される半導体ウエハの酸化
処理用に製造する水蒸気ガス量の増大を図るものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記提案のガス噴出ノ
ズルを改良した燃焼装置によれば、半導体製造工程の酸
化処理プロセスの安定化や大口径ウエハの処理に要する
大量の高純度水蒸気ガスの供給、燃焼装置の耐久性等の
問題が解決される。しかしながら、発明者らによれば、
燃焼室温度が低下するにも拘らず、水蒸気ガス中の不純
物含有量レベルについては、十分満足できるレベルまで
低減しないことが知見された。即ち、後記の比較例に示
すように、上記提案の燃焼装置においても、前記した従
来の2重管のガス供給管から構成されるガス噴出ノズル
と比較して、製造される水蒸気ガス中の不純物含有量は
ほとんど同程度であることが確認された。
【0007】特開平6−267932号公報提案の燃焼
装置において、水蒸気ガス中の不純物含有量が期待され
るほど低減しない理由としては、水素ガス噴出ノズル付
近は温度低下し、燃焼室(容器)の上部及び外周の温度
も低下するが、燃焼室内で最も高温となる火炎が上記の
ように酸素ガス噴出ノズル近傍に形成される結果、酸素
ガス噴出ノズル先端の温度上昇は避けられず、このため
酸素ガス噴出ノズル先端では従来と同様に石英ガラス材
が溶損し、パーティクルや石英ガラス部材中の不純物が
水蒸気ガス中に混入するためと推定される。即ち、従来
の水素ガス及び酸素ガスがほぼ同位置から噴出されて火
炎が形成されるガス噴出ノズルでは、供給ガスのガス噴
出ノズル全体の先端が溶損されるのに比し、上記提案の
ものでは水素ガス噴出ノズル先端の溶損等は防止できる
が、酸素ガス噴出ノズル先端では同様の現象が生じるた
めであると推定される。また、上記提案の燃焼装置で
は、ガス供給管先端部でガス噴出ノズルの連続する部分
外周部を、前記図7及び8で示した従来の燃焼装置と同
様に断熱材を用いて被っているため、火炎からの熱が放
出されにくく、ガス噴出ノズルの噴出部やガス供給管の
ガス噴出ノズルへの連続する部分付近の温度が高くなり
易く、ガス噴出ノズル全体が高温となり、従来と同様に
ノズル先端の溶損等が生じるためと推定される。更に、
上記断熱材としては、通常、アルミナ系やシリカ系の耐
火物が用いられ、これら断熱材が予期しない高温に晒さ
れることにもなり、断熱材中の不純物が隣接するノズル
部材に拡散する可能性もあり、そのことも不純物を増加
させる原因になり得ると推定される。
【0008】発明者らは、先ず、上記した高純度水蒸気
製造用燃焼装置において製造され、特に、半導体製造工
程の酸化処理工程に導入する高純度水蒸気ガス中の不純
物含有量の問題に鑑み、その水蒸気ガス中の不純物含有
量の低減について検討した。例えば、ノズル構成部材を
石英ガラスから高純度合成石英ガラスとする部材を高純
度化する方法もあるが、ノズル付近の温度が上昇するこ
とによって外部から不純物が拡散するおそれもあり、ま
た、高純度合成石英ガラスを用いても高温のガス噴出ノ
ズル先端で石英ガラスがガス中に溶解して低温部で再析
出してパーティクル生成することは従来の石英ガラス部
材と同様である。このため、発明者らは、得られる水蒸
気ガス中の不純物含有量を十分に低減させるため、燃焼
装置のガス供給管及びガス噴出ノズルについてより根本
的な解決を図るべく鋭意検討した。その結果、ガス供給
管及びガス噴出ノズルの高温化を防止することにより不
純物含有量の低減が顕著となることを見出し、本発明を
完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、燃焼室
と水素ガス供給管及び酸素ガス供給管からなるガス供給
管を有する高純度水蒸気製造用燃焼装置において、該ガ
ス供給管のガス噴出ノズル先端部の溶損防御機構を具備
してなることを特徴とする水蒸気製造用燃焼装置が提供
される。
【0010】上記本発明の高純度水蒸気製造用燃焼装置
において、前記溶損防御機構が、前記ガス供給管のガス
噴出ノズル導入部に配設した放熱手段であり、その放熱
手段が、ガス供給管のガス噴出ノズル導入部の水素ガス
供給管及び酸素ガス供給管の間に介在して、冷却媒体を
流通可能に形成した石英ガラス製の冷却部であることが
好ましく、この中間に介在する冷却部に加え、更に、酸
素ガス供給管の外周部に、冷却媒体を流通可能に形成し
た石英ガラス製の冷却部を配備することが好ましい。ま
た、少なくとも前記ガス供給管のガス噴出ノズル先端部
が石英ガラスよりなり、かつ該先端部の温度を900℃
以下とする放熱手段を具備することが好ましい。また、
前記溶損防御機構が、前記ガス供給管が3重管であって
中心管から水素ガス、不活性ガス及び酸素ガスの供給管
となし、水素ガス供給管と酸素ガス供給管とが隣接する
ことなく不活性ガス供給管を介して配置し、前記ガス噴
出ノズル先端と所定の距離を有して火炎を形成させてな
ることが好ましい。更にまた、前記溶損防御機構が、前
記ガス供給管が4重管であって中心管から不活性ガス、
水素ガス、不活性ガス及び酸素ガスの供給管となし、水
素ガス供給管と酸素ガス供給管とが隣接することなく不
活性ガス供給管を介して配置し、前記ガス噴出ノズル先
端と所定の距離を有して火炎を形成させてなることが好
ましい。
【0011】また、本発明によれば、前記高純度水蒸気
製造装置用燃焼装置を用い、前記ガス供給管を加熱して
流通する水素ガス及び酸素ガスを予熱して、前記ガス噴
出ノズルから燃焼室に噴出して着火させた後、前記ガス
供給管の加熱を停止すると同時に、前記放熱手段により
放熱して水素を燃焼させて水蒸気を生成することを特徴
とする高純度水蒸気製造方法が提供される。
【0012】本発明の高純度水蒸気製造用装置は上記の
ように構成され、燃焼室に水素及び酸素を供給してそれ
ら供給ガスを接触して燃焼させるに当たり、着火後、
(1)ガス供給管のガス噴出ノズル導入部に冷却室等の
放熱手段を配備することから、燃焼室に水素及び酸素ガ
スを噴出するガス噴出ノズル導入部を冷却でき、水素燃
焼火炎で加熱されるガス噴出ノズル先端部の熱を冷却部
で放熱することができ、ガス噴出ノズル全域、特にその
先端部の高温化を防止でき、溶損が抑制される。また、
(2)ガス供給管を3重管または4重管に形成し、水素
ガスと酸素ガスの供給管を隣接せずに、その間に不活性
ガス供給管を配置することから、水素ガス及び酸素ガス
がそれぞれガス噴出ノズルから噴出された直後に接触す
ることがなく、ガス噴出ノズル先端より離れた燃焼室内
に水素燃焼火炎が形成されるため、ガス噴出ノズル先端
の加熱を防止でき、その溶損が抑制される。
【0013】また、本発明の高純度水蒸気製造方法は、
上記のように構成される高純度水蒸気製造用燃焼装置の
運転において、操作開始時にガス供給管を加熱して、水
素及び酸素ガスを予熱して着火させた後は、ガス供給管
の加熱を停止し、ガス噴出ノズル先端部に具備される冷
却部配設、火炎の隔離形成、断熱材不使用等の溶損防御
機構の作用により、燃焼火炎でガス噴出ノズル先端部が
加熱されても放熱されることから過度に高温化されるこ
とがない。このため、本発明において、これらガス噴出
ノズルの過度な高温加熱が防止され、構成材料の石英ガ
ラス材の溶損を抑制できることから、従来の燃焼装置か
らの水蒸気ガスに比し、本発明で製造される水蒸気ガス
中の不純物含有量を著しく低減することができ、特に、
半導体製造工程のウエハ酸化工程で要求される高純度水
蒸気ガスとして好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記
実施例により制限されるものでない。先ず、第1の実施
例について説明する。図1は、本発明の高純度水蒸気発
生装置に係る第1の実施例である燃焼装置の構造の概要
を示した説明図であり、図2は、図1のA部分の拡大図
である。図1及び図2において、燃焼装置1の主要部
は、燃焼室2、燃焼室2で発生した高純度水蒸気をウエ
ハ熱処理炉に供給する水蒸気供給管3、及び、燃焼室2
に燃焼原料ガスを供給するガス供給管4で構成され、こ
れらの主要部は従来と同様に石英ガラス材で形成され
る。ガス供給管4は、中心部に水素ガス供給管5が配置
され、その外周に環状に酸素ガス供給管6が配置されて
構成される。水素ガス供給管5及び酸素ガス供給管6に
は、それぞれ水素ガス導入管7及び酸素ガス導入管8が
それぞれ接続される。また、燃焼室2の外周部には例え
ば水冷筒等の冷却装置9が配設され、ガス供給管4の外
周部には着火時に、供給する水素及び酸素ガスを加熱し
て自然着火させるための予熱用ヒータ10が配設され
る。これらの構成は、前記した従来の燃焼装置とほぼ同
様である。着火後は、各ガス供給量を燃焼装置、ノズル
サイズ等の燃焼条件に応じて適宜選択制御し水素の酸化
による燃焼で、高純度水蒸気を生成することができ、水
蒸気供給管を経て所定の半導体シリコンウエハ熱処理工
程に供給する。
【0015】本発明の燃焼装置1において、図2に拡大
して示したように、石英ガラス製のガス供給管4の水素
ガス供給管5及び酸素ガス供給管6の先端部の各ガス噴
出ノズルには、それぞれ石英ガラス製の冷却部11、1
2が配備される。冷却部11、12には、それぞれ冷却
媒体供給管13、14及び冷却媒体排出管15、16を
配備し、各冷却部に水、N2 、Ar等の冷却媒体を供給
してノズル先端部を冷却媒体で冷却できるように構成す
る。水素ガス供給管5の先端の内周部に環状に配備する
冷却部11は、水素ガス供給管5の先端部径を細め、細
くなった外環部に冷却媒体の供給管13と排出管14を
配備して形成される。また、酸素ガス供給管6のノズル
先端部の冷却部12は、供給管6先端の外周部に環状管
を配備して形成する。図2では、水素及び酸素ガスの各
供給管の外周に、それぞれ冷却部を配備する形式を示し
たが、水素ガス供給管5と酸素ガス供給管6の間、即
ち、水素ガス供給管5の外周壁と酸素ガス供給管6の内
周壁が形成する冷却部11のみを配備して冷却部を共有
させ、各周壁を介して水素及び酸素ガスの両方を冷却す
ることもできる。このように各ガス供給管のノズル先端
部を冷却することにより、水素ガスと酸素ガスの燃焼の
際に高温化し易いノズル先端部を直接的に放熱すること
ができる。また、水素ガス供給管5の先端部径が細くな
り、水素ガスの流速を速めることができ、一方、酸素ガ
ス供給管はストレートに形成され、酸素ガスは直線状に
噴出できることから、ガス供給管のノズル先端部が過度
に加熱されることがない。このため、ノズル先端の失透
や燃焼室内の過熱を防止することができ、水素ガス燃焼
により高純度水蒸気を大量に発生させることができ、大
口径化された半導体シリコンウエハ基板への酸化膜形成
にも十分に対応することができる。なお、各冷却室の配
備方式は、特に上記に限定されるものでなく各ガス供給
管の先端部を所定に冷却できればよい。
【0016】次に、第2の実施例について説明する。図
3は、本発明の高純度水蒸気発生装置に係る第2の実施
例である燃焼装置の構造の概要を示した説明図であり、
図4は図3におけるB−B線断面での端部の拡大図であ
る。図3において、燃焼装置31はガス供給管34が3
重円管に形成される以外は、図1の燃焼装置と同様であ
る。図3において、図1と同一部材に関しては同一の符
号を付し説明を省略する。図1と異なるガス供給管34
は、中心部に水素ガス供給管35が配置され、その外周
に二重に環状管を配備し、外側に酸素ガス供給管36、
内側に不活性ガスガス供給管39を配置して構成され
る。水素ガス供給管35、酸素ガス供給管36及び不活
性ガス供給管39には、それぞれ水素ガス導入管37、
酸素ガス導入管38及び不活性ガス導入管40がそれぞ
れ接続される。図4にその断面端部を拡大して示したよ
うに、ガス供給管34の3重円管は同心円状に形成され
る。このように三重円管として、水素ガスと酸素ガスの
供給を、窒素ガス、ヘリウム、アルゴンガス等の不活性
ガスを間に介して燃焼させることから、水素ガスと酸素
ガスとがノズル先端直後で接触することなく離れた位置
で接触して燃焼火炎が形成される。このためノズル先端
部が高温になり失透して耐久性が短期化することを防止
できる。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウム、ア
ルゴンガス等が一般的である。このうち、アルゴンガス
は高純度ガスが比較的安価に得られ、熱伝導率がよく好
適である。
【0017】図5は、本発明の第2の他の実施例の燃焼
装置の構造の概要を示した説明図であり、図6は図5に
おけるC−C線断面での端部の拡大図である。図5及び
図6において、燃焼装置51は、ガス供給管54が同心
円状の4重円管に形成される以外は、図3の燃焼装置と
同様である。図5において図3と同一部材に関しては同
一の符号を付し説明を省略する。4重円管のガス供給管
54は、中心に不活性ガス供給管59を配置し、その外
周に環状に最外管から順次、酸素ガス供給管56、不活
性ガス供給管60及び水素ガス供給管55が配置され
る。不活性ガス供給管59、水素ガス供給管55、不活
性ガス供給管60及び酸素ガス供給管56には、それぞ
れ不活性ガス導入管61、水素ガス導入管57、酸素ガ
ス導入管58及び不活性ガス導入管62がそれぞれ接続
される。このようにガス供給管54を4重円管とした場
合、上記の3重円管ノズルと同様にノズル先端部より離
れた位置に火炎を形成でき、ノズル先端部の失透による
溶存を防止して耐久性を向上すると共に、中心部からの
不活性ガスの流出量を適宜選択して流出することにより
燃焼で形成される火炎の温度を制御することができ、燃
焼室の過熱をより防止することができる。
【0018】上記の第2の実施例のいずれにおいて、ガ
ス供給管34または54の外周部に配設された予熱ヒー
タ10により供給する水素及び酸素ガスを加熱して自然
着火させる場合、着火シーケンス時には、不活性ガス供
給管39、59、60への不活性ガスの供給を、流量減
少または停止して着火させ、着火後、使用する燃焼装置
の容量やノズルの大きさ等の燃焼条件に応じて、不活性
ガス流量、水素ガス及び酸素ガスの流量を所定量に適宜
選択して供給し、ノズルより流出させるのが好ましい。
また、火炎状態をフレームセンサーにより検出し、常に
安定な火炎状態を保持するように各供給ガス量を制御す
ることが好ましい。また、フレームセンサー検出するこ
とにより、火炎が消えた場合には、水素ガス及び酸素ガ
スの供給を停止し、不活性ガスのみ供給して燃焼を停止
する等の早急に対応することもできる。更に、本発明に
おいて、第2の実施例の多重円管のガス供給管の各ガス
供給管の先端部に、前記の本発明の第1の実施例と同様
に冷却部を所定に配備して各供給ガスを冷却してノズル
より流出させ、燃焼室の過熱をより一層防止することも
できる。この場合、冷却部は配備方式は制限されるもの
でなく、例えば、前記図1の方式と同様にガス供給管の
最外管は先端外周に環状円管を配備して、内管は図1に
おける水素ガス供給管5の先端部を細くする方式により
冷却部を配備させることができる。
【0019】なお、前記ガス供給管のガス噴出ノズル先
端部が石英ガラスよりなる場合には、該先端部の温度が
900℃以下となるように、冷却部を所定に配備して冷
却することが好ましい。好ましくは700℃以下、更に
好ましくは500℃以下に冷却するのが好ましい。
【0020】更に、上記本発明の高純度水蒸気製造用燃
焼装置において、装置を主に形成する石英ガラス材とし
て、その表面をフッ化水素酸処理、高温塩化水素ガス処
理またはこれらを組合わせて処理することにより、表面
から約100μmの深さの表面近傍におけるナトリウ
ム、鉄、銅、アルミニウム等の金属不純物が10ng/
g以下にして用いることが好ましく、または、燃焼装置
に供給される水素ガスや発生する水蒸気による侵食のお
それを考慮して上記金属不純物が10ng/g以下の高
バルク純度の合成石英ガラス材を用いることがより好ま
しい。これら高バルク純度の石英ガラス材を用いた高純
度水蒸気製造用燃焼装置で製造される水蒸気の上記金属
不純物の含有量は10ng/m3 以下となることから、
より高純度な水蒸気が要求される場合に用いることがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1 前記図1と同様に構成された燃焼装置を用い、水素ガス
供給管5に水素ガスを6リットル/分で、酸素ガス供給
管6に酸素ガスを5リットル/分で流通させてノズル先
端から流出させ、予熱ヒータ10によりガス供給管4を
950℃に加熱して燃焼室2内で着火させて、そのまま
1時間燃焼させた。この場合、それぞれ冷却部11、1
2へは、それぞれ冷却媒体供給管13、14から約15
℃の水を1リットル/分の流量で流通させて冷却媒体排
出管15、16から排出し、水素ガス供給管5及び酸素
ガス供給管6の先端部を約50℃に冷却し、同時に水冷
筒9に同様の水を流通させた。このようにして、燃焼室
2では水素の酸化反応(燃焼)により水蒸気ガスを生成
した。水蒸気供給管3から流出する水蒸気ガス中の不純
物量を測定した。その結果を表1に示した。
【0022】実施例2 実施例1と同一の燃焼装置を用い、着火後、予熱用ヒー
ター10の加熱を停止し、冷却効果をより高めた以外
は、全く同様にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガ
ス中の不純物量を測定した。その結果を表1に示した。
【0023】実施例3 実施例1と同一の燃焼装置を用い、冷却媒体をアルゴン
として、水素ガスの冷却部11及び酸素ガスの冷却部1
2へ、それぞれ冷却媒体供給管13、14を経て3リッ
トル/分の流量で流通した以外は、予熱ヒータでの加熱
を継続したことも含め全く同様にして水素燃焼を行い、
生成した水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その結果
を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例4 予熱用ヒーター10の加熱を停止し、冷却効果をより高
めた以外は、実施例3と全く同様にして水素燃焼を行
い、生成した水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その
結果を表1に示した。
【0026】比較例1 実施例1と同一装置を用い、冷却部11、12に冷却媒
体を流すことなく、前記した従来法と同様にガス供給管
4の先端部に断熱材を配設した以外は、実施例1と同様
にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物
含有量を測定した。その結果を表1に示した。
【0027】比較例2 前記図8び9に示した燃焼装置とほぼ同様であり、かつ
酸素ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも燃
焼室内方向に突出させ、またガス分散円孔を複数形成し
た分散型酸素ガス噴出ノズルを用い、実施例1と同様に
して水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物含
有量を測定した。その結果を表1に示した。
【0028】上記実施例1〜4及び比較例1〜2によ
り、ガス供給管の先端部に冷却部を配備して水素ガス及
び酸素ガスを冷却することにより、生成され流出する水
蒸気ガス中の不純物含有量が、従来の燃焼装置で得られ
る水蒸気ガスに比し、顕著に低減することが明らかであ
る。また、この点からも本発明のガス供給管の先端部の
ガス噴出ノズル域に冷却手段を配備した燃焼装置におい
て、ガス噴出ノズルの先端部の溶損が著しく抑制される
ことも分かる。
【0029】実施例5 前記図3と同様に構成された燃焼装置を用い、水素ガス
供給管35に水素ガスを2リットル/分で、酸素ガス供
給管36に酸素ガスを2リットル/分で、また不活性ガ
ス供給管39にアルゴンガスを5リットル/分で流通さ
せてガス噴出ノズル先端から流出させ、予熱ヒータ10
によりガス供給管34を950℃に加熱して燃焼室2内
で着火させ、そのまま1時間燃焼させた。この場合、水
冷筒9には15℃の水を流通させた。このようにして、
燃焼室2では水素の酸化反応(燃焼)により水蒸気ガス
を生成した。水蒸気供給管3から流出する水蒸気ガス中
の不純物量を測定した。その結果を表2に示した。ま
た、燃焼室2内の図3に示した測定点a(ノズル近傍)
及びb(火炎直上部の天板内面)で温度測定した。その
結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例6 前記図5と同様に構成された4重管のガス供給管を配備
した燃焼装置を用い、水素ガス供給管55に水素ガスを
2リットル/分で、酸素ガス供給管56に酸素ガスを2
リットル/分で、また不活性ガス供給管29及び30に
それぞれアルゴンを0.5リットル/分で流通させてガ
ス噴出ノズル先端から流出させ、実施例5と同様に予熱
ヒータ10によりガス供給管54を加熱して燃焼室2内
で着火させた。その後、予熱ヒータ10の加熱をそのま
ま継続し、水素ガスを2リットル/分で、酸素ガスを2
リットル/分で、またアルゴンガスをそれぞれ5リット
ル/分の流量に制御し1時間燃焼させた。実施例5と同
様に流出する水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その
結果を表2に示した。また、燃焼室2内の図5に示した
測定点a(ノズル近傍)及びb(火炎直上部の天板内
面)で温度測定した。その結果を表2に示した。
【0032】実施例7 着火後予熱ヒータ10の加熱を停止した以外は、実施例
6と同様に水素ガスの燃焼を行い、同様に流出水蒸気ガ
スの不純物含有量を測定し、その結果を表2に示した。
また、燃焼室2内の図5に示した測定点a及びbでの温
度測定も同様に行い、その結果を表2に示した。
【0033】比較例3 前記図8及び図9に示した従来の一般的な構造で、2重
管のガス供給管を配備し燃焼装置71を用い、水素ガス
供給管55及び酸素ガス供給管76にそれぞれ水素ガス
及び酸素ガスを流通させ、実施例5と同様に予熱ヒータ
80でガス供給管を加熱して燃焼室2内で着火させた。
その後、予熱ヒータ80の加熱をそのまま継続し、水素
ガスを2リットル/分、酸素ガスを2リットル/分の流
量に制御して1時間燃焼させた。実施例5と同様に流出
する水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その結果を表
2に示した。また、燃焼室72内の図7に示した測定点
a(ノズル近傍)及びb(火炎直上部の天板内面)で温
度測定した。その結果を表2に示した。
【0034】比較例4 前記図8及び9に示した燃焼装置とほぼ同様であり、か
つ酸素ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも
燃焼室内方向に突出させ、またガス分散円孔を複数形成
した分散型酸素ガス噴出ノズルを用い、比較例3と同様
にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物
含有量を測定した。その結果を表1に示した。また、図
8に示した燃焼室72内のノズル近傍点(a点)及び火
炎直上部の天板内面(b点)で温度測定した。その結果
を表2に示した。
【0035】上記実施例5〜7及び比較例3〜4により
明らかなように、本発明のガス供給管の水素ガス供給管
と酸素ガス供給管を隣接させることなく不活性ガス供給
管を介して3重円管や4重円管に形成して所定に配置
し、燃焼室内のガス噴出ノズル先端直後での水素ガスと
酸素ガスとの接触を抑制して所定の間隔を有して燃焼火
炎を形成させることにより、生成され流出する水蒸気ガ
ス中の不純物含有量の低減が顕著であることが分かる。
この点から本発明のガス供給管の先端部のガス噴出ノズ
ル域に冷却手段を配備した燃焼装置において、ガス噴出
ノズルの先端部の溶損が著しく抑制されることも分か
る。また、燃焼室内の温度も低下することが分かる。
【0036】次に、石英ガラスの温度による消耗(エッ
チング)の程度を検証した。この検証結果を図7に示
す。図7は石英ガラスの温度と消耗(エッチング)量の
関係を表した図であって、横軸に石英ガラスの温度を、
縦軸に石英ガラスの300℃における水素でのエッチン
グ量を1とした時の各温度でのエッチング量の比率を示
している。従来のガス噴出ノズル先端部は1000℃以
上となり、この図から明らかなように、300℃のエッ
チング量の20倍以上の石英ガラスがエッチングされ
る。ガス噴出ノズル先端部の温度を900℃以下にする
ことで、300℃のエッチング量の10倍以下に抑える
ことができ、また700℃以下にすることで、300℃
のエッチング量の5倍以下に抑えることができ、更に、
500℃以下にすることで、300℃のエッチング量と
同様のエッチング量に抑えることができる。したがっ
て、本発明では、石英ガラスよりなるガス噴出ノズル先
端部の温度を900℃以下、好ましくは700℃以下、
更に好ましくは500℃以下に冷却するのが良いことが
判明した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 高純度水蒸気製造用燃焼装置及び高純
度水蒸気製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度水蒸気製造用
燃焼装置及び高純度水蒸気製造方法に関し、特に、半導
体製造プロセスの酸化工程に使用される高純度水蒸気ガ
スを製造する燃焼装置であって、ガス噴出ノズルの溶損
を防止し、生成される水蒸気ガス中の不純物の低減を図
ると共に耐久性に優れる高純度水蒸気製造用燃焼装置及
び高純度水蒸気製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスの酸化膜形成工程に
おいて、酸化膜形成方法の一つとして、ウエハを高温水
蒸気ガスと接触させる方法がある。この酸化膜形成に使
われる水蒸気ガスは、半導体ウエハを汚染するアルカリ
金属等の不純物ができるかぎり低減された高純度なもの
が望まれ、一般に、高純度の水素ガスと酸素ガスとを接
触させ水素ガスを燃焼させて製造されている。水素ガス
の燃焼方式として、例えば特開昭56−62326号公
報に開示されるように、加熱炉内に被酸化ウエハをセッ
トし、加熱炉内に、直接、水素ガス及び酸素ガスを導入
して燃焼させ水蒸気を発生させる方式がある。しかし、
この方式は、加熱炉内温度が火炎によって左右され酸化
処理条件を一定にすることが難しいという問題点があっ
た。
【0003】上記問題を解決するため、例えば特開昭5
7−18328号公報に開示されるように、ウエハ酸化
炉とは別に外部に燃焼装置を設けて水素ガスを燃焼させ
て水蒸気をガスを生成し、得られる水蒸気ガスを炉内に
導入する方式が提案された。この外部燃焼方式で水蒸気
ガスを製造する場合は、半導体製造工程の酸化処理条件
が安定することから、現在、この方式が多く採用されて
いる。この外部燃焼方式の水素ガス燃焼装置は、通常、
例えば図8に概略構成図及び図9にそのD−D線断面に
おける端面図を拡大して示したように、燃焼室72、燃
焼室72で発生した高純度水蒸気を外部のウエハ熱処理
炉等に供給する水蒸気供給管73と水素及び酸素ガスを
供給するガス供給管74を有しており、主に石英ガラス
材を用いて構成される。燃焼室72の外周部には例えば
水冷筒等の冷却装置79が配設され、ガス供給管74の
外周部には、スタート時に供給する水素及び酸素ガスを
加熱して自然着火させるための着火用の予熱用ヒータ8
0が配設される。ガス供給管74は、2重円管からなり
中心部に水素ガス供給管75が配置され、その外周に環
状に酸素ガス供給管76が配置され、水素ガス供給管7
5及び酸素ガス供給管76には、それぞれ水素ガス導入
管77及び酸素ガス導入管78が接続される。また、ガ
ス供給管74の先端部に連続してガス噴出ノズルが配備
され、ガス供給管74の先端部の外周部には、通常、断
熱材81が配設される。水素及び酸素ガスは、予熱用ヒ
ータ80で加熱されガス噴出ノズルから燃焼室に噴出さ
れ、燃焼室内で接触し自然着火した後、水素ガスが酸化
され燃焼して水蒸気を製造する。
【0004】上記のように構成される燃焼装置は、前記
したように一般に石英ガラス材で形成されている。この
場合、特に、燃焼時の高温によりガス噴出ノズル先端が
溶損消耗したり、また、ガス噴出ノズル先端や燃焼室内
壁が結晶化し剥離、脱落して破損するという問題が生じ
ている。これらは、水蒸気を発生する燃焼装置の寿命が
短いという耐久性の問題だけでなく、生成する水蒸気ガ
ス中に上記溶損等により発生するパーティクルや石英ガ
ラス材中の不純物が混入するため、水蒸気で酸化処理す
る半導体シリコンウエハを汚染するおそれがある。この
ため、最終的にはこれらの水蒸気を用いる半導体製造工
程の半導体素子製造の歩留まりを低下させる原因ともな
る。また、最近の半導体ウエハの大口径化に伴い、水蒸
気製造量の増大が望まれているが、そのために供給ガス
量を増加することは、ガス噴出ノズル先端及び燃焼室内
をより高温とすることになり、ノズル先端の溶損等を一
層増大させることから実施は難しい。
【0005】外部燃焼方式の上記問題を解決する方法と
して、例えば特開平6−267932号公報では、酸素
ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも燃焼室
(容器)内方向に突出させると同時に、酸素ガスを広範
囲に分散させて噴出させる複数の噴出孔を形成した分散
型酸素ガス噴出ノズルを提案している。この方法は、前
記特公昭63−60528号公報等に記載の従来の外部
燃焼方式のガス供給管で一般的であった2重円管構造
(中心管に水素ガス、外周管に酸素ガスを供給)のもの
と比較し、水素ガス噴出ノズルから遠い離れた位置で、
且つ、広い範囲で酸素ガスを噴出させることで、酸素ガ
ス噴出ノズル部に太い火炎を形成させるようにしたもの
である。これにより、従来のガス噴出ノズルに比し、水
素ガス噴出ノズル先端が加熱されず、また燃焼室内温度
が高温になることも防止できる。そのため、水素及び酸
素ガスの供給量を増大させて従来より大量の高純度水蒸
気ガスが製造でき、大口径化される半導体ウエハの酸化
処理用に製造する水蒸気ガス量の増大を図るものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記提案のガス噴出ノ
ズルを改良した燃焼装置によれば、半導体製造工程の酸
化処理プロセスの安定化や大口径ウエハの処理に要する
大量の高純度水蒸気ガスの供給、燃焼装置の耐久性等の
問題が解決される。しかしながら、発明者らによれば、
燃焼室温度が低下するにも拘らず、水蒸気ガス中の不純
物含有量レベルについては、十分満足できるレベルまで
低減しないことが知見された。即ち、後記の比較例に示
すように、上記提案の燃焼装置においても、前記した従
来の2重管のガス供給管から構成されるガス噴出ノズル
と比較して、製造される水蒸気ガス中の不純物含有量は
ほとんど同程度であることが確認された。
【0007】特開平6−267932号公報提案の燃焼
装置において、水蒸気ガス中の不純物含有量が期待され
るほど低減しない理由としては、水素ガス噴出ノズル付
近は温度低下し、燃焼室(容器)の上部及び外周の温度
も低下するが、燃焼室内で最も高温となる火炎が上記の
ように酸素ガス噴出ノズル近傍に形成される結果、酸素
ガス噴出ノズル先端の温度上昇は避けられず、このため
酸素ガス噴出ノズル先端では従来と同様に石英ガラス材
が溶損し、パーティクルや石英ガラス部材中の不純物が
水蒸気ガス中に混入するためと推定される。即ち、従来
の水素ガス及び酸素ガスがほぼ同位置から噴出されて火
炎が形成されるガス噴出ノズルでは、供給ガスのガス噴
出ノズル全体の先端が溶損されるのに比し、上記提案の
ものでは水素ガス噴出ノズル先端の溶損等は防止できる
が、酸素ガス噴出ノズル先端では同様の現象が生じるた
めであると推定される。また、上記提案の燃焼装置で
は、ガス供給管先端部でガス噴出ノズルの連続する部分
外周部を、前記図8及び9で示した従来の燃焼装置と同
様に断熱材を用いて被っているため、火炎からの熱が放
出されにくく、ガス噴出ノズルの噴出部やガス供給管の
ガス噴出ノズルへの連続する部分付近の温度が高くなり
易く、ガス噴出ノズル全体が高温となり、従来と同様に
ノズル先端の溶損等が生じるためと推定される。更に、
上記断熱材としては、通常、アルミナ系やシリカ系の耐
火物が用いられ、これら断熱材が予期しない高温に晒さ
れることにもなり、断熱材中の不純物が隣接するノズル
部材に拡散する可能性もあり、そのことも不純物を,増
加させる原因になり得ると推定される。
【0008】発明者らは、先ず、上記した高純度水蒸気
製造用燃焼装置において製造され、特に、半導体製造工
程の酸化処理工程に導入する高純度水蒸気ガス中の不純
物含有量の問題に鑑み、その水蒸気ガス中の不純物含有
量の低減について検討した。例えば、ノズル構成部材を
石英ガラスから高純度合成石英ガラスとする部材を高純
度化する方法もあるが、ノズル付近の温度が上昇するこ
とによって外部から不純物が拡散するおそれもあり、ま
た、高純度合成石英ガラスを用いても高温のガス噴出ノ
ズル先端で石英ガラスがガス中に溶解して低温部で再析
出してパーティクル生成することは従来の石英ガラス部
材と同様である。このため、発明者らは、得られる水蒸
気ガス中の不純物含有量を十分に低減させるため、燃焼
装置のガス供給管及びガス噴出ノズルについてより根本
的な解決を図るべく鋭意検討した。その結果、ガス供給
管及びガス噴出ノズルの高温化を防止することにより不
純物含有量の低減が顕著となることを見出し、本発明を
完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、燃焼室
と水素ガス供給管及び酸素ガス供給管からなるガス供給
管を有する高純度水蒸気製造用燃焼装置において、該ガ
ス供給管のガス噴出ノズル先端部の溶損防御機構を具備
してなることを特徴とする水蒸気製造用燃焼装置が提供
される。
【0010】上記本発明の高純度水蒸気製造用燃焼装置
において、前記溶損防御機構が、前記ガス供給管のガス
噴出ノズル導入部に配設した放熱手段であり、その放熱
手段が、ガス供給管のガス噴出ノズル導入部の水素ガス
供給管及び酸素ガス供給管の間に介在して、冷却媒体を
流通可能に形成した石英ガラス製の冷却部であることが
好ましく、この中間に介在する冷却部に加え、更に、酸
素ガス供給管の外周部に、冷却媒体を流通可能に形成し
た石英ガラス製の冷却部を配備することが好ましい。ま
た、少なくとも前記ガス供給管のガス噴出ノズル先端部
が石英ガラスよりなり、かつ該先端部の温度を900℃
以下とする放熱手段を具備することが好ましい。また、
前記溶損防御機構が、前記ガス供給管が3重管であって
中心管から水素ガス、不活性ガス及び酸素ガスの供給管
となし、水素ガス供給管と酸素ガス供給管とが隣接する
ことなく不活性ガス供給管を介して配置し、前記ガス噴
出ノズル先端と所定の距離を有して火炎を形成させてな
ることが好ましい。更にまた、前記溶損防御機構が、前
記ガス供給管が4重管であって中心管から不活性ガス、
水素ガス、不活性ガス及び酸素ガスの供給管となし、水
素ガス供給管と酸素ガス供給管とが隣接することなく不
活性ガス供給管を介して配置し、前記ガス噴出ノズル先
端と所定の距離を有して火炎を形成させてなることが好
ましい。
【0011】また、本発明によれば、前記高純度水蒸気
製造装置用燃焼装置を用い、前記ガス供給管を加熱して
流通する水素ガス及び酸素ガスを予熱して、前記ガス噴
出ノズルから燃焼室に噴出して着火させた後、前記ガス
供給管の加熱を停止すると同時に、前記放熱手段により
放熱して水素を燃焼させて水蒸気を生成することを特徴
とする高純度水蒸気製造方法が提供される。
【0012】本発明の高純度水蒸気製造用装置は上記の
ように構成され、燃焼室に水素及び酸素を供給してそれ
ら供給ガスを接触して燃焼させるに当たり、着火後、
(1)ガス供給管のガス噴出ノズル導入部に冷却室等の
放熱手段を配備することから、燃焼室に水素及び酸素ガ
スを噴出するガス噴出ノズル導入部を冷却でき、水素燃
焼火炎で加熱されるガス噴出ノズル先端部の熱を冷却部
で放熱することができ、ガス噴出ノズル全域、特にその
先端部の高温化を防止でき、溶損が抑制される。また、
(2)ガス供給管を3重管または4重管に形成し、水素
ガスと酸素ガスの供給管を隣接せずに、その間に不活性
ガス供給管を配置することから、水素ガス及び酸素ガス
がそれぞれガス噴出ノズルから噴出された直後に接触す
ることがなく、ガス噴出ノズル先端より離れた燃焼室内
に水素燃焼火炎が形成されるため、ガス噴出ノズル先端
の加熱を防止でき、その溶損が抑制される。
【0013】また、本発明の高純度水蒸気製造方法は、
上記のように構成される高純度水蒸気製造用燃焼装置の
運転において、操作開始時にガス供給管を加熱して、水
素及び酸素ガスを予熱して着火させた後は、ガス供給管
の加熱を停止し、ガス噴出ノズル先端部に具備される冷
却部配設、火炎の隔離形成、断熱材不使用等の溶損防御
機構の作用により、燃焼火炎でガス噴出ノズル先端部が
加熱されても放熱されることから過度に高温化されるこ
とがない。このため、本発明において、これらガス噴出
ノズルの過度な高温加熱が防止され、構成材料の石英ガ
ラス材の溶損を抑制できることから、従来の燃焼装置か
らの水蒸気ガスに比し、本発明で製造される水蒸気ガス
中の不純物含有量を著しく低減することができ、特に、
半導体製造工程のウエハ酸化工程で要求される高純度水
蒸気ガスとして好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記
実施例により制限されるものでない。先ず、第1の実施
例について説明する。図1は、本発明の高純度水蒸気発
生装置に係る第1の実施例である燃焼装置の構造の概要
を示した説明図であり、図2は、図1のA部分の拡大図
である。図1及び図2において、燃焼装置1の主要部
は、燃焼室2、燃焼室2で発生した高純度水蒸気をウエ
ハ熱処理炉に供給する水蒸気供給管3、及び、燃焼室2
に燃焼原料ガスを供給するガス供給管4で構成され、こ
れらの主要部は従来と同様に石英ガラス材で形成され
る。ガス供給管4は、中心部に水素ガス供給管5が配置
され、その外周に環状に酸素ガス供給管6が配置されて
構成される。水素ガス供給管5及び酸素ガス供給管6に
は、それぞれ水素ガス導入管7及び酸素ガス導入管8が
それぞれ接続される。また、燃焼室2の外周部には例え
ば水冷筒等の冷却装置9が配設され、ガス供給管4の外
周部には着火時に、供給する水素及び酸素ガスを加熱し
て自然着火させるための予熱用ヒータ10が配設され
る。これらの構成は、前記した従来の燃焼装置とほぼ同
様である。着火後は、各ガス供給量を燃焼装置、ノズル
サイズ等の燃焼条件に応じて適宜選択制御し水素の酸化
による燃焼で、高純度水蒸気を生成することができ、水
蒸気供給管を経て所定の半導体シリコンウエハ熱処理工
程に供給する。
【0015】本発明の燃焼装置1において、図2に拡大
して示したように、石英ガラス製のガス供給管4の水素
ガス供給管5及び酸素ガス供給管6の先端部の各ガス噴
出ノズルには、それぞれ石英ガラス製の冷却部11、1
2が配備される。冷却部11、12には、それぞれ冷却
媒体供給管13、14及び冷却媒体排出管15、16を
配備し、各冷却部に水、N、Ar等の冷却媒体を供給
してノズル先端部を冷却媒体で冷却できるように構成す
る。水素ガス供給管5の先端の内周部に環状に配備する
冷却部11は、水素ガス供給管5の先端部径を細め、細
くなった外環部に冷却媒体の供給管13と排出管14を
配備して形成される。また、酸素ガス供給管6のノズル
先端部の冷却部12は、供給管6先端の外周部に環状管
を配備して形成する。図2では、水素及び酸素ガスの各
供給管の外周に、それぞれ冷却部を配備する形式を示し
たが、水素ガス供給管5と酸素ガス供給管6の間、即
ち、水素ガス供給管5の外周壁と酸素ガス供給管6の内
周壁が形成する冷却部11のみを配備して冷却部を共有
させ、各周壁を介して水素及び酸素ガスの両方を冷却す
ることもできる。このように各ガス供給管のノズル先端
部を冷却することにより、水素ガスと酸素ガスの燃焼の
際に高温化し易いノズル先端部を直接的に放熱すること
ができる。また、水素ガス供給管5の先端部径が細くな
り、水素ガスの流速を速めることができ、一方、酸素ガ
ス供給管はストレートに形成され、酸素ガスは直線状に
噴出できることから、ガス供給管のノズル先端部が過度
に加熱されることがない。このため、ノズル先端の失透
や燃焼室内の過熱を防止することができ、水素ガス燃焼
により高純度水蒸気を大量に発生させることができ、大
口径化された半導体シリコンウエハ基板への酸化膜形成
にも十分に対応することができる。なお、各冷却室の配
備方式は、特に上記に限定されるものでなく各ガス供給
管の先端部を所定に冷却できればよい。
【0016】次に、第2の実施例について説明する。図
3は、本発明の高純度水蒸気発生装置に係る第2の実施
例である燃焼装置の構造の概要を示した説明図であり、
図4は図3におけるB−B線断面での端部の拡大図であ
る。図3において、燃焼装置31はガス供給管34が3
重円管に形成される以外は、図1の燃焼装置と同様であ
る。図3において、図1と同一部材に関しては同一の符
号を付し説明を省略する。図1と異なるガス供給管34
は、中心部に水素ガス供給管35が配置され、その外周
に二重に環状管を配備し、外側に酸素ガス供給管36、
内側に不活性ガスガス供給管39を配置して構成され
る。水素ガス供給管35、酸素ガス供給管36及び不活
性ガス供給管39には、それぞれ水素ガス導入管37、
酸素ガス導入管38及び不活性ガス導入管40がそれぞ
れ接続される。図4にその断面端部を拡大して示したよ
うに、ガス供給管34の3重円管は同心円状に形成され
る。このように三重円管として、水素ガスと酸素ガスの
供給を、窒素ガス、ヘリウム、アルゴンガス等の不活性
ガスを間に介して燃焼させることから、水素ガスと酸素
ガスとがノズル先端直後で接触することなく離れた位置
で接触して燃焼火炎が形成される。このためノズル先端
部が高温になり失透して耐久性が短期化することを防止
できる。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウム、ア
ルゴンガス等が一般的である。このうち、アルゴンガス
は高純度ガスが比較的安価に得られ、熱伝導率がよく好
適である。
【0017】図5は、本発明の第2の他の実施例の燃焼
装置の構造の概要を示した説明図であり、図6は図5に
おけるC−C線断面での端部の拡大図である。図5及び
図6において、燃焼装置51は、ガス供給管54が同心
円状の4重円管に形成される以外は、図3の燃焼装置と
同様である。図5において図3と同一部材に関しては同
一の符号を付し説明を省略する。4重円管のガス供給管
54は、中心に不活性ガス供給管59を配置し、その外
周に環状に最外管から順次、酸素ガス供給管56、不活
性ガス供給管60及び水素ガス供給管55が配置され
る。不活性ガス供給管59、水素ガス供給管55、不活
性ガス供給管60及び酸素ガス供給管56には、それぞ
れ不活性ガス導入管61、水素ガス導入管57、酸素ガ
ス導入管58及び不活性ガス導入管62がそれぞれ接続
される。このようにガス供給管54を4重円管とした場
合、上記の3重円管ノズルと同様にノズル先端部より離
れた位置に火炎を形成でき、ノズル先端部の失透による
溶存を防止して耐久性を向上すると共に、中心部からの
不活性ガスの流出量を適宜選択して流出することにより
燃焼で形成される火炎の温度を制御することができ、燃
焼室の過熱をより防止することができる。
【0018】上記の第2の実施例のいずれにおいて、ガ
ス供給管34または54の外周部に配設された予熱ヒー
タ10により供給する水素及び酸素ガスを加熱して自然
着火させる場合、着火シーケンス時には、不活性ガス供
給管39、59、60への不活性ガスの供給を、流量減
少または停止して着火させ、着火後、使用する燃焼装置
の容量やノズルの大きさ等の燃焼条件に応じて、不活性
ガス流量、水素ガス及び酸素ガスの流量を所定量に適宜
選択して供給し、ノズルより流出させるのが好ましい。
また、火炎状態をフレームセンサーにより検出し、常に
安定な火炎状態を保持するように各供給ガス量を制御す
ることが好ましい。また、フレームセンサー検出するこ
とにより、火炎が消えた場合には、水素ガス及び酸素ガ
スの供給を停止し、不活性ガスのみ供給して燃焼を停止
する等の早急に対応することもできる。更に、本発明に
おいて、第2の実施例の多重円管のガス供給管の各ガス
供給管の先端部に、前記の本発明の第1の実施例と同様
に冷却部を所定に配備して各供給ガスを冷却してノズル
より流出させ、燃焼室の過熱をより一層防止することも
できる。この場合、冷却部は配備方式は制限されるもの
でなく、例えば、前記図1の方式と同様にガス供給管の
最外管は先端外周に環状円管を配備して、内管は図1に
おける水素ガス供給管5の先端部を細くする方式により
冷却部を配備させることができる。
【0019】なお、前記ガス供給管のガス噴出ノズル先
端部が石英ガラスよりなる場合には、該先端部の温度が
900℃以下となるように、冷却部を所定に配備して冷
却することが好ましい。好ましくは700℃以下、更に
好ましくは500℃以下に冷却するのが好ましい。
【0020】更に、上記本発明の高純度水蒸気製造用燃
焼装置において、装置を主に形成する石英ガラス材とし
て、その表面をフッ化水素酸処理、高温塩化水素ガス処
理またはこれらを組合わせて処理することにより、表面
から約100μmの深さの表面近傍におけるナトリウ
ム、鉄、銅、アルミニウム等の金属不純物が10ng/
g以下にして用いることが好ましく、または、燃焼装置
に供給される水素ガスや発生する水蒸気による侵食のお
それを考慮して上記金属不純物が10ng/g以下の高
バルク純度の合成石英ガラス材を用いることがより好ま
しい。これら高バルク純度の石英ガラス材を用いた高純
度水蒸気製造用燃焼装置で製造される水蒸気の上記金属
不純物の含有量は10ng/m以下となることから、
より高純度な水蒸気が要求される場合に用いることがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1 前記図1と同様に構成された燃焼装置を用い、水素ガス
供給管5に水素ガスを6リットル/分で、酸素ガス供給
管6に酸素ガスを5リットル/分で流通させてノズル先
端から流出させ、予熱ヒータ10によりガス供給管4を
950℃に加熱して燃焼室2内で着火させて、そのまま
1時間燃焼させた。この場合、それぞれ冷却部11、1
2へは、それぞれ冷却媒体供給管13、14から約15
℃の水を1リットル/分の流量で流通させて冷却媒体排
出管15、16から排出し、水素ガス供給管5及び酸素
ガス供給管6の先端部を約50℃に冷却し、同時に水冷
筒9に同様の水を流通させた。このようにして、燃焼室
2では水素の酸化反応(燃焼)により水蒸気ガスを生成
した。水蒸気供給管3から流出する水蒸気ガス中の不純
物量を測定した。その結果を表1に示した。
【0022】実施例2 実施例1と同一の燃焼装置を用い、着火後、予熱用ヒー
ター10の加熱を停止し、冷却効果をより高めた以外
は、全く同様にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガ
ス中の不純物量を測定した。その結果を表1に示した。
【0023】実施例3 実施例1と同一の燃焼装置を用い、冷却媒体をアルゴン
として、水素ガスの冷却部11及び酸素ガスの冷却部1
2へ、それぞれ冷却媒体供給管13、14を経て3リッ
トル/分の流量で流通した以外は、予熱ヒータでの加熱
を継続したことも含め全く同様にして水素燃焼を行い、
生成した水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その結果
を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例4 予熱用ヒーター10の加熱を停止し、冷却効果をより高
めた以外は、実施例3と全く同様にして水素燃焼を行
い、生成した水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その
結果を表1に示した。
【0026】比較例1 実施例1と同一装置を用い、冷却部11、12に冷却媒
体を流すことなく、前記した従来法と同様にガス供給管
4の先端部に断熱材を配設した以外は、実施例1と同様
にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物
含有量を測定した。その結果を表1に示した。
【0027】比較例2 前記図8及び9に示した燃焼装置とほぼ同様であり、か
つ酸素ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも
燃焼室内方向に突出させ、またガス分散円孔を複数形成
した分散型酸素ガス噴出ノズルを用い、実施例1と同様
にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物
含有量を測定した。その結果を表1に示した。
【0028】上記実施例1〜4及び比較例1〜2によ
り、ガス供給管の先端部に冷却部を配備して水素ガス及
び酸素ガスを冷却することにより、生成され流出する水
蒸気ガス中の不純物含有量が、従来の燃焼装置で得られ
る水蒸気ガスに比し、顕著に低減することが明らかであ
る。また、この点からも本発明のガス供給管の先端部の
ガス噴出ノズル域に冷却手段を配備した燃焼装置におい
て、ガス噴出ノズルの先端部の溶損が著しく抑制される
ことも分かる。
【0029】実施例5 前記図3と同様に構成された燃焼装置を用い、水素ガス
供給管35に水素ガスを2リットル/分で、酸素ガス供
給管36に酸素ガスを2リットル/分で、また不活性ガ
ス供給管39にアルゴンガスを5リットル/分で流通さ
せてガス噴出ノズル先端から流出させ、予熱ヒータ10
によりガス供給管34を950℃に加熱して燃焼室2内
で着火させ、そのまま1時間燃焼させた。この場合、水
冷筒9には15℃の水を流通させた。このようにして、
燃焼室2では水素の酸化反応(燃焼)により水蒸気ガス
を生成した。水蒸気供給管3から流出する水蒸気ガス中
の不純物量を測定した。その結果を表2に示した。ま
た、燃焼室2内の図3に示した測定点a(ノズル近傍)
及びb(火炎直上部の天板内面)で温度測定した。その
結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例6 前記図5と同様に構成された4重管のガス供給管を配備
した燃焼装置を用い、水素ガス供給管55に水素ガスを
2リットル/分で、酸素ガス供給管56に酸素ガスを2
リットル/分で、また不活性ガス供給管29及び30に
それぞれアルゴンを0.5リットル/分で流通させてガ
ス噴出ノズル先端から流出させ、実施例5と同様に予熱
ヒータ10によりガス供給管54を加熱して燃焼室2内
で着火させた。その後、予熱ヒータ10の加熱をそのま
ま継続し、水素ガスを2リットル/分で、酸素ガスを2
リットル/分で、またアルゴンガスをそれぞれ5リット
ル/分の流量に制御し1時間燃焼させた。実施例5と同
様に流出する水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その
結果を表2に示した。また、燃焼室2内の図5に示した
測定点a(ノズル近傍)及びb(火炎直上部の天板内
面)で温度測定した。その結果を表2に示した。
【0032】実施例7 着火後予熱ヒータ10の加熱を停止した以外は、実施例
6と同様に水素ガスの燃焼を行い、同様に流出水蒸気ガ
スの不純物含有量を測定し、その結果を表2に示した。
また、燃焼室2内の図5に示した測定点a及びbでの温
度測定も同様に行い、その結果を表2に示した。
【0033】比較例3 前記図8及び図9に示した従来の一般的な構造で、2重
管のガス供給管を配備し燃焼装置71を用い、水素ガス
供給管55及び酸素ガス供給管76にそれぞれ水素ガス
及び酸素ガスを流通させ、実施例5と同様に予熱ヒータ
80でガス供給管を加熱して燃焼室2内で着火させた。
その後、予熱ヒータ80の加熱をそのまま継続し、水素
ガスを2リットル/分、酸素ガスを2リットル/分の流
量に制御して1時間燃焼させた。実施例5と同様に流出
する水蒸気ガス中の不純物量を測定した。その結果を表
2に示した。また、燃焼室72内の図7に示した測定点
a(ノズル近傍)及びb(火炎直上部の天板内面)で温
度測定した。その結果を表2に示した。
【0034】比較例4 前記図8及び9に示した燃焼装置とほぼ同様であり、か
つ酸素ガス噴出ノズルを水素ガス噴出ノズル先端よりも
燃焼室内方向に突出させ、またガス分散円孔を複数形成
した分散型酸素ガス噴出ノズルを用い、比較例3と同様
にして水素燃焼を行い、生成した水蒸気ガス中の不純物
含有量を測定した。その結果を表1に示した。また、図
8に示した燃焼室72内のノズル近傍点(a点)及び火
炎直上部の天板内面(b点)で温度測定した。その結果
を表2に示した。
【0035】上記実施例5〜7及び比較例3〜4により
明らかなように、本発明のガス供給管の水素ガス供給管
と酸素ガス供給管を隣接させることなく不活性ガス供給
管を介して3重円管や4重円管に形成して所定に配置
し、燃焼室内のガス噴出ノズル先端直後での水素ガスと
酸素ガスとの接触を抑制して所定の間隔を有して燃焼火
炎を形成させることにより、生成され流出する水蒸気ガ
ス中の不純物含有量の低減が顕著であることが分かる。
この点から本発明のガス供給管の先端部のガス噴出ノズ
ル域に冷却手段を配備した燃焼装置において、ガス噴出
ノズルの先端部の溶損が著しく抑制されることも分か
る。また、燃焼室内の温度も低下することが分かる。
【0036】次に、石英ガラスの温度による消耗(エッ
チング)の程度を検証した。この検証結果を図7に示
す。図7は石英ガラスの温度と消耗(エッチング)量の
関係を表した図であって、横軸に石英ガラスの温度を、
縦軸に石英ガラスの300℃における水素でのエッチン
グ量を1とした時の各温度でのエッチング量の比率を示
している。従来のガス噴出ノズル先端部は1000℃以
上となり、この図から明らかなように、300℃のエッ
チング量の20倍以上の石英ガラスがエッチングされ
る。ガス噴出ノズル先端部の温度を900℃以下にする
ことで、300℃のエッチング量の10倍以下に抑える
ことができ、また700℃以下にすることで、300℃
のエッチング量の5倍以下に抑えることができ、更に、
500℃以下にすることで、300℃のエッチング量と
同様のエッチング量に抑えることができる。したがっ
て、本発明では、石英ガラスよりなるガス噴出ノズル先
端部の温度を900℃以下、好ましくは700℃以下、
更に好ましくは500℃以下に冷却するのが良いことが
判明した。
【0037】
【発明の効果】本発明の高純度水蒸気製造用燃焼装置
は、主にガス噴出ノズル先端部の溶損の防御機構を配備
したことにより、従来の燃焼装置で製造した水蒸気ガス
中に含有されるアルカリ金属等の不純物の含有量が著し
く低減された水蒸気ガスを製造できる。ガス噴出ノズル
先端部の溶損が抑制されると共に、燃焼室内の温度も低
下することから燃焼装置全体の耐久性も向上し、安定し
て高純度水蒸気ガスを製造できる。従って、特に、微量
の不純物汚染も問題となる半導体製造工程の熱酸化処理
工程等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の高純度水蒸気製造用燃
焼装置の概略構成説明図
【図2】図1のA部の拡大説明図
【図3】本発明の第2の実施例の高純度水蒸気製造用燃
焼装置の概略構成説明図
【図4】図3のB−B線断面の拡大端面図
【図5】本発明の第3の実施例の高純度水蒸気製造用燃
焼装置の概略構成説明図
【図6】図5のC−C線断面の拡大端面図
【図7】石英ガラスの温度と消耗(エッチング)量の関
係を表した図
【図8】従来の高純度水蒸気製造用燃焼装置の概略構成
説明図
【図9】図8のD−D線断面の拡大端面図
【符号の説明】 1、31、51、71 水蒸気製造燃焼装置 2、72 燃焼室 3、73 水蒸気供給管 4、34、54、74 ガス供給管 5、35、55、75 水素ガス供給管 6、36、56、76 酸素ガス供給管 7、37、57、77 水素ガス導入管 8、38、58、78 酸素ガス導入管 39、59、60 不活性ガス供給管 40、62、61 不活性ガス導入管 9、79 水冷筒 10、80 予熱用ヒータ 11 水素ガス供給管冷却部 12 酸素ガス供給管冷却部 13、14 冷却媒体供給管 15、16 冷却媒体排出管 81 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生野 浩人 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 長峯 義展 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 藤本 昌憲 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 東芝 セラミックス株式会社内 (72)発明者 冨田 寛 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 笠井 良夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 永井 圭希 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25−1 東 芝マイクロエレクトロニクス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室と水素ガス供給管及び酸素ガス供
    給管からなるガス供給管を有する高純度水蒸気製造用燃
    焼装置において、該ガス供給管のガス噴出ノズル先端部
    の溶損防御機構を具備してなることを特徴とする水蒸気
    製造用燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記溶損防御機構が、前記ガス供給管の
    ガス噴出ノズル導入部に配設した放熱手段である請求項
    1記載の高純度水蒸気製造用燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記放熱手段が、前記ガス供給管のガス
    噴出ノズル導入部の水素ガス供給管及び酸素ガス供給管
    の間に介在して、冷却媒体を流通可能に形成した石英ガ
    ラス製の冷却部である請求項2記載の高純度水蒸気製造
    用燃焼装置。
  4. 【請求項4】 更に、酸素ガス供給管の外周部に、冷却
    媒体を流通可能に形成した石英ガラス製の冷却部を配備
    してなる請求項3記載の高純度水蒸気製造用燃焼装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも、前記ガス供給管のガス噴出
    ノズル先端部が石英ガラスよりなり、かつ該先端部の温
    度を900℃以下とする放熱手段を具備することを特徴
    とする請求項2〜4のいずれか記載の高純度水蒸気製造
    用燃焼装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項2〜5のいずれか記載の高純
    度水蒸気製造用燃焼装置において、前記ガス供給管を加
    熱して流通する水素ガス及び酸素ガスを予熱して、前記
    ガス噴出ノズルから燃焼室に噴出して着火させた後、前
    記ガス供給管の加熱を停止すると同時に、前記放熱手段
    により放熱して水素を燃焼させて水蒸気を生成すること
    を特徴とする高純度水蒸気製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶損防御機構が、前記ガス供給管が
    3重管であって中心から水素ガス、不活性ガス及び酸素
    ガスの供給管となし、水素ガス供給管と酸素ガス供給管
    とが隣接することなく不活性ガス供給管を介して配置
    し、前記ガス噴出ノズル先端と所定の距離を有して火炎
    を形成させてなる請求項1記載の高純度水蒸気製造用燃
    焼装置。
  8. 【請求項8】 前記溶損防御機構が、前記ガス供給管が
    4重管であって中心から不活性ガス、水素ガス、不活性
    ガス及び酸素ガスの供給管となし、水素ガス供給管と酸
    素ガス供給管とが隣接することなく不活性ガス供給管を
    介して配置し、前記ガス噴出ノズル先端と所定の距離を
    有して火炎を形成させてなる請求項1記載の高純度水蒸
    気製造用燃焼装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項6または7記載の高純度水蒸
    気製造用燃焼装置において、前記ガス供給管を加熱して
    流通する水素ガス及び酸素ガスを予熱して、前記ガス噴
    出ノズルから燃焼室に噴出して着火させた後、前記ガス
    供給管の加熱を停止すると同時に、前記放熱手段により
    放熱して水素を燃焼させて水蒸気を生成することを特徴
    とする高純度水蒸気製造方法。
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