JPH10272367A - 空気浄化材及びその製造方法 - Google Patents
空気浄化材及びその製造方法Info
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- JPH10272367A JPH10272367A JP9083103A JP8310397A JPH10272367A JP H10272367 A JPH10272367 A JP H10272367A JP 9083103 A JP9083103 A JP 9083103A JP 8310397 A JP8310397 A JP 8310397A JP H10272367 A JPH10272367 A JP H10272367A
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Abstract
きく確保しながら、そのまま平板状の空気浄化材として
使用することができる又は容易に平板状に加工できる空
気浄化材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレ
ン中に、大気中の窒素酸化物又は硫黄酸化物を酸化する
触媒粉末等の活性微粒子を分散させた空気浄化材で、活
性微粒子は前記延伸ポリテトラフルオロエチレンの構成
マトリックスにより保持されている。活性微粒子及びポ
リテトラフルオロエチレン粉末を成形助剤とともに混合
してペースト化し、該ペーストを圧縮して平板状に成形
し、該ペースト成形体から成形助剤を除去した後、延伸
することにより製造する。
Description
作用等により大気中に存在する大気汚染物質を除去する
ために使用される空気浄化材及びその製造方法に関す
る。さらに詳しく述べると、大気中の窒素酸化物又は硫
黄酸化物を酸化分解したり吸着させたりするために使用
される活性微粒子を均一に分散させた平板状の空気浄化
材及びその製造方法に関する。
硫黄酸化物を除去するために触媒作用等をする粉末状の
活性微粒子を利用した空気浄化材について研究されてい
る。このような空気浄化材は、道路、トンネル、建築物
等の構造物の側壁等に使用することを目的とするものが
多く、反応効率の向上のみならず施工や取扱いの便宜か
ら、これら活性微粒子を2次元方向に均一に分散させた
平板状の空気浄化材として開発することが望まれてい
る。
特開平6-315614号に、二酸化チタン又は二酸化チタンと
活性炭との混合物を主成分とする触媒粉末を、接着剤を
用いてシート材又はパネル材の表面に付着固定させて構
成した空気浄化材(図4)や合成樹脂をバインダーとし
てシート又はパネルに成形した空気浄化材(図5)が開
示されている。これらの空気浄化材の開発は、いずれも
平板状のものとすることを意図して行われているが、触
媒粉末の固定方法において異なる。前者の図4に示す空
気浄化材では、合成樹脂製のパネル又はシート11の表
面に接着剤を塗布した後、触媒粉末を振りかける等して
触媒粉末をパネル又はシート表面に付着固定させて平板
状のものにしようとするものである。この場合、触媒粉
末の粒子13は接着剤層12中になかば埋もれた状態で
固定される。後者の図5に示す空気浄化材では、触媒粉
末13とバインダー14としての合成樹脂とを混合し、
圧延により平板状に加工するものである。この場合、触
媒粉末の粒子13はバインダー14中になかば埋没した
状態となる。
活性微粒子を用いた空気浄化材の開発においては、活性
微粒子と大気との接触面積をいかに大きく確保できるか
がその性能を決定する。また、工事現場での施工や取扱
いの便宜から、一般に平板状の空気浄化材が望まれる。
ここに、空気浄化材に固定された活性微粒子の大気側へ
の開放面積をいかに大きくするかという課題と、該活性
微粒子をいかにして平板状に固定又は成形するかという
課題とを同時に解決する必要がある。
活性微粒子13を固定化材たる接着剤層12中に埋没さ
せることになるため、該粒子の大気側開放面積はかなり
制約されることになる。また、前記図5に示す空気浄化
材では、平板状に加工するための圧延の過程でバインダ
ー樹脂14中に活性微粒子13を埋没させることとな
り、実質的にはシート11の表面近くに存在する粒子し
か機能させえない。このように、活性微粒子を用いた空
気浄化材の開発においては、活性微粒子の固定後の開放
表面積を大きく確保すると同時に、該活性微粒子を平板
状に分散させ固定させるという2つの技術的課題を解決
しなければならない。これら2つの課題を解決すること
は一般に困難であるという問題が存在する。
ものであって、その目的とするところは、活性微粒子の
大気側開放面積を従来よりも大きく確保しながら、その
まま平板状の空気浄化材として使用することができる又
は容易に平板状に加工できる空気浄化材を提供すること
及びその製造方法を提供することにある。
活性微粒子が多孔質のいわゆる延伸ポリテトラフルオロ
エチレン中に分散せしめられたものである。個々の活性
微粒子は、該多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレン
の構成マトリクスにより保持されている。ここで、多孔
質の延伸ポリテトラフルオロエチレンの構成マトリクス
とは、多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレンを構成
しているノード(結節)及びフィブリル(小繊維)をい
い、活性微粒子はノード及び/又はフィブリルによって
区画されることにより形成された微小空隙(孔)内に封
じ込められるように保持されるとともに、個々の微粒子
は隔離された状態にある。ノードとフィブリルはいずれ
もポリテトラフルオロエチレンからなり、両者の違いは
ポリテトラフルオロエチレン分子の凝集状態又は結晶状
態の違いによると考えられている。通常、ノードは微小
な結晶リボンで相互に連結されたポリテトラフルオロエ
チレン1次粒子の凝集体であり、フィブリルはこれら1
次粒子から引き出され伸びきった結晶リボンの束からな
ると考えられている。
又は硫黄酸化物を酸化する触媒粉末、特に、二酸化チタ
ン又は二酸化チタンと活性炭との混合物が主成分である
ものが好ましい。
性微粒子及びポリテトラフルオロエチレン粉末を成形助
剤とともに混合してペースト成形体とし、該ペースト成
形体から該成形助剤を除去した後、延伸することを特徴
とする。
ルオロエチレン粉末を成形助剤とともに混合してペース
ト化し、該ペーストをダイを経て押出すことによりシー
ト状成形体とし、該シート状成形体から該成形助剤を蒸
発させて除去した後、該乾燥シート状成形体を延伸する
ことにより、多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレン
のシート又はフィルムとする。あるいは、活性微粒子を
ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョンに混合
し、該混合物から活性微粒子及びポリテトラフルオロエ
チレンを凝集させて水媒体から分離し、該凝集物に成形
助剤を混合してペースト化し、該ペーストをダイを経て
押出すことによりシート状成形体とし、該シート状成形
体から該成形助剤を蒸発させて除去した後、該乾燥シー
ト状成形体を延伸することにより、多孔質の延伸ポリテ
トラフルオロエチレンのシート又はフィルムとする。
造される活性微粒子が分散した多孔質の延伸ポリテトラ
フルオロエチレンは、本発明の目的を達成するために、
通常、シート又はフィルムのような平板状の形態に最終
的に仕上げられる。その結果、製造された活性微粒子が
分散した多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレンのシ
ート又はフィルムをそのまま空気浄化材として構造物の
壁面に張り付けて使用できるほか、いったん支持パネル
等の平板状の支持体の表面に接着等で固定した空気浄化
材パネルとして使用することもできる。
て説明する。本発明に用いる活性微粒子は、大気中に存
在する低濃度の窒素酸化物や硫黄酸化物を除去するため
に使用される粉末状のものであれば、原則、すべて用い
ることができるが、本発明の製法の性質上、水や成形助
剤と反応したり変質しないものであることが望ましい。
そのような典型的な活性微粒子の例としては、窒素酸化
物を酸化する効果がある二酸化チタン又は二酸化チタン
と活性炭との混合物を挙げることができる。二酸化チタ
ン又はそれと活性炭との混合物は、太陽光を受けること
により活性化し、大気中の窒素酸化物を酸化して硝酸に
変え、該硝酸を洗浄除去することにより再活性化すると
されている。
上記二酸化チタン又は二酸化チタンと活性炭の混合物の
ほか、窒素酸化物や硫黄酸化物に対して触媒作用等があ
り、水や成形助剤と反応したり変質しないものである限
り、どのような化学的成分のものであってもよい。ま
た、本発明に用いる多孔質の延伸ポリテトラフルオロエ
チレンの構造的特質から、活性微粒子の粒径にはおのず
と制限が生じ、適正な範囲が存在する。活性微粒子は、
通常、2次粒子として肉眼で観察されるが、本発明にお
いては0.01〜5.0 μmの範囲の粒子径のものが適用可能
である。適用可能範囲は、多孔質の延伸ポリテトラフル
オロエチレンの構造又はその孔の大きさ(通常、これを
孔径と称している)との関係において相対的に定まるも
のである。粒子が大きすぎると延伸ポリテトラフルオロ
エチレンの製造、特に延伸工程において、粒子は欠陥と
して作用し、材料の破断の原因となり、望みの倍率に延
伸することができない。逆に、粒子が孔径に比べあまり
に小さいと、多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレン
からの活性微粒子の抜け落ちが起こる。多孔質の延伸ポ
リテトラフルオロエチレンの平均的な孔径は0.1 〜2 μ
mの範囲にあるとすることができるから、活性微粒子の
さらに好ましい粒径は上記適用可能範囲のうち0.05〜3.
0 μmの範囲である。
染で特に問題となる窒素酸化物や硫黄酸化物を効率よく
酸化除去できる光触媒が好ましく用いられる。具体的な
例としては、二酸化チタン粉末や酸化亜鉛粉末などを挙
げることができる。なかでも二酸化チタン粉末は、太陽
光の照射により活性化し、表面に生じる酸化活性種によ
って窒素酸化物を酸化して硝酸とするので、あとは生成
した硝酸を雨水等の水で洗い流すことができ、硝酸を洗
浄除去した後は、再び光触媒としての機能を回復するの
で、繰返し使用することができる。さらに、二酸化チタ
ンを活性炭等の吸着剤とともに用いると、生成した硝酸
を吸着剤が優先的に吸着保持することから、硝酸が洗い
流される前であっても二酸化チタンの効能を長期間にわ
たって維持できるという効果がある。また、二酸化チタ
ン単独で用いた場合、窒素酸化物を酸化分解する過程で
亜硝酸が一部脱離するので、活性炭粉末のような吸着剤
を二酸化チタンとともに用いることは、この亜硝酸の脱
離を抑制できる点からも好ましい。さらに、光触媒作用
を高めるために、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化カル
シウムなどの助触媒を添加してもよい。
粒子を混合したポリテトラフルオロエチレン粉末を使用
して、特公昭51−18991号公報に開示の延伸ポリ
テトラフルオロエチレンの製法を適用することにある。
ここで、本発明に適用される公知の延伸ポリテトラフル
オロエチレンの製法の概要を以下に説明する。
ンパウダー(一次粒子の集合体である二次粒子からなる
固体粉末)に所定量の液状の成形助剤が添加され、成形
助剤がファインパウダー全体に均一に分布するようにブ
レンダー等を用いて混合される。成形助剤が混合された
ファインパウダーはしっとりとしたいわゆるペースト状
態になる。該ペーストは圧縮等により成形が可能とな
り、押出機に適用しやすいようにシリンダー形状に予備
的に成形された後、押出機のダイを経て押出される。次
いで、該押出物を成形助剤の沸点以上の温度に加熱する
などして、押出物から成形助剤を蒸発させ、押出成形物
を乾燥させる。乾燥後の押出成形物は、ポリテトラフル
オロエチレンの融点以下の温度で延伸機により、少なく
とも10%/秒以上の速度で、通常、もとの材料寸法の
2倍から数倍の寸法に延伸される。この延伸により前述
した多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレンの基本マ
トリクス構造が形作られる。延伸の後は、通常、延伸状
態を維持したまま延伸物をポリテトラフルオロエチレン
の融点以上の温度に加熱してから室温まで冷却される。
この熱処理により延伸によって生じた延伸ポリテトラフ
ルオロエチレンの構造が固定化又は安定化される。
質の延伸ポリテトラフルオロエチレンの製法がそのまま
適用される。異なるのは、前述のポリテトラフルオロエ
チレンと所定の活性微粒子とを予め混合し、これを原料
として使用する点である。すなわち、本発明において
は、活性微粒子をポリテトラフルオロエチレンのディス
パージョン(水媒体分散物)の状態において又はディス
パージョンから凝集分離して乾燥したファインパウダー
の状態において予め機械的に混合することにより、活性
微粒子を混合したポリテトラフルオロエチレンを原料と
して使用する。活性微粒子はポリテトラフルオロエチレ
ンのディスパージョン状態において混合された後、通常
の方法により凝集分離され乾燥されたファインパウダー
を原料として使用したり、又は、ポリテトラフルオロエ
チレンの固体粉末状態において活性微粒子が混合された
ファインパウダーを原料として使用する。また、後者に
おける活性微粒子と固体ポリテトラフルオロエチレンフ
ァインパウダーとの混合は、成形助剤の投入前又は投入
時のいずれにおいて行なってもよい。
対し最大50重量%まで可能である。それ以上の混合比
にしても延伸は可能であるが、延伸時において延伸物に
ピンホールの発生がみられるので、製品として用いるに
は望ましくない。通常は、1〜30重量%の範囲が好ま
しく用いられ、さらに好ましくは5〜20重量%の範囲
が用いられる。
ット、ホワイトオイル、ソルベントナフサ等の液状の成
形助剤(液状潤滑剤)はすべて適用することができる。
成形助剤の混合比は、活性微粒子とポリテトラフルオロ
エチレンとの混合物中のポリテトラフルオロエチレンに
対し15〜20重量%の範囲が好ましいが、より好まし
くは、17〜19重量%の範囲である。
ンは、結晶化度が95%以上であるものが好ましく、さ
らには98%以上のものがより好ましく使用される。こ
れらは、一般に、ファインパウダーという呼称でグレー
ド分けされ販売されているものである。また、このファ
インパウダーを水性媒体から凝集分離する前のディスパ
ージョンという呼称で販売されているポリテトラフルオ
ロエチレン乳濁液も原料として使用できることは前述し
た通りである。
質の延伸ポリテトラフルオロエチレンを製造する方法
は、以下に述べる通りである。前述した通り、前記活性
微粒子をポリテトラフルオロエチレンへ混合する方法に
は、次の2つがある。第1の方法は、ポリテトラフルオ
ロエチレンのディスパージョン状態で混合する方法であ
り、第2の方法はポリテトラフルオロエチレンの固体粉
末状態で混合する方法である。活性微粒子の分散を均一
にする観点からは、第1の方法の方が好ましい。
フルオロエチレンの液状分散液であるディスパージョン
に直接投入してもよいが、水媒体やアルコール等の有機
媒体に活性微粒子を機械的な撹袢で分散させて投入する
方が投入を連続的に行うのに好都合である。投入時及び
投入後においても、ディスパージョンのゆるやかな撹袢
(層流状態の撹袢)は欠かすことができない。撹袢をゆ
るやかにするのは、シェア付加によるポリテトラフルオ
ロエチレンの繊維化をできるだけ避けるためである。投
入は、通常、室温で行ってもよいが、最高でも40℃以
下、ポリテトラフルオロエチレンの繊維化を避けるため
できるだけポリテトラフルオロエチレンの転移温度(1
9℃)以下の低温で行うのが好ましい。投入後撹袢を続
けると、次第に固形部分(ポリテトラフルオロエチレン
と活性微粒子の混合物)が水媒体から分離し、通常、水
媒体上に浮き上がる。水媒体の透明化を指標に撹袢の終
期とするが、通常、1〜2時間以上の凝集時間を必要と
する。分離した固形部分は、湿潤状態のまま次工程に用
いてもよいし、乾燥して次工程に用いてもよい。乾燥す
る場合は、50〜250℃の温度範囲で乾燥し、乾燥
後、固形部分は、0℃以下の低温、通常、−10〜5℃
の温度に冷却し、冷却状態で穏やかに粉砕する。
フルオロエチレンの固体粉末状態において機械的に撹袢
混合される。機械的な混合は、シェア付加によるポリテ
トラフルオロエチレンの繊維化をできるだけ避けるた
め、ポリテトラフルオロエチレンの室温転移点以下の温
度、具体的には19℃以下の低温で行うのがよい。混合
後、冷却状態で10メッシュのふるいを通過する程度に
まで穏やかに粉砕する。
により得られた活性微粒子を混合したポリテトラフルオ
ロエチレンの粉末に、前記の液状の成形助剤が混合され
る。この場合も、混合の過程でシェア付加によるポリテ
トラフルオロエチレンの繊維化をできるだけ避けるた
め、混合は19℃以下の低温で行うのが好ましい。成形
助剤の混合によりペースト化した活性微粒子混合ポリテ
トラフルオロエチレンは、押出機のシリンダー形状に予
備的に押し固め成形した後に、押出機に挿入しダイを経
て押出される。押出は、室温以上の温度、通常、50℃
付近の温度で行う。押出物はカレンダーによる圧延等に
より所定の厚み、形状等に修正した後に、ポリテトラフ
ルオロエチレンの分解温度(約400℃)を超えない温
度において、少なくとも10%/秒以上の速度で延伸す
る。好ましくは、300℃付近の温度で延伸する。本発
明の目的から、延伸は、通常、実質的に2軸方向に行な
い、活性微粒子分散延伸ポリテトラフルオロエチレンの
フィルム又はシートとして製造する。
点以上の温度に加熱した後、冷却するという焼成処理
は、必ずしも必須の工程ではないが、延伸ポリテトラフ
ルオロエチレンの寸法安定性を高めるためには、行うこ
とが好ましい。前記焼成処理は、具体的には次のように
して行う。延伸終了後の緊張状態を保った状態で、ポリ
テトラフルオロエチレンの融点(345℃)以上の温
度、好ましくは350〜370℃の範囲の温度に加熱
し、数秒間から数分間(具体的には、1秒〜30分の範
囲)保持した後に、室温にまで冷却される。この焼成処
理により、ノードからのフィブリルの解け出しが阻止さ
れ、延伸ポリテトラフルオロエチレンのノード/フィブ
リル構造が固定化される。
トリクス構造は、延伸条件(原料ポリテトラフルオロエ
チレンの種類、延伸方向、延伸温度、延伸速度、延伸倍
率、等)によって視覚的に異なった様相を呈する。1軸
方向に延伸すると、図1(a)に示すようにフィブリル
1は1方向に配向したすだれ状になり、フィブリル1を
繋ぐノード2は延伸方向に直角に細長い島(ポリテトラ
フルオロエチレン1次粒子の集合したものと考えられて
いる)として観察される。一方、2軸方向に延伸する
と、図1(b)に示すようにフィブリル1はノード2を
中心として放射状に広がり、ノード2は島状というより
むしろ粒子(ポリテトラフルオロエチレン1次粒子と考
えられている)として観察される。また、延伸倍率を大
きくすると、一般にフィブリル1は長くなり、相対的に
ノード2は小さくなり、空孔の割合が増大する。いずれ
においても、このマトリクスを構成しているフィブリル
及びノードはいずれもポリテトラフルオロエチレンから
なる。
チレンにおける多数の空孔3は、フィブリル1とノード
2とによって空間が画された空間として存在し、互いに
一体となって繋がっている。空孔3は延伸ポリテトラフ
ルオロエチレンの一側の表面(表面)から他側の表面
(裏面)まで達しており、この結果、活性微粒子分散延
伸ポリテトラフルオロエチレンにおいても優れた空気透
過性が維持されている。
チレンの空孔3の大きさは、延伸倍率により適宜選択さ
れるが、バブルポイント法(ASTM F−316)で
測定した最大孔径で0.01〜50μm程度が好まし
く、更に0.05〜15μm程度が好ましい。最大孔径
が0.01μm未満であると、後述の補強材を積層する
場合にアンカー効果による接着や融着が困難になり、最
大孔径が50μmを超えると十分な積層強度が得らず、
また活性微粒子の固定が不十分となるからである。
トリックスに活性微粒子が分散された活性微粒子分散延
伸ポリテトラフルオロエチレンの微細構造(この構造は
通常走査型電子顕微鏡により観察される)は、概念的に
図2に示すように、延伸ポリテトラフルオロエチレンマ
トリックス、すなわち延伸ポリテトラフルオロエチレン
に特有の構造であるノード/フィブリルによって画され
た空間(空孔)に保持された活性微粒子とからなる。図
2は、2軸延伸した延伸ポリテトラフルオロエチレン中
に活性微粒子4が取り込まれた状態を示す概念図であ
る。活性微粒子は、上記延伸ポリテトラフルオロエチレ
ン構造において、1個又は数個の粒子群となってその空
孔3に保持されており、活性微粒子間又は活性微粒子群
間は互いにフィブリル1とノード2とによって隔離され
た状態にある。活性微粒子4は、あたかもフィブリル1
に取り込まれた形で固定、保持されるとともに、ノード
2やフィブリル1によって隔離されている。この結果、
活性微粒子4は、大気に大きく露出した状態で固定され
ることになり、空気と大きな接触面積を確保し維持でき
るようになる。よって、活性微粒子4の開放表面積は、
合成樹脂バインダー又は接着剤で埋没固定される場合と
比較して、著しく増大することになる。なお、これら
は、図1(a)に示す一軸延伸により製造される場合で
あっても、同様である。
延伸ポリテトラフルオロエチレンは、連続多孔質構造に
起因する優れた空気透過性を示し、ポリテトラフルオロ
エチレン特有の優れた特性も兼ね備えている。すなわ
ち、化学的安定性、耐熱性、撥水性にも優れ、紫外線に
対する耐久性又は耐候性もあり、空気による酸化劣化も
なく、したがって光触媒粉末による強い酸化作用にもま
ったく影響を受けない。すなわち、長期間にわたって太
陽光や外気に晒されても、劣化や腐食が進みにくく、空
気浄化材としてきわめて優れた性質を有している。
延伸ポリテトラフルオロエチレンの形態としては、シー
ト又はフィルムのような平板状のものとして製造するこ
とが好ましい。特に、そのままの形態で直接空気浄化材
として使用しても、適当な補強材と積層して空気浄化材
として使用してもよい。適当な補強材と積層して空気浄
化材として使用することが特に好ましい。
特に限定されるものではないが、浄化材としての使用の
便宜上、少なくとも300mm以上、好ましくは100
0mm以上とするのがよい。フィルム幅が300mm未
満の場合、コストが割高になり、最終的に得られる浄化
材の幅も300mm以下に制限されるため、構造物の側
壁に取り付ける際の施工性が低下するからである。厚み
は、ダイヤルゲージで測定した平均厚み(テクロック社
製1/1000mmダイヤルシックネスゲージで、本体
バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した)でいう
と、好ましくは3〜300μmの範囲、更に好ましいも
のは20〜100μmである。厚さ3μm未満では空気
浄化材としての加工や運搬に十分な機械的耐久性が得ら
れず、また補強材との積層加工も困難になる。一方、厚
さ300μm超過では、剛直性が増して生産性が悪くな
り、材料費も高くなるため、コスト面で妥当でない。
ポリテトラフルオロエチレンのシート又はフィルムは、
そのまま構造物の壁面等に張り付ける空気浄化材として
直接的に使用してもよいし、いったん支持材の表面に張
り付けられた空気浄化材のパネルとして間接的に使用し
てもよい。また、活性微粒子分散延伸ポリテトラフルオ
ロエチレンのシート又はフィルムを波状に折り曲げた
り、丸めて使用することもよい。また、シート又はフィ
ルムの一面に適当な補強材や別な機能を有する材料、例
えば吸音材等を張り合わせた積層体として使用すること
も好ましい使用の1つである。
しいが、必ずしもそれに限定されず、金属、樹脂、セラ
ミックスいずれの材質の補強材も使用することができ
る。樹脂の補強材の場合、樹脂の種類は特に限定されな
いが、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の不織布、織
物、編物、ネット、フィルムなどを一般に使用すること
ができる。
ラフルオロエチレンの多孔質構造が、いわゆるアンカー
効果による接着又は融着による固定を可能にする。ポリ
テトラフルオロエチレンは一般に他の物質との親和性が
なく、接着剤による接着性に劣るが、活性微粒子分散延
伸ポリテトラフルオロエチレンは多孔質構造を有してい
るので、接着又は融着においては、接着剤や融解樹脂を
活性微粒子分散延伸ポリテトラフルオロエチレンの空孔
部分に入り込ませ、そのまま硬化させることによって、
十分な強度をもって補強材に積層固定させることができ
る。以上述べたことは、補強材の代わりに、吸音材等の
他の機能を有する支持材と積層する場合においても同じ
である。
層した活性微粒子分散延伸ポリテトラフルオロエチレン
フィルム又はシートを、そのまま空気浄化材として構造
物の壁面に張り付けるなどして直接空気浄化材として使
用してもよいが、平板状の支持パネル等の支持材に積層
固定するなどした空気浄化材として使用してもよいこと
は前述した通りである。さらに、活性微粒子分散延伸ポ
リテトラフルオロエチレンフィルム又は該フィルムの積
層体を空気浄化材として構造物の壁面等に張り付けても
よい。
護材とともに取り付けられた高速道路用の空気浄化パネ
ルの例を示している。吸音材を収納するためのステンレ
ス製ハウジング7内にグラスウールからなる吸音材8が
充填されており、前記吸音材8の上面を覆うように、本
発明に係る空気浄化材9が取り付けられ、さらにこれら
を保護するためにステンレスメッシュの保護材10が設
けられている。この場合、保護材10は、道路側となる
ように設置され、空気浄化材9等を飛来物から保護する
役割を果たすほか、雨水を透過させて、活性微粒子とし
て二酸化チタンを使用した場合に酸化分解により生じる
硝酸を浄化材表面から洗い流し、浄化機能の回復と維持
に貢献する。このような構成の空気浄化パネルは、大気
汚染物質の除去とともに騒音の軽減という機能を同時に
発揮しうる。また、この場合、本発明の空気浄化材は吸
音材の防水カバーとしての役割も同時に果たしている。
説明する。 実施例1 ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーは、三井
・デュポンフロロケミカル株式会社のディスパージョン
「テフロン」(登録商標)を使用した。活性微粒子は、
石原産業株式会社製の二酸化チタンを使用した。ディス
パージョン100重量部に対して、二酸化チタンを15
重量部混合した後、撹袢による通常の方法で触媒とポリ
テトラフルオロエチレンとの混合物を凝集分離し、これ
をオーブン中で乾燥した後、10メッシュ以下の粒子に
粉砕した。次に、成形助剤として出光石油化学株式会社
の「スーパーゾル」を18.5重量部添加混合した後、
押出機のシリンダー形状に圧縮予備成形をし、次いでこ
れを成形助剤を含んだままダイを経て押出して押出物を
得た。該押出物は圧延によって厚さ0.36mm、幅1
50mmのテープ状にした。次に、該テープ状の成形体
を約200℃のオーブン中で加熱し、成形助剤を蒸発除
去した。その後、300℃付近の温度で150%/秒の
速度で幅方向に700%延伸し、続いて360℃で数分
程度、焼成処理した。これにより、白色の二酸化チタン
が分散した延伸ポリテトラフルオロエチレンのフィルム
(実施例1の空気浄化材)を得た。得られたフィルムの
厚みは、テクロック社製1/1000mmダイヤルシッ
クネスゲージで、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状
態で測定したところ、58μmであった。フィルムの空
孔の最大孔径は、ASTM F−316に基づいて測定
したところ、0.5μmであった。
トラフルオロエチレンフィルムとポリエチレンフィルム
とをヒートロールで融着させて積層一体化させた空気浄
化材(実施例2)を作成した。補強材として用いたポリ
エチレンフィルムは、石島化学工業株式会社のポリエチ
レンフィルム(厚さ35μm)である。積層一体化は、
まず実施例1で製造した二酸化チタン分散延伸ポリテト
ラフルオロエチレンフィルムとポリエチレンフィルムと
を重ね合わせ、両者をヒートロールでニップさせること
によりポリエチレンを融解させて融着した。この際、融
けたポリエチレンフィルムがヒートロールに付着するの
を防ぐため、延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルム
をヒートロール側に、ポリエチレンフィルム側をニップ
ロール側に配置した。また、ヒートロールの温度は17
0℃、ニップ圧力7Kg/cm2 、加工速度5m/mi
nの条件で行なった。
株式会社のポリテトラフルオロエチレンファインパウダ
ー100重量部に、石原産業株式会社製の二酸化チタン
を50重量部及び成形助剤20重量部を実施例1と同様
にして混合、ペースト化した後、実施例1と同様にして
圧縮予備成形し、次いで成形助剤を含んだままダイを通
過させて押出し物を得た。該押出し物を250℃で加熱
乾燥して成形助剤を除去して、厚さ1mmの二酸化チタン
分散ポリテトラフルオロエチレンシート(比較例に係る
空気浄化材)を得た。
気浄化材、並びに比較例で作成した空気浄化材をそれぞ
れ1m×1mのステンレス製のパネルに固定し、このパ
ネルを自動車道路脇に、空気浄化材が南向きになるよう
に設置した。このパネルの前面(自動車道路側の面)を
紫外線を透過するガラスで覆い、空気ポンプにより、シ
ートとガラスの間の空間に毎分20リットルの空気を送
り込んだ。NOx濃度を晴天の日の午後1時に測定した
ところ、NOx濃度は1.9ppmだった。次に、浄化
材を通過した後の空気中のNOx濃度を測定した。実施
例1及び2の空気浄化材を通過した空気のNOx濃度は
いずれも0.01ppmであり、比較例の空気浄化材を
用いたパネルを通過した空気中のNOx濃度は0.2p
pmだった。
並びに比較例の空気浄化材の音響透過損失を測定した。
いずれも空気浄化材の一側から80dBのノイズを発生
させ、空気浄化材の他側における音圧レベルを無響音室
内で測定した。その結果、周波数1000Hzでの音圧
の減衰レベルは、実施例1で0.5dB、実施例2で8
dB、比較例で30dBであった。減衰レベルが小さい
ということは、音を反射しにくいこと、すなわち、音を
透過しやすく、図3の例に示すように吸音材の前面にカ
バーとして使用した場合、音が空気浄化材により反射さ
れて吸音材に届かなくなり、吸音材の吸音性能が低下す
るという現象を起こしにくいことを示している。
能を有する活性微粒子は、ノード/フィブリル構造を有
する連続多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレン中に
分散され保持されており、その大気に開放された表面積
は非常に大きい状態にある。そのため、本発明の空気浄
化材は、従来の合成樹脂バインダーを用いる方法や接着
剤を使用して固定する方法のものに比べ、浄化機能がか
ってないほどに高められる。
ポリテトラフルオロエチレンはシート又はフィルムとし
て容易に製造することができるから、均一に分散させに
くい活性微粒子であっても、容易にそれを均一に分散さ
せた平板状の空気浄化材として製造することができる。
その結果、本発明の空気浄化材に係る活性微粒子分散延
伸ポリテトラフルオロエチレンシート又はフィルムは、
そのまま構造物の壁面に張り付けて使用する空気浄化材
として使用することができるほか、いったん支持材に張
り付けた空気浄化材としてから構造物の壁面に張り付け
て使用することもできる。この際、活性微粒子分散延伸
ポリテトラフルオロエチレンのシート又はフィルムに補
強材を裏打ちすることにより、空気浄化材としての強度
を高めることもできる。
が太陽光を受けることにより活性化する光触媒である場
合は、太陽光が延伸ポリテトラフルオロエチレンの構造
内部にまで入るので、内部の触媒粉末もその活性機能を
維持することができ、回復することもでき、いつまでも
優れた空気浄化機能を発揮する。
を保持しているマトリックスたるノード及びフィブリル
はポリテトラフルオロエチレンからなるので、本質的に
ポリテトラフルオロエチレンの耐薬品性、耐紫外線性、
耐酸化性、耐熱性などの優れた性質を有している。
延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルム又はシート中
に保持され、且つ活性微粒子の表面積が広く空気中に解
放された本発明の空気浄化材を容易に製造することがで
きる。また、本発明の製造方法によれば、シートの幅、
空孔率、空孔の大きさ、フィルムの強度を容易に調整す
ることができる。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの微細構造(電子
顕微鏡観察)を説明するための概念図である。
在する多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレンフィル
ムの微細構造を説明するための概念図である。
す断面図である。
模式図である。
模式図である。
ィルム 10 保護材
Claims (8)
- 【請求項1】 多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレ
ン中に、活性微粒子を分散させたことを特徴とする空気
浄化材。 - 【請求項2】 前記活性微粒子が、前記延伸ポリテトラ
フルオロエチレンの構成マトリクスにより保持されてい
る請求項1に記載の空気浄化材。 - 【請求項3】 前記活性微粒子が、大気中の窒素酸化物
又は硫黄酸化物を酸化する触媒粉末である請求項1又は
2に記載の空気浄化材。 - 【請求項4】 前記活性微粒子が、二酸化チタン又は二
酸化チタンと活性炭との混合物を主成分とする請求項1
又は2に記載の空気浄化材。 - 【請求項5】 形態が、平板状である請求項1〜4に記
載のいずれかの空気浄化材。 - 【請求項6】 活性微粒子及びポリテトラフルオロエチ
レン粉末を成形助剤とともに混合してペースト成形体と
し、 該ペースト成形体から該成形助剤を除去した後、延伸す
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空
気浄化材の製造方法。 - 【請求項7】 活性微粒子及びポリテトラフルオロエチ
レン粉末を成形助剤とともに混合してペースト化し、 該ペーストをダイを経て押出すことによりシート状成形
体とし、 該シート状成形体から該成形助剤を蒸発させて除去した
後、 該乾燥シート状成形体を延伸することにより、多孔質の
延伸ポリテトラフルオロエチレンのシート又はフィルム
とすることを特徴とする請求項1〜5に記載のいずれか
の空気浄化材の製造方法。 - 【請求項8】 活性微粒子をポリテトラフルオロエチレ
ンのディスパージョンに混合し、 該混合物から活性微粒子及びポリテトラフルオロエチレ
ンを凝集させて水媒体から分離し、 該凝集物に成形助剤を混合してペースト化し、 該ペーストをダイを経て押出すことによりシート状成形
体とし、 該シート状成形体から該成形助剤を蒸発させて除去した
後、 該乾燥シート状成形体を延伸することにより、多孔質の
延伸ポリテトラフルオロエチレンのシート又はフィルム
とすることを特徴とする請求項1〜5に記載のいずれか
の空気浄化材を製造する方法。
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|---|---|---|---|
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