JPH10272542A - 銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法 - Google Patents

銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法

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JPH10272542A
JPH10272542A JP8045197A JP8045197A JPH10272542A JP H10272542 A JPH10272542 A JP H10272542A JP 8045197 A JP8045197 A JP 8045197A JP 8045197 A JP8045197 A JP 8045197A JP H10272542 A JPH10272542 A JP H10272542A
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淳治 相羽
Munenori Uchida
宗範 内田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ベリリウム銅合金の連続鋳造に際し、該合
金中に、BeOの生成を促進する薬剤を添加して、連鋳鋳
型内で発生するドロス中のBeOの比率〔{BeO/(BeO
+CuO)}×100 (%)〕を99%以上とする。 【効果】発生ドロスを無害化して、該ドロスに起因した
鋳造欠陥を格段に軽減することができ、鋳造作業の簡便
化および歩留りの向上に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銅合金の連続鋳造に
おけるドロスの改質方法に関し、特に鋳造工程で発生す
るドロスを無害化することにより、鋳造時にドロスを巻
き込んだ場合であっても、その巻き込みに起因した鋳造
欠陥を効果的に軽減しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】銅合金を連続鋳造する際、鋳型内で発生
したドロスが巻き込まれると、連鋳片に深刻な鋳造欠陥
が発生する。すなわち、鋳造時にドロス巻き込みが生じ
た鋳片を、そのまま圧延に供した場合には、表面欠陥と
なり、製品品質が劣化するだけでなく歩留りの大幅な低
下を招く。
【0003】従って、かようなドロス巻き込みが生じた
場合には、連鋳片の表面に付着したドロスを除去する必
要がある。しかしながら、このドロスは鋳片内部までか
なり深く浸透しているため、その除去に際しては、かな
り深くまで研削しなければならず、かような煩雑な除去
工程に加え、歩留りの低下が余儀なくされる。
【0004】そこで、従来から、上記の問題を解決する
ために、以下に述べるような種々の対策が講じられてい
る。すなわち、ドロスの生成そのものを抑制する方法と
して、溶解を不活性雰囲気中で行う方法や脱酸剤を使用
する方法が提案されているが、雰囲気溶解法は大がかり
な装置を必要とする不利があり、また脱酸剤を使用する
方法はコストが嵩むという問題があった。また、鋳造方
案に工夫を加えてドロスの巻き込みを抑制する方法も提
案されているが、この方法では、完全にドロスの巻き込
みを防止することは難しく、防止効果にばらつきが大き
いところに問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、ドロスの改質を図ることに
より、格別の雰囲気制御を行う必要なく大気中で溶解す
ることができ、またたとえ巻き込みが生じたとしてもそ
の除去が極めて簡単な、銅合金の連続鋳造におけるドロ
スの改質方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、この発明の解明経
緯について説明する。さて、発明者らは、銅合金の連続
鋳造に関し、多方面からの検討を試みたところ、特にベ
リリウム銅合金の鋳造において、白っぽいドロスが生成
した場合にはドロスの有害作用が有利に回避されること
の知見を得た。そこで、この白色ドロスの成分について
調べたところ、酸化ベリリウム(BeO)であることが判
明した。一方、従来の黒色ドロスはCuOを主体とするも
のであった。従って、鋳造時に生成するドロスにつき、
その成分中のBeO比を高めてやればドロス巻き込みに起
因した問題を解決できるわけである。
【0007】そこで、次に、ドロス中のBeO量を増大す
る方法について検討したところ、合金溶湯中においてBe
2Cの量が多い場合に、ドロス中のBeO比が高まることが
見出された。なお、上記の実験の過程で、CaやZrも、Be
2Cと同様、BeOの生成促進剤として作用し、ドロス中の
BeO比を高める機能があることが判明した。
【0008】さらに、通常の銅合金とりわけ易酸化性銅
合金の鋳造の際にも、該合金中に、Beと、BeOの生成促
進剤であるBe2Cなどを複合添加して、ドロス中のBeO比
を高めてやれば、ドロスの有害作用が効果的に軽減され
ことも併せて見出した。この発明は、上記の知見に立脚
するものである。
【0009】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 1.ベリリウム銅合金の連続鋳造に際し、該合金中に、
BeOの生成を促進する薬剤を添加して、連鋳鋳型内で発
生するドロス中のBeOの比率〔{BeO/(BeO+Cu
O)}×100 (%)〕を99%以上とすることを特徴とす
る銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法。 2.上記1において、BeOの生成促進剤として、Beカー
バイト、CaおよびZrのうちから選んだ少なくとも一種
を、連鋳鋳型内の湯面近傍における濃度がそれぞれ、Be
カーバイト:2〜100 ppm 、Ca:2〜500 ppm 、Zr:10
0 〜500 ppm となる範囲で添加することを特徴とする銅
合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法。
【0010】3.易酸化性銅合金の連続鋳造に際し、該
合金中に、BeとBeOの生成を促進する薬剤とを添加し
て、連鋳鋳型内で発生するドロス中のBeOの比率〔{Be
O/( BeO+CuO)}×100 (%)〕を99%以上とす
ることを特徴とする銅合金の連 続鋳造におけるドロス
の改質方法。 4.上記3において、BeOの生成促進剤として、Beカー
バイト、CaおよびZrのうちから選んだ少なくとも一種を
添加するものとし、Beとこれら生成促進剤とを、連鋳鋳
型内の湯面近傍における濃度がそれぞれ、Be:0.1 〜0.
3 wt%、Beカーバイト:2〜100 ppm 、Ca:2〜500 pp
m 、Zr:100 〜500 ppm となる範囲で添加することを特
徴とする銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明は、ドロス中のBeO比を
高めることによってドロスの有害作用を軽減するもので
あるが、ドロス中のBeOの比率すなわち{BeO/(BeO
+CuO)}×100 (%)の値が99%に満たないと十分な
軽減効果が得られないので、ドロス中のBeOの比率につ
いては99%以上とすることが肝要である。なお、この発
明に従い、ドロス中のBeO比を高めることによってドロ
スの有害作用が軽減される理由については、まだ明確に
解明されたわけではないが、Beが優先的に酸化すること
によって、有害な欠陥のもとになるCuOの生成が抑制さ
れることによるものと考えられる。
【0012】次に、BeOの生成促進剤であるカーバイト
やCa,Zrの添加時期については特に制限はなく、鋳込み
前のレードル中でも、タンディッシュ中でも、さらには
鋳型内の溶湯中でも何処でもよく、要は、鋳型内の湯面
近傍における濃度が所定の範囲を満足しておけば良いの
である。
【0013】この発明において、BeOの生成促進剤であ
るカーバイトやCa,Zrの鋳型内湯面近傍における適正濃
度を、上記の範囲に限定した理由は次のとおりである。 Beカーバイト:2〜100 ppm Beカーバイトとは、主に上記したBe2Cであるが、かかる
Beカーバイトの鋳型内湯面近傍における濃度が2ppm に
満たないとBeOの生成促進効果が小さく、一方100 ppm
を超えると鋳塊に残存したBeカーバイトがフクレの原因
となり、また合金特性上悪い影響が大きいので、Beカー
バイトの添加量は鋳型内湯面近傍で2〜100 ppm の範囲
を満足する量とする必要がある。
【0014】Ca:2〜500 ppm 、Zr:100 〜500 ppm CaやZrも、Beカーバイトと同様、BeOの生成促進剤とし
て有効に寄与するが、それぞれ鋳型内湯面近傍における
濃度がCaで2ppm 、Zrで 100 ppmに満たないとその添加
効果が小さくてBeOの比率を99%以上にすることができ
ず、一方CaおよびZrとも 500 ppmを超えると不純物元素
として合金特性に悪影響を及ぼすので、CaおよびZrの添
加量はそれぞれ、鋳型内湯面近傍でCa:2〜500 ppm 、
Zr:100〜500 ppm となる量に限定した。なお、CaはCa
−Cuの形で、またZrはZr地金またはZr−Cuの形で添加す
ることが有利である。
【0015】ここに、この発明で対象とするベリリウム
銅合金とは、従来公知のもの全てが包含され、かような
ベリリウム銅合金に上記したBeOの生成促進剤を適量添
加して、ドロス中のBeOの比率を99%以上にすることに
より、ドロスの有害作用を効果的に軽減することができ
る。また、易酸化性銅合金とは、上記したベリリウム銅
合金の他、Cr−Cu, Zr−CuおよびTi−Cu等を指すが、こ
れらの易酸化性銅合金には、上記したBeOの生成促進剤
の他(Zr−Cuについてはこの生成促進剤の添加を省略し
ても良い)、適量のBeを併せて含有させる必要がある。
【0016】Be:0.1 〜0.3 wt% 銅合金が、Beを含まない易酸化性銅合金の場合には、ド
ロス中のBeO量を高めるべく、BeOの生成促進剤と共に
Beを別途に添加する必要がある。ここに、適正Be量も、
鋳型内湯面近傍における濃度で規定され、その量が 0.1
wt%に満たないと満足いくほどBeO比を高めることがで
きず、一方 0.3wt%を超えると合金特性に悪影響を与え
るので、Be添加量は鋳型内湯面近傍で 0.1〜0.3wt%を
満足する範囲に限定した。なお、Beは、Be−Cuの形で添
加することが好ましい。
【0017】
【実施例】
実施例1 Be:0.4 wt%およびNi:2wt%を含有し、残部は実質的
にCuの組成になるベリリウム銅合金の連続鋳造に際し、
表1に示す位置で所定のBeO生成促進剤を溶湯中に添加
し、鋳型内湯面近傍における濃度を表1に示す値に調整
しつつ、鋳造を行った。上記の鋳造において発生したド
ロスの色、ドロス中のBeO/CuO比およびドロスに起因
した鋳造欠陥について調査した結果を、表1に併記す
る。なお、ドロスに起因した鋳造欠陥については、鋳塊
外観目視(3段階評価 ○:欠陥なし、△:軽度の欠陥
あり、×:重度の欠陥あり)および後工程でこのドロス
欠陥を除去するのに要した表面切削量(mm)で評価し
た。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、この発明に従
い、BeO生成促進剤を適正量添加してドロス中のBeOの
比率を99%以上とした場合にはいずれも、従来に比べ
て、鋳造欠陥の発生が格段に軽減されている。
【0020】実施例2 表2に示す種々の組成になる銅合金を連続鋳造するに際
し、表2に示す位置で所定量のBe−CuとBeO生成促進剤
をそれぞれ溶湯中に添加し、鋳型内湯面近傍における濃
度を表2に示す値に調整しつつ、鋳造を行った。上記の
鋳造において発生したドロスの色、ドロス中のBeO/Cu
O比およびドロスに起因した鋳造欠陥について調査した
結果を、表2に併記する。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、この発明に従
い、BeとBeO生成促進剤を適正量添加してドロス中のBe
Oの比率を99%以上とした場合にはいずれも、鋳造欠陥
の発生が大幅に軽減されている。
【0023】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、従来、ベ
リリウム銅合金さらには易酸化性銅合金の連続鋳造に際
して懸念された、発生ドロスに起因した鋳造欠陥を格段
に軽減することができ、鋳造作業の簡便化および歩留り
の向上に偉効を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベリリウム銅合金の連続鋳造に際し、該合
    金中に、BeOの生成を促進する薬剤を添加して、連鋳鋳
    型内で発生するドロス中のBeOの比率〔{BeO/(BeO
    +CuO)}×100 (%)〕を99%以上とすることを特徴
    とする銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、BeOの生成促進剤とし
    て、Beカーバイト、CaおよびZrのうちから選んだ少なく
    とも一種を、連鋳鋳型内の湯面近傍における濃度がそれ
    ぞれ、Beカーバイト:2〜100 ppm 、Ca:2〜500 ppm
    、Zr:100 〜500ppm となる範囲で添加することを特徴
    とする銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方法。
  3. 【請求項3】易酸化性銅合金の連続鋳造に際し、該合金
    中に、BeとBeOの生成を促進する薬剤とを添加して、連
    鋳鋳型内で発生するドロス中のBeOの比率〔{BeO/
    (BeO+CuO)}×100 (%)〕を99%以上とすること
    を特徴とする銅合金の連続鋳造におけるドロスの改質方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3において、BeOの生成促進剤とし
    て、Beカーバイト、CaおよびZrのうちから選んだ少なく
    とも一種を添加するものとし、Beとこれら生成促進剤と
    を、連鋳鋳型内の湯面近傍における濃度がそれぞれ、B
    e:0.1 〜0.3 wt%、Beカーバイト:2〜100 ppm 、C
    a:2〜500 ppm 、Zr:100 〜500 ppm となる範囲で添
    加することを特徴とする銅合金の連続鋳造におけるドロ
    スの改質方法。
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