JPH10272727A - 部分メッキ製品及びその製造方法 - Google Patents

部分メッキ製品及びその製造方法

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JPH10272727A
JPH10272727A JP8019797A JP8019797A JPH10272727A JP H10272727 A JPH10272727 A JP H10272727A JP 8019797 A JP8019797 A JP 8019797A JP 8019797 A JP8019797 A JP 8019797A JP H10272727 A JPH10272727 A JP H10272727A
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layer
weight
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plating
resin
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JP8019797A
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English (en)
Inventor
Manabu Nomura
学 野村
Kaoru Wada
薫 和田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキの密着強度が著しく高く、かつメッキ
密着強度のバラツキが少ない上、良好な耐衝撃性を有す
る部分メッキ製品を提供すること。 【解決手段】(A)(a)ポリプロピレン系樹脂40〜
85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及び/
又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭素
数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量部、
(c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害防止
剤0〜2.0重量部、(e)酸化防止剤0〜2.0重量部及
び場合により(f)極性付与剤0.01〜5重量部を含有
する樹脂組成物からなる層と、(B)この(A)層への
メッキ処理に対して実質上非メッキ性のポリプロピレン
系樹脂含有層とを有し、かつ前記(A)層にメッキ処理
を施してなる部分メッキ製品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部分メッキ製品及び
その製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、メ
ッキの密着強度が著しく高く、かつメッキ密着強度のバ
ラツキが少ない上、良好な耐衝撃性を有し、特に自動車
部品に好適に用いられる部分メッキ製品、及びこれを安
価に、かつ効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品においては、外装部品
を中心に、樹脂製品にメッキ処理を施した部品が多く使
用されている。そして、その材料としては、主としてA
BS樹脂,ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ,ポリ
フェニレンエーテル/ポリスチレンアロイなどの非晶性
樹脂が用いられている。一方、メッキ処理が施されてい
ない部品には、成形性,物性,コストなどの面から、主
としてポリプロピレン系樹脂が用いられている。従来よ
り、メッキ部品にも、コストや成形性などの面から、ポ
リプロピレン系樹脂を用いたいとの要望が強かったが、
ポリプロピレン系樹脂では、メッキの密着性が弱く、使
用できないのが実状であった。また、薄い製品や成形時
の流動距離の長い製品では、これらの樹脂は流動性が低
いために、高圧,高速による金型への充填が必要であ
り、この場合、内部のドメインが配向し、メッキ性が場
所により著しく低くなり、その結果、メッキ強度のバラ
ツキが生じるなどの問題が指摘されていた。さらに、メ
ッキした製品は衝撃強さが著しく低下するのを免れない
ため、自動車が衝突した場合に、鋭利な破断面(シャー
プエッジ)ができやすく、近年、安全性の問題から、危
険であることが指摘され始めた。このようなメッキ製品
の衝撃強さが低下する問題の対策として、両面メッキで
はなく、必要な面のみメッキを行う片面メッキ処理が提
案されている。この片面メッキ処理により、実際に衝撃
強度の大幅な低下を防止しうることが確認されている。
しかしながら、片面メッキ処理の場合、メッキ処理時
に、メッキを行わない面をマスキングする必要があるた
め、工程が煩雑化するとともに、コストが大幅に上昇す
るのを免れず、実際には片面メッキ処理を実施しにくい
のが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、メッキの密着強度が著しく高く、かつメッキ
密着強度のバラツキが少ない上、良好な耐衝撃性を有
し、特に自動車部品に好適に用いられる部分メッキ製品
を、安価にかつ工業的にも有利に提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する部分メッキ製品を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、(A)ポリプロピレン系樹脂を主成分
とする特定の組成の樹脂組成物からなるメッキ可能な層
と、(B)非メッキ性のポリプロピレン系樹脂含有層と
を有する二層成形品を用い、その(A)層にメッキ処理
を施すことにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、(1)(A)(a)ポリプロ
ピレン系樹脂40〜85重量部に対し、(b)熱可塑性
エラストマー及び/又はメタロセン系触媒を用いて得ら
れたエチレン/炭素数3以上のα−オレフィン共重合体
0〜40重量部、(c)酸可溶無機粉体5〜40重量
部、(d)銅害防止剤0〜2.0重量部及び(e)酸化防
止剤0〜2.0重量部を含有する樹脂組成物からなる層
と、(B)この(A)層へのメッキ処理に対して実質上
非メッキ性のポリプロピレン系樹脂含有層とを有し、か
つ前記(A)層にメッキ処理を施したことを特徴とする
部分メッキ製品(以下、部分メッキ製品Iと称す。)、
及び(2)(A')(a)ポリプロピレン系樹脂40〜8
5重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及び/又
はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭素数
3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量部、
(c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害防止
剤0〜2.0重量部、(e)酸化防止剤0〜2.0重量部及
び(f)極性付与剤0.01〜5重量部を含有する樹脂組
成物からなる層と、(B')この(A')層へのメッキ処理
に対して実質上非メッキ性のポリプロピレン系樹脂含有
層とを有し、かつ前記(A')層にメッキ処理を施したこ
とを特徴とする部分メッキ製品(以下、部分メッキ製品
IIと称す。)、を提供するものである。
【0005】また、前記(1)の部分メッキ製品Iは、
(1)に記載された(A)層と(B)層とを有する二層
成形品に対し、エッチング工程,極性付与工程,触媒担
持工程,無電解銅メッキ又は無電解ニッケルメッキ工
程,及び電気メッキ工程を順次施すか、又はエッチング
工程,極性付与工程,触媒担持工程,及び電気メッキ工
程を順次施してメッキ処理することにより、製造するこ
とかできる。さらに、前記(2)の部分メッキ製品II
は、(2)に記載された(A')層と(B')層とを有する
二層成形品に対し、エッチング工程,触媒担持工程,無
電解銅メッキ又は無電解ニッケルメッキ工程,及び電気
メッキ工程を順次施すか、又はエッチング工程,触媒担
持工程,及び電気メッキ工程を順次施してメッキ処理す
ることにより、製造することかできる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の部分メッキ製品I及びII
において、それぞれ(A)及び(A')層に用いられる
(a)成分のポリプロピレン系樹脂としては特に制限は
なく、様々なものを使用することができる。例えば結晶
性を有するアイソタクチックプロピレン重合体,エチレ
ン単位の含有量の少ないプロピレン−エチレンランダム
共重合体,プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチ
レン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体、さらには前記プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体における各ホモ部又
は共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィン
を共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレ
ン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。これら
ポリプロピレン系樹脂の中で、特にメルトインデックス
(MI:230℃,2.16kgf)が3〜60g/10
分の範囲にあり、かつエチレン単位の含有量が5重量%
以上のプロピレン−エチレンブロック又はランダム共重
合体が特に好適である。このMIが3g/10分未満で
は成形性が不充分となるおそれあり、一方60g/10
分を超えると耐衝撃性が低下する傾向が見られる。また
エチレン単位の含有量が5重量%未満では満足する耐衝
撃強さが得られにくい。耐衝撃強さなどの面から、この
エチレン単位含有量は、特に8〜20重量%の範囲が好
ましい。この(A)成分のポリプロピレン系樹脂は一種
用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
【0007】また、本発明の部分メッキ製品I,IIにお
ける(A),(A')層には、所望により(b)成分とし
て、熱可塑性エラストマー及び/又はメタロセン系触媒
を用いて得られたエチレン/炭素数3以上のα−オレフ
ィン共重合体を含有させることができる。この(b)成
分のうちの熱可塑性エラストマーとしては、特に制限は
なく、従来公知のものを用いることができる。このよう
なものとしては、例えばポリスルフィドゴム,チオコー
ルゴム,アクリルゴム,ウレタンゴム,エピクロロヒド
リンゴム,塩素化ゴム,スチレン−ブチルアクリレート
ゴム、あるいはエチレン−メチルメタクリレート−グリ
シジルメタクリレート共重合体ゴム,エチレン−メチル
メタクリレート−無水マレイン酸共重合体ゴム等のエチ
レン−極性ビニルモノマー共重合体ゴム、天然ゴム,ポ
リブタジエン,ポリイソプレン,ポリイソブチレン,ネ
オプレン,シリコーンゴム,スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体ゴム(SBR),スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(SBS),水素添加スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEB
S),スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI
R),スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS),水素添加スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SEPS),エチレンプロピレン
ゴム(EPR),エチレンプロピレンジエンゴム(EP
DM),エチレンブチレンゴム(EBM)など、及びこ
れらを変性したゴムなどが挙げられる。これらの中で、
特にEPR,EPDM,EBM,SEBS及びSEPS
が好適である。これらの熱可塑性エラストマーは一種用
いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
【0008】一方、(b)成分のうちのメタロセン系触
媒を用いて得られたエチレン/炭素数3以上のα−オレ
フィン共重合体としては、シングルサイト触媒であるメ
タロセン系触媒及びアルミノキサンなどの助触媒の存在
下に、エチレンと、炭素数3以上のα−オレフィン、例
えばプロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン
−1,オクテン−1,デセン−1,ドデセン−1などの
少なくとも一種とを共重合させて得られたものを挙げる
ことができる。これらの中で、α−オレフィンの炭素数
が4〜10、密度が0.850〜0.910g/cm3 、好
ましくは0.850〜0.890g/cm3 の範囲にあるエ
チレン−α−オレフィン共重合体が特に好適である。こ
のようなエチレン−α−オレフィン共重合体は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定での
分子量分布を表す重量平均分子量/数平均分子量(Mw
/Mn)比が、通常1.8〜3.0、好ましくは2.0〜2.5
であって、コモノマー分岐数が1000炭素中、通常2
0個以上、好ましくは35個以上である。また、ヘキサ
ン可溶分の含有量H(重量%)が、通常、式 logH≦30.9−34.3d 〔d=密度(g/cm3 )〕 を満足するとともに、メルトインデックス(MI)が、
通常0.1〜50g/10分(190℃,2.16kgf)
の範囲にあり、ショアA硬度が75〜95程度、ショア
D硬度が25〜45程度である。
【0009】このような性状を有するエチレン−α−オ
レフィン共重合体は、(a)成分のポリプロピレン系樹
脂との相溶性が高い。また、低温脆化温度が約−70℃
以下であり、ガラス転移温度も−45℃以下であって、
これより高い温度であれば、硬度や耐衝撃性などの物性
変化が小さく、低温用途に最適な温度特性を有してい
る。さらに、メッキ性を向上させる効果も有している。
このメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭素
数3以上のα−オレフィン共重合体は一種用いてもよ
く、二種以上を組合せて用いてもよい。また、このもの
一種以上と前記熱可塑性エラストマー一種以上とを組合
わせて用いてもよい。さらに、(c)成分の酸可溶無機
粉体としては、特に制限はなく、従来プラスチックの無
機フィラーとして用いられているものの中から、酸可溶
性のものを適宜選択して用いることができる。このよう
なものとしては、例えば炭酸カルシウム,炭酸マグネシ
ウム,水酸化マグネシウム,塩基性マグネシウムオキシ
サルフェートなどの粉体が挙げられる。この酸可溶無機
粉体の形状については特に制限はないが、平均粒子径0.
05〜20μm程度のものが好ましい。
【0010】これらの中で、炭酸カルシウム、特にBE
T比表面が20000〜150000cm2 /gの範囲
にある炭酸カルシウムが好ましい。このBET比表面積
が20000cm2 /g未満では耐衝撃性が低下するお
それがあり、また150000cm2 /gを超えると分
散不良が生じ、メッキ外観が悪くなる傾向が見られる。
耐衝撃性及び分散性などの面から、特に好ましいBET
比表面積は、35000〜120000cm2 /gの範
囲である。炭酸カルシウムとしては特に制限はなく、沈
降性炭酸カルシウム,重質炭酸カルシウム,軽質炭酸カ
ルシウムなど、いずれも用いることができる。この酸可
溶無機粉体は、一種用いてもよく、二種以上を組合せて
用いてもよい。
【0011】本発明の部分メッキ製品I,IIにおける
(A),(A')層には、所望により(d)成分として銅
害防止剤を、(e)成分として酸化防止剤を含有させる
ことができる。ここで、(d)成分の銅害防止剤として
は、特に制限はなく、従来公知のもの、例えばシュウ酸
誘導体,サリチル酸誘導体,ヒドラジン誘導体などが用
いられる。具体的には、3-(N-サリチロイル)アミノ-
1,2,4-トリアゾール、デカメチレンカルボン酸ジサリチ
ロイルヒドラジド、N,N-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフ
タル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)、
N-ホルミル-N'-サリシロイルヒドラジン、2,2-オキザミ
ドビス-[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロオキ
シフェニル)プロピオネート]、オキザリル−ビス−ベ
ンジリデン−ヒドラジドなどが挙げられる。この(d)
成分の銅害防止剤は一種用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0012】また、(e)成分の酸化防止剤としては、
特に制限はなく、従来公知のもの、例えばフェノール
系,リン系,硫黄系のものなどが用いられる。ここで、
フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール,n−オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート,ペンタエリスリチル−テトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕,2−t−ブチル−6−(3
−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート,2−〔1−(2−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチ
ル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレー
ト,トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕,1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕,3,9−ビス〔1,1−ジ−メチル
−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン,1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン,トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート,トリス(4−t−
ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0013】また、リン系酸化防止剤としては、例えば
トリス(ノニルフェニル)フォスファイト,トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト,
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジ−フォスファイト,ビス(2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
−ジ−フォスファイト,ビス(2,4,6−トリ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスフ
ァイト,メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルフォスファイト,テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ
−フォスフォナイト,テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
−ジ−フォスフォナイトなどが挙げられる。
【0014】さらに、硫黄系酸化防止剤としては、例え
ば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチ
オジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネー
ト,グリセリントリブチルチオプロピオネート、グリセ
リントリオクチルチオプロピオネート、グリセリントリ
ラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリ
ルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリブチ
ルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリオク
チルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリラ
ウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリ
ステアリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトール
テトラブチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトラオクチルチオプロピオネート、ペンタエリスリ
トールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラステアリルチオプロピオネートなどが
挙げられる。この(e)成分の酸化防止剤は一種用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】次に、本発明の部分メッキ製品IIにおける
(A')層に用いられる(f)成分の極性付与剤は、後述
のメッキ処理時における極性付与工程を省き、操作を簡
略化するためのものである。この極性付与剤としては、
+の極性を付与しうるものであればよく、特に制限はな
いが、例えばカチオン系帯電防止剤やカチオン系界面活
性剤を好ましく挙げることができる。このカチオン系帯
電防止剤やカチオン系界面活性剤としては、従来公知の
もの、例えばアミン塩や四級アンモニウム塩などを用い
ることができる。前記アミン塩としては、一級,二級及
び三級の高級アルキルアミン類を酸で中和することによ
り得ることのできる脂肪族アミン塩を挙げることができ
る。また、四級アンモニウム塩としては、芳香族四級ア
ンモニウム塩,脂肪族四級アンモニウム塩,複素環四級
アンモニウム塩などを挙げることができる。この芳香族
四級アンモニウム塩の例としては、ベンザルコニウム
塩,硫化ベンゼトニウム塩などを挙げることができ、脂
肪族四級アンモニウム塩の例としては、アルキルトリメ
チルアンモニウム塩,ジアルキルジメチルアンモニウム
塩,アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などを挙
げることができる。また、複素環四級アンモニウム塩と
しては、アルキルピリジニウム塩,イミダゾリニウム
塩,アルキルイソキノリニウム塩,ジアルキルモルホリ
ニウム塩などが挙げることができる。さらには、これら
以外にも、前記四級アンモニウム塩としては、四級アン
モニウムクロライド,四級アンモニウムサルフェート,
四級アンモニウムニトレートなどを挙げることができ
る。これらの中で、メッキ付着性の向上効果に優れる点
から、脂肪族四級アンモニウム塩が好適である。この
(f)成分の極性付与剤は一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0016】次に、本発明の部分メッキ製品Iの(A)
層における各成分の含有割合は、(a)成分40〜85
重量部に対し、(b)成分が0〜40重量部、(c)成
分が5〜40重量部、(d)成分が0〜2.0重量部及び
(e)成分が0〜2.0重量部の範囲である。
【0017】(a)成分の含有割合が、前記範囲より少
ないと成形性に劣り、前記範囲より多いとメッキ性が低
下する。また、(b)成分を含有させることにより、耐
衝撃性が付与されるが、その含有割合が40重量部を超
えると成形性が低下する。(b)成分を含有させる場
合、その割合は、耐衝撃性及び成形性などの面から、
(a)成分40〜85重量部に対し、5〜40重量部、
特に、10〜35重量部の範囲が好ましい。また、
(c)成分の含有割合が5重量部未満ではメッキの密着
強度が不足し、40重量部を超えると成形性が低下す
る。メッキの密着強度及び成形性などの面から、この
(c)成分の好まし含有割合は、(a)成分40〜85
重量部に対し、10〜30重量部の範囲である。さら
に、(d)成分を含有させることにより銅害が防止され
るが、その含有割合が2.0重量部を超えるとその量の割
には効果の向上がみられず、むしろブリードが激しくな
る。この銅害防止剤を含有させる場合は、その割合は効
果の点から(a)成分40〜85重量部に対し、0.01
〜2.0重量部の範囲が好ましい。
【0018】この銅害防止剤は、後述のメッキ処理にお
いて、無電解銅メッキ処理を施す場合に、含有させるの
が特に有利である。また、(e)成分を含有させること
により、酸化防止効果が発揮されるが、その含有割合が
2.0重量部を超えるとその量の割には効果の向上がみら
れず、むしろ他の物性が低下するおそれがある上、非経
済的である。この酸化防止剤を含有させる場合は、その
割合は、酸化防止効果、他の物性及び経済性などの面か
ら、(a)成分40〜85重量部に対し、0.01〜2.0
重量部、特に0.05〜1.5重量部の範囲が好ましい。一
方、本発明の部分メッキ製品IIの(A')層における各成
分の含有割合については、(a)成分40〜85重量部
に対し、前記部分メッキ製品Iの場合と同様の割合で、
(b)成分,(c)成分,(d)成分及び(e)成分を
含有するとともに、さらに(f)成分0.01〜5.0重量
部を含有する。この(f)成分の含有割合が0.01重量
部未満では極性付与効果が不充分であって、メッキ処理
において極性付与工程が必要となり、本発明の目的が達
せられず、一方5.0重量部を超えるとその量の割には極
性付与効果の向上がみられず、むしろ他の物性が低下す
る上、非経済的である。極性付与効果、他の物性及び経
済性などの面から、この(f)成分の好ましい含有割合
は、0.02〜3.0重量部の範囲である。
【0019】本発明の部分メッキ製品Iは、前記(a)
成分,(b)成分,(c)成分,(d)成分及び(e)
成分を、それぞれ前記割合で含有する樹脂組成物〔以
下、樹脂組成物I−(A)と称す。〕からなる(A)層
と、この(A)層のメッキ処理に対し、実質上非メッキ
性のポリプロピレン系樹脂含有層である(B)層とを有
する二層成形品の該(A)層にメッキ処理を施したもの
である。一方、本発明の部分メッキ製品IIは、前記
(a)成分,(b)成分,(c)成分,(d)成分,
(e)成分及び(f)成分を、それぞれ前記割合で含有
する樹脂組成物〔以下、樹脂組成物II−(A')と称
す。〕からなる(A')層と、この(A')層のメッキ処理
に対し、実質上非メッキ性のポリプロピレン系樹脂含有
層である(B')層とを有する二層成形品の該(A')層に
メッキ処理を施したものである。
【0020】上記樹脂組成物I−(A)及びII−(A')
には、本発明の目的がそこなわれない範囲で、必要に応
じ、公知の各種添加成分、例えば光安定剤,紫外線吸収
剤,熱安定剤,難燃剤,難燃助剤,滑剤,各種フィラ
ー,強化材,顔料などの添加剤を含有させてもよく、ま
た他の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル系樹脂,ポ
リアミド系樹脂,ポリイミド系樹脂,ポリエステル系樹
脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリアセタール系樹脂,
ポリ芳香族エーテルケトン系樹脂,ポリフェニレンエー
テル系樹脂,ポリフェニレンスルフィド系樹脂,スチレ
ン系樹脂,ポリ芳香族エステル系樹脂,ポリスルホン系
樹脂,アクリレート系樹脂,ポリプロピレン系樹脂以外
のポリオレフィン系樹脂などを含有させてもよい。この
樹脂組成物I−(A)及びII−(A')の調製方法につい
ては特に制限はなく、従来公知の方法、例えば必須成分
及び所望に応じて用いられる各種添加成分を、V型ブレ
ンダー,リボンブレンダー,ヘンシェルミキサーなどの
混合機により混合する方法、又は押出機,ミキシングロ
ール,バンバリーミキサー,ニーダなどの混練機により
混練する方法、あるいは混合機と混練機を組み合わせ
て、混合・混練する方法を用いることができる。
【0021】本発明の部分メッキ製品Iにおいては、ま
ずこのようにして得られた樹脂組成物I−(A)からな
る(A)層とポリプロピレン系樹脂含有層の(B)層と
を有する二層成形品を、また部分メッキ製品IIにおいて
は、樹脂組成物II−(A')からなる(A')層とポリプロ
ピレン系樹脂含有層の(B')層とを有する二層成形品を
作製する。前記部分メッキ製品Iにおける(B)層のポ
リプロピレン系樹脂含有層は、(A)層のメッキ処理に
対して、実質上非メッキ性を有することが必要である。
このようなポリプロピレン系樹脂含有層としては、
(A)層のメッキ処理に対して、実質上非メッキ性を有
し、かつポリプロピレン系樹脂を主体とする層であれば
よく、特に制限はないが、例えば前述の(a)成分のポ
リプロピレン系樹脂と、所望により、(b)成分の熱可
塑性エラストマー及び/又はメタロセン系触媒を用いて
得られたエチレン/炭素数3以上のαーオレフィン共重
合体や(e)成分の酸化防止剤を含有する樹脂組成物
〔以下、樹脂組成物I−(B)と称す。〕からなる層を
挙げることができる。この樹脂組成物I−(B)におけ
る各成分の含有割合は、前記と同様の理由から、(a)
成分40〜85重量部に対し、(b)成分の含有割合が
0〜40重量部、好ましくは5〜40重量部、より好ま
しくは10〜35重量部の範囲であり、(e)成分の含
有割合が0〜2.0重量部、好ましくは0.01〜2.0重量
部、より好ましくは0.05〜1.5重量部の範囲であるの
が有利である。
【0022】一方、部分メッキ製品IIにおける(B')層
のポリプロピレン系樹脂含有層は、(A')層のメッキ処
理に対して、実質上非メッキ性を有することが必要であ
る。このようなポリプロピレン系樹脂含有層としては、
(A')層のメッキ処理に対して、実質上非メッキ性を有
し、かつポリプロピレン系樹脂を主体とする層であれば
よく、特に制限はないが、例えば前述の(a)成分のポ
リプロピレン系樹脂と、所望により、(b)成分の熱可
塑性エラストマー及び/又はメタロセン系触媒を用いて
得られたエチレン/炭素数3以上のα−オレフィン共重
合体や(e)成分の酸化防止剤を含有する樹脂組成物
〔以下、樹脂組成物II−(B')と称す。〕からなる層を
挙げることができる。この樹脂組成物II−(B')におけ
る各成分の含有割合は、前記樹脂組成物I−(B)の場
合と同様であるが、この樹脂組成物II−(B')において
は、前述の(c)成分である酸可溶無機粉体を適当な割
合で含有していてもかまわない。
【0023】上記樹脂組成物I−(B)及びII−(B')
には、本発明の目的がそこなわれない範囲で、必要に応
じ、公知の各種添加成分、例えば光安定剤,紫外線吸収
剤,熱安定剤,難燃剤,難燃助剤,滑剤,各種フィラ
ー,強化材,顔料などの添加剤を含有させてもよく、ま
た他の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル系樹脂,ポ
リアミド系樹脂,ポリイミド系樹脂,ポリエステル系樹
脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリアセタール系樹脂,
ポリ芳香族エーテルケトン系樹脂,ポリフェニレンエー
テル系樹脂,ポリフェニレンスルフィド系樹脂,スチレ
ン系樹脂,ポリ芳香族エステル系樹脂,ポリスルホン系
樹脂,アクリレート系樹脂,ポリプロピレン系樹脂以外
のポリオレフィン系樹脂などを含有させてもよい。ま
た、この樹脂組成物I−(B),II−(B')の調製方法
としては、前述の樹脂組成物I−(A)及びII−(A')
の場合と同様である。本発明においては、(A)層と
(B)層とを有する二層成形品、あるいは(A')層と
(B')層とを有する二層成形品は、前記の樹脂組成物I
−(A)とI−(B)、あるいは樹脂組成物II−(A')
とII−(B')を用いて作製されるが、その作製方法とし
ては特に制限はなく、通常使用されている各種方法の中
から適宜選択して用いることができる。中でも特に二色
成形法が、得られる成形品の性能及び生産性などの点か
ら好適である。この二色成形法としては、従来公知のい
ずれの方法も用いることができる。なお、本発明の部分
メッキ製品は、上記成形法で得られた表裏二層製品のみ
でなく、全体の形状,メッキされる部分の形状,面積比
率など、用途により適宜選択できる。また成形法として
は、インサート成形,押出成形,圧縮成形等でもよい。
【0024】本発明においては、このようにして得られ
た(A)層と(B)層とを有する二層成形品、あるいは
(A')層と(B')層とを有する二層成形品における
(A)層あるいは(A')層にメッキ処理を施すことによ
り、それぞれ部分メッキ製品IあるいはIIが得られる。
二層成形品のメッキ処理については特に制限はなく、従
来プラスチックのメッキ処理において慣用されている方
法を採用することができるが、例えば部分メッキ製品I
においては、エッチング工程,極性付与工程,触媒担持
工程,及び無電解銅メッキ又は無電解ニッケルメッキ工
程を経て、電気メッキする工程からなるメッキ処理、あ
るいはエッチング工程,極性付与工程,及び触媒担持工
程を経て、直接電気メッキする工程からなるメッキ処理
が好ましい。一方、部分メッキ製品IIにおいては、エッ
チング工程,触媒担持工程,及び無電解銅メッキ又は無
電解ニッケルメッキ工程を経て、電気メッキする工程か
らなるメッキ処理、あるいはエッチング工程,触媒担持
工程を経て、直接電気メッキする工程からなるメッキ処
理が好ましい。
【0025】次に、本発明の方法によるメッキ処理につ
いて説明する。本発明の方法による部分メッキ製品Iの
製造においては、前記の(A)層と(B)層とを有する
二層成形品に対し、(1)エッチング工程,極性付与工
程,触媒担持工程,無電解銅メッキ又は無電解ニッケル
メッキ工程,及び電気メッキ工程、又は(2)エッチン
グ工程,極性付与工程,触媒担持工程,及び電気メッキ
工程を順次施すことにより、メッキ処理が行われる。こ
の場合、(B)層は上記メッキ処理に対して、実質上非
メッキ性であるので、(A)層のみがメッキされる。こ
のメッキ処理において、エッチング工程は、(A)層表
面にアンカーホールを形成する工程であって、エッチン
グ方法については特に制限はなく、従来、プラスチック
成形体のメッキ処理において慣用されている方法を用い
ることができる。エッチング剤としては、例えば重クロ
ム酸,重クロム酸/硫酸混液,クロム酸,クロム酸/硫
酸混液,トリクロロエタン,トリクロロエチレン,キシ
レンなどが用いられる。エッチング処理後は、成形品表
面に残存するエッチング剤を、中和や洗浄などにより除
去する。
【0026】また、極性付与工程は、このようにしてエ
ッチング処理が施された(A)層表面に、電荷を付与す
るために、極性をもつ化合物で処理する工程である。こ
の処理剤としては、例えばアルキルスルホン酸,α−オ
レフィンスルホン酸,アルキルベンゼンスルホン酸,ア
ルキルナフタレンスルホン酸,アルキルエーテルスルホ
ン酸,アルキルフェニルエーテルスルホン酸,アルキル
ジフェニルエーテルスルホン酸,スルホコハク酸,ジア
ルキルスルホコハク酸,メチルタウリン酸,β−ナフタ
レンスルホン酸−ホルマリン縮合物などのリチウム,ナ
トリウム,カリウムなどの塩、あるいはポリアクリル
酸,ポリビニルスルホン酸,ポリメタクリル酸,ポリス
チレンスルホン酸及びこれらの塩、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート,ポリビニルアルコール,ポリビニル
アルコール共重合体,ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物,
酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物,ポリエチレンイミ
ン,ポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオキシド,
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合
体,ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルメチルエー
テル共重合体,ポリN−ビニルピロリドン,ポリオキサ
ゾリン,ポリアクリルアミド,ポリアクリルアミド共重
体などの水溶液が好ましく挙げられる。これらの中で、
ポリエチレンイミンやポリアクリルアミドなどの高分子
アミン水溶液が特に好適である。これらの水溶液は一種
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】処理条件については特に制限はないが、室
温〜60℃の範囲の温度において、1〜10分間程度処
理するのが好ましい。次に、触媒担持工程は、前記
(1)のメッキ処理においては、無電解銅メッキ又は無
電解ニッケルメッキを進行させるための工程であり、前
記(2)のメッキ処理においては、電気メッキを進行さ
せるための工程である。この触媒担持方法については特
に制限はなく、従来、プラスチック成形体のメッキ処理
において慣用されている方法を用いることができる。例
えば次工程で無電解銅メッキ又は無電解ニッケルメッキ
を行う場合には〔前記(1)のメッキ処理〕、一般に、
(イ)触媒粒子として負電荷をもつ塩化第一スズと塩化
パラジウムのコロイドを用い、まずキャタライジングに
より、上記工程で極性が付与された(A)層表面にスズ
とパラジウムのコロイド物質を析出させ、次いでアクセ
レーションにより、スズを離脱させ、パラジウムのみを
残すことによって、無電解銅又はニッケルメッキ用触媒
(金属触媒)を担持する方法、あるいは、センシタイジ
ング(感応性付与処理)、例えば塩化第一スズ溶液に、
上記工程で(A)層に極性が付与された成形品を浸漬さ
せて、(A)層表面に還元力のあるイオン性スズを吸着
させる処理を行ったのち、アクチベーション、例えば塩
化パラジウム溶液にこの成形品を浸漬して、上記スズの
作用でパラジウムを(A)層に析出させる方法が用いら
れている。
【0028】一方、次工程で直接電気メッキを行なう場
合には〔前記(2)のメッキ処理〕、一般に、(ロ)触
媒粒子として負電荷をもつ塩化第一スズと塩化パラジウ
ムのコロイドを用い、まずキャタライジングにより、上
記工程で極性が付与された(A)層の表面にスズとパラ
ジウムのコロイド物質を析出させ、次いでスズを銅に置
換させる方法が用いられる。さらに、前記(1)のメッ
キ処理において施される無電解銅メッキ又は無電解ニッ
ケルメッキ工程は、上記触媒担持工程において、(イ)
の方法で処理された(A)層の表面に、銅イオン又はニ
ッケルイオンを還元析出させ、銅又はニッケル被膜を形
成させる工程である。この無電解銅メッキ又は無電解ニ
ッケルメッキ方法については特に制限はなく、従来、プ
ラスチック成形体のメッキ処理において慣用されている
方法を用いることができる。例えば10〜50℃程度の
還元剤を含有する銅塩又はニッケル塩水溶液に、上記工
程の(イ)の方法で得られた成形品を2〜20分間程度
浸漬することにより、その(A)層の表面に銅メッキ又
はニッケルメッキ被膜を形成することができる。
【0029】最後に、電気メッキ工程は、前記(1)の
メッキ処理においては、上記工程で設けられた(A)層
表面の無電解銅メッキ被膜又は無電解ニッケルメッキ被
膜の上に電気メッキを行う工程であり、一方、前記
(2)のメッキ処理においては、触媒担持工程におい
て、(ロ)の方法で処理され(A)層の表面に電気メッ
キを行う工程である。この電気メッキ方法については特
に制限はなく、従来、プラスチック成形体のメッキ処理
において慣用されている方法を用いることができる。メ
ッキの種類としては特に制限はなく、部分メッキ製品の
用途に応じて適宜選択すればよい。この電気メッキによ
り、単一の金属被膜、あるいは複数の金属による多層被
膜を設けることができるが、一般には最上層の被膜をク
ロムとするもの、例えば銅・ニッケル・クロムからなる
多層被膜を設けることが多い。
【0030】次に、本発明の方法による部分メッキ製品
IIの製造においては、前記の(A')層と(B')層とを有
する二層成形品に対し、(1)エッチング工程,触媒担
持工程,無電解銅メッキ又は無電解ニッケルメッキ工
程,及び電気メッキ工程、又は(2)エッチング工程,
触媒担持工程,及び電気メッキ工程を順次施すことによ
り、メッキ処理が行われる。この場合、(B')層は上記
メッキ処理に対して、実質上非メッキ性であるので、
(A')層のみがメッキされる。このメッキ処理は、前記
部分メッキ製品Iのメッキ処理において、極性付与工程
を省略した以外は、部分メッキ製品Iの場合と全く同様
の方法で行うことができる。極性付与工程を省略したの
は、(A')層自体がすでに極性を有しているからであ
る。このようにして、片面がメッキされた本発明の部分
メッキ製品I及びIIが得られる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実験例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるのではない。 製造例1 MIが8g/10分(230℃,2.16kgf)で、エ
チレン単位含有量が12重量%のプロピレン−エチレン
ブロック共重合体75重量部、ムーニー粘度〔ML1+4
(100℃)〕が70で、プロピレン単位含有量が65
重量%のEPR5重量部、酸可溶無機粉体である炭酸カ
ルシウム(BET比表面積100000cm2 /g)2
0重量部、銅害防止剤(融点65℃以上の白色粉末,旭
電化工業(株)製,商品名:アデカスタブZS−27)
0.2重量部及び酸化防止剤(住友化学工業(株)製,商
品名:スミライザーTPD「イオウ系」)0.1重量部を
ドライブレンドしたのち、二軸混練機にて溶融混練し、
ペレットを得た。これをサンプルとする。 製造例2 MIが8g/10分(230℃,2.16kgf)で、エ
チレン単位含有量が12重量%のプロピレン−エチレン
ブロック共重合体60重量部、ムーニー粘度〔ML1+4
(100℃)〕が70で、プロピレン単位含有量が65
重量%のEPR20重量部、酸可溶無機粉体である炭酸
カルシウム(BET比表面積100000cm2 /g)
20重量部、カチオン系界面活性剤(日本油脂社製、商
品名:エレガン264)0.5重量部、銅害防止剤(融点
65℃以上の白色粉末,旭電化工業(株)製,商品名:
アデカスタブZS−27)0.2重量部及び酸化防止剤
(住友化学工業(株)製,商品名:スミライザーTPD
「イオウ系」)0.1重量部をドライブレンドしたのち、
二軸混練機にて溶融混練し、ペレットを得た。これをサ
ンプルとする。
【0032】製造例3 製造例1において、炭酸カルシウムの代わりにタルクを
用いた以外は、製造例1と同様にしてペレットを作製し
た。これをサンプルとする。 製造例4 酸可溶無機粉体を用いず、MIが8g/10分(230
℃,2.16kgf)で、エチレン単位含有量が12重量
%のプロピレン−エチレン共重合体80重量部、ムーニ
ー粘度〔ML1+4 (100℃)〕が70で、プロピレン
単位含有量が65重量%のEPR20重量部をドライブ
レンドしたのち、二軸混練機にて溶融混練し、ペレット
を作製した。これをサンプルとする。
【0033】実施例1 図1に示す射出成形機を用い、成形機A側に製造例1で
得られたサンプルを、成形機B側に製造例3で得られ
たサンプルを用いた。金型は100×100×tmm
(ただし、tは可変である。)の角板を用いた。なお図
1は上記射出成形機の概要図であり、1は成形機A、2
は成形機B、3は金型部分を示す。まず、金型3のtを
2mmに設定したのち、1の成形機A側にてサンプル
を成形し、次いでコアバックしてtを4mmにしたの
ち、2の成形機B側にてサンプルを成形することによ
り、図2に示す二層成形品を作製した。次に、この二層
成形品を重クロム酸−硫酸混合液によりエッチング処理
し、水洗、中和後、水溶性高分子アミンにより、表面に
+の極性基を付与した。次いで、触媒として第一スズ・
塩化パラジウムのコロイド粒子を吸着、担持させたの
ち、アクセレータとして、パラジウムを還元させて金属
パラジウムを析出させ、さらに無電解ニッケルメッキを
施した。続いて、銅,ニッケル,クロムの順で電気メッ
キを施した。
【0034】得られたメッキ品について、下記の方法に
従って評価した。その結果を第1表に示す。 <部分メッキ品の評価> (1)メッキの密着強度(ピーリング強度) 180°剥離テストにて測定した(カッターにて、メッ
キ面に、巾10mmの切り込みを入れた後、180°剥
離テストを行い、荷重測定を行った(単位:kg/cm
2 ))。 (2)メッキプレートの衝撃強さ 受皿:50mmφ,撃芯:0.5インチ,温度−10℃,
荷重3.8kg,衝撃速度3m/秒のハイレートインパク
トの条件にて、以下の基準で評価した。 ○:延性破壊 △:擬似延性破壊(シャープエッジなし) ×:脆性破壊(シャープエッジあり)
【0035】実施例2 図1に示す射出成形機を用い、成形機A側に製造例2で
得られたサンプルを、成形機B側に製造例4で得られ
たサンプルを用いた。金型は100×100×tmm
(ただし、tは可変である。)の角板を用いた。まず、
金型3のtを2mmに設定したのち、1の成形機A側に
てサンプルを成形し、次いでコアバックしてtを4m
mにしたのち、2の成形機B側にてサンプルを成形す
ることにより、図3に示す二層成形品を作製した。次
に、この二層成形品を重クロム酸−硫酸混合液によりエ
ッチング処理し、水洗、中和後、触媒として第一スズ・
塩化パラジウムのコロイド粒子を吸着、担持させたの
ち、アクセレータとしてパラジウムを還元させて金属パ
ラジウム析出させ、さらに無電解ニッケルメッキを施し
た。続いて、銅,ニッケル,クロムの順で電気メッキを
施した。得られた部分メッキ品について、実施例1と同
様にして評価した。結果を第1表に示す。
【0036】実施例3 実施例2と同様にして、二層成形品を作製した。次に、
この二層成形品を重クロム酸−硫酸混合液によりエッチ
ング処理し、水洗、中和後、触媒として第一スズ・塩化
パラジウムのコロイド粒子を吸着、担持させた。その
後、スズを銅に置換させたのち、無電解メッキを施すこ
となく、直接銅,ニッケル,クロムの順で電気メッキを
施した。得られた部分メッキ品について、実施例1と同
様にして評価した。結果を第1表に示す。 比較例1 実施例1において、サンプルの代わりにサンプルを
用いた以外は、実施例1と同様の方法で部分メッキ品を
作製することを試みたが、メッキが全くのらず、部分メ
ッキ品を得ることができなかった。 比較例2 実施例2において、サンプルの代わりにサンプルを
用いた以外は、実施例2と同様の方法で部分メッキ品を
作製することを試みたが、メッキが全くのらず、部分メ
ッキ品を得ることができなかった。
【0037】比較例3 実施例3において、サンプルの代わりにサンプルを
用いた以外は、実施例3と同様の方法で部分メッキ品を
作製することを試みたが、メッキが全くのらず、部分メ
ッキ品を得ることができなかった。 比較例4 実施例1において、サンプルの代わりにサンプルを
用いた以外は、実施例1と同様の方法で部分メッキ品を
作製することを試みたが、両面メッキ品が得られた。こ
のメッキ品の評価結果を第1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔注〕メッキプレートの衝撃強さの測定
は、実施例1〜3については、メッキ面を衝撃面にして
試験を実施し、一方比較例4については、サンプルを
衝撃面、サンプルを反対面にして試験を実施した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、メッキ密着強度が著し
く高く、かつメッキ密着強度のバラツキが少ない上、良
好な耐衝撃性を有し、特に自動車部品、例えばバンパー
コーナー,バンパー,フェンダー,ラジエターグリル,
スポイラー,ドアハンドル,バンパーモール,ランプハ
ウジングなどに好適に用いられる部分メッキ製品が安価
に、かつ工業的にも有利に得られる。また、本発明の部
分メッキ製品は、上記自動車部品以外に、家電分野,通
信分野,OA分野,住設分野などにも好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で用いた射出成形機の概要
図である。
【図2】 実施例1で作製した二層成形品の縦断面図で
ある。
【図3】 実施例2で作製した二層成形品の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1成形機A 2成形機B 3金型 (A)サンプル (B)サンプル (A')サンプル (B')サンプル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)ポリプロピレン系樹脂40
    〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及び
    /又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭
    素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量部、
    (c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害防止
    剤0〜2.0重量部及び(e)酸化防止剤0〜2.0重量部
    を含有する樹脂組成物からなる層と、(B)この(A)
    層へのメッキ処理に対して実質上非メッキ性のポリプロ
    ピレン系樹脂含有層とを有し、かつ前記(A)層にメッ
    キ処理を施したことを特徴とする部分メッキ製品。
  2. 【請求項2】 (A')(a)ポリプロピレン系樹脂40
    〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及び
    /又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭
    素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量部、
    (c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害防止
    剤0〜2.0重量部、(e)酸化防止剤0〜2.0重量部及
    び(f)極性付与剤0.01〜5重量部を含有する樹脂組
    成物からなる層と、(B')この(A')層へのメッキ処理
    に対して実質上非メッキ性のポリプロピレン系樹脂含有
    層とを有し、かつ前記(A')層にメッキ処理を施したこ
    とを特徴とする部分メッキ製品。
  3. 【請求項3】 (A)層のメッキ処理が、エッチング工
    程,極性付与工程,触媒担持工程,及び無電解銅メッキ
    又は無電解ニッケルメッキ工程を経て、電気メッキする
    工程からなる請求項1記載の部分メッキ製品。
  4. 【請求項4】 (A)層のメッキ処理が、エッチング工
    程,極性付与工程,及び触媒担持工程を経て、直接電気
    メッキする工程からなる請求項1記載の部分メッキ製
    品。
  5. 【請求項5】 (A')層のメッキ処理が、エッチング工
    程,触媒担持工程,及び無電解銅メッキ又は無電解ニッ
    ケルメッキ工程を経て、電気メッキする工程からなる請
    求項2記載の部分メッキ製品。
  6. 【請求項6】 (A')層のメッキ処理が、エッチング工
    程及び触媒担持工程を経て、直接電気メッキする工程か
    らなる請求項2記載の部分メッキ製品。
  7. 【請求項7】 (c)成分の酸可溶無機粉体が炭酸カル
    シウムである請求項1又は2記載の部分メッキ製品。
  8. 【請求項8】 炭酸カルシウムが、BET比表面積20
    000〜150000cm2 /gのものである請求項7
    記載の部分メッキ製品。
  9. 【請求項9】 (A)(a)ポリプロピレン系樹脂40
    〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及び
    /又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/炭
    素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量部、
    (c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害防止
    剤0〜2.0重量部及び(e)酸化防止剤0〜2.0重量部
    を含有する樹脂組成物からなる層と、(B)この(A)
    層へのメッキ処理に対して実質上非メッキ性のポリプロ
    ピレン系樹脂含有層とを有する二層成形品を作製し、次
    いでこの成形品に対し、エッチング工程,極性付与工
    程,触媒担持工程,無電解銅メッキ又は無電解ニッケル
    メッキ工程,及び電気メッキ工程を順次施し、(A)層
    にメッキ処理を施すことを特徴とする部分メッキ製品の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 (A)(a)ポリプロピレン系樹脂4
    0〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及
    び/又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/
    炭素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量
    部、(c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害
    防止剤0〜2.0重量部及び(e)酸化防止剤0〜2.0重
    量部を含有する樹脂組成物からなる層と、(B)この
    (A)層へのメッキ処理に対して実質上非メッキ性のポ
    リプロピレン系樹脂含有層とを有する二層成形品を作製
    し、次いでこの成形品に対し、エッチング工程,極性付
    与工程,触媒担持工程,及び電気メッキ工程を順次施
    し、(A)層にメッキ処理を施すことを特徴とする部分
    メッキ製品の製造方法。
  11. 【請求項11】 (A')(a)ポリプロピレン系樹脂4
    0〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及
    び/又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/
    炭素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量
    部、(c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害
    防止剤0〜2.0重量部、(e)酸化防止剤0〜2.0重量
    部及び(f)極性付与剤0.01〜5重量部を含有する樹
    脂組成物からなる層と、(B')この(A')層へのメッキ
    処理に対して実質上非メッキ性のポリプロピレン系樹脂
    含有層とを有する二層成形品を作製し、次いでこの成形
    品に対し、エッチング工程,触媒担持工程,無電解銅メ
    ッキ又は無電解ニッケルメッキ工程,及び電気メッキ工
    程を順次施し、(A')層にメッキ処理を施すことを特徴
    とする部分メッキ製品の製造方法。
  12. 【請求項12】 (A')(a)ポリプロピレン系樹脂4
    0〜85重量部に対し、(b)熱可塑性エラストマー及
    び/又はメタロセン系触媒を用いて得られたエチレン/
    炭素数3以上のα−オレフィン共重合体0〜40重量
    部、(c)酸可溶無機粉体5〜40重量部、(d)銅害
    防止剤0〜2.0重量部、(e)酸化防止剤0〜2.0重量
    部及び(f)極性付与剤0.01〜5重量部を含有する樹
    脂組成物からなる層と、(B')この(A')層へのメッキ
    処理に対して実質上非メッキ性のポリプロピレン系樹脂
    含有層とを有する二層成形品を作製し、次いでこの成形
    品に対し、エッチング工程,触媒担持工程,及び電気メ
    ッキ工程を順次施し、(A')層にメッキ処理を施すこと
    を特徴とする部分メッキ製品の製造方法。
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