JPH10275230A - 画像強調装置および物体識別装置 - Google Patents

画像強調装置および物体識別装置

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JPH10275230A
JPH10275230A JP9080051A JP8005197A JPH10275230A JP H10275230 A JPH10275230 A JP H10275230A JP 9080051 A JP9080051 A JP 9080051A JP 8005197 A JP8005197 A JP 8005197A JP H10275230 A JPH10275230 A JP H10275230A
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一弘 味村
Noburo Tomita
信郎 冨田
Yasuhiro Takemura
安弘 竹村
Toshiji Takei
利治 武居
Yutaka Nagai
豊 永井
Shigeko Kato
茂子 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いずれの方向の空間周波数に特徴がある画像
でも強調することができ、さらにその処理を迅速に行な
うことができるようにすること。 【解決手段】 第1の撮像手段4のレンズ7は対象物1
に対して焦点が合っている。第2の撮像手段5のレンズ
9は対象物1に対して焦点がずれている。これら2つの
撮像手段4、5から出力されるビデオ信号は互いに同期
して差算回路10に与えられる。差算回路10はこれら
の信号の差をとり出力する。表示装置11はこの画像を
表示する。これにより高周波成分が強調された画像が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、血液や
尿、病理検体など、粒子成分を含む試料の生物顕微鏡画
像や蛍光顕微鏡画像などを撮像し、その撮像した画像を
強調する画像強調装置およびこの画像強調装置を用いて
不定形物体を識別する物体識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の物体識別装置としては、特開平6
−138417号、特開平8−29140号、特開平8
−304390号などに記載されている装置がある。こ
れらの装置は、いずれも撮像手段により得られた画像を
2次元フーリエ変換してパワースペクトルを検出し、こ
れに基づいて不定形物体を識別している。
【0003】このような装置において、画像を2次元フ
ーリエ変換する場合、前処理として画像の強調を行なう
ならば、フーリエ変換の結果が画像の特徴をよりよく反
映し、識別精度が向上する。例えば、白血球分類装置で
は、白血球の画像をこのような前処理を行なってフーリ
エ変換するならば、核のクロマチン構造がそのフーリエ
変換結果により良く反映される。
【0004】従来の強調方法は、例えば白血球の核の画
像のビデオ信号をハイパスフィルタ回路や、バンドパス
フィルタ回路に通し、その後増幅していた。これにより
ビデオ信号中の高周波領域が強調され、クロマチン構造
のコントラストが上がっていた。
【0005】しかし、この方法では、画像を横方向に走
査した1次元のビデオ信号の高周波成分を抽出・強調す
るだけなので、画像の縦方向の高周波成分は何の強調も
されない。そのため、例えば画像の縦方向に特徴のある
核のクロマチン構造は強調されず、その強調は不完全で
あった。
【0006】また、他の方法として、デジタル画像処理
の手法を用いたものがある。すなわち、画像をフレーム
メモリに記憶させ、微分演算オペレータを使って各画素
で近傍計算をさせる方法である。しかしこの方法によれ
ば、画素毎に演算を行なうので処理に時間がかかる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように画像のビ
デオ信号をフィルタ回路に通すことによって強調する方
法は、画像のある1方向についての強調はできるけれど
も、それに直交する方向の強調はできず、この方向に特
徴のある物体の画像は強調することができなかった。ま
たデジタル画像処理の手法を用いた方法では、画素毎に
演算を行なうので処理に時間がかかるという欠点があっ
た。
【0008】本発明は、このような従来の欠点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、いずれの方向の空間
周波数に特徴がある画像でも強調することができ、かつ
その処理を迅速に行なうことができる画像強調装置を提
供することであり、更にそのような画像強調装置を備え
た物体識別装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る画像強調
装置は、対象物に対し焦点が合った画像(以下インフォ
ーカス画像と称する)を撮像してそのビデオ信号を出力
する第1の撮像手段と、同じ対象物に対し焦点が外れた
画像(以下デフォーカス画像と称する)を撮像してその
ビデオ信号を出力する第2の撮像手段と、前記第1、第
2の撮像手段のそれぞれから出力されるビデオ信号が同
期するように制御する出力制御手段と、この出力制御手
段により互いに同期したビデオ信号の差算を行なう信号
差算手段とを具備することを特徴とする。
【0010】この装置において、インフォーカス画像を
撮像する第1の撮像手段により、空間周波数が高周波ま
で伸びたフーリエスペクトルを持つ対象物の画像が撮像
され、この第1の撮像手段から高周波成分を多く含むビ
デオ信号が出力される(図3(a) 参照)。また、デフォ
ーカス画像を撮像する第2の撮像手段により、空間周波
数の高周波がカットされたフーリエスペクトルを持つ対
象物の画像が撮像され、この第2の撮像手段から高周波
成分をカットされたビデオ信号が出力される(図3(b)
参照)。
【0011】信号差算手段では、出力制御手段によって
同期した同じ対象物の2つのビデオ信号が差算されるの
で、2つのビデオ信号の低周波成分はお互い打ち消し合
い、ビデオ信号の高周波成分が残ったものが出力され
る。この信号を表示装置に表示させるならば対象物の高
周波成分が抽出された画像が得られる。
【0012】請求項2に係る画像強調装置は、対象物を
撮像してそのビデオ信号を出力する撮像手段と、この撮
像手段を制御してこの撮像手段が撮像した画像が、イン
フォーカス画像からデフォーカス画像に、またはその逆
になるようにする切り替え手段と、前記撮像手段が撮像
する画像のうち少なくとも前記切り替え手段による切り
替え前の画像を記憶し、その切り替えの前後における前
記撮像手段が撮像した画像のビデオ信号を同期させて出
力する出力調整手段と、この出力調整手段が出力する2
つのビデオ信号の差算を行なう信号差算手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0013】この装置において、出力調整手段は切り替
え手段による切り替えの前後の画像のビデオ信号を同期
させて信号差算手段に出力する。すなわち空間周波数が
高周波まで伸びたフーリエスペクトルを持つインフォー
カス画像と、空間周波数の高周波がカットされたフーリ
エスペクトルを持つデフォーカス画像のそれぞれのビデ
オ信号が同期をとられて信号差算手段に与えられる。
【0014】信号差算手段では、2つのビデオ信号が差
算されるので、2つのビデオ信号の低周波成分はお互い
打ち消し合い、ビデオ信号の高周波成分が残ったものが
出力される。この信号を表示装置に表示させるならば対
象物の高周波成分が強調された画像が得られる。
【0015】請求項3に係る画像強調装置は、請求項2
に係る装置において、切り替え手段は、ピエゾ素子を備
え、このピエゾ素子の伸縮により撮像手段中の光学素子
または撮像素子を光軸方向に移動させるものである。こ
のピエゾ素子によって撮像手段中の光学素子または撮像
素子が高速かつ正確に移動する。
【0016】請求項4に係る物体識別装置は、請求項1
または請求項2に係る画像強調装置と、この画像強調装
置が出力する差のビデオ信号に基づく画像を2次元フー
リエ変換する2次元フーリエ変換手段と、この2次元フ
ーリエ変換手段の変換結果から前記ビデオ信号に基づく
画像のパワースペクトルを検出するパワースペクトル検
出手段と、このパワースペクトル検出手段が検出したパ
ワースペクトルに基づいて対象物中の物体を識別する識
別手段とを具備することを特徴とする。
【0017】このような装置において、請求項1または
請求項2に係る画像強調装置から出力されたビデオ信号
は高周波成分が強調された信号である。2次元フーリエ
変換手段は、この信号に基づく画像を2次元フーリエ変
換し、パワースペクトル検出手段はこの変換結果からパ
ワースペクトルを検出する。識別手段はこのパワースペ
クトルに基づいて、識別を行なう。
【0018】請求項5に係る物体識別装置は、請求項4
に係る装置おいて、対象物中の物体は血液細胞であるこ
とを特徴とする。この装置によれば、血液細胞の画像の
高周波成分が強調された画像を解析するので、正確に血
液細胞を識別することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態の全体構成を示す図である。この装置は、対象物1が
載置される台2と、この台2に対し所定距離離れた位置
にビームスプリッタ3を備え、このビームスプリッタ3
によって分けられた対象物の像をそれぞれ撮像する第1
の撮像手段4および第2の撮像手段5を備えている。
【0020】第1の撮像手段4は、CCD6と、このC
CD6にビームスプリッタ3を介して与えられる対象物
1の像を導くレンズ7を有している。レンズ7は対象物
1のインフォーカス画像が撮像されるように焦点位置に
配置している。同様に第2の撮像手段5は、CCD8
と、このCCD8にビームスプリッタ3を介して与えら
れる対象物1の像を導くレンズ9を有している。レンズ
9は対象物1のデフォーカス画像が撮像されるように焦
点位置をずらして配置している。第1の撮像手段4のC
CD6が受ける対象物1の画像は焦点が合っている。第
2の撮像手段5のCCD8が受ける対象物1の画像は、
第1の撮像手段4のCCD6が受ける対象物1の画像と
同じであるが焦点がずれてぼけている。
【0021】差算回路10は、図示せぬ出力制御手段に
よって同期をとられたCCD6およびCCD8の出力信
号の輝度信号の差をとる回路であり、表示装置11は、
この差算回路10が出力するビデオ信号に基づく表示を
行なう表示装置である。
【0022】このように構成された装置において、第1
の撮像手段4からはインフォーカス画像のビデオ信号が
出力され、第2の撮像手段5からはデフォーカス画像の
ビデオ信号が出力される。差算回路10は、これらの信
号の差をとる。このため、表示装置11には、対象物の
画像の高周波成分を抽出した画像がリアルタイムに表示
される。
【0023】図2は、本発明の第2の実施の形態の全体
構成を示す図である。この装置は、対象物1が載置され
る台2と、この台2に載置された対象物1を撮像する撮
像手段15を備えている。撮像手段15は、CCD16
と、このCCD16に対象物1の像を導くレンズ17
と、このレンズ17をその光軸方向に移動させるレンズ
移動機構18を有している。CCD16の出力は、フレ
ームメモリ19と差算回路20に至るようにされてい
る。差算回路20のもう一方の入力端子にはフレームメ
モリ19の出力が至るようにされている。
【0024】制御部21は、レンズ移動機構18と、フ
レームメモリ19を制御するものである。この制御部2
1は、マイクロコンピュータで構成しても良いし、シー
ケンサやパーソナルコンピュータでも良いし、これらと
同等の機能を有したアナログ回路でもデジタル回路でも
良い。差算回路20は、制御部21によって同期をとら
れたフレームメモリ19の出力信号とCCD16の出力
信号の輝度信号の差をとる回路であり、表示装置22
は、この差算回路20が出力するビデオ信号に基づく表
示を行なう表示装置である。
【0025】ここで、レンズ移動機構18および制御部
21が切り替え手段を構成し、フレームメモリ19およ
び制御部21が出力調整手段を構成する。
【0026】このように構成された装置において、まず
制御部21は、レンズ移動機構18を制御して、インフ
ォーカス画像がCCD16に与えられるようにレンズ1
7を移動させる。次に制御部21は、CCD16の1フ
レーム分の出力信号をフレームメモリ19に格納する。
そして制御部21は、レンズ移動機構18を制御して、
デフォーカス画像がCCD16に与えられるようにレン
ズ17を移動させる。次に制御部21は、CCD16が
出力するビデオ信号と同期させて、フレームメモリ19
に格納したビデオ信号を差算回路20に出力する。これ
により、フレームメモリ19からはインフォーカス画像
のビデオ信号が出力され、CCD16からはデフォーカ
ス画像のビデオ信号が出力される。差算回路20は、こ
れらの信号の差をとる。このため、表示装置11には、
対象物の画像の高周波成分を強調した画像が表示され
る。
【0027】本実施の形態では、レンズ移動機構18の
レンズ17の移動は制御部21の制御によって行なった
が、これは人間が直接操作してレンズ17の位置を変え
ても良い。また、フレームメモリ19へのビデオ信号の
格納、読み出しのタイミング制御も制御部21が行なっ
たが、これも人間のスイッチ操作によって行なってもよ
い。
【0028】また、本実施の形態では、インフォーカス
画像をフレームメモリに格納するようにしたが、デフォ
ーカス画像をフレームメモリに格納し、このビデオ信号
と、撮像手段から直接得られるインフォーカス画像のビ
デオ信号を差算回路に与えるようにしても良い。
【0029】また、本実施の形態では、フレームメモリ
は1つであるが、これを2つ用い、それぞれにインフォ
ーカス画像、デフォーカス画像を格納し、必要なときに
両者を取り出して同期をとり、差算回路に与えるように
しても良い。
【0030】また、ここでレンズ移動機構18は、対象
物1のインフォーカス画像とデフォーカス画像を撮像す
るため焦点を変える手段の一例として用いたものであ
り、同等の目的を果たすものならばその構成は問わな
い。例えば、このレンズ移動機構の代わりに、CCDを
移動させるCCD移動機構、対象物を移動させる対象物
移動機構、レンズの種類を代える機構、レンズおよびC
CDを移動させる機構などであっても良い。
【0031】以上の2つの実施の形態において、差算回
路は、オペアンプやトランジスタを用いたアナログ回路
でも良いし、ビデオ信号をデジタル信号に変換しこのデ
ジタル信号によりデジタル演算を行なう回路であっても
良い。また差算回路中に信号のオフセット調整機能や、
増幅機能を付加するならば、より鮮明な高周波成分抽出
画像を得ることができる。また、撮像手段にCCDを用
いたが、撮像管などでも良い。
【0032】次に第3の実施の形態である物体識別装置
を説明する。この装置は、白血球を分類する白血球分類
装置である。図4にその全体構成を示す。顕微鏡31は
試料を載置する試料台を備えている。この試料台は、試
料台移動手段32によって、顕微鏡31の対物レンズの
光軸に対し直交する平面を移動自在とされている。識別
対象物体位置検出手段33は、識別対象物体が特定位置
に至ったことを検出する手段である。試料台制御手段3
4は、識別対象物体位置検出手段33の検出信号に基づ
いて試料台移動手段32を制御する手段である。焦点検
出手段35は、試料に対し顕微鏡31の焦点が合ってい
るか否かを検出する手段であり、焦点調整手段36は、
顕微鏡31の焦点を調整する手段である。自動焦点制御
手段37は、焦点検出手段35の検出信号に基づいて焦
点調整手段36を制御し、試料台上の試料に顕微鏡31
の焦点を合わせる手段である。
【0033】顕微鏡31の対物レンズを収容した対物レ
ンズ筐体にはピエゾ素子が取り付けられている。ピエゾ
素子は、対物レンズ筐体と顕微鏡本体との間に挟まれて
いる。このため対物レンズはそのピエゾ素子に印加され
る電圧によって光軸方向に顕微鏡本体に対し移動するよ
うになっている。したがって、自動焦点制御手段37
は、このピエゾ素子の印加電圧を調整して対物レンズを
移動させる。
【0034】撮像手段38は、解析対象画像のインフォ
ーカスまたはデフォーカスの顕微鏡画像を撮像する手段
であり、例えばCCDカメラが用いられている。メモリ
39は、撮像手段38が撮像した画像を記憶するもので
ある。
【0035】第1の画像前処理手段41は、メモリ39
が記憶している画像のRGB濃度情報に基づいて解析対
象画像を抽出する手段である。
【0036】補助パラメータ検出手段42は、第1の画
像前処理手段41が抽出した画像の色と面積を検出する
手段である。第2の画像前処理手段43は、第1の画像
前処理手段41が抽出した画像を強調する手段である。
第2の画像前処理手段43は、図5に示す構成である。
すなわち、第1の画像前処理手段41が抽出した画像を
1フレーム分記憶するフレームメモリ51と、このフレ
ームメモリ51の出力信号と第1の画像前処理手段41
の出力信号の差をとりその結果を増幅する差算増幅回路
52を備えている。フレームメモリ51の動作のタイミ
ングは制御部48により制御されるようになっている。
【0037】図4に戻って、2次元フーリエ変換手段4
4は、第2の画像前処理手段43から与えられる画像の
2次元フーリエ変換を行う手段である。本装置の2次元
フーリエ変換手段44は、光学的に変換する手段であ
り、図6に示すような構成である。すなわち、2次元フ
ーリエ変換手段44は、第2の画像前処理手段43から
与えられる信号により画像を表示する液晶表示装置5
3、この液晶表示装置53にコヒーレント光を出射する
レーザダイオード54、このレーザダイオード54と液
晶表示装置53の間に介在しレーザダイオード54が出
射した光を平行光にして液晶表示装置53の画面に導く
レンズ55、液晶表示装置53を透過した光を位相変換
するレンズ56、このレンズ56を透過した光を受ける
リングディテクタ57を備えている。リングディテクタ
57は、径が異なるリング状のフォトディテクタが同心
円状に配置されたものである。またこのリングディテク
タ57は、その円心がレンズ56の焦点位置に一致する
ように配置してある。
【0038】再び図4に戻って、パワースペクトル検出
手段45は、2次元フーリエ変換手段44の変換結果に
基づいてパワースペクトルを求める手段である。
【0039】識別判定手段46は、パワースペクトル検
出手段45が求めたパワースペクトルと補助パラメータ
検出手段42が検出した色、面積のデータに基づいて第
1の画像前処理手段41が抽出した画像の識別を行う手
段である。この識別判定手段46は、学習機能を備えて
おり、学習結果を記憶するための学習テーブル47が接
続されている。
【0040】制御部48は、本装置全体を統括制御する
ためものであり、自動焦点制御手段37、試料台制御手
段34、第1の画像前処理手段41、第2の画像前処理
手段43および2次元フーリエ変換手段44を制御する
ものである。以上の各手段のうち、メモリ39、第1の
画像前処理手段41、補助パラメータ検出手段42、パ
ワースペクトル検出手段45、識別判定手段46、学習
用テーブル47および制御部48は、1台のパーソナル
コンピュータが持つ機能によって実現され得る。
【0041】次にこのように構成された装置の動作を図
7のフローチャートを参照して説明する。まず操作者
は、試料をプレパラートに塗布したサンプル標本を顕微
鏡31の試料台に載置する(S1)。ここで試料は染色
した血液であり、識別すべき不定形物体は白血球であ
る。次に制御部48は自動焦点制御手段37に焦点位置
の制御を行わせる。これにより、自動焦点制御手段37
は、焦点検出手段35の検出信号に基づいて、焦点調整
手段36を動作させて顕微鏡31のレンズの焦点が試料
台上の試料に合うようにする(S2)。次に制御部48
は試料台制御手段34に試料台の移動開始を指示する
(S3)。これにより、試料台は移動し、識別対象物体
位置検出手段33は、1つの識別対象物体、すなわち1
つの白血球が特定位置に至るとこれを検出する。試料台
制御手段34は、識別対象物体位置検出手段33の検出
結果により識別対象物体が検出されたか否かを判断し
(S4)、この検出が有れば試料台の移動を停止し(S
5)、この検出が無ければステップS3の処理に戻る。
【0042】次に撮像手段38は顕微鏡画像を撮像し
(S6)、これをメモリ39および第1の画像前処理手
段41に出力する。ここでは、撮像手段38は1つの白
血球を中心とした画像を出力する。メモリ39はこれを
記憶する。次に第1の画像前処理手段41はメモリ39
に格納された画像のRGB濃度情報に基づいて、解析対
象画像を抽出する(S7)。すなわち、制御部48は、
第1の画像前処理手段41により抽出した解析対象画像
を図5に示したフレームメモリ51に収容する。この時
点では対象物に焦点が合っているので、フレームメモリ
51に収容されるのはインフォーカス画像である。ここ
で抽出される解析対象画像は白血球の内部構造である。
【0043】次に補助パラメータ検出手段42は、第1
の画像前処理手段41が抽出した画像の色と面積を検出
する(S8)。制御部48はこの検出された色と面積の
情報から強調が必要かを判断し(S9)、必要でなけれ
ば第1の画像前処理手段41が抽出した画像の2次元フ
ーリエ変換を行なうステップS12に進み、必要であれ
ばデフォーカスの顕微鏡画像を撮像して第2の画像前処
理手段43に第1の画像前処理手段41が抽出した画像
の強調を行なわせる(S10,S11)。
【0044】すなわち、制御部48は、強調が必要であ
ると判断した場合、自動焦点制御手段37を制御して撮
像手段38からデフォーカス画像を出力させ、この画像
から第1の画像前処理手段41により解析対象画像を抽
出させ、この解析対象画像のビデオ信号を図5に示した
差算増幅回路52の一方の入力端子に与えると共に、こ
の信号と同期させてフレームメモリ51に収容した画像
のビデオ信号を差算増幅回路52の他方の入力端子に与
える。差算増幅回路52は、まずこれら2つのビデオ信
号の差算を行なう。このため、2つのビデオ信号のそれ
ぞれの低い周波数成分は打ち消し合い、インフォーカス
画像にだけ含まれている高い周波数成分が残される。そ
して差算増幅回路52は、その差算結果を増幅する。図
4に示す第2の画像前処理手段43は、このようにして
解析対象画像の高周波成分を強調し、その画像のビデオ
信号を2次元フーリエ変換手段44に出力する。
【0045】2次元フーリエ変換手段44は、第2の画
像前処理手段43から与えられる画像の2次元フーリエ
変換を行う(S12)。すなわち、図6に示す装置にお
いて、液晶表示装置53は、第2の画像前処理手段43
から与えられる画像を表示する。この画像は、第1の画
像前処理手段41が抽出した解析対象画像中の高周波成
分が強調された画像になっている。例えば、単球とよば
れる種類の白血球は、細胞の核内部に網目状の細かい模
様を有しているが、そのコントラストが強調されて表示
される。
【0046】この液晶表示装置53の表示画面にはレー
ザダイオード54から出射され、レンズ55によって平
行光とされたコヒーレント光が入射している。その表示
画面の透過光は、レンズ56によって位相変換作用を受
け、リングディテクタ57上にフーリエ変換像を作る。
ここで、フーリエ変換像は、画像の空間周波数に対応し
た像であり、低い空間周波数成分はレンズ56の焦点位
置の近くに、高い空間周波数成分はレンズ56の焦点位
置から離れたところに現れる。したがって、リングディ
テクタ57の各フォトディテクタに入射した光量を検出
することによって、液晶表示装置53に表示した画像の
空間周波数の分布すなわちパワースペクトルを得ること
ができる。
【0047】次に、図4に示すパワースペクトル検出手
段45は、2次元フーリエ変換手段44の変換結果に基
づいてリングディテクタ57の各フォトディテクタに入
射した光量を検出することによってパワースペクトルを
求める(S13)。
【0048】次に識別判定手段46は、学習テーブル4
7の内容を参照し、パワースペクトル検出手段45が求
めたパワースペクトルと補助パラメータ検出手段42が
検出した色、面積のデータに基づいて第1の画像前処理
手段41が抽出した対象物体の識別を行う(S14)。
例えば、上記のように白血球が単球であるならば核の内
部の模様は繊細な網目状であるのでパワースペクトルは
高周波成分を多く含んでいる。また、白血球がリンパ球
であるならば核内部の模様は微細な構造はなく、のっぺ
りとしており、パワースペクトルは高周波成分が少ない
ものである。識別判定手段46は、例えばこのパワース
ペクトルが高周波成分を多く含んでいるならばその白血
球は単球であると判断し、高周波成分が少ないならばそ
の白血球はリンパ球であると判断する。識別判定手段4
6の学習結果は、学習テーブル47に蓄積される。
【0049】試料台制御手段34は、試料台の移動過程
を記憶しており、これにより、すべての識別対象物体す
なわち白血球が識別されたかを判断し(S15)、すべ
ての識別対象物体が識別されたと判断したならば、本装
置の処理を終了させ、そうでないならば、ステップS3
の処理に戻る。
【0050】本装置の顕微鏡画像のインフォーカス、デ
フォーカスの切り替えは、ピエゾ素子を用いて行なうよ
うにした。このインフォーカス、デフォーカスの切り替
えは、数百nmから数μm程度のレンズの移動で十分で
ある。このオーダーの位置調整はピエゾ素子によるのが
最適である。さらに、このピエゾ素子によれば、インフ
ォーカス、デフォーカスの切り替えを高速に行なうこと
ができ、デフォーカス量の微調整も印加電圧の調整で簡
単に行なうことができる。
【0051】本装置では、解析対象画像の強調を、前述
した第2の実施の形態の構成を用いて行なっているが、
これは前述した第1の実施の形態の構成を用いて行なっ
ても良い。
【0052】本装置では2次元フーリエ変換を光学装置
を用いて行なっているが、画像信号をデジタル信号に変
換し、デジタルコンピュータによる演算によってその変
換を行なっても良い。
【0053】本装置では解析対象画像を抽出した後に強
調を行なっているが、画像の強調を行なった後で解析対
象画像を抽出しても良い。
【0054】
【発明の効果】請求項1の装置によれば、画像のいかな
る方向に空間周波数の高周波成分があってもその高周波
成分を強調した画像を得ることができる。また、この装
置によればハイパスフィルタなどの回路が不要であり、
構成がきわめて簡単である。更にこの装置によれば、画
像の強調処理は迅速に行なわれる。
【0055】請求項2の装置によれば、請求項1の装置
と同様の効果を有する他、撮像手段が1つで良いのでよ
り構成を簡単にすることができる。
【0056】請求項3の装置によれば、ピエゾ素子を用
いてインフォーカス、デフォーカスを切り替えるので高
速かつ正確にその切り替えを行なうことができる。
【0057】請求項4の装置によれば、画像のいかなる
方向に空間周波数の高周波成分があってもその高周波成
分を強調した解析対象画像を得ることができるので、高
精度の物体識別を行なうことができる。
【0058】請求項5の装置によれば、高精度の血液細
胞識別を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示す
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の全体構成を示す
図。
【図3】高周波成分を多く含む画像の空間周波数分布
と、高周波成分をカットされた画像の空間周波数分布を
示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の全体構成を示す
図。
【図5】図4に示した装置の第2の画像前処理手段43
の具体的構成を示す図。
【図6】図4に示した装置の2次元フーリエ変換手段4
4の具体的構成を示す図。
【図7】図4に示した装置の動作を説明するためのフロ
ーチャートを示す図。
【符号の説明】 4 第1の撮像手段 5 第2の撮像手段 15 撮像手段 10、20 差算回路 19 フレームメモリ 21 制御部 38 撮像手段 41 第1の画像前処理手段(抽出手段) 43 第2の画像前処理手段(強調手段) 44 2次元フーリエ変換手段 45 パワースペクトル検出手段 46 識別判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 安弘 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内 (72)発明者 武居 利治 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内 (72)発明者 永井 豊 東京都新宿区西落合1丁目31番4号 日本 光電工業株式会社内 (72)発明者 加藤 茂子 東京都新宿区西落合1丁目31番4号 日本 光電工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に対し焦点が合った画像を撮像し
    てそのビデオ信号を出力する第1の撮像手段と、 同じ対象物に対し焦点が外れた画像を撮像してそのビデ
    オ信号を出力する第2の撮像手段と、 前記第1、第2の撮像手段のそれぞれから出力されるビ
    デオ信号が同期するように制御する出力制御手段と、 この出力制御手段により互いに同期したビデオ信号の差
    算を行なう信号差算手段とを具備することを特徴とする
    画像強調装置。
  2. 【請求項2】 対象物を撮像してそのビデオ信号を出力
    する撮像手段と、 この撮像手段を制御してこの撮像手段が撮像した画像
    が、対象物に対し焦点が合った状態から焦点が外れた状
    態に、またはその逆になるようにする切り替え手段と、 前記撮像手段が撮像した画像のうち少なくとも前記切り
    替え手段による切り替え前の画像を記憶し、その切り替
    えの前後における前記撮像手段が撮像した画像のビデオ
    信号を同期させて出力する出力調整手段と、 この出力調整手段が出力する2つのビデオ信号の差算を
    行なう信号差算手段とを具備することを特徴とする画像
    強調装置。
  3. 【請求項3】 切り替え手段は、ピエゾ素子を備え、こ
    のピエゾ素子の伸縮により撮像手段中の光学素子または
    撮像素子を光軸方向に移動させるものであることを特徴
    とする請求項2に記載の画像強調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の画像強
    調装置と、 この画像強調装置が出力する差のビデオ信号に基づく画
    像を2次元フーリエ変換する2次元フーリエ変換手段
    と、 この2次元フーリエ変換手段の変換結果から前記ビデオ
    信号に基づく画像のパワースペクトルを検出するパワー
    スペクトル検出手段と、 このパワースペクトル検出手段が検出したパワースペク
    トルに基づいて対象物中の物体を識別する識別手段とを
    具備することを特徴とする物体識別装置。
  5. 【請求項5】 対象物中の物体は血液細胞であることを
    特徴とする請求項4に記載の物体識別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG95602A1 (en) * 1999-08-07 2003-04-23 Inst Of Microelectronics Apparatus and method for image enhancement

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