JPH10275628A5 - - Google Patents
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- JPH10275628A5 JPH10275628A5 JP1997077957A JP7795797A JPH10275628A5 JP H10275628 A5 JPH10275628 A5 JP H10275628A5 JP 1997077957 A JP1997077957 A JP 1997077957A JP 7795797 A JP7795797 A JP 7795797A JP H10275628 A5 JPH10275628 A5 JP H10275628A5
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Description
【発明の名称】電池の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、
いずれか一方の電極にセパレータを接着するセパレータ接着工程と、この一方の電極と、これに接着されたセパレータを介して他方の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、
正負双方の電極の片側の面にそれぞれセパレータを接着するセパレータ接着工程と、各電極を、これに接着されたセパレータを介して他の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正負の電極をセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池(活物質保持形の化学電池であり一次電池と二次電池を含む)は、一般に正負の電極をセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する。セパレータは、これら正負の電極を分離するための絶縁体であり、電解液を含浸できるものを使用する。例えば、巻回型の円筒型電池は、1枚ずつの帯状の正負の電極を2枚の帯状のセパレータを介して巻回することにより発電要素を形成し、この発電要素を円筒型の電池容器に収納する。また、積層型の角型電池は、複数枚ずつの薄板状の正負の電極を複数枚のシート状のセパレータを介して積層することにより発電要素を形成し、この発電要素を角型の電池容器に収納する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電池の製造方法では、発電要素を形成する際には、正負の電極とセパレータをそれぞれ別の3系統から同時に巻回工程や積層工程に供給しなければならず、製造装置が複雑になるという問題があった。しかも、この巻回工程や積層工程では、3系統から供給される正負の電極とセパレータにずれが生じ易いので、巻回速度や積層速度をあまり速くすることができず、生産性が低下するという問題もあった。
【0004】
また、従来の電池の製造方法では、電極とセパレータを単に重ね合わせた状態で巻回したり積層していたので、電極とセパレータとの間が密着せずに部分的に浮き上がって電極間距離が変化したり、これら電極やセパレータの重なりがずれるのを防止するために、発電要素を巻回や積層した状態で一旦テープ等で止め付けた後に金属缶等からなる堅牢な電池容器に収納して圧迫しなければならず、テープ止め等の作業が面倒になるだけでなく、肉厚が厚く重くて高価な電池容器を用いなければならないという問題も生じていた。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、例えば負極に予めセパレータを固着しておき、これに正極を積層または巻回して発電要素を形成することにより、この発電要素の製造を容易にし生産性を高めることができる電池の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、いずれか一方の電極にセパレータを接着するセパレータ接着工程と、この一方の電極と、これに接着されたセパレータを介して他方の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の手段によれば、セパレータ接着工程によって予め正負いずれか一方の電極にセパレータが接着されるので、発電要素形成工程では、このセパレータが接着された電極と他方の電極とを2系統から供給して巻回したり積層するだけでよくなり、発電要素の形成が容易となる。また、この際、少なくとも一方の電極はセパレータとの重なりにずれが生じるおそれはないので、巻回速度や積層速度を速めて生産性を向上させることができる。
【0008】
なお、発電要素が正負1枚ずつの電極だけを近接させたものであり、これらの電極の対向する側とは反対の面の絶縁が不要な場合にのみ、一方の電極の片側の面にだけセパレータを接着すればよいが、通常はこの一方の電極の両側の面にそれぞれセパレータを接着する。
【0009】
また、前記電池が非水電解質二次電池であり、前記一方の電極が負極であることが好ましい。
【0010】
前記電池が非水電解質二次電池であり、前記一方の電極が負極である場合、非水電解質二次電池の場合、正極が必ず負極と対向していなければならないので、この負極を正極よりも大きサイズにして、セパレータもこのサイズ以下のものを負極に接着することにより、さらに小さいサイズの正極と巻回したり積層した際に、絶縁を確実にすることができる。また、非水電解質二次電池の場合には、他の特に水溶液電解質二次電池の場合のように、充電時にガスが発生するようなことがほとんどないので、このように負極とセパレータが接着されていても支障は生じない。
【0011】
さらに、請求項2に記載の発明は、正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、正負双方の電極の片側の面にそれぞれセパレータを張り合わせて固着するセパレータ固着工程と、各電極を、これに固着したセパレータを介して他の電極に近接させて配置することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、セパレータ接着工程によって予め正負双方の電極の片面にセパレータが固着されるので、発電要素形成工程では、これらの電極を2系統から供給して巻回したり積層するだけでよくなり、発電要素の形成が容易となる。また、この際、各電極とこれに接着したセパレータの重なりにはずれが生じるおそれはないので、巻回速度や積層速度を速めて生産性を向上させることができる。
【0013】
さらに、請求項1の発明または請求項2の発明の発電要素形成工程の前に、前記セパレータ接着工程でセパレータを接着した電極を適宜形状に成形する電極成形工程を挿入してもよい。
【0014】
上記請求項1あるいは請求項2に記載の発明の手段によれば、電極成形工程で電極を切断したり打ち抜く等して適宜形状に成形する前に、セパレータ固着工程で一括してセパレータを接着するので、このセパレータを接着する工程の生産性を高めることができる。
【0015】
さらに、請求項1あるいは請求項2の発明の発電要素形成工程で形成された発電要素をバリア性のシート状の電池容器内に収納する発電要素収納工程を備え手もよい。
【0016】
これらの手段によれば、少なくともいずれかの電極とセパレータとが接着されるので、この発電要素を柔軟なシート状の電池容器内に収納しても、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれがほとんどなくなり、この電池容器を肉厚が薄く軽量で安価なものとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は負極にセパレータを接着するセパレータ固着工程を示す正面図、図2はセパレータを接着された負極の平面図、図3は発電要素をアルミラミネートシートで封口した非水電解質二次電池の斜視図、図4は非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す側面図、図5は非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す斜視図である。
【0019】
本実施形態は、図3に示すように、積層型の発電要素1をアルミラミネートシート2で覆って封口した非水電解質二次電池の製造方法について説明する。この発電要素1は、図4及び図5に示すように、複数枚ずつの正極11と負極12とセパレータ13とからなる。なお、図4では、発電要素1の構成を分かり易くするために、正極11と負極12とセパレータ13の厚さを実際よりも厚く描いて示している。正極11は、正極集電板にリチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質を塗布した方形の薄板状であり、一方の端部から短冊状の正極端子部11aが突出している。負極12は、負極集電板にグラファイト等の負極活物質を塗布した方形の薄板状であり、他方の端部から短冊状の負極端子部12aが突出している。セパレータ13は、微多孔性樹脂フィルム等の方形のシートである。そして、正極11と負極12は1枚ずつ交互に配置され、これら正極11と負極12の間にそれぞれセパレータ13が介在して接着されている。また、本実施形態の非水電解質二次電池では、正極11が必ず負極12と対向していなければならないので、この正極11を負極12よりも少し小さいサイズに形成すると共に、積層の上下端にそれぞれ負極12を配置するようにしている。そして、セパレータ13は、絶縁を確実にするために、負極12の負極端子部12aを除いた方形の部分とほぼ同じサイズのものを用いると共に、積層の上下端に配置した負極12のさらに上下の面にも接着するようにしている。
【0020】
上記負極12は、まず両面にセパレータ13が接着される。このセパレータ接着工程では、図1に示すように、負極ロール3から負極12を長尺なまま引き出すと共に、この負極12の上方と下方に配置されたセパレータロール4からそれぞれセパレータ13を長尺なまま引き出す。そして、負極12の上下の面にPVDF等の接着剤Aを塗布して、この接着剤Aを塗布した負極12の上下面に、ロールプレス5によってセパレータ13を張り合わせ押圧することにより接着する。また、このようにしてセパレータ13を接着した負極12は、乾燥炉6内の80°Cの雰囲気中を通して接着剤Aを乾燥させる。
【0021】
上記セパレータ13は、図2に示すように、負極12よりも少し幅が狭いものを使用し、これを図2の下方側にずらして接着する。そして、このセパレータ13を接着した負極12を、図2の1点鎖線で示すように、方形の他方の端部から短冊状の負極端子部12aが突出した形状に順次打ち抜くことにより、図4及び図5に示す発電要素1の各負極12の形状に成形する(電極成形工程)。従って、打ち抜かれた各負極12は、上下両面の方形部分と負極端子部12aの基部に、それぞれ同形状のセパレータ13が接着されることになる。また、このようにセパレータ13を接着してから負極12を成形すると、予め所定形状に成形したセパレータ13と負極12を接着する場合に比べて、固着の際の精密な位置決めが不要となる。
【0022】
正極11は、例えば図示しない正極ロールから長尺なまま引き出して、方形の一方の端部から短冊状の正極端子部11aが突出した形状に順次打ち抜くことにより、図4及び図5に示す発電要素1の各正極11の形状に成形することができる。そして、上記セパレータ13を接着した負極12とこの正極11とをそれぞれ交互に供給して順に載置し積層すれば、図4及び図5に示す発電要素1が形成される(発電要素形成工程)。
【0023】
非水電解質二次電池は、図2に示したように、上記発電要素1をバリア性を有するアルミラミネートシート2で覆い、内部に非水電解液を充填して周囲を封口することにより完成される(発電要素収納工程)。この際、発電要素1の各正極11の正極端子部11aと各負極12の負極端子部12aにそれぞれ接続されるリード7は、アルミラミネートシート2を重ね合わせた間から先端部を突出させた状態で確実に封口する。この非水電解質二次電池は、例えばカード型の外装ケース内に収納してカード型二次電池として使用することができる。
【0024】
上記構成の非水電解質二次電池の製造方法は、予め負極12がセパレータ固着工程によって両面にセパレータ13を接着され、電極成形工程によって所定形状に成形されるので、発電要素形成工程では、この所定形状の負極12と適宜所定形状に成形した正極11とを2系統から供給して積層するだけで発電要素1を形成することができ、製造工程を単純化させることができる。また、少なくとも負極12とセパレータ13の重なりにずれが生じるおそれはないので、正極11だけを正しい位置に配置すればよく、積層速度を速めて生産性を向上させることができるようになり、しかも、アルミラミネートシート2のような柔軟なシート状の電池容器内に収納することが可能となるので、電池の薄肉小型化や軽量化を図りコストダウンにも貢献できるようになる。さらに、負極12は、セパレータ13を接着してから成形するので、セパレータ13を一括して接着することができ、セパレータ固着工程の生産性も高めることができる。
【0025】
ところで、上記実施形態の発電要素1では、セパレータ13を接着した負極12の間に単に正極11を挿入して積層したが、これらセパレータ13を接着した負極12と正極11とをPVDF等の接着剤を塗布し押圧して接着すると共に乾燥すれば、発電要素1を完全に一体化することができ、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれを完全になくすことができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、負極12の両面にPVDF等の接着剤Aを塗布しロールプレス5でセパレータ13を接着固定する場合について説明したが、負極12の両面に予め接着剤の層を形成しておき、この接着層にセパレータ13を適宜重ね合わせて接着するようにしてもよく、接着剤の薄いシート又は接着層を両面に形成した薄いシートを介して、これら負極12とセパレータ13とを接着するようにしてもよい。これらの接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシートは、電解液に対して安定であり、この電解液を含浸したり流通させ得るものでなければならない。また、これらの接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシートを用いることなく、他の接着手段によって接着することも可能である。さらに、上記実施形態では、負極12の両面全面にセパレータ13を接着する場合について説明したが、これらを部分的に接着することもできる。しかも、この場合には、接着に使用する接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシート等が電解液を含浸できないようなものであってもよい。
【0027】
さらに、上記実施形態では、負極12にセパレータ13を固着してから、電極成形工程によってこの負極12を所定形状に成形する場合について説明したが、予め所定形状に成形された負極12にそれぞれセパレータ13を接着するようにしてもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、負極12のサイズが大きいために、この負極12にセパレータ13を接着する場合について説明したが、絶縁が確実であれば、正極11にセパレータ13を接着したり、正極11と負極12の片側の面にそれぞれセパレータ13を接着するようにしてもよい。
【0029】
さらに、上記実施形態では、発電要素1をアルミラミネートシート2に収納する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、任意の電池容器に収納することができる。
【0030】
さらに、上記実施形態では、非水電解質二次電池について説明したが、本発明はこれに限らず、一次電池や他の二次電池にも同様に実施することができる。ただし、充電時にガスを発生する二次電池の場合には、セパレータ13の接着部分でのガスの発生に対応する方策を講じる必要がある。また、正極11と負極12とセパレータ13の構成も、これら電池の種類等に応じて任意に変更することができる。
【0031】
さらに、上記実施形態では、積層型の発電要素1について説明したが、巻回型等の他の構造の発電要素にも同様に実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池の製造方法によれば、予め正負いずれか一方の電極にセパレータが接着されるので、巻回工程や積層工程での作業が単純化され、しかも、この際に巻回速度や積層速度を速めることができ、電池の生産性を向上させることができる。
【0033】
また、セパレータを一括して接着してから電極を成形すれば、このセパレータを接着する工程の生産性も高めることができる。
【0034】
さらに、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれがほとんどなくなるので、柔軟なシート状の電池容器等に収納することができるようになり、電池の薄肉小型化や軽量化を図りコストダウンに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、負極にセパレータを接着するセパレータ固着
工程を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、セパレータを固着された負極の平面図である
。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、発電要素をアルミラミネートシートで封口し
た非水電解質二次電池の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す
側面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 発電要素
2 アルミラミネートシート
11 正極
12 負極
13 セパレータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、
いずれか一方の電極にセパレータを接着するセパレータ接着工程と、この一方の電極と、これに接着されたセパレータを介して他方の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、
正負双方の電極の片側の面にそれぞれセパレータを接着するセパレータ接着工程と、各電極を、これに接着されたセパレータを介して他の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正負の電極をセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池(活物質保持形の化学電池であり一次電池と二次電池を含む)は、一般に正負の電極をセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する。セパレータは、これら正負の電極を分離するための絶縁体であり、電解液を含浸できるものを使用する。例えば、巻回型の円筒型電池は、1枚ずつの帯状の正負の電極を2枚の帯状のセパレータを介して巻回することにより発電要素を形成し、この発電要素を円筒型の電池容器に収納する。また、積層型の角型電池は、複数枚ずつの薄板状の正負の電極を複数枚のシート状のセパレータを介して積層することにより発電要素を形成し、この発電要素を角型の電池容器に収納する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電池の製造方法では、発電要素を形成する際には、正負の電極とセパレータをそれぞれ別の3系統から同時に巻回工程や積層工程に供給しなければならず、製造装置が複雑になるという問題があった。しかも、この巻回工程や積層工程では、3系統から供給される正負の電極とセパレータにずれが生じ易いので、巻回速度や積層速度をあまり速くすることができず、生産性が低下するという問題もあった。
【0004】
また、従来の電池の製造方法では、電極とセパレータを単に重ね合わせた状態で巻回したり積層していたので、電極とセパレータとの間が密着せずに部分的に浮き上がって電極間距離が変化したり、これら電極やセパレータの重なりがずれるのを防止するために、発電要素を巻回や積層した状態で一旦テープ等で止め付けた後に金属缶等からなる堅牢な電池容器に収納して圧迫しなければならず、テープ止め等の作業が面倒になるだけでなく、肉厚が厚く重くて高価な電池容器を用いなければならないという問題も生じていた。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、例えば負極に予めセパレータを固着しておき、これに正極を積層または巻回して発電要素を形成することにより、この発電要素の製造を容易にし生産性を高めることができる電池の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、いずれか一方の電極にセパレータを接着するセパレータ接着工程と、この一方の電極と、これに接着されたセパレータを介して他方の電極とを積層または巻回することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の手段によれば、セパレータ接着工程によって予め正負いずれか一方の電極にセパレータが接着されるので、発電要素形成工程では、このセパレータが接着された電極と他方の電極とを2系統から供給して巻回したり積層するだけでよくなり、発電要素の形成が容易となる。また、この際、少なくとも一方の電極はセパレータとの重なりにずれが生じるおそれはないので、巻回速度や積層速度を速めて生産性を向上させることができる。
【0008】
なお、発電要素が正負1枚ずつの電極だけを近接させたものであり、これらの電極の対向する側とは反対の面の絶縁が不要な場合にのみ、一方の電極の片側の面にだけセパレータを接着すればよいが、通常はこの一方の電極の両側の面にそれぞれセパレータを接着する。
【0009】
また、前記電池が非水電解質二次電池であり、前記一方の電極が負極であることが好ましい。
【0010】
前記電池が非水電解質二次電池であり、前記一方の電極が負極である場合、非水電解質二次電池の場合、正極が必ず負極と対向していなければならないので、この負極を正極よりも大きサイズにして、セパレータもこのサイズ以下のものを負極に接着することにより、さらに小さいサイズの正極と巻回したり積層した際に、絶縁を確実にすることができる。また、非水電解質二次電池の場合には、他の特に水溶液電解質二次電池の場合のように、充電時にガスが発生するようなことがほとんどないので、このように負極とセパレータが接着されていても支障は生じない。
【0011】
さらに、請求項2に記載の発明は、正負の電極を1枚ずつ以上交互にセパレータを介して積層または巻回することにより発電要素を形成する電池の製造方法において、正負双方の電極の片側の面にそれぞれセパレータを張り合わせて固着するセパレータ固着工程と、各電極を、これに固着したセパレータを介して他の電極に近接させて配置することにより発電要素を形成する発電要素形成工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、セパレータ接着工程によって予め正負双方の電極の片面にセパレータが固着されるので、発電要素形成工程では、これらの電極を2系統から供給して巻回したり積層するだけでよくなり、発電要素の形成が容易となる。また、この際、各電極とこれに接着したセパレータの重なりにはずれが生じるおそれはないので、巻回速度や積層速度を速めて生産性を向上させることができる。
【0013】
さらに、請求項1の発明または請求項2の発明の発電要素形成工程の前に、前記セパレータ接着工程でセパレータを接着した電極を適宜形状に成形する電極成形工程を挿入してもよい。
【0014】
上記請求項1あるいは請求項2に記載の発明の手段によれば、電極成形工程で電極を切断したり打ち抜く等して適宜形状に成形する前に、セパレータ固着工程で一括してセパレータを接着するので、このセパレータを接着する工程の生産性を高めることができる。
【0015】
さらに、請求項1あるいは請求項2の発明の発電要素形成工程で形成された発電要素をバリア性のシート状の電池容器内に収納する発電要素収納工程を備え手もよい。
【0016】
これらの手段によれば、少なくともいずれかの電極とセパレータとが接着されるので、この発電要素を柔軟なシート状の電池容器内に収納しても、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれがほとんどなくなり、この電池容器を肉厚が薄く軽量で安価なものとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は負極にセパレータを接着するセパレータ固着工程を示す正面図、図2はセパレータを接着された負極の平面図、図3は発電要素をアルミラミネートシートで封口した非水電解質二次電池の斜視図、図4は非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す側面図、図5は非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す斜視図である。
【0019】
本実施形態は、図3に示すように、積層型の発電要素1をアルミラミネートシート2で覆って封口した非水電解質二次電池の製造方法について説明する。この発電要素1は、図4及び図5に示すように、複数枚ずつの正極11と負極12とセパレータ13とからなる。なお、図4では、発電要素1の構成を分かり易くするために、正極11と負極12とセパレータ13の厚さを実際よりも厚く描いて示している。正極11は、正極集電板にリチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質を塗布した方形の薄板状であり、一方の端部から短冊状の正極端子部11aが突出している。負極12は、負極集電板にグラファイト等の負極活物質を塗布した方形の薄板状であり、他方の端部から短冊状の負極端子部12aが突出している。セパレータ13は、微多孔性樹脂フィルム等の方形のシートである。そして、正極11と負極12は1枚ずつ交互に配置され、これら正極11と負極12の間にそれぞれセパレータ13が介在して接着されている。また、本実施形態の非水電解質二次電池では、正極11が必ず負極12と対向していなければならないので、この正極11を負極12よりも少し小さいサイズに形成すると共に、積層の上下端にそれぞれ負極12を配置するようにしている。そして、セパレータ13は、絶縁を確実にするために、負極12の負極端子部12aを除いた方形の部分とほぼ同じサイズのものを用いると共に、積層の上下端に配置した負極12のさらに上下の面にも接着するようにしている。
【0020】
上記負極12は、まず両面にセパレータ13が接着される。このセパレータ接着工程では、図1に示すように、負極ロール3から負極12を長尺なまま引き出すと共に、この負極12の上方と下方に配置されたセパレータロール4からそれぞれセパレータ13を長尺なまま引き出す。そして、負極12の上下の面にPVDF等の接着剤Aを塗布して、この接着剤Aを塗布した負極12の上下面に、ロールプレス5によってセパレータ13を張り合わせ押圧することにより接着する。また、このようにしてセパレータ13を接着した負極12は、乾燥炉6内の80°Cの雰囲気中を通して接着剤Aを乾燥させる。
【0021】
上記セパレータ13は、図2に示すように、負極12よりも少し幅が狭いものを使用し、これを図2の下方側にずらして接着する。そして、このセパレータ13を接着した負極12を、図2の1点鎖線で示すように、方形の他方の端部から短冊状の負極端子部12aが突出した形状に順次打ち抜くことにより、図4及び図5に示す発電要素1の各負極12の形状に成形する(電極成形工程)。従って、打ち抜かれた各負極12は、上下両面の方形部分と負極端子部12aの基部に、それぞれ同形状のセパレータ13が接着されることになる。また、このようにセパレータ13を接着してから負極12を成形すると、予め所定形状に成形したセパレータ13と負極12を接着する場合に比べて、固着の際の精密な位置決めが不要となる。
【0022】
正極11は、例えば図示しない正極ロールから長尺なまま引き出して、方形の一方の端部から短冊状の正極端子部11aが突出した形状に順次打ち抜くことにより、図4及び図5に示す発電要素1の各正極11の形状に成形することができる。そして、上記セパレータ13を接着した負極12とこの正極11とをそれぞれ交互に供給して順に載置し積層すれば、図4及び図5に示す発電要素1が形成される(発電要素形成工程)。
【0023】
非水電解質二次電池は、図2に示したように、上記発電要素1をバリア性を有するアルミラミネートシート2で覆い、内部に非水電解液を充填して周囲を封口することにより完成される(発電要素収納工程)。この際、発電要素1の各正極11の正極端子部11aと各負極12の負極端子部12aにそれぞれ接続されるリード7は、アルミラミネートシート2を重ね合わせた間から先端部を突出させた状態で確実に封口する。この非水電解質二次電池は、例えばカード型の外装ケース内に収納してカード型二次電池として使用することができる。
【0024】
上記構成の非水電解質二次電池の製造方法は、予め負極12がセパレータ固着工程によって両面にセパレータ13を接着され、電極成形工程によって所定形状に成形されるので、発電要素形成工程では、この所定形状の負極12と適宜所定形状に成形した正極11とを2系統から供給して積層するだけで発電要素1を形成することができ、製造工程を単純化させることができる。また、少なくとも負極12とセパレータ13の重なりにずれが生じるおそれはないので、正極11だけを正しい位置に配置すればよく、積層速度を速めて生産性を向上させることができるようになり、しかも、アルミラミネートシート2のような柔軟なシート状の電池容器内に収納することが可能となるので、電池の薄肉小型化や軽量化を図りコストダウンにも貢献できるようになる。さらに、負極12は、セパレータ13を接着してから成形するので、セパレータ13を一括して接着することができ、セパレータ固着工程の生産性も高めることができる。
【0025】
ところで、上記実施形態の発電要素1では、セパレータ13を接着した負極12の間に単に正極11を挿入して積層したが、これらセパレータ13を接着した負極12と正極11とをPVDF等の接着剤を塗布し押圧して接着すると共に乾燥すれば、発電要素1を完全に一体化することができ、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれを完全になくすことができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、負極12の両面にPVDF等の接着剤Aを塗布しロールプレス5でセパレータ13を接着固定する場合について説明したが、負極12の両面に予め接着剤の層を形成しておき、この接着層にセパレータ13を適宜重ね合わせて接着するようにしてもよく、接着剤の薄いシート又は接着層を両面に形成した薄いシートを介して、これら負極12とセパレータ13とを接着するようにしてもよい。これらの接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシートは、電解液に対して安定であり、この電解液を含浸したり流通させ得るものでなければならない。また、これらの接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシートを用いることなく、他の接着手段によって接着することも可能である。さらに、上記実施形態では、負極12の両面全面にセパレータ13を接着する場合について説明したが、これらを部分的に接着することもできる。しかも、この場合には、接着に使用する接着剤(接着剤A)や接着層を形成したシート等が電解液を含浸できないようなものであってもよい。
【0027】
さらに、上記実施形態では、負極12にセパレータ13を固着してから、電極成形工程によってこの負極12を所定形状に成形する場合について説明したが、予め所定形状に成形された負極12にそれぞれセパレータ13を接着するようにしてもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、負極12のサイズが大きいために、この負極12にセパレータ13を接着する場合について説明したが、絶縁が確実であれば、正極11にセパレータ13を接着したり、正極11と負極12の片側の面にそれぞれセパレータ13を接着するようにしてもよい。
【0029】
さらに、上記実施形態では、発電要素1をアルミラミネートシート2に収納する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、任意の電池容器に収納することができる。
【0030】
さらに、上記実施形態では、非水電解質二次電池について説明したが、本発明はこれに限らず、一次電池や他の二次電池にも同様に実施することができる。ただし、充電時にガスを発生する二次電池の場合には、セパレータ13の接着部分でのガスの発生に対応する方策を講じる必要がある。また、正極11と負極12とセパレータ13の構成も、これら電池の種類等に応じて任意に変更することができる。
【0031】
さらに、上記実施形態では、積層型の発電要素1について説明したが、巻回型等の他の構造の発電要素にも同様に実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池の製造方法によれば、予め正負いずれか一方の電極にセパレータが接着されるので、巻回工程や積層工程での作業が単純化され、しかも、この際に巻回速度や積層速度を速めることができ、電池の生産性を向上させることができる。
【0033】
また、セパレータを一括して接着してから電極を成形すれば、このセパレータを接着する工程の生産性も高めることができる。
【0034】
さらに、電極間距離が変化したり電極やセパレータの重なりがずれるようなおそれがほとんどなくなるので、柔軟なシート状の電池容器等に収納することができるようになり、電池の薄肉小型化や軽量化を図りコストダウンに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、負極にセパレータを接着するセパレータ固着
工程を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、セパレータを固着された負極の平面図である
。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、発電要素をアルミラミネートシートで封口し
た非水電解質二次電池の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す
側面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の発電要素の構成を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 発電要素
2 アルミラミネートシート
11 正極
12 負極
13 セパレータ
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