JPH10279529A - 含フッ素化合物、光学薄膜およびそれを用いた反射防止性物品 - Google Patents

含フッ素化合物、光学薄膜およびそれを用いた反射防止性物品

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JPH10279529A
JPH10279529A JP9081543A JP8154397A JPH10279529A JP H10279529 A JPH10279529 A JP H10279529A JP 9081543 A JP9081543 A JP 9081543A JP 8154397 A JP8154397 A JP 8154397A JP H10279529 A JPH10279529 A JP H10279529A
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暁利 中木村
Koichiro Oka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に製造可能な、耐擦傷性に優れた反射防止
性の光学薄膜、およびそれを用いた反射防止性物品、さ
らにこれらの原料となりうる新規な含フッ素化合物を提
供することを目的とする。 【解決手段】(1)下記一般式で示されることを特徴と
する含フッ素化合物。 (CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
Rfは含フッ素アルキル基を表す。) (2)上記一般式で示される含フッ素化合物を含む組成
物が重合してなることを特徴とする光学薄膜。 (3)上記光学薄膜を基材上に設けてなることを特徴と
する反射防止性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素化合物、
光学薄膜およびそれを用いた反射防止物品に関し、特
に、テレビのブラウン管や液晶表示装置用の反射防止
膜、CRTモニター用反射防止フィルターなどの各種表
示装置の反射防止用のみならず、展示物のケースやショ
ーウインド、絵画の額、窓ガラス、光学レンズ、メガネ
レンズなどの反射防止などに好適に用いられる光学薄膜
および反射防止性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】表示装置などに用いられる反射防止用フ
ィルターなどの反射防止性物品は、基板に低屈折率の光
学薄膜を単層で設けるか、もしくは高屈折率および低屈
折率の光学薄膜を交互に多層に設けて反射防止層として
いる場合が多い。
【0003】このような光学薄膜を得る方法としては、
蒸着やスパッタなどによって無機物を基板に積層するの
が一般的であり、このようにして得られる反射防止膜は
低反射で耐擦傷性に優れる。しかし、無機物を蒸着やス
パッタして反射防止処理する方法は、高性能な反射防止
層が得られるものの、真空を必要とする大がかりな装置
を用いるので生産性が悪く、製造コストは高価であっ
た。また、これらの方法は、蒸着もしくはスパッタ時に
基板が80℃以上に加熱されるので、耐熱性の点などか
ら使用できる基板が限定されていた。
【0004】また、近年、低屈折率の有機物質を溶媒に
溶解した後、基板に低屈折率の有機物質をコーティング
して低屈折率有機薄膜を形成して反射防止膜とする方法
が知られるようになった。このような溶液コーティング
法は、例えば特開平4−355401号公報や特開平6
−18705号公報などに開示されている。これら溶液
コーティング法で用いられる低屈折率物質は、フッ素含
有率の高い樹脂であり、優れた反射防止特性を示してい
る。また、これらは溶液コーティングにより薄膜を形成
するので、無機物を蒸着やスパッタして反射防止処理す
る方法とは異なり、生産性よく反射防止膜を形成するこ
とが可能である。
【0005】しかしながら、特開平4−355401号
公報あるいは特開平6−18705号公報に記載の含フ
ッ素樹脂からなる有機薄膜は、溶液コーティングが可能
なので生産性がよく、低屈折率のため優れた反射防止特
性を示すが、これらの含フッ素樹脂硬化物は架橋密度が
低いので表面硬度が低く、耐擦傷性に劣るという問題が
あった。さらに、コーティングした後、加熱硬化を必要
とするため、耐熱性の点などから使用できる基板が限定
されていた。
【0006】また、表面硬度が高く架橋密度の高い含フ
ッ素樹脂として米国特許第3,310,606号公報に
開示されているパーフルオロジビニルエーテルの硬化物
が挙げられているが、この硬化物は溶剤に不溶で高温、
高圧下で成型する必要があるため光学薄膜を得ることは
できない。
【0007】これに対し、特開平8−239430号公
報では、特定の化学構造を持つ含フッ素ジ(メタ)アク
リル酸エステルを提案している。しかしながら、これら
の化合物は一般に極性が低く、下層に対する密着性の点
で問題を生じていた。さらに、該化合物を生産する上で
もエステル化及び精製工程に手間を要するという問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低反射性及
び耐擦傷性に優れる光学薄膜とそれを用いた反射防止性
物品、さらにそれらの原料となる不飽和二重結合基、及
び極性基を分子内にもつ生産容易な新規含フッ素化合物
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の含フッ素化合物は次の構成を有する。
【0010】(1)下記一般式で示されることを特徴と
する含フッ素化合物。
【0011】(CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
Rfは含フッ素アルキル基を表す。) また、本発明の光学薄膜は次の構成を有する。
【0012】(2)上記一般式で示される含フッ素化合
物を含む組成物が重合してなることを特徴とする光学薄
膜。
【0013】(3)上記(2)に記載の光学薄膜を用い
ることにより得られることを特徴とする反射防止性物
品。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光学薄膜とは、光線が上
部に薄膜が存在している基材に入射した時、光線が屈折
率の異なる境界で交差して干渉をおこす薄膜をいう。光
学薄膜では、反射光は入射光の干渉光として出現する。
例えば、透明基板上に透明な光学薄膜を一層設けたと
き、入射反射光の一部は空気と薄膜との境界で反射し、
一部は薄膜と基板界面で反射し、全体として反射光はそ
れらの干渉光となる。干渉光は結果的に基材の反射率を
低減もしくは増加させる。光学薄膜は、光が干渉作用を
おこす程度に薄く、基板の反射率は光学薄膜の屈折率と
膜厚に依存する。
【0015】本発明は、用途的に限定されるものではな
いが、主として反射率の低減を目的とした低屈折率の光
学薄膜を提供するものであり、光学薄膜の膜厚はλ/4
nの奇数倍が好ましい。ここで、λは薄膜内での光の波
長を示し、光の波長がある程度の幅で存在している場合
は、λは光の中心波長を示す。nは膜屈折率を表す。本
発明で対象となる光の波長は、多くの場合可視光であ
り、中心波長は通常人間が感じる500〜550nmに
設定するのが好ましい。
【0016】本発明の光学薄膜の膜厚は、膜の屈折率に
もよるが、可視光における光干渉による反射率の低減効
果を発揮させる観点から、好ましくは70〜700n
m、より好ましくは、80〜120nm、さらに好まし
くは、90〜110nmである。
【0017】低屈折率膜を光学膜厚よりも厚く物品の表
面に設けて反射防止を付与した場合は、光干渉による反
射率の低減効果はなく、基材表面の屈折率が低いことに
よる反射率の低減のみにとどまるので、光学薄膜を設け
た場合に比べて反射率が高くなり反射防止効果は劣る。
【0018】反射防止効果を高めるには、基材自体また
は基材表面の膜の、D線で測定した屈折率の値が1.5
6以上、好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.
70以上の比較的高い屈折率を有するものを用い、その
上に該基材または基材表面の膜より低い屈折率の膜を設
けることが好ましい。また、基材表面上に膜を有する場
合の膜としては屈折率が好ましくは後述する範囲である
ほか、さらに、導電性をもつものであっても良い。例え
ば、屈折率の値が1.6の基材上に屈折率1.38の薄
膜を設ける場合、薄膜の膜厚を適当に選択すれば反射率
は1%以下とすることができる。
【0019】ポリメチルメタクリレート(以下、PMM
A)やガラスなど、屈折率が1.56よりも小さい基材
であっても反射防止効果を持たせる観点から、基材上に
設ける光学薄膜の屈折率を1.45以下、さらには1.
42以下とするのが好ましい。
【0020】本発明の光学薄膜では、重合後の表面硬度
が鉛筆硬度H以上である。表面硬度が低いと、得られた
膜の耐擦傷性が劣り、耐久性が低下するという問題を生
じる。
【0021】本発明で使用される不飽和二重結合を2つ
以上有する含フッ素化合物は、下記一般式 (CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
Rfは含フッ素アルキル基を表す。)で示されるが、R
1、R2、Rfはそれぞれ直鎖であっても分岐を有してい
ても良い。
【0022】このような不飽和二重結合を2つ有する含
フッ素化合物としては、例えば、下記の化合物が例示さ
れる。
【0023】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 なお、上記一般式においてkは2以上12以下の整数で
あるが、屈折率を低減させ、耐擦傷性を向上させる観点
から、kは4以上10以下とするのが好ましい。
【0024】本発明の含フッ素化合物を合成する方法を
以下に示す。含フッ素ジカルボン酸とエポキシ基をもつ
(メタ)アクリレートから得られる含フッ素ジ(メタ)
アクリレートは、カルボン酸1化学等量に対して、0.
3〜2.0化学等量、より好ましくは0.5〜1.5化
学等量たる比で反応させることにより製造することがで
きる。
【0025】この際、反応溶剤を添加することができ、
これらに該当する物としては、両者を溶かすことのでき
る溶剤であれば特に問わず、一般に有機溶剤が用いられ
る。
【0026】さらに、反応を促進させる目的で、触媒を
使用することが好ましい。例えば、ピリジン、イソキノ
リン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピコリ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、ベンジルトリエチルアンモニウムクロラ
イド、トリフェニルホスフィン、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、BF3等が用いられる。またその使用量
は、反応原料混合物に対して、好ましくは0.1〜15
重量%、より好ましくは0.3〜5.0重量%である。
【0027】また、反応中の重合を禁止するために、重
合禁止剤を使用することが好ましく、その例としては、
例えばメトキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等
をあげることができる。その添加量は好ましくは反応原
料混合物に対して、0.01〜5%、より好ましくは
0.05〜3%である。
【0028】反応温度は希釈溶媒、触媒により異なる
が、原料、反応中間体、生成物等の熱重合が起こらない
温度が好ましく、40〜150℃であり、 より好まし
くは50〜130℃である。反応時間は、触媒、反応温
度に依存するが、2〜80時間である。反応終了後は、
未反応の(メタ)アクリレート、希釈溶剤等を留去する
ことができ、また、これらを除去することなく次に用い
ることもできる。」上記した不飽和二重結合を2つ有す
る含フッ素化合物の他に、必要に応じて、不飽和二重結
合を含む含フッ素化合物、重合開始剤、その他のモノマ
ーや化合物を組成物中に加えることができる。これらの
モノマーや化合物は、適宜、硬度、屈折率の調整、コー
ティング性の調整などのために加えられ、重合して光学
薄膜とすることができる。
【0029】このような不飽和二重結合を1つ含む含フ
ッ素化合物としては、例えば、2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4
−ヘキサフロロブチルメタクリレート、パーフルオロオ
クチルエチルアクリレート、β−(パーフロロオクチ
ル)エチルメタアクリレートなどの単官能含フッ素(メ
タ)アクリレートなどがあげらる。光学薄膜の屈折率を
下げるためには、不飽和二重結合を1つ含むフッ素含有
量の多い化合物を添加するのが好ましい。また、ジフル
オロビニル化合物を少量添加して光学薄膜の硬度を上げ
ることもできる。
【0030】さらに、市販の多官能モノマーなどを、硬
度、屈折率の調整やその他の性能付与のために組成物中
に加えることができる。多官能モノマーの使用量は、屈
折率が上昇して、反射防止性能が低下するのを防止する
観点から、50重量%以下、さらには40重量%以下が
好ましい。
【0031】このような多官能モノマーとしては、例え
ば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる
が、相溶性がよく、鉛筆硬度H以上となる硬化物が得ら
れるものであれば特に限定されない。
【0032】さらにコーティング性を良くするために塗
膜の表面を平滑化する効果を持つレベリング剤を添加し
てもよく、添加量は、好ましくは硬化物全体の0.05
〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
【0033】本発明の光学薄膜において熱重合法、光重
合法、電子線重合法など、重合の方法は特に限定されな
いが、好ましくは、基板の耐熱性に影響を受けない光重
合法により硬化される。熱重合開始剤としては、アゾイ
ソブチロニトリル等のアゾ系化合物の他にパーオキサイ
ド系化合物等が用いられる。また光重合開始剤として
は、例えば、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロ
キシ2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホ
リノプロパノン−1などが挙げられるが、特に限定され
ない。光重合開始剤の添加量は、硬化物組成全体の0.
1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であ
る。
【0034】本発明では、必要に応じて、光重合開始
剤、市販の多官能モノマー、レベリング剤等を含む組成
物をそのまま、もしくは適当な溶剤で適当な濃度に希釈
したものが基板の上に、例えば、スピンコート、ディッ
プコート、ダイコート、スプレーコーティング、バーコ
ーターコーティング、ロールコーティング、カーテンフ
ローコーティングなどの方法で均一に塗布される。その
後、溶媒を加熱等で留去したのち加熱または光照射によ
り効果膜を形成する。なかでも低圧もしくは高圧水銀
灯、キセノン灯などを用いた紫外線照射によるものが好
ましい。
【0035】本発明の光学薄膜により反射防止性能を施
す基板は、特に限定されないが、例えば、通常のガラス
や、厚さ1mm以下の薄板ガラス、ポリカーボネート樹
脂やPMMA樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂などの樹脂透明基板、PETフィルムなどのフ
ィルム類などが挙げられる。
【0036】また、本発明の光学薄膜を基材に形成する
場合、密着性や塗布性を向上させるなどの目的で、必要
に応じて、基材を表面処理したり、基材と前記光学薄膜
との間に中間膜を設けることができる。かかる中間膜と
して前記光学薄膜よりも高屈折率の光学薄膜を設ける場
合は、反射防止効果が高まり、さらに、高屈折率薄膜と
本発明の光学薄膜を交互に多数積層することにより、よ
り優れた反射防止物品を得ることができる。反射防止効
果を高めるためには、膜を基材表面に設ける場合の屈折
率は、基材と同等もしくはそれより高い、1.56以
上、さらには1.6以上、特に1.7以上とするのが好
ましい。高屈折率膜の形成方法、素材には特に限定され
ない。さらに、これらの高屈折率膜に導電性をもたせた
ものも好ましく使用することができる。また、本発明の
光学薄膜は低反射性のみならず、フッ素元素の効果によ
る撥水性を付与することができる。
【0037】
【実施例】本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
【0038】[含フッ素ジ(メタ)アクリレート体の合
成] (1)含フッ素ジカルボン酸(HOCO(CF2)8COOH)0.0
5mol、グリシジル(メタ)アクリレート0.10mol、
ハイドロキノン140mg、ピリジンを240mg、ト
ルエン50gを、窒素で完全に置換され攪拌機、温度
計、コンデンサを備えた500ccの三つ口フラスコに
仕込み、窒素パージ下で70°Cで40時間加熱攪拌し
た。溶媒を留去して本発明の不飽和二重結合を有する、
含フッ素ジアクリレート体 CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2OCO(CF2)8COOCH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2(I) CH2=CHCOOCH2CH2CH(OH)OCO(CF2)8COOCH(OH)CH2CH2OCOCH=CH2 または、含フッ素ジメタクリレート体 CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCO(CF2)8COOCH2CH(OH)CH2OCOC(CH3)=CH2(II) CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCO(CF2)8COOCH2CH(OH)CH2OCOC(CH3)=CH2 を得た。 (2)(1)においてグリシジルメタクリレートの代わ
りにアクリロイルオキシメチレンシクロヘキセンオキサ
イドを用い、次式で表される含フッ素アクリレート体
(III )を得た。
【0039】
【化6】 (3)ピリジンの代わりに、BF3を150mg用いた以
外は(1)と同様にして、本発明の不飽和二重結合を有
する含フッ素ジアクリレート体 CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCO(CF2)8COOCH2CH(OH)CH2O
COC(CH3)=CH2および CH2=C(CH3)COOCH2CH2CH(OH)OCO(CF2)8COOCH(OH)CH2CH2O
COC(CH3)=CH2 または、含フッ素ジメタクリレート体 CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OCO(CF2)8COOCH2CH(OH)CH2O
COC(CH3)=CH2および CH2=C(CH3)COOCH2CH2CH(OH)OCO(CF2)8COOCH(OH)CH2CH2O
COC(CH3)=CH2を得た。
【0040】実施例1 本発明の不飽和二重結合を有する含フッ素化合物(I)
5部と、光開始剤としてイソプロピルチオキサントン
0.2部、イソブタノール90部を混合、攪拌して、塗
布液を調製した。その塗布液を、ハードコートしたポリ
カーボネート基板に膜厚100nmとなるようにディッ
プコート法で塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で
5000mJ/cm2 UV照射し、重合させた。ハード
コートしたポリカーボネート基板の屈折率は1.59で
あった。得られた光学薄膜基板の540nmにおける反
射率および、重合硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折
率、薄膜の耐消しゴム性を表1に示した。
【0041】得られた光学薄膜基板は低反射率であり、
かつ耐擦傷性に優れたものであった。 なお、薄膜の耐
消しゴム性は、LION、No50の消しゴムを用い、
1Kg加重のもとで5往復した後の傷の発生の有無を観
察して評価した。
【0042】実施例2 本発明の不飽和二重結合を有する含フッ素化合物(II)
を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、光学薄膜を
作製し評価した。結果を表1に示した。
【0043】実施例3 本発明の不飽和二重結合を有する含フッ素化合物(III
)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、光学薄
膜を作製し評価した。結果を表1に併せて示した。
【0044】実施例4 本発明の不飽和二重結合を有する含フッ素化合物 CH2=C(CH3)COOCH2CH2CH(OH)OCO(CF2)6COOCH(OH)CH2CH2O
COC(CH3)=CH2 80部と、パーフルオロオクチルエチルアクリレート1
5部、トリメチロールプロパントリアクリレート5部、
イソブタノール900重量部、および開始剤として1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1部を混合攪
拌して、塗布液を調製した。ハードコートしたポリカー
ボネート基板の上に、塗布液をスピンコート法で膜厚1
00nmとなるように塗布した後、高圧水銀灯を用いて
3分間で5000mJ/cm2 UV照射し重合させ
た。なお、ハードコートしたポリカーボネート基板の屈
折率は1.59であった。光学薄膜基板の540nmに
おける反射率および、重合硬化物の鉛筆硬度、D線にお
ける屈折率、薄膜の耐消しゴム性を表1に併せて示す。
【0045】得られた光学薄膜基板は低反射率であり耐
擦傷性に優れたものであった。
【0046】実施例5 本発明の不飽和二重結合を有する含フッ素化合物(I)
95部、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト5重量部、および光開始剤として2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パノン−1を1重量部、さらに、レベリング剤としてS
H190(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製)を0.3重量部、溶剤として酢酸−n−ブチル50
重量部を混合、攪拌して、塗布液を調製した。ポリカー
ボネート基板の上に、金属酸化物と多官能アクリレート
混合物からなる150nmの厚みで屈折率1.7のハー
ドコートを形成し、さらにその上に、上記塗布液をスピ
ンコート法で膜厚100nmとなるように塗布した後、
高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ/cm2 U
V照射し重合させ、ポリカーボネート基板上に高屈折率
薄膜および低屈折率薄膜の2層膜を設けた。
【0047】光学薄膜基板の540nmにおける反射率
および、重合硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、
薄膜の耐消しゴム性を表1に併せて示す。
【0048】得られた光学薄膜基板は低反射率であり耐
擦傷性に優れたものであった。
【0049】実施例6 実施例1において、塗料塗布基板をPMMAとした他
は、実施例1と同様にして光学薄膜基板を作製した。P
MMA基板の屈折率は1.50であった。
【0050】光学薄膜基板の540nmにおける反射率
および、重合硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、
薄膜の耐消しゴム性を表1に併せて示す。
【0051】得られた光学薄膜基板は低反射率であり耐
擦傷性に優れたものであった。
【0052】比較例1 ネオペンチルグリコールジアクリレート5重量部と、光
開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン0.4重量部、イソプロピルアル
コール90重量部を混合、攪拌して、塗布液を調製し
た。その塗布液をディップコート法でハードコートされ
たポリカーボネート基板に膜厚100nmとなるように
塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ
/cm2UV照射し重合させた。なお、ハードコートし
たポリカーボネート基板の屈折率は1.59であった。
光学薄膜基板の540nmにおける反射率および、重合
硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐消し
ゴム性を表1に併せて示す。
【0053】得られた薄膜の反射防止効果は低かった。
【0054】比較例2 基板としてPMMAを用いた他は、比較例1と同様にし
て、PMMA基板上に薄膜を形成した。PMMA基板の
屈折率は1.50であった。
【0055】540nmにおける反射率および、重合硬
化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐消しゴ
ム性を表1に併せて示す。
【0056】得られた薄膜の反射防止効果は低かった。
【0057】比較例3 市販のフッ素含有樹脂(旭硝子(株)製、サイトップ)
の2%溶液をハードコートされたポリカボネート基板に
膜厚100nmになるようにディップコート法で塗布し
た後、90℃で1時間乾燥させて光学薄膜を得た。な
お、ハードコート膜の屈折率は1.7であった。
【0058】540nmにおける反射率および、重合硬
化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐消しゴ
ム性を表1に併せて示す。
【0059】柔らかい重合硬化物となり、消しゴムによ
り傷が発生した。
【0060】比較例4 下記化学式 C8H17(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 で表される市販のフッ素含有樹脂(三菱レイヨン(株)
製、FM17)3重量部をパーフルオロ−2−ブチルテ
トラヒドロフラン97重量部に溶解して得られた3%溶
液を、ハードコートされたポリカボネート基板に膜厚1
00nmになるようにディップコート法で塗布した後、
80℃で1時間乾燥させて光学薄膜を得た。 540n
mにおける反射率および重合硬化物の鉛筆硬度、D線に
おける屈折率、薄膜の耐消しゴム性を表1に併せて示
す。なお、ハードコート膜の屈折率は1.7であった。
【0061】柔らかい重合硬化物となり、消しゴムによ
り傷が発生した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の含フッ素化合物は、耐擦傷性に
優れ、耐候性、耐熱性が良好でかつ、コート性の良い反
射防止性の光学薄膜を形成する材料となる。かかる光学
薄膜は反射防止性のみならず撥水性を有する。
【0064】また、本発明の光学薄膜から得られる反射
防止性物品は、テレビのブラウン管や液晶表示装置用の
反射防止膜、CRTモニター用反射防止フィルターなど
の各種表示装置の反射防止用、展示物のケースやショー
ウインド、絵画の額、窓ガラス、光学レンズ、メガネレ
ンズなどとして利用できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で示されることを特徴とする含
    フッ素化合物。 (CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
    つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
    Rfは含フッ素アルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】R2が(CH2)qCH(OH)CH2または(CH2)qCH2CH
    (OH)[qは1〜3の整数]であることを特徴とする請求項
    1記載の含フッ素化合物。
  3. 【請求項3】R2がシクロヘキシル環を有することを特
    徴とする請求項1記載の含フッ素化合物。
  4. 【請求項4】下記一般式で示される含フッ素化合物を含
    む組成物が重合してなることを特徴とする光学薄膜。 (CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
    つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
    Rfは含フッ素アルキル基を表す。)
  5. 【請求項5】下記一般式で示される含フッ素化合物10
    0重量部に対し、多官能(メタ)アクリレートを50重
    量部以下加えて得られた組成物が重合してなることを特
    徴とする光学薄膜。 (CH2=CR1COOR2OCO)2Rf (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は1
    つの水酸基を持つ炭素数1〜10のアルキル基を表し、
    Rfは含フッ素アルキル基を表す。)
  6. 【請求項6】多官能(メタ)アクリレートが3〜4官能
    (メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項5
    に記載の光学薄膜。
  7. 【請求項7】Rfが(CF2)k(kは2以上12以下の
    整数)であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか
    に記載の光学薄膜。
  8. 【請求項8】Rfが(CF2)m(mは4以上10以下の
    整数)であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか
    に記載の光学薄膜。
  9. 【請求項9】D線における屈折率が1.45以下である
    ことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の光学
    薄膜。
  10. 【請求項10】光により重合してなることを特徴とする
    請求項4〜9のいずれかに記載の光学薄膜。
  11. 【請求項11】請求項4〜10のいずれかに記載の光学
    薄膜を基材上に設けてなることを特徴とする反射防止性
    物品。
  12. 【請求項12】請求項4〜10のいずれかに記載の光学
    薄膜を屈折率1.56以上の膜を有する基材上に設けて
    なることを特徴とする反射防止性物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009540390A (ja) * 2006-06-13 2009-11-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 反射防止フィルムの低屈折率層に好適なフルオロ(メタ)アクリレートポリマー組成物

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