JPH10281988A - ガス分析方法及びガス分析装置 - Google Patents

ガス分析方法及びガス分析装置

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JPH10281988A
JPH10281988A JP9115897A JP9115897A JPH10281988A JP H10281988 A JPH10281988 A JP H10281988A JP 9115897 A JP9115897 A JP 9115897A JP 9115897 A JP9115897 A JP 9115897A JP H10281988 A JPH10281988 A JP H10281988A
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gas
optical path
detector
cell
canceling
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JP9115897A
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Shiyouken Go
尚謙 呉
Junichi Morishita
淳一 森下
Yoshio Ishihara
良夫 石原
Tetsuya Kimijima
哲也 君島
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Taiyo Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NH3、SiH4のような吸収干渉がある被測
定ガス中の不純物を高感度、高精度で分析するための方
法と装置の提供。 【解決手段】 測定用レーザ光源1と、主成分ガス中の
不純物を測定すべき被測定ガスを入れるサンプルセル2
と、不純物を含まない主成分ガスであるキャンセル用ガ
スを入れるキャンセル用セル3と、光源からのレーザ光
を第1のレーザ光と第2のレーザ光とに分岐し、該第1
のレーザ光を前記サンプルセルに入射するとともに、第
2のレーザ光を前記キャンセル用セルに入射する光分岐
手段4と、各セルから出射した光の強度を測定する第
1,第2の検出器5,6とを備えた光学系と;サンプル
セル内に被測定ガスを供給するガス供給手段と;第1の
検出器の測定結果を第2の検出器の測定結果から差し引
くことにより、被測定ガス中の不純物の吸収スペクトル
を算出する処理手段とを備えたガス分光分析装置、およ
びそれを用いたガス分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザを光
源とする吸収分光方式の微量ガス不純物分析方法に関
し、更に詳しくはアンモニアガス、シランガスなど近赤
外波長域に干渉吸収がある被測定ガス種の干渉吸収の影
響を除去し、これらのガス中の微量水分などの不純物濃
度を高感度、高精度、リアルタイムで分析するための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを光源とする吸収分光分析
方法は従来より各種の方法が提案されている。これら従
来技術の共通した特徴として、使用される光源の波長域
において、被測定ガスが透明であることと、被測定不純
物分子の吸収によって光パワーが減衰されることであ
る。すなわち、これらの方法は、同一波長における二種
類のガス(被測定ガスと被測定不純物ガス)の吸収の差
を利用して不純物の定量分析を行うものであり、従って
被測定ガスの透明性が測定の必須条件となる。しかしな
がら、近赤外波長域においては多くのガス種の分子が倍
音吸収バンド及び結合音吸収バンドを持つ。同一波長域
において被測定ガスも被測定不純物も吸収がある場合、
特に被測定ガスの吸光度が被測定不純物の吸光度より大
きくなると、このような被測定ガスの干渉吸収に邪魔さ
れて、従来の測定方法では高感度、高精度の測定は不可
能である。また、測定感度を高めるために、光源からの
ノイズを如何に低減するかは重要な課題である。ノイズ
を低減するためにデュアルビーム測定法が使用されてい
る。従来の測定方法ではノイズだけが除去の対象となる
が、被測定ガスの干渉吸収及びパージボックス中(セル
の外)に残留された被測定不純物の吸収の影響がある場
合、それを同時に除去することができない。従来のデュ
アルビーム測定法でノイズを除去するには主に二種類の
方法が使われている。一つは、使用されている二つの光
検出器に入射する光パワーを調整してパワーのバランス
を取ってから光電変換を行い、更に差動増幅器によって
ノイズをキャンセルする。もう一つは光検出器の後、ロ
ックイン増幅器の前にある電流/電圧変換プリーアンプ
の増幅利得を調整することにより、二つチャンネルのプ
リーアンプの出力をバランスさせてから差動増幅器を使
用してノイズを除去する。これらの方法はいずれにして
も時間領域の微少アナログ信号レベルでの調整であり、
周波数領域のノイズを最大限に除去することができなく
て、また装置の調整が難しいなどの欠点がある。
【0003】従来の分析装置の一例を図3に示す。従来
の分析装置は、半導体レーザ1(光源)と、集光レンズ
11とハーフミラー12とミラー13とを備え、該半導
体レーザ1から出射した光を二つの光路に分岐する光分
岐手段4と、分岐された光の一方を入射可能に配置され
たサンプルセル2と、該サンプルセル2から出射した光
の強度を測定する第1の検出器5と、分岐された他方の
光を入射可能に配置された第2の検出器6と、第1の検
出器5と第2の検出器6のそれぞれに接続された第1,
第2のロックイン増幅器21,22と第1,第2のAD
コンバータ23,24、及び第1,第2のADコンバー
タ23,24からの信号を入力し、サンプルセル2中の
被測定ガスの不純物濃度を計測および表示するコンピュ
ータ25とを備えている。サンプルセル2には、半導体
レーザ1の素子を駆動させるためのレーザ駆動部1aが
接続されている。また、サンプルセル2には、被測定ガ
スを該セル内に導入しかつ排出するガス供給手段9が設
けられている。
【0004】従来の分析装置によって測定した結果を図
4〜図7に例示する。図4と図5はそれぞれ、1.37
μm波長帯域において測定されたNH3とH2O、1.3
8μm波長帯域において測定されたSiH4とH2Oの吸
収スペクトルである。図4と図5から分かるように、被
測定ガスであるNH3、SiH4中の微量不純物H2Oを
測定する場合には、NH3あるいはSiH4の干渉吸収に
よって測定が邪魔されている。図6はNH3ガス中にH2
Oを添加して測定したスペクトルであり、図7は図6の
結果に基づいて作成した検量線である。NH3干渉吸収
の存在により、H2O濃度の変化に対して測定された吸
収スペクトルのピーク値が直線的に変化しないことが示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
では、被測定ガスの干渉吸収及びパージボックス中(セ
ルの外)に残留された被測定不純物の吸収の影響がある
場合、それを同時に除去することができない。結論とし
て、NH3、SiH4のような吸収干渉がある被測定ガス
中の不純物を高感度、高精度で分析するために被測定ガ
スの干渉吸収、光源からのノイズとパージボックス中
(セルの外)に残留された被測定不純物の吸収の影響を
同時に除去する必要がある。本発明は前記事情に鑑みて
なされたもので、NH3、SiH4のような吸収干渉があ
る被測定ガス中の不純物を高感度、高精度で分析するた
めの方法と装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、測定用レーザ光を第1のレーザ光と第2のレー
ザ光とに分岐し、第1のレーザ光を、主成分ガス中の不
純物を測定すべき被測定ガスを入れたサンプルセルを通
しその光強度を測定する第1の光路と、第2のレーザ光
を、不純物を含まない主成分ガスであるキャンセル用ガ
スを入れたキャンセル用セルを通しその光強度を測定す
る第2の光路とにそれぞれ入射し、第1の光路の測定結
果を第2の光路の測定結果から差し引くことにより、被
測定ガス中の不純物の吸収スペクトルを測定するガス分
析方法であって、前記第1の光路と第2の光路の光路長
を同一にし、かつ前記サンプルセル内のガス圧と、キャ
ンセル用セル内のガス圧とを同一にしながら測定を行う
ことを特徴とするガス分析方法である。請求項2に係る
発明は、前記第1の光路と第2の光路が、同じ光学特性
を持ち、かつサンプルセルとキャンセル用セルに入れる
ガスの圧力と流速を同じ条件とすることを特徴とする請
求項1記載のガス分析方法である。請求項3に係る発明
は、各測定波長毎に、前記第1の光路と第2の光路から
の出力を同時にデジタル信号に変換し、第2の光路側の
測定結果に、第1,第2の光路に分配された光パワーの
比である補正係数を乗じた後、第1の光路の測定結果を
第2の光路の測定結果から差し引くことを特徴とする請
求項1または2記載のガス分析方法である。請求項4に
係る発明は、光学系全体を測定波長域に実質的に吸収の
ないガスで置換して測定を行うことを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項記載のガス分析方法である。
【0007】請求項5に係る発明は、測定用レーザ光源
と、主成分ガス中の不純物を測定すべき被測定ガスを入
れるサンプルセルと、不純物を含まない主成分ガスであ
るキャンセル用ガスを入れるキャンセル用セルと、該光
源からのレーザ光を第1のレーザ光と第2のレーザ光と
に分岐し、該第1のレーザ光を前記サンプルセルに入射
するとともに、第2のレーザ光を前記キャンセル用セル
に入射する光分岐手段と、サンプルセルから出射した光
の強度を測定する第1の検出器と、キャンセル用セルか
ら出射した光の強度を測定する第2の検出器とを備え、
光分岐手段のレーザ光分岐位置からサンプルセルを経て
第1の検出器までの第1の光路と、該レーザ光分岐位置
からキャンセル用セルを経て第2の検出器までの第2の
光路との光路長を同一とした光学系と、前記サンプルセ
ル内に主成分ガス中の不純物を測定すべき被測定ガスを
供給するとともに、サンプルセル内のガス圧と、キャン
セル用セル内のガス圧とを同一にするガス均圧供給手段
と、前記第1の検出器と第2の検出器から出力された測
定結果を入力し、第1の検出器の測定結果を第2の検出
器の測定結果から差し引くことにより、被測定ガス中の
不純物の吸収スペクトルを算出する処理手段とを備えた
ガス分析装置である。請求項6に係る発明は、前記サン
プルセルとキャンセル用セルの光学特性を同じとし、か
つ第1の検出器と第2の検出器の受光特性を同じとして
構成したことを特徴とする請求項5記載のガス分析装置
である。請求項7に係る発明は、前記処理手段が、各測
定波長毎に、前記第1の検出器と第2の検出器からの出
力を同時にデジタル信号に変換し、第2の検出器の測定
結果に、第1,第2のレーザ光の光パワーの比である補
正係数を乗じた後、第1の検出器の測定結果を第2の検
出器の測定結果から差し引いて、被測定ガス中の不純物
の吸収スペクトルを算出する手段を有していることを特
徴とする請求項5または6記載のガス分析装置である。
請求項8に係る発明は、光学系全体を測定波長域に実質
的に吸収のないガスで包囲するパージ手段を設けたこと
を特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載のガス
分析装置である。請求項9に係る発明は、前記第1の光
路と第2の光路との光路長が同一になるように、第2の
検出器またはキャンセル用セルと第2の検出器、或いは
第1の検出器またはサンプルセルと第1の検出器の距離
を移動可能としたことを特徴とする請求項5から8のい
ずれか1項記載のガス分析装置である。
【0008】本発明は、被測定ガスの入ったサンプルセ
ルと、不純物を含まないキャンセル用ガスの入ったキャ
ンセル用セルに、2分割したレーザ光をそれぞれ入射
し、双方のセルからの出射光強度を測定し、サンプルセ
ル側の結果からキャンセル用セル側の結果を差し引くこ
とによって被測定ガス中の不純物の吸収スペクトルを測
定する。従って、測定波長域に吸収を持つ主成分ガス中
の微量不純物を測定する場合でも、主成分ガスの吸収に
影響されずに不純物を正確に測定することが可能とな
る。本発明は、サンプルセル側の第1の光路と、キャン
セル用セル側の第2の光路の光路長を同一にし、かつサ
ンプルセル内のガス圧と、キャンセル用セル内のガス圧
とを同一にしながら測定を行うことによって、双方の光
路長の差によって生じる誤差と、双方のセル内の差圧に
より生じる誤差の両方を無くすことができ、極めて高精
度の測定が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るガス分析装置
の一形態を示す図である。このガス分析装置は、測定用
レーザ光源1と、主成分ガス中の不純物を測定すべき被
測定ガスAを入れるサンプルセル2と、不純物を含まな
い主成分ガスであるキャンセル用ガスBを入れるキャン
セル用セル3と、該光源1からのレーザ光Lを第1のレ
ーザ光L1と第2のレーザ光L2とに分岐し、該第1のレ
ーザ光L1をサンプルセル2に入射するとともに、第2
のレーザ光L2を前記キャンセル用セルに入射する光分
岐手段4と、サンプルセル2から出射した光の強度を測
定する第1の検出器5と、キャンセル用セル3から出射
した光の強度を測定する第2の検出器6とを備えた光学
系7と;サンプルセル2内に被測定ガスAを供給すると
ともに、サンプルセル2内のガス圧と、キャンセル用セ
ル3内のガス圧とを同一にするガス均圧供給手段8と;
第1の検出器5と第2の検出器6から出力された測定結
果を入力し、第1の検出器5の測定結果を第2の検出器
6の測定結果から差し引くことにより、被測定ガスA中
の不純物の吸収スペクトルを算出する処理手段10とを
備えた構成になっている。
【0010】測定用レーザ光源1としては、周波数変調
が可能な半導体レーザ光源が好適に使用される。レーザ
駆動部1aは、半導体レーザの注入電流及び変調信号を
供給し、レーザ素子の温度も制御する。測定するとき
に、レーザ素子温度をコントロールすることによって、
レーザの発振波長を被測定不純物の吸収線波長の近くま
で変化させてからレーザ素子の温度が一定になるように
制御する。レーザの注入電流を変えることによって、半
導体レーザの波長を一定の間隔で変化させて行き、吸収
スペクトルを測定する。なお、測定用レーザ光源1およ
び駆動部1aの構成は本例示に限定されることなく、発
光ダイオードなどの光源を用いても良い。
【0011】本形態において、光学系7の分岐手段4
は、測定用レーザ光源1から出射した周波数変調された
レーザ光Lをコリメートする集光レンズ11と、その光
パワーの一部を透過し、他部を直交する方向に反射さ
せ、透過光である第1のレーザ光L1と反射光である第
2のレーザ光L2とに、光パワー比がほぼ1:1となる
ように二分するハーフミラー12と、ハーフミラー12
を透過した第1のレーザ光L1を直交方向に反射させて
サンプルセル2に入射させるミラー13とを備えてい
る。なお、この分岐手段4は本例示に限定されることな
く、近赤外光の透過率の良い導波路型光結合器や光ファ
イバ結合器(光カプラ)を用いた構成としても良い。
【0012】サンプルセル2と、キャンセル用セル3
は、形状、材質、寸法が同じもの、すなわち同一の光学
特性を有するセルを使用する。本例示では、長さ数10
cm以上、内径20mm程度の中空円筒状をなしたセル
を使用している。これらのセル2,3の両端に設けられ
た窓はブリュースタ角を持っている。第1,第2の検出
器5,6は、レーザ光Lの出力光を高感度で検出可能な
受光素子が使用され、双方で同じ受光特性を有するもの
が使用される。
【0013】光源1と、二つのセル2,3と、光分岐手
段4と、二つ検出器5,6とからなる光学系7は、その
内部を窒素ガスなどの測定波長域に大きな吸収を持たな
いガスで満たし、水分などの大気中の成分の浸入を防ぐ
パージ手段14に収容することが望ましい。具体的に
は、光学系7を密閉可能な外装体で包囲し、その外装体
に窒素ガス等のパージガスボンベからのパージガスを供
給するパージラインと、排気部とを備えたパージ手段な
どを用いて良い。このように光学系7をパージ手段14
内に収容することにより、光学系7内でのセル2,3透
過部分以外のレーザ光路上での余分な吸収(大気成分の
うち水分やCO2による吸収)を防ぐことができ、測定
精度を高めることができる。
【0014】前記ガス均圧供給手段8は、図2に示すよ
うに、サンプルセル2内に被測定ガスAを導入するサン
プルライン31と、キャンセル用セル3内にキャンセル
用ガスBを供給するキャンセルライン32と、サンプル
セル2とキャンセル用セル3からガスを排出するための
排出ライン33,34と、これら排出ライン33,34
の間に接続された差圧計35と、サンプルセル側の排出
ライン37に設けられた圧力計36と、該排出ライン3
7とキャンセル側の排出ライン38の双方に設けられた
コントロール弁39,40と、これらコントロール弁3
9,40の下流側に接続された排気ポンプ41と、サン
プル側排気ライン33,37に設けた圧力計36の測定
圧力が設定値になるようにコントロール弁39の開度を
調整するための制御装置42と、差圧計35の測定圧力
(差圧)がゼロになるように、キャンセル側のコントロ
ール弁40の開度を調整する制御装置43とを備えて構
成されている。このガス均圧供給手段8によれば、サン
プルセル2とキャンセル用セル3の差圧を常時測定し、
双方のセル2,3の差圧がゼロになるように、キャンセ
ル側のコントロール弁40の開度を調整することによっ
て、双方のセル2,3の差圧を常時等しくすることがで
きる。
【0015】前記処理手段10は、第1の検出器5から
の出力を増幅する第1のロックイン増幅器21と、第2
の検出器6からの出力を増幅する第2のロックイン増幅
器22と、第1のロックイン増幅器21からの出力信号
をデジタル信号に変換する第1のADコンバータ23
と、第2のロックイン増幅器22からの出力信号をデジ
タル信号に変換する第2のADコンバータ24と、これ
ら第1,第2のADコンバータ23,24およびD/A
コンバータ26からの出力信号を入力し、第1の検出器
5の測定結果を第2の検出器6の測定結果から差し引い
て、被測定ガス中の不純物の吸収スペクトルを算出する
と共に、その算出結果を表示するコンピュータ25とを
備えている。
【0016】この処理手段10は、各測定波長毎に、第
1の検出器5側と第2の検出器側からの出力を同時にデ
ジタル信号に変換し、第2の検出器6側の測定結果に、
第1,第2のレーザ光の光パワーの比である補正係数を
乗じた後、第1の検出器5の測定結果を第2の検出器6
の測定結果から差し引いて、被測定ガスA中の不純物の
吸収スペクトルを算出するようになっている。コンピュ
ータ25による算出結果は、ディスプレイ画面上に映し
出し、吸収スペクトルグラムのチャートとして記録し、
記録媒体に保存可能になっている。
【0017】このガス分析装置において、光分岐手段4
のレーザ光分岐位置、すなわちハーフミラー12からサ
ンプルセル2を経て第1の検出器5までの第1の光路
と、ハーフミラー12からキャンセル用セルを経て第2
の検出器までの第2の光路との光路長は、同一とされて
いる。第1の光路長は、ハーフミラー12からミラー1
3までの光路aと、ミラー13からサンプルセル1の入
射窓までの光路bと、サンプルセル2の出射窓から第1
の検出器5までの光路cと、サンプルセル2の長さの合
計であり、第2の光路長は、ハーフミラー12からキャ
ンセル用セル3の入射窓までの光路dと、キャンセル用
セル3の出射端から第2の検出器6までの光路eとキャ
ンセル用セル3の長さの合計である。ここで、双方のセ
ル長は同一であるから、双方のセル長を除く、第1の光
路長(a+b+c)と第2の光路長(d+e)を比較す
ると、双方のセル2,3を相対位置とし、かつ第1,第
2の検出器5,6を相対位置に配置すると、ハーフミラ
ー12からミラー13までの光路aの分だけ第1の光路
が長くなる。そこで、両方の光路長を等しくするため
に、例えば第2の光路における光路dと光路eの少なく
とも一方の長さを、光路bと光路cに対して長目に設定
し、両方の光路長を等しくすれば良い。
【0018】また、図1に示した装置では、サンプルセ
ル2を含む第1の光路の長さと、キャンセル用セル3を
含む第2の光路の長さが同一になるように、第2の検出
器6をXYステージ18に取り付けてある。すなわち、
第2の検出器6の位置を微調整可能な構造とすること
で、キャンセル用セル3の出射端から第2の検出器6ま
での光路eを可変とすることで、サンプルセル2を含む
第1の光路の長さと、キャンセル用セル3を含む第2の
光路の長さが同一となるように微調整できるようになっ
ている。さらに、コンピュータ25からの出力信号をD
/Aコンバータ26を通してXYステージ18に接続
し、第2の検出器6の位置をコンピュータ25で制御す
ることが望ましい。
【0019】次に、本発明に係るガス分析方法の一形態
について、前記のように構成されたガス分析装置を用い
たガス分析を例として説明する。ここで、被測定ガスA
としては、典型的にはNH3、SiH4のように、測定す
べき微量不純物、例えば水分(H2O)の測定波長域
に、干渉吸収が存在するNH3、SiH4などのガスを主
成分としたガスである。これらの被測定ガスは、従来法
による分析では、NH3あるいはSiH4の干渉吸収によ
って、H2Oなどの微量不純物の吸収スペクトルを正確
に測定することが困難なガス種である。なお、被測定ガ
スAは、この例示に限らず窒素、酸素、アルゴン、半導
体原料ガスなど他のものでも良い。
【0020】光源である半導体レーザ1から出射された
周波数変調されたレーザ光Lは、集光レンズ11でコリ
メートされてから、ハーフミラー12によって第1のレ
ーザ光L1と第2のレーザ光L2に、光パワー比がほぼ
1:1に二分化される。第1のレーザ光L1は、ミラー
13で反射された後、サンプルセル2に入射され、被測
定ガスAの入ったセル2内を通過し、第1の検出器5に
入る。第2のレーザ光L2は、不純物を含まない主成分
ガス(被測定ガスAの主成分ガスのみ)であるキャンセ
ル用ガスBの入ったキャンセル用セル3を通過した後、
第2の光検出器6に入る。第1,第2の検出器5,6に
入った光は、電気信号に変換されてから、それぞれロッ
クイン増幅器21,22に入れる。
【0021】ロックイン増幅器21,22の参照信号は
半導体レーザの変調信号と同一であるか、またはそれの
2倍波を使用する。ロックイン増幅器8,9の出力信号
はそれぞれADコンバータ11,12によってデジタル
信号に変換されてから、同時にパソコン13に入力して
保存される。レーザ駆動部10は半導体レーザの注入電
流及び変調信号を供給し、レーザ素子の温度も制御す
る。また、測定される不純物成分が大気成分である場合
には光学系をパージボックスに入れ、全てを窒素ガスで
パージする。測定するときに、レーザ素子温度をコント
ロールすることにより、レーザの発振波長を被測定不純
物の吸収線中心波長の近くまで変化させてからレーザ素
子の温度を一定になるように制御する。レーザの注入電
流を変えることによって、半導体レーザの波長を一定の
間隔で変化させて行き、吸収スペクトルを測定する。サ
ンプルチャンネルとキャンセルチャンネルの測定データ
の取り込みをステップ毎に二つのADコンバータから同
時に行う。サンプルセルとキャンセル用セルの圧力と流
量を同一条件になるようにコントロールする。
【0022】このガス分析装置は、測定用レーザ光Lを
第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2とに分岐し、第
1のレーザ光L1を、主成分ガス中の不純物を測定すべ
き被測定ガスAが入れられたサンプルセル2を通しその
光強度を測定する第1の光路と、第2のレーザ光L2
を、不純物を含まない主成分ガスであるキャンセル用ガ
スBが入れられたキャンセル用セル3を通しその光強度
を測定する第2の光路とにそれぞれ入射し、第1の光路
の測定結果を第2の光路の測定結果から差し引くことに
より、被測定ガス中の不純物の吸収スペクトルを測定す
る。すなわち、本発明方法では、サンプルセル2中の吸
収(不純物ガスの吸収+主成分ガスの吸収)からキャン
セル用セル3中の吸収(主成分ガスの吸収)を差し引
き、不純物の吸収のみを正確に検出することができるの
で、NH3、SiH4のような吸収干渉がある被測定ガス
中の不純物を高感度、高精度で分析することができる。
【0023】この方法において、第1の光路と第2の光
路が、同じ光学特性を持ち、かつサンプルセルとキャン
セル用セルに入れるガスの圧力と流速を同じ条件とする
ことによって、各光路間のバックグラウンド吸収が等し
くなり、サンプルセル2中の吸収とキャンセル用セル3
中の吸収の差が不純物の吸収のみとなるので、不純物の
検出感度を高めることができる。
【0024】この方法において、各測定波長毎に、前記
第1の光路と第2の光路からの出力を同時にデジタル信
号に変換し、第2の光路側の測定結果に、第1,第2の
光路に分配された光パワーの比である補正係数を乗じた
後、第1の光路の測定結果を第2の光路の測定結果から
差し引くことによって、測定すべき不純物の吸収を正確
に算出でき、極微量の不純物をも検出することができ
る。
【0025】また、この方法において、光学系7全体を
測定波長域に実質的に吸収のないガスで置換して測定を
行うことにより、光源1から検出器5,6までの各光路
を通るレーザ光が大気中に含まれる水分などの不純物に
より減衰されるのを防ぐことができ、水分などの大気中
に含まれる成分を不純物として分析を行う場合に、検出
感度を一層向上させることができる。
【0026】さらに、この方法において、第1の光路と
第2の光路の光路長を同一にして測定を行うことによ
り、光源1から検出器5,6までの各光路を通る第1,
第2のレーザ光L1,L2が通過する雰囲気の成分による
僅かな減衰やレーザ光の光束密度を均等にすることがで
き、検出感度をより一層向上させることができる。
【0027】また、本形態によるガス分析装置は、前述
した通り、被測定ガスAを入れるサンプルセル2と不純
物を含まないキャンセル用ガスBを入れるキャンセル用
セル3を備えた光学系7、ガス供給手段8、及びサンプ
ル側の第1の検出器5とキャンセル側の第2の検出器6
から出力された測定結果を入力し、第1の検出器5の測
定結果を第2の検出器6の測定結果から差し引くことに
より、被測定ガスA中の不純物の吸収スペクトルを算出
する処理手段10とを備えた構成なので、サンプルセル
2中の吸収(不純物ガスの吸収+主成分ガスの吸収)か
らキャンセル用セル3中の吸収(主成分ガスの吸収)を
差し引き、不純物の吸収のみを正確に検出することがで
きるので、NH3、SiH4のような吸収干渉がある被測
定ガス中の不純物を高感度、高精度で分析することがで
きる。
【0028】この装置において、サンプルセルとキャン
セル用セルの光学特性を同じとし、かつ第1の検出器5
と第2の検出器6の受光特性を同じに構成したことによ
って、サンプル側とキャンセル側の各光路間のバックグ
ラウンド減衰が等しくなり、サンプルセル2中の吸収と
キャンセル用セル3中の吸収の差が不純物の吸収のみと
なるので、不純物の検出感度を高めることができる。
【0029】また、この装置において、各測定波長毎に
第1の検出器5と第2の検出器6からの出力を同時にデ
ジタル信号に変換し、第2の検出器6側の測定結果に、
第1,第2のレーザ光の光パワーの比である補正係数を
乗じた後、第1の検出器5の測定結果を第2の検出器6
の測定結果から差し引いて、被測定ガスA中の不純物の
吸収スペクトルを算出する手段を有した処理手段10を
用いたことによって、測定すべき不純物の吸収を正確に
算出でき、極微量の不純物を検出することができる。
【0030】また、この装置において、光学系7全体を
測定波長域に実質的に吸収のないガスで包囲するパージ
手段14を設けたことによって、光源1から検出器5,
6までの各光路を通るレーザ光が大気中に含まれる水分
などの不純物により減衰されるのを防ぐことができ、水
分などの大気中に含まれる成分を不純物として分析を行
う場合に、検出感度を一層向上させることができる。
【0031】さらに、この装置において、光分岐手段の
レーザ光分岐位置からサンプルセルを経て第1の検出器
までの第1の光路と、該レーザ光分岐位置からキャンセ
ル用セルを経て第2の検出器までの第2の光路との光路
長を同一にしたことによって、光源1から検出器5,6
までの各光路を通る第1,第2のレーザ光L1,L2が通
過する雰囲気の成分による僅かな減衰やレーザ光の光束
密度を均等にすることができ、検出感度をより一層向上
させることができる。また、第1の光路と第2の光路と
の光路長が同一になるように、第2の検出器またはキャ
ンセル用セルと第2の検出器、或いは第1の検出器また
はサンプルセルと第1の検出器の距離を移動可能とした
ので、温度変化や光学系の経時変化によって第1、第2
の光路長に差が生じるのを防止でき、測定結果の信頼性
を高めることができる。
【0032】また、この装置において、サンプルセル2
とキャンセル用セル3内に、被測定ガスAとキャンセル
用ガスBを導入するとともに、双方のセル内の圧力を等
しくするガス均圧供給手段8を設けたことによって、被
測定ガスの圧力変動が生じた場合にも正確に測定を行う
ことができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1):実施例1としてアンモニア中の微量水分
測定を取り上げる。装置の構成は図1と同じである。光
源である半導体レーザ1は、1.37μm帯のDFBレ
ーザを使用する。レーザの注入電流に4kHzのsin
波を加えて直接に周波数変調を掛ける。サンプルセル2
とキャンセル用セル3はステンレス鋼製であり、光路長
が90cmで、ブリュースタ角の窓を持つ。測定する時
にサンプルセル2に不純物であるH2Oを含んでいるN
H3ガスを流してセルの圧力を50Torr、流速を400
sccmとそれぞれ一定になるように制御する。キャン
セル用セル3には、不純物がない純NH3が封入され、
圧力が50Torrになっている。第1、第2の検出器5,
6は、同一型番のGeフォトダイオードである。ロック
イン増幅器21,22、ADコンバータ23,24も同
様に双方のラインで同一型番のものを用いた。光のパワ
ーを分配するためハーフミラー12を使用したが、実際
にサンプル側とキャンセル側に分配されたパワーの比が
1:1.15であったので、キャンセル係数を1.2に
指定した。図8から図10に、このガス分析装置によっ
て測定したスペクトル及び検量線を示す。図8はそれぞ
れサンプルセル2側と、キャンセル用セル3側の測定結
果及びNH3の干渉吸収、パージボックス中の残留水分
と光源からのノイズを演算によって除去した後の測定結
果を示したものである。図9は同じ測定条件で水分濃度
だけを変化させて測定したスペクトルである。図10は
検量線であり、良い直線性を示した。
【0034】(実施例2):図2に示すガス均圧供給手
段8を設けてガス分析装置を作製した。被測定ガスA
は、サンプルライン31からサンプルセル2内に導入さ
れ、圧力計36、コントロール弁39を介して排気ポン
プ41によって排気される。圧力計36はサンプルセル
2内の圧力を検出するためのもので、ここでは隔膜式絶
対圧力計を用いた。本圧力計36のフルスケールは0〜
100Torrであり、その分解能は0.5Torrである。圧
力計36で計測された圧力信号は制御装置42に送ら
れ、制御装置42で設定した圧力の信号と比較される。
その比較回路によって得られた信号は、フィードバック
信号として、コントロール弁39の開度を制御する。コ
ントロール弁39には、ピエゾ素子によってその開度を
調整できる弁を用いた。一方、キャンセル用ガスBは流
量調整された後、キャンセルライン32からキャンセル
用セル3内に導入され、コントロール弁40を介して排
気ポンプ41によって排気される。サンプルセル排気側
とキャンセル用セル排気側に設けられた差圧計35は、
サンプルセル2内の圧力とキャンセル用セル3内の圧力
を等しくするためのもので、ここでは隔膜式差圧計を用
いた。本圧力のフルスケールは0〜100Torrであり、
その分解能は0.01Torrである。差圧計35で計測さ
れた圧力信号は制御装置43に送られた後、圧力(差
圧)がゼロとなるような信号としてコントロール弁40
の開度を調節する。なお、キャンセル用ガスBは必ずし
も通気する必要はなく、キャンセル用ガス導入口部に設
けられた弁(図示せず)と差圧計35と排気ポンプ41
の間に設けられた弁(図示せず)によって封入してもよ
い。サンプルセル2内の圧力制御性について実験を行っ
た。図11にその結果を示す。サンプルガス流量を20
0cc/分と一定とした時、設定圧力を10から100
Torrまで10Torr刻みで変化させた時の実測圧力は、い
ずれの設定圧力でも±1Torr以内であった。また、設定
圧力を50Torrとし、サンプルガス流量を100から5
00cc/分まで100cc/分刻みで変化させた時の
実測圧力は何れの流量においても50Torr±2Torrであ
った(図12)。図12には、サンプルセルとキャンセ
ル用セルの差圧制御性についての結果も合わせて示す。
キャンセル用ガス流量を100cc/分で一定としたと
き、差圧は0.01Torr以下であった。以上のように、
このガス均圧供給手段を用いれば、サンプルセル2内の
圧力を任意に、且つ精度よく制御することができ、ま
た、サンプルセル圧力とキャンセル用セル圧力を常に等
しく保持することが可能である。さらに、サンプルセル
2およびキャンセル用セル3の差圧がないため、排気系
を個別に設けなくとも、お互いのガスの逆流はない。し
たがって、排気ポンプは一つでよく、小型化が可能であ
る。
【0035】(実施例3):図1に示すガス分析装置を
用い、光路長調整に関する実験を行った。サンプルセル
2に水分を含むN2ガスを流す。セルの圧力が50Tor
r、ガス流量が300cc/分である。キャンセル用セ
ルに50Torrの純N2を封入する。この場合に測定され
たスペクトルを図13、図14に示した。図13は、サ
ンプルセル中の水分濃度が0ppbのときに測定したも
のである。この幅が広い吸収線微分スペクトルはセル外
部光路中に残留する水分によるものである。吸収線の中
心波長においてベースラインが大きくマイナス方向へ凹
んでいる。図14はサンプルセル中の水分濃度が28p
pbのときに測定したスペクトルである。幅が広いベー
スライン信号の上に幅が狭い吸収信号が重なった。これ
はサンプルセル内の水分吸収によって発生したものであ
る。このように、セル外部の光路中に残留された微量水
分が光路長の調整がうまくいかない場合に、測定された
吸収スペクトルの形が大きく変わる。これはレーザの波
長を吸収線の中心に固定してガス濃度を測定するとき、
特に問題になる。
【0036】上述した問題点を改善するために、セル外
部光軸の影響が最小になるように、自動的な調整機構を
設置した。具体的には、図1中の第2の検出器6を、X
Y軸方向で調節できる電動ステージ(XYステージ1
8)に固定してある。X軸は光軸方向で、Y軸はX軸と
直交する水平方向の軸である。XYステージ18は2つ
のD/Aコンバータ26を介してパソコン25に接続さ
れ、XY両方向の移動を制御できるようになっている。
制御に使用されているパラメータは中心波長(A点)に
おける測定信号の値と、中心から外れたもう一点(B
点)の間の信号差(A−B)を利用する。測定する時に
調整の手順として、 a.セル圧力の調整を行う b.ベースラインの調整に入る Y軸の調整に対しては信号の変動が大きいので、まずY
軸の調整を行う(荒調整)。A−Bの値が最小になるよ
うに繰り返して荒調整を行う。そして微調整としてX軸
の調整を行う。調整する方法は同じである。 c.キャンセル係数の最適化 光軸の調整により2つの検出器に入る光パワーの比が変
化するので、キャンセル係数の最適化が必要となる。測
定データの11点移動平均を取って、平均化されたデー
タと測定データの差を求める、この差データの分散(あ
るいは標準偏差)を最小になるようにキャンセル係数を
元の値マイナス0.5からプラス0.5まで、0.01
のステップで最適化して行き、最適値を探す。図15
に、光路長調整後の測定データを示す。また、図16は
サンプル内の水分濃度が0ppbのとき、光路長を同じ
にした場合の差分スペクトルを示す。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
の効果を奏し得る。本発明に係るガス分析方法は、測定
用レーザ光を第1のレーザ光と第2のレーザ光とに分岐
し、第1のレーザ光を、主成分ガス中の不純物を測定す
べき被測定ガスが入れられたサンプルセルを通しその光
強度を測定する第1の光路と、第2のレーザ光を、不純
物を含まない主成分ガスであるキャンセル用ガスが入れ
られたキャンセル用セルを通しその光強度を測定する第
2の光路とにそれぞれ入射し、第1の光路の測定結果を
第2の光路の測定結果から差し引くことにより、被測定
ガス中の不純物の吸収スペクトルを測定する。すなわ
ち、本発明方法では、サンプルセル中の吸収(不純物ガ
スの吸収+主成分ガスの吸収)からキャンセル用セル中
の吸収(主成分ガスの吸収)を差し引き、不純物の吸収
のみを正確に検出することができるので、NH3、Si
H4のような吸収干渉がある被測定ガス中の不純物を高
感度、高精度で分析することができる。この方法におい
て、第1の光路と第2の光路が、同じ光学特性を持ち、
かつサンプルセルとキャンセル用セルに入れるガスの圧
力と流速を同じ条件とすることによって、各光路間のバ
ックグラウンド吸収が等しくなり、サンプルセル中の吸
収とキャンセル用セル中の吸収の差が不純物の吸収のみ
となるので、不純物の検出感度を高めることができる。
またこの方法において、各測定波長毎に、前記第1の光
路と第2の光路からの出力を同時にデジタル信号に変換
し、第2の光路側の測定結果に、第1,第2の光路に分
配された光パワーの比である補正係数を乗じた後、第1
の光路の測定結果を第2の光路の測定結果から差し引く
ことによって、測定すべき不純物の吸収を正確に算出で
き、極微量の不純物をも検出することができる。また、
この方法において、光学系全体を測定波長域に実質的に
吸収のないガスで置換して測定を行うことにより、光源
から検出器までの各光路を通るレーザ光が大気中に含ま
れる水分などの不純物により減衰されるのを防ぐことが
でき、水分などの大気中に含まれる成分を不純物として
分析を行う場合に、検出感度を一層向上させることがで
きる。さらに、この方法において、第1の光路と第2の
光路の光路長を同一にして測定を行うことにより、光源
から検出器までの各光路を通る第1,第2のレーザ光
の、雰囲気成分による僅かな減衰やレーザ光の光束密度
を均等にすることができ、検出感度をより一層向上させ
ることができる。
【0038】本発明に係るガス分析装置は、測定用レー
ザ光源と、主成分ガス中の不純物を測定すべき被測定ガ
スを入れるサンプルセルと、不純物を含まない主成分ガ
スであるキャンセル用ガスを入れるキャンセル用セル
と、該光源からのレーザ光を第1のレーザ光と第2のレ
ーザ光とに分岐し、該第1のレーザ光を前記サンプルセ
ルに入射するとともに、第2のレーザ光を前記キャンセ
ル用セルに入射する光分岐手段と、サンプルセルから出
射した光の強度を測定する第1の検出器と、キャンセル
用セルから出射した光の強度を測定する第2の検出器と
を備えた光学系と、前記サンプルセル内に主成分ガス中
の不純物を測定すべき被測定ガスを供給するガス供給手
段と、前記第1の検出器と第2の検出器から出力された
測定結果を入力し、第1の検出器の測定結果を第2の検
出器の測定結果から差し引くことにより、被測定ガス中
の不純物の吸収スペクトルを算出する処理手段とを備え
たものなので、サンプルセル中の吸収(不純物ガスの吸
収+主成分ガスの吸収)からキャンセル用セル中の吸収
(主成分ガスの吸収)を差し引き、不純物の吸収のみを
正確に検出することができるので、NH3、SiH4のよ
うな吸収干渉がある被測定ガス中の不純物を高感度、高
精度で分析することができる。この装置において、光分
岐手段のレーザ光分岐位置からサンプルセルを経て第1
の検出器までの第1の光路と、該レーザ光分岐位置から
キャンセル用セルを経て第2の検出器までの第2の光路
との光路長を同一にしたことによって、光源1から検出
器までの各光路を通る第1,第2のレーザ光の雰囲気成
分による僅かな減衰やレーザ光の光束密度を均等にする
ことができ、検出感度をより一層向上させることができ
る。また、第1の光路と第2の光路との光路長が同一に
なるように、第2の検出器またはキャンセル用セルと第
2の検出器、或いは第1の検出器またはサンプルセルと
第1の検出器の距離を移動可能にしたことによって、温
度変化や光学系の経時変化によって第1、第2の光路長
に差が生じるのを防止でき、測定結果の信頼性を高める
ことができる。この装置において、サンプルセルとキャ
ンセル用セル内に、被測定ガスとキャンセル用ガスを導
入するとともに、双方のセル内の圧力を等しくするガス
均圧供給手段を設けたことによって、被測定ガスの圧力
変動が生じた場合にも正確に測定を行うことができる。
また、このガス分析装置において、サンプルセルとキャ
ンセル用セルの光学特性を同じとし、かつ第1の検出器
と第2の検出器の受光特性を同じに構成したことによっ
て、サンプル側とキャンセル側の各光路間のバックグラ
ウンド吸収が等しくなり、サンプルセル中の吸収とキャ
ンセル用セル中の吸収の差が不純物の吸収のみとなり、
不純物の検出感度を高めることができる。また、この装
置において、各測定波長毎に第1の検出器と第2の検出
器からの出力を同時にデジタル信号に変換し、第2の検
出器側の測定結果に、第1,第2のレーザ光の光パワー
の比である補正係数を乗じた後、第1の検出器の測定結
果を第2の検出器の測定結果から差し引いて、被測定ガ
ス中の不純物の吸収スペクトルを算出する手段を有した
処理手段を用いたことによって、測定すべき不純物の吸
収を正確に算出でき、極微量の不純物をも検出すること
ができる。また、この装置において、光学系全体を測定
波長域に実質的に吸収のないガスで包囲するパージ手段
を設けたことによって、光源から検出器までの各光路を
通るレーザ光が大気中に含まれる水分などの不純物によ
り減衰されるのを防ぐことができ、水分などの大気中に
含まれる成分を不純物として分析を行う場合に、検出感
度を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガス分析装置の一形態を示す構
成図。
【図2】 同じ装置に設けられたガス均圧供給手段を示
す構成図。
【図3】 従来のガス分析装置を示す構成図。
【図4】 図3のガス分析装置で分析したNH3の吸収
スペクトル。
【図5】 同じくSiH4及びH2Oの吸収スペクトル。
【図6】 NH3ガス中にH2Oを添加して測定したスペ
クトル。
【図7】 図6の結果に基づいて作成した検量線。
【図8】 本発明に係る図1の装置で分析したNH3と
H2Oの吸収スペクトル。
【図9】 同じくNH3中のH2O量を変化させた吸収ス
ペクトル。
【図10】 図9の結果に基づいて作成した検量線。
【図11】 本発明の実施例において、サンプルセル内
の圧力変化を示すグラフ。
【図12】 同じくサンプルセル内の圧力定常化を示す
グラフ。
【図13】 本発明の実験例において、サンプル中の水
分濃度ゼロの時の光路上水分による吸収を示すスペクト
ル。
【図14】 同じくサンプル中の水分濃度を28ppb
とした時のサンプル中水分と光路上水分による吸収スペ
クトル。
【図15】 光路長を同じに調整した時の測定スペクト
ル。
【図16】 同じく光路長を同じに調整し、サンプル中
水分がゼロのときの差分スペクトル。
【符号の説明】
1 測定用レーザ光源 2 サンプルセル 3 キャンセル用セル 4 光分岐手段 5 第1の検出器 6 第2の検出器 7 光学系 8 ガス均圧供給手段 10 処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 君島 哲也 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定用レーザ光を第1のレーザ光と第2
    のレーザ光とに分岐し、第1のレーザ光を、主成分ガス
    中の不純物を測定すべき被測定ガスを入れたサンプルセ
    ルを通しその光強度を測定する第1の光路と、第2のレ
    ーザ光を、不純物を含まない主成分ガスであるキャンセ
    ル用ガスを入れたキャンセル用セルを通しその光強度を
    測定する第2の光路とにそれぞれ入射し、 第1の光路の測定結果を第2の光路の測定結果から差し
    引くことにより、被測定ガス中の不純物の吸収スペクト
    ルを測定するガス分析方法であって、 前記第1の光路と第2の光路の光路長を同一にし、かつ
    前記サンプルセル内のガス圧と、キャンセル用セル内の
    ガス圧とを同一にしながら測定を行うことを特徴とする
    ガス分析方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の光路と第2の光路が、同じ光
    学特性を持ち、かつサンプルセルとキャンセル用セルに
    入れるガスの圧力と流速を同じ条件とすることを特徴と
    する請求項1記載のガス分析方法。
  3. 【請求項3】 各測定波長毎に、前記第1の光路と第2
    の光路からの出力を同時にデジタル信号に変換し、第2
    の光路側の測定結果に、第1,第2の光路に分配された
    光パワーの比である補正係数を乗じた後、第1の光路の
    測定結果を第2の光路の測定結果から差し引くことを特
    徴とする請求項1または2記載のガス分析方法。
  4. 【請求項4】 光学系全体を測定波長域に実質的に吸収
    のないガスで置換して測定を行うことを特徴とする請求
    項1から3のいずれか1項記載のガス分析方法。
  5. 【請求項5】 測定用レーザ光源と、主成分ガス中の不
    純物を測定すべき被測定ガスを入れるサンプルセルと、
    不純物を含まない主成分ガスであるキャンセル用ガスを
    入れるキャンセル用セルと、該光源からのレーザ光を第
    1のレーザ光と第2のレーザ光とに分岐し、該第1のレ
    ーザ光を前記サンプルセルに入射するとともに、第2の
    レーザ光を前記キャンセル用セルに入射する光分岐手段
    と、サンプルセルから出射した光の強度を測定する第1
    の検出器と、キャンセル用セルから出射した光の強度を
    測定する第2の検出器とを備え、光分岐手段のレーザ光
    分岐位置からサンプルセルを経て第1の検出器までの第
    1の光路と、該レーザ光分岐位置からキャンセル用セル
    を経て第2の検出器までの第2の光路との光路長を同一
    とした光学系と、 前記サンプルセル内に主成分ガス中の不純物を測定すべ
    き被測定ガスを供給するとともに、サンプルセル内のガ
    ス圧と、キャンセル用セル内のガス圧とを同一にするガ
    ス均圧供給手段と、 前記第1の検出器と第2の検出器から出力された測定結
    果を入力し、第1の検出器の測定結果を第2の検出器の
    測定結果から差し引くことにより、被測定ガス中の不純
    物の吸収スペクトルを算出する処理手段とを備えたガス
    分析装置。
  6. 【請求項6】 前記サンプルセルとキャンセル用セルの
    光学特性を同じとし、かつ第1の検出器と第2の検出器
    の受光特性を同じとして構成したことを特徴とする請求
    項5記載のガス分析装置。
  7. 【請求項7】 前記処理手段が、各測定波長毎に、前記
    第1の検出器と第2の検出器からの出力を同時にデジタ
    ル信号に変換し、第2の検出器の測定結果に、第1,第
    2のレーザ光の光パワーの比である補正係数を乗じた
    後、第1の検出器の測定結果を第2の検出器の測定結果
    から差し引いて、被測定ガス中の不純物の吸収スペクト
    ルを算出する手段を有していることを特徴とする請求項
    5または6記載のガス分析装置。
  8. 【請求項8】 光学系全体を測定波長域に実質的に吸収
    のないガスで包囲するパージ手段を設けたことを特徴と
    する請求項5から7のいずれか1項記載のガス分析装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第1の光路と第2の光路との光路長
    が同一になるように、第2の検出器またはキャンセル用
    セルと第2の検出器、或いは第1の検出器またはサンプ
    ルセルと第1の検出器の距離を移動可能としたことを特
    徴とする請求項5から8のいずれか1項記載のガス分析
    装置。
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